4つの不で買わない理由を仕分ける|商談の記録をAIで読む

「資料をダウンロードした人に電話しても、『今は検討していない』で終わる。理由が分からないまま、同じメールを送り続けている」「インサイドセールスの記録を読み返すと『様子見』ばかりで、次に何を出せばよいのか決められない」。見込み客が商談に進まないとき、現場から上がるのはこうした声です。理由の欄に一言で書く運用では、止まっている見込み客はみな同じに見えてしまいます。けれども「様子見」は理由ではありません。本当は、相手が何に引っかかっているかが記録の中に言葉として残っているのに、それを型に分けて読んでいないだけです。この記事では、一般に4つの不と呼ばれる型で記録を仕分け、生成AIに下書きと集計を任せ、型の定義と打ち手は人が決める手順を整理します。
カメ先生見込み客が商談に進まない理由は、ひとまとめに「まだ早い」と思われがちなんだ。でも記録を読み直すと、売り手を信じきれていない人、必要を感じていない人、自社に合わないと思っている人、急いでいない人が混ざっているんだよ。
カメ子4つとも「様子見」に見えますが、何が違うのでしょうか。
カメ先生次に出す物が違うんだ。信じきれない人には事例や第三者の評価、急いでいない人には時期の合図を拾う仕組みが要る。同じメールを送っても、4人のうち3人には響かないことになる。
カメ子理由を分けて数えることが、打ち手を選ぶ前の作業になるということですか。
- 商談に進まない見込み客の理由は、一般に不信・不要・不適・不急の4つの型で語られる。型ごとに次に出す物が違う
- 問い合わせ、面談のメモ、アンケートの自由記述、メールの返信を生成AIで4つの型に仕分け、件数と代表的な言い回しを出させる
- 型の定義、どの型から手を打つか、営業に渡すかどうかは人が決める。混ざった記録と遠回しの断りは人が読み直す
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商談に進まない理由が「様子見」でひとまとめになる
資料の請求やウェビナーの申し込みから入った見込み客のうち、商談に進むのは一部です。残りの見込み客について、多くの会社の記録には「検討中」「時期未定」「様子見」と書かれています。理由の欄がこうした言葉で埋まると、次に何を送るかは担当者の勘で決まります。
困るのは、同じ「様子見」の中身が人によってまったく違うことです。ある見込み客は、別の会社の製品で一度失敗していて、新しい売り手を信じきれずにいます。別の見込み客は、そもそも今のやり方で困っていません。中身の違う見込み客に同じ育成のメールを送れば、多くの相手には的外れになります。
もう1つ困るのは、マーケと営業の間で話がかみ合わなくなることです。マーケは「見込み客は育っている」と言い、営業は「渡された見込み客は買う気がない」と言います。どちらも、止まっている理由の内訳を数字で持っていないため、議論が印象のぶつけ合いになります。
この記事で扱うのは、商談に入る前の段階で止まっている見込み客の理由です。商談に入ってから負けた理由と、商談に入る前に止まった理由は、集める記録も打ち手も別物です。商談に入ってから負けた理由の分析は、失注の分析を扱った別の記事で整理しています。
4つの不とは、買わない理由を4つに分ける呼び名
営業やマーケの現場では、顧客が買わない理由を4つの型に分ける考え方が、一般に「4つの不」と呼ばれています。不信、不要、不適、不急の4つです。誰が最初に言い出したかの確かな出典は、今回の調べでは見つかりませんでした。この記事では、広く使われている呼び名として扱います。
4つの意味は次のとおりです。不信は、売り手の会社や担当者を信じきれていない状態です。不要は、その製品やサービスを必要だと感じていない状態です。不適は、必要は感じていても、自社の条件に合わないと思っている状態です。不急は、必要で合うとも思っているが、今でなくてよいと考えている状態です。
