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内定者との面談の Teams 会議の記録から、内定者ごとの不安・確かめたいこと・入社の意向を面談記録にまとめ、次のフォローの担当と時期の案を出す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

内定者と Teams で行うフォロー面談の記録から、内定者が述べた不安・確かめたいこと・入社の意向に関する発言を引用付きで書き出し、面談記録の下書きにします。答えられなかった質問の回答の依頼先と、次のフォローの担当と時期の案も出します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/人材/製造/金融
対象部門
人事/採用
対象業務
要約/記録・議事録作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
属人化解消/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
45h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
67%
年間削減
360h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用担当が内定者と Teams で面談し、メモを取る
  2. 面談の後、メモと記憶から、内定者の不安・質問・入社の意向を書き出す
  3. その場で答えられなかった質問を、誰に聞けば答えられるか考えて、社内の担当へチャットで聞く
  4. 面談記録を採用管理システムか内定者の管理表に書く
  5. 次の面談の時期を決め、先輩社員との面談が要りそうなら配属予定の部署に頼む
  6. 回答が集まったら、内定者へメールで答える
導入後(After)
  1. 人採用担当が、面談を Copilot の設定「会議中と会議後」で主催し、冒頭で内定者に文字起こしの了承を得てから始める
  2. 人面談の終わりの3分で、内定者の質問と、その場で答えられなかったものを読み合わせる
  3. 【AI】 面談の後、採用担当が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示文で、不安・確かめたいこと・意向に関する発言を引用と時刻付きで書き出させる
  4. 人書き出しを、内定者のフォルダに Word で保存する
  5. 【AI】 内定者フォロー用のエージェントに書き出しを渡し、面談記録の下書き、回答の依頼先と依頼文、次のフォローの担当と時期の案を作らせる
  6. 人採用担当が引用と文字起こしを照らして確かめ、記録してはいけないことが入っていないかを見る
  7. 人面談記録を管理表に書き、社内の担当へ回答を依頼し、次のフォローを決める
  8. 人回答が集まったら、内定者へメールで答える
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用担当が内定者と Teams で面談し、メモを取る
  2. 面談の後、メモと記憶から、内定者の不安・質問・入社の意向を書き出す
  3. その場で答えられなかった質問を、誰に聞けば答えられるか考えて、社内の担当へチャットで聞く
  4. 面談記録を採用管理システムか内定者の管理表に書く
  5. 次の面談の時期を決め、先輩社員との面談が要りそうなら配属予定の部署に頼む
  6. 回答が集まったら、内定者へメールで答える

(a)面談記録に時間がかかり、書き方が人ごとに違う。 30分の面談の記録に、見返しを含めて20分前後かかります。ある担当は内定者の言葉をそのまま書き、別の担当は「前向き」「やや不安」と自分の印象で書きます。 印象で書かれた記録は、次に読む人が内定者の実際の言葉を知ることができません。

(b)持ち帰った質問の回答が遅れる。 「リモートワークは入社直後からできますか」「住宅手当は対象になりますか」。誰に聞けば答えが出るかを、担当者が毎回考えています。 聞く先を間違えると回答が戻らず、内定者からの「先日の件ですが」で気づきます。

(c)不安が次の担当に伝わらない。 配属先の先輩社員との面談を組んでも、内定者が採用担当に話した不安が先輩社員に伝わっていないことがあります。 内定者は同じ不安をもう一度話し、先輩社員は的外れの話をします。

(d)記録してはいけないことが混ざる。 内定者が自分から話した家族の仕事や地元の事情が、メモの流れのまま記録に残ることがあります。 記録は複数の人が読むので、採用の判断や処遇の検討に影響しかねません。

