コレスポンデンス分析とは?|ブランドの位置をAIで読む

「コレスポンデンス分析の図で自社のすぐ近くにある言葉が、うちの強みということですよね」「計算も図もAIが出してくれるなら、あとは読むだけでは」。イメージ調査の結果を受け取ったブランド担当やマーケ責任者から、よく聞く受け止め方です。図がひと目で分かるぶん、そう読みたくなるのは自然なことです。ただ、この図の近さは、因果や量をそのまま示すものではありません。本当は、クロス集計表を1枚の地図に畳んだ要約で、軸の意味と読み違いの線は読む人が決めるものです。この記事では、図の読み方の基本と、イメージ調査でよく出会う3つの場面での読み方、AIに任せてよい作業と人が決めることを整理します。
カメ先生コレスポンデンス分析の図は、ブランドとイメージの言葉の表を、縦と横の2本の軸に畳んだものなんだ。便利だけれど、畳むときにこぼれ落ちる情報もあるんだよ。
カメ子図で近くにある言葉ほど、そのブランドの特徴だと読んでよいのではないですか。
カメ先生原点から見た方向で読むのが基本なんだ。ブランドの点と言葉の点の距離をそのまま比べるのは危ないと説明する解説もある。回答の件数の大きさも、図には出てこないんだよ。
カメ子では、軸にどんな意味を付けるかや、どこまで言い切るかは、誰が決めるのでしょう。
- コレスポンデンス分析はクロス集計表を1枚の図にする手法。相対的な関係は描けるが、量と回答数は描かれない
- 原点からの方向で読み、縦横の目盛りをそろえる。軸の名前は分析者が付ける仮説で、寄与率と一緒に示す
- 計算と図の下書きはAIに任せ、軸の意味付け・件数の少ない行の扱い・近さの言い切りは人が決める
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コレスポンデンス分析とは:クロス集計表を1枚の図にする手法
調査会社のインテージの用語集は、コレスポンデンス分析を「アンケート調査などのクロス集計結果を散布図にして見やすくする手法」と説明し、「コレポン」と略されることもあると書いています。イメージ調査なら、表の行にブランド、列に「親しみやすい」「先進的」などのイメージの言葉を並べ、各マスに当てはまると答えた人数が入った表が材料になります。
マクロミルの解説では、行の項目と列の項目の関係が最も強く出るように点数を与える手法で、数量化3類と数理的に同じとされています。元の回答データからでも、クロス集計表からでも分析できます。計算の中身に深入りしなくても、「表を図に畳む手法」と押さえておけば読み方は身につきます。
表のままだと、ブランドが10、言葉が20あれば、200のマスを見比べることになります。図にすると、どのブランドがどの言葉と同じ側に寄っているかが、ひと目で分かります。マスを1つずつ読む手間を、位置関係の把握に置き換えるのが、この手法の役目です。
この記事では、表の作り方や、どの切り口で表を組むかには入りません。クロス分析の軸の決め方は別の記事で扱っています。ここでは、でき上がった表から図を出したあと、その図をどう読み、どう報告するかに絞ります。図を受け取る側の立場で、報告の前に何を確かめればよいかを、場面ごとに具体的に見ていきます。
図に描かれるものと、描かれないもの
図を読む前に、何が描かれて何が描かれないかを知っておきます。マクロミルの解説は、関連の強いものは近くに、弱いものは遠くに置かれるが、それはあくまで相対的な関係で、「絶対的なボリュームを表わすものではない」としています。
回答数の大きさも描かれません。同じ解説は、クロス集計表から作るのでサンプルサイズは結果に反映されない、と注意しています。インテージの用語集も、商品ごとの利用者の数が違う場合に、その差が散布図に反映されない点を挙げています。回答者が30人のブランドも3,000人のブランドも、同じ大きさの点で描かれるということです。
| 図に描かれるもの | 図に描かれないもの(図の外で補う) |
