チャットGPTのカスタム指示は会社で揃えるか|個人任せにしない線

チャットGPTのカスタム指示は会社で揃えるか|個人任せにしない線

「社員が思い思いにカスタム指示を書いていて、同じ質問をしても部署ごとに答えの調子がばらばら」「会社として既定の指示を配りたいのに、使っている製品にその設定が見当たらない」——生成AIを全社に配って半年ほどたった会社で、AI推進や情報システムの担当者から出てくる声です。カスタム指示は、書き方のコツを覚えれば片付く話ではありません。本当は、全会話の前提になる指示を、個人に任せるか会社が持つかという判断です。この記事では、製品ごとにできることの違いを確かめたうえで、会社の既定の指示を配った後に崩れないようにする運用の線を整理します。


カメ先生カメ先生

カスタム指示は個人の好みの設定だと思われがちなんだけど、本当は「毎回の会話の冒頭に必ず差し込まれる前提」なんだ。だから書く人によって、同じ質問への答えが変わる。


カメ子カメ子

設定画面の小さな欄なのに、答え全体に効いているということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから会社として揃えるかどうかは、文体の好みではなく運用の問題になる。ただ、製品によって会社が既定を持てるかどうかが違うから、そこを先に確かめる必要があるんだ。


カメ子カメ子

揃えたいと思っても、製品の側にその仕組みがあるとは限らないんですね。


この記事のポイント
  • カスタム指示は全会話に毎回効く前提。個人任せにすると、部署ごとに答えの調子や前提がずれる
  • 会社の既定の指示を置けるかは製品ごとに違う(2026年10月時点)。置けない製品では代わりの手を組む
  • 何を書くか・書かないか・食い違ったときの優先・誰がいつ改訂するかは人が決める。AIは下書きと点検まで

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目次

カスタム指示は、すべての会話の前提として毎回読まれる

カスタム指示は、利用者が設定画面にあらかじめ書いておく文章で、新しく始める会話のたびにAIへ渡されます。チャットGPTの公式ヘルプでは、設定の「パーソナライズ」から書き込み、ビジネス版やエンタープライズ版では最大5,000字まで保存できると案内されています(無料版などは1,500字)。毎回の依頼文に書かなくても効くことが、この機能の便利さです。

裏を返すと、ここに書かれた内容は利用者が意識しないまま全部の答えに混ざります。「結論から書く」「表を多めに使う」といった文体の好みだけでなく、「当社は製造業向けの会社」「価格の話は避ける」といった前提まで書く人もいます。書いた本人は忘れていても、指示は毎回読まれ続けます。

つまりカスタム指示は、個人の小さな設定の顔をしていながら、答えの前提を決める場所です。社員が数十人、数百人いれば、前提が数十通り、数百通り並ぶことになります。会社がこの場所をどう扱うかを決めないまま配ると、後から揃えるのはかなり手間がかかります。

チャットGPTの公式ヘルプでは、カスタム指示はウェブ版・デスクトップ版・スマートフォンのアプリのどこでも使えると案内されています。同じアカウントであれば、会社の端末でも外出先のスマートフォンでも同じ指示が読まれます。使う場面が広がるほど、指示に書いた前提の影響も広がります。

個人任せのままだと、何が揃わないのか

個人任せで最初にずれるのは、答えの調子です。ある人の指示には「丁寧な敬語で」、別の人には「箇条書きで短く」と書かれていれば、同じ社内資料の下書きでも見た目がまるで違います。これ自体は好みの範囲ですが、社外に出す文書の下書きにまで影響すると、確認する側の手間が増えます。

より困るのは、前提の食い違いです。たとえば営業部の誰かが「当社の主力は旧製品」と書いたまま、半年前に主力が切り替わっていても、その人の答えだけは古い前提で返ってきます。誤った前提は指示の中に残り続け、本人以外は気づけません。会話の中で間違いを直しても、次の会話ではまた古い指示が読まれます。

