アンケートツール選定の確認項目|AI機能の任せ方

アンケートツール選定の確認項目|AI機能の任せ方

「アンケートツールを比べると、どれもAIで設問を作れると書いてあって、違いが分からない」「自由記述の要約が付いているなら、分析はツールに任せてよいのでは」。調査の道具を選ぶマーケの担当者から、こうした声が増えています。無理もありません。グーグルフォームには2026年2月から、自由記述の回答をテーマに分け、テーマごとの割合と件数を示す機能が順に加わりました。AI機能が付いていること自体は、もう選ぶ理由にはなりません。選定の本当の軸は、AI機能の有無ではなく、AIの出力を人が検収できるかと、回答データがどこへ流れるかです。この記事では、アンケートツールを選ぶときの確認項目を、確かめる順番に沿って整理します。


カメ先生カメ先生

アンケートツールのAI機能は、設問を作る、要約する、分類する、怪しい回答に印を付ける、の4つにだいたい分かれるんだ。どれも便利だけど、出てきたものが正しいかどうかは、道具は保証してくれない。


カメ子カメ子

機能が多いツールを選べば安心、というわけではないということですか。


カメ先生カメ先生

そう。見るべきなのは、AIの出した分類から元の回答に戻れるか、回答が誰の学習に使われるか、管理者が機能を止められるか。そういうことは、製品の紹介ページより、ヘルプや規約の奥に書いてあるんだ。


カメ子カメ子

選ぶ前に読む資料が、宣伝のページとは別にあるんですね。


この記事のポイント
  • AI機能は、設問の下書き・自由記述の要約と分類・回答の品質の判定の3つに分けて確かめる
  • 要約や分類には件数の条件がある。結果は原文に戻って人が確かめ、分類の軸と結論は人が決める
  • 回答データが学習に使われるか、管理者が止められるかは、ヘルプと規約と販売元の書面で契約前に確かめる

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目次

アンケートツールのAI機能はどこまで来たか

選定の前に、いまのAI機能の水準を公式の発表で確かめておきます。グーグルフォームでは、2025年6月の公式ブログで、作りたいフォームを文章で説明すると下書きを作る機能と、自由記述の回答を要約する機能が紹介されました。下書きの機能は当初、一部の国で新しい機能を試験的に公開する枠組みで提供されたものです。

2026年2月の公式ブログでは、要約の機能がもう一歩進みました。自由記述の回答をテーマに分け、テーマごとの割合と件数を示す機能です。新しい機能をすぐに受け取る設定の組織では2月24日から、通常の設定の組織では3月8日から、それぞれ最大15日ほどかけて順に表示される、と案内されています。

調査専用のツールも同じ方向に進んでいます。サーベイモンキーのヘルプでは、AI機能を5つの分類で示しています。AIで調査票を作る機能、回答を肯定・否定・中立に分ける感情の分析、質の低い回答に印を付ける回答の品質、AIによる分析と示唆、自由記述をまとめるテーマの分析です。

つまり、手軽なフォームでも調査専用のツールでも、AI機能の名前だけを比べると差は小さく見えます。差が出るのは、件数の条件、結果の確かめ方、データの扱い、管理者の権限といった、ヘルプの奥に書かれた細部です。以下の10の確認項目は、この細部を順に確かめるためのものです。

確認項目1:何を調べる道具なのかを1行で書く

最初の項目はツールの外にあります。そのツールで何の調査を回すのかを、1行で書き出します。セミナー後の満足度、既存顧客の推奨の度合い、新しいサービスの需要の見込み、といった書き方です。用途が決まらないまま機能表を見ると、使わない機能にお金を払うことになります。

用途ごとに、1回の回答の件数と、自由記述の多さを見積もります。セミナー後のアンケートは1回数十件で自由記述が短く、顧客調査は数百件以上で自由記述が長い、というように性格が違います。後で見るとおり、AIの要約や分類には件数の条件があるので、この見積もりが機能の向き不向きを決めます。