呼び方には揺れがあります。不適の代わりに不安を入れて数える例もあり、型の数や名前は使う人によって少しずつ違います。だから、自社で使うときは、型の名前より、どんな言葉が出たらその型に入れるかの定義を先に決めることが大事になります。
この型が役に立つのは、型ごとに次に出す物が変わるからです。不信から順に不要、不適、不急と解いていくとよい、という説明もよく見かけます。ただし、この記事では解く順番の議論より、記録を型に分けて数えることを中心に進めます。
記録が型に分けられない3つの原因
理由を型に分けて数えたいと考えても、多くの会社の記録はそのままでは数えられません。原因は3つあります。1つ目は、理由の欄が1つしか無く、選択式になっていることです。「時期未定」「予算なし」「他社検討」のような選択肢から1つを選ぶ形では、相手の言葉が残りません。
2つ目は、相手の言い方が遠回しなことです。BtoBの見込み客は、はっきり断ることを避けます。「社内で検討します」「また機会があれば」という言葉の裏に、不信も不要も隠れています。担当者の解釈が入った要約だけが残り、相手の元の言葉が消えていると、後から型を読み分けられません。
3つ目は、記録が散らばっていることです。問い合わせの本文は顧客管理の仕組みに、電話の内容は担当者のメモに、アンケートの自由記述は表計算のファイルに、メールの返信は個人の受信箱に残ります。1人の見込み客の理由が、4か所に分かれていることも珍しくありません。
3つの原因のうち、AIが直接助けられるのは2つ目と3つ目です。遠回しな言葉を読み分ける下書きと、散らばった記録の突き合わせです。1つ目の欄の作りは、人が直します。相手の言葉をそのまま書き写す欄を、理由の選択肢とは別に足しておきます。
仕分けに使う記録を集める
仕分けに使う記録は、相手の言葉が残っているものを選びます。主なものは4つです。問い合わせのフォームの本文、インサイドセールスの電話や面談のメモ、ウェビナーや資料請求の後のアンケートの自由記述、育成のメールへの返信です。
集めるときは、1件ごとに、いつ、どの接点で、誰の言葉かを付けます。同じ見込み客の記録は、会社と担当者で束ねておくと、AIに仕分けさせるときに1人分の流れを渡せます。束ねずに1文ずつ渡すと、前後の流れが分からず、型を取り違えやすくなります。
個人情報の扱いにも気を配ります。担当者の名前や連絡先は、仕分けには要りません。AIに渡す前に名前や連絡先を記号に置き換え、会社名も要らなければ業種と規模に置き換えます。社内で使ってよいと認められたAIの環境で扱うことも前提です。
対象の期間は、まず直近の3か月程度から始めます。件数が多すぎると、人が見直す負担が増えます。最初は数百件の規模で型の定義を固め、その後に期間を広げるほうが、定義のぶれが小さくなります。なお、営業メールへの返信だけを仕分ける手順は、返信の仕分けを扱った別の記事で整理しています。
型の定義を、人が先に書く
AIに仕分けさせる前に、型の定義を人が書きます。定義は、型の名前と短い説明だけでは足りません。どんな言葉が出たらその型に入れるか、隣の型との境目をどう判断するかまで書きます。次の表は、定義の書き方の例です。
| 型 | 状態 | 記録に出やすい言葉の例 | 隣の型との境目 |
|---|---|---|---|
| 不信 | 売り手の会社や担当者を信じきれていない | 「実績はありますか」「前に別の会社で失敗したので」「まだよく知らない会社なので」 | 製品の機能への疑問なら不適。会社や担当への疑問なら不信 |
| 不要 | 必要を感じていない | 「今のやり方で困っていない」「情報を集めているだけです」 | 困りごとは認めているが合わないと言うなら不適 |
| 不適 | 必要だが自社の条件に合わないと思う | 「うちの規模では大げさ」「今の仕組みとつながらないのでは」 | 合うと思っているが時期が先なら不急 |
| 不急 | 必要で合うが、今でなくてよい | 「来期の予算で考えます」「今の契約が終わってから」 | 時期を口実にした断りなら、他の型を疑う |