  1. 【人】 採用担当が、面談を Copilot の設定「会議中と会議後」で主催し、冒頭で内定者に文字起こしの了承を得てから始める
  2. 【人】 面談の終わりの3分で、内定者の質問と、その場で答えられなかったものを読み合わせる
  3. 【AI】 面談の後、採用担当が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示文で、不安・確かめたいこと・意向に関する発言を引用と時刻付きで書き出させる
  4. 【人】 書き出しを、内定者のフォルダに Word で保存する
  5. 【AI】 内定者フォロー用のエージェントに書き出しを渡し、面談記録の下書き、回答の依頼先と依頼文、次のフォローの担当と時期の案を作らせる
  6. 【人】 採用担当が引用と文字起こしを照らして確かめ、記録してはいけないことが入っていないかを見る
  7. 【人】 面談記録を管理表に書き、社内の担当へ回答を依頼し、次のフォローを決める
  8. 【人】 回答が集まったら、内定者へメールで答える

2番目の読み合わせが、持ち帰りの漏れを防ぎます。 「確認してお返事します」と言った質問を、面談の最後に「お調べしてお返事するのは、住宅手当の対象かどうかと、入社直後のリモートワークの2点でよろしいですか」と声に出します。内定者が「あと研修の時期も」と足せば、それも記録に残ります。

7番目で次のフォローを決めるのは、採用担当です。 エージェントが出すのは担当表に沿った案までで、内定者との関係を見て時期をずらすかは担当者が決めます。

02今回想定するシステム構成

構成図
フォロー面談(自社が主催。Copilot は「会議中と会議後」)
   │  冒頭で文字起こしの了承/終わりに持ち帰りの質問を読み合わせる
   ▼【トリガー】会議の終了(文字起こしの保存)
会議のチャット ─ Copilot を開く(その面談の文字起こしとチャットだけを見る)
   │  決まった指示文で書き出す
   │   ・不安や気がかり(区分付き)  ・確かめたいこと(答えた/持ち帰り)
   │   ・入社の意向に関する発言      ・記録しない事項に当たる話の時刻の範囲
   ▼  書き出しを内定者のフォルダへ Word で保存
内定者フォロー用のエージェント(Agent Builder)
   │  知識:フォローの担当表(SharePoint のリスト)
   │        面談記録の様式と、記録しない事項の一覧(SharePoint のファイル)
   ├──▶ 面談記録の下書き
   ├──▶ 持ち帰った質問の回答の依頼先と依頼文
   └──▶ 次のフォローの担当と時期の案
   ▼【採用担当が文字起こしと照らして確かめる】
内定者の管理表へ記入/社内へ回答を依頼/内定者へ回答
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot と、Agent Builder で作る内定者フォロー用のエージェント)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
保管SharePoint(内定者のフォルダ、様式のファイル、担当表のリスト、内定者の管理表)OneDrive

新しく足すのは、採用担当4名の Copilot のライセンスと、内定者フォロー用のエージェントと、フォローの担当表です。 管理者向けの説明では、前提として利用する人ごとに追加の Microsoft Copilot ライセンスが挙げられています。内定者にライセンスは要りません。

会議の Copilot は、主要な論点を誰が何を言ったかを含めて要約し、質問に答えるとされています。 会議の後は会議のチャットか「まとめ」のタブから使え、回答には使った情報源が示されます。面談は自社が主催します。 会議の Copilot は、参加者の組織の外で主催された会議では動かないとされています。人材紹介会社が設定した三者面談のような会議では使えません。

会議の後に Copilot に頼むには、文字起こしが要ります。 管理者の Copilot のポリシーの既定は「保存された文字起こしが必須」で、この場合、主催者の会議のオプションは「会議中と会議後」に固定されるとされています。主催者が「オフ」にすると、録画と文字起こしもオフになります。 内定者が文字起こしを望まないときは、その面談だけオフにして、従来どおりメモで記録します。

エージェントは Agent Builder で作ります。 知識として SharePoint のファイルを100まで、SharePoint のリストを1つまで指定できるとされています。リストの枠1つはフォローの担当表に使います。 内定者の管理表は知識に入れません。面談の記録を作るのに、他の内定者の情報は要らないからです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