もう1つは、書いてはいけない情報が混ざることです。顧客名や未公開の数字を「毎回説明するのが面倒だから」と指示に書いておく使い方は、悪意がなくても起こります。どの情報を書いてよいかの線が会社として示されていなければ、個人がそれぞれの判断で書くしかありません。

しかも、指示は設定画面を開いて書くとは限りません。ジェミニの公式発表では、設定の「パーソナライズ」から管理するほか、会話の中でジェミニに頼んで指示を保存させることもできると案内されています。会話の流れで頼んだ一言が、本人の意識しないまま以後の前提として残ることがあり、何が保存されているかを本人も把握していない状態が生まれます。

4つの持ち方を並べて比べる

「指示を揃える」といっても、持ち方は1つではありません。個人が書くカスタム指示、会社が全員に効かせる既定の指示、業務ごとに作って配るカスタムGPT、そして社員が選んで使う指示の雛形集の4つがあります。それぞれ効く範囲と、書く人・変える人が違います。

持ち方効く範囲書く人変える人管理者から中身が見えるか
個人のカスタム指示その人の全会話社員本人社員本人製品と契約による。確かめる項目
会社の既定の指示(組織の指示)組織の全員の全会話管理者管理者(改訂の担当)見える(設定した側が持つ)
業務ごとのカスタムGPTその1体を使った会話だけ業務の担当者作った人・引き継いだ人共有の設定による
指示の雛形集社員が貼り付けた会話だけ推進担当・各部署雛形の持ち主雛形は公開。使ったかは見えにくい

この表で見てほしいのは、全員の全会話に効くのは「会社の既定の指示」だけという点です。雛形集やカスタムGPTは、使う人が選んだときにしか効きません。会社の前提や禁止事項のように、選ばれなくても必ず効いてほしい内容は、既定の指示に置くのが筋です。逆に、業務ごとの手順は既定に詰め込まず、業務ごとの1体や雛形に分けます。

業務ごとにカスタムGPTを作って配る設計は、別記事「カスタムGPTを業務で配る5工程」で扱っています。雛形を棚に並べて選ばせる方法も別の話なので、この記事では「全員に毎回効く層」に絞って進めます。

製品ごとに、会社の既定を持てるかが違う(2026年10月時点)

2026年10月6日に各社の公式ヘルプを確かめた範囲では、会社として全員に効く指示を置ける製品と、置けない(または確かめられない)製品に分かれます。表は公式の記載だけをもとにしています。

製品個人のカスタム指示会社が全員に効かせる指示公式で確かめた内容
チャットGPT(ビジネス版・エンタープライズ版)あり(最大5,000字)公式の管理画面の説明では確かめられない管理者が設定できるのはモデルの初期値・機能の可否・役割ごとの権限など。組織の利用方針を30日ごとに表示する機能はある
クロード(チーム版・エンタープライズ版)ありあり(組織の指示)最大3,000字。個人の指示と食い違えば組織の指示が優先。反映に最大1時間
ジェミニ(グーグルワークスペース)ありなし2026年9月2日から対象の画面が拡大。公式は「管理者による制御はない」と明記
マイクロソフト365 コパイロットあり公式ヘルプでは確かめられないチャットの設定の「パーソナライズ」から個人が書く。メモリ機能と並ぶ

チャットGPTについては注意が要ります。エンタープライズ版の導入手引きには「ワークスペースの指示」という語が1か所出てきますが、利用者に見せる案内の文脈で書かれており、全員の会話にAIへの指示として効くのかどうかは書かれていません。2026年6月には公式の開発者フォーラムに、ビジネス版で組織全体の指示を求める要望も投稿されています。自社の契約で使えるかは、管理画面と提供元の窓口で確かめる項目として扱ってください。

ジェミニのカスタム指示は、2026年9月2日の公式発表で、ドキュメントに加えてドライブ・チャットの質問画面や、メール・スプレッドシート・スライドの側面パネルでも効くようになりました。ただし同じ発表に管理者の制御はないと書かれているため、会社が既定を配る手段にはなりません。製品の画面や名称は変わりやすいので、導入前にもう一度公式を確かめるのが安全です。

