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長期インターンの大学生が書く日報を週ごとに要約し、取り組み・つまずき・評価の手がかりを、受け入れ部署には毎週、採用担当には使ってよい範囲でだけ渡す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

長期インターンの大学生が毎日書く日報を週ごとに要約し、取り組み・解けていないつまずき・観察の記録を受け入れ部署のメンターに渡します。採用担当には、学生情報を採用に使ってよいと整理できた学生の分だけを渡します。

サマリー
生成AI
Azure OpenAI Service/ChatGPT/Claude
対象業界
IT・SaaS/人材/広告
対象部門
人事/採用
対象業務
要約/記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/引き継ぎができていない/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
要約
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
50h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
70%
年間削減
420h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 学生が勤務の日ごとに日報のフォームに書く
  2. メンターが週の終わりに、担当の学生の1週間分の日報を開いて読む
  3. 困ったことの欄から、解けていないものを探し、次の週の1on1で聞くことをメモする
  4. 週の振り返りのコメントを書き、学生に返す
  5. 月に1回、採用担当がメンターに学生ごとの様子を聞き、記録を書く
  6. 採用担当が、プログラムの終わりに学生へのフィードバックの文をメンターと作る
導入後(After)
  1. 人学生が勤務の日ごとに、これまでどおり日報のフォームに書く
  2. 自動毎週金曜の夕方に、連携のプログラムが学生ごとの1週間分の日報と、前の週の要約の「未解決」を集める
  3. 自動学生のプログラムの区分から、採用担当向けの記録を作ってよいかを判定する
  4. 自動Azure OpenAI が、取り組み・未解決のつまずき・次に確かめたいこと・観察の記録を、日報の文を引いて要約する
  5. 自動引いた文が日報にそのまま含まれるかを、プログラムで確かめる
  6. 自動メンター向けの要約を Teams でメンターに届ける
  7. 人メンターが要約を読み、未解決のつまずきを月曜の1on1で確かめ、振り返りのコメントを学生に返す
  8. 自動採用担当向けの記録を作ってよい学生についてだけ、観察の記録を採用担当の一覧に入れる
  9. 人採用担当が月に1回、一覧をもとにメンターと話し、記録を確定する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 学生が勤務の日ごとに日報のフォームに書く
  2. メンターが週の終わりに、担当の学生の1週間分の日報を開いて読む
  3. 困ったことの欄から、解けていないものを探し、次の週の1on1で聞くことをメモする
  4. 週の振り返りのコメントを書き、学生に返す
  5. 月に1回、採用担当がメンターに学生ごとの様子を聞き、記録を書く
  6. 採用担当が、プログラムの終わりに学生へのフィードバックの文をメンターと作る

(a)つまずきが週をまたいで消える。 月曜に「APIの認証の仕組みが分からない」と書いた学生が、火曜からは別の作業の話を書く。解けたのか、聞けずに別の作業に移ったのかは、日報からは分かりません。 メンターが金曜にまとめて読むと、月曜の1行は他の4日分の記載に埋もれます。

(b)メンターの交代で引き継がれない。 メンターの異動や長期の休みで担当が替わると、前のメンターが把握していた学生の課題が、新しいメンターに伝わりません。 新しいメンターは、過去の日報を数十日分さかのぼって読むことになります。

(c)採用担当への報告が、人と時期によって違う。 月1回の聞き取りは、メンターがその場で思い出した印象が中心です。「よく頑張っている」と「〇月〇日にこれを自分で解決した」では、後で使える情報の重さが違います。 日報という記録があるのに、報告が記録に基づいていません。

(d)学生情報を使ってよい範囲が、現場で意識されていない。 メンターは、日報に書かれた学生の様子を採用担当に渡すことに、時期や条件の制約があることを知らないことがあります。採用担当の側で整理していても、聞き取りの場で話が出てしまえば記録に残ります。

