製品画像を3DCGとAIで作る|撮影に残す所を決める

製品画像を3DCGとAIで作る|撮影に残す所を決める

「新製品の発売に合わせて通販ページとカタログを出したいが、試作品ができるのは発売の直前になる」「色違いが12色あり、全部を撮影していたら予算が足りない」。製品の販促を担うメーカーのマーケ担当やカタログの担当から、繰り返し届く2つの相談です。どちらも撮影の段取りの悩みに見えますが、根は同じところにあります。製品の絵は実物を撮ることでしか作れない、という前提で計画が組まれていることです。3DCGと生成AIを使うかどうかは、ソフトの選び方の問題ではありません。本当は、製品の絵のうち、どれを撮影に残し、どれを設計のデータから作るかを、製品と使い道ごとに決めることです。この記事では、撮影、3DCG、3DCGに生成AIで背景を足す方法の3つを比べ、撮影に残す所と3DCGに移す所を判定する手順を整理します。


カメ先生カメ先生

製品の絵は撮影するもの、と思われがちなんだけど、工業製品の多くは設計の段階で形のデータがあるんだ。そこから絵を起こすのが3DCGだよ。


カメ子カメ子

写真を撮らなくても、データから製品の絵が作れるということですか。


カメ先生カメ先生

そう。最近は、置く場所の背景を生成AIで足して、光の向きや遠近まで合わせる道具も出てきた。ただし、形や色が実物と合っているかは、AIでは確かめられないんだ。


カメ子カメ子

速く作れる部分と、人が確かめないといけない部分を、先に分けておく話なのですね。


この記事のポイント
  • 製品の絵の出どころは「撮影」「3DCG」「3DCGに生成AIで背景を足す」の3つ。製品の種類と使い道で向く方法が変わる
  • 形と色の正しさは設計のデータと人の確認で担保し、生成AIに任せるのは背景・置き場面・色違いの下書きまでにする
  • 質感が売りの製品、人が写る使用場面、色の基準の写真、主役の1枚は撮影に残す。残す所を先に決めてから3DCGに移す

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目次

製品の絵の出どころを3つに分けて考える

この記事が扱うのは、法人が販促に使う製品の絵です。カタログ、通販や自社サイトの製品ページ、展示会のパネル、営業資料の製品紹介といった、売るための絵を指します。ゲームや映像作品の3Dモデルづくり、個人の創作は扱いません。3Dモデルと生成AIで調べると、そうした制作向けの情報が多く出てきますが、販促の絵で問われるのは、作る速さより実物と同じに見えるかどうかです。

製品の絵の出どころは、大きく3つに分けられます。1つ目は撮影で、実物をスタジオや現場で撮ります。2つ目は3DCGで、製品の形を3Dのデータで組み、質感と光を付けて画像として書き出します。3つ目は、3DCGの製品に生成AIで作った背景を合わせる方法です。製品の部分はデータから作り、置き場面だけを文章の指示から作ります。

3つ目は2つ目の延長に見えますが、確認の仕方が変わります。3DCGだけなら、背景も人が作るので、絵の中身はすべて意図したものです。生成AIで背景を足すと、絵の一部に、誰も意図していない要素が入りうるため、確かめる所が1つ増えます。この違いを、方法を選ぶ段階で数に入れておきます。

3つのどれか1つに寄せる必要はありません。同じ製品でも、カタログの表紙は撮影、色違いの一覧は3DCG、通販ページの利用場面の絵は3DCGに生成背景、というように使い道で分けるのが現実的です。この記事の後半では、その分け方を判定表にまとめます。

3DCGで製品の絵を作る流れは4段階

3DCGで製品の絵を作る流れは、おおむね4段階です。まず製品の形のデータを用意します。工業製品なら設計部門が使うCADのデータがあることが多く、これを絵づくり向けの3Dモデルに変換します。次に、表面の質感を付けます。樹脂のつや、金属の映り込み、布の織り目といった見え方を、素材ごとに設定する工程です。

3段階目は、置き方と光とカメラの位置を決める工程で、撮影でいえばスタジオの組み立てにあたります。4段階目で画像として書き出し、必要なら画像編集ソフトで仕上げます。一度モデルと質感ができれば、角度・色・背景を変えた絵は、撮り直しなしで何枚でも作れます。