クロードの組織の指示は、チーム版とエンタープライズ版で使えます。公式ヘルプでは、組織の指示で提供元の安全上の方針や利用規約の線を外すことはできないとも書かれています。会社の既定は、提供元の線の内側で、自社の前提と表記を揃えるための場所だと理解しておくと、書く内容を絞りやすくなります。

会社が既定を持てない製品では、代わりの手を組む

会社の既定を置けない製品でも、揃える手がないわけではありません。1つ目は、推奨のカスタム指示の文面を会社が用意し、社員に貼ってもらう方法です。強制はできませんが、配布日に設定の時間を取り、貼ったかどうかを部署ごとに確かめれば、初期の揃い方はかなり変わります。

2つ目は、全員に効かせたい前提を、指示ではなく業務ごとの1体や共有の資料に移す方法です。たとえば「当社の主力製品」の説明は、個人の指示に書かせるより、資料を持たせた業務用の1体に置いたほうが、改訂したときに一斉に変わります。3つ目は、チャットGPTのエンタープライズ版にある利用方針の表示のように、AIへの指示ではなく社員への案内として線を示す方法です。

公式ヘルプによると、この利用方針の表示は管理者が組織向けの文面を書いておくと、30日ごとと、内容を更新したときに利用者へ表示されます。AIの答えを直接変えるものではありませんが、「顧客名をカスタム指示に書かない」「推奨の文面はここにある」といった案内を、忘れたころに繰り返し見せる場所として使えます。

どの手も、会社の既定の指示ほど確実には効きません。だからこそ、製品選びの段階で「組織の指示を置けるか」を比べる項目に入れることが大切です。すでに導入済みなら、次の契約更新の前に確かめる項目として残しておきます。

既定の指示に入れる項目・入れない項目

会社の既定の指示は、全員の全会話に効くぶん、書く内容を絞ります。クロードの組織の指示は最大3,000字なので、長い社内規程をそのまま貼る使い方は想定されていません。入れるものと入れないものを先に分けておきます。

入れる項目
  • 会社と事業の前提(何の会社か、主な顧客は法人か個人か)
  • 文体の基準(敬語の度合い、数字と日付の書き方、社名や製品名の表記)
  • 根拠を示す求め(出典や前提が分からないときは、分からないと書く)
  • 判断を返さない領域(人事評価・与信・法的な結論は、材料の整理までにとどめる)
  • 迷ったときの相談先(社内の窓口の名称。個人名や連絡先の番号は書かない)
  • 顧客名・取引先名・担当者名
  • 未公開の売上・価格・値引きの基準
  • 社内システムに接続するための鍵や認証の情報
  • 業務ごとの細かな手順(業務用の1体や雛形に分ける)
  • 社員を評価する目的の指示(答えを通じて社員を見張る使い方)

入れない項目の多くは、漏れたときの被害が大きいものです。指示の文章は利用者から見えない前提で書かれがちですが、実際には抜き出されることがあります。何を書いてはいけないかの詳しい整理は、別記事「システムプロンプトは漏れる前提で書く」に譲ります。この記事では、既定の指示は社外に出ても困らない内容だけで組む、という線だけを置いておきます。

個人の指示と食い違ったときの優先を決める

会社の既定と個人の指示が両方ある場合、食い違いがどう扱われるかを知っておく必要があります。クロードの公式ヘルプでは、個人の指示が組織の指示と直接ぶつかるときは、組織の指示が優先されると説明されています。たとえば会社が「です・ます調」と決め、個人が「くだけた口調で」と書けば、会社の側に寄ります。

ただし、製品の側の優先が分かっていても、社内の決まりとしても書いておくほうが混乱しません。会社の既定は「前提・表記・禁止事項」、個人の指示は「自分の業務の文脈と好みの形式」と役割を分け、個人の側に会社の禁止事項を緩める書き方をしないよう、配布の案内に1行入れておきます。

会社の既定を置けない製品では、優先の仕組み自体がありません。その場合は、推奨の文面を貼ってもらうときに「この部分は消さない」と範囲を示し、消してはいけない部分と、自由に足してよい部分を見た目で分けると守られやすくなります。

