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保険代理店で、相談の予約に来なかった人と相談のあと返事が止まっている人を拾い、予約のときの回答に合わせた再案内のメールを下書きする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

保険の相談の予約に来なかった人と、相談のあと「検討します」のまま返事が止まった人を予約の管理表から拾い、予約のときの回答に合わせた再案内のメールを下書きします。募集人は下書きを読んで直し、自分で送ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/保険/金融
対象部門
営業
対象業務
台帳・マスタ管理/書類作成
主な課題
営業フォローが追いつかない/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
60%
年間削減
288h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 相談の時刻を過ぎても相手が来ない。15分ほど待ち、管理表の状態を「来店なし」に変える
  2. 相談を終えた人は、状態を「相談済み・検討中」に変え、相談の要点をメモに書く
  3. 来店なしの人には、手が空いたときに予約フォームの回答を読み直し、再案内のメールを書く
  4. 検討中の人には、数日から2週間ほどたって思い出したときに、相談の要点を読み直して連絡のメールを書く
  5. メールを送り、管理表の最後に連絡した日を書き換える
導入後(After)
  1. 人募集人が、相手が来なかったときは状態を「来店なし」に、相談を終えたときは「相談済み・検討中」に変える
  2. 自動状態の列の変化をきっかけに Zapier の Zap が動く
  3. 自動「来店なし」なら、連絡不要の印と過去の再案内の回数を確かめ、AIが再案内のメールを作る
  4. 自動「相談済み・検討中」なら、10日待ってから管理表を読み直し、状態が変わっておらず相手からのメールも無ければ、AIが連絡のメールを作る
  5. 自動担当の募集人の Gmail に下書きとして保存し、管理表に下書きを作った日を書く
  6. 人募集人が下書きを読み、直して送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 相談の時刻を過ぎても相手が来ない。15分ほど待ち、管理表の状態を「来店なし」に変える
  2. 相談を終えた人は、状態を「相談済み・検討中」に変え、相談の要点をメモに書く
  3. 来店なしの人には、手が空いたときに予約フォームの回答を読み直し、再案内のメールを書く
  4. 検討中の人には、数日から2週間ほどたって思い出したときに、相談の要点を読み直して連絡のメールを書く
  5. メールを送り、管理表の最後に連絡した日を書き換える

(a)再案内が後回しになる。 相談が続く土日は、3番が夜か翌週に回ります。予約を入れたときの気持ちが残っているうちに届かないと、返事をもらいにくくなります。

(b)返事が止まった人に気づくのが遅い。 4番は、募集人が自分で日数を数えて思い出すしかありません。2週間で連絡する人もいれば、1か月たってから思い出す人もいて、思い出さないままの人もいます。 管理表には「検討中」の行が何十件もたまっていきます。

(c)文面が募集人ごとに違う。 「その後いかがでしょうか」だけの短いメールもあれば、相談で話した商品の名前と保険料を並べて「今月中のお手続きがおすすめです」と書く人もいます。後者は、相手に急かされた印象を与えるうえ、代理店として出す文面の決まりから外れます。

(d)連絡をやめる時機が決まっていない。 同じ再案内が何度も届くことや、連絡をやめてほしいと言われた人に別の募集人が連絡してしまうことがあります。

  1. 【人】 募集人が、相手が来なかったときは状態を「来店なし」に、相談を終えたときは「相談済み・検討中」に変える
  2. 【自動】 状態の列の変化をきっかけに Zapier の Zap が動く
  3. 【自動】 「来店なし」なら、連絡不要の印と過去の再案内の回数を確かめ、AIが再案内のメールを作る
  4. 【自動】 「相談済み・検討中」なら、10日待ってから管理表を読み直し、状態が変わっておらず相手からのメールも無ければ、AIが連絡のメールを作る
  5. 【自動】 担当の募集人の Gmail に下書きとして保存し、管理表に下書きを作った日を書く
  6. 【人】 募集人が下書きを読み、直して送る

