サテライトサイトか本体の強化か|AI量産の時代の判断

サテライトサイトか本体の強化か|AI量産の時代の判断

「生成AIで記事が安く作れるなら、テーマごとに小さなサイトを立てて本体に送客したほうが早いのでは」「昔作った製品ごとのサイトが放置されているが、閉じると検索の流入が減りそうで手を付けられない」。ウェブ担当やマーケ責任者から、こうした相談が寄せられます。どちらも、少ない手間で成果を守りたいという真っ当な発想から出てくる迷いです。グーグルは2024年3月5日、検索の品質の更新と合わせて3つのスパムポリシーを新しく設け、同年4月には、質が低く独自性のない内容が検索結果で45%減ったと公表しました。新しい類型の1つには、内容の量産を隠す意図で複数のサイトを作ることが例として挙がっています。問われているのは、別サイトを増やすか減らすかではありません。本当は、別の住所に置く理由があるサイトと、露出のために増やしたサイトを分け、後者に回していた手間を本体に戻すことです。この記事では、既存の別サイトの棚卸しから、統合・閉鎖・残すの判断、閉じるときのリダイレクトまでを整理します。


カメ先生カメ先生

サテライトサイトは、本体のサイトとは別の住所に立てる小さなサイトのことなんだ。昔は本体に向けてリンクを送るために作られることが多くてね。生成AIで作る手間が下がって、また話題に上るようになったんだよ。


カメ子カメ子

作る手間が下がったのなら、数を増やしたほうが得になるのではないですか。


カメ先生カメ先生

そこが逆でね。グーグルは2024年に、量産を隠すために複数のサイトを作ることを、スパムの例として明記したんだ。数を増やすほど危うくなる。まず今ある別サイトを数えて、残す理由があるかを確かめるところからなんだ。


カメ子カメ子

数えるのはAIでもできそうですが、閉じるかどうかの判断も任せられるのでしょうか。


この記事のポイント
  • 特設サイトやサービスサイトのように別の住所に置く理由があるものと、リンクや露出のために増やしたサイトを分けて考える
  • 既存の別サイトはページ数・重複・流入で棚卸しし、統合する・閉じる・残すに仕分ける。閉じるときは1対1の恒久的なリダイレクトを設計する
  • 棚卸しの集計はAIに下書きさせ、統合・閉鎖・残すの判断とリダイレクトの確認は人が持つ

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目次

サテライトサイトとは:本体とは別の住所に立てる小さなサイト

サテライトサイトは、会社の本体のサイトとは別のドメインに立てる小さなサイトを指します。特定の製品やテーマ、地域ごとに作られることが多く、本体への送客や、本体へのリンクを増やすことを目的に語られてきました。衛星のように本体の周りに置く、という意味の呼び名です。

同じ別サイトでも、作られた目的はさまざまです。キャンペーンの特設サイト、製品ごとのサービスサイト、採用サイト、海外向けのサイトのように、見る人や運営する部署が本体と違うから分けているものがあります。一方で、本体の検索順位を上げるリンクの出し元や、検索結果に出る数を増やすことを主な目的に作られたものもあります。

この記事がサテライトサイトと呼ぶのは、主に後者です。前者と後者は外から見ると区別しにくく、社内でも「昔、誰かが作ったサイト」として一緒に扱われがちです。最初にやることは、手元の別サイトがどちらの目的で作られたかを分けることです。

扱わない話も先に書いておきます。オウンドメディアを本体と同じドメインに置くか独立させるかの判断軸はドメインの選択を扱った別の記事に、会社サイトとサービスサイトの役割の分け方は会社サイトの構成の記事に、中古ドメインを買ってよいかは中古ドメインの記事に譲ります。ここでは、リンクや露出のために別サイトを増やすか、本体を強くするかに絞ります。

