インバウンドはAI検索で通じる?|ファネルをループに組み直す

インバウンドはAI検索で通じる?|ファネルをループに組み直す

「記事は毎月きちんと出しているのに、資料請求が前ほど増えない」「調べものがAIの回答で済んでしまうなら、ホワイトペーパーを作り続ける意味はあるのか」。インバウンドの体制を何年か回してきたBtoBのマーケティング責任者が、いま口にし始めている疑問です。よく聞く答えは「それでも記事を増やせば、いずれ見つけてもらえる」というものです。しかしその答えは、人が検索して自社のサイトまで来てくれる、という前提の上でしか成り立ちません。問題は記事の量ではありません。本当は、型のどの段が人の来訪に頼っていたのかを見直す話です。この記事では、AIの回答で検索が終わる場面でインバウンドの型のどこが壊れたのか、提唱元自身が型を置き換え始めた事実、そして残す施策・足す指標・やめる施策をどう決めるかを整理します。


カメ先生カメ先生

インバウンドが効かなくなったのは、記事の質が落ちたからだと思われがちなんだ。でも本当は、記事を読む相手が変わったことのほうが大きい。人より先にAIが記事を読んで、要約して、答えを返してしまうんだよ。


カメ子カメ子

記事は読まれているのに、読んだのが人ではなくAIだった、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから流入も資料請求も、記事の出来とは別のところで減る。型を作った会社自身が、去年から直線の型を回る型に描き直し始めたのも、そのためなんだ。


カメ子カメ子

記事をやめる話ではなく、記事から先の段の組み方を変える話なんですね。


この記事のポイント
  • インバウンドは「人が検索して自社サイトに来る」ことを前提にした型。AIの回答で検索が終わると、流入・資料請求・育成の3つの段がそれぞれ別の形で崩れる
  • 提唱元のハブスポット自身が2025年9月、直線のファネルを、表現・個別化・増幅・進化を回す型に描き直した。インバウンドを捨てるのではなく、その上に重ねる位置づけ
  • 既存記事の棚卸しやAIの回答の定点観測の下書きはAIに任せ、指標を残すか足すか、入口のフォームを続けるか、営業に渡す基準、やめる施策は人が決める

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目次

インバウンドの前提は「人が検索して自社サイトに来る」こと

インバウンドマーケティングは、売り込みに行く代わりに、相手が調べる場面で役に立つ記事や資料を置いておき、見つけてもらうところから関係を始める型です。記事で来てもらい、資料請求のフォームで名前と連絡先をもらい、メールなどで関心を育て、熱が上がったところで営業に渡す。コンテンツマーケティングの定義や、作る・届ける・育てるの流れそのものは、別の記事「コンテンツマーケAI活用法」で整理しています。

この型には、段ごとに見ると共通する前提があります。どの段も、人が自社のサイトに来て、自社のページを読むことを起点にしているという点です。流入は来訪の数で測り、資料請求は来訪した人がフォームに入力した数で測り、育成はその入力で手に入った連絡先を使って回します。来訪がなければ、次の段に渡すものが何も生まれません。

つまりインバウンドは、検索という入口が「自社サイトへの道」になっていることに強く依存した型でした。検索エンジンが一覧を出し、人がその中から自社の記事を選んでクリックする。この一手が当たり前だった時代には、記事の数と質を上げることが、そのまま来訪の数を増やす手段になっていました。崩れ始めたのは、この一手のところです。

AIの回答で検索が終わると、何が起きているのか

いま検索の場面で起きているのは、検索結果の上にAIの要約が出たり、最初から対話型のAIに質問したりして、その場で答えを受け取って調べものを終える動きです。ハブスポットは2025年9月の発表で、海外の調査を引いて「グーグル検索の60%がクリックされずに終わっている」と説明し、買い手が企業のサイトを訪れる前にAIで調べるようになったことで、従来のファネルの効き目が落ちていると述べました。この数字は海外の調査に基づくもので、日本の数字ではありません。