1番目を人に残しているのは、来なかったかどうかを知っているのがその場にいた募集人だけだからです。 6番目も人で、下書きは募集人の Gmail に入るだけです。

4番目の「10日待つ」を、Zapier の Delay に任せるのが、この構成のいちばんの変化です。 募集人が日数を数えて思い出す作業がなくなり、状態を変えた時点で、10日後の確認が予約されます。 そのあいだに申込や見送りに変わった人、返事が来た人には下書きが作られません。

02今回想定するシステム構成

構成図
予約フォーム(Google フォーム)
   │  回答が予約の管理表に1行ずつ入る
   ▼
予約の管理表(Google スプレッドシート)
   ▼【トリガー】New or Updated Spreadsheet Row(状態の列が変わった)
Zapier の Zap
   ├──▶ Filter:連絡不要の印がある行、再案内が2回目以上の行を止める
   ├──▶ Paths
   │     ├─ 経路A「来店なし」
   │     │    └──▶ AI by Zapier:再案内のメール(Claude を自前のキーで接続)
   │     └─ 経路B「相談済み・検討中」
   │          ├──▶ Delay For:10日
   │          ├──▶ Lookup Spreadsheet Row:状態を読み直す
   │          ├──▶ Gmail:Find Email(相手から届いたメールを探す)
   │          ├──▶ Filter:検討中のまま・メールなし だけを通す
   │          └──▶ AI by Zapier:連絡のメール
   ├──▶ Gmail:Create Draft(担当の募集人の受信箱)
   └──▶ Update Spreadsheet Row(下書きを作った日・回数)
   ▼【人】募集人が下書きを読み、直して送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapierMake、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(AI by Zapier の Bring Your Own Key)OpenAI API、Gemini API
連携Google スプレッドシート(予約の管理表)Zapier Tables
連携Gmail(募集人の受信箱への下書きと、相手からのメールの確認)Outlook
保管Google フォーム(予約フォーム)予約の受付の仕組み

新しく足すのは、Zapier の Zap 1本と、管理表の「再案内の回数」「下書きを作った日」の列だけです。

入口は、Google スプレッドシートの New or Updated Spreadsheet Row のトリガーです。 監視する列を「Any column」にすると空のセルを埋めただけでも Zap が動くとされているので、状態の列だけを監視します。

分かれ道は Paths で作ります。 条件ごとに経路が分かれ、合う経路が複数あれば複数が動くとされています。状態の値は1つなので、経路Aと経路Bが同時に動くことはありません。

10日の待ちは、Delay by Zapier の Delay For で作ります。 決めた時間だけ Zap を止める機能で、task の数には入らないとされています。Filter・Paths・Delay はいずれも Professional 以上のプランで使えます。注意は、Zap を止めているあいだに予定された動きは、Zap を戻しても動かないとされていることです。

AIは AI by Zapier の Analyze and Return Data で呼びます。 出力の項目を名前・型・説明付きで定義でき、Bring Your Own Key を選ぶと Anthropic などの自社のアカウントのモデルを使えます。 Zapier が提供するモデルには Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍)の階層があり、新しいステップでは Premium が既定とされているので、作るときに階層を確かめます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

募集人が管理表の状態の列を変えたことを起点にします。 New or Updated Spreadsheet Row のトリガーで、監視の列を「状態」にします。時刻で決めて自動で「来店なし」とする作りにはしません。 相手が別の店舗に来ていた、電話で変更していた、ということを知っているのは募集人だけです。

状態を変える時機を決めておきます。 来店なしは、相談の時刻から15分待って来なければその場で変えます。相談済み・検討中は、相談を終えて相手が帰った直後に変えます。変えるのが翌日になると、10日の数え始めもずれます。

