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ECサイトに載せる商品画像を掲載の前に点検し、背景・サイズ・写り込み・登録したカラーとの食い違いを拾って、撮り直しの依頼を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

ECサイトに載せる商品画像を、掲載の前に1枚ずつ点検します。サイズは機械で、背景・写り込み・文字の量・枠線・登録したカラーとの食い違いは画像から判定し、撮り直しが要るものを依頼の一覧にします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
EC/商社/小売/製造
対象部門
マーケティング/営業
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
画像認識
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. スタジオと倉庫の担当が、撮った画像を受け取り用のフォルダに置く
  2. 商品登録の担当が、フォルダを開いて1枚ずつ画像を見る
  3. 画像のサイズを、画像のプロパティで確かめる
  4. 背景・写り込み・ほこり・タグの出方を目で見る
  5. 商品マスタのカラーの名前と、画像の色を見比べる
  6. 問題のある画像を、表に書き出し、撮影の側にメールで撮り直しを頼む
  7. 問題の無い画像を、商品登録の画面からモールと自社サイトに載せる
導入後(After)
  1. 人スタジオと倉庫の担当が、決まったファイル名(SKUのコードと画像の種類)で受け取り用のフォルダに置く
  2. 自動ファイルの追加をきっかけにワークフローが動き、ファイル名からSKUと画像の種類を取り出す
  3. 自動ファイルの情報から幅と高さを取り、規則で縦横の比と最小のサイズを判定する
  4. 自動商品マスタから、そのSKUのカラーの名前と承認済みの色見本の画像を引く
  5. 自動生成AIが、画像と色見本を見て、背景・写り込み・文字の量・枠線・色の一致を項目ごとに判定する
  6. 自動項目ごとの結果から、`pass`/`retake`/`needs_human` を規則で決める
  7. 自動`retake` の画像について、撮り直しの依頼の文を作り、撮影の側ごとの一覧にまとめる
  8. 人商品登録の担当が、`retake` と `needs_human` の画像だけを開いて確かめる
  9. 人撮り直しの依頼を撮影の側へ送る
  10. 【人/自動】 `pass` の画像を、掲載の待ちのフォルダへ移し、商品登録に回す
各工程の詳しい説明を読む
  1. スタジオと倉庫の担当が、撮った画像を受け取り用のフォルダに置く
  2. 商品登録の担当が、フォルダを開いて1枚ずつ画像を見る
  3. 画像のサイズを、画像のプロパティで確かめる
  4. 背景・写り込み・ほこり・タグの出方を目で見る
  5. 商品マスタのカラーの名前と、画像の色を見比べる
  6. 問題のある画像を、表に書き出し、撮影の側にメールで撮り直しを頼む
  7. 問題の無い画像を、商品登録の画面からモールと自社サイトに載せる

(a)枚数に目視が追いつかない。 月1,200枚を3名で見ると、1枚3分でも月60時間です。新作の多い週は、4番目と5番目を流して載せることになります。

(b)カラーの取り違えが掲載の後に見つかる。 ネイビーのSKUにブラックの画像を付けてしまうと、届いた商品の色が違うという問い合わせと返品になります。 画像だけを見て気づくのは難しく、商品マスタの色見本と並べて見ていないことが原因です。

(c)見る基準が担当者で違う。 背景の薄いグレーを許す担当と、撮り直しを頼む担当がいます。撮影の側からは、同じような画像で通ったり戻されたりするように見えます。

(d)撮り直しの依頼の書き方がばらばら。 「背景を直してください」とだけ書かれた依頼では、撮影の側がどの画像のどこを直すのかを聞き返します。 依頼と聞き返しの往復のあいだ、その商品の掲載は止まったままです。

(e)モールのガイドラインの見落としが後から分かる。 第1商品画像に入れた「送料無料」の文字が大きすぎる、細い枠線が付いている、といった画像は、掲載した後にモールからの指摘や検索の表示で気づきます。 載せ直しの手間が、点検の手間に上乗せされます。