  1. 【人】 学生が勤務の日ごとに、これまでどおり日報のフォームに書く
  2. 【自動】 毎週金曜の夕方に、連携のプログラムが学生ごとの1週間分の日報と、前の週の要約の「未解決」を集める
  3. 【自動】 学生のプログラムの区分から、採用担当向けの記録を作ってよいかを判定する
  4. 【自動】 Azure OpenAI が、取り組み・未解決のつまずき・次に確かめたいこと・観察の記録を、日報の文を引いて要約する
  5. 【自動】 引いた文が日報にそのまま含まれるかを、プログラムで確かめる
  6. 【自動】 メンター向けの要約を Teams でメンターに届ける
  7. 【人】 メンターが要約を読み、未解決のつまずきを月曜の1on1で確かめ、振り返りのコメントを学生に返す
  8. 【自動】 採用担当向けの記録を作ってよい学生についてだけ、観察の記録を採用担当の一覧に入れる
  9. 【人】 採用担当が月に1回、一覧をもとにメンターと話し、記録を確定する

3番目が、この設計の分かれ目です。 採用担当向けの記録を作ってよいかは、AIではなく、採用担当が学生ごとに入力した区分で決まります。 区分が入っていない学生は、作ってよいと扱いません。

7番目は省けません。 要約は、メンターが日報を読む時間を減らすためのもので、学生に返す振り返りの文は、メンターが自分の言葉で書きます。 AIの要約をそのまま学生に返すと、学生は「誰も読んでいない」と受け取ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
日報のフォーム(回答は SharePoint のリスト)
   │
   ▼【トリガー】毎週金曜 17時(タイマー)
Azure Functions
   ├──▶ 学生ごとの1週間分の日報と、前の週の「未解決」を集める
   ├──▶ プログラムの区分から、採用担当向けの記録を作ってよいかを判定(設定)
   └──▶ 体調・学業の事情など、要約に入れない記載に印を付ける
   ▼
Azure OpenAI(Microsoft Foundry)
   │   ① 取り組んだこと   ② 未解決のつまずき(前の週からの持ち越しを含む)
   │   ③ 次の週に確かめたいこと   ④ 観察の記録(日付と日報の文の引用)
   ▼
Azure Functions ── 引用の照合、メンター向け/採用担当向けの振り分け
   ├──▶ メンターへ(Teams)
   └──▶ 採用担当の一覧へ(作ってよい学生だけ)
   ▼
【メンターが1on1と振り返りに使い、採用担当が月1回確定】
役割想定する製品代替候補
生成AIAzure OpenAI(Microsoft Foundry)Claude API、OpenAI API
連携Azure Functions(日報の取得、区分の判定、引用の照合、振り分け)Azure Logic Apps
通知Microsoft Teams(メンターへの要約)メール
保管SharePoint(日報のリスト、要約、採用担当の一覧、入出力の控え)社内のファイルサーバー

日報のフォームと採用管理のシステムは、新しく足すものではありません。 この構成は日報を読むだけで、学生の日報を書き換えません。 採用管理のシステムにも書き込まず、採用担当の一覧は採用担当が確かめてから、必要な分だけ手で移します。

生成AIを Azure OpenAI にするのは、学生の日報を社内の取り決めに乗せて扱うためです。 公式のページでは、プロンプトと出力は他のお客様に提供されず、OpenAI にも提供されず、モデルやサービスの改善に使われないとされています。日報には、学生の氏名、大学、つまずき、ときに体調や学業の事情が書かれます。

採用担当に渡す範囲の土台は、3省の「基本的考え方」です。 令和4年6月13日の一部改正では、取組を4つの類型に整理し、タイプ3とタイプ4をインターンシップとしたうえで、企業が取得した学生情報の広報活動・採用選考活動での取扱いを、取組の実施の時期と種類で分けています。 要件を満たすタイプ3のインターンシップに限り、取得した学生情報を3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使えるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週金曜の17時に、タイマーで動かします。 日報は毎日届きますが、要約は1週間分をまとめて作ります。1日ごとに要約すると、月曜のつまずきが火曜に解けたかどうかを、同じ要約の中で確かめられません。