日本でも、生成AIを使う人は急に増えています。総務省の令和7年版情報通信白書によると、何らかの生成AIのサービスを使っている(使ったことがある)と答えた個人は2024年度で26.7%で、前年度の9.1%から大きく伸びました。米国などに比べればまだ低い水準ですが、BtoBの検討者が仕事の調べものにAIを使う場面は、これから増える方向にあります。

ここで大事なのは、AIが記事を読まなくなったわけではない、という点です。AIはむしろ、人より先に記事を読んでいます。読んだうえで要約し、複数の記事の内容をまとめて答えを返す。記事は役に立っているのに、その役立ち方が来訪という形で自社に返ってこない。クリックされない検索の進み方や影響額の見積もりは、別の記事「クリックされない検索が増えている」に詳しく書いています。本稿では、その変化がインバウンドの型のどの段を壊したのかを見ていきます。

壊れた段1:流入 記事の数と来訪の数がつながらなくなった

最初に崩れたのは、記事の数を増やせば来訪が増える、というつながりです。用語の意味や手順の概要、比較の観点のような、答えが短くまとまる問いほど、AIの回答の中で用が足ります。インバウンドの記事の多くは、まさにこうした「調べ始めの問い」に答えるために作られてきました。そのため、記事を増やしても、来訪の増え方が以前のようにはついてこなくなっています。

このとき起きやすい誤解が、検索順位が落ちたせいだと考えることです。順位はそれほど変わっていないのに、来訪だけが減る、ということが起こります。順位の改善に手を打っても、AIの回答で用が足りる問いでは、来訪は戻りません。打ち手を間違えると、記事の手直しに時間を使ったうえで、数字は動かないままになります。

もう1つの変化は、来訪してくる人の性質です。AIの回答を読んでからサイトに来る人は、すでに基本的なことを知ったうえで、もっと詳しい資料や、自社に当てはめた話を求めて来ることが多くなります。来訪の数は減っても、来た人の検討の段階は進んでいる可能性があります。来訪の数だけを見ていると、この変化は「悪化」にしか見えません。

壊れた段2:資料請求 フォームの手前で答えが出てしまう

インバウンドの2つ目の段は、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに、名前と連絡先をもらうところです。ここには「役に立つ情報を、フォームの向こうに置いておく」という仕掛けがありました。読者は情報がほしいから、連絡先を差し出してでもフォームに入力する。この交換が成り立っていたのは、情報が他では手に入りにくかったからです。

AIの回答が広がると、この交換の条件が変わります。チェックリストや基本の手順、一般的な比較の観点は、AIに聞けばその場で出てきます。フォームの向こうに置いてある資料の中身が、AIの回答で代わりがきく一般論であれば、読者はわざわざ連絡先を差し出しません。入口のフォームが減っているのではなく、フォームの向こうにある資料の値打ちが下がっているのです。

逆に言えば、AIの回答では代わりがきかない資料は、まだ交換の対象になります。自社が集めた調査の数字、自社の支援の現場で見た事例、業界ごとの細かな判断の基準などです。資料請求の数を見るときは、全体の件数より、どの資料で件数が保たれていて、どの資料で落ちているのかを分けて見るほうが、次の判断につながります。

壊れた段3:育成 名前の分からない検討者が増える

3つ目の段は、手に入れた連絡先を使って関心を育てるところです。MAで閲覧の履歴を記録し、メールで情報を届け、反応に応じて点数をつけて、熱の上がった相手を営業に渡す。この段は、前の段で連絡先をもらえていることが前提です。資料請求が減れば、育てる相手の数そのものが減ります。

もっと厄介なのは、検討そのものは進んでいるのに、自社の記録には何も残らない相手が増えることです。AIに質問して候補の会社を絞り、比較の観点を整理し、社内で話を進めてから、最後に問い合わせのフォームに来る。こうした相手は、MAの記録では「いきなり問い合わせてきた人」に見えます。育成の段を通らずに検討が終わっているのです。