Zapier のヘルプでは、行を足したり消したりするあいだは Zap を止めるよう勧められています。 行の並べ替えやまとめて消す作業は月末の決まった時間にだけ行い、そのあいだは Zap を止めます。止めると経路Bの待ちが動かなくなる点は、例外処理で扱います。 フォームの回答で新しい行が入ったときもトリガーは動くので、状態が「予約」の行は最初の Filter で止めます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
予約の行名前、メールアドレス、予約の日時と店舗、担当の募集人、状態予約の管理表
予約フォームの回答相談したい保険の種類、相談のきっかけ、気になっていること、連絡の方法の希望予約の管理表(フォームの回答の列)
相談の要点相談で話した話題の種類(保障の考え方、家計、手続きの流れなど)と、相手から出た質問予約の管理表(募集人が書くメモの列のうち、話題の列だけ)
連絡の履歴再案内の回数、最後に連絡した日、連絡不要の印予約の管理表
文面の決まり書き出し、書かないことの一覧、署名の形、予約フォームのURL、連絡をやめる旨の一文文面の決まりの表
話題の材料相談のきっかけごとに、店舗で用意している説明の一言(「出産のあとの保障の考え方を30分でご説明しています」など)話題の材料の表

質を決めるのは、いちばん下の2つです。 AIに自由に書かせると、相手のきっかけに応えようとして特定の商品の特長や保険料を書きます。 代理店が外へ出す文面は、どの商品を勧めるかが書かれた瞬間に性格が変わります。きっかけごとに店舗で用意した説明の一言を表にしておき、そこから選ばせます。 一言には商品名・保険会社名・保険料を入れないと決めておきます。

相談の要点のメモは、そのまま渡しません。 募集人のメモには、健康状態や持病、家計の具体的な金額が書かれることがあります。管理表のメモを「話題の種類」と「相手から出た質問」の列に分けてもらい、AIには話題の種類の列だけを渡します。 質問の列は、募集人が下書きを直すときに自分で読みます。

Step3

データの取得方法を決める

経路Aでは、トリガーで届いた行の値をそのまま使います。 フォームの回答も相談の要点も同じ行にあるので、別の検索は要りません。

経路Bでは、10日後に行を読み直します。 Delay For のあとに Lookup Spreadsheet Row を置き、検索の列をメールアドレス、補助の検索の列を予約の日時にします。Zapier のヘルプでは、補助の列を指定すると両方の条件に合う行だけを見つけるとされています。同じ人が何度か予約していると、メールアドレスだけでは古い予約の行に当たるので、補助の列は必ず使います。

相手からのメールは、Gmail の Find Email で探します。 担当の募集人の Gmail の接続で、from:相手のメールアドレス newer_than:10d のような検索の条件を渡します。見つかれば、相手は返事をしてきているので、下書きは作らずに止めます。管理表の状態が変わっていなくても、募集人がまだ返事を読んでいないだけかもしれないからです。

取るものどこから何に使うか
状態・担当・連絡の履歴トリガーの行、10日後は Lookup Spreadsheet Row下書きを作るか、誰の受信箱に入れるか
フォームの回答同じ行のフォームの列文面の話題
話題の種類同じ行のメモの列のうち話題の列検討中の人への連絡の話題
相手から届いたメールGmail の Find Email返事が来ていれば止める
予約フォームのURL・署名文面の決まりの表本文に入れる
Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 対象外を止める … 状態が「来店なし」「相談済み・検討中」以外の行、連絡不要の印がある行、再案内の回数が1回以上の行を、最初の Filter で止めます
  2. 回答の形をそろえる … フォームの回答を「質問:答え」の行に並べ直します。空の回答は「回答なし」とします
  3. 渡さない列を外す … 電話番号、生年月日、住所、相談の要点のうち質問の列と金額の列は、AIに渡しません
  4. 自由記述を確かめる … 「気になっていること」に、病名や通院の話が書かれていることがあります。文面の決まりの表に「健康状態に触れない」を入れ、AIにも禁じます
  5. 担当の募集人の名前と署名を付ける … 管理表の担当から、署名の形と Gmail の接続の分かれ道を決めます
  6. 経路Bの読み直し … 10日後の行で、状態が「相談済み・検討中」のままか、最後に連絡した日が変わっていないかを確かめます

