可処分時間に生成AIが入った|接点の配分を見直す

可処分時間に生成AIが入った|接点の配分を見直す

「若い層にテレビも動画も届きにくくなったと感じるが、時間がどこに移ったのか分からない」「生成AIを毎日使う人が増えたと聞くが、メディアの計画にどう入れればいいのか」。接点の計画を預かる宣伝・マーケの責任者から、この1年で増えた問いです。総務省が2026年7月に公表した令和8年版情報通信白書は、日本で生成AIを使ったことがある人が58.8%に達し、利用者のうち「ほぼ毎日」使う人が約3割、20〜29歳では約4割にのぼると示しました。ここから「生成AIが可処分時間を奪った」と結論づけたくなりますが、それは言い過ぎです。本当は、生活者の一日に「AIと対話する時間」という枠が入ったことは分かっても、それがどの媒体の時間から移ったのかは、まだどの調査も示していないのです。この記事では、白書が示した数字と示していないことを分けたうえで、自社の顧客で確かめる設問、接点ごとの時間帯の表、配分を動かす幅と撤退の基準、数字が差し替わるときの段取りを整理します。


カメ先生カメ先生

生成AIが出てきて、可処分時間の奪い合いの相手がまた一つ増えた、と思われがちなんだ。でも本当は、増えた時間がどこから来たのかは、まだ誰も確かめていないんだよ。


カメ子カメ子

白書に毎日使う人の割合まで出たのに、まだ分からないということですか。


カメ先生カメ先生

白書が示したのは、どれだけの人がどのくらいの頻度で使っているかまで。その時間がテレビから来たのか、検索から来たのか、仕事の時間の中なのかは測っていない。だから配分を動かす前に、自社の顧客で確かめる順番が要るんだ。


カメ子カメ子

世の中の数字と自社の顧客の数字は、別々に取らないといけないんですね。


この記事のポイント
  • 白書が示したのは生成AIの利用経験と利用頻度まで。時間がどの媒体から移ったかは、公的な時間の調査も含めてまだ測られていない
  • 生成AIの時間を「時間を奪い合う相手」と見るか「接点を置く場」と見るかは、商材と顧客の年齢で変わる。決めるのは人
  • 自社の顧客への設問で移った先を確かめ、動かす幅と撤退の基準を先に決めてから接点を置き直す

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目次

可処分時間は、接点の計画の前提に置かれてきた言葉

可処分時間とは、一日の中から睡眠や食事、仕事や家事といった欠かせない時間を除いた、本人が自由に使い道を選べる時間のことです。可処分所得になぞらえた言い方で、メディアや娯楽の業界では、限られたこの時間をテレビ、動画、交流サイト、ゲームなどが取り合っているという見方の土台に使われてきました。

接点の計画では、この言葉は「どの媒体にどれだけの時間が流れているか」を読む前提として働いてきました。時間が多く流れている媒体には人がいる。だから広告や情報の接点をそこに置く、という順序です。媒体ごとの接触時間を年代別に並べ、狙う顧客の時間が厚い媒体から順に接点を置くやり方は、多くの企業のメディアの計画の出発点になっています。

そこに生成AIが入ってきました。調べものや相談、文章の下書きに生成AIを使う時間は、これまでの媒体の区分のどこにも収まりません。時間の地図に新しい区画が一つ増えたので、地図をもとに組んできた接点の計画も見直しが要る、というのがこの記事の出発点です。ただし、新しい区画がどの区画を削って生まれたのかは、次の節以降で見るとおり、まだ分かっていません。

白書が示した数字:利用経験は1年で大きく伸びた

令和8年版情報通信白書は、総務省が日本・米国・ドイツ・中国の一般の人を対象に行ったアンケート(2025年度個人向け調査)の結果を載せています。業務や日常生活で生成AIを一つでも使ったことがあるかという設問に、日本で「使っている(過去使ったことがある)」と答えた人は58.8%でした。前年度の同じ調査では26.7%だったので、1年で倍以上に伸びたことになります。

この比較には一つ注意があります。前年度までの調査は20歳以上が対象で、2025年度から15〜19歳が加わりました。白書の注記によると、20歳以上に限った値は52.2%です。前年度と同じ範囲で比べても大きく伸びていることに変わりはありませんが、社内の資料に引くときは、どちらの範囲の数字かを書き添えるのが安全です。