手間がかかるのは前半の2段階です。CADのデータは設計のためのもので、そのままでは絵に向かないことがあります。細かすぎる部品の情報を間引く、外から見えない内部を外す、といった整理が要ります。質感の設定にも専門の技能が要り、ここは3DCGの制作者の仕事になります。

逆に言えば、後半の2段階は、3DCGの専門家でなくても扱える形にできます。後で紹介する先行例でも、モデルと質感は専門の担当者が作り、置き方と背景は社内のデザイナーが担う、という分担になっていました。3DCGを入れられるかどうかは、前半の工程を誰が担うかでほぼ決まります。

生成AIが入ったのは、背景と置き場面

生成AIが製品の絵づくりで実用に近づいたのは、背景の部分です。例として、アドビの3D制作ソフトの1つで、製品を配置して絵を作る「サブスタンス・3D・ステージャー」には、生成背景という機能があります。アドビの公式ブログ(2024年3月)によると、文章の指示から背景の画像を作り、3Dの製品と背景の光と遠近がそろうように合成する仕組みです。この機能は、公式ヘルプの見出しで今もベータ(試用版)と表記されています(2026年10月時点)。

同じ公式ブログでは、アドビの画像生成AIで作ったものには、AIで作ったことを示す来歴の情報が自動で付くと説明されています。社外に出す絵にAIで作った部分があることは、データの側に残るということです。社内でも、どの絵のどこにAIを使ったかを記録しておくと、後で問い合わせを受けたときに答えやすくなります。

製品の形そのものを生成AIで作る道具もあります。写真や文章から3Dモデルを起こす仕組みです。ただし、生成された形は、寸法や細部の正確さが保証されません。ボタンの数、端子の位置、ロゴの形が実物と違っていても、見た目は自然に仕上がります。販促の絵では、これが一番困る間違い方です。

そこで、この記事では線をはっきり引きます。製品の形は設計のデータから作り、生成AIに任せるのは背景・置き場面・色違いの下書きまでです。生成AIで作った3Dモデルを、製品の形として販促の絵に使うことはしません。

先行例から読み取れるのは、数字より分担

アドビは2026年1月の公式ブログで、韓国の化粧品・日用品の大手、エルジー生活健康の事例を紹介しています。50を超えるブランドを持ち、製品の絵を速くそろえる必要があったため、設計のデータから3Dモデルを作り、生成背景を使って製品の絵を作る流れを組んだという内容です。

同じ記事によると、4か月で200を超える製品の3Dモデルを作り、撮影ではおよそ1か月半かかっていた絵づくりが1〜2日になったとされています。試作品ができる前に絵を作り、見比べのテストに回せるようになった点も挙げられています。ただし、これは提供元が紹介する事例で、数字も先方の発表です。自社で同じだけ短くなるとは限りません。

読み取りたいのは、数字よりも分担です。CADのデータの変換と質感の設定は3DCGの専門家が担い、1つのモデルに1〜4日かかっています。できたモデルを共有の置き場に入れ、3DCGを専門にしないデザイナーが配置と背景を担当し、最後は画像編集ソフトで仕上げています。構図や背景の指示を決めたのも人でした。

つまり、生成AIが短くしたのは後半の工程で、前半の専門の工程は残っています。社内に3DCGの担い手がいない会社が同じ流れを作るなら、前半を外部に頼むか、人を育てるかを先に決める必要があります。生成背景の機能だけを入れても、製品の絵づくりは速くなりません。

撮影・3DCG・生成背景を5つの点で比べる

3つの方法を、費用の出方、早さ、量産のしやすさ、実物との一致、確認の手間の5つで比べると、次のようになります。金額は製品と依頼先で大きく変わるので、ここでは費用の出方の違いだけを並べます。