1番目で再案内を1回までにするのが、第3章の(d)への答えです。 2回目以降に連絡するか、電話にするか、やめるかは、募集人が管理表のメモを見て決めます。 自動で作るのは1回目の下書きだけです。

6番目で「最後に連絡した日」を見るのは、電話で話したのに状態をまだ変えていない人に下書きを作らないためです。

Step5

AIに処理させる

させるのは、経路ごとに再案内のメールの件名と本文を作り、どの回答を話題にしたかを書くことだけです。

項目来店なし(経路A)検討中(経路B)
件名店舗名と、相談の日程の再案内であることが分かる短い件名店舗名と、先日の相談のお礼であることが分かる短い件名
書き出し文面の決まりの書き出しから選ぶ。来なかった理由に触れない相談に来てくれたことへのお礼から入る
話題相談のきっかけから、話題の材料の一言を1つ選ぶ相談で話した話題の種類を1つ挙げ、残っている疑問を聞く
次の一歩予約フォームのURLと、相談の所要時間返信で質問できること、もう一度相談できること
連絡をやめる案内文面の決まりの一文をそのまま入れる同じ
話題にした回答どの質問の、どの答えを使ったかどの話題の種類を使ったか

経路Bで「残っている疑問を聞く」にしているのが、2つの文面を分けた理由です。 検討中の人は、家族と話している、他社の見積と比べている、まだ決めたくない、のどれかです。どれであっても、こちらから契約の話を出すと急かされたと感じます。 保険業法は、募集にあたって顧客の意向を把握し、それに沿った提案と説明をし、意向と契約の内容が合っているかを顧客が確かめる機会を設けることを求めています。検討中の人への連絡は、その機会をもう一度差し出す位置づけで書きます。

させないこと理由
来なかった理由・返事が止まった理由を推測して書く推測は外れる。責めているように読める
商品名・保険会社名・保険料・保障の内容を書くどの商品を勧めるかは募集人の説明の場で行う。文面の性格が変わる
他社や他の商品との比較を書く比較の説明は、募集人が根拠を示して行う
「今月中」「いまだけ」などの期限や特典を書く相手を急がせる。代理店として約束できない
健康状態・家計の金額に触れるメールで扱う情報ではない。AIにも渡していない
回答に無いきっかけや家族の事情を足す相手が言っていないことを書かない
送信する送るのは募集人

2行目がこの構成でいちばん大事な禁止です。 「お子さまの学資保険なら○○生命の△△が」と書いた下書きは、読みやすく、相手に合っているように見えるので、そのまま送られやすい一文です。 指示で禁じたうえで、第7章の出力形式のところで機械的にも確かめます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは保険代理店の店舗の募集人です。
保険の相談の予約をいただいた方へのメールの件名と本文を作ってください。
与えられた情報だけを使ってください。

【場面】{case_type}
- noshow ... 予約の日時にご来店がなかった方への、日程の再案内
- stalled ... ご相談のあと検討中の方への、お礼と疑問の確認

【書き方】
- 書き出しは、文面の決まりの書き出しから場面に合うものを1つ選んでください。
- noshow の場合は、予約フォームの「相談のきっかけ」から、話題の材料の表の
  きっかけを1つ選び、その一言を本文に入れてください。
  当てはまらない、または回答が無い場合は topic_key を generic にし、
  話題を入れないでください。
- stalled の場合は、相談の話題の種類を1つ挙げ、
  「ご不明な点があればこのメールにご返信ください」の趣旨を書いてください。
- noshow の場合は予約フォームのURLと相談の所要時間を書いてください。
- 文面の決まりにある「今後のご案内が不要な場合」の一文を、そのまま入れてください。
- 本文は全体で300字程度、段落は3つまでにしてください。
- 署名は与えられた署名をそのまま使ってください。

