検索品質評価ガイドラインとAI記事|最低評価を避ける点検表

検索品質評価ガイドラインとAI記事|最低評価を避ける点検表

「品質評価の担当者に低い点を付けられたら、うちの記事の順位が落ちるのではないか」「AIで下書きした記事は、品質評価ガイドラインで低評価になると聞いた」。AIの下書きを使い始めたオウンドメディアの編集部で、繰り返し出てくる2つの心配です。どちらも、ガイドラインの原文を読むと違うことが書かれています。原文の冒頭には、1つの評価が特定のページの表示を直接動かすことはないとあり、別の節には、生成AIの道具を使ったこと自体では労力も評価も決まらないとあります。つまり評価者の物差しは、順位を決める点数ではありません。本当は、付加価値の無い記事とは何かをグーグルが言葉にした、自社の点検にそのまま借りられる基準です。この記事では、2025年9月11日付の原文に沿って、AI記事が最低評価に当たる原因、付加価値の見方、数えて使える点検表、公開の関門までを整理します。


カメ先生カメ先生

品質評価ガイドラインは、検索の順位を決める採点表だと思われがちなんだけど、本当は、検索の仕組みがうまく働いているかを人の目で確かめるための物差しなんだ。


カメ子カメ子

評価者が付けた点が、そのまま記事の順位になるわけではない、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。ただ、物差しの中身は公開されていて、どんな記事を最低と見るかがかなり具体的に書いてある。AIで書いたかどうかではなく、手間と独自性と付加価値がほとんど無いかどうかを見ているんだ。


カメ子カメ子

その書きぶりを、自分たちの公開前の点検に借りればいい、ということですね。


この記事のポイント
  • 評価者の点数は個々のページの順位を直接は動かさない。ガイドラインは検索の改善に使う物差しで、原文は生成AIの利用だけで評価は決まらないと明記している
  • 最低評価は、本文のほぼ全部が労力・独自性・付加価値のほとんど無い言い換えや自動生成である場合。つなぎの文、量産の型、生成の痕、本文より大きいタイトルが典型
  • 原文の書きぶりを点検表の行に直す。痕の洗い出しの下書きはAIに任せ、最低に当たるかの判定と公開の可否は編集責任者が決める

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目次

誤解1:評価者の点数で、自社の記事の順位が動く

品質評価ガイドラインは、グーグルが検索品質の評価者に向けて書いた手引きで、原文は英語のPDFで公開されています。2026年10月2日時点で公開されている版の表紙の日付は2025年9月11日で、全体は180ページを超えます。前半がページそのものの品質の評価、後半が検索した人の目的をどれだけ満たしたかの評価という構成です。この記事が扱うのは前半、とくに最低の評価を付ける条件の部分です。

冒頭の「検索品質評価の目的」の節には、1つの評価が、特定のページやサイトの検索での表れ方を直接動かすことはできないと書かれています。結果を上げ下げさせることもできない、とまで明記されています。理由として、公開されているウェブの全ページを人が1つずつ評価することはできないからだ、と添えられています。

では評価は何に使われるのか。原文では、検索がどれだけ役に立つ内容を届けられているかを測ることと、役に立つ結果と役に立たない結果の例を示して検索の仕組みを改善することの2つが挙げられています。評価者は検索の仕組みの出来を確かめる側にいて、個々のサイトを裁く側にはいません。自社の記事が評価者に見られたかどうかを気にする必要は、まずありません。

それでも原文を読む意味があるのは、検索が目指す「役に立つ内容」の輪郭が、評価者に向けて具体的に書かれているからです。順位の仕組みは公開されていませんが、何を良いとし、何を最低とするかの言葉は公開されています。その言葉で自社の記事を点検するのは、順位を操作する話ではなく、読者に出す前の品質の線を外の基準で引き直す話です。「評価者の基準に合わせれば順位が上がる」とは考えないことを、点検表を使う全員の前提にします。

誤解2:AIで書いたこと自体が、低い評価の理由になる

原文は生成AIを、与えられた例から学んだことを使って、文章・画像・音楽・プログラムなどの新しい内容を作る機械学習のモデルの一種と定義しています。そのうえで、生成AIは内容を作るのに役立つ道具になりうるが、どんな道具とも同じく誤った使い方もされうる、と続けます。定義の段階で、良し悪しを道具の種類で決めない姿勢がはっきりしています。