比べる点撮影3DCG3DCGに生成背景
費用の出方撮影のたびに、スタジオ・機材・人の費用がかかる最初のモデルと質感づくりに費用が集まり、2枚目からは安い3DCGと同じ。背景を作る費用が下がる
早さ実物がそろうまで撮れない設計のデータがあれば、実物の前に作れる背景づくりの分だけ3DCGより早い
量産のしやすさ色・角度ごとに撮り直す色・角度・背景の差し替えが容易置き場面の案を短時間で何通りも出せる
実物との一致実物そのもの。ただし加工の範囲によるデータと質感の設定の正しさしだい製品部分は3DCGと同じ。背景に意図しない要素が入りうる
確認の手間写りと色を確かめる形・色・質感を実物と照合する3DCGの照合に加え、背景の中身を1枚ずつ確かめる

表から分かるのは、3DCGが得をするのは「同じ製品の絵をたくさん、早く」作る場面だということです。1つの製品を1枚だけ載せるなら、モデルづくりの費用を回収できません。色違いが多い、角度違いが要る、毎年の版で使い回す、発売前に絵が要る、といった条件が重なるほど、3DCGに寄せる理由が強くなります。

生成背景を足す方法は、置き場面の絵を何通りも試したいときに効きます。台所に置いた絵、事務所の机に置いた絵、屋外の現場に置いた絵を、撮影のたびにセットを組まずに比べられます。その代わり、背景の中身を1枚ずつ人が見る手間が増えることを、比べる段階で計算に入れておきます。

撮影は、高くて遅い方法として残るのではありません。実物の質感、使う人の手元、色の基準といった、データでは代わりにならない役割があり、それが後の節の「撮影に残す所」になります。撮影そのものの手順は、別の記事「製品写真を自社で撮る5工程」で整理しています。

製品の種類で、向く方法が分かれる

3DCGに向くのは、形がはっきりしていて、設計のデータがある製品です。家電、機械の部品、容器、事務機器、建材、設備などがこれにあたります。硬い樹脂や金属の面は質感の設定で再現しやすく、角度を変えた絵を量産する利点も大きくなります。

大きくて撮影しにくい製品も3DCGに向きます。工場の設備や大型の機械は、撮影場所の確保、運搬、照明の組み立てに手間がかかります。まだ据え付けていない新型の機械も、データがあれば絵にできます。内部の仕組みを見せる切断図や分解図も、撮影では作れない3DCGの得意分野です。

逆に、撮影に残したほうがよいのは、質感そのものが売りの製品です。布地、革、食品、化粧品の中身、液体などは、柔らかさやみずみずしさの再現に手間がかかり、少しの違いが「実物と違う」という印象につながります。こうした製品で3DCGを使うなら、容器だけ、外装だけ、と範囲を限ります。

判断に迷うのは、設計のデータがない製品です。古い製品や他社から仕入れた製品は、形のデータを一から作ることになり、費用が撮影を上回ることがあります。データを作るなら、その製品の絵を何年使うか、色違いがいくつあるかを数えてから決めます。

使い道ごとに、求められる絵が違う

カタログは、色と形の正確さが一番問われる使い道です。印刷物は刷った後に直せず、色の見え方も紙とインクで変わります。品番ごとに角度と大きさをそろえた絵が並ぶため、3DCGで同じ条件の絵を量産する利点が大きい場面でもあります。表紙や巻頭の印象を決める絵は、撮影や作り込んだ3DCGに任せます。

通販や自社サイトの製品ページでは、1つの製品に何枚もの絵が要ります。正面、側面、背面、色違い、使う場面、大きさが分かる絵などです。製品ページの絵は、買う人が実物を想像する手がかりのほぼすべてなので、色や細部の違いは返品や問い合わせにつながります。量産は3DCGで行い、色は実物と見比べて確かめます。

展示会のパネルや大判の印刷物では、大きく引き伸ばしても粗が出ない解像度が要ります。3DCGは必要な大きさで書き出せる利点がある一方、生成した背景は拡大すると細部の不自然さが目立つことがあります。大判に使う背景は、人が作るか、拡大した状態で確かめてから使います。

営業資料の製品紹介は、正確さより分かりやすさが求められることが多い使い道です。使われる現場の雰囲気を伝える絵として、3DCGの製品に生成背景を足す方法が使いやすい場面です。ただし、実在の顧客の現場に見える絵にはしません。架空の導入の風景が、実績のように受け取られることは避けます。