  1. 【人】 スタジオと倉庫の担当が、決まったファイル名(SKUのコードと画像の種類)で受け取り用のフォルダに置く
  2. 【自動】 ファイルの追加をきっかけにワークフローが動き、ファイル名からSKUと画像の種類を取り出す
  3. 【自動】 ファイルの情報から幅と高さを取り、規則で縦横の比と最小のサイズを判定する
  4. 【自動】 商品マスタから、そのSKUのカラーの名前と承認済みの色見本の画像を引く
  5. 【自動】 生成AIが、画像と色見本を見て、背景・写り込み・文字の量・枠線・色の一致を項目ごとに判定する
  6. 【自動】 項目ごとの結果から、pass/retake/needs_human を規則で決める
  7. 【自動】 retake の画像について、撮り直しの依頼の文を作り、撮影の側ごとの一覧にまとめる
  8. 【人】 商品登録の担当が、retake と needs_human の画像だけを開いて確かめる
  9. 【人】 撮り直しの依頼を撮影の側へ送る
  10. 【人/自動】 pass の画像を、掲載の待ちのフォルダへ移し、商品登録に回す

8番目が、この設計の分かれ目です。 人が全件を見るのではなく、問題ありと出たものと、判断がつかなかったものだけを見ます。 pass の画像は、掲載の待ちのフォルダでまとめて流し見ます。

6番目を規則で決めているのも、意図してのことです。 どの項目の不備で撮り直しにするかは、モールと自社サイトで違い、ガイドラインが変われば規則を直すだけで済むようにしておきます。

02今回想定するシステム構成

構成図
撮影の側(スタジオ/倉庫)── 決まったファイル名で保存
   ▼【トリガー】受け取り用のフォルダ(Google ドライブ)への追加
Make
   ├──▶ Drive API ── 幅・高さ・回転の情報(imageMediaMetadata)
   ├──▶ 規則 ── 縦横の比、最小のサイズ
   ├──▶ 商品マスタ ── SKUのカラーの名前、承認済みの色見本の画像
   ▼
Gemini API(Make の Google Gemini AI アプリ「Make an API call」、JSONのスキーマ指定)
   │   背景/写り込み/文字の量/枠線/色見本との一致
   ▼
Make ── pass/retake/needs_human を規則で決める
   ├──▶ 撮り直しの依頼の一覧(撮影の側ごと)
   └──▶ 掲載の待ちのフォルダ
   ▼
【商品登録の担当が retake と needs_human だけを確かめる】
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(フォルダの監視と、判定の呼び出しと規則の分岐)Power Automate、Zapier、n8n
生成AIGemini API(Make の Google Gemini AI アプリから呼ぶ)OpenAI API、Claude API
連携Google Drive API(画像の幅・高さ・回転の取得)画像の受け取り先のストレージのAPI
保管点検の記録(データベースの表)スプレッドシート
通知社内チャット(担当への一覧)とメール(撮影の側への依頼)Slack

モールの管理画面と商品登録の仕組みには書き込みません。 掲載するのは、これまでどおり人が商品登録の画面で行います。この構成が出すのは、点検の結果と、撮り直しの依頼の文までです。最初の準備は、ファイル名の決まりと、商品マスタの色見本の画像をそろえることです。

幅と高さは、Google Drive API の files の imageMediaMetadata から取ります。 画像の幅と高さをピクセルで返す欄で、回転の情報(rotation、元の向きから時計回りに90度ずつ回した回数)もあります。ドライブが画像に付けている情報なので、画像のAIに数えさせるより確実です。 あわせて md5Checksum で、同じ画像が二度置かれたことを見分けます。

生成AIは、Make の Google Gemini AI アプリから呼びます。 アプリには「Generate a response」「Extract structured data」「Upload a file」「Make an API call」などのモジュールがあります。応答をJSONのスキーマで受け取る設定と、色見本と並べた2枚の画像を1回で渡すために、Gemini API を直接呼ぶ「Make an API call」を使う構成を想定します。