誰が改訂するかを1人に決める

既定の指示は、配った日がいちばん正しく、時間がたつほど現実とずれていきます。主力製品の入れ替え、社名表記の変更、新しい禁止事項の追加など、書き換えるきっかけは年に何度も来ます。改訂の担当を「AI推進チーム」のような部署名で止めると、誰も手を付けないまま古い前提が残ります。

担当は部署名ではなく名前で1人決め、代わりの1人も決めておきます。クロードの場合、組織の指示を設定・閲覧できるのはオーナー以上の役割に限られるので、改訂の担当がその権限を持っているかも先に確かめます。権限のない人を担当にすると、改訂のたびに依頼が1段増えます。

各部署から「この前提を足してほしい」という要望が来たときの受け口も決めます。要望をそのまま足していくと、全社の指示が部署ごとの事情で膨らみ、字数の上限にもすぐ届きます。全員に効かせる必要があるものだけを既定に入れ、部署だけの事情は業務用の1体に回す、という仕分けを改訂の担当が持ちます。

字数の配分も先に決めておくと、膨らみを抑えられます。たとえば上限が3,000字なら、会社と事業の前提に800字、文体と表記に800字、根拠の示し方と判断を返さない領域に800字、残りを予備とするように枠を割り、新しい行を足すときは同じ枠の中の古い行を1つ削る決まりにします。枠のない指示は、要望を断る理由がないまま長くなります。

改訂をいつ全員に効かせるか

既定の指示を書き換えると、次の会話から全員の答えが変わります。クロードの公式ヘルプでは、変更が全体に反映されるまで最大1時間かかることがあると案内されています。業務時間の真ん中に書き換えると、同じ日のうちに古い前提と新しい前提の答えが混ざります。

STEP1
改訂案を書き、差分を残す

どの行をなぜ変えたかを記録に残す。前の版の全文も保存しておき、問題が出たら戻せるようにする。

STEP2
少人数で試す

改訂の担当と各部署の代表数人で、よく使う依頼を数件試し、答えの調子や前提が意図どおり変わるかを確かめる。

STEP3
効かせる日時を決めて知らせる

業務の切れ目(週の始めの朝など)を選び、何が変わるかを社内に先に知らせる。反映に時間がかかる前提で余裕を取る。

STEP4
反映後に確かめる

反映の翌日に、試したのと同じ依頼で答えを見直す。想定外の変化があれば、残しておいた前の版に戻す。

社員への知らせ方にも注意が要ります。クロードの組織の指示は、公式ヘルプによればオーナー以上しか中身を見られません。社員は自分の答えに何が効いているのかを画面で確かめられないため、既定の指示の中身は社内向けに別途公開しておくと、答えの変化に戸惑う人が減ります。

もう1つ知っておきたいのは、指示を変えても過去の会話はさかのぼって変わらないことです。チャットGPTの公式ヘルプでは、カスタム指示の更新は以後の会話に反映され、過去の会話の履歴には前の版の指示が残ると説明されています。改訂前に始めた長い会話を使い続けている人には、新しい会話を始め直すよう案内に一言添えます。

個人のカスタム指示を、会社は読めるのか

揃えようとすると、「社員が今どんな指示を書いているかを把握したい」という声が出てきます。ここは製品ごと、契約ごとに違い、今回確かめた公式ヘルプの範囲では、管理者が個人のカスタム指示を一覧で読めると明記した製品はありませんでした。チャットGPTでは、カスタム指示は本人のデータ書き出しに含まれると案内されています。

仮に記録の取り出しなどで読める仕組みがあったとしても、それを社員の点検に使うかどうかは別の判断です。個人の指示を会社が読むなら、何のために、誰が、どの範囲で読むのかを先に決め、社員に知らせておく必要があります。

この記事で勧めたいのは、個人の指示を見張るのではなく、会社が持つべき部分を既定の側へ引き取るという順番です。社員の指示を読みに行く前に、会社として効かせたいことが既定に入っているかを見直すほうが、手間も摩擦も小さく済みます。