撮影に残す所は4つ

ここからは、撮影に残す所と3DCGに移す所を具体的に決めます。最初に撮影に残すのは、色の基準になる写真です。3DCGの色は、画面の表示と質感の設定で決まるため、実物と並べて確かめる手段が要ります。決めた光の下で実物を撮った写真を、色の基準として1製品ごとに残すことが、3DCGを正しく保つ物差しになります。

2つ目は、使う人と一緒に写す絵です。手に持ったときの大きさ、操作する手元、現場で作業する人の動きは、3DCGや生成AIで作ると不自然になりやすく、生成した人物が実在の利用者に見える心配もあります。人が写る絵は、撮影に残すのが安全です。

3つ目は、質感そのものが伝えたい中身になる絵です。前の節の布地や食品に加え、表面の加工の手触り、塗装の深み、透明な素材の透け方などは、実物を撮ったほうが早く確実に伝わります。新しい素材や表面の加工を売りにする製品は、撮影に残す典型です。

4つ目は、表紙や広告の主役になる1枚です。会社や製品の印象を決める絵は、時間をかけて作る価値があります。撮影か作り込んだ3DCGかを選ぶのは制作の判断ですが、生成AIの背景を使うなら、使った部分を記録し、他社の作品や実在の場所に似ていないかを人が確かめます。

3DCGに移す所は、量と条件をそろえる絵

3DCGに移すのに向くのは、条件をそろえて量産する絵です。品番ごとの正面の絵、色違いの一覧、回して見せる絵などは、同じ光と同じカメラの位置でそろえることに意味があります。撮影では日によって光が変わりますが、3DCGなら条件を保存して何度でも同じ絵を作れます。

発売前の絵も3DCGに移せます。試作品ができる前に、カタログの版下や製品ページの準備を進められるのが3DCGの大きな利点です。ただし、発売前の絵には、その後の設計の変更が反映されていない可能性があります。設計の版が変わったら絵も作り直す、という決まりを最初に作っておきます。

撮影では作れない絵も3DCGの役割です。内部の構造の切断図、部品をばらした分解図、設置する前の完成予想、大型の設備を上から見た絵などです。これらは説明のための絵なので、実物と同じ見た目であること以上に、どの部品がどこにあるかの正しさが問われます。

色違いの展開は、3DCGに移す効果が分かりやすい所です。12色の製品を撮影すると12回の撮影が要りますが、3DCGなら質感の色を差し替えて書き出すだけです。その代わり、色の数だけ実物と見比べる確認が要ります。色見本と並べて人が確かめる工程は、減らさずに残すことにします。

設計部門から受け取る情報と、公開してよい範囲

3DCGに移すと、販促の担当は設計部門と新しいやり取りを持つことになります。受け取るのは、形のデータ、色の指定、素材と表面の加工の情報、ロゴや表示の位置と大きさです。撮影なら実物を見れば分かったことを、データとして受け取る必要があります。

一番注意したいのは、公開してよい範囲です。設計のデータには、外から見えない内部の構造や寸法の細部が含まれます。販促用の3Dモデルに変換するときは、見せない部分を外し、社外に渡してよい形にしてから制作会社に渡す決まりを設計部門と作ります。発売前の製品なら、データを渡す相手と保管の方法も決めておきます。

版の管理も欠かせません。設計は発売の直前まで変わることがあります。どの版のデータから作った絵なのかを、絵のファイル名か台帳に残しておくと、設計が変わったときに作り直す絵を探せます。版が分からない絵は、発売後に実物と違うと指摘されたときに原因を追えません。

設計部門の側から見れば、販促のために手間が増える話です。最初の1製品で、受け渡す情報の一覧と手順をまとめ、次の製品からはその一覧に沿って渡してもらう形にすると、毎回の相談が減ります。一覧の下書きにAIを使うのは構いませんが、何を外すかを決めるのは設計の責任者です。