【厳守事項】
- ご来店がなかった理由、ご返事がない理由を推測して書かないでください。
  「お忙しかったかと」「ご検討は進んでいますか」のような言い回しも
  使わないでください。
- 残念がる、責める言い回しを使わないでください。
- 商品名、保険会社名、保険料、保障の内容、他の商品との比較を
  書かないでください。
- 期限、特典、「おすすめ」「お得」を書かないでください。
- 健康状態、病気、通院、家計の金額に触れないでください。
  回答に書かれていても触れないでください。
- 予約フォームに書かれていないきっかけや家族の事情を足さないでください。
- 話題の材料の表に無い説明や数字を書かないでください。

【予約フォームの回答】{answers}
【相談の話題の種類】{consult_topics}
【予約の日時と店舗】{reservation}
【文面の決まり】{style_rules}
【話題の材料の表】{topic_materials}
【予約フォームのURL】{booking_url}
【担当の募集人の署名】{signature}

「回答に書かれていても触れないでください」を足しているのは、自由記述に病名が書かれていることがあるからです。 何も言わなければ、AIは相手の書いたことに丁寧に応えようとして、「ご持病のことも含めてご相談ください」と書きます。 気遣いのつもりの一文が、メールで健康の話を持ち出すことになります。

「ご検討は進んでいますか」まで禁じるのは、検討中の人への連絡で最も書かれやすい一文だからです。 書いた側は様子を聞いているつもりでも、読む側には「早く決めてください」と同じに聞こえます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目として、次のものを定義します。

{
  "case_type": "noshow | stalled",
  "subject": "",
  "body": "",
  "topic_key": "marriage | birth | housing | review | retirement | car | generic",
  "used_answer": { "question": "", "answer": "" },
  "needs_review": false
}

1つ目の理由は、件名と本文を別の項目で受け取れることです。 Gmail の Create Draft の件名と本文に、そのまま割り当てられます。

2つ目は、topic_key を決まった値に絞れることです。 話題の材料の表の行と1対1で結び付け、表に無い種類をAIが作れないようにします。 種類を足すときは、表に行を足してから出力の選択肢を足します。どのきっかけの人が次の相談につながりやすいかも、月ごとに数えられます。

3つ目は、used_answer で募集人の確認が速くなることです。 下書きを読む前に、どの回答を拾ったかが分かります。

Zap の側では、受け取った後に Paths の条件で次の確認をします。

確認やり方結果
予約フォームのURL経路Aの本文に、文面の決まりのURLがそのまま入っているか無ければ needs_review
連絡をやめる案内文面の決まりの一文が本文にあるか無ければ needs_review
書かない語取扱う保険会社の名前、主な商品名、「円」「保険料」「おすすめ」「今月中」を含むか含めば needs_review
健康の語「病」「通院」「入院」「治療」を含むか含めば needs_review

needs_review が立っても、下書きは作ります。 件名の先頭に「【要確認】」を付け、募集人が直してから送ります。止めてしまうと、再案内そのものが届かなくなるからです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Google スプレッドシートNew or Updated Spreadsheet Row/Lookup Spreadsheet Row/Update Spreadsheet Row状態の変化を拾い、10日後に読み直し、下書きを作った日と回数を書く
Delay by ZapierDelay For検討中の人の確認を10日後に回す
GmailFind Email/Create Draft相手からのメールを探し、募集人の受信箱に下書きを保存する
AI by ZapierAnalyze and Return Data件名と本文を作る

Gmail の接続は、募集人ごとに分けます。 下書きは、接続した Gmail のアカウントに保存されるためです。Find Email も同じ接続で探さないと、相手が担当の募集人に送った返事を見つけられません。 Zap の中で担当ごとに分かれ道を作ります。募集人が8名なら、分かれ道は8本です。Paths の数が足りなくなったら、店舗ごとに Zap を分けます。