Gemini API の画像の入力は、PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF です。 画像を直接リクエストに入れる場合、テキストの指示と画像を合わせたリクエストの大きさは20MBまでです。大きな画像や、同じ画像を何度も使う場合は Files API でアップロードする方法が勧められています。色見本の画像は、同じものを何度も使うので Files API に置きます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

受け取り用のフォルダに画像が追加されたことを起点にします。 撮影の側は1日の終わりにまとめて置くことが多いので、翌朝には全部の点検が終わっている状態を目指します。

ファイル名の決まりを最初に守ってもらいます。 SKUのコード_画像の種類_連番.jpg(例:TS1024-NV_main_01.jpg)のように、SKUと画像の種類(main:第1商品画像、sku:SKUの画像、detail:細部)がファイル名から分かる形にします。決まりに合わないファイル名は、点検に進めずに撮影の側へ戻します。ファイル名からSKUが決まらないと、色見本を引けないからです。

処理の済んだ画像は、結果ごとのフォルダへ移します。 pass は掲載の待ち、retake は撮り直しの待ち、needs_human は確認の待ちです。受け取り用のフォルダに残っている数が、そのまま未処理の数になります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
商品画像画像のファイル、ファイル名、置かれた日時、置いた撮影の側受け取り用のフォルダ
画像の情報幅、高さ、回転、MD5のチェックサムGoogle Drive API の files
商品マスタSKU、商品名、カラーの名前、素材、承認済みの色見本の画像商品マスタ
画像の規則画像の種類ごとの最小のサイズ、縦横の比、背景の決まり、文字の量の上限、枠線の可否EC運営の担当が作る表
過去の点検の記録同じ商品・同じ撮影の側の、前回の撮り直しの理由この構成の保管

質を決めるのは、承認済みの色見本の画像です。 色見本は、商品の企画の段階で承認した色の生地や現物を、決まった照明で撮った画像です。これが無いと、カラーの判定は「ネイビーに見えるか」という名前の話になり、照明の違いで揺れます。

画像の規則は、モールと自社サイトで別の行にします。 楽天市場の第1商品画像とSKUの画像には、テキストの占有率20%以下、枠線なし、背景は単色の白か写真の背景、という基本のルールがあり、正方形で700×700ピクセル以上が推奨されています。自社サイトの決まりはこれと違うことがあるので、載せる先ごとに判定を分けます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
画像のファイルフォルダの監視で受けたファイル生成AIに渡す
幅・高さ・回転・チェックサムDrive API の files(imageMediaMetadata、md5Checksum)サイズと比の判定、重複の検知
カラーの名前と色見本商品マスタをSKUで引く色の一致の判定
画像の規則表の読み取り載せる先ごとの判定の基準

サイズの判定は、取得した数値の比較だけで済みます。 第1商品画像なら「幅と高さが同じ」「どちらも700ピクセル以上」のように、規則の表の値と比べるだけです。 生成AIには渡しません。

色見本は Files API に一度アップロードし、商品マスタに置いた場所を記録しておきます。 同じ色の商品画像を点検するたびに色見本を送り直す必要がなくなり、リクエストの大きさも商品画像の分だけで済みます。

回転の情報が0でない画像は、先に人へ回します。 撮影の機材によっては、画像の向きの情報だけが回転していて、表示の仕方で縦横が入れ替わることがあります。Gemini に渡す前に向きをそろえないと、縦長の画像を横長として判定します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. ファイル名の確認 … 決まりに合わなければ撮影の側へ戻します
  2. 形式の確認 … PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF のいずれかであることを確かめます
  3. 重複の検知 … 同じチェックサムの画像がすでにあれば、二重に点検しません
  4. サイズと比の判定 … 規則の表の値と比べ、size_ok を付けます
  5. 向きの確認 … 回転の情報が0でなければ needs_human にします
  6. 大きさの確認 … 画像と指示を合わせて20MBを超えるものは、縮小した点検用の画像を作るか、Files API で渡します
  7. 色見本の確認 … そのSKUの色見本が商品マスタに無ければ、色の判定だけを no_reference にします

