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募集する職種ごとに、求人要件と現場の行動の例から面接の質問と評価の目安をそろえた質問集を作り、聞いてはいけない事項が混ざっていないかも確かめる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

募集する職種の求人要件と、現場の責任者が挙げた「できる人がとる行動の例」を ChatGPT に渡し、要件ごとの面接の質問と評価の目安をそろえた質問集の下書きを作ります。できた質問は別の段で、聞いてはいけない事項に触れていないかを確かめます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
連携・自動化
Google Apps Script/Make/Power Automate
対象業界
IT・SaaS/人材/小売/製造
対象部門
人事/採用
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/属人化解消/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
75%
年間削減
432h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 現場の責任者と求人票の内容を確認し、必須の要件と歓迎する要件を決める
  2. 現場の責任者に「この職種で活躍している人がとっている行動」を聞き、メモにとる
  3. 要件ごとに質問を考える。過去の質問集から近い職種のものを探して流用することが多い
  4. 質問ごとに、評価の目安を文章で書く
  5. 質問の中に、聞いてはいけない事項に触れるものが無いかを読み直す
  6. 質問集を現場の責任者に送り、意見をもらって直す
  7. 確定した質問集を面接官に配る
導入後(After)
  1. 人現場の責任者と求人要件を確認し、必須の要件と歓迎する要件を決める(今と同じ)
  2. 人現場の責任者に、要件ごとに「できる人がとる行動」と「できない人にありがちな行動」を2〜3個ずつ挙げてもらう
  3. 人求人要件と行動の例を、決まった書式の入力シートに書く
  4. 【AI】 入力シートを ChatGPT に渡し、要件ごとの質問と深掘りの質問、評価の目安の下書きを作らせる(作る段)
  5. 【AI】 できた質問の一覧だけを、配慮すべき事項の一覧とともに別の指示で ChatGPT に渡し、触れている質問を挙げさせる(確かめる段)
  6. 人採用担当が、確かめる段で挙がった質問を先に見て、直すか削る
  7. 人採用担当が、要件と質問の対応、評価の目安の書きぶりを確かめて直す
  8. 人現場の責任者に送り、意見をもらって確定する
  9. 人確定した質問集を面接官に配り、採用管理システムの職種のメモ欄に保存する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 現場の責任者と求人票の内容を確認し、必須の要件と歓迎する要件を決める
  2. 現場の責任者に「この職種で活躍している人がとっている行動」を聞き、メモにとる
  3. 要件ごとに質問を考える。過去の質問集から近い職種のものを探して流用することが多い
  4. 質問ごとに、評価の目安を文章で書く
  5. 質問の中に、聞いてはいけない事項に触れるものが無いかを読み直す
  6. 質問集を現場の責任者に送り、意見をもらって直す
  7. 確定した質問集を面接官に配る

(a)質問が要件に結び付いていない。 3番目で過去の質問集を流用すると、その職種の要件ではなく、前の職種の要件を確かめる質問が残ります。 「チームで意見が対立したときの経験」という質問が、要件のどれを確かめるためのものかが書かれていません。面接官は質問を読み上げるだけになり、答えを聞いても何を評価すればよいかが分かりません。

(b)評価の目安が抽象的になる。 4番目は時間がかかるため、「具体的に話せていれば高評価」のような書き方で済ませがちです。「具体的」の程度は面接官ごとに違い、結局は印象で点を付けることになります。

(c)配慮すべき事項の確認が読み手の注意力に頼っている。 5番目は採用担当が目で読むだけです。「休日はどのように過ごしていますか」「尊敬する人物は」のように、場をなごませるつもりの質問ほど見落とされます。 過去の質問集から流用した質問は、すでに使われてきたという理由で読み飛ばされます。

(d)現場との調整が長引く。 6番目で現場の責任者から「この質問では分からない」と返ってくるのは、1番目と2番目で聞いた内容が、質問と目安に反映されていないときです。 やり取りが2往復、3往復と続き、その間に面接が始まってしまうことがあります。