Update Spreadsheet Row は1回の実行で1行を更新するとされ、1回の実行が1人の予約なので、そのまま使えます。Send Email のアクションは置きません。

Step9

人が確認する

  1. 件名に「【要確認】」が付いたものを先に見る … 商品名や健康の語が入っていないかを確かめ、削ります
  2. used_answer と本文の話題を見比べる … 回答の読み違いがないかを確かめます
  3. 検討中の人には、相談で出た質問を読み返す … 管理表の質問の列を読み、答えられるものは一文を足します。ここで初めて、相談の中身に触れます
  4. 送る … 来店なしは当日中、検討中は下書きができた日のうちに送ります
  5. 2回目の対象の知らせを見る … 下書きは作られていません。電話にするか、連絡をやめるかを決めます

3番目が、下書きを人が送る理由です。 相談で出た質問は相手がいちばん気にしていることですが、AIには渡していません。 募集人が答えを一文足すだけで、定型の連絡と違うメールになります。商品の説明が要る質問なら、もう一度相談の場を提案します。

目標は、160件をならして1件6分です。 対象の人を探す時間と書く時間が、下書きを読んで一文を足す時間に置き換わります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
誤って「来店なし」にした状態を戻し、下書きを送らずに削除する
10日のあいだに申込・見送りに変わった読み直しで止まる。下書きは作られない
10日のあいだに相手からメールが来たFind Email で見つかり止まる
10日のあいだに電話で話した最後に連絡した日が変わっていれば止まる。電話のあとに日付を書く決まりにする
Zap を止めているあいだに待ちの期限が来た待ちは動かない。Zap を戻したら、管理表で検討中のまま11日以上たった行を数え、手で下書きを作る
フォームの回答が空generic で下書きを作る。話題は入れない
同じ人が複数の予約を持つ補助の検索の列(予約の日時)で、その予約の行だけを取る
担当の募集人が空店長へ知らせ、下書きは作らない
担当の募集人の Gmail の接続が切れている下書きを作れない。Zap の失敗の知らせで気づき、接続し直す
AI の呼び出しが失敗する下書きを作らず、募集人へ知らせる。手で書く
連絡不要の印がある最初の Filter で止める

5行目は、Delay を使う構成に固有の例外です。 Zap を止めた日を記録しておき、その日から10日前後に検討中になった人が拾われずに残っていないかを確かめます。

Step11

記録を残す

  • 状態を変えた日時と、変えた募集人
  • AIに渡した回答とAIが返した項目(subject・body・topic_key・used_answer・needs_review)
  • 募集人が送った文面(下書きからどこを直したか)
  • 送った日時と、その後の予約・申込・見送りの有無(予約フォームの印で見分ける)
  • 2回目以降の対象で募集人が選んだ対応
  • Zap を止めた日時と戻した日時

3つ目の「どこを直したか」が、文面の決まりと話題の材料の表を直す材料になります。 同じ一文を何人もの募集人が削っていれば、表の側が店舗の説明に合っていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:回答を手でAIの画面に貼り、文面を作らせる / 1件ごとの文面の作成
半自動化:上記+Zapier で状態の変化から回答を引き、検討中は10日待って読み直し、担当の Gmail に下書きを保存する / 拾い出しから下書きまで
本格構成:上記+次の相談・申込・見送りの結果を管理表に戻し、経路ときっかけごとのつながり方を月ごとに出す / 下書きから効果の記録まで