4番目で size_ok が false の画像も、5番目以降に進めます。 サイズが足りない画像は撮り直しになりますが、同じ撮り直しで背景や写り込みも直してもらうために、全部の項目を一度に見ます。撮り直しを2回頼むことを避けます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、画像から数値にできない6つの項目を判定し、根拠を短い文で書くことです。

見るもの判定の仕方判断できないときの扱い
背景単色の白か、写真の背景か。影・グラデーション・グレーがかり・床の継ぎ目が見えるか白かどうか迷えば unsure
写り込み手、ハンガー、値札・タグ、別の商品、撮影の機材、ほこり・糸くず小さすぎて決められなければ unsure
文字の量画像の中の文字の要素が、画像全体のおよそどのくらいを占めるか文字があるかどうかだけを先に答える
枠線画像の4辺を囲う線、L字の線、帯背景の端の影と区別できなければ unsure
色見本との一致商品の色が、色見本と同じ色に見えるか照明で決められなければ unsure
商品の写り商品が切れていないか、ピントが合っているか、商品が画像の中で小さすぎないか決められなければ unsure

右端の列の unsure が、この構成でいちばん大事な逃げ道です。 迷った画像を ok に寄せると見逃しになり、ng に寄せると撮影の側への空振りの依頼になります。迷ったものは人へ回すと決めておけば、AIはどちらにも寄せずに済みます。

文字の量は、目安の値として受け取ります。 20%のような上限の判定には、Gemini の物の検出で文字の領域の囲みの座標(0〜1000に正規化された値)を返させる方法もありますが、囲みの面積は文字の要素の占有の数え方と一致するとは限りません。 上限に近い画像は人へ回します。

させないこと理由
サイズ・縦横の比の判定ファイルの情報から正確に取れる。AIに数えさせない
掲載するかの結論規則で決め、迷ったものは人が決める
色の名前を付け直すこと商品マスタの色は企画が決めたもの。画像に合わせて直さない
画像の加工・修正背景を消す、色を補正する、は撮影の側の仕事
ガイドラインの解釈規則の表に書いたことだけで判定する

3行目は、とくに守らせます。 画像と色見本が違うとき、誤っているのは画像のほうか、SKUへの割り当てのほうかのどちらかで、商品マスタの色を画像に合わせて変えることはありません。

Step6

指示内容を固定する

あなたはEC事業者の商品登録の担当で、掲載の前の商品画像を点検しています。
1枚目が点検する商品画像、2枚目が承認済みの色見本です。
画像に見えることだけで判定してください。推測で埋めないでください。

【点検する項目】
1. background ..... 背景が単色の白か、写真の背景か。影・グラデーション・グレーがかり・床の継ぎ目
2. intrusion ...... 手、ハンガー、値札・タグ、別の商品、撮影の機材、ほこり・糸くず の写り込み
3. text ........... 画像の中の文字の要素の有無と、画像全体に対するおよその割合
4. border ......... 画像の4辺を囲う線、L字の線、帯
5. color_match .... 商品の色が、2枚目の色見本と同じ色に見えるか
6. product_framing  商品が切れていないか、ピント、商品が小さすぎないか

【status の選び方】
- ok ...... 問題が見えない
- ng ...... 問題が見える。どこに何が見えるかを finding に書く
- unsure .. 画像だけでは決められない
迷ったときに ok を選ばないでください。