|---|---|
| ブランドどうし、言葉どうしの相対的な近さ | 各ブランドを評価した回答者の数 |
| 原点から見て、どの方向に寄っているか | 「当てはまる」と答えた人の割合そのもの |
| 2本の軸で説明できる範囲の、表の傾向 | 2本の軸でこぼれ落ちた情報(寄与率で程度を見る) |
| 言葉の組み合わせの似かたの傾向 | なぜその言葉と結びついたかという理由 |
図にしたことで落ちる情報もあります。データ分析の解説記事(2024年7月更新)は、次元を縮める結果こぼれ落ちる情報があり、散布図はイメージをつかむためのもので、厳密な分析には向かないと書いています。右の列は、元の表や別の数字で必ず補うと決めておくと、図だけが独り歩きするのを防げます。
描かれないものを補う方法は、難しくありません。図の下に、ブランドごとの回答者の数と、主な言葉の「当てはまる」の割合を小さな表で添えるだけです。マクロミルとインテージが同じように回答数の注意を書いているのは、回答数の差が図から消えることが、実務で最も見落とされやすいからだと考えられます。受け手が図を見て気になった点を、すぐ表で確かめられる形にしておきます。
読み方1:原点から見た方向で読む
マクロミルの解説は、異なる項目どうしの関係は原点からの方向で判断し、原点から見て同じ方向にあれば、一見距離があっても同じような意味づけができるとしています。図の真ん中の原点を起点に、それぞれの点がどちらへ伸びているかを見るのが、読み方の出発点です。
たとえば、自社のブランドが図の右上にあり、「信頼できる」「実績がある」も右上の方向に並んでいるとします。点どうしが少し離れていても、同じ方向に伸びていれば、自社はこれらの言葉と結びついて見られていると読めます。点と点の間の直線の長さより、原点から伸ばした線の向きを見るのがこつです。
図の目盛りにも気をつけます。インテージとマクロミルはどちらも、縦軸と横軸の目盛りを合わせるように注意しています。目盛りがそろっていないと、横に伸びた差が大きく見えたり、縦の差が小さく見えたりして、距離を見誤ります。
AIや表計算の機能で散布図を描かせると、縦と横の目盛りが、それぞれのデータの幅に合わせて別々に決まることがあります。図を受け取ったら、まず縦と横の1目盛りが同じ長さになっているかを確かめます。ここがずれていると、以降の読み方がすべて狂います。目盛りを直した図に差し替えてから読み始めます。
読み方2:軸の意味は、分析者が付ける
図の縦軸と横軸には、最初から名前が付いているわけではありません。インテージの用語集は、縦軸と横軸の意味を分析者が考える必要があると書き、解説記事も軸の解釈は分析者が行うもので、合理的な解釈が難しい場合は専門家や関係者と相談する必要があるとしています。
軸の名前は、軸の両端に並んだ言葉から考えます。横軸の右に「高級」「上品」、左に「手ごろ」「気軽」が並ぶなら、横軸を「価格の印象」と読むかもしれません。ただし、軸の名前は分析者の仮説であって、計算が出した答えではありません。報告では、仮の名前だと分かる書き方にします。
軸がどれだけ元の表を説明できているかは、寄与率で見ます。インテージの用語集は、寄与率を「その軸だけで元のデータの何割を説明することができているか」と説明し、2本の軸の累積寄与率が8割以上なら元のデータをかなり反映していると言われる、と書いています。
寄与率が低い図は、2本の軸で表の傾向を十分に表せていません。その場合、図の上で近く見える点も、こぼれた情報の中では離れているかもしれません。図には2本の軸の寄与率を必ず書き添えるようにし、低いときは図より元の表を主にして報告します。
読み方3:ブランドの点と言葉の点の距離を、そのまま比べない
最も読み違いが起きやすいのは、ブランドの点と言葉の点の距離です。解説記事は、表頭の項目と表側の項目のプロット上の距離には数理的な意味はなく、直接比べると判断を誤る可能性があると書いています。イメージ調査なら、ブランドの点と言葉の点の間の長さを、そのまま比べないということです。