年齢別では、日本で使ったことがある人の割合は15〜19歳が91.7%と最も高く、20〜29歳が78.2%で続きます(図表I-1-1-7)。種類別では、文章を生成するサービスの利用経験が55.0%と大半を占め、画像・動画・音声などの生成は比較的低い水準でした。生活者が日常で触れている生成AIは、主に文章で対話する種類だと読めます。

利用頻度:毎日使う人は約3割、20代は約4割

白書は、使ったことがある人に利用頻度も尋ねています(図表I-1-1-8・9)。日本で「ほぼ毎日」と答えた割合は約3割で、米国・ドイツ・中国がいずれも4割を超えたのに比べると、4か国の中で最も低い結果でした。年齢別では20〜29歳が約4割で最も高く、30〜39歳と15〜19歳が3割程度で続きます。

公開されている図表のデータを見ると、「ほぼ毎日」はさらに1日の合計が1時間以上か未満かで分けられています。日本全体では1時間以上が11.1%、1時間未満が18.8%です。1時間以上の割合を年齢別に見ると、20〜29歳が18.0%で最も高く、30〜39歳が12.9%、15〜19歳が9.5%、40〜49歳が8.9%、50〜59歳が6.6%、60〜69歳が5.8%でした。毎日1時間以上という使い方は、20代に最も厚いことが分かります。

ここで押さえたいのは、この割合の分母が「使ったことがある人」だという点です。20代全体のうち毎日1時間以上使う人の割合は、利用経験の78.2%を掛け合わせた分だけ小さくなります。白書の数字を「20代の2割近くが毎日1時間以上AIと話している」と読むのは誤りで、利用者の中での割合として読む必要があります。

情報を得る場面と相談の場面で、AIの比重が上がっている

時間の長さとは別に、白書は「どの場面で、AIとAI以外の方法をどう使い分けているか」も尋ねています(図表I-1-1-12・13)。日本全体では、AI以外の方法を主に使う、あるいはAI以外の方法だけを使うという回答の割合が、他の3か国より高い傾向でした。日本の生活者全体で見れば、まだAI以外の方法が中心です。

一方で、15〜19歳と20〜29歳では、日常のちょっとした疑問や雑談に関する情報を気軽に得たいときや、心身や生活、将来についての専門的な相談をするときに、「AIのみ」または「主にAI」と答えた割合が2割から3割程度に及びました。目的別の設問でも、日常の行動や判断にかかわる相談のために定期的に使うという回答が、この二つの年齢層で20%を超えています。

接点の計画にとって重いのは、時間の長さよりもこちらかもしれません。調べる・比べる・相談するという、購買の前に起きる行動の入口が、若い層からAIに寄り始めているからです。白書もこの結果について、若年層を中心に情報の取得や相談の場面でAIの比重が高まりつつあると推察する、という書き方にとどめています。断定ではなく、兆しとして読むのが白書自身の読み方です。

白書が示していないこと:その時間がどこから来たのか

ここまでの数字は、生活者がどのくらいの頻度で生成AIを使っているかを示しています。しかし、その時間がテレビの視聴から移ったのか、動画や交流サイトから移ったのか、検索の時間が置き換わったのか、それとも睡眠や仕事の時間の中から生まれたのかは、白書のどこにも書かれていません。頻度の調査は、時間の出どころまでは測らないからです。

では、媒体ごとの時間を測る公的な調査はどうでしょうか。総務省の情報通信政策研究所が2026年6月に公表した「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」は、13〜79歳の1,800人に2025年12月の1週間の行動を日記式で記入してもらった調査です。平日の平均でインターネットの利用は183.9分、テレビのリアルタイム視聴は156.1分と、ネットがテレビを上回る差が広がりつつあると報告しています。

ただ、この報告書のインターネットの利用項目は、メール、ウェブサイト、交流サイト、動画の共有サービス、動画の配信サービス、オンラインゲームといった区分で、生成AIを独立して数える項目はありません。つまり2026年10月時点では、生成AIの時間を他の媒体と同じ物差しで並べた公的な数字は見当たらないのです。白書の頻度と、媒体ごとの利用時間は、別々の調査の別々の数字として扱う必要があります。