表の右の列が、仕分けの質を決めます。境目が書かれていないと、AIも人も、迷う記録を手近な型に入れてしまいます。迷った記録は「判定保留」に入れるという5つ目の箱も用意しておきます。
表の言葉の例は、自社の記録から実際の言い回しを拾って入れ替えます。一般的な例のままでは、自社の見込み客の言い方と合わず、AIも人も迷います。過去の記録から型ごとに5件ほど、人が迷わずに仕分けられた言い回しを選び、例として表に足しておきます。
定義は、マーケとインサイドセールスと営業が一緒に書きます。営業が不急と呼んでいるものと、マーケが不急と呼んでいるものがずれていると、集計しても話がかみ合いません。定義の案をAIに出させてもよいが、採るかどうかは3者で決めるという分担にします。
型1 不信は、会社や担当を信じきれない状態
不信の型は、売り手が誰なのかを相手がまだよく知らない段階でよく出ます。広告や資料請求から入った見込み客にとって、売り手は初めて聞く会社であることが多いからです。記録には、実績や導入している会社を尋ねる言葉、過去の失敗に触れる言葉が出ます。
不信に向く打ち手は、相手が自分で確かめられる材料です。同じ業種や規模の会社の事例、第三者の評価、導入した後の支え方の説明などです。不信の見込み客に機能の説明を重ねても、信じる理由は増えません。
仕分けで気をつけたいのは、不信が表に出にくいことです。相手は「御社を信じていない」とは言いません。「まずは情報だけ」「上に相談してから」と言葉を濁します。AIの下書きでは不要や不急に入りやすいので、人が見直すときは、過去の失敗や別の会社の名前に触れていないかを見ます。
不信の件数が多い場合は、育成のメールの中身を直す前に、事例や会社の紹介の材料が足りているかを点検します。どの材料を作るかは、件数と代表的な言い回しを見て人が決めます。
型2 不要は、必要を感じていない状態
不要の型は、相手が自分の困りごとに気づいていないか、気づいていても重く見ていない状態です。情報を集めるだけのつもりで資料をダウンロードした人に多く見られます。記録には、今のやり方で足りている、特に困っていない、という言葉が出ます。
不要に向く打ち手は、相手が自分の困りごとに気づくための情報です。同じ立場の人がどこでつまずいているか、今のやり方を続けたときに何が起きるかを示す記事や調査です。製品の案内を送るのは、相手が困りごとに気づいてからです。
不要の件数が多いのは、悪いことばかりではありません。集客が、課題に気づく前の人まで届いているということでもあります。ただし、育成の配信が製品の案内ばかりなら、その人たちには響いていないことになります。
仕分けでは、不要と不急の取り違えに注意します。「今は考えていない」という言葉は、必要を感じていない場合にも、時期が先という場合にも使われます。前後の記録に困りごとへの言及があるかどうかで、不要と不急を読み分けると、取り違えが減ります。
型3 不適は、自社に合わないと思っている状態
不適の型は、必要は感じているが、自社の条件に合わないと思っている状態です。規模、予算、今使っている仕組みとのつながり、社内の人手などが理由として出ます。記録には、うちには大げさ、使いこなせない、つながらない、という言葉が出ます。
不適に向く打ち手は、自社に合う条件をはっきり示すことです。どの規模の会社が使っているか、今の仕組みとどうつなぐか、導入にどれだけの人手が要るかを、相手が自分に当てはめられる形で出します。相手の思い込みによる不適なら、条件を示すだけで解けることがあります。
一方で、本当に合わない相手もいます。不適の記録を読むと、自社の製品の範囲の外にいる見込み客が見つかります。そうした相手を無理に育てるより、記録に残して育成の対象から外すほうが、双方の時間の無駄が減ります。外すかどうかは人が決めます。