一方で、インテージの用語集のように、性別と年代の点の近くにあるイメージの項目を、その層が持っているイメージと読む例を紹介している解説もあります。行の点と列の点の近さの読み方は、資料によって説明に幅があると考えておくのが安全です。
幅がある以上、報告では強い言い方を避けます。「自社は信頼できるに最も近い」ではなく、「自社は信頼できると同じ方向にある」と書き、言い切る前に元の表で、自社を「信頼できる」と答えた人の割合が他社より高いかを確かめます。図で見つけ、表で確かめるという二段で読めば、読み違いは減ります。
同じ種類の点どうし、つまりブランドとブランド、言葉と言葉の近さは、比べやすい関係です。インテージの用語集も、距離が近いほどイメージが似ていることを示すと説明しています。競合と似て見られているかを読むときは、ブランドどうしの近さを主に使います。言葉どうしの近さも、回答者がどの言葉を一緒に選びやすいかを示すので、似た意味の言葉がまとまっているかを確かめる材料になります。
場面1:自社と競合の位置を読む
ここからは、イメージ調査でよく出会う3つの場面で、図の読み方を具体的に見ていきます。1つ目は、自社と競合の位置を読む場面です。報告を受ける経営層やブランド責任者が最初に知りたいのは、自社がどのブランドと似て見られ、どのブランドと違って見られているかです。
この場面では、まずブランドどうしの近さを読みます。自社と競合Aが図の同じあたりに固まっているなら、回答者は2つを似た言葉の組み合わせで評価しています。似て見られているブランドは、買い手の頭の中で比べられやすい相手だと考えられます。
次に、それぞれのブランドが原点からどの方向に伸びているかを見ます。原点の近くにあるブランドは、どの方向にも強く寄っていない、と読める場合があります。ただしこれは、そのブランドの印象が薄いという意味とは限りません。回答者が多くの言葉に同じくらい当てはまると答えた結果かもしれず、元の表を見て確かめます。
競合の選び方にも注意が要ります。図に入れるブランドの顔ぶれが変わると、点の位置は全体として変わることがあります。どのブランドを入れるかは、買い手が実際に比べている相手から選びます。買い手が比べている相手の見つけ方や、自社に映っている印象の集め方は、パーセプションを扱った別の記事に譲ります。
場面1の続き:近いことを、選ばれる理由と読まない
自社と同じ方向に「信頼できる」があると、それが選ばれる理由だと報告したくなります。しかし、図が示しているのは、自社と「信頼できる」が一緒に答えられやすいという関係だけです。その言葉のおかげで選ばれているのか、選んだ人が後からそう感じているのかは、図からは分かりません。
たとえば、長く使っている顧客ほど「信頼できる」と答えやすい、ということは起こりえます。この場合、信頼の印象は選ばれた結果かもしれません。近さは関係の強さであって、原因と結果の向きではないと、報告の最初に書いておきます。
選ばれる理由を知りたいなら、別の問いと別の分析が要ります。購入を決めた理由を直接聞く設問を入れる、購入の前後で印象を聞き分ける、といった方法です。どの手法を使うかは調査の設計の段階で決めることで、コレスポンデンス分析の図だけで答えを出そうとしないことが大切です。
選ばれる理由と印象の関係を、満足度と重要度の2軸で並べて直す順を決める方法は、顧客満足度調査の分析を扱った記事で整理しています。コレスポンデンス分析は、どちらかといえば今の見られ方の地図で、直す順番を決める道具ではありません。
場面2:打ち出す言葉の候補を探す
2つ目は、次に打ち出す言葉の候補を探す場面です。図の中で、どのブランドとも同じ方向にない言葉や、競合が強く寄っていない方向があると、そこに自社の打ち出し方の余地があるように見えます。インテージの用語集も、散布図上の空いている領域は差別化の機会の可能性があると書いています。