【厳守事項】
- 画像のサイズや縦横の比は判定しないでください。
- color_match は、色の名前ではなく、2枚目の色見本と比べて判定してください。
  登録されたカラーの名前「{color_name}」は参考です。名前に合わせて判定を寄せないでください。
- 照明や影で色が決められないときは unsure にしてください。
- finding には、画像のどこに(右下、商品の左袖、背景の上端など)何が見えるかを書いてください。
- 掲載してよいか、規約に合うかの結論は書かないでください。
- 撮影の側への依頼の文は、ng の項目について、直す場所と直し方を1文ずつで書いてください。

【SKU】{sku_code} 【商品名】{product_name} 【画像の種類】{image_type}
【この載せる先の決まり】{rules}

「名前に合わせて判定を寄せない」を明記しないと、名前のほうを答えます。 「ネイビー」と渡すと、黒に近い画像でも「ネイビーに見えます」と書きがちです。比べる相手を、名前ではなく色見本の画像に固定します。

finding に場所を書かせるのは、撮り直しの依頼の質のためです。 「写り込みがあります」ではなく「右下にタグが写っています」と書けば、撮影の側は聞き返さずに直せます。

Step7

出力形式を固定する

応答をJSONに指定し、スキーマを渡して、次の形で受け取ります。

{
  "file_name": "TS1024-NV_main_01.jpg",
  "sku": "TS1024-NV",
  "image_type": "main",
  "checks": [
    { "item": "background", "status": "ng",
      "finding": "背景の下側に床との継ぎ目の影が見える" },
    { "item": "color_match", "status": "unsure",
      "finding": "色見本より暗く見えるが、照明の差か色の違いか決められない" }
  ],
  "retake_note": "背景の下側の影が出ないよう、床との継ぎ目を外して撮影してください。"
}

checks には6項目を並べ、item は background/intrusion/text/border/color_match/product_framing です。

1つ目の理由は、status を列挙の値に限れることです。 Gemini の構造化出力は JSON Schema の一部に対応し、enum で ok/ng/unsure に限れます。 ただし公式でも、構文として正しいJSONでも、値が正しいとは限らないので、アプリの側で値を確かめるようにとされています。受け取った後、6項目がそろっているか、ng に finding があるかを確かめます。

2つ目は、AIの判定と掲載の判断を分けられることです。 ワークフローは次の規則で結果を決めます。

結果条件
passsize_ok が true で、6項目がすべて ok
retakesize_ok が false、または ng が1つ以上で unsure が無い
needs_humanunsure が1つ以上、no_reference、向きの情報が0でない

ng と unsure が混ざる画像は needs_human にします。 撮り直しを頼む前に、unsure の項目も人が見て、一度の依頼で全部を直してもらうためです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
受け取り用のフォルダMake のトリガー画像の追加を検知する
Google Drive APIfiles の取得幅・高さ・回転・チェックサム
商品マスタ表の読み取りカラーの名前と色見本の画像
Gemini APIGoogle Gemini AI アプリの「Make an API call」6項目の判定
点検の記録データベースの表結果と人の判断を残す
社内チャット・メール投稿と送信の下書き担当への一覧と、撮影の側への依頼

撮り直しの依頼は、撮影の側ごとに1日1通にまとめます。 画像1枚ごとに送ると、撮影の側は依頼の山に埋もれます。ファイル名と retake_note を並べた一覧にし、担当者が確かめてから送ります。

件名:【撮り直しのお願い】10月6日受け取り分(スタジオA)4件

| ファイル名 | 直す項目 | 直す場所と直し方 |
|:--|:--|:--|
| TS1024-NV_main_01.jpg | 背景 | 下側の床との継ぎ目の影が出ないよう撮影してください |
| TS1024-NV_sku_01.jpg | 写り込み | 右袖の内側に値札のタグが見えます。外して撮影してください |
| BG0310-BE_main_01.jpg | サイズ | 正方形・700×700ピクセル以上でお願いします(届いたもの:1200×900) |
| BG0310-BE_detail_02.jpg | 商品の写り | 持ち手の上端が切れています。全体が入るよう撮影してください |