不適の件数が多い場合は、集客の入り口の段階で、合う相手の条件が伝わっていない可能性があります。広告の文面や資料の表紙で、誰に向けた製品かが読み取れるかを見直すきっかけにもなります。
型4 不急は、今でなくてよいと思っている状態
不急の型は、必要で合うとも思っているが、急ぐ理由が無い状態です。予算の時期、今の契約の満了、社内の別の取り組みとの順番などが理由として出ます。記録には、来期に、今の契約が終わってから、落ち着いたら、という言葉が出ます。
不急に向く打ち手は、時期の合図を拾う仕組みです。相手が口にした時期を記録に残し、その少し前に連絡する予定を立てます。不急の見込み客に毎週の配信を続けると、肝心の時期の前に配信を止められることがあります。
不急は、4つの型の中で最も商談に近い型です。必要と合うことは、すでに相手が認めているからです。不急の記録に残った時期は、型の中でいちばん値打ちのある情報として扱い、営業と共有します。長い検討を時期ごとに追う方法は、検討期間の長い商材を扱った別の記事で整理しています。
ただし、時期を口実にした断りも混ざります。「来期に」と言いながら、実は不信や不要が残っている場合です。時期を言ったのに具体的な理由が何も添えられていない記録は、人が読み直す対象にします。
AIに仕分けの下書きをさせる5つの手順
定義と記録がそろったら、生成AIに仕分けの下書きをさせます。手順は次の5段階です。最初から全件を流さず、まず50件ほどで試し、人の仕分けと突き合わせてから件数を増やします。
型の定義の表と、型ごとに人が仕分けた記録の例を数件ずつ渡します。例があると、境目の判断がそろいやすくなります。
同じ見込み客の記録を、日付の順に束ねて渡します。名前や連絡先は、記号に置き換えておきます。
型を1つ選ばせ、その根拠になった相手の言葉を記録から抜き出させます。抜き出せない場合は、判定保留にさせます。
2つの型にまたがる場合は2つ目の型も書かせ、確信の度合いを高・中・低で付けさせます。
型ごとの件数と、型ごとに多く出た言い回しを数件ずつ抜き出させます。元の記録に戻れるよう、記録の番号を付けさせます。
3段階目の根拠の一文が要です。根拠として相手の言葉を抜き出せない仕分けは、AIの推測にすぎません。抜き出された言葉が本当に記録にあるかどうかは、人が抜き取りで確かめます。
確信の度合いは、AIが自分で付ける目安にすぎず、正しさを保証するものではありません。確信が高いと付いた仕分けにも誤りは混ざるので、次の節で書く抜き取りの見直しと組み合わせて使います。
指示の中には、型の定義そのものをAIに変えさせないことも書いておきます。AIは、どの型にも入りにくい記録を見ると、新しい型を作ったり、定義を広げたりすることがあります。新しい型が要るかどうかは、判定保留の件数を見て人が決めます。
仕分けを誤りやすい2つの場面
AIの仕分けが誤りやすい場面は、大きく2つあります。1つ目は、1件の記録に2つの型が混ざっている場面です。「良さそうだが、うちの規模では大げさだし、来期まで予算も無い」という言葉には、不適と不急が両方入っています。
型が混ざった記録をどちらか1つに入れると、集計が偏ります。混ざった記録は主な型と2つ目の型を両方残し、集計では両方を数えた件数と主な型だけの件数を並べると、偏りが見えます。どちらを主な型とするかの決まりは、定義の表に書き足します。
2つ目は、遠回しの断りです。「前向きに検討します」「また何かあれば」は、言葉どおりなら前向きですが、実際には断りであることが少なくありません。AIは言葉どおりに受け取り、不急や判定保留に入れがちです。前後の記録で連絡が途絶えていないか、返信の速さが変わっていないかを、人が合わせて見ます。
遠回しの断りの読み方は、業種や相手の役職によっても変わります。その読み分けは、相手と話してきた担当者の経験のほうが確かです。AIの仕分けは担当者の読みを置き換えるものではなく、担当者が読む順番を決める材料と位置づけます。
人が見直す件数と順番を、始める前に決める