  1. 【人】 現場の責任者と求人要件を確認し、必須の要件と歓迎する要件を決める(今と同じ)
  2. 【人】 現場の責任者に、要件ごとに「できる人がとる行動」と「できない人にありがちな行動」を2〜3個ずつ挙げてもらう
  3. 【人】 求人要件と行動の例を、決まった書式の入力シートに書く
  4. 【AI】 入力シートを ChatGPT に渡し、要件ごとの質問と深掘りの質問、評価の目安の下書きを作らせる(作る段)
  5. 【AI】 できた質問の一覧だけを、配慮すべき事項の一覧とともに別の指示で ChatGPT に渡し、触れている質問を挙げさせる(確かめる段)
  6. 【人】 採用担当が、確かめる段で挙がった質問を先に見て、直すか削る
  7. 【人】 採用担当が、要件と質問の対応、評価の目安の書きぶりを確かめて直す
  8. 【人】 現場の責任者に送り、意見をもらって確定する
  9. 【人】 確定した質問集を面接官に配り、採用管理システムの職種のメモ欄に保存する

5番目が、この設計の分かれ目です。 作る段の指示にも「配慮すべき事項に触れないこと」と書きますが、それだけに頼りません。作った本人に確かめさせると、作ったときの意図で読んで通すからです。 確かめる段には求人要件も行動の例も渡さず、質問の文言と配慮すべき事項の一覧だけで判断させます。

6番目と7番目は人の仕事として残します。 AIが挙げなかった質問が問題ないとは限らず、AIが挙げた質問が必ず問題とも限りません。最終的な判断は採用担当が行い、迷うものは人事部の責任者に上げます。

02今回想定するシステム構成

構成図
求人要件 + 現場の行動の例(入力シート)
   ▼【トリガー】採用担当が入力シートを書き終えたとき
ChatGPT(作る段)
   │   ① 要件ごとの質問(経験を聞く質問/場面を示す質問)
   │   ② 深掘りの質問   ③ 評価の目安(1・3・5の3段)
   ▼
質問の一覧だけを取り出す
   ▼
ChatGPT(確かめる段:別の指示)
   │   配慮すべき事項14項目のどれかに触れていないか
   │   職務の遂行に関係しない質問になっていないか
   ▼
【人が確認】挙がった質問を先に、要件との対応と目安を次に
   ▼
現場の責任者の確認 ──▶ 面接官へ配布、採用管理システムに保存
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(最小構成は ChatGPT の画面、半自動化以降は OpenAI API の Structured Outputs)Claude、Gemini、Microsoft Copilot
連携Google Apps Script(半自動化以降。入力シートから2つの段を順に呼び、結果を書き戻す)Power Automate、Make
入力シートGoogle スプレッドシートMicrosoft Lists
配布共有ドライブ、採用管理システムのメモ欄社内ポータル

新しく足すものはありません。 ChatGPT はすでに契約している法人向けのプランを使い、変えるのは、入力シートの書式と、2つの段の指示文を決めることだけです。

最小構成では、2つの段を別々の会話で行います。 同じ会話の続きで確かめさせると、作る段のやり取りが前提として残り、確かめる段が作る段の意図を知った状態で判断することになります。 新しい会話を始め、質問の一覧と配慮すべき事項の一覧だけを貼ります。

半自動化で使うのは、OpenAI API の Structured Outputs です。 公式ドキュメントでは、モデルが供給された JSON Schema に準拠した応答を生成することを保証し、必須キーの省略や無効な enum 値の生成を心配する必要がないとされています。Responses API では text.format に type: "json_schema"、strict: true とスキーマを指定します。質問の種類と、確かめる段の判定を enum で縛れることが、この業務では効きます。

配慮すべき事項の一覧は、厚生労働省の公正採用選考特設サイトから取ります。 同サイトでは、就職差別につながるおそれがある事項として、本人に責任のない事項、本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)、採用選考の方法にかかわる事項の14事項が示されています。この一覧を、確かめる段の判断の材料としてそのまま渡します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