次に、誰が結果を使うかを書きます。担当者が自分の気づきに使うだけなら、要約の粗さはある程度許されます。経営会議の資料や、社外に出す調査の発表に使うなら、分類の根拠を1件ずつ示せることが条件になります。使う人の立場が上がるほど、確かめる手間は増えると考えておきます。

ネットで広く集めるか、会場に集めるかといった調査の手法そのものの選び方は、道具を選ぶ前の段の話です。この記事ではそこには入らず、手法が決まったあとに道具を選ぶ段を扱います。回答の件数と誤差の関係のような、集め方の設計も別の記事に譲ります。

確認項目2:設問の下書き機能は検収のしやすさで見る

設問を作るAI機能は、どのツールにも入り始めています。グーグルフォームの下書きの機能は、作りたいフォームの説明を書くと、手元の文書や表計算、スライド、PDFを参照して下書きを作る、と公式に説明されています。ただ、下書きが速く出ることと、偏りのない設問になることは別の話です。

検収の観点は3つあります。1つの質問で2つのことを聞いていないか、答えを誘う言い回しになっていないか、選択肢に抜けや重なりがないか。これを人が1問ずつ見ます。設問の偏りの見分け方そのものは、アンケートの設問の確認項目を扱った別の記事にまとめています。

選定の段で確かめるのは、この検収がしやすい作りになっているかです。下書きが編集できる形で出てくるか、元にした文書のどこを使ったかが分かるか、作り直しを何度でもかけられるか。試用の期間に、自社の過去の調査票と同じ目的で下書きを作らせ、人が作った版と並べて比べると、差が見えてきます。

設問を確定するのは人です。AIの下書きには、自社の商品の呼び方の揺れや、社内でしか通じない言葉がそのまま入ることがあります。設問の下書きは叩き台として使い、確定の判断はAIに任せないと、社内の手順に書いておきます。

確認項目3:要約と分類には件数の条件がある

自由記述の要約や分類は、どの件数でも動くわけではありません。グーグルフォームのヘルプでは、要約は回答が3件から200件の間、テーマの生成は8件から200件の間で使え、200件を超えるとテーマの生成は使えないと書かれています。行動につながる示唆の機能は、12件以上の回答と3問以上の質問が条件です。

この条件は、選定の結論を左右します。年に1回、千件を超える顧客調査を回すなら、フォームの中の要約は使えない前提で、別の分析の手段を用意することになります。逆に、毎月数十件のセミナーアンケートなら、条件の範囲に収まります。確認項目1で見積もった件数と、ヘルプに書かれた件数の条件を並べて見るのが近道です。

対象になる質問の種類も確かめます。同じヘルプでは、要約の対象は自由記述の質問で、テスト形式の設定をしたフォームでは使えず、名前や住所のような直接の質問は対象外と書かれています。質問の作り方しだいで、要約の対象から外れる質問が出てくるということです。

調査専用のツールでは、件数の条件や使える機能が契約の版で変わることがあります。サーベイモンキーのヘルプでも、使える機能は契約の種類とデータの保存場所によって異なると書かれています。見積もりをとる段で、自社の件数でどの機能が動くかを、販売元に書面で確かめておきます。

確認項目4:分類の結果から原文に戻れるか

AIの分類は、テーマの名前と件数を示してくれます。ただ、そのテーマにどの回答が入ったかを1件ずつ確かめられないと、分類が正しいかを判断できません。選定で見るのは、分類の数字の見やすさではなく、数字から元の回答に戻る道があるかです。

グーグルフォームの2026年2月の公式ブログでは、テーマごとの割合を出す機能は、表計算のAI関数を使って回答を分類すると説明されています。表計算の側に分類の結果が残るなら、人が回答とテーマを並べて見直せます。一方で、ヘルプには要約は自動では保存されないとも書かれています。報告に使うなら、その時点の要約を自分で残しておく必要があります。