「生成AIが時間を奪った」と書けない理由

社内の会議資料で、白書の数字とテレビ離れの数字を並べて「生成AIがテレビの時間を奪っている」と書きたくなる場面は多いはずです。しかし、手元にある数字でこの文を支えることはできません。よく見かける読み違いを並べておきます。

  • 利用者の中の割合を、年代全体の割合として読む(分母は「使ったことがある人」)
  • 「ほぼ毎日1時間以上」を、可処分時間の中の1時間として読む(設問は業務と日常生活の両方を含む)
  • テレビの視聴時間の推移と生成AIの利用の伸びを並べ、片方が他方を減らしたと読む(別の調査で、因果は測っていない)
  • 交流サイトや動画の時間が減っていない年代についても、同じようにAIへ移ったと読む

特に2点目は見落とされがちです。白書の設問は「業務や日常生活において」使ったことがあるかを尋ねており、頻度の回答にも仕事での利用が含まれていると考えるのが自然です。毎日1時間以上の中には、勤務時間内の調べものや資料づくりが入っている可能性があり、そのすべてが自由に使える時間から出ているとは言えません。

こうした読み違いのまま配分を動かすと、根拠の弱い前提に予算と人手を張ることになります。だからこの記事では、断定を避けたまま判断を進める順路をとります。世の中の数字で「何が起きていそうか」の見当をつけ、自社の顧客で「何が起きているか」を確かめ、確かめた範囲で動かす、という順路です。

見方は2つ:時間を奪い合う相手か、接点を置く場か

生成AIの時間を接点の計画にどう入れるかには、大きく2つの見方があります。1つ目は、生成AIを「時間を奪い合う相手」と見る見方です。生活者がAIと話している間は、テレビも動画も交流サイトも見ていない。だからAIの時間が増えるほど、既存の媒体で顧客に届く機会が減る、と考えます。

2つ目は、生成AIを「接点を置く場」と見る見方です。生活者が調べものや相談をAIで始めるなら、その前後に自社の情報が届くよう、AIの外にある接点を組み直す、と考えます。たとえば、AIで比べた後に確かめに来る自社の製品ページ、AIの答えを読んだ後に開く比較の動画、相談の後に申し込む窓口などです。AIの回答そのものに載る話は別の棚なので、ここではAIの前後にあるAIの外の接点に限って考えます。

どちらの見方が正しい、というものではありません。1つ目の見方は、既存の媒体の接点を減らすか、別の時間帯に移す判断につながります。2つ目の見方は、接点の数は減らさずに、置く場所と中身を変える判断につながります。どちらを取るかで、次に動かすべきものが変わるので、まずどちらの見方で計画を組むかを決めることが出発点になります。

商材と顧客の年齢で、取る見方が変わる

どちらの見方を取るかは、自社の商材と、狙う顧客の年齢で変わります。白書の数字が示すとおり、生成AIの利用の厚みは年代で大きく違い、日常の相談にAIを使う割合も若い層に偏っています。さらに商材によって、購買の前に「調べる・比べる・相談する」時間がどれだけあるかが違います。

商材と顧客起きていそうなこと取りやすい見方自社で確かめること
若年層向けで、気軽に買える商材娯楽の時間の一部がAIとの対話に移っている可能性時間を奪い合う相手動画・交流サイトの接触が減ったか、時間帯が動いたか
若年層向けで、比べてから買う商材比較・相談の入口がAIに寄り始めている接点を置く場AIで比べた後に、何で確かめているか
中高年向けの商材AIを毎日使う人は少なく、テレビの比重が高い当面は既存の配分を維持利用者の中で、どの場面に使っているか
企業向けで、決裁者が選ぶ商材業務での調べものにAIが入っている接点を置く場社内の検討資料づくりにAIを使っているか

表はあくまで仮説の置き場所で、正解の一覧ではありません。たとえば中高年向けの商材でも、狙う顧客が新しい道具を早く取り入れる層なら、利用の厚みは白書の平均と違うはずです。白書の年代別の数字は、仮説を立てるための目安にとどめるのが妥当です。