金曜の17時にしているのは、メンターが週末の前に読み、月曜の1on1に間に合わせるためです。 金曜に勤務の無い学生は、その週の最後の勤務日までの日報で作ります。

もう1つの起点は、メンターの交代です。 採用担当がメンターを付け替えたときに、その学生の配属からの「未解決」の履歴と直近4週の要約を、新しいメンターに1回だけ届けます。 過去の日報を数十日分さかのぼって読む代わりです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
1週間分の日報日付、今日やったこと、うまくいったこと、困ったこと、明日やることSharePoint のリスト
前の週の「未解決」つまずきの内容と、最初に書かれた日付前の週の要約
学生の情報学生ID、配属の部署、メンター、受け入れの期間受け入れの名簿
プログラムの区分採用担当向けの記録を作ってよいか、その根拠の区分、作ってよい期間採用担当が入力する設定
配属の目標部署がその学生に任せる仕事と、受け入れの時に決めた目標受け入れの名簿

質を決めるのは、いちばん下の配属の目標です。 目標が無いと、要約は日報の「今日やったこと」を並べ直すだけになります。目標があれば、「目標のうち、今週どれに取り組んだか」と書けます。

前の週の「未解決」を入れるのは、つまずきを週で区切らないためです。 先週の金曜に未解決だったものが、今週の日報で解けたと書かれていれば「解決」、何も書かれていなければ「2週続けて記載なし」として先頭に出します。

学生IDで渡し、氏名と大学名はAIに渡しません。 要約に氏名は要りません。メンターへ届けるときに、プログラムの側で学生IDを氏名に戻します。

Step3

データの取得方法を決める

日報は、フォームの回答が保存される SharePoint のリストから、Microsoft Graph の API で読む構成を想定します。

取るものどこから何に使うか
その週の日報SharePoint のリスト(学生IDと日付で絞る)要約の入力
前の週の未解決前の週の要約(SharePoint)持ち越しの確認
配属の目標・メンター受け入れの名簿要約の入力、届け先
プログラムの区分採用担当の設定のリスト採用担当向けの記録の可否

プログラムの区分は、学生ごとに採用担当が入力します。 入力する値は、「作らない」「作る(期間:〇月〇日〜)」の2つだけにし、作ってよいかの判断の根拠(どのタイプの取組として整理したか、募集要項に何を書いたか)は、採用担当が別の欄に書きます。

区分の判断を、この構成の中で自動化しません。 「基本的考え方」は、タイプ3の要件として、実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること、職場の社員が指導しフィードバックを行うこと、汎用的能力活用型は5日間以上・専門活用型は2週間以上の期間、学部3・4年ないし修士1・2年の長期休暇期間に実施すること、募集要項等に、採用活動開始以降に限り学生情報を活用する旨などを記載して公表することを挙げています。学期中に週2〜3日働く長期インターンが、これらに当たるかはプログラムごとに確かめるもので、日報からは決まりません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 日報の集約 … 学生ごとに、その週の日報を日付の順に並べます。勤務の無い日は空にせず、「勤務なし」と明示します
  2. 未解決の持ち越し … 前の週の要約から「未解決」の項目を取り、最初に書かれた日付とともに入力に足します
  3. 要約に入れない記載の印付け … 体調、通院、家庭の事情、学業の成績や履修の事情に関する語の一覧で日報を見て、該当する文に印を付け、AIへ渡す前に「(個人的な事情の記載あり)」に置き換えます。 置き換えたことはメンター向けの要約に1行だけ出します
  4. 氏名・大学名の置き換え … 学生IDに置き換えます。日報の中の他の社員の氏名も役割名(メンター、チームリーダー)に置き換えます
  5. 区分の判定 … プログラムの区分の設定を引き、その週が「作ってよい期間」に入っているかを判定します。入っていなければ、採用担当向けの欄を作らない指示に切り替えます
  6. 日報の欠けの確認 … 勤務の日なのに日報が無い日を数えます。2日以上欠けている週は、要約の冒頭に出し、メンターに声かけを促します