分類の軸を決めるのも人です。AIが示すテーマは、回答の言葉の近さでまとめたもので、自社が知りたい問い、たとえば価格への不満なのか、使い方の分かりにくさなのかに沿うとは限りません。軸を先に決めて当てはめる進め方や、分析の手順そのものは、アンケート分析にAIを活かす事例の記事で扱っています。

試用の段では、過去の調査の自由記述を数十件入れ、AIの分類と、人が手で分けた結果を比べます。個人の情報を伏せた回答を使うのが前提です。ずれた回答を見れば、そのツールの分類がどんな言い回しで迷うかが分かります。このずれの傾向は、導入後の検収の手順を作るときの材料にもなります。

確認項目5:怪しい回答に印を付ける機能があるか

ネットで広く回答を集める調査では、機械的な回答や、生成AIに書かせた回答が混ざる心配があります。サーベイモンキーのヘルプでは、回答の品質という機能が、質の低い回答に印を付けると説明されています。この機能と感情の分析は、外部のAIではなく同社独自の機械学習のモデルを使う、とも書かれています。

選定の表では、この検知の機能があるかどうかを1行の項目として持っておきます。あわせて、印が付いた回答を自動で消すのか、印を付けるだけなのかも確かめます。自動で除く作りだと、除きすぎたときに気づけません。印を付けるだけなら、除くかどうかを人が決められます。

検知の機能が無いツールでも、調査の目的によっては困りません。既存顧客に個別の案内で配る調査や、セミナーの参加者だけに配る調査では、見知らぬ回答者が紛れ込む余地が小さいからです。検知の機能が効くのは、謝礼を付けて広く集める調査です。

除外の基準をどう作るか、どんな兆候で見分けるかは、ネット調査の回答にAIが紛れ込む問題を扱った別の記事にまとめています。ここでは、検知の機能は判定の材料であって、除くかどうかの判断は人が持つという線だけを確かめておきます。

確認項目6:回答データが学習に使われるか

回答には、顧客の名前や会社名、率直な不満が入ります。そのデータがツールの提供元のAIの学習に使われるかは、契約の前に必ず確かめる項目です。この項目は、宣伝のページではなく、規約とヘルプと販売元の書面で確かめます。

サーベイモンキーのヘルプでは、調査票の作成と分析の機能で使う外部のAIの提供元は、このデータを自社のモデルの学習に使わない、と書かれています。一方で、同社の2026年3月の公式ブログは、26年分の独自のデータで自社のモデルを学習させていると述べています。個々の顧客の回答がそこに含まれるのかは、読んだ範囲でははっきりしませんでした。

グーグルフォームの要約のヘルプにも、学習への利用についての記載は見当たりませんでした。法人向けの契約での扱いは、契約全体のデータの取り扱いの文書で決まっていることが多いので、そちらを読みます。ヘルプに書かれていないことを、書かれていないから安全と読まないことが大切です。

確かめ方は、販売元に質問の形で送るのが確実です。回答データは提供元のモデルの学習に使われるか、使われるなら止められるか、止める権限は誰にあるか。この3問を書面で聞き、回答の日付とともに記録します。答えが曖昧なら、機微な調査にはそのツールを使わない、という線を引きます。

確認項目7:管理者がAI機能を止められるか

社内で複数の担当者がツールを使うなら、AI機能を管理者がまとめて止められるかを確かめます。サーベイモンキーのヘルプでは、チーム向けと企業向けの一部の契約で、主管理者が、先に挙げた5つの分類の機能ごとに使う・使わないを切り替えられる、と説明されています。

ただし、すべての機能に管理者の設定があるとは限りません。グーグルフォームの2026年2月の発表では、テーマの割合を出す機能について、管理者が切り替える設定は無いと明記されていました。止める手段が無い機能は、使い方の決まりで縛るしかありません。

止めたい場面は具体的に考えておきます。人事の調査や、取引先の評価を集める調査のように、回答の中身が機微なものは、AIの要約に回さないという線が考えられます。この線を守るには、機能を止めるか、該当の調査だけ別の道具で集めるか、のどちらかが要ります。