この見方の選び方は、AIに決めさせない判断の1つ目です。AIに白書の数字と自社の商材の説明を渡せば、それらしい見方を提案してくれるでしょう。しかし、その提案は世の中の平均から組み立てたもので、自社の顧客の実態を知りません。どちらの見方で計画を組むかは、顧客を知る人が決める必要があります。

自社の顧客で確かめる:設問の作り方

世の中の数字が時間の出どころを示していない以上、確かめる先は自社の顧客です。既存の顧客アンケートや会員向けの調査に、生成AIと媒体の関係を尋ねる設問を数問足すだけでも、見当をつける材料になります。設問づくりは次の順で進めます。

STEP1
使っているかと頻度を、白書と同じ形で聞く

白書と同じ選択肢(ほぼ毎日・週に1回以上・月に1回以上など)で尋ねると、自社の顧客が世の中の平均より厚いか薄いかを比べられます。仕事での利用と私生活での利用は、分けて尋ねます。

STEP2
増えた時間の代わりに減ったものを聞く

「生成AIを使うようになってから、使う時間が減ったものはありますか」と尋ね、テレビ、動画、交流サイト、検索、店頭での相談、特に変わらない、などから複数選んでもらいます。「減った」を先に言わない中立な言い方にします。

STEP3
場面で聞く

自社の商材を選ぶとき、最初に何で調べたか、比べるときに何を使ったか、最後に何で確かめたかを、場面ごとに尋ねます。時間の長さより、場面の入口の変化が分かります。

STEP4
年代と商材の利用状況で分けて集計する

全体の平均だけを見ず、年代別、購入の有無別に分けます。分けた後の回答数が少なすぎる区分は、結論を出さずに次回に持ち越します。

設問案の下書きや、選択肢の抜け漏れの点検はAIに任せやすい作業です。ただし、回答者に答えを誘う言い方になっていないかは人が読んで確かめます。AIの下書きは「生成AIに時間を奪われた媒体はどれですか」のように、前提を含んだ問いになりやすいからです。

接点ごとの時間帯と接触の場面を表にする

設問の結果を読む前に、自社がいま置いている接点を、時間帯と接触の場面で並べた表を作っておきます。公的な時間の調査から分かる範囲を左に、自社で確かめることを右に置くと、どの接点がAIの時間と重なりうるかが見えやすくなります。

接点公的な調査から分かることAIの時間と重なりうる場面自社で確かめること
テレビのリアルタイム視聴平日・休日とも20時台に視聴が集まる。夜の時間帯は、ネットとの並行利用(ながら視聴)も多い番組を見ながらの調べもの・相談放送の後に、検索とAIのどちらで確かめているか
動画の共有サービスネットの利用項目で最も長く、10代・20代は1日平均100分を超えるハウツー・比較の動画の代わりにAIに聞く比較の動画の視聴が減ったか
交流サイト休日の20代で1日平均100分を超えるおすすめを探す入口情報収集の入口として使う割合が変わったか
検索とウェブサイト生成AIを分けて数える項目はない調べもの・比べものの全般自社サイトへの流入の入口がどう変わったか

並行利用は特に見落とせません。情報通信政策研究所の調査では、夜の時間帯のテレビ視聴に占めるながら視聴の割合は、平日は10代の21時台で48.7%、休日は20代の22時台で66.6%と最も高くなっていました。テレビを見ている時間と、手元で何かを調べている時間は重なっているので、生成AIの時間がどこかを削ったとは限らず、重なって増えている可能性もあります。

表の左の列は公表済みの数字なので、整理や更新はAIに任せられます。右の列は自社の顧客にしか答えられない問いで、ここが空欄のうちは配分を動かす根拠になりません。日記式の調査は10分未満の行動を5分として数えるなど、短い利用の捉え方にも癖があるため、数字の細かな差に意味を読み込みすぎないようにします。

配分を動かす幅と撤退の基準を先に決める

自社の顧客で兆しが確かめられたら、接点の置き方を動かします。ここで大事なのは、動かす前に「どれだけ動かすか」と「どうなったら戻すか」を決めておくことです。時間の出どころが分からないまま大きく動かすと、外れたときに戻す理由も、続ける理由も説明できなくなります。