3番目は、学生を守るための前処理です。 日報の「困ったこと」には、「体調が悪く集中できなかった」「試験が近くて時間が取れない」と書かれることがあります。こうした記載は、メンターが直接本人と話すべきことで、要約の材料にも、採用担当の記録にも入れません。 置き換えたことだけを伝え、メンターが元の日報を開いて読むかを決めます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、1週間分の日報を、決まった4つの欄に分けて要約し、各項目に根拠の日報の日付と文を付けることだけです。

欄中身根拠の付け方
取り組んだこと配属の目標のどれに取り組んだか、何を作った・調べたか日付と日報の文
未解決のつまずき書かれたつまずきのうち、解けた記載の無いもの。前の週からの持ち越しを含む最初に書かれた日付と文、解けた記載の有無
次の週に確かめたいこと未解決のつまずきと、日報の「明日やること」から、メンターが確かめるとよい点根拠の日付
観察の記録日報に書かれた具体的な行動(自分で調べた、質問した、やり直した)日付と日報の文を引用

2つ目の欄が、この要約の主役です。 「解けた記載の有無」は、後の日付の日報に、そのつまずきが解けた・分かったと書かれているかで決めます。書かれていなければ、解けていても「解けた記載なし」です。推測で「解決したと思われる」と書かせません。

させないこと理由
学生の能力・性格・適性の評価評価はメンターと採用担当が行う。日報の文から人物を推し量らない
点数・順位・他の学生との比較日報の書く量の違いが、そのまま差に見える
日報に無い行動の推測書いていないことは、していないとも、したとも言えない
個人的な事情の要約前処理で置き換えた記載に触れない
学生への振り返りの文メンターが自分の言葉で書く

2行目は、日報の長さの違いへの対処です。 たくさん書く学生ほど取り組みも観察も多く出ます。書く量の差を、仕事ぶりの差として読ませないために、比較を一切させません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは、長期インターンの学生を受け入れる部署のメンターを手伝う立場です。
1人の学生の1週間分の日報を、決まった4つの欄に要約してください。

【4つの欄】
1. 取り組んだこと:配属の目標のどれに取り組んだか。目標に当たらないものは「その他」
2. 未解決のつまずき:日報に書かれたつまずきのうち、後の日付の日報に
   「解けた」「分かった」等の記載が無いもの。前の週からの持ち越しを含める
3. 次の週に確かめたいこと:2の項目と「明日やること」から、メンターが確かめるとよい点
4. 観察の記録:日報に書かれた具体的な行動。日付と、日報の文をそのまま引用する

【厳守事項】
- 各項目に、根拠にした日報の日付を付ける。引用は日報の文をそのまま写す。
- 日報に書かれていないことを書かない。「〜と思われる」「〜だろう」と推測しない。
- 解けた記載が無いつまずきは、解けたかどうか分からなくても「未解決」に入れる。
- 学生の能力、性格、適性、意欲を評価する言葉(優秀、積極的、向いている等)を書かない。
- 点数、順位、他の学生との比較を書かない。
- 「(個人的な事情の記載あり)」の部分に触れない。内容を推測しない。
- 学生への振り返りのコメントを書かない。
- recruiter_view_allowed が false のときは、recruiter_notes を空の配列にする。

【配属の目標】{goals}
【前の週の未解決】{carry_over}
【今週の日報】{reports}
【採用担当向けの記録】recruiter_view_allowed = {allowed}