採用担当が入力シートを書き終えたときを起点にします。 最小構成では、採用担当が入力シートの中身を ChatGPT の画面に貼り付けるところから始めます。半自動化では、入力シートの「状態」の列を「作成依頼」に変えたことを Google Apps Script が見て、2つの段を順に呼びます。

求人を出す前に動かすのが原則です。 求人を出してから質問集を作り始めると、書類選考を通った候補者の面接に間に合わず、面接官が質問集なしで面接を始めることになります。 要件を見直す求人は、見直しが決まった時点で動かします。

1回に扱うのは1つの職種です。 複数の職種をまとめて渡すと、職種の間で要件が混ざり、別の職種の要件を確かめる質問が紛れ込みます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
求人要件職種名、仕事の内容、必須の要件、歓迎する要件(それぞれ番号を振る)求人票、現場の責任者との打ち合わせ
行動の例要件ごとに「できる人がとる行動」「できない人にありがちな行動」を2〜3個ずつ現場の責任者への聞き取り
面接の形面接の回(一次・二次)、時間、面接官の役割(現場・人事)採用チーム
配慮すべき事項の一覧厚生労働省が示す14事項の文言公正採用選考特設サイト
社内の禁止質問の例過去に問題になった質問、面接官研修で示している例人事部

質を決めるのは、2行目の行動の例です。 求人要件だけを渡すと、要件の言葉をなぞった質問しか出てきません。「顧客折衝の経験」という要件に対して「顧客折衝の経験を教えてください」という質問になります。現場の責任者が挙げた「要望をそのまま受けずに、背景を聞き直して代わりの案を出している」という行動があって初めて、その行動の有無を確かめる質問になります。

行動の例は、必ず「できない人にありがちな行動」と対で集めます。 評価の目安の低い段は、この対から書きます。良い例しか無いと、低い段の目安が「良い例が見られない」という書き方になり、面接官が使えません。

Step3

データの取得方法を決める

行動の例は、現場の責任者への聞き取りで集めます。 入力シートに要件ごとの欄を作っておき、打ち合わせの場で埋めます。「活躍している人はどんな人ですか」と人物を聞くのではなく、「どんなときに、何をしていますか」と行動を聞きます。 人物を聞くと「明るい」「粘り強い」のような性格の言葉が返ってきて、質問の材料になりません。

入力シートの1行は、たとえば次のようになります。

番号要件できる人がとる行動できない人にありがちな行動
1顧客の業務を理解したうえで要件を整理できる(必須)要望をそのまま受けず、背景の業務を聞き直して代わりの案を出す要望の一覧をそのまま仕様に写し、後から手戻りが出る
2障害の対応で関係者に状況を伝えられる(必須)分かっていることと分かっていないことを分けて、決まった間隔で報告する原因が分かるまで報告を止め、問い合わせが殺到する

右の2列が埋まらない要件は、現場の責任者もまだ言葉にできていない要件です。 その場合は質問集を作る前に、現場で話し合ってもらいます。

求人要件は求人票から写し、要件ごとに番号を振ります。 番号は、質問と要件を結び付けるための鍵になります。番号が無いと、出てきた質問がどの要件のためのものかを、出力の側で確かめられません。

配慮すべき事項の一覧は、特設サイトの文言をそのまま入力シートの別のシートに置きます。 言い換えて短くすると、「家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)」の括弧の中が落ち、家族の健康や病歴に触れる質問が見落とされます。 年に一度、サイトの記載と照らして更新します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 要件の数を確かめる … 必須と歓迎を合わせて3〜6個に絞ります。多すぎると1つの要件に充てられる面接の時間が足りなくなります
  2. 要件の言葉を確かめる … 「体力がある」「〇歳まで」のような、職務の遂行に必要か説明できない要件が無いかを見ます。要件そのものが不適切なら、質問はどう作っても不適切になります
  3. 行動の例から個人を特定できる情報を除く … 「〇〇さんは」と実在の社員の名前で書かれていれば、役割の言葉に置き換えます
  4. 面接の時間から質問の数を決める … 60分の面接なら、要件1つにつき主な質問1つと深掘りの質問2つ程度を目安にします
  5. 過去の質問集を渡さない … 流用元を渡すと、そのまま写した質問が混ざります。材料は今回の要件と行動の例だけにします