この変化は、育成の段が要らなくなったという意味ではありません。すでに連絡先をもらっている相手には、これまでどおり育成が効きます。変わったのは、育成の段を通らずに来る相手を、型の外の例外として扱えなくなったことです。問い合わせの時点で、相手がどこまで調べてきたのかを聞き取る手順が、型の中に必要になっています。

原因は記事ではなく、型が来訪を数えていたこと

3つの段の崩れ方を並べると、共通する原因が見えてきます。記事の質が落ちたのでも、MAの使い方が悪くなったのでもありません。インバウンドの型が、来訪とフォームの入力という、自社のサイトの中で起きることだけを数えていたことが原因です。自社のサイトの外で検討が進むようになると、型の物差しが現実をとらえられなくなります。

ファネルという描き方そのものにも、同じ癖があります。上から順に、知る、興味を持つ、比べる、決める、と段が並び、段ごとに数が減っていく。この描き方は、相手が段を順番に通り、そのたびに自社の記録に足跡を残すことを前提にしています。AIの回答の中で知り、比べるところまで済ませる相手は、上の段に足跡を残さないまま、いきなり下の段に現れます。

だから、記事を増やすか減らすかという量の議論から入ると、判断を誤ります。先に問うべきなのは、型の物差しのどこが自社のサイトの外を見落としているか、です。ファネルの段ごとの指標と離脱の分析の手順は別の記事「マーケファネルの分析に生成AIを活かす方法」にまとめていますが、本稿で考えたいのは、その一歩手前にある「ファネルという直線の型を、このまま続けるのか」という問いです。

提唱元自身が、直線の型を回る型に描き直し始めた

インバウンドという言葉を広めたのは、米国のハブスポットです。そのハブスポットが2025年9月、年次の大きな催しにあわせて、AI時代のマーケティングの新しい型として、直線のファネルではなく、回り続ける輪の形の型を発表しました。日本語の公式ページでは2025年9月4日付で、2000年代にインターネットの変化に応えたのがインバウンドだったように、AIによる買い手の変化に応えるための型だと位置づけています。

輪は4つの段階でできています。1つ目は「表現」で、AIを使う前に、自社の考え方や語り口、顧客への理解をはっきりさせる段階です。2つ目は「個別化」で、まとまった顧客の情報とAIを使って、相手ごとに合わせた体験を作る段階。3つ目は「増幅」で、検索だけでなく、AIが答えを返す場や、動画、音声、交流の場など、買い手がいる場所に内容を広げる段階。4つ目は「進化」で、試した結果から学び、次の回に戻す段階です。

ここで押さえておきたいのは、ハブスポット自身が公式ブログで、この型はインバウンドを置き換えるものではなく、その土台の上に重ねるものだと書いている点です。顧客を先に考えること、教えることで信頼を得ること、売り込む前に価値を出すことは残す、という立場です。型を作った会社が、捨てるのではなく描き直す道を選んだという事実は、自社の型を見直すときの手がかりになります。

ただし、この型を採るかどうかは、特定の製品を使うかどうかとは別の話です。輪の4段階は、ハブスポットの製品の機能と組み合わせて説明されることが多いものの、考え方そのものはどの道具でも置き換えられます。本稿では、この型を提唱元が直線の型を見直し始めた事実として扱い、組み直しの判断は道具に依らずに考えます。

組み直しは「残す・足す・やめる」に分けて決める

インバウンドの体制を組み直すとき、いきなり新しい型に全部を移すと、何がうまくいったのか分からなくなります。いまある施策を1つずつ取り出し、残すもの、指標を足すもの、やめるものに分けるところから始めるのが現実的です。分け方の目安を表にまとめます。

区分対象になりやすい施策判断の目安決める人
残す自社にしか書けない一次情報の記事、指名で探される資料、既存の連絡先への育成AIの回答では代わりがきかない中身かマーケ責任者
足すAIの回答に自社が出るかの定点観測、問い合わせ時の聞き取り、検索以外の場への展開自社サイトの外の検討を、少しでも数えられるかマーケ責任者と営業責任者
形を変える一般論のホワイトペーパー、点数だけで営業に渡す基準入口や基準の前提が、来訪に頼りすぎていないかマーケ責任者と営業責任者
やめる答えが短くまとまる用語解説の量産、来訪の数だけを目標にした記事の追加続けても次の段に何も渡らないか決裁者