生成AIに任せる所と、任せない所

生成AIに任せてよいのは、背景と置き場面の案出し、色違いや角度違いの量産の下書き、絵に添える説明文の下書きです。いずれも、人が見て選び、直す前提の作業です。案を何通りも出せることが生成AIの利点なので、最初の1案をそのまま使う使い方はしません。

任せないのは、製品の形・色・ロゴ・表示の正しさの確認です。実物と違って見えないかの判断は、AIに判断させないと決めておきます。生成AIは「それらしい」絵を作るのが得意で、ボタンが1つ多い、ロゴの文字が崩れている、といった違いにも自然な仕上がりを与えてしまいます。照合は、設計のデータと色の基準の写真を手元に置いて、人が1枚ずつ行います。

生成背景を使うときは、背景の中身も確かめます。実在の店舗や他社のブランドに似た看板、他社の製品に見える物、読める文字が入っていないかを見ます。指示の文章と生成した日、採用した案を記録しておくと、後で指摘を受けたときに説明できます。確かめる観点の一覧をAIに作らせるのは役に立ちますが、項目ごとに、根拠になる元のデータを示させるようにして、人が根拠を見て判断します。

撮影に残すかどうかの判断も、AIには任せません。費用や枚数の試算をAIに手伝わせることはできますが、どの絵が会社の印象を決めるか、どの製品の質感が売りかは、販促の責任者が決めます。人が確認する範囲を先に決めてから、AIを使う範囲を広げる順番にします。

発売前の絵を社外に出すときに確かめること

3DCGで作った発売前の絵は、実物ができる前に社外へ出ることがあります。予約の受付、販売店向けの案内、展示会での先行の発表などです。このとき、絵が実物と違って見える可能性を、出す前に考えておく必要があります。

一般の消費者に売る製品では、実物より良く見える絵は表示の問題になりえます。生成AIで作った商品画像が使用例か誇大表示かの線は、別の記事「AIの商品画像は使用例か誇大表示か」で整理しているので、判定はそちらに譲ります。ここでは、制作の段取りとして確かめる点に絞ります。

1つ目は、発売前の絵に、設計の版と作った日を記録しておくことです。2つ目は、実物ができたら色の基準の写真を撮って絵と見比べ、違いがあれば差し替えることです。差し替えの責任者と期限は、絵を出す前に決めておきます。3つ目は、販売店などに渡した絵の行き先を控え、差し替えの連絡ができるようにしておくことです。

発売前の絵には、機密の問題も重なります。発表前の製品の絵を外部の生成AIの道具で扱うときは、その道具が入力した画像をどう扱うかを、社内の規程に照らして確かめてから使います。法人向けの契約かどうか、入力したデータが学習に使われない設定かどうかを、情報システムの担当と確認します。

最初の1製品で試す進め方

3DCGへの切り替えは、いきなり全製品で始めないほうが安全です。色違いが多く、設計のデータがそろっていて、カタログと製品ページの両方に載る製品を1つ選び、撮影で作った絵と並べて比べます。進め方は次の6段階です。

STEP1
試す製品を1つ選ぶ

色違いが多い、設計のデータがある、絵の枚数が多い、の3つを満たす製品を選びます。質感が売りの製品は最初の対象にしません。

STEP2
撮影に残す絵を先に決める

色の基準の写真、人が写る絵、表紙の1枚など、撮影に残すものを先に一覧にします。残りが3DCGの対象です。

STEP3
設計部門とデータの受け渡しを決める

形・色・素材・ロゴの情報と、外す部分、渡す相手、版の記録の仕方を決めます。

STEP4
3DCGの絵を作り、実物と見比べる

色の基準の写真と並べ、形・色・ロゴ・表示を1枚ずつ確かめます。違いがあれば質感の設定に戻して直します。

STEP5
背景を生成AIで足し、中身を確かめる

置き場面の案を何通りか出し、採用した案の背景に意図しない要素がないかを人が見ます。指示の文章と日付を記録します。

STEP6
費用と日数を撮影と比べて決める

モデルづくりの費用、確認の時間、作れた枚数を撮影の場合と比べ、次の製品に広げるかを決めます。

比べるときは、作る時間だけでなく、確かめる時間も数えます。3DCGは作る時間が短くても、照合の時間が撮影より長くなることがあります。確認を省いて速くなったように見える数字は、比べる材料になりません。