さらに明確なのが、写しや言い換えを扱う節の注意書きです。そこには、生成AIの道具を使ったことだけでは、労力の水準もページの品質の評価も決まらないとあります。生成AIは高い品質の内容にも低い品質の内容にも使えるとし、手間をかけた独自の作品を生成AIで作ることもあれば、手間も独自性も付加価値もほとんど無い最低の内容を作ることもできる、と両方の例が並びます。

逆に、AIを使っていないから安全ということもありません。大量生成の節には、作り方がどうであれ、独自の内容や付加価値の無い大量の記事は最低と評価する、と書かれています。生成AIで作ったかどうかが分からなくても、サイトのいくつかのページを見て量産を強く疑うなら最低を付ける、とまで書かれています。問われているのは作り方ではなく、本文に何が足されているかです。

この2つの誤解を解くと、点検の向きが変わります。「AIらしさを消す」作業に時間を使うのではなく、「この記事にしか無いものが本文に何段落あるか」を数える作業に時間を使う、という向きです。以下では、原文が最低と見る条件を先に確かめ、それから点検表の行に直していきます。

評価の段階と、最低と低を分ける線

ページの品質は、最低・低・中・高・最高の5つの段階で評価されます。その間に、最低と低の中間のような半分の段階が4つあり、評価者は目盛りを動かして位置を決めます。原文は、最低と低の見分けが評価でいちばん難しい部分だとして、この2つの説明に多くのページを割いています。中の品質のページはウェブでよく見られる、とも書かれています。

評価の手順も示されています。まずページの本当の目的を見極め、人をだます目的なら最低。次に、害を与えるおそれ、信頼できない、迷惑な内容のどれかに当たるかを見て、当たれば最低。どれにも当たらなければ、目的をどれだけ果たしているかで段階を決めます。AI記事が関わるのは、主に2つ目の「迷惑な内容」と、3つ目の出来の部分です。

最低と低の線は、量と程度の言葉で引かれています。本文の全部かほぼ全部が、労力・独自性・付加価値の「ほとんど無い」写しや言い換えなら最低。本文の多くが写しや言い換えでも、編集や手作業での選別、形の整え直し、独自の内容の差し込みで少しでも価値を足していれば低、という区別です。

この線は、点検表の書き方に効きます。「AIの下書きをそのまま出していないか」という1行では足りません。下書きのうち、どれだけが自社の手で足した内容かを見なければ、最低と低のどちらの側にいるかは分からないからです。点検は「有るか無いか」ではなく「本文のどれだけか」で書くと、原文の線に合わせられます。

最低の条件:労力・独自性・付加価値がそろって「ほとんど無い」

原文は本文の品質を、主に労力、独自性、才能や技量で見るとしています。情報を伝えるページでは、これに正確さが加わります。労力は、人がどれだけ能動的に満足のいく内容を作ろうとしたか。独自性は、他のサイトに無い内容をどれだけ持っているか。技量は、訪れた人が満足できるだけの腕で作られているかです。

労力の説明には、分かりやすい対比が載っています。人が詩を別の言語に訳すのは直接の労力で、機械翻訳を提供する仕組みを作るのも労力です。一方、自由に使える既存の内容を翻訳ソフトに流して何千ものページを自動で作り、確認も手作業の選別もしないものは、労力があるとは見なさない、と書かれています。道具を使うかどうかではなく、人の確認と選別が入っているかが分かれ目です。

最低の条件は、これらが「ほとんど無い」でそろったときです。原文の言い方では、本文の全部かほぼ全部が、写し・言い換え・埋め込み・自動やAIでの生成・転載で、労力も独自性も訪問者への付加価値もほとんど無い場合に最低を付けます。出典を他に譲る表記をしていても最低は変わらない、とも添えられています。引用元を書けば済む、という話ではありません。

「ほとんど無い」の基準について、原文はどんな種類の労力もほとんど無いことだと念を押しています。独自の計算の道具を作り込んだページなら、文章が短くても労力はあります。逆に、文章が長くても、どこにでもある説明を並べ直しただけなら、長さは労力になりません。文字数は労力の証拠にならないと覚えておくと、点検で迷いません。

原因1:本文のほぼ全部が、上位の記事の言い換えになっている

AI記事が最低に近づくいちばんの原因は、言い換えです。原文は言い換えを、他のページにすでにある独自でない内容を、言葉や並べ方や言い回しを変えて載せたもの、と定義しています。人が手で書き換える場合も、道具が他のページを言い直したり要約したりする場合も含みます。検索上位の記事を材料に下書きを作らせると、自然とこの形になります。