ただし、空いている方向が、そのまま狙うべき方向とは限りません。その言葉を大事だと思う買い手が少ないから、どのブランドも寄っていないのかもしれません。図は、言葉がどのくらい重視されているかを教えてくれません。重視の度合いは、別の設問や別の調査で確かめます。
候補を探すときは、自社が今寄っている方向と、候補の言葉の方向の関係も見ます。今の位置から離れすぎた言葉を打ち出すと、今の顧客が持っている印象とぶつかることがあります。今の方向の延長にある言葉と、少しずらした言葉を分けて候補に並べると、議論がしやすくなります。
軸の選び方から自分たちで地図を組み立て、空白を潰していく進め方は、ポジショニングマップを扱った別の記事で扱っています。コレスポンデンス分析の図は、回答者の答えから計算で出した地図なので、候補を出す材料であって、打ち出す言葉を決める根拠そのものではないと位置づけます。
場面2の続き:件数の少ない行と列をどう扱うか
候補を探す場面で特に気をつけたいのが、件数の少ない言葉やブランドです。「革新的」と答えた人が全体でごく少ないのに、その点が図の端に大きく離れて置かれ、目立つことがあります。図の上では、回答の少ない項目も、多い項目と同じ大きさの点で描かれるからです。
件数の少ない項目は、数人の答えの違いで位置が大きく動きます。そうした項目の近くに空いている方向を見つけても、次の調査では消えているかもしれません。件数の少ない点の周りに、打ち出しの余地を読まないようにします。
扱い方は、分析を始める前に決めておきます。回答の数が一定より少ない言葉やブランドは図から外す、外さない場合は図の上で印を付けて注記する、といった決め方です。下限をいくつにするかは、調査の規模と目的によって違うので、分析の担当者と報告を受ける人で合意しておきます。
外すか残すかで迷う項目は、外した図と残した図の2枚を出して見比べる方法もあります。外しても他の点の位置がほとんど変わらなければ、その項目は全体の読みに影響していません。大きく変わるなら、その少数の項目が図全体の形を引っ張っていることになり、読みの前提を注記する必要があります。2枚の図の下書きはAIに任せられますが、どちらを報告に使うかは人が決めます。
- 行と列ごとの回答の数を、図と同じ資料の中に一覧で載せる
- 下限より少ない項目を図から外したときは、外した項目の名前と理由を注記する
- 外すか残すかをAIに決めさせず、下限の値は分析の前に人が決めて記録に残す
場面3:前回の調査と比べる
3つ目は、前回の調査と今回の調査を比べる場面です。去年の図と今年の図を並べ、自社の点が右へ動いたから印象が変わった、と報告したくなることがあります。しかし、別々に計算した2枚の図は、軸の意味も目盛りも同じとは限りません。
軸は、その回の表の傾向から計算で決まります。ブランドの顔ぶれや言葉の顔ぶれが変わったり、回答の傾向が少し変わったりするだけで、軸の向きが入れ替わることもあります。別々に計算した図の上の位置を、同じ地図の上の移動として読まないのが原則です。
また、図が示すのは相対的な関係なので、自社の点が動いたように見えても、自社の印象が変わったのではなく、競合の印象が変わった結果かもしれません。全体の見られ方が同じように変わった場合は、図の上ではほとんど動かないこともあります。
前回と今回を1つの地図の上で比べたいときの計算のやり方には、いくつかの考え方があります。どの方法を使うかは、分析の担当者や調査会社に、比べられる形で計算できるかを確かめてから決めるようにし、比べる前提を報告の中に書いておきます。
場面3の続き:比べるときは元の表に戻る
前回との比較で確かなのは、元のクロス集計表の数字です。自社を「親しみやすい」と答えた人の割合が、前回と今回でどう変わったかは、表を並べれば読めます。図は変化の見当をつけるために使い、変化があったかどうかは表で確かめます。
比べるときは、表の条件をそろえます。同じ聞き方の設問か、同じ言葉の並びか、回答者の条件が同じかを確かめます。聞き方や言葉の顔ぶれを変えた回とは、表の数字も図も直接は比べないようにし、変えた点を報告に書きます。
割合の変化を読むときは、回答の数も一緒に見ます。回答が少ない項目では、数人の違いで割合が大きく動きます。前回より上がったと報告する前に、その差が回答の数に対して大きいかどうかを、分析の担当者に確かめてもらいます。
実務では、図と表を同じ資料に並べるのが扱いやすい形です。1枚目に今回の図、2枚目に主な言葉の割合の前回との比較表を置きます。図で変化の見当を示し、表で変化を確かめる流れにしておけば、図の位置の動きだけで結論が出てしまうことを避けられます。
AIに任せる作業:計算、図の下書き、表との突き合わせ
ここまでの読み方を前提に、AIに任せられる作業を整理します。データ分析の機能を持つ生成AIに、クロス集計表を渡して計算と図の下書きをさせることは、実務でも広がっています。計算の手順を覚えていなくても、図の下書きまでは短い時間で届きます。その分、読む側の準備が追いつかないまま図が出回りやすくなります。任せる前に、何を一緒に出させるかを決めておくことが、この手法をAIで使うときの最初の仕事です。
任せるときは、図と一緒に出させるものを決めておきます。2本の軸の寄与率、行と列ごとの回答の数、縦と横の目盛りが同じ長さか、の3つです。図だけを受け取らず、読むための数字を必ず添えさせると、読み違いの多くを入口で防げます。
元の表との突き合わせも任せられます。図で同じ方向にある自社と言葉の組について、元の表の割合が他社より高いかを一覧にさせるのです。このとき、一覧の元になった表の行と列を示させ、人が表を開いて数か所を確かめます。
軸の名前の候補を出させることもできます。軸の両端に並んだ言葉から、考えられる名前を複数出させ、それぞれの根拠にした言葉を書かせます。ただし、候補の中からどれを採るか、あるいはどれも採らないかは、人が決めます。AIの計算の結果も、使った手順と条件を書かせて、分析の担当者が検算します。
人が決めること:軸の名前、件数の下限、言い切りの強さ
AIに判断させないことも、はっきりさせておきます。1つ目は軸の意味付けです。軸の名前は報告を読む人の理解を大きく左右しますが、計算の答えではなく仮説です。候補をAIに出させても、どの名前で報告するかは、ブランドの事情を知る人が決めるようにします。
2つ目は、件数の少ない行と列の扱いです。どこから下を外すか、残すなら何と注記するかは、調査の目的と規模を知っている人が決めます。下限を決めないままAIに図を出させると、目立つ外れ値が報告の主役になることがあります。
3つ目は、図から何を言い切るかです。「同じ方向にある」「似て見られている」までは図から言えても、「その言葉で選ばれている」「印象がよくなった」は図だけでは言えません。どこまでの強さで書くかは、元の表と他の調査の結果を見て、報告する人が決めます。AIに報告文の下書きを頼むと、図から言えないことまで滑らかな言い切りで書かれることがあるので、下書きの文末を1つずつ確かめます。
この3つを決める人は、分析の担当者だけでなく、報告を受けるブランド責任者も含めます。分析の担当者が軸の名前を1人で付けて報告すると、受け手はそれを確かな結論として受け取りがちです。仮の名前と下限の値を、報告の前に受け手と一度すり合わせておくと、会議での読み違いが減ります。
図を報告に出すまでの手順
ここまでの内容を、図を報告に出すまでの手順にまとめます。毎回同じ順番で進めれば、担当者が変わっても同じ質の報告になります。
回答の数の下限、図に入れるブランドの顔ぶれ、前回と比べるかどうかを、分析の前に報告を受ける人と決める。
クロス集計表を渡し、図と一緒に寄与率・行と列ごとの回答の数・目盛りの確認結果を出させる。使った手順と条件も書かせる。
縦横の1目盛りが同じ長さか、2本の軸の累積寄与率がどのくらいかを確かめる。低ければ表を主にした報告に切り替える。
原点から見た方向で読みの候補を出し、元の表の割合で1つずつ確かめる。確かめられなかった読みは報告に載せない。
軸の名前は仮と分かる書き方にし、図から言えることと言えないことを分けて書く。最後に報告を受ける人と読み合わせる。
手順の4つ目で確かめられなかった読みは、どれほど魅力的でも報告に載せません。表で確かめられない読みは、次の調査で確かめる問いとして残すと、無理に言い切らずに済みます。
自由記述の答えを図にして報告する場合の見せ方は、ワードクラウドを扱った記事で整理しています。選択式の答えの表から出したこの図とは、読み違いの型が違うので、同じ資料に並べるときは図ごとに注記を付けます。
手順の中で時間がかかるのは、最初の下限と比べる相手を決める段です。ここを省いてAIに図を出させると、出てきた図を見てから下限を決めることになり、都合のよい読みに合わせて項目を出し入れしやすくなります。決めごとは図を見る前に済ませると、報告の信頼が保てます。
図を報告に出す前の読み違いチェックリスト
報告の資料ができたら、次の項目を1つずつ確かめてから出します。どれも、この記事で見てきた読み違いを防ぐための確認です。1つでも当てはまらない項目があれば、資料を直してから出します。
- 縦軸と横軸の1目盛りが同じ長さになっている
- 2本の軸の寄与率が、図の近くに書いてある
- 行と列ごとの回答の数が、同じ資料の中に載っている
- 回答の数が下限より少ない項目は、外したか、印と注記が付いている
- 軸の名前が、仮の名前だと分かる書き方になっている
- ブランドと言葉の近さを、距離ではなく方向で書いている
- 図で見つけた読みを、元の表の割合で確かめてある
- 前回と比べる場合、別々に計算した図の位置の動きだけで結論を書いていない
反対に、次のような書き方が資料に残っていたら、報告の前に直します。
- 「自社は信頼できるに最も近い」と、ブランドと言葉の点の距離で言い切る
- 「信頼できるが選ばれる理由」と、近さを原因と結果に読み替える
- 回答の少ない言葉の周りの空いた方向を、打ち出しの好機として報告する
- 去年の図と今年の図を並べ、点が動いた方向を印象の変化として書く
- AIが付けた軸の名前を、根拠を確かめずにそのまま見出しに使う
チェックリストは、分析の担当者が自分で確かめるだけでなく、報告を受ける人にも渡しておくと効果があります。受け手が同じ物差しで図を読めるようになれば、図が会議で独り歩きして、言っていない結論が生まれることを防げます。
チェックリストの結果は、報告の資料の最後に1行で残しておきます。「目盛り確認済み・寄与率記載・下限は回答30件、外した項目は2つ」のように書けば、後で資料を読む人も前提を追えます。次の調査で同じ分析をするときにも、前回と同じ条件で図を出せたかを確かめる手がかりになります。条件がそろっていれば、表での比較もしやすくなります。
まとめ
コレスポンデンス分析は、ブランドとイメージの言葉のクロス集計表を1枚の図に畳む手法です。図は相対的な関係を描きますが、量と回答数は描かず、2本の軸でこぼれる情報もあります。原点から見た方向で読み、縦横の目盛りをそろえ、寄与率を添え、ブランドと言葉の点の距離をそのまま比べない。自社と競合の位置、打ち出す言葉の候補、前回との比較のどの場面でも、図で見つけて表で確かめる二段で読みます。計算と図の下書きはAIに任せ、根拠の数字を添えさせる。軸の意味付け、件数の少ない行の扱い、どこまで言い切るかはAIに判断させず、人が決める。この分担を守れば、イメージ調査の図を、読み違いの少ない報告に生かせます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