面談の終了と文字起こしの保存を起点にします。 書き出しを頼むのは採用担当の操作で、面談の直後、内定者の言葉の調子を覚えているうちに頼みます。 確かめる段で、引用だけでは伝わらない言葉の重さを補えるのは、話した本人だけです。

起点の手前に、面談の中での2つの決まりを置きます。 1つ目は冒頭の了承です。「面談の記録のために文字起こしを使います。よろしいですか」と聞き、内定者の返事も文字起こしに残します。断られたら、その面談はメモで記録します。

2つ目は終わりの読み合わせです。持ち帰る質問を1つずつ声に出し、いつまでに誰から答えるかの目安を伝えます。 「来週中にメールでお返事します」と言えば、その言葉が記録に残り、後で回答の期限の根拠になります。

面談は内定者ごとに別の会議にします。 同じ会議の枠で複数の内定者と続けて話すと、文字起こしの上で誰の発言か分からなくなります。会議の Copilot はその会議の文字起こしとチャットを材料にするので、会議を内定者ごとに閉じておけば、他の内定者の話が記録に混ざりません。 定期の会議のシリーズにもしません。定期的な会議では、後の会議で文字起こしをすると前の会議の Copilot の会話の履歴が失われるとされているためです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
面談の文字起こし発言者、時刻、発言の文Teams 会議(会議の Copilot が読む)
会議のチャット共有した資料のリンク、書き込まれた日付Teams 会議(会議の Copilot が読む)
書き出し不安・確かめたいこと・意向の発言(引用と時刻付き)会議の Copilot の回答を Word で保存
フォローの担当表質問・不安の区分、回答できる担当(部署と役割)、依頼のしかた、次のフォローの時期の目安エージェントの知識のリスト
面談記録の様式見出し、書き方の決まり、記録しない事項の一覧エージェントの知識のファイル

質を決めるのは、フォローの担当表です。 区分ごとに「誰に聞けば答えが出るか」を1行で持ちます。

区分回答できる担当次のフォローの目安
仕事内容・配属配属予定の部署の受け入れ担当先輩社員との面談を2週間以内に
給与・手当・福利厚生人事部 労務グループ回答のメールを1週間以内に
働き方(勤務時間・リモート)人事部 労務グループ回答のメールを1週間以内に
研修・入社までの準備人事部 人材開発グループ次の定期の面談で
入社日・手続き採用担当次の定期の面談で
人間関係・社風配属予定の部署の先輩社員先輩社員との面談を1か月以内に

この表は、採用グループで決めた社内の決まりです。 部署の名前と期間は例で、自社の体制に合わせて作ります。担当表が無いと、エージェントはそれらしい部署を作って依頼先にします。

記録しない事項の一覧も、同じくらい大事です。 本籍・出生地、家族の職業や収入、宗教、支持政党、思想、住宅の状況、生活環境・家庭環境など、採用に関係のない事項を並べます。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」を元に、社内の採用の手引きと合わせて決めます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
不安・確かめたいこと・意向の発言会議のチャットから開く Copilot書き出し(引用と時刻付き)
持ち帰りの質問と回答の目安同上(終わりの読み合わせの部分)回答の依頼の一覧
記録しない事項に当たる話の範囲同上(時刻の範囲だけ)記録から外す範囲の確認
区分ごとの担当と時期エージェントの知識のリスト依頼先と次のフォローの案
様式と記録しない事項エージェントの知識のファイル記録の見出しと、外す話題

書き出しは、会議のチャットから Copilot を開いて頼みます。 回答が長くなったときは、1,300字を超える回答は Word で開けるとされているので、そのまま Word で開いて内定者のフォルダに保存します。フォルダは内定者ごとに分け、閲覧できる人を受け持ちの採用担当と採用グループの責任者に限ります。