撮り直した画像は、同じファイル名で受け取り用のフォルダに置いてください。

サイズの行だけは、届いた画像の実際の幅と高さを添えます。 数値はファイルの情報から取ったものなので、撮影の側が書き出しの設定を直すときの手がかりになります。依頼の文の型は差し込みで作り、表の行の中身だけがAIの retake_note です。

Step9

人が確認する

人が開くのは retake と needs_human の画像だけです。 pass の画像は、掲載の待ちのフォルダのサムネイルの一覧で流し見ます。

  1. needs_human を先に見る … とくに color_match が unsure のものは、現物か色見本の生地と見比べます
  2. retake の根拠を確かめる … finding の場所を画像で見て、本当に直す必要があるかを決めます
  3. 依頼の一覧を送る … retake_note を直す必要があれば直し、撮影の側へ送ります
  4. 判定を覆したら記録する … どの項目を、どちらに変えたかを残します

1番目で現物を見るのは、色の判定だけは画像の中で決着がつかないことがあるからです。 画像と色見本が違って見えるとき、撮影の照明の問題か、割り当ての誤りかは、現物を見ないと分かりません。

撮り直して届いた画像は、前回の理由と並べて見ます。 点検の記録から前回の finding を引き、前回の理由が直っているかを最初に確かめます。 直っていないまま別の項目で pass になった画像を、見落とさないためです。

Step10

例外に対処する

起きること対応
ファイル名が決まりに合わない点検に進めず、撮影の側へ戻す
色見本が商品マスタに無い色の判定だけ no_reference にして人へ。色見本の登録を企画へ頼む
向きの情報が0でないneeds_human。向きをそろえて置き直してもらう
画像と指示が20MBを超える点検用に縮小した画像を作るか、Files API で渡す
同じ画像が二度置かれるチェックサムで見分け、二重に点検しない
生成AIの応答の値が欠ける6項目がそろわなければ needs_human
生成AIが応答しない受け取り用のフォルダに残し、次の回で処理する
撮り直しの画像が届く同じファイル名の新しい版として点検し、前回の理由が直ったかを見る

上から2行目が最初の月に多く出ます。 色見本の画像がそろっていない商品は多く、ここが埋まるまでは色の判定が人に回り続けます。 新商品の企画の段階で色見本を撮る流れを決めておくと、この行は減っていきます。

Step11

記録を残す

  • 画像のファイル名、置かれた日時、撮影の側、チェックサム
  • 幅・高さ・回転と、size_ok の判定
  • 生成AIの判定の結果(JSONの全文)と、使った色見本の画像
  • 規則で決めた結果と、そのときの画像の規則の表の版
  • 人が判定を覆した記録(項目と変えた向き)
  • 撮影の側ごとの撮り直しの件数と理由

最後の行は、撮影の側との打ち合わせの材料になります。 同じ理由の撮り直しが同じ撮影の側に続くなら、撮影の手順の見直しを頼むほうが、1枚ずつ戻すより早く終わります。

04実装レベルの3段階

最小構成:商品画像と色見本を手で生成AIに貼り、6項目を判定させる / 1枚ごとの点検
半自動化:上記+フォルダの追加を起点に、サイズの判定と6項目の判定を自動で行い、一覧に書き出す / サイズと画像の点検の一覧化
本格構成:上記+規則で結果を決め、結果ごとのフォルダへ移し、撮影の側ごとの撮り直しの依頼をまとめる / 点検の全体と、撮り直しの依頼の準備