2024年3月に何が変わったか:3つのスパムポリシー

グーグルは2024年3月5日、検索の品質の更新と合わせて、3つのスパムポリシーを新しく設けたと公式ブログで発表しました。大量生成されたコンテンツの不正使用、サイトの評判の不正使用、期限切れドメインの不正使用の3つです。同じ発表で、質が低く独自性のない内容を検索結果から減らす見込みを示し、4月19日時点で45%減ったと更新しています。

大量生成の不正使用について、発表は「自動化か人か、その組み合わせかを問わず」、検索順位を上げるために大量に内容を作ることを対象にするとしています。AIで作ったかどうかではなく、何のために作ったかで判定されるという点は、別サイトを考えるときにもそのまま当てはまります。

サイトの評判の不正使用は、評価の高いサイトに、主に順位のために第三者の価値の低い内容を載せる行為です。2024年5月5日から対処を始めると、2か月前に予告されていました。期限切れドメインの不正使用は、期限の切れたドメインを買い取り、主に順位を操作するために価値の低い内容を載せる行為です。

3つのうち、サテライトサイトに直接かかわるのは大量生成の不正使用です。それぞれの定義の原文と、AIで書いた記事全般の扱いは、AIコンテンツとスパムポリシーを扱った別の記事で解説しています。この記事では、次の節から別サイトにかかわる部分だけを見ていきます。

課題1:AIで作る費用が下がり、別サイトを増やす誘惑が戻った

以前のサテライトサイトは、1つ作るたびに記事を書く手間がかかりました。数を増やすほど人手が要るので、自然と限りがありました。生成AIでは、テーマを変えた記事を短時間で大量に作れます。作る費用が下がったことで、別サイトを増やす判断の重みが軽く見えるようになったわけです。

社内で起きやすいのは、「本体に載せると主題がぼやけるから、テーマごとに小さなサイトを立てよう」という提案です。一見、読者に合わせた整理に見えます。しかし中身がAIで作った似た記事の集まりで、どのサイトも本体への送客やリンクが主な目的なら、グーグルが例に挙げる「量産を隠すための複数のサイト」に近づきます。

費用の見積もりにも落とし穴があります。作るのは速くても、ドメインとサーバーの維持、更新、問い合わせの対応、セキュリティの手当ては、サイトの数だけ続きます。AIが下げたのは最初に書く手間で、持ち続ける手間ではありません。

さらに、別サイトの記事と本体の記事が同じ問いに答えていると、検索結果やAIの回答で自社のページ同士が並び、どちらが正しい説明かが読み手に伝わりにくくなります。価格や仕様が片方だけ古くなると、食い違いがそのまま外に出ます。

課題2:すでにある別サイトが、放置されて薄くなっている

新しく作る話と同じくらい多いのが、過去に作った別サイトの放置です。製品ごとのサイト、終わったキャンペーンのサイト、担当者が辞めて誰も触っていないサイトが、公開されたまま残っているケースです。

放置されたサイトは、更新が止まったまま古い情報を出し続けます。終わった製品の説明や、今は受け付けていない申し込みの窓口が検索やAIの回答に出てくると、問い合わせの取り違えが起きます。作った目的が正当でも、放置された時点で本体の足を引っ張る面に変わります。

管理の面でも危うさがあります。誰がドメインの契約を持っているか、どのサーバーに置いているか、管理画面のパスワードを誰が知っているかが分からない、ということが珍しくありません。契約が切れて第三者にドメインを取られれば、期限切れドメインの不正使用の材料にされることもありえます。

手を付けられない理由としてよく聞くのは、「閉じると流入が減りそう」という心配です。ただ、実際にどれだけの流入があるかを数えたことがないまま、心配だけで残している場合が多いものです。次の節からは原因を見たうえで、数える手順に進みます。

原因1:判定は作り方ではなく目的で決まる

大量生成の不正使用の例として、グーグルの検索セントラルは、生成AIなどで読み手に価値を足さずに多くのページを作ること、ほかのページを切り貼りして価値を足さずに組み合わせること、読み手には意味をなさないが検索語を含むページを多く作ること、などを挙げています。その中に、内容の量産を隠す意図で複数のサイトを作ることが並んでいます。