なお、チャットGPTの公式ヘルプでは、会話の共有リンクを見た人にはカスタム指示は共有されないと説明されています。共有された会話の答えだけを見ても、その裏でどんな指示が効いていたかは分かりません。部署をまたいで答えを見比べるときは、指示の違いで答えが変わっている可能性を頭に置いておきます。

AIに任せてよいのは、下書きと点検まで

既定の指示の文面は、AIに下書きさせることができます。社内の表記の決まりや既存の利用方針を渡し、「3,000字以内で、前提・文体・禁止事項に分けて書いて」と頼めば、たたき台はすぐにできます。社員が自分の指示を貼って「会社の線に反する部分はないか」を確かめる点検にも使えます。

一方で、何を既定に入れるか、何を禁じるか、食い違ったときにどちらを優先するかは、AIに判断させません。これらは会社の方針そのもので、決めた人が説明できなければいけないからです。点検に使う場合も、AIが「問題なし」と返したことを根拠にせず、引っかかった箇所とその理由を書かせ、最後は人が読んで決めます。

下書きを使うときに見落としやすいのは、AIがもっともらしい一般論を足してくることです。「常に正確な情報を提供する」のような、効き目の分からない文が増えると字数だけが埋まります。下書きの1行ごとに、これがないと何が困るのかを答えられない行は削る、という基準で人が仕上げます。

点検に使うときは、照らし合わせる物差しを先に渡します。既定の指示の「入れない項目」を一覧で渡し、社員の指示から当てはまる行だけを抜き出させ、なぜ当てはまると考えたかを1行ずつ書かせます。物差しを渡さずに「問題がないか見て」と頼むと、AIはその場の一般論で判断し、点検の結果が依頼する人ごとに揺れます。

メモリ・業務ごとの1体との線引き

カスタム指示と混同されやすいのが、AIが会話から覚える「メモリ」です。カスタム指示は人が書いた文章がそのまま毎回読まれるのに対し、メモリはAIが会話の中から選んで短く書き直した覚え書きです。会社が揃えたい前提をメモリに頼ると、誰の、どの会話から覚えたかで中身が変わります。メモリの扱いは別記事「AIのメモリと会話履歴は何が違う?」で整理しています。

業務ごとの1体(カスタムGPTなど)は、その1体を選んだときにしか効きません。チャットGPTのエンタープライズ版の管理画面では、カスタムGPTの作成と共有、メモリの可否を役割ごとに管理者が切り替えられると公式に案内されています。全員に効かせたいものは既定の指示、業務に固有のものは1体、本人の好みは個人の指示、と3層に分けて考えると、どこに書くかで迷いにくくなります。

コパイロットでも、公式ヘルプはカスタム指示とメモリを同じ「パーソナライズ」の画面に並べています。社員から見ると、どちらも「AIが自分に合わせてくれる設定」に見えるため、配布の案内では、会社の前提は指示に書かれたものだけが確実に効き、メモリに残った内容は会話によって変わり得る、と違いを1行で示しておきます。メモリを会社として使わせるかどうかは、指示とは別に決める項目です。

配った後に崩れる4つの場面

既定の指示を配っても、運用の中で少しずつ崩れていきます。崩れ方には型があるので、先に知っておくと手が打てます。

  • 改訂の担当が異動し、古い前提が1年以上そのまま残る
  • 部署ごとの要望を全部足して字数の上限に届き、本当に効かせたい行が埋もれる
  • 個人の指示に「会社の指示は無視して」と書く人が出て、製品によっては線が揺らぐ
  • 新しく導入した別の製品には既定を置く仕組みがなく、そちらだけ個人任せに戻る

4つ目は見落とされがちです。チャットとは別に、文書作成ソフトに組み込まれたAIや、別の会社の製品を部署単位で入れると、そこでは既定の指示が効きません。ジェミニのように公式が管理者の制御はないと明記している機能もあるため、製品を1つ足すたびに、既定の指示が届く範囲を見直す必要があります。