「評価する言葉を書かない」を明記しないと、要約の最後に「積極的に取り組んでいる様子がうかがえます」と足します。 この1文は、日報のどこにも根拠がありません。禁じるのは、日報の文の外で学生を形容することそのものです。

recruiter_view_allowed を指示に入れているのは、二重の守りです。 本来は区分が false の学生について、プログラムの側で採用担当向けの欄を捨てます。指示でも空にさせておけば、プログラムの不具合が1件あっても、採用担当に渡る文そのものがありません。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、次の形に固定します。 公式のページでは、構造化出力は指定した JSON スキーマに従わせる機能で、Chat Completions API では response_format、Responses API では text.format でスキーマを定義し、すべての項目を必須にし、オブジェクトには additionalProperties: false を設定するとされています。

{
  "student_id": "",
  "week": "2026-W41",
  "worked_on": [ { "goal": "", "summary": "", "dates": [""] } ],
  "unresolved": [
    { "issue": "", "first_reported": "", "quote": "", "weeks_open": 1 }
  ],
  "resolved_this_week": [ { "issue": "", "resolved_on": "", "quote": "" } ],
  "check_next_week": [ { "point": "", "based_on": [""] } ],
  "observations": [ { "date": "", "quote": "" } ],
  "recruiter_notes": [ { "date": "", "quote": "" } ],
  "masked_personal_notes": 0,
  "missing_report_days": 0
}

1つ目の理由は、quote をプログラムで照合できることです。 引用が、その日付の日報の文にそのまま含まれるかを確かめ、含まれない項目は要約から外し、外したことをメンター向けの要約に1行出します。 言い換えられた引用は、観察の記録になりません。

2つ目は、unresolved の weeks_open で、持ち越しの長さが見えることです。 2週以上続く未解決は、メンター向けの通知の先頭に出します。

条件扱い
weeks_open が2以上の未解決があるメンター向けの通知の先頭に出す
missing_report_days が2以上冒頭に出し、メンターの声かけを促す
masked_personal_notes が1以上「個人的な事情の記載あり。元の日報を確認してください」と1行出す
区分が「作らない」なのに recruiter_notes が空でない捨てて記録に残し、プログラムを点検する
引用が照合できない項目があるその項目を外し、外した数を出す

3つ目は、recruiter_notes を観察の記録と別の配列にしていることです。 採用担当向けに渡すのはこの配列だけで、メンター向けの「未解決」や「次に確かめたいこと」は採用担当に渡しません。 つまずきは指導のための情報で、評価の材料ではないからです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
SharePoint の日報のリストMicrosoft Graph の API で読み取り1週間分の日報を取る
受け入れの名簿・区分の設定読み取り目標、メンター、区分を引く
Azure OpenAIAPI呼び出し(構造化出力)4つの欄の要約を作る
Microsoft Teamsメンターへの通知要約を届ける
採用担当の一覧(SharePoint)書き込み作ってよい学生の recruiter_notes だけを入れる

採用管理のシステムへは書き込みません。 採用担当の一覧は、採用担当が月に1回メンターと話して確定するための下書きの置き場です。確定した記録だけを、採用担当が手で採用管理のシステムに移します。

日報のリストは読み取りだけです。要約の誤りに気づいても、日報は直しません。 日報は学生が書いたもので、要約の側を直します。

Step9

人が確認する

メンターは、毎週の要約を必ず読みます。 そのうえで、次の4つを行います。

  1. 未解決のつまずきを、月曜の1on1で本人に確かめる … 解けていれば次の週の日報に書いてもらいます。「解けた」と書く習慣が付くと、要約の精度が上がります
  2. 「個人的な事情の記載あり」の学生は、元の日報を開いて読む … 声をかけるかを、メンターが決めます
  3. 振り返りの文を自分の言葉で書いて返す … 要約は材料で、文はメンターが書きます
  4. 要約の誤りを報告する … 日報に無いことが書かれていた、引用がずれていた場合に、採用担当へ知らせます