選定の表には、機能ごとに管理者の設定が有るか無いかを書き、無いものには代わりの手当てを書き添えます。管理者の権限を誰が持つかも、契約の段で決めておきます。導入を担当した人が異動して、誰も設定を変えられない、という状態を避けるためです。

確認項目8:個人の情報がAIに渡る前の手当て

自由記述には、回答者が自分から電話番号やメールの宛先を書いてしまうことがあります。サーベイモンキーのヘルプでは、テーマの分析の際に、電話番号などのよくある形式のデータを伏せ字にして、機微なデータが表に出る範囲を減らす、と説明されています。

グーグルフォームのヘルプでは、名前や住所のような直接の質問は要約の対象外とされています。ただ、対象外になるのは質問の種類で、自由記述の中に書かれた個人の情報まで除かれるとは書かれていません。自由記述の欄の中身には、別の手当てが要ります。

選定の段で確かめるのは、伏せ字の機能があるか、どの形式に効くか、伏せ字をかける前のデータがどこで処理されるか、の3点です。機能が無いなら、回答を書き出してから個人の情報を伏せる手順を、運用の側で持つことになります。その前処理のやり方は、自由記述の個人情報を扱った別の記事に書いています。

設問の側でも手当てができます。自由記述の欄の説明に、個人を特定できる情報を書かないよう一言添えるだけでも、紛れ込む量は減ります。道具の機能と設問の書き方の両方で、AIに渡る個人の情報を減らしていきます。

確認項目9:対応言語と契約の版

AI機能は、どの契約の版でも使えるわけではありません。グーグルフォームのテーマの割合の機能は、公式の発表で、法人向けのビジネスのスタンダードとプラス、エンタープライズのスタンダードとプラスなど、特定の版が対象とされています。個人の版で試した機能が、会社の契約で同じように動くとは限りません。

対応言語も確かめます。グーグルフォームの要約のヘルプは、対応言語を別の一覧に委ねています。日本語の回答で要約や分類が動くかは、一覧と試用の両方で確かめるようにします。英語で動く機能が、日本語の短い回答や、敬語の混ざった回答をどこまで分けられるかは、試さないと分かりません。

調査専用のツールでは、データの保存場所によって使える機能が変わる場合があります。先に触れたとおり、サーベイモンキーのヘルプにも、利用できる機能は契約の種類と保存場所によって異なる、と書かれています。国内に保存したいという条件を先に置くと、AI機能の一部が使えない、ということが起こりえます。

見積もりの段では、自社の契約の版、保存場所、日本語の3つの条件を並べ、どのAI機能が使えるかを販売元に確かめます。紹介ページの機能表は、いちばん上の版の機能を並べていることが多いので、そのまま自社の条件と読まないようにします。

確認項目10:結果を外に出せるか、他の道具とつながるか

アンケートの結果は、顧客管理の記録や、メールの配信、報告の資料へと流れていきます。回答を表の形で書き出せるか、顧客管理の道具と回答をつなげられるか、を確かめます。AIの要約がツールの中に閉じていて外に出せないと、報告のたびに手で書き写すことになります。

書き出すときは、元の回答、AIの分類、人が直した分類、の3つを並べて残せる形が理想です。こうしておけば、あとで分類の軸を変えたときにも、元の回答から分け直せます。書き出した表に分類の根拠を残す作業は、人が持ちます。

つなぎで見落としやすいのは、つないだ先でのデータの扱いです。回答を顧客管理の道具に流すと、今度はそちらのAI機能の対象になることがあります。回答データが学習に使われるかの確認は、アンケートツールだけでなく、つないだ先の道具でも1回ずつ行います。

外部のAIとつなぐ機能を持つツールも増えています。つなぐときの審査や権限の考え方は一般論として別に扱われる話なので、ここでは、つなぐなら回答データがどのAIに渡るかを一覧にしておく、という1点に留めます。