試した結果、撮影のほうが合っていると分かることもあります。その場合も、色の基準の写真の撮り方や、設計部門との受け渡しの一覧は、次に3DCGを試すときの土台として残しておきます。

撮影に残す所・3DCGに移す所の判定表

ここまでの判断を、絵の種類ごとの判定表にまとめます。迷ったときは、表の右の列の「確かめる人」が決めます。

絵の種類向く方法理由確かめる人
色の基準の写真撮影3DCGの色を照合する物差しになる販促の担当
人が写る使用場面撮影大きさや手元の動きが不自然になりやすい販促の担当
質感が売りの製品の主役の絵撮影柔らかさ・透け方・手触りの再現が難しい製品の担当
表紙・広告の主役の1枚撮影か作り込んだ3DCG会社と製品の印象を決める販促の責任者
品番ごとの正面の絵3DCG同じ条件で量産できる販促の担当
色違いの一覧3DCG色の差し替えで作れる。色見本との照合は必須製品の担当
発売前の絵3DCG試作品の前に作れる。設計の版を記録する設計の担当
切断図・分解図3DCG撮影では作れない。部品の位置の正しさが要る設計の担当
置き場面を変えた利用の絵3DCGに生成背景何通りも比べられる。背景の中身を1枚ずつ確かめる販促の担当

表の「確かめる人」は、肩書ではなく役割で書いています。小さな会社では1人が兼ねることもありますが、形と内部の正しさは設計の担当、色と見え方は製品の担当、というように、確かめる観点ごとに名前を置いておくと漏れが減ります。

判定表は一度作って終わりではありません。製品の数が増えたとき、使う道具の機能が変わったとき、実物と違うという指摘を受けたときに見直します。生成背景のような機能は、提供の形や名前が変わることもあるので、使っている機能の提供状況を年に一度は公式の案内で確かめます。

  • アドビの生成背景の機能の説明は、アドビの公式ブログ(2024年3月)と公式ヘルプの表記に基づいています
  • 先行例の数字は、アドビの公式ブログ(2026年1月)が紹介した事例のもので、提供元の発表です

やってはいけない進め方

最後に、3DCGと生成AIで製品の絵を作るときに起きがちな失敗を並べます。どれも、速さを優先して、受け渡しと確認の工程を後回しにしたときに起きます。

  • 生成AIで写真から起こした3Dモデルを、製品の形としてカタログに使う
  • 色の基準の写真を撮らずに、画面の見え方だけで色を決める
  • 設計のデータを、内部の構造を外さないまま制作会社へ渡す
  • 発売前の絵を出したまま、実物ができても見比べずに使い続ける
  • 生成した背景に、読める文字や他社の製品に似た物が入っているのを見落とす
  • 人が写る使用場面を生成AIで作り、実在の利用者のように見せる

失敗の多くは、作る工程ではなく、受け渡しと確認の工程で起きます。3DCGの制作を外部に頼む場合も、照合と差し替えの責任は発注する側に残ります。どの絵を誰が確かめたかを記録する仕組みを、最初の1製品のときに作っておくのが近道です。

また、撮影をやめること自体を目的にしないことも大事です。3DCGに移したあとも、色の基準の写真と主役の1枚は撮影で作り続けます。撮影と3DCGの両方の手段を持っておくと、どちらかでは作れない絵が出たときに困りません。

まとめ

製品画像を3DCGとAIで作るときに最初に決めるのは、ソフトではなく、撮影に残す所です。製品の絵の出どころを、撮影、3DCG、3DCGに生成AIで背景を足す方法の3つに分け、製品の種類と使い道ごとに選びます。形がはっきりしていて設計のデータがあり、色違いや角度違いが多い製品は3DCGに向き、質感が売りの製品、人が写る使用場面、色の基準の写真、主役の1枚は撮影に残します。生成AIに任せるのは背景と置き場面の案、量産の下書きまでで、形・色・ロゴ・表示の正しさと、実物と違って見えないかの判断は人が行います。まずは1製品で試し、確かめる時間まで含めて撮影と比べてから広げてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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