動かす幅は、計画全体の中の一部に限ります。たとえば若年層向けの接点のうち、比較の段階に置いていた動画の一部を、AIで比べた後に確かめに来る製品ページや比較表の改修に振り替える、といった小さな単位です。どの接点の、どの時間帯の、どの場面を動かすかまで書いておくと、結果を読むときに迷いません。

撤退の基準は、始める前に数字で書きます。一定期間のうちに、狙った場面で問い合わせや資料請求の入口が変わらなければ元に戻す、といった形です。動かす幅と撤退の基準は、AIの試算に決めさせないでください。数字の移った先が分からない段階のAIの試算は、前提の置き方しだいでどうにでも変わります。媒体ごとの予算の割り方や、増えた分の測り方は、媒体の役割から予算を組む方法を整理した別の記事で扱っているので、そちらと合わせて使ってください。

若年層向けと決裁者向けで、計画を分けるか

白書の年代差を見ると、若年層向けの接点と、中高年が多い決裁者向けの接点で、計画を分けたくなります。利用者のうち「ほぼ毎日」使う人は、20〜29歳で約4割に対し、図表のデータでは50〜59歳で2割弱、60〜69歳で1割強にとどまります。同じ前提で一つの計画を組むと、どちらかに合わなくなる、という考え方です。

ただし、企業向けの商材では事情が少し違います。決裁者の私生活での利用は少なくても、検討を担う現場の担当者が業務でAIに調べさせ、その結果を検討資料にまとめている可能性があります。この場合、決裁者に届く情報の入口は、決裁者本人ではなく担当者のAIの使い方で決まります。年齢だけで計画を分けると、この経路を見落とします。

計画を分けるかどうかは、AIに決めさせない判断の3つ目です。分ければ管理の手間が増え、分けなければ片方への効き目が薄れます。自社の顧客の設問で、年代や役職によって入口の答えがどれだけ違うかを確かめ、違いが大きい場合にだけ分ける、という決め方が現実的です。

AIに任せる作業と、人が決める3つの判断

この見直しの中で、AIが役に立つ作業ははっきりしています。白書や各社の調査の数字を、図表番号と調査の範囲つきで一つの表に整理すること。顧客アンケートの設問案と選択肢を下書きすること。接点ごとの時間帯の表を、公表済みの数字で埋めること。いずれも、根拠となる出典を書かせ、人が原文と照らせる形で出させます。

AIに任せる範囲と、人が決める判断
  • AIに任せる:白書・公的調査の数字の整理(出典と図表番号を必ず添えさせる)
  • AIに任せる:顧客アンケートの設問案と選択肢の下書き、答えを誘う言い方の洗い出し
  • AIに任せる:接点ごとの時間帯の表の、公表済みの数字の欄
  • 人が決める1:生成AIの時間を「奪い合う相手」と見るか「接点を置く場」と見るか
  • 人が決める2:配分を動かす幅と、元に戻す撤退の基準
  • 人が決める3:若年層向けと決裁者向けで計画を分けるかどうか

3つの判断に共通するのは、どれも自社の顧客と事業の事情を知らないと決められないことです。数字が移った先を示していない段階で、AIの試算に配分を決めさせない。これが、この見直しで最も大切な線引きです。AIに試算させる場合も、前提の数字がどの調査の、どの範囲の値かを人が確かめてから使います。

調査の作り直しと、数字の差し替えの段取り

接点の計画で長く参照されてきた民間の調査も、作り直しの最中にあります。博報堂メディア環境研究所は2026年6月4日、メディア定点調査を全面的に刷新すると告知しました。急速な技術の進展によるメディア環境の変化を捉えるためで、例年6月の発表を見送り、今年度下半期に新しい調査を発表する予定としています。

告知によると、調査の地域は東京だけから全国7地区に広がり、接触時間は画面、番組や記事などの中身、利用時間の組み合わせで細かく分析するとしています。告知文に生成AIについての記述はありませんが、新しい調査で生成AIがどう扱われるかによって、いま組んでいる前提を差し替える必要が出てきます。公的な時間の調査も毎年行われているので、次の版で項目が変わることもありえます。