選ぶ軸を1枚の表にまとめる

ここまでの確認項目を、選ぶ軸の表にまとめます。製品を並べた比較表ではなく、どの製品を候補にしても同じ順で確かめられる表です。空欄が残った項目は、そのまま販売元への質問の一覧になります。

確認項目確かめる資料見るところ人が持つ判断
1 用途と件数社内の調査計画回数・件数・自由記述の長さ何の調査に使うか
2 設問の下書き試用・ヘルプ編集できるか・参照した文書が分かるか設問の確定
3 要約と分類ヘルプ件数の条件・対象の質問分類の軸と結論
4 原文に戻れるか試用・ヘルプ分類の結果が残るか・保存されるか分類の正しさ
5 回答の品質の判定ヘルプ印を付けるだけか・自動で除くか除くかどうか
6 学習への利用規約・販売元の書面提供元のモデルに使われるか使う調査の範囲
7 管理者の設定ヘルプ機能ごとに止められるか止める調査の線
8 個人の情報ヘルプ伏せ字の有無と効く形式前処理の手順
9 契約の版と言語見積もり・試用自社の条件で動く機能契約の版
10 書き出しとつなぎヘルプ・試用元の回答と分類を並べて出せるかつなぐ先の確認

表の右端の列は、どのツールを選んでも人の側に残る判断です。選定の会議では、左の3列をツールごとに埋め、右の列は社内の決まりとして1回だけ書けば足ります。

候補は2〜3本までに絞ります。候補が多いと、10の項目をすべて確かめきれず、結局は紹介ページの機能表で決めることになりがちです。手軽なフォームを1本、調査専用のツールを1〜2本、という組み合わせにすると、違いが見えやすくなります。

選定を進める5つの段

確認項目を、実際の選定の作業の順に並べ直します。どの段も、次の段の材料を作る役目を持っています。

STEP1
用途と件数を書き出す

回す調査を1行ずつ書き、1回の件数、自由記述の長さ、結果を使う人を横に並べます。この表が、確認項目3と9の答え合わせの基準になります。

STEP2
候補を絞り、ヘルプと規約を読む

候補を2〜3本に絞り、AI機能のヘルプ、データの取り扱いの文書、規約を読みます。読んだ日と版を控え、選ぶ軸の表の左の3列を埋めます。

STEP3
販売元に書面で質問する

空欄の項目と、学習への利用の3問を販売元に送ります。口頭の説明ではなく、日付の入った書面で受け取ることが条件です。

STEP4
過去の調査で試す

個人の情報を伏せた過去の自由記述で、要約と分類を試します。人が手で分けた結果と比べ、ずれの傾向を記録します。

STEP5
運用の決まりを書いてから契約する

AIに任せる範囲、人が読む範囲、AIに回さない調査を決まりに書き、管理者を決めてから契約します。

順番を入れ替えないことに意味があります。先に試用から入ると、画面の使いやすさで気持ちが決まってしまい、学習への利用や管理者の設定の確認が後回しになります。紹介ページで気になるツールがあっても、まず用途と件数の表を作ってから触るようにします。

AIに任せる所と、人が持つ所

選定のあとの運用でも、線は同じです。AIに任せてよいのは、設問の下書き、自由記述の分類の下書き、怪しい回答への印付け、の3つです。設問の確定、分類の軸、除くかどうか、調査の結論は人が決めます。AIに判断させない範囲を、運用の決まりの最初に書いておきます。

AIに分類させるときは、根拠を書かせます。「テーマごとに、そのテーマに入れた回答の番号と、入れた理由を1行ずつ添えて」と頼み、人が回答の番号から原文に戻って確かめます。ツールの分類機能が理由を出さないなら、書き出した表の上で同じ確かめをします。

人が確認する範囲は、先に決めておきます。すべての回答を人が読むのが理想ですが、件数が多いと続きません。たとえば、各テーマの代表の回答5件と、どのテーマにも入らなかった回答は必ず人が読む、少数の強い不満は件数が少なくても人が拾う、といった決まりにします。