最小構成では枚数がさばけません。 1枚ずつ貼り付けるので、判定が当時の担当者の目と合うかを確かめるための段階です。 半自動化で、サイズの確かめと目視の大半が手を離れます。 一覧を見て撮り直しの依頼を書く作業が残ります。本格構成で依頼の一覧まで出て、この段階が本記事の想定です。 背景の白さを数値で確かめたい場合は、画像の四隅の色の値を画像処理で測る段を足す構成も考えられます。 ただし、ノーコードの範囲を超えるので、まずは画像のAIの判定と人の確認で始めます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
1,200 件
1件あたり現在時間
3 分
1件あたり導入後時間
1 分
現在  1,200件 × 3分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 1,200件 × 1分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価3,000円)
144万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 衣料・雑貨・家具など、1つの商品に色やサイズの違いが多く、毎月数百から千を超える商品画像を自社サイトとモールに載せているEC事業者。撮影を外部のスタジオや倉庫の撮影の担当に任せ、届いた画像の点検が商品登録の担当の目視になっている場合。モールの画像のガイドラインに合わない画像や、カラーの取り違えで問い合わせや返品が出ている場合。商品マスタにSKUごとのカラーの名前を持っている場合。
向いていない
  1. 商品の数が少なく、月に数十枚の画像を目で見れば足りる場合。画像をメーカーから受け取ってそのまま載せており、撮り直しを頼む先が無い場合。色の再現の正確さそのもの(モニターの色合わせ、色差の数値の管理)が目的の場合。なお、モールの規約に合うかの最終的な判断と、掲載するかどうかの決定は、この構成では代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の商品画像から40枚を選ぶ(うち数枚は、掲載の後に撮り直した画像と、カラーを取り違えた画像を入れる)
  2. その40枚について、当時の点検で何を見て、どれを撮り直したかを書き出す
  3. 手元の生成AIのサービスに、商品画像と色見本の画像を1組ずつ貼り付ける
  4. 「1枚目の商品画像について、背景・写り込み・文字・枠線・色見本との一致・商品の写り を、問題なし/問題あり/決められない で判定し、問題のある場所を書いてください。色は2枚目と比べてください。決められないときは決められないと答えてください」と指示する
  5. 出てきた判定を、当時の点検の結果と突き合わせる

40枚は必ずやってください。 ワークフローを組む前に、「画像を見て、当時の担当者と同じ所に気づけるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の撮り直しの理由が同じ場所で出たフォルダの監視と規則の表に進む
色を名前に寄せて判定した指示の書き方で直る。構成は有効
色見本が無く、色の判定ができない画像が多い色見本の整備が先。 AIの問題ではない

3行目が出ても、背景と写り込みの判定だけで先に始められます。 色の判定は、色見本がそろった商品から順に足していきます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
サイズを画像のAIに判定させるファイルの情報から取る。 AIには渡さない
色を名前に寄せて判定する色見本の画像と比べさせる
迷った画像が ok になるunsure を用意し、迷ったら人へと明記する
撮り直しの依頼が抽象的finding に場所を書かせる
向きの情報で縦横が入れ替わる回転の情報が0でない画像を先に人へ
ファイル名からSKUが決まらないファイル名の決まりを守ってもらい、合わないものは戻す
自社サイトとモールの決まりを混ぜる載せる先ごとに規則の行を分ける
文字の量を厳密に測ろうとする目安として受け取り、上限に近いものは人へ
同じ画像を二度点検するチェックサムで見分ける
撮り直しを2回頼むng と unsure が混ざるものは人が見て、一度に頼む
撮り直しの画像で前回の理由が直っていない前回の finding と並べて確かめる
色見本が古い照明で撮られている色見本の撮影の条件(照明・背景)を決め、撮り直す
季節の新作の月に処理が追いつかない受け取り用のフォルダを撮影の側ごとに分け、順に処理する

上の3行が、点検の信頼を決めます。 どれも「AIに決めさせてはいけないことを決めさせる」誤りです。数値は機械で、見比べは見本で、迷いは人で、と分けておけば、点検の結果に担当者が頼れるようになります。

色見本の質も、同じくらい効きます。 色見本そのものが撮影の条件のばらついた画像だと、比べる相手が揺れるので、色の判定が unsure ばかりになります。 色見本の撮り方を決めることは、画像の点検より先にやる価値があります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 発売前の商品の画像、色見本、商品マスタの商品名とカラーです。発売前の商品の画像は、社外に出せない情報です。