2番目を軽く見ないでください。 公正採用選考特設サイトの「採用選考の具体的な方法」では、求人の中で、職務を遂行するために必要な適性・能力に基づかない要素を応募条件としないようにする必要があるとされています。質問集を作る前の段で、要件の側を確かめます。

Step5

AIに処理させる

作る段でさせることは3つです。

させること中身
要件ごとの主な質問過去の経験を聞く質問(「〜したときのことを教えてください」)を基本にし、経験が浅い職種では場面を示す質問(「〜という状況なら、どうしますか」)を使う
深掘りの質問主な質問の答えに対して、本人が何をしたか、なぜそうしたか、結果どうなったかを聞く質問
評価の目安1・3・5の3段で、それぞれ「どんな話が出たらその点か」を、行動の例を材料に書く

確かめる段でさせることは2つです。

させること中身
配慮すべき事項への言及14事項のどれかを尋ねる、または答えの中でそれを話させることになる質問を挙げ、該当する事項の番号を付ける
職務との関係どの要件にも結び付かない質問を挙げる
させないこと理由
要件の追加や書き換え要件は現場の責任者と人事で決めたもの
確かめる段での質問の書き直し直すのは人。直した案を出させると、それを確かめる段がもう一つ要る
就職差別にあたるかの結論最終的な判断は人事部の責任者が行う
候補者を想定した合否の目安質問集は物差しまで。合否の線は会議で決める

2行目は意図して外しています。 確かめる段に「問題があれば直した質問も出して」と頼むと、直した質問が新しく生まれ、その質問は誰にも確かめられないまま質問集に入ります。 確かめる段は挙げるだけにし、直すのは人です。

Step6

指示内容を固定する

作る段の指示:

あなたは人事部の採用担当で、面接の質問集を作る立場です。
渡す求人要件と行動の例だけを材料に、要件ごとの面接の質問と評価の目安を作ってください。

【作るもの】
- 要件ごとに、主な質問を1つ、深掘りの質問を2つ。
- 主な質問は、過去の経験を聞く形を基本にしてください。
  経験の浅い職種で経験を聞けない要件だけ、場面を示して対応を聞く形にしてください。
- 評価の目安は 1・3・5 の3段で、それぞれ「どんな話が出たらその点か」を書いてください。
  5と1は渡した「できる人の行動」「できない人にありがちな行動」から書いてください。

【厳守事項】
- 渡した要件の番号を、すべての質問に付けてください。番号の無い質問を作らないでください。
- 要件を足したり、言い換えたりしないでください。
- 評価の目安に「主体性がある」「意欲が高い」のような性格や印象の言葉を使わないでください。
  面接官が聞き取れる行動や事実で書いてください。
- 家族、出身地、住まい、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書、休日の過ごし方など、
  職務の遂行に必要な適性・能力と関係のない事項を尋ねる質問は作らないでください。
- 行動の例に無い内容を、評価の目安に書き足さないでください。足りなければ note に書いてください。

【求人要件】{requirements}
【行動の例】{behavior_examples}
【面接の回と時間】{interview_format}

確かめる段の指示(新しい会話で):

あなたは採用選考の公正さを点検する立場です。
渡す質問の一覧を1つずつ読み、次の2点だけを判定してください。質問を書き直さないでください。

1. 渡す「配慮すべき事項の一覧」のどれかを尋ねている、
   または答えの中でそれを話させることになる質問か。
   該当すれば consider_item とし、事項の番号を付けてください。
   直接尋ねていなくても、答えると家族・住まい・思想・信条などに触れることになる質問も含めます。
2. 職務の遂行に必要な適性・能力と関係のない質問か。該当すれば not_job_related とします。