この仕分けのうち、施策の一覧を作り、それぞれの施策の過去の数字を並べ、区分の案を出すところまではAIに任せられます。ただし、AIには区分の理由を必ず書かせてください。理由のない仕分け案は、確かめようがありません。どの区分に入れるかを決めるのは人です。同じ施策でも、自社の商材や営業の体制によって、残すべきか、やめるべきかは変わるからです。

仕分けの単位は、施策の名前ではなく、中身で切るのがこつです。「ブログ記事」とひとまとめにすると判断できません。「用語の意味を説明する記事」「自社の調査の数字を出す記事」「導入の手順を説明する記事」のように、AIの回答で代わりがきくかどうかで分けると、区分が決めやすくなります。

残す施策:自社にしか出せない中身と、それを読む既存の相手

残す施策の中心は、AIの回答が他の記事をまとめても出てこない中身です。自社が実施した調査の結果、支援の現場で見た失敗と立て直しの経緯、業界ごとの判断の基準、自社の考え方そのものなどです。AIは公開されている情報を読んで答えを作るので、自社しか持っていない情報を出している記事は、AIにとっても読む価値のある情報源になります。

もう1つ残すべきなのは、すでに関係のある相手への育成です。連絡先をもらっている相手、過去に商談した相手、既存の顧客には、メールや催しの案内がこれまでどおり届きます。AIの回答が広がっても、この人たちとのやり取りは自社の中で続けられます。新しい相手の来訪が減るほど、既存の相手との関係の値打ちは相対的に上がります。

気をつけたいのは、残す施策の中身を、AIに書かせた一般論で薄めないことです。自社の一次情報を軸にした記事でも、周りの説明をAIの下書きで膨らませると、AIの回答で代わりがきく部分の割合が増えます。残す記事ほど、人が書くべき部分の割合を高く保つことが、組み直しの効き目を左右します。

足す指標:AIの回答に自社が出るかを定点で見る

来訪とフォームの入力だけを数える物差しに、自社のサイトの外の様子を少しでも足します。分かりやすいのは、自社の商材を検討する人がAIにしそうな質問を決めておき、その回答に自社の名前や記事が出てくるかを、月に一度など定点で確かめる方法です。どのAIで、どの質問を、いつ確かめたかを記録しておけば、変化を追えます。

この定点観測は、質問の候補を出し、回答を集めて表にまとめるところまでAIに手伝わせることができます。ただし、AIの回答は聞くたびに変わることがあり、1回の結果で良し悪しを言えるものではありません。観測の結果を指標に足すかどうか、足すならどの重みで見るかは、人が決めます。数字の取り方の細かな設計は別の記事「AI検索の数字は分けて見られる?」で整理しています。AIに引用される記事の書き方も、本稿では扱いません。

もう1つ足したいのが、問い合わせや商談の場での聞き取りです。「どこで当社を知りましたか」に加えて、「検討の途中でAIに相談しましたか」「そのとき当社の名前は出てきましたか」と聞く項目を足します。自社の記録に足跡を残さずに来た相手が、どこで検討を進めていたのかを知る、ほとんど唯一の手がかりになります。

指標を足すときの落とし穴は、古い指標をそのまま残したまま、新しい指標を同じ重さで足すことです。来訪の数の目標を据え置いたまま定点観測を足すと、現場は結局、来訪を追い続けます。足す指標と同時に、既存の指標の目標をどう扱うかを決めておく必要があります。

ホワイトペーパーの入口を続けるかの判断

資料請求のフォームを入口にした仕組みは、インバウンドの体制の中でも投資が大きい部分です。資料を作る手間、フォームと連携したMAの設定、受け取った連絡先を育てるメールの流れがひとそろいになっています。この入口を続けるかどうかは、資料ごとに分けて考えます。