半自動化で、1件15分が6分になり、この段階が本記事の想定です。 探す時間と書く時間がまとめて短くなります。残るのは、下書きを読み、相談で出た質問に一文を足して送る時間です。 半自動化を1か月回すと、経路Bで止まった理由の内訳が見えてきます。 返事が来て止まる人が多いなら、10日は長すぎます。 待つ日数は月に1回見直します。 本格構成でも、送信は自動にしません。 自動にするのは、結果の記録と集計までです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
8 名
月間件数
160 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
6 分
現在  160件 × 15分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 160件 × 6分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
24h
削減率
60%
年間削減時間
288h
年間金額換算(時間単価3,000円)
86万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 来店型・訪問型の保険代理店で、Webの予約フォームから保険の相談を受けており、予約したのに来ない人と、相談のあと検討中のまま返事が止まる人が合わせて月に100件以上ある場合。再案内の連絡が募集人の手の空き具合で遅れたり、送られないままになったりしている場合。予約の管理をスプレッドシートで行っており、予約フォームで相談したい保険の種類やきっかけを聞いている場合。
向いていない
  1. 予約の件数が月に十数件で、募集人が1件ずつ電話で確かめられる場合。再案内の連絡を、保険会社の承認を受けた定型の文面だけで送ると社内で決めている場合。予約フォームで何も聞いておらず、文面を変える材料が無い場合。なお、どの商品を勧めるか、再案内を何回まで送るかといった募集の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の来店なしと、検討中のまま止まった人から、それぞれ10件ずつ選ぶ(フォームの「相談のきっかけ」に回答があるものを中心に)
  2. その20件に、当時どんなメールを送り、次の相談や申込につながったかを書き出す
  3. 手元のAIサービスの画面に、フォームの回答(名前とメールアドレスは外す)と話題の材料の一言を貼り付ける
  4. 「保険の相談の予約にご来店がなかった方への再案内のメールを300字程度で書いてください。理由を推測しないでください。商品名・保険会社名・保険料を書かないでください。相談のきっかけに一言触れてください」と指示する。検討中の人には「お礼と、疑問があれば返信してほしいという趣旨で」と変える
  5. 出てきた文面を当時の文面と並べ、店長と募集人で読み比べる

確かめたいのは、「商品に触れずに、相手のきっかけに合わせた文面が作れるか」です。

出てきた内容判断
きっかけに合った一言が入り、商品に触れていないZapier の Zap に進む
理由の推測や「ご検討は進んでいますか」が残る指示の書き方で直る。構成は有効
商品の特長や保険料を書いた話題の材料の表を先に作る

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
商品名や保険料が入った文面になる話題の材料の一言だけを使わせ、書かない語の一覧で機械的に確かめる
検討中の人に急かす文面が出る経路ごとに書き方を分け、「ご検討は進んでいますか」を禁じる
メモを足しただけで Zap が動く監視の列を「状態」だけにする。Any column にしない
古い予約の行を読み直す補助の検索の列(予約の日時)を必ず使う
相手の返事を見落として下書きができる担当の募集人の Gmail の接続で Find Email を探す
電話で話した人に下書きができる電話のあとに最後に連絡した日を書く決まりにする
Zap を止めたら待ちが消えた止めた日を記録し、戻したあとに検討中の行を数える
AI by Zapier の task が想定より多い新しいステップの既定が Premium(5倍)なので、階層を確かめる
病名に触れた文面が出る回答に書かれていても触れないと指示し、健康の語の一覧で確かめる

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 相談を予約した人の氏名・メールアドレス、相談したい保険の種類、相談のきっかけ(結婚・出産・住宅購入など)、自由記述の気になっていること、相談の話題の種類です。

  1. AIに渡す列を絞る … 文面に使う回答と話題の種類だけを渡し、電話番号・生年月日・住所・相談の質問と金額の列は渡しません。健康状態は、フォームの自由記述に書かれていても文面に使いません
  2. 送信を人に残す … 下書きまでにし、送るのは募集人です。代理店として出す文面は、必ず募集人の目を通します
  3. 商品の説明をメールでしない … どの商品を勧めるか、保障の内容をどう説明するかは、募集人が相談の場で、顧客の意向を確かめながら行うことです。この構成のメールは、その場をもう一度設けるためのものに限ります
  4. 連絡をやめてほしいという意思を守る … 管理表の連絡不要の印がある人には下書きを作りません。すべての文面に、案内が不要な場合の一文を入れます
  5. AI by Zapier の内容の確認の扱いを知っておく … Zapier が提供するモデルでは内容の確認(モデレーション)が既定で有効で外せず、自社のアカウントを使う場合は無効にできるとされています。無効にする理由がなければ、そのままにします