フォローの担当表は、リストのURLを直接知識に指定します。 SharePoint のサイトを指定してもサイトの中のリストは含まれないとされているためです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 面談を内定者ごとの単発の会議として招待する … 定期のシリーズにせず、会議名に内定者の管理番号を入れます
  2. 会議の冒頭に、内定者の管理番号と面談の回を声に出す … 「管理番号N-0213、第3回のフォロー面談です」と残します
  3. 文字起こしの了承を得る … 断られたら会議のオプションでオフにし、メモで記録します
  4. 前回の面談記録を手元に開いておく … 前回の持ち帰りに答えたかを、面談の最初に確かめます
  5. 面談の終わりに持ち帰りの質問を読み合わせる … 第7章「トリガー」のとおり
  6. 記録しない事項に当たる話が出たら、深く聞かずに話題を戻す … 書き出しでは時刻の範囲だけを残します

6番目は、面談の進め方の決まりです。 内定者が自分から話したことを遮る必要はありませんが、採用担当の側から重ねて聞くことはしません。 厚生労働省は、適性・能力に関係のない事項は、採用基準としないつもりでも、面接時にたずねたりすれば結果として採否決定に影響を与えることとなり、就職差別につながるおそれがあるとしています。

Step5

AIに処理させる

させるのは、面談の記録から3つの欄に分けて書き出すこと(会議の Copilot)と、それを面談記録の形に整え、担当表に沿って依頼先と次のフォローの案を出すこと(内定者フォロー用のエージェント)です。

させること書き方判断できないときの扱い
不安や気がかり内定者の言葉の引用と時刻。担当表の区分を1つ付ける区分が決まらなければ「その他」
確かめたいこと質問の引用と時刻。その場で答えたか、持ち帰りかどちらか分からなければ「持ち帰り」に入れる
入社の意向に関する発言内定者の言葉の引用と時刻。区分は4つだけはっきりした言葉が無ければ「述べていない」
回答の依頼先担当表の区分の担当と、依頼文の下書き担当表に無い区分は依頼先を空欄
次のフォローの案担当表の目安に沿った担当と時期目安が無ければ「採用担当が決める」
記録しない事項時刻の範囲だけ。中身を書かない当たるか迷うものは中身を書かずに範囲だけ

入社の意向の区分は、次の4つだけにします。

区分付けてよい条件
入社する意向を述べた「入社します」「御社に決めています」など、本人の言葉がある
迷っていると述べた「迷っています」「まだ決めきれていません」など、本人の言葉がある
他社を検討中と述べた本人が自分から他社の選考や内定に触れた
述べていない上の3つに当たる言葉が無い
させないこと理由
辞退の見込みの判定・点数言葉の解釈で内定者を色分けすると、接し方が変わる
内定者の人柄の評価(「消極的」「やる気がある」)評価は面談の目的ではない
記録しない事項の要約・言い換え言い換えても記録に残ることに変わりはない
処遇や配属の約束を書く決めるのは人事部と配属予定の部署
回答の中身を作る手当や制度の答えは担当の部署が出す
依頼の送信送るのは採用担当

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「少し迷っています」という言葉が出ると、生成AIは「辞退のリスクあり」とまとめがちです。その一言が記録に残ると、配属先の先輩社員は引き留めの面談だと受け取って話します。 区分を4つに限り、言葉が無ければ「述べていない」にすることで、解釈が入る余地を減らします。

3行目も起きやすい失敗です。 「家族の事情で」「実家の仕事の関係で」を「家庭の事情あり」と言い換えても、記録に残る中身は同じです。中身を書かずに時刻の範囲だけを残させます。

Step6

指示内容を固定する

書き出しには、会議のチャットから開いた Copilot に次の指示を入れます。 指示文は採用グループの共有フォルダに置き、毎回コピーして使います。

この面談の文字起こしとチャットだけを使って、内定者が述べたことを
次の4つに分けて書き出してください。各行に、根拠にした発言の引用
(文字起こしの文のまま)と時刻を付けてください。
冒頭に、面談で読み上げた管理番号と面談の回を書いてください。