採用担当は、月に1回、採用担当の一覧をメンターと読み合わせます。 観察の記録のうち、記録として残すものをメンターと決め、残さないものは一覧から消します。

目標は、100件をならして1件9分です。 メンターが要約を読み、1on1で聞くことを決め、振り返りを書く時間です。未解決が多い週や、個人的な事情の記載がある週は9分を超えます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
その週の日報が1件も無い要約を作らず、メンターに「今週の日報なし」と届ける
日報が短すぎて4つの欄が埋まらない埋まらない欄は空のまま出す。推測で埋めない
プログラムの区分が入っていない「作らない」として扱い、採用担当に入力を促す
メンターが未設定・休み採用担当に届け、代わりのメンターを決めてもらう
引用の照合で半分以上が外れる要約全体を出さず、日報をそのまま届ける
日報に、学生の安全や健康に関わる記載がある前処理で置き換えたうえで、メンターと採用担当の両方に「元の日報を確認」と届ける
学生がインターンを終えた・辞めた最後の要約を作り、以降は作らない。未解決の履歴は保存の期間まで残す
API が応答しない翌朝に作り直す。月曜の朝までに作れなければ、日報をそのまま届ける
学生が日報の扱いに同意しない・取り下げるその学生の要約を作らず、メンターが日報を直接読む運用に戻す
区分が途中で「作る」から「作らない」に変わる変わった週から採用担当向けの記録を作らず、それまでの一覧の扱いを採用担当が決める

6行目は、要約の仕組みの外で扱います。 ハラスメントや体調の悪化をうかがわせる記載は、要約を待たずに人が対応すべきものです。 語の一覧で印が付いたものは、要約の有無にかかわらず、その日のうちにメンターと採用担当に知らせる設定にしておきます。

Step11

記録を残す

  • 学生ごと・週ごとの入力(置き換え後の日報、前の週の未解決、目標)と、AIの出力のJSON
  • 引用の照合の結果と、外した項目
  • その週のプログラムの区分と、採用担当向けの記録を作ったかどうか
  • メンターに届けた日時と、メンターが報告した要約の誤り
  • 採用担当の一覧に入れた recruiter_notes と、月1回の読み合わせで残したもの・消したもの
  • 置き換えた個人的な事情の記載の件数(中身は残さない)

3つ目を残すのは、学生情報を使った範囲を後から説明できるようにするためです。 どの週の、どの学生について、どの区分のもとで採用担当向けの記録を作ったかが、週ごとに分かるようにしておきます。 学生本人から「自分の日報がどう使われたか」を尋ねられたときにも、この記録で答えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:日報を手で生成AIの画面に貼り、4つの欄に要約させる / 1週ごとの要約
半自動化:上記+日報の集約・置き換え・API呼び出しをプログラムで行い、メンターに届ける / メンター向けの要約の全体
本格構成:上記+前の週の未解決の持ち越し、引用の照合、区分による採用担当向けの振り分け、メンター交代時の引き継ぎ / 要約・引き継ぎ・採用担当への受け渡し

最小構成では、前の週の持ち越しができません。 1週ずつ貼るので、2週続く未解決が見えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件30分が15分程度になります。 日報を読んで拾う時間は減りますが、持ち越しの確認と採用担当への報告の材料づくりが残ります。本格構成で9分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、採用担当への報告の材料が、区分に沿って自動で振り分けられるからです。 段階を飛ばさないでください。 採用担当向けの振り分けは、区分の設定が全学生分そろってから入れます。半自動化の間に、採用担当が学生ごとの区分を整理しておきます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
12 名
月間件数
100 件
1件あたり現在時間
30 分
1件あたり導入後時間
9 分
現在  100件 × 30分 ÷ 60 = 50 時間/月
導入後 100件 × 9分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
35h
削減率
70%
年間削減時間
420h
年間金額換算(時間単価3,500円)
147万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 長期インターンとして大学生を数か月から1年単位で受け入れ、複数の部署に配属して日報を書いてもらっているIT・Web・広告などの会社。メンターが本業の合間に日報を読み、週ごとの振り返りや採用担当への報告を手で書いている場合。メンターの交代や休みで、学生のつまずきが引き継がれずに放置されることがある場合。
向いていない
  1. 受け入れる学生が数名で、メンターが毎日直接話して様子を把握できている場合。日報を書いてもらっておらず、記録が残っていない場合。インターンで得た学生の情報を、使ってよい時期や条件を確かめずに採用選考へ回したい場合(この構成は、使ってよいと整理できたプログラムの学生についてだけ採用担当へ渡します)。学生の評価や合否の判断までAIに任せたい場合。