ここで大事なのは、サイトを複数持つこと自体が禁じられているわけではないことです。問われるのは、主に検索順位を操作する目的で、読み手の役に立たない内容を作っているかどうかです。特設サイトやサービスサイトのように、見る人と役割が違う別サイトは、この目的に当たりません。

逆に言えば、目的の説明ができない別サイトは、それだけで見直しの対象になります。「なぜこのサイトは本体と別の住所にあるのか」を1行で書けるかどうかが、最初の見分け方になります。書けないなら、少なくとも新しく増やす理由はありません。

判定は作り方ではなく中身と目的で決まるので、人が書いた記事でも、量産を目的に別サイトへ分散させれば同じ扱いになりえます。AIを使うかどうかを議論するより、別サイトに置く理由のほうを先に確かめるのが近道です。

原因2:誘導のためのページ群と、リンクのためのサイト

サテライトサイトは、大量生成とは別のスパムの類型にもかかりやすい作りです。グーグルは、似た検索語で上位に出るために作られ、利用者を中継のページに通すサイトやページを、ドアウェイの不正使用としています。例として、住所と表紙だけを少しずつ変えた複数のサイトや、地域や都市ごとに作って1つのページに流し込む複数のドメインが挙がっています。

地域ごと・業種ごとに小さなサイトを立て、どれも本体の問い合わせページに誘導する形は、この例に近くなります。生成AIで地域名や業種名だけを差し替えた記事を作ると、中身の差が小さいまま住所だけが増えるため、なおさら危うくなります。

リンクの面では、リンクスパムの例として、主にリンクと順位の信号を操作するために価値の低い内容を作ることが挙げられています。本体に向けたリンクを出すために作った別サイトは、ここに当たりえます。本体へのリンクがサイトの主な役割になっているなら、残す理由を改めて問う必要があります。

業種別や地域別の内容を作ること自体が悪いわけではありません。本体の中で、業種ごとに中身を変えたページとして作り分ける方法は、業種別ページを扱った別の記事にまとめています。別サイトに分けるより本体の中で作り分けるほうが、差のある中身を1か所に集められます。

原因3:別サイトに分けるほど、本体に回す手が痩せる

スパムの類型に当たらなくても、別サイトを増やすことには費用がかかります。記事を書く人、更新を確かめる人、問い合わせに答える人の手は、サイトの数だけ分かれます。本体に回すはずの手間が、別サイトの維持に消えていくのが、見えにくい損失です。

計測も分かれます。サイトが複数あると、同じ人が別々に数えられたり、自社のサイト同士の行き来が外からの流入に見えたりして、数字が合わなくなります。複数サイトの計測の合わせ方は別の記事で整理しています。数字が合わないと、どのサイトが成果を出しているかも判断できません。

AIの回答の面でも、情報が分散することは不利になりえます。価格や仕様、会社の情報が本体と別サイトで食い違っていると、AIがどちらを根拠にするかは自社では選べません。正しい説明を1か所に集めておくほうが、人にも機械にも読み違えられにくいと考えられます。

3つの原因を合わせると、別サイトを増やす判断は、スパムに当たるかどうかだけでは足りないことが分かります。本体を強くする手間を削ってまで持つ価値があるか、という物差しでも見ます。ここから対策に移ります。

対策1:既存の別サイトを棚卸しする

最初にやるのは、自社が持っている別サイトを全部書き出すことです。ドメインの契約の一覧、サーバーの契約、過去の制作会社への発注の記録、本体のサイトから出ているリンクをたどると、忘れられていたサイトが見つかることがあります。見つけたサイトごとに、次の表の項目をそろえます。

項目調べる中身AIに任せてよい範囲
作った目的なぜ本体と別の住所にあるかを1行で過去の資料から候補を抜き出すまで
持ち主ドメインとサーバーの契約者・更新の担当任せない(社内で確かめる)
ページ数と更新日公開中のページ数・最後に更新した日一覧の集計の下書き
本体との重複本体の記事と同じ問いに答えているページ似たページの候補の洗い出し
流入と問い合わせ検索からの流入・問い合わせ・本体への送客の数数字の取りまとめ(元の数字は人が確かめる)
外からのリンク他社のサイトから受けているリンクの数と出し元一覧の整理