1. 不安や気がかり:内定者が心配・不安・気がかりとして述べたこと。
2. 確かめたいこと:内定者の質問。その場で答えたか、持ち帰りかを書く。
   終わりの読み合わせで持ち帰りとしたものは、答えの目安も書く。
3. 入社の意向に関する発言:内定者自身の言葉だけ。無ければ「述べていない」。
4. 記録しない話題の範囲:本籍・出生地、家族の職業や収入、宗教、
   支持政党、思想、住宅の状況、生活環境・家庭環境に当たる話が出た
   時刻の範囲だけを書き、中身は書かないでください。

【決まり】
- 内定者の言葉を言い換えたり、気持ちを推し量ったりしないでください。
- 「辞退しそう」「前向き」などの評価の言葉を使わないでください。
- 採用担当の説明は書かず、内定者の発言だけを書いてください。

記録と段取りへの作り分けは、内定者フォロー用のエージェントの「指示」の欄に次を入れます。

あなたは IT 企業の採用グループで、内定者とのフォロー面談の記録を整える
補助の立場です。入力は、会議の Copilot が作った書き出し1件です。
知識の担当表と、面談記録の様式・記録しない事項の一覧以外の情報を
足さないでください。

【作るもの】
A. 面談記録の下書き(様式の見出しのとおり)
   不安や気がかり/確かめたいこと(回答済み・持ち帰り)/
   入社の意向に関する発言/次回までの宿題
B. 持ち帰りの質問ごとの回答の依頼先と、依頼文の下書き
C. 次のフォローの担当と時期の案
D. 確認が要る箇所の一覧

【厳守事項】
- 不安と質問には、担当表の区分を1つだけ付けてください。
  決まらないときは「その他」とし、D に挙げてください。
- 入社の意向の区分は「入社する意向を述べた」「迷っていると述べた」
  「他社を検討中と述べた」「述べていない」の4つだけを使い、
  根拠の引用が無い区分を付けないでください。
- 辞退の見込み、人柄、熱意を書かないでください。
- 記録しない事項の一覧に当たる内容は、A・B・C のどこにも書かないで
  ください。書き出しに範囲が書かれていれば、D に「記録から外した範囲
  あり(時刻)」とだけ書いてください。
- 依頼先と次のフォローの時期は、担当表の行のとおりに書いてください。
  担当表に無い部署や時期を作らないでください。
- 手当・制度・配属についての答えを書かないでください。依頼文には、
  内定者の質問をそのまま写してください。
- 依頼文には内定者の氏名を書かず、管理番号だけを書いてください。

「依頼文に氏名を書かず管理番号だけ」を入れているのは、依頼が部署をまたぐからです。 労務の担当が手当の質問に答えるのに、内定者の名前は要りません。回答に要らない情報を、依頼の文面に載せないことで、内定者の情報が広がる範囲を絞ります。

「担当表に無い部署や時期を作らない」も同じ考えです。 担当表に無い質問が来たときに、それらしい部署名を作られると、依頼が誰にも届かずに止まります。 空欄で D に出させれば、採用担当が気づけます。

Step7

出力形式を固定する

エージェントには、次の形で返させます。 A は管理表のメモ欄にそのまま貼れる形、B は社内のチャットに貼れる形にします。

【A 面談記録 管理番号N-0213 第3回(2026年10月8日)】
■ 不安や気がかり
・[仕事内容・配属] 「どのチームに入るか分からないのが少し不安です」(00:07)
■ 確かめたいこと
・[働き方] 入社直後からリモートワークはできるか(持ち帰り/来週中にメール)(00:12)
・[研修] 入社前の課題はあるか(回答済み)(00:15)
■ 入社の意向に関する発言
・迷っていると述べた「正直、まだ少し迷っているところもあります」(00:21)
■ 次回までの宿題
・当社:リモートワークの回答(来週中)

【B 回答の依頼】
| 依頼先 | 依頼文 |
| 人事部 労務グループ | 内定者(N-0213)から「入社直後からリモートワークはできますか」との質問がありました。来週中に回答の予定です。 |

【C 次のフォローの案】
・配属予定の部署の受け入れ担当:先輩社員との面談を2週間以内に(区分:仕事内容・配属)

【D 確認が要る箇所】
・記録から外した範囲あり(00:17〜00:19)