判断の軸は、先に見た「AIの回答で代わりがきくか」です。一般的なチェックリストや入門の解説を資料にしているものは、フォームの向こうに置いておく値打ちが下がっています。こうした資料は、フォームを外して記事として公開し、AIにも人にも読まれる形にしたほうが、自社の名前が出る場面を増やせる場合があります。一方、自社の調査の数字や事例を集めた資料は、フォームの向こうに置き続ける意味があります。

どちらにするかの判断は、マーケ責任者が営業と相談して決めます。フォームを外せば、その資料から入ってくる連絡先は減ります。連絡先の数が減ることを、営業の側が受け入れられるかどうかを先に確かめておかないと、外した後で「リードが減った」という話になり、元に戻すことになりかねません。

MAの育成と、営業に渡す基準は誰が決めるか

育成の段では、どこまでをAIに回させるかが問われます。メールの文面の下書き、相手の閲覧の履歴を読んだうえでの次の案内の候補、反応の要約などは、AIに任せやすい作業です。ハブスポットの輪の型でいう「個別化」も、この部分にAIを使う考え方です。ただし、AIが作った文面をそのまま自動で送る範囲は、絞っておくべきです。

理由は、育成のメールが、相手から見れば会社の名前で届く約束の文書だからです。誤った情報や、相手の状況に合わない提案が届けば、関係を損ないます。AIの下書きを人が確かめてから送る範囲と、確かめずに送ってよい範囲を、先に線引きしておくことが必要です。たとえば、催しの案内や資料の更新の知らせは確かめずに送ってよく、価格や導入の条件に触れる文面は人が確かめる、という分け方です。

営業に渡す基準も見直しの対象です。これまでの基準は、MAの点数が一定を超えたら渡す、という形が多かったはずです。しかし、育成の段を通らずに来る相手が増えると、点数はほとんど付いていないのに、検討は終盤まで進んでいる相手が出てきます。点数だけで渡す基準は、こうした相手を取りこぼします。

この基準を、マーケと営業のどちらが決めるかを、はっきりさせておきます。AIに過去の商談の記録から、受注につながった相手の特徴を洗い出させることはできますが、その特徴を基準に採るかどうかは人が決めます。渡す基準を決める人を1人に決め、半年ごとに見直す形にしておくと、基準が誰の持ち物か分からなくなる事態を防げます。

組み直しの手順

ここまでの判断を、実際の作業の順番に並べると次のようになります。全部を一度に変えるのではなく、四半期ほどの単位で区切って進めます。

STEP1
既存の施策と記事を棚卸しする

記事、資料、メールの流れ、催しなど、インバウンドの体制にある施策を一覧にします。記事ごとの来訪や資料ごとの請求の数の推移を並べる作業は、AIに任せられます。

STEP2
AIの回答で代わりがきくかで仕分ける

施策ごとに、中身がAIの回答で代わりがきく一般論か、自社にしか出せない情報かを分けます。仕分けの案はAIに出させ、理由を書かせたうえで人が確定します。

STEP3
残す・足す・形を変える・やめるを決める

仕分けをもとに、施策ごとの扱いを決めます。やめる施策は、決裁者が理由と一緒に承認します。

STEP4
足す指標の取り方を決める

定点観測の質問、確かめるAI、確かめる頻度、問い合わせ時の聞き取りの項目を決めます。既存の指標の目標をどう扱うかも、ここで決めます。

STEP5
営業と渡す基準を合わせる

点数だけで渡す基準を見直し、問い合わせ時の聞き取りの結果をどう使うかを営業と決めます。基準を持つ人を決めます。

STEP6
四半期で区切って振り返る

区切りごとに、残した施策と足した指標の動きを見て、次の四半期の扱いを決めます。ハブスポットの型でいう「進化」の段階にあたる部分です。

この手順の中で、AIに任せた作業の結果は、必ず元の数字や記事にさかのぼれる形で残してください。AIがまとめた要約だけが残っていると、後で判断の理由を説明できなくなります。