07最小構成で試す方法

  1. 終了した学生の中から、本人の同意を得たうえで2名を選ぶ
  2. その2名の日報を、氏名と大学名を消して4週分用意する
  3. 手元の生成AIの画面に1週ずつ貼り付け、配属の目標を書き添える
  4. 「取り組んだこと、解けた記載の無いつまずき、次の週に確かめたいこと、日付と日報の文を引いた観察の記録に分けてください。評価する言葉や推測を書かないでください」と指示する
  5. 出てきた要約を、当時のメンターに読んでもらい、当時把握していたつまずきと比べる

8週分は必ずやってください。 仕組みを組む前に、「解けた記載の無いつまずき」を拾えるかと、評価の言葉を足さずに書けるかを確かめます。

出てきた内容判断
メンターが把握していなかった未解決が出た要約の仕組みに進む
「積極的」などの評価の言葉を足した指示と照合で直る。構成は有効
つまずきがほとんど拾えない日報の書き方が先。 「困ったこと」の欄の書き方を学生に伝える

3行目が出ることは珍しくありません。 失敗ではなく、日報が指導の材料になる書き方になっていなかったと分かったということです。 日報のフォームの「困ったこと」に、「まだ解けていないこと」と「今日解けたこと」の2つの欄を分けるだけでも変わります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
要約に「積極的」などの評価の言葉が入る指示で禁じ、評価語の一覧で出力を検査する
解けたかどうかを推測で書く後の日付の日報の記載だけで決めさせる
前の週のつまずきが消える前の週の未解決を入力に足し、weeks_open で数える
引用が言い換えられる日報の文と照合し、外れた項目を外す
体調や学業の事情が要約に入るAIに渡す前に置き換える
区分が入っていない学生の記録が採用担当に渡る未入力は「作らない」。指示でも空にさせる
書く量の多い学生ほどよく見える比較を書かせない。採用担当にも、量の差を読まないよう伝える
AIの要約をそのまま学生に返す振り返りの文はメンターが書く
安全や健康に関わる記載が週末まで放置される語の一覧で印が付いたら、要約とは別にその日のうちに知らせる
メンター交代で履歴が渡らない交代を起点に、未解決の履歴と直近の要約を届ける

上の2行と6行目が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、日報という記録を学生の評価に読み替えてしまうところから起きます。要約は指導のための材料で、採用担当に渡すのは、使ってよい範囲の、日付と引用の付いた観察の記録だけです。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 学生の氏名・大学・配属、日々の業務とつまずき、ときに体調・家庭・学業の事情、メンターの指導の記録です。学生は社員と違い、卒業後の進路の選択の途中にいます。

  1. 学生情報を使う範囲を、区分で先に決める … 3省の「基本的考え方」は、取得した学生情報の広報活動・採用選考活動での取扱いを、取組の種類と時期で分けています。区分が整理できていない学生の情報は、採用担当に渡しません
  2. 募集要項と実際の扱いをそろえる … タイプ3の要件には、募集要項等に、採用活動開始以降に限り学生情報を活用する旨などを記載して公表することが含まれます。書いていないことを、運用でしないでください
  3. 個人的な事情を要約に入れない … 体調や家庭の事情は、メンターが本人と話して扱うことです。AIに渡す前に置き換え、採用担当の記録には残しません
  4. AIに学生を評価させない … 要約は観察の記録までです。能力や適性の判断、合否に関わる判断は、メンターと採用担当が行います
  5. 学生に、日報の扱いを伝える … 日報が週ごとに要約されること、要約を誰が読むか、採用担当に渡る場合の範囲を、受け入れの最初に学生へ説明します
  6. 保存の期間を決める … インターンを終えた学生の日報と要約を、いつまで残すかを決めます。採用選考に進まなかった学生の記録を、長く残さないようにします