  1. 利用する生成AIのサービスで、入力した画像がどう扱われるかを契約の条件で確かめる … 発売前の新作の画像を渡すためです
  2. Files API に置いた色見本の扱いを決める … 何度も使う色見本を置く場合、いつ消すか、誰が置けるかを決めておきます
  3. 受け取り用のフォルダの権限を絞る … 撮影の側には置く権限だけを、商品登録の担当には読み書きの権限を分けて付けます
  4. 掲載の判断を自動にしない … pass の画像も、人が掲載の操作をしてから公開されます
  5. モデルが写っている画像の扱い … 着用の画像の場合、モデルとの契約で決めた使い方の範囲で、点検のためにAIに渡してよいかを確かめます

誤りが起きた場合のリスクは、問題のある画像を載せることと、問題の無い画像の撮り直しを頼むことの2つです。 前者は unsure を ok に寄せると起き、後者は unsure を ng に寄せると起きます。どちらも unsure を人へ回すことで守ります。

10まず何から始めるか

1週目:ファイル名の決まりを決める

撮影の側と、SKUのコードと画像の種類が分かるファイル名の決まりを決めます。受け取り用のフォルダを、撮影の側ごとに分けます。

2週目:40枚で試す

先月の画像から40枚を選び、手元の生成AIに商品画像と色見本を貼って6項目を判定させます。色を名前に寄せていないか、迷ったものを ok にしていないかを最優先で見ます。

3週目:画像の規則の表と色見本をそろえる

載せる先ごとの、最小のサイズ、縦横の比、背景の決まり、文字の量、枠線の可否を表にします。 今月の新商品から、承認済みの色見本の画像を商品マスタに登録します。

4週目:フォルダの監視から判定の一覧までをつなぐ

Make でフォルダの追加を受け、幅と高さの取得、6項目の判定、一覧への書き出しまでを作ります。この時点では結果のフォルダへ移さず、一覧だけを見ます。

2か月目: 規則で結果を決め、結果ごとのフォルダへ移します。撮影の側ごとの撮り直しの依頼をまとめます。3か月目以降: 人が判定を覆した記録を見て指示と規則を直し、1枚3分が何分になったかを実測します。撮影の側ごとの撮り直しの理由を毎月共有し、撮影の手順の見直しにつながった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Google Gemini AI アプリに「Generate a response」「Upload a file」「Extract structured data」「Make an API call」などのモジュールがあることMake Apps Documentation: Google Gemini AI2026-10-06
画像の入力の形式(PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF)。画像を直接入れる場合、指示と画像を合わせたリクエストが20MBまでであること。大きなファイルや繰り返し使う画像は Files API が勧められること。画像が768×768ピクセルのタイルに分けて数えられること。物の検出の囲みの座標が0〜1000に正規化されることGemini API Docs: Image understanding2026-10-06
構造化出力が JSON Schema の一部(enum など)に対応すること。構文として正しいJSONでも値をアプリの側で確かめるようにとされていることGemini API Docs: Structured outputs2026-10-06
files の imageMediaMetadata に、画像の幅・高さ(ピクセル)、回転(元の向きから時計回りに90度ずつ回した回数)があること。md5Checksum があることGoogle Drive API: REST Resource files2026-10-06
楽天市場の商品画像登録ガイドラインの基本のルール(テキスト要素の占有率20%以下、枠線なし、背景は単色の白か写真の背景、アニメーションGIFは不可)。対象が第1商品画像とSKUの画像であること。正方形で700×700ピクセル以上が推奨されることRMS Service Square: 「商品画像登録ガイドライン」徹底対応2026-10-06

各モールの画像のガイドラインの最新の内容と、違反したときの扱いは、出店しているモールの店舗向けの案内で確認してください。 本記事は上記の公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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