差し替えに備えて、今のうちに3つ用意しておきます。計画の前提に使った数字の一覧(調査名・公表時期・範囲)、新しい数字が出たときに比べる項目、差し替えで計画が変わるかを判断する担当者です。新しい調査が出たら、AIに旧い数字と新しい数字の対照表を作らせ、前提が変わった項目だけを人が読み直します。日付は各調査の公式の発表で確かめてから動きます。

見直す周期と、次に見る数字

見直しの周期は、数字が出る時期に合わせて決めます。情報通信白書は例年夏、公的な時間の調査は毎年の報告書、刷新される民間の定点調査は今年度下半期の発表が予定されています。これらの公表に合わせて年に1〜2回、前提の数字を確かめ直す枠を、計画の年間の予定に入れておきます。

自社の顧客への設問は、同じ聞き方で続けることに意味があります。1回の結果では、増えたのか元からそうだったのかが分かりません。半年から1年の間隔で同じ設問を繰り返し、同じ物差しで2回以上測ってから、移った先を判断するのが安全です。設問を毎回変えると、比べられなくなります。

次に見る数字としては、白書の翌年の版での利用頻度の推移、公的な時間の調査で生成AIが項目として扱われるか、刷新された定点調査の中身の3つが挙げられます。どれか一つでも生成AIの時間を他の媒体と並べて測るようになれば、この記事で「分からない」とした部分の一部が埋まります。

よくある質問

白書の数字だけを根拠に、若年層向けの接点を減らしてもよいですか

おすすめしません。白書が示しているのは利用者の中での頻度で、時間の出どころや、どの媒体の接触が減ったかは示していません。まず自社の顧客への設問で兆しを確かめ、小さな幅で動かし、撤退の基準を決めてから広げてください。

生成AIの回答の中に広告を出したり、引用されたりする対策も同じ話ですか

別の話です。この記事は、生活者の時間がAIに流れたときに、AIの外にある接点をどう置き直すかを扱っています。AIの回答の下に広告を出すかどうか、AI検索で引用されるための対策、AI検索を前提にした4区分の投資の見直しは、それぞれ別の記事で整理しています。

企業向けの商材でも、可処分時間の変化は関係がありますか

関係はありますが、入り方が違います。決裁者の私生活での時間より、検討を担う担当者が業務でAIをどう使っているかが効いてきます。設問では、私生活と仕事の利用を分けて尋ね、検討資料をつくる場面での使い方を確かめてください。

自社で調査をする予算がない場合はどうすればよいですか

既存の顧客アンケートや、商談・問い合わせの場での聞き取りに数問足すだけでも始められます。「当社を知ったきっかけ」の選択肢に生成AIを加える、比べるときに何を使ったかを尋ねる、といった小さな変更でも、同じ聞き方を続ければ変化を追えます。

まとめ

令和8年版情報通信白書は、日本で生成AIを使ったことがある人が58.8%に達し、利用者のうち毎日使う人が約3割、20代では約4割にのぼることを示しました。生活者の一日に、AIと対話する時間という新しい枠が入ったのは確かです。ただ、その時間がどの媒体から移ったのかは、白書も、公的な時間の調査も、まだ示していません。

だから接点の配分は、世の中の数字で見当をつけ、自社の顧客で確かめ、決めた幅の中で動かす順で見直します。数字の整理や設問の下書き、時間帯の表づくりはAIに任せられますが、どちらの見方を取るか、どれだけ動かしていつ戻すか、計画を分けるかは人が決める。調査が作り直されたら前提の数字を差し替え、同じ物差しで測り続けることが、時間の地図の変化に振り回されない近道です。

  • 生成AIの利用経験・利用頻度・場面別の使い分けの数字は、総務省「令和8年版情報通信白書」第I部第1章第1節(2026年7月公表)の本文と図表I-1-1-1・7〜13、および公開されている図表のデータに基づきます。利用頻度の割合は、生成AIを使ったことがある人の中での割合です
  • 媒体ごとの利用時間とながら視聴の割合は、総務省情報通信政策研究所「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2026年6月26日公表、調査期間は2025年12月1日〜7日)に基づきます
  • メディア定点調査の刷新については、博報堂メディア環境研究所の告知(2026年6月4日掲載)に基づきます。発表の時期や内容は変わる可能性があるため、利用前に最新の公式情報を確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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