1つ目の理由は、A の各行に区分と引用と時刻が並ぶことです。 次に読む人が、採用担当の印象ではなく内定者の言葉を読めます。 第3章の(a)の書き方のばらつきは、これでそろいます。

2つ目は、B を区分ごとの依頼の形で返させることです。 依頼先を考える時間がなくなり、依頼文をそのまま貼って送れます。

3つ目は、D に「外した範囲」の時刻だけが残ることです。 何かを外したことは分かり、何を外したかは記録に残りません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議会議のチャットから開く Copilot文字起こしとチャットからの書き出し
内定者のフォルダ採用担当が Word で保存書き出しと、確かめた後の記録
内定者フォロー用のエージェントAgent Builder(知識に担当表と様式のファイル)記録の下書き・依頼・次のフォローの案
内定者の管理表採用担当がリストに書く面談記録と次のフォローの予定
社内のチャット採用担当が依頼文を貼って送る回答の依頼
Outlook採用担当が送る内定者への回答

どこにも自動で書き込みません。 エージェントは担当表を読むだけで、管理表への記入、社内への依頼、内定者への回答は採用担当が行います。

Step9

人が確認する

採用担当が確かめるのは、A の入社の意向の行と、記録しない事項が入っていないか、B の依頼先です。

  1. 入社の意向の区分を引用で確かめる … 引用と区分が合っているか、言葉の調子が引用だけで伝わるかを見ます。補いたいときは、印象ではなく面談の流れを事実として一文足します
  2. 記録しない事項を見る … A・B・C に、家族や出身地の話が入っていないかを読みます
  3. 依頼先を確かめる … 担当表の区分が質問に合っているか、空欄の依頼先をどうするかを決めます
  4. 次のフォローを決める … 案の時期を、内定者の予定(卒業研究、現職の退職の時期)と照らして決めます
  5. 管理表に書き、依頼を送る

1番目と2番目は、全件で見てください。 意向の区分の誤りは内定者への接し方を変え、記録しない事項の混入は採用の判断への疑いを生みます。 どちらも、記録が複数の人に読まれることで重くなります。

目標は、1件あたり15分です。 記録の確認に8分、依頼先と次のフォローの決定に4分、管理表への記入と依頼の送信に3分という配分を想定します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
内定者が文字起こしを望まないその面談はオフにし、メモで記録する。理由は聞かない
人材紹介会社が主催した会議だった会議の Copilot が使えない。メモで記録し、次回から自社が主催する
文字起こしを始め忘れた会議の後に Copilot に頼めない。メモで記録する
内定者から辞退の申し出があったこの構成の流れを止め、採用担当が責任者と対応を決める
担当表に無い区分の質問が出た依頼先を空欄で D に出す。答えた後に担当表へ行を足す
記録しない事項を内定者が長く話した時刻の範囲だけ残し、確認の段で範囲を目で確かめる
体調や健康の話が出た記録の扱いを人事部の責任者と決める。エージェントに渡す前に範囲を外す

4行目を流れに乗せないでください。 辞退の申し出は、記録と段取りの話ではなくなります。会議の Copilot の書き出しを頼む前に、採用担当が責任者に知らせます。

Step11

記録を残す

  • 面談ごとの書き出し(Word)と、使った指示文の版
  • エージェントの出力(A〜D)と、採用担当が直した後の記録
  • 文字起こしの了承の有無(了承を得た面談と、オフにした面談)
  • 回答の依頼の日時、依頼先、回答が戻った日時、内定者へ答えた日時
  • 入社の意向の区分を採用担当が直した記録(どの区分から、どの区分へ)

最後の行が、この構成の物差しです。 区分の直しが多いなら、指示の言葉の例か、面談での聞き方を見直します。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に書き出しを頼み、記録と依頼は採用担当が書く / 不安・質問・意向の発言の書き出し
半自動化:上記+フォローの担当表と、内定者フォロー用のエージェントで記録・依頼・次のフォローの案を作る / 記録の下書き、依頼先と依頼文、次のフォローの案
本格構成:上記+回答の依頼の期限が近いものを採用担当へ知らせる流れ(Power Automate 等) / 回答の遅れの追いかけ