言い換えは見つけにくいとしたうえで、原文は見分ける手がかりを4つ挙げています。誰でも知っている情報や一般的な事実しか含まない。百科事典や参考資料のサイトのような定評ある情報源との重なりが大きい。掲示板の議論やニュース記事のような特定のページを、価値を足さずに要約しているように見える。そして、生成AIによる要約や言い換えを示す言葉が残っている、の4つです。

1つ目の手がかりは、AIの下書きにもっとも出やすいものです。「〜とは何か」「〜の利点」「〜の注意点」を一般論で埋めた段落は、文としては正しくても、誰でも知っている事実しか持ちません。点検では、段落ごとに「この段落の情報は、上位の3記事のどれかにすでに書かれているか」を確かめ、書かれていない情報を持つ段落の数を数えます。

一方で原文は、言い換えにも価値がありうると書いています。例に挙がるのは、専門家が政府の方針の中身を分かりやすい言葉で言い直す場合です。言い換え自体が悪いのではなく、言い換えた人の知識や判断が足されているかが問われます。法人向けの記事なら、制度の説明に「自社の顧客の現場では、この条件で手続きが止まる」という一文が入るかどうかで、同じ言い換えでも中身が変わります。

原因2:つなぎの文で膨らませ、答えが下に沈む

低い評価の節には、つなぎの文を扱う項目があります。原文は、ページの目的を直接支えない、手間をかけずに作られた付加価値の少ない内容を「つなぎ」と呼び、これが内容を水増しして、充実して見えるのに訪問者にとって価値の無いページを作ると説明しています。とくに、役に立つ内容より前の目立つ位置に置かれると、悪い体験になるとしています。

原文は、もっとも役に立つ本文をページの上のほうに置き、訪問者がすぐにたどり着けるようにすべきだとも書いています。料理の手順のページなら、手順そのものと手順に直接関わる内容を上に出す、という例です。目的を支える周辺の話を入れること自体は構わないが、下の目立たない位置に置く、という整理です。

AIの下書きでは、つなぎは決まった形で現れます。冒頭で題材の重要性を語る段落、「近年〜が注目されています」で始まる背景、各節の終わりで直前の内容を言い直す締めの文、結論の前の長い前置きです。1つずつは自然な文でも、合わさると答えが画面の下に押し下げられます。原文には、長さの単位の換算を尋ねるページに無関係な内容が大量に載り、役に立つ情報が見つけにくい例が、低い評価の例として挙がっています。

なお、つなぎの多さで付くのは原文では「低」で、最低ではありません。ただ、つなぎを除いた後に残る本文が一般論の言い換えだけなら、前の節の条件に戻って最低の側に寄ります。点検では、つなぎを消した後の本文に何が残るかまで見ます。

原因3:同じ型の記事を大量に並べる

迷惑なページの節には、大量生成による乱用の項目があります。定義と具体例はグーグルの迷惑行為に関する方針から引かれていて、その解説は別の記事「AI記事はスパム扱いされない」で整理しています。ここでは、評価者がサイトのどこを見て量産を疑うかに絞ります。

原文の最低の例には、量産と判定されたサイトがいくつか載っています。共通するのは、サイトが名乗る目的と関係の無い題材の記事が数百本並んでいることです。兎の愛好家と名乗りながら人の健康の記事が並ぶサイトや、高齢者向けの情報と名乗りながらあらゆる題材の記事が型どおりに並ぶサイトが、例として挙がっています。

もう1つの共通点は、記事の型です。原文は、問いと答えを並べる形式を、検索結果に出る関連の質問などから問いを集め、独自性の無い言い換えで答える量産の典型的な手口だと書いています。問いと答えの形式そのものが悪いわけではありませんが、同じ型に題材だけを差し替えた記事が並ぶと、作り方が分からなくても量産と見られるということです。

自社のオウンドメディアに置き換えると、点検の単位が1本の記事からサイト全体に広がります。月に何十本もAIの下書きで公開しているなら、カテゴリの一覧を開き、見出しの並びがどれも同じ型になっていないか、事業と関係の薄い題材が混ざっていないかを、定期的に見ます。1本ずつの点検では、この種の問題は見えません。

原因4:生成の痕が本文に残っている

原文の最低の例には、生成AIで作られたと明記されたものがあります。お金や健康に関わる医療の記事で、本文が「言語モデルとして、私は最新のデータを持っておらず、知識は2021年9月までです」という趣旨の文で始まり、最後は文の途中で切れているページです。原文は、独自の内容がおそらく無く利用者に価値を与えない、大量生成による乱用の例だと説明しています。