どちらにも当たらなければ none とします。
迷ったときは none を選ばず、consider_item か not_job_related を選び、reason に迷った点を書いてください。

【配慮すべき事項の一覧】{consider_items}
【質問の一覧】{questions}

作る段に禁止の事項を具体的に並べているのは、「適切な質問を」とだけ書くと、場をなごませる質問を入れてくるからです。 特設サイトでも、面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いと注意されています。

確かめる段の「答えの中で話させることになる質問」が大事です。 「これまでで一番影響を受けた人は」という質問は尊敬する人物を直接は尋ねていませんが、答えはほぼ同じ内容になります。 文言だけを見ると通ってしまう型です。

Step7

出力形式を固定する

作る段は次の形のJSONで受け取ります。

{
  "position": "",
  "questions": [
    {
      "question_id": "Q1",
      "requirement_no": 1,
      "type": "behavioral | situational",
      "question": "",
      "follow_ups": ["", ""],
      "rubric": { "5": "", "3": "", "1": "" },
      "note": ""
    }
  ]
}

確かめる段は次の形です。

{
  "checks": [
    {
      "question_id": "Q1",
      "flag": "none | consider_item | not_job_related",
      "item_no": [],
      "reason": ""
    }
  ]
}

上の入力シートの要件1からは、たとえば次のような下書きが出ます。

項目下書きの例
主な質問顧客から出てきた要望を、そのまま仕様にしなかった経験を教えてください
深掘りの質問その要望の背景を、誰に、どのように確かめましたか/代わりの案に対して、顧客はどう反応しましたか
5背景の業務を自分で聞き直し、代わりの案を出して、顧客の合意を得た経緯を順を追って話せる
3背景を確かめた経験はあるが、代わりの案は上司や先輩が出しており、本人の役割が限られる
1要望をそのまま仕様にした経験だけを話し、背景を確かめた場面が出てこない

5と1の行が、入力シートの「できる人」「できない人」の列とほぼ同じ言葉になっていることを確かめます。 離れているときは、作る段が行動の例に無いことを書き足しています。

1つ目の理由は、要件と質問の対応を機械で数えられることです。 requirement_no が付いていない質問や、どの質問にも使われていない要件があれば、採用担当が読む前に一覧で分かります。 半自動化では、Google Apps Script がこの数え合わせを行い、足りなければ作る段をやり直します。

2つ目は、確かめる段の結果を質問の番号で結び付けられることです。 確かめる段には質問の文言と番号だけを渡し、結果を question_id で作る段の出力に戻します。flag が none 以外の質問は、質問集の中で色を付けて表示します。

3つ目は、type と flag を enum で縛れることです。 Structured Outputs では、スキーマで additionalProperties: false と required を指定し、strict: true で準拠を求めます。3つの値以外の言い方で返ってくると、後段で色を付けられません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
入力シート最小構成は手で貼り付け、半自動化は Google Apps Script で読み取り求人要件、行動の例、面接の形
ChatGPT/OpenAI API最小構成は画面、半自動化は API(2回の呼び出し)作る段と確かめる段
質問集の文書書き出し要件ごとの質問、深掘りの質問、評価の目安、確かめる段の印
採用管理システム職種のメモ欄に人が貼る確定した質問集

採用管理システムへの登録は人が行います。 確定する前の質問集が面接官の目に触れると、確かめる段で挙がった質問がそのまま使われます。 下書きは採用チームの共有ドライブだけに置きます。