誤りが起きた場合のリスクは、使ってよい範囲を超えて学生情報が採用担当に渡ることと、日報に無い評価が記録に残ることの2つです。 前者は区分による振り分けと指示の二重の守り、後者は評価語の禁止と引用の照合で守ります。どちらもAIの出来ではなく、仕組みの側で止めます。

10まず何から始めるか

1週目:学生ごとの区分を整理する

採用担当が、在籍中の学生のプログラムが「基本的考え方」のどの類型に当たるか、募集要項に学生情報の活用について何を書いたかを確かめ、学生ごとに「作る」「作らない」を入力します。迷うものは「作らない」にします。

2週目:8週分で試す

同意を得た終了した学生2名の日報を、手元の生成AIの画面で4週ずつ要約させます。当時のメンターに読んでもらい、把握していなかった未解決が出るか、評価の言葉が足されていないかを最優先で見ます。

3週目:置き換えの語の一覧と日報のフォームを直す

体調・家庭・学業の事情の語の一覧を作ります。あわせて、日報のフォームの「困ったこと」を、「まだ解けていないこと」と「今日解けたこと」の2つの欄に分けます。 学生にも、受け入れの最初に日報の扱いを説明する文を用意します。

4週目:メンター向けの要約をつなぐ

SharePoint のリストを読み、要約を作り、Teams でメンターに届けるところまで作ります。この時点では、採用担当向けの振り分けは入れません。

2か月目: 前の週の未解決の持ち越しと、引用の照合を足します。メンターから要約の誤りの報告を集めます。3か月目以降: 区分の整理が全学生分そろった時点で、採用担当向けの振り分けとメンター交代の引き継ぎを足し、1件30分が何分になったかを実測します。未解決のつまずきが2週以上残る学生が毎週一覧で見え、採用担当に渡る範囲を週ごとに説明できる状態になった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」が令和4年6月13日に一部改正され、取組をタイプ1〜4に整理し、タイプ3・4をインターンシップとしたこと。企業が取得した学生情報の広報活動・採用選考活動での取扱いを実施時期と種類で分け、タイプ3に限り取得した学生情報を3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使用できるとしたこと。タイプ3の要件(実施期間の半分を超える日数の就業体験、社員の指導とフィードバック、汎用的能力活用型5日間以上・専門活用型2週間以上、長期休暇期間の実施、募集要項等で採用活動開始以降に限り学生情報を活用する旨等を記載・公表)文部科学省・厚生労働省・経済産業省: 基本的考え方(厚生労働省掲載)2026-10-08
改正が令和7年3月卒業・修了の学生が令和5年度に参加するインターンシップから適用されること。一定の基準を満たすタイプ3で取得した学生情報を、広報活動・採用選考活動の開始時期以降に限りそれぞれ使用可能とすること。タイプ1〜4は採用活動ではないこと厚生労働省: 令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります2026-10-08
構造化出力が指定した JSON スキーマに従わせる機能で、Chat Completions API では response_format、Responses API では text.format で定義し、すべての項目を必須にし additionalProperties: false を設定することMicrosoft Learn: 構造化出力2026-10-08
プロンプトと出力が他のお客様に提供されず、OpenAI にも提供されず、モデルやサービスの改善に使われないことMicrosoft Learn: データ、プライバシー、セキュリティ2026-10-08

学生ごとのプログラムがどの類型に当たり、取得した情報をいつどう使えるかは、自社の採用担当が募集要項と照らして判断してください。 本記事は公開資料と公開仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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