本記事の想定は半自動化です。 1件45分が15分になる見込みは、この段階で置いています。残るのは確かめることと、次のフォローを決めることと、送ることです。 本格構成に進むのは、担当表の区分が3か月で落ち着いてからにしてください。 区分が変わり続けるうちに知らせを自動にすると、依頼先の違う知らせが届きます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  60件 × 45分 ÷ 60 = 45 時間/月
導入後 60件 × 15分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
30h
削減率
67%
年間削減時間
360h
年間金額換算(時間単価3,300円)
119万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 新卒と中途の内定者を通年で抱え、内定承諾の前後と入社までのあいだに、採用担当が内定者と Teams で面談している IT・SaaS の会社。面談の後の記録の書き方が担当者ごとに違い、内定者の不安や質問が次のフォローの担当に伝わらないことがある場合。その場で答えられなかった質問の回答が遅れ、内定者を待たせることがある場合。採用担当が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)のライセンスを持てる場合。人材紹介会社のキャリアアドバイザーが内定者と面談する場合や、製造業・金融機関の採用担当にも同じ形で使えます。
向いていない
  1. 内定者との面談を対面だけで行い、文字起こしを残せない場合。内定者が面談の文字起こしを望まない場合(その内定者の面談では使いません)。内定者が月に数名で、担当者のメモで足りる場合。なお、内定者に入社を続けてもらうための働きかけの中身、処遇や配属の変更、内定の取り扱いは、採用担当と配属予定の部署が決めることで、この構成は記録とフォローの段取りを助けるものです。内定者の辞退のしやすさを点数にする使い方はしません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月のフォロー面談のうち、文字起こしが残っているものを5件選ぶ(内定者が迷いを口にした面談を1件、家族の話が出た面談を1件入れる)
  2. その5件について、当時の面談記録を手元に用意する
  3. 会議のチャットから Copilot を開き、第7章の書き出しの指示文を入れる
  4. 出てきた書き出しを、当時の記録と比べる
  5. 書き出しと担当表を Copilot の画面に貼り、第7章の作り分けの指示文を添えて A〜D を作らせる

5件は必ず、当時の記録と比べてください。 エージェントを作る前に、内定者の言葉が言い換えられていないか、家族の話が残っていないかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の記録と同じ不安と質問が、引用付きで出た担当表とエージェントを作る段階に進む
「迷っています」が「辞退のリスク」と書かれた指示の書き方で直る。構成は有効
家族の話が要約されて残った指示の書き方で直る。面談での聞き方も見直す
持ち帰りの質問が拾えていない終わりの読み合わせが先。 当時の面談で声に出していなかった

4行目が出ることは珍しくありません。 持ち帰りの漏れの理由が、記録ではなく面談の終わり方にあると分かったことになります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「迷っています」が辞退の見込みとして書かれる意向の区分を4つに限り、評価の言葉を禁じる
家族や出身地の話が記録に残る記録しない事項の一覧を指示と知識の両方に入れ、範囲だけ残す
担当表に無い部署へ依頼が出る担当表の行のとおりに書かせ、無ければ空欄にする
持ち帰りの質問が漏れる面談の終わりに読み合わせる
複数の内定者の話が混ざる面談を内定者ごとの単発の会議にする
前回の記録が消えた定期の会議にしない。 単発の会議で、書き出しを Word で残す
人材紹介会社の会議で Copilot が使えない組織の外で主催された会議では動かない。 自社が主催する
依頼文に氏名が載って部署をまたぐ管理番号だけを書かせる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、内定者が言っていないことが記録に残る、または残してはいけないことが記録に残る問題です。指示と面談の進め方の両方で防ぎます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 内定者の氏名、面談で述べた不安と質問、入社の意向に関する発言、他社の選考の状況、そして面談の中で内定者が自分から話した私的な事情です。