AIの仕分けをすべて人が読み直すと、AIを使う意味が薄れます。かといって、まったく読まずに集計すると、誤りが数字に混ざります。見直す件数と順番を、始める前に決めておきます。
見直す順番は、確信の度合いが低いもの、2つの型にまたがるもの、判定保留の順です。これらは全件を人が読みます。確信の度合いが高いものは、型ごとに1割程度を抜き取って読み、誤りの割合を記録します。
抜き取りで誤りの多い型が見つかったら、その型の定義と例を直して、もう一度仕分けさせます。誤りの割合が下がるまで、定義を直す作業を繰り返します。最初の1〜2回は、仕分けの結果を使う作業ではなく、定義を固める作業と考えておきます。
見直す担当は、マーケとインサイドセールスから1人ずつ出すのが理想です。同じ記録を2人が別々に仕分けて食い違った件は、定義の境目が曖昧な証拠です。食い違った件をもとに、定義の表を書き直します。
件数を数えて、どの型から手を打つかを決める
仕分けが固まったら、型ごとの件数を数えます。全体の件数だけでなく、入り口の接点ごと、業種や規模ごとに分けて数えると、打ち手の手がかりが増えます。広告から来た見込み客には不信が多く、ウェビナーから来た見込み客には不急が多い、といった違いが見えることがあります。
- 件数は型の多さを見るための目安です。数十件の差は、記録の書き方の違いで簡単に入れ替わります
- 型ごとの件数を前の期間と比べるときは、その間に定義を変えていないかを先に確かめます
どの型から手を打つかは、件数の多さだけでは決まりません。不急は件数が少なくても、時期の合図を拾えれば商談に近い型です。不要が多くても、課題に気づく前の人を集めるのが狙いの集客なら、想定どおりかもしれません。件数に、型ごとの商談への近さと、打ち手を作る手間を重ねて、人が順番を決めます。
型ごとに出す物は、それぞれの型の節で触れたとおりです。不信には事例と第三者の評価、不要には困りごとに気づく情報、不適には合う条件の明示、不急には時期の合図を拾う仕組みです。何を作るかを決めたら、型ごとの代表的な言い回しを作る人に渡します。相手の言葉に答える形で作ると、的外れになりにくくなります。
集計の結果は、型ごとの件数、全体に占める割合、代表的な言い回しを1枚の表にまとめ、月に1回、マーケとインサイドセールスと営業で読み合わせます。同じ表を3者が同じ日に読むと、型の定義のずれにも気づけるので、定義を直す場にもなります。
営業に渡すかどうかは、AIに決めさせない
型の仕分けができると、AIに「不急で時期が近い見込み客を営業に渡す」と決めさせたくなります。けれども、営業に渡すかどうかは、営業の手の空き具合、相手の会社の規模、過去の取引など、記録の外の事情で変わります。渡すかどうかの判断は、マーケと営業が決めた条件に沿って人が行います。
AIに任せてよいのは、渡す条件に当てはまりそうな見込み客を一覧にする下ごしらえまでです。一覧には、型、根拠になった相手の言葉、相手が口にした時期を並べさせます。営業はその一覧を見て、受け取るかどうかを決めます。
渡した後の結果も、型ごとに記録します。不急として渡した見込み客が商談に進んだか、不信が残っていて止まったかを見れば、仕分けの定義が営業の実感と合っているかを確かめられます。営業から「渡された見込み客の型が違っていた」という声が出たら、定義を直す合図です。
なお、型の仕分けは、売り手の側から「この相手は追わない」と決めるための道具ではありません。相手の気持ちの型を読み、次に出す物を選ぶための道具です。追わない条件を売り手の側で決める考え方は、別の記事で扱っています。
4つの不の仕分けで、やりがちな失敗
4つの不で記録を仕分ける取り組みで、よく起きる失敗を挙げます。どれも、始める前に決めておけば防げたものです。
- 型の定義を書かずにAIに仕分けさせ、毎回ちがう基準で型が付く
- 担当者の要約だけを渡し、相手の元の言葉が無いまま仕分ける
- 2つの型が混ざった記録を1つに押し込み、集計が偏る
- 遠回しの断りを不急として数え、来期に連絡しても誰からも返事が来ない