表の右の列のとおり、ページの一覧、更新日、似たページの候補、流入の取りまとめは、AIに下書きさせて手間を減らせます。ただし、AIがまとめた数字は、元の計測画面の数字と必ず突き合わせます。期間の取り方が違うだけで、流入が多くも少なくも見えるためです。

目的と持ち主の欄は、AIに埋めさせません。過去の資料から候補を出させるのはかまいませんが、実際にそのサイトを作った部署や担当者に確かめて書きます。持ち主が分からないサイトは、それ自体を棚卸しの結果として記録します。

棚卸しの対象の期間も決めておきます。流入の数字は、季節の波を均すために少なくとも1年分を取るのが目安です。キャンペーンの時期だけ流入が跳ねるサイトは、平均だけを見ると役割を見誤ります。

対策2:統合する・閉じる・残すに仕分ける

棚卸しがそろったら、サイトごとに3つの扱いのどれにするかを決めます。目安は次のとおりです。

扱い当てはまりやすいサイトやること
統合する本体と同じ問いに答えるページが多い/流入や外からのリンクがあり、中身に価値がある価値のあるページを本体に移し、1対1で恒久的なリダイレクトをかける
閉じる目的を1行で書けない/更新が止まり流入も問い合わせもほぼない/持ち主がいない外からのリンクと流入を確かめ、残すべきページがないかを見てから止める
残す見る人・運営する部署・役割が本体と違い、目的を1行で書ける持ち主と更新の周期を決め、本体と食い違う情報を載せない

表は目安で、機械的に当てはめるものではありません。たとえば流入がほとんどなくても、展示会で配る資料から案内しているサイトなら、残す理由があるかもしれません。数字に出ない役割を知っているのは、そのサイトを使っている部署なので、仕分けの案は必ず持ち主に見せます。

仕分けを最後に決めるのは、本体のサイトの責任者と、そのサイトの持ち主の部署です。棚卸しの表をAIに渡して仕分けの案を出させることはできますが、案をそのまま採らず、案ごとに理由を書かせ、責任者が理由を読んで決め、決めた理由を翌年のために残すようにします。

迷うのは、統合か閉鎖かの境目です。「そのページを本体に移したとき、本体の既存の記事と重ならずに役に立つか」を物差しにすると決めやすくなります。重なるなら、本体の記事に要点を足してから閉じる、という中間の扱いもあります。

対策3:閉じる・統合するときのリダイレクトを設計する

統合や閉鎖で最も失敗しやすいのが、リダイレクトです。グーグルのサイト移転の手引きは、可能であれば301や308のような恒久的なサーバー側のリダイレクトを使うこと、古い住所と新しい住所を1対1で対応させることを勧めています。

同じ手引きは、よくある誤りとして、多くの古い住所を、トップページのような関係のない1つの住所にまとめて転送することを挙げています。これは中身のないページと同じ扱い(ソフト404)になり、利用者も混乱させます。閉じるサイトの全ページを本体のトップに飛ばすのは、手早いものの避けるべき形です。

リダイレクトをかけ続ける期間について、手引きは「できるだけ長く、一般には少なくとも1年」としています。その間はドメインの契約も切らせません。移転の直後は順位が揺れることがあるとも書かれているので、閉じた直後の数字の上下で判断を覆さないよう、社内に先に伝えておくと混乱が減ります。手順は次のとおりです。

STEP1
対応表を作る

閉じるサイトの全ページについて、移す先の本体のページを1行ずつ対応させます。移す先がないページは、関係の近いページに送るか、中身がなくなったことを示す扱いにします。対応表の下書きはAIに作らせてかまいません。