  1. 文字起こしの了承を毎回得る … 冒頭で聞き、断られたらその面談では使いません。了承の有無を記録します
  2. 記録しない事項を決めて守る … 厚生労働省は、職業安定法第5条の5と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないとしています。面談で話されたことでも記録に書かない一覧を、社内の採用の手引きと合わせて決めます
  3. 辞退の見込みを点数にしない … 内定者の言葉を色分けして接し方を変える使い方はしません
  4. 閲覧の範囲を絞る … 内定者のフォルダは受け持ちの採用担当と責任者に限ります。エージェントは保存先の権限を引き継ぐとされているので、権限の設定がそのまま守りになります
  5. 依頼に要らない情報を広げない … 社内への依頼は管理番号と質問だけにします
  6. 会議の内容の保持の扱いを確かめる … Microsoft Purview の保持ポリシーによって、会議中の Copilot の質問と回答が保持されることがあるとされています。内定者の情報の保存期間の規程と照らしておきます

誤りが起きた場合のリスクは、内定者が言っていない意向を記録に残すことと、記録してはいけない事項を残すことの2つです。 前者は内定者への接し方を誤らせ、後者は採用の公正さへの疑いを生みます。

10まず何から始めるか

1週目:担当表と記録しない事項の一覧を作る

採用グループで、内定者からよく出る質問と不安を区分に分け、区分ごとに答えられる担当と次のフォローの目安を決めます。配属予定の部署と労務の担当に、依頼の受け方を了承してもらいます。 あわせて、記録しない事項の一覧を社内の採用の手引きと合わせて作ります。

2週目:面談の決まりをそろえる

面談を内定者ごとの単発の会議にすること、冒頭で文字起こしの了承を得ること、終わりに持ち帰りの質問を読み合わせることを、採用グループの決まりにします。

3週目:5件で試す

第8章の手順で、先月の面談5件の書き出しと記録を作らせ、当時の記録と比べます。内定者の言葉が言い換えられていないかと、家族の話が残っていないかを最優先で見ます。

4週目:エージェントを作る

Agent Builder で知識に担当表のリストと様式のファイルを指定し、作り分けの指示を入れます。最初の1か月は、採用担当が手で書いた記録と並べて比べます。

2か月目以降: 4名全員で使い、持ち帰りの質問に答えるまでの日数と、意向の区分を直した件数を毎月数えます。持ち帰りの質問が1週間以内に答えられるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
会議の Copilot が主要な論点を誰が何を言ったかを含めて要約し、質問に答えること。会議の後に頼むには文字起こしが要ること。「会議中と会議後」「会議中のみ」「オフ」の違いと、オフでは録画と文字起こしもオフになること。会議の後は会議のチャットか「まとめ」のタブから使え、使った情報源を示すこと。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定期的な会議では後の会議で文字起こしをすると前の会話の履歴が失われること。1,300字を超える回答を Word で開けることMicrosoft Support: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-08
管理者の Copilot のポリシーの既定が「保存された文字起こしが必須」で、主催者が「会議中と会議後」を変えられないこと。前提が追加の Microsoft Copilot ライセンスであること。Purview の保持ポリシーにより、会議中の Copilot の質問と回答が保持されうることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-08
Agent Builder の知識として SharePoint のファイルを100まで、リストを1つまで指定できること。サイトを指定してもリストは含まれないこと。既存の権限と秘密度ラベルを引き継ぐことMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-08
本籍地や家族の職業など「本人に責任のない事項」、宗教や支持政党など「本来自由であるべき事項」を採用基準にしないことが必要とされること。適性・能力に関係のない事項は面接時にたずねたりすれば採否決定に影響を与え、就職差別につながるおそれがあること。職業安定法第5条の5と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないこと(ページの原文を取得して確認)厚生労働省: 公正な採用選考の基本2026-10-08

記録しない事項の範囲と、内定者の情報の保存期間は、社内の採用の手引きと個人情報の取扱いの規程に沿って決めてください。 本記事は確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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