誤りが起きた場合のリスクは、商品や保険料に触れた文面が届くことと、連絡をやめてほしい人に連絡してしまうことの2つです。 前者は話題の材料と書かない語の一覧と人の確認で、後者は管理表の印で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:表を2つと一覧を1つ作る

文面の決まり(場面ごとの書き出し、書かないこと、署名、予約フォームのURL、案内が不要な場合の一文)と、話題の材料の表(相談のきっかけごとの一言)を作ります。あわせて、取扱う保険会社と主な商品の名前から書かない語の一覧を作ります。話題の材料は、店舗で実際に話している説明の入り口から書きます。

2週目:20件で試す

来店なしと検討中の人から10件ずつ選び、手元のAIサービスで文面を作らせます。商品に触れていないか、理由を推測していないかを最優先で見ます。

3週目:管理表を整え、経路Aを組む

相談のメモを「話題の種類」と「相手から出た質問」の列に分けます。Zap は経路A(来店なし)から作り、募集人1人の Gmail で1週間回します。

4週目:経路Bを足す

Delay For・Lookup Spreadsheet Row・Find Email で経路Bを足します。最初の1か月は待つ日数を10日で固定し、止まった理由の内訳を数えます。

2か月目: 募集人8名に広げ、次の相談につながったかを記録します。3か月目以降: 経路ときっかけごとのつながり方を見て、待つ日数と話題の材料の表を見直します。来店なしの人にはその日のうちに、検討中の人には10日後に、商品に触れない再案内が募集人の手で送られている状態になった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-09/最終更新:2026-10-09
確認した内容情報源確認日
監視の列を Any column にすると空のセルを埋めるような小さな編集でも Zap が動くこと。特定の列を監視の列にすると、その列が変わったときだけ動くこと。行を足す・消すあいだは Zap を止めること。Filter で空の行を止められることZapier Help: Google Sheets triggers unexpectedly or too soon2026-10-09
Lookup Spreadsheet Row で検索の列と補助の検索の列の両方に合う行を探せ、行が無ければ作れること。Update Spreadsheet Row が1回の実行で1行を更新し、行の指定に Lookup の ID を使うことZapier Help: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets2026-10-09
Delay For・Delay Until・Delay After Queue があること。最短の待ちが1分であること。Zap を止めているあいだに予定された動きは戻しても動かないこと。Professional 以上のプランで使え、task の数に入らないことZapier Help: Add delays to Zaps2026-10-09
Filter は条件に合わなければ Zap を止め、Paths は条件ごとに経路を分けること。条件に合う経路が複数あれば複数が動くこと。Filter と Paths が Professional 以上のプランで使えることZapier Help: Use conditional logic to filter and split your Zap workflows2026-10-09
Analyze and Return Data で出力の項目を名前・型・説明付きで定義できること。Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍、新しいステップの既定)の階層と、Bring Your Own Key で Anthropic などのアカウントを使えること。内容の確認が Zapier のモデルでは既定で有効で外せないことZapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-09
Gmail のアクションに Create Draft、Send Email、検索に Find Email があること。送信の上限を超えるとアカウントが最大24時間止まることがあることZapier Help: How to get started with Gmail on Zapier2026-10-09
保険募集人などが、顧客の意向を把握し、それに沿った保険契約の提案と説明を行い、意向と契約の内容が合っていることを顧客が確かめる機会を設けなければならないこと(保険業法第294条の2)e-Gov 法令API: 保険業法2026-10-09

再案内の回数、連絡をやめる基準、代理店として使う文面は、代理店の管理者と、必要に応じて所属する保険会社と決めてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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