ここまで露骨な痕は、今の運用ではまず残りません。ただ、原文が言い換えの手がかりに挙げる「生成AIの要約や言い換えを示す言葉」は、もっと小さな形で残ります。問いに答える前の「良い質問です」の類、出どころの無い「〜と言われています」、存在を確かめていない調査を思わせる「ある調査によると」、そして自社の記事なのに自社の事例が1つも出てこない一般論です。

見落としやすいのは、文と文のつながりの崩れです。原文の別の例では、1文ずつは意味が通るのに前後で話がつながらない答えが指摘され、人の編集者が書いたり手を入れたりしたようには見えない、と書かれています。AIの下書きは、論理の飛びを見た目の滑らかさで隠しがちです。通して読む人がいないと、この崩れは残ります。

痕が残っている記事は、痕そのものより「誰も通して読んでいない」ことの証拠として重く見られます。点検表には、痕になる語の有無だけでなく、編集者が最初から最後まで通して読んだかの行を置きます。

原因5:タイトルが本文より大きい

見落とされがちですが、原文はタイトルも本文の一部だとしています。タイトルは検索結果でページを代表し、利用者がどれを開くかを決める材料になるからです。誤解を招くタイトルは検索の体験を悪くし、大げさなタイトルや衝撃的なタイトルは、実際の本文を見たときの落差のために低い品質の証拠になる、と書かれています。

原文が挙げる例は、続編の公開が決まっていない映画に「第2部まもなく公開」と付け、中身は推測と噂だけのページや、浜に打ち上がった魚の死骸の話に海の怪物の目撃で騒ぎが起きたと付けたページです。どちらも、タイトルが約束したものを本文が持っていません。

AIにタイトル案を出させると、この落差が起きやすくなります。「完全ガイド」「すべて解説」「決定版」「これだけで分かる」は、検索結果で目立つ言葉として出てきますが、本文がその約束を果たしているかは別の話です。タイトルの約束を本文の見出しと突き合わせ、約束した内容がどの節にあるかを指させるかを点検します。

タイトルの落差で付くのは、原文では低の評価です。最低の条件とは別ですが、言い換え中心の本文に大きなタイトルが付くと、訪れた人の落胆はさらに大きくなります。点検表では、タイトルの行を本文の行と分けて設けます。

付加価値の見方:同じ問いの上位記事と並べて数える

付加価値は抽象的な言葉ですが、原文は比べる相手をはっきり書いています。大量生成の説明では「同じ題材のウェブ上の他のページと比べて」、低い評価の説明では「似た内容を持つ他のページと比べて」です。付加価値は記事の中だけで測るものではなく、同じ問いに答える他の記事との差で測ります。

実務では、狙った検索語で上位に出る記事を3本ほど開き、自社の記事と並べます。そのうえで、自社の記事の段落ごとに、上位の記事に無い情報を持っているかどうかの印を付けます。印の対象は、自社の数字、自社の顧客で起きた事例、手順を実際に試した結果、判断の基準、自作の図表、そして上位の記事の誤りや古さの指摘です。

印の付いた段落が本文のどれだけを占めるかで、最低と低の線のどちら側にいるかの見当が付きます。割合の目安は原文には無いので、自社で割合の目安を決め、記事ごとに数字で残すのが運用の形です。数字で残しておくと、編集者によって判断が揺れたときに、どこで意見が分かれたのかが見えます。

付加価値の材料は、記事を書く前に集めておくものです。営業の打ち合わせの記録、問い合わせの内容、自社の過去の施策の結果などは、AIの下書きには入ってきません。材料を持たずに書き始めると、どれだけ直しても言い換えから抜け出せません。点検表は公開前に使いますが、材料の行だけは企画の段階で埋めておきます。

点検表:最低評価を避ける12の行

ここまでの原因を、点検表の行に直します。原文の言葉に寄せつつ、「本文のどれだけか」「通して読んだか」のように、印を付けられる形で書きます。行は12本で、1〜8が本文、9と10がタイトルとサイト全体、11と12が判断の記録です。

番号点検の行原文の根拠AIの下書きを使ってよいか
1上位の記事に無い情報を持つ段落が、自社の目安の割合を超えている独自性・付加価値印付けの下書きは可。割合の判断は人
2自社の数字・事例・試した結果のどれかが入っている独自性・労力不可(材料は人が出す)
3一般論だけの段落を数え、削るか材料を足した言い換えの手がかり洗い出しは可
4冒頭の背景・節末の言い直し・長い前置きを除いたつなぎ洗い出しは可
5もっとも役に立つ答えが、記事の上のほうにあるつなぎと配置不可
6出どころの無い主張と「〜と言われています」を確かめた正確さ洗い出しは可。確認は人
7前後でつながらない文の並びが残っていない人の編集の有無洗い出しは可
8編集者が最初から最後まで通して読んだ労力不可
9タイトルの約束が、どの節にあるかを指させるタイトルも本文の一部突き合わせの下書きは可
10同じ型の記事が、事業と関係の無い題材で並んでいない大量生成一覧の洗い出しは可
11最低・低・どちらでもない、の判定と理由を書いた最低と低の線不可
12公開の可否と判断者の名前を残した公開の関門不可

表の右の列が、この点検表の要です。AIに頼んでよいのは「洗い出し」と「下書き」までで、2・5・8・11・12の行は人だけが埋めます。とくに11の行は、原文の条件のどれに当たるかを言葉で書くので、記事の材料と読者を知る人にしか書けません。

12の行は、すべての記事に同じ重さで当てるものではありません。お金や健康に関わる題材、法令の説明、自社の顧客の判断に直接響く記事では、6の行の確かめ方を厚くします。原文も、こうした題材では正確さと、定評ある専門家の見解との一致が重要だとしています。

  • 点検表の行は、2025年9月11日付の原文の記述をもとにしています。原文は改訂されることがあるため、版の日付を点検表の欄外に書いておきます
  • 割合の目安や判定の書き方は、原文には無い自社の運用上の決めごとです。原文の基準と混ぜて書かないようにします

AIに任せるのは、痕の洗い出しの下書きまで

AIは、点検表のうち洗い出しの行で役に立ちます。数千字の記事から、一般論だけの段落、出どころの無い主張、つなぎの文、前後のつながりが弱い所を拾い出す作業は、人が読むより速く進みます。上位の記事の要点を並べさせ、自社の記事と重なる段落に印を付けさせることもできます。

指示には、拾い出す基準と、出してほしい形を書きます。最低限、次の項目を入れます。

  1. 拾う対象(一般論だけの段落、出どころの無い主張、つなぎの文、つながりの弱い文の並び)と、それぞれの例
  2. 拾った箇所ごとに、記事の中の位置と、当たると見た根拠を1文で添えること
  3. 上位の記事と重なると見た段落には、重なった記事と該当する箇所を示すこと
  4. 直した文は書かず、拾い出しの一覧だけを出すこと
  5. 最低か低かの判定と、公開してよいかの意見は書かないこと

最後の項目が大事です。AIに「この記事は最低評価に当たりますか」と聞けば、もっともらしい答えが返ってきます。けれども、最低に当たるかの判定は、自社の材料と読者を知る人にしかできないものです。AIは上位の記事と自社の現場との差を知りませんし、記事の材料がどれだけ手間をかけて集められたかも見えません。

拾い出しの一覧も、そのまま信じずに使います。AIは一般論と見た段落の中に、実は自社の事例が書かれているものを混ぜることがあり、逆に、もっともらしい作り話を見逃すこともあります。一覧は編集者が読む順番を決める道具で、結論ではありません。

公開の関門:判定と可否は編集責任者が決める

点検表を埋めても、公開してよいかは別の判断です。そこで、点検の後に関門を1つ置きます。関門を通すのは記事を書いた人ではなく、編集の責任者です。書いた人は自分の記事の付加価値を高く見がちで、AIの下書きを直した人ほど、直した手間を付加価値と取り違えやすいからです。

STEP1
拾い出しの一覧を作る
AIに洗い出しの下書きを作らせ、編集者が位置と根拠を確かめて一覧を確定します。この時点ではまだ直しません。
STEP2
自社にしかない段落を数える
上位の記事と並べ、印の付いた段落の割合を出します。目安を下回るなら、材料を足すか公開を見送る候補にします。
STEP3
最低・低・どちらでもないを判定する
編集責任者が点検表の11の行を埋めます。理由は、原文のどの条件に当たるかの言葉で1〜2文書きます。
STEP4
直すか、見送るかを決める
低の側なら、つなぎを削り、材料を足し、タイトルを本文に合わせます。最低の側なら、直すより題材から見直します。
STEP5
判断の記録を残す
公開の可否、判断者の名前、日付、点検表の版の日付を、記事の管理表に残します。

最低の側と判定した記事は、直すより題材から見直すほうが早いことが多いものです。言い換え中心の本文に材料を後から差し込んでも、記事の骨組みは上位の記事の写しのままだからです。公開を見送る線の引き方は、別の記事「AIで書いた記事は全部出さなくてよい」で扱っています。

関門の記録は、後になって効いてきます。半年後に検索での表示が落ちた記事を振り返るとき、公開時の判定と理由が残っていれば、点検表のどの行が甘かったかを確かめられます。記録の無い点検は、次の点検を良くしません。

点検表の運用でつまずく所

点検表は、作った後の使い方で効き目が変わります。よく見かけるつまずき方を並べます。

  • AIに点検表を渡して、最低に当たるかどうかの判定まで答えさせている
  • 「AIらしい言い回しを消す」ことに時間を使い、自社にしかない段落の数を見ていない
  • 文字数の多さを労力の証拠と見て、つなぎの多い記事を通している
  • 出典を書き足したことで、言い換えの問題が片付いたと考えている
  • 1本ずつ点検して、サイト全体で同じ型の記事が並んでいることに気づかない
  • 原文の版の日付を確かめず、二次情報の要約をもとに点検表を書き換えている

なかでも多いのは2つ目です。AIの痕を消す作業は目に見えて進むので、点検した気になりやすいのですが、原文が最低の条件に挙げているのは痕ではなく、付加価値の無さです。痕を消しても、上位の記事の言い換えは言い換えのままです。

6つ目も注意が要ります。インターネット上には、ガイドラインの新しい改訂の中身をうたう記事が多く出回りますが、原文と照らすと版の日付が変わっていないこともあります。点検表を書き換えるのは、原文PDFの表紙の日付が変わったことと、該当の節の文言が変わったことを確かめてからにします。

公開前の確認の一般的な項目(誤字、表記、リンク、管理画面の設定)は、別の記事「記事公開前に確認すべき項目一覧」にまとめています。本稿の点検表はそれと重ねて使うもので、置き換えるものではありません。

よくある質問

Q. 自社の記事が評価者に見られたかどうかは分かりますか。

原文には、評価者がどのページを評価したかを運営者に知らせる仕組みは書かれていません。評価は検索の仕組みの改善に使われるもので、1つの評価が個々のページの表示を直接動かすことはない、とされています。見られたかどうかを気にするより、原文の基準で自社の記事を点検するほうが実りがあります。

Q. AIを使ったことを記事に書けば、評価は上がりますか。

原文の最低の条件は、労力・独自性・付加価値がほとんど無いことで、AIの利用を書いたかどうかではありません。出典を書いても最低は変わらない、という書きぶりと同じく、表示を足しただけでは本文の価値は変わりません。AIの利用を記事にどう示すかの考え方は、別の記事「AI記事はスパム扱いされない」でも触れています。

Q. 原文は英語ですが、日本語のサイトにも当てはまりますか。

原文は、評価者は自分が評価を受け持つ地域の人々を代表しなければならない、としており、言語と地域ごとの評価を前提にしています。最低の条件の書きぶりは言語を問わない形なので、日本語の記事の点検にもそのまま使えます。ただし、訳して使うときは原文の該当の節を控えておき、訳語の解釈が広がりすぎないようにします。

Q. すでに公開したAI記事が最低の側だと分かったら、どうしますか。

新しい記事と同じ点検表で判定し、材料を足して直すか、近い記事と統合するか、取り下げるかを決めます。直す場合は、つなぎを削るより先に、自社にしかない段落を足すことから始めます。どの記事をどう扱ったかの記録も、公開の関門と同じ形で残します。

まとめ

検索品質評価ガイドラインは、評価者の点数で個々の記事の順位を動かすものではなく、検索の仕組みを改善するための物差しです。原文は、生成AIを使ったことだけでは評価は決まらないとし、最低の評価を、本文の全部かほぼ全部が労力・独自性・付加価値のほとんど無い写しや言い換え、自動生成である場合に付けるとしています。自社のAI記事では、上位記事の言い換え、つなぎの文、同じ型の量産、生成の痕、本文より大きいタイトルの5つを原因として点検表の行に直し、同じ問いの上位記事と並べて自社にしかない段落を数えます。AIには痕の洗い出しの下書きまでを任せ、最低に当たるかの判定と公開の可否は、編集責任者が理由と一緒に記録に残して決めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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