- 件数の多い型だけに手を打ち、商談に近い不急の見込み客を放っておく
- 仕分けの結果をAIの判断として営業に渡し、営業が根拠を確かめられない
どの失敗も、AIに任せる範囲と人が決める範囲の線が引かれていないときに起きます。型の定義、見直す件数、営業に渡す条件の3つを、始める前に1枚に書いておくだけで、多くは防げます。
5つ目の失敗は、件数の表だけを見て判断したときに起きます。件数の少ない型にも、商談に近い見込み客が含まれています。件数の表と並べて、型ごとに商談に進んだ件数も記録しておくと、手を打つ順番を見直すときの材料になります。
中でも2つ目の失敗は、始めてから気づきにくいものです。担当者の要約には、すでに担当者の解釈が入っています。理由の欄の作りを直し、相手の言葉をそのまま残す欄を足すところから始めると、仕分けの質が上がります。
よくある質問
Q. 4つの不は、誰が決めた分け方ですか。
営業やマーケの現場で広く使われている呼び名ですが、最初に誰が言い出したかの確かな出典は、今回の調べでは確かめられませんでした。不適の代わりに不安を数える例もあります。自社で使うときは、名前より定義の表をそろえることが大事です。
Q. 商談に入った後の見込み客にも使えますか。
使えますが、この記事では商談の前の段階に絞りました。商談に入った後は、比べられる他社や、相手の社内の選定の進め方など、別の事情が加わります。負けた商談の理由の分析は、失注の分析を扱った別の記事を参考にしてください。
Q. 件数が少ない会社でも意味がありますか。
月に数十件の規模でも、相手の言葉を型に分けて読むこと自体に意味があります。件数で比べるより、型ごとの代表的な言い回しを並べて、次に作る物を決める材料にする使い方が向いています。
Q. 仕分けの結果を、相手へのメールの文面に書いてよいですか。
型ごとに送る中身を変える材料にはなります。ただし、「御社は弊社をまだ信用していないようなので」のように、仕分けの結果を相手に見せる書き方はしません。型は社内で打ち手を選ぶための分け方で、相手に貼る札ではないからです。
Q. 仕分けに使うAIは、どんなものでもよいですか。
相手の言葉を含む記録を渡すので、社内で使ってよいと認められた環境に限ります。入力した内容が学習に使われない設定かどうか、記録がどこに保存されるかを、情報管理の担当者と確かめてから使います。名前や連絡先を記号に置き換える手順は、環境にかかわらず続けます。
Q. 理由の欄の選択肢を、4つの不に合わせて作り直すべきですか。
選択肢を4つの型に置き換えるより、相手の言葉を書き写す欄を足すほうが先です。選択肢だけにすると、担当者が電話の最中に型を判断することになり、遠回しの断りや混ざった理由が1つに丸められます。型は、書き写した言葉を後から読んで付けるほうが確かです。
Q. 仕分けはどれくらいの頻度で行えばよいですか。
定義が固まるまでは、同じ3か月分の記録で何度か繰り返します。固まった後は、月に1回、その月の記録を仕分けて前の月と並べる形が回しやすいはずです。不急の見込み客が口にした時期は、仕分けを待たずに、その都度記録に残します。
まとめ
見込み客が商談に進まない理由は、記録の中に相手の言葉として残っています。一般に4つの不と呼ばれる不信・不要・不適・不急の型で読み分ければ、次に出す物が型ごとに変わります。生成AIには、記録の仕分けの下書き、根拠になった言葉の抜き出し、件数と言い回しの集計を任せ、型の定義、見直す件数、どの型から手を打つか、営業に渡すかどうかは人が決めます。まずは直近3か月の記録で定義の表を作り、迷った記録から読み直してください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
リード獲得・育成の打ち手として、ウェビナーの集客と運営でお困りですか?
企画・集客・運営までデボノが伴走支援。外部リスト頼みにしない「自社の集客力」を育てます。