体制の組み替えと、やりがちな失敗

型を組み直すと、担当の分け方も変わります。これまでのインバウンドの体制は、記事を作る人、資料とフォームを用意する人、MAで育成を回す人、営業に渡す人、と段ごとに担当が分かれていることが多かったはずです。回る型では、段の間を行き来する役割が要ります。特に、自社のサイトの外の様子を観測し、その結果を記事や資料の判断に戻す役割は、どの段の担当にも属していないため、置かないと誰もやりません。

組み直しの途中で起きやすい失敗を挙げます。

  • 記事をまとめてやめる:一般論の記事と一次情報の記事を分けずに減らし、AIにも人にも読まれる情報源まで手放してしまう
  • 新しい型の名前だけを取り入れる:4段階の名前を資料に書いても、指標と担当は直線の型のまま変わらない
  • AIの回答の観測結果を1回で判断する:聞くたびに変わる回答を、ある日の1回の結果で良し悪しを決め、施策を入れ替えてしまう
  • 育成のメールをAIに任せきる:確かめる範囲を決めずに自動で送り、相手の状況に合わない提案が届く
  • 営業に相談せずにフォームを外す:連絡先が減ったことを後から責められ、判断の根拠を示せずに元に戻す

どの失敗も、AIの性能の問題ではなく、判断の線を引かないまま作業を進めたことから起きます。残すか、足すか、やめるかを決める人と、その理由を記録しておけば、ほとんどは防げます。

  • ハブスポットの型の名前・発表の日付・4段階の説明は、ハブスポットの日本語の公式ページ(2025年9月4日付)と公式ブログに基づきます(2026年10月3日に確認)
  • 「グーグル検索の60%がクリックされずに終わる」は、ハブスポットが海外の調査を引いて示した数字です。日本の数字ではありません
  • 日本の生成AIの利用の割合は、総務省の令和7年版情報通信白書に基づきます

よくある質問

インバウンドはもう古い型なのですか?

古くなったのは、型が置いていた前提のほうです。相手が調べる場面で役に立つ情報を置き、信頼を得てから関係を始めるという考え方は、AIの回答が広がっても変わりません。提唱元のハブスポット自身も、新しい型はインバウンドを置き換えるのではなく、その上に重ねるものだと説明しています。

記事の更新は止めたほうがよいのですか?

一律に止める必要はありません。答えが短くまとまる用語の解説を量産するのは見直すべきですが、自社にしか出せない情報を出す記事は、AIにも人にも読まれる情報源として値打ちが残ります。記事の中身で分けて判断してください。

ハブスポットの製品を使っていなくても、回る型は採れますか?

採れます。4つの段階は考え方の整理で、特定の製品の機能がなければ回せないものではありません。いま使っているMAやCRMのまま、指標と担当の組み方を変えることから始められます。

AIの回答に自社が出ているかは、AIに確かめさせてよいですか?

質問の候補を出させ、回答を集めて表にまとめる作業は任せられます。ただし、回答は聞くたびに変わることがあるため、結果をどう読むか、指標として扱うかは人が決めます。AIに確かめさせるときも、いつ、どの質問で確かめたかを記録させてください。

まとめ

インバウンドの型は、人が検索して自社のサイトに来ることを前提に、流入・資料請求・育成の段を積み上げてきました。AIの回答で検索が終わる場面が増えると、記事の数と来訪の数がつながらなくなり、フォームの向こうの資料の値打ちが下がり、育成の段を通らずに来る相手が増えます。原因は記事の質ではなく、型が自社サイトの中の出来事だけを数えていたことです。提唱元のハブスポット自身も、2025年9月に直線のファネルを回る型に描き直しましたが、それはインバウンドを捨てるのではなく、その上に重ねる位置づけです。組み直すときは、既存の施策の棚卸しや、AIの回答の定点観測の下書き、仕分けの案づくりはAIに理由つきで任せ、来訪の指標を残すか、AIの回答に載ることを指標に足すか、資料のフォームを続けるか、営業に渡す基準、やめる施策は人が決めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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