3つ目の「会社の指示は無視して」という書き方は、クロードのように組織の指示が優先されると公式に示されている製品では、基本的には会社の側に寄ります。それでも、こうした書き方が出てくること自体が、既定の指示が現場の仕事に合っていない合図であることが多いものです。禁じる前に、なぜ外したかったのかを本人に聞き、改訂の材料にします。

見直しの時期と、確かめる物差し

見直しは、期日と出来事の両方で決めます。期日としては半年に1回、出来事としては「主力製品や組織が変わったとき」「新しい製品を導入したとき」「社員から答えの前提がおかしいという声が出たとき」を見直しの合図にします。

確かめる物差しは、答えの中身で見ます。よく使う依頼を5件ほど決めておき、見直しのたびに同じ依頼を入れて、表記・前提・禁止事項が守られているかを比べます。利用回数や設定率のような数だけを見ても、指示が効いているかは分かりません。答えそのものを人が読んで確かめることが、いちばん確実な点検です。

見直しの記録は、改訂の差分と同じ場所に残します。いつ、何を見て、何を変えた(または変えなかった)かが残っていれば、担当が替わっても前の判断を引き継げます。

確かめに使う5件は、社内でよく使われる依頼から選びます。たとえば「取引先へのお礼のメールの下書き」「新製品の説明を3行で」「会議の議事録の要約」「社外向け資料の見出し案」「数字の入った報告文の確認」です。社名や製品名の表記、根拠の書き方、判断を返さない領域が守られているかを、同じ観点の表で毎回比べると、前回との違いが見えます。

導入や契約更新の打ち合わせで確かめる項目

製品の機能は変わりやすく、今回確かめた内容も2026年10月時点のものです。導入や契約更新の前には、次の項目を提供元の公式ヘルプや窓口で確かめてください。

  • 組織の全員に効く指示を管理者が置けるか。置けるなら字数の上限と、反映までの時間
  • 個人の指示と組織の指示が食い違ったときに、どちらが優先されるか
  • 組織の指示の中身を、一般の社員が画面で見られるか
  • 個人のカスタム指示やメモリを、管理者が無効にできるか、役割ごとに切り替えられるか
  • 個人のカスタム指示を管理者が読めるか。読めるなら、どの手段で、どの範囲か
  • 文書作成ソフトやメールなど、チャット以外の画面にも同じ指示が効くか

このうち1つ目と2つ目は、会社が既定を持てるかどうかを左右します。答えが「できない」でも導入をやめる理由にはなりませんが、その場合は推奨の文面を配る運用と、改訂のたびに貼り直してもらう手間を最初から見込んでおきます。

確かめた結果は、製品名・確かめた日・情報の出どころ(公式ヘルプの頁名や窓口の回答)と一緒に残します。「できるはず」と聞いた話は、確かめた事実と分けて書くことが大切です。今回の調査でも、要望の投稿や紹介記事の説明と、公式の管理画面の説明が一致しない製品がありました。

まとめ

カスタム指示は、全員の全会話に毎回効く前提です。個人任せにすると、答えの調子だけでなく、会社の前提や書いてはいけない情報の扱いまでばらつきます。2026年10月時点で、クロードは組織の指示を公式に用意し、ジェミニは管理者の制御がないと明記しています。チャットGPTとコパイロットは、会社が全員に効かせる指示の有無を公式の説明で確かめられませんでした。どの製品でも、既定の指示に何を書き何を書かないか、食い違ったときの優先、誰がいつ改訂するかは、人が決めて記録に残すものです。AIは下書きと点検に使い、判断は任せないでください。まずは自社で使っている製品で、組織の指示が置けるかを確かめるところから始めてみてください。

  • 製品ごとの機能は、各社の公式ヘルプと公式発表を2026年10月6日に確かめた範囲に基づきます。機能・名称・提供範囲は変わることがあるため、導入前に最新の公式情報を確かめてください
  • 「確かめられない」と書いた項目は、機能が無いという意味ではありません。公式の説明に記載が見当たらなかったという意味です

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

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