STEP2
移す中身を本体に載せる

統合するページの中身を、本体の既存の記事と重ならない形で載せます。古い情報は直してから載せます。

STEP3
リダイレクトをかける

恒久的なサーバー側のリダイレクトを、対応表どおりにかけます。本体の内部リンクと、サイトの地図(サイトマップ)も新しい住所に直します。

STEP4
人が開いて確かめる

対応表の全行について、古い住所を開いて正しい移す先に着くかを確かめます。AIの作った対応表には、関係のない先への対応が混ざることがあるので、ここは省きません。

STEP5
期間を決めて見守る

少なくとも1年はリダイレクトとドメインの契約を続け、流入と問い合わせの動きを記録します。

住所を変えるときの細かな作業は、住所の変更とリダイレクトの引き継ぎを扱った別の記事にまとめています。ここでは、閉じる判断とリダイレクトの設計を同じ担当者が持ち、切り離さないことを押さえておきます。

対策4:別サイトに回していた手間を、本体のどこに戻すか

別サイトを閉じたり統合したりして浮いた手間は、本体に戻します。戻す先として優先度が高いのは、価格・仕様・導入の条件・問い合わせ先のような、事実を載せるページの更新です。別サイトで分散していた説明を1か所に集めれば、食い違いが起きにくくなります。

次に、別サイトで扱っていたテーマのうち、需要があったものを本体の記事として作り直します。棚卸しの表の「流入と問い合わせ」の欄に数字があったページが候補です。本体に移すときは、同じ問いに答える記事を1本にまとめることを原則にし、別サイトと本体で似た記事が並ぶ状態を解消します。

業種別・地域別の内容が必要なら、別サイトではなく本体の中で、業種や地域ごとに中身を変えたページとして作ります。AIに下書きさせる場合も、業種名を差し替えただけの記事にならないよう、事例・規制・数字のように業種で本当に違う中身を人が出します。

戻した手間の成果は、本体の数字で見ます。別サイトを閉じた直後は、合計の流入が一時的に下がって見えることがあります。統合したページの流入が本体に移っているかをページ単位で追えば、閉じた判断が正しかったかを確かめられます。

新しく別サイトを立てたくなったときの確かめ方

棚卸しを終えた後も、新しい別サイトの提案は出てきます。そのときは、次の5つを確かめてから判断します。

  • 本体と別の住所に置く理由を1行で書けるか(見る人・運営する部署・役割が違うか)
  • 本体の中の1区画として作ったのでは、なぜ足りないのか
  • 中身は、本体の記事と違う問いに答えているか
  • ドメインとサーバーの契約者、更新の担当、閉じる条件が決まっているか
  • 本体へのリンクや送客が、サイトの主な役割になっていないか

5つのうち1つでも答えに詰まるなら、まず本体の中の1区画として作ることを検討します。本体の中で試し、読み手と役割がはっきり分かれてから別サイトに出す順番なら、後から戻す手間も小さく済みます。

特設サイトのように期間が決まっているものは、立てる時点で閉じる日と、閉じた後の転送先を決めておきます。キャンペーンが終わった後に放置される別サイトの多くは、閉じる条件が決まっていなかったものです。

置き場所そのもの、つまり本体と同じドメインの中の区画にするか独立したドメインにするかの判断軸は、ドメインの選択を扱った別の記事で4つにまとめています。

AIに任せる作業と、任せない判断

この仕事でAIに任せてよいのは、棚卸しの下書きです。サイトごとのページの一覧、更新日の一覧、本体の記事と似たページの候補、流入の取りまとめ、リダイレクトの対応表の下書きは、AIに作らせると手間が大きく減ります。

任せないのは、統合する・閉じる・残すの判断と、リダイレクトの確認です。仕分けには、数字に出ない役割や部署の事情がかかわります。対応表は、AIが似た言葉だけで対応を付け、中身の違うページを結び付けることがあるので、全行を人が開いて確かめます。

別サイトの中身をAIで作り直して延命させる、という使い方も慎重に考えます。目的が本体へのリンクや露出のままなら、中身を新しくしても判定の目的の部分は変わりません。AIで記事を足す前に、そのサイトを残す理由があるかを先に決めるのが順番です。