Step9

人が確認する

採用担当が確かめる順番を決めておきます。

  1. 確かめる段で挙がった質問を先に見る … consider_item は事項の番号と質問を読み比べ、直すか削ります。迷うものは人事部の責任者に上げます
  2. 挙がらなかった質問も読む … AIが挙げなかったことは、問題が無いことの証明になりません。特に深掘りの質問は、主な質問より私的な話に流れやすいので必ず読みます
  3. 要件と質問の対応を確かめる … 要件ごとに、確かめたいことが聞ける質問になっているか
  4. 評価の目安を確かめる … 印象の言葉が残っていないか。1と5の差が、面接官に聞き分けられる違いになっているか
  5. 現場の責任者に送る … 質問と目安が、聞き取った行動の例と合っているかを見てもらいます

2番目を省かないでください。 確かめる段は、渡した一覧の文言に照らして判定しているだけです。一覧に載っていない種類の不適切な質問は、挙がりません。

目標は、質問集1件あたり30分です。 確かめる段で挙がる質問が毎回のように出るなら、作る段の禁止の事項に、その型を書き足します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
行動の例が集まらない質問集を作らずに現場へ戻す。材料が無いと、要件の言葉をなぞった質問になる
要件に職務と関係の説明できないものがある人事部の責任者に上げ、要件を見直してから作る
番号の無い質問が出る作る段をやり直す。半自動化では自動で再実行し、2回続けば人へ
評価の目安に印象の言葉が残る該当する目安だけを直す。直す指示を足して作り直すより速い
確かめる段で同じ質問が何度も挙がる作る段の禁止の事項に、その型を書き足す
応答が拒否で返るStructured Outputs では、安全上の理由で拒否した場合に refusal が含まれる。拒否の理由を読み、質問の材料を見直す
現場の責任者が質問を書き足す書き足した質問も確かめる段に通す

最後の行を忘れがちです。 確定の直前に現場で足された質問は、確かめる段を通っていません。質問集に1問でも足したら、その質問だけを確かめる段に通すことを、確定の条件にします。

Step11

記録を残す

  • 入力シート(求人要件、行動の例、面接の形)と、作成した日付
  • 作る段の出力の全文
  • 確かめる段の出力の全文と、そのとき使った配慮すべき事項の一覧の版
  • 採用担当が直した箇所と、直した理由(挙がった質問を削った、目安を書き直した、など)
  • 現場の責任者が直した箇所
  • 確定した質問集と、配布した日付

4つ目は、作る段の指示を直す材料になります。 同じ型の質問を毎回削っているなら、指示の禁止の事項に足すだけで、次から出てこなくなります。

確定した質問集は、面接の評価と結び付けて残します。 後から特定の質問について問われたとき、その質問がいつ、誰の確認を経て使われたかを示せるようにしておきます。

04実装レベルの3段階

最小構成:ChatGPT の画面で、作る段と確かめる段を別の会話で行う / 質問と目安の下書き、配慮すべき事項の点検
半自動化:上記+入力シートの状態の変更を起点に、Google Apps Script が OpenAI API の2つの段を順に呼び、結果を書き戻す / 2つの段の実行と、要件と質問の数え合わせ
本格構成:上記+確定した質問集を職種ごとに蓄積し、要件を見直したときに差分だけを作り直す / 質問集の作成と更新の全体

本記事の想定は最小構成です。 月24件であれば、画面に貼り付けて2つの会話を行う手間は大きくありません。半自動化に進むのは、件数が増えたときか、確かめる段を通し忘れる事故が起きたときです。 半自動化で効くのは、確かめる段を飛ばせなくなることです。 画面での運用では、急いでいる月に確かめる段を省く人が出ます。仕組みで2つの段を必ず順に通すことが、時間の短縮より大きな意味を持ちます。 本格構成では、要件の一部だけを見直したときに、変わった要件の質問だけを作り直します。 全部を作り直すと、現場の責任者がすでに確かめた質問まで変わってしまいます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
24 件
1件あたり現在時間
120 分
1件あたり導入後時間
30 分
現在  24件 × 120分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 24件 × 30分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
36h
削減率
75%
年間削減時間
432h
年間金額換算(時間単価3,500円)
151万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 通年で中途採用を行い、募集する職種が多く、毎月いくつもの求人を新しく出したり見直したりしているIT企業・人材サービス会