AIの要約を報告に載せるときは、AIで要約したこと、元の件数、人が確かめた範囲を1行添えます。グーグルフォームのヘルプにも、AIの機能は不正確な情報を示すことがあるという注意書きがあります。要約は結論ではなく、結論を出すための材料と位置づけておくと、報告を受ける側も読み方をそろえられます。

やりがちな失敗

アンケートツールの選定で起きやすい失敗を並べます。どれも、紹介ページの機能表だけで判断し、ヘルプの条件を読まないところから始まります。

  • 機能表の丸の数でツールを選び、自社の件数では要約が動かないと後で気づく
  • AIが出したテーマの割合をそのまま報告に載せ、どの回答が入ったかを誰も確かめていない
  • ヘルプに学習の記載が無いのを、学習に使われないと読んでしまう
  • 個人の版で試した機能が、会社の契約の版でも使えると思い込む
  • 回答の品質の印が付いた回答を、中身を見ずにすべて除く

1つ目と4つ目は、見積もりの段で防げます。自社の件数、契約の版、保存場所、日本語の条件を並べて販売元に聞けば、動かない機能は契約の前に分かります。試用は、自社の契約と同じ版で行うように頼みます。

2つ目と5つ目は、AIの出力をそのまま結論にしてしまう失敗です。テーマの割合も品質の印も、人が原文に戻って確かめる前提の材料です。報告の前に、各テーマの代表の回答と、除いた回答の一覧を人が見る段を必ず挟みます。3つ目は、確かめていないことを安全の根拠にしてしまう失敗で、書面で聞く以外に防ぐ手はありません。

  • この記事の内容は、2026年9月に確かめたグーグルの公式ブログ(2025年6月・2026年2月)とヘルプ、サーベイモンキーのヘルプと公式ブログ(2026年3月)に基づきます
  • 機能・対象の版・件数の条件は変わることがあります。契約の前に最新のヘルプと販売元の回答で確かめてください
  • 回答データの扱いと個人情報の方針への記載は、自社の法務に確かめてください

よくある質問

手軽なフォームと調査専用のツール、どちらを選べばよいですか

用途と件数で決まります。毎月数十件のセミナーアンケートなら、手軽なフォームのAI機能で足りることが多いでしょう。数百件を超える顧客調査や、謝礼を付けて広く集める調査では、件数の条件、回答の品質の判定、管理者の設定まで確かめたうえで、調査専用のツールを候補に入れます。

AIの要約があれば、分析の担当者は要らなくなりますか

要らなくはなりません。要約と分類は下書きで、分類の軸を決める、原文に戻って確かめる、結論を書く、の3つは人の仕事として残ります。担当者の時間の使い方が、全件を読む作業から、AIの分類を検収する作業へ移ると考えるのが実態に近いところです。

試用の期間には、何を試せばよいですか

自社の過去の調査を1本選び、同じ目的で設問の下書きを作らせること、個人の情報を伏せた自由記述で要約と分類を試すこと、分類の結果を表に書き出せるかを試すこと、の3つです。人が分けた結果と比べて、ずれた回答を記録しておくと、導入後の検収の手順づくりにそのまま使えます。

導入後に、AI機能の扱いを見直す時期はありますか

新しいAI機能が加わったときと、規約が改定されたときです。今回見たように、機能は数か月単位で加わり、管理者の設定が無い機能もあります。ヘルプの更新の案内を担当者が追い、新しい機能が既存の決まりのどこに当たるかを、その都度書き足していきます。

まとめ

アンケートツールのAI機能は、設問の下書き、自由記述の要約と分類、回答の品質の判定が当たり前になり、機能の名前だけでは差が見えなくなりました。選定で確かめるのは、件数の条件、原文に戻れるか、回答データが学習に使われるか、管理者が止められるか、個人の情報の手当て、契約の版と日本語、書き出しとつなぎです。用途と件数を先に書き、ヘルプと規約を読み、販売元に書面で聞いてから試しましょう。AIに任せるのは下書きと印付けまでにし、設問の確定、分類の軸、調査の結論は人が持ちます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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