  • AIに渡す計測の数字や問い合わせの記録からは、個人名や顧客名を外すか、社内の規程で渡してよい範囲を先に確かめる
  • AIのまとめた流入の数字には、計測の期間と条件を必ず添えさせ、元の画面と突き合わせる
  • 仕分けの案をAIに出させたら、案ごとに理由を書かせ、決める人が理由を読む

やってはいけない進め方

別サイトの見直しで起きやすい失敗です。

  • 生成AIでテーマ別の小さなサイトを量産し、どれも本体の問い合わせページへ誘導する
  • 地域名や業種名だけを差し替えた記事で、地域ごと・業種ごとのサイトを立てる
  • 閉じるサイトの全ページを、本体のトップページにまとめて転送する
  • リダイレクトをかけてすぐに、ドメインの契約を切る
  • AIが作った対応表を、開いて確かめずにそのまま設定する
  • 持ち主の部署に見せないまま、流入の数字だけで閉鎖を決める

どの失敗も、別サイトの目的を確かめないまま、数や手間だけで判断することから起きます。目的の1行と、持ち主の確認を先に置けば、多くは避けられます。

過去に量産した別サイトを持っている場合は、そのままにせず、この記事の手順で棚卸しして統合か閉鎖に進めます。見直しの間は、手動による対策の通知が届いていないかを、サーチコンソールで確かめておきます。

よくある質問

Q. サテライトサイトを持っているだけで、本体の順位が下がりますか。

持っていること自体で下がると、公式に書かれているわけではありません。問われるのは、主に順位を操作する目的で、読み手の役に立たない内容を複数のサイトに分けていないかです。目的を1行で書けない別サイトは、この記事の手順で棚卸しします。

Q. 製品ごとのサービスサイトもサテライトサイトに当たりますか。

見る人や役割が本体と違い、製品の説明に中身があるなら、この記事でいうサテライトサイトとは別に扱います。ただし、放置されて古い情報が残っているなら、正当な目的のサイトでも見直しの対象です。会社サイトとの役割の分け方は、会社サイトの構成を扱った別の記事にまとめています。

Q. 閉じたサイトのドメインは、いつまで持っておけばよいですか。

グーグルの手引きは、リダイレクトを少なくとも1年は続けるよう勧めています。その間はドメインの契約も続けます。1年を過ぎた後も、外から多くのリンクを受けているドメインは、第三者に取られないよう長めに持つことを検討します。

Q. AIで作った記事を、別サイトではなく本体に載せれば問題ありませんか。

置き場所を変えても、読み手に価値を足さない記事を大量に作れば、大量生成の不正使用の考え方は同じように当てはまります。本体に載せる場合も、人が事例や数字などの中身を足し、既存の記事と同じ問いに答えていないかを確かめてから公開します。

Q. 統合した直後に流入が下がったら、元に戻したほうがよいですか。

すぐには戻しません。移転の直後は順位が揺れることがあると、グーグルの手引きにも書かれています。まず対応表どおりに転送されているかを確かめ、統合したページの流入が本体に移っているかをページ単位で追います。

まとめ

生成AIで記事を作る手間が下がり、テーマごとに別サイトを増やす発想が戻ってきました。一方でグーグルは2024年3月に、量産を隠すための複数のサイトを大量生成の不正使用の例に挙げ、誘導のためのページ群やリンクのためのサイトも別の類型で扱っています。判定は作り方ではなく目的で決まるので、まず手元の別サイトを棚卸しし、別の住所に置く理由を1行で書けるものと書けないものに分けます。統合する・閉じる・残すに仕分け、閉じるときは1対1の恒久的なリダイレクトを少なくとも1年続け、浮いた手間は本体の正本のページに戻します。棚卸しの集計と対応表の下書きはAIに任せ、仕分けの判断とリダイレクトの確認は人が持つ。この分担で、別サイトを増やすより本体を強くする判断を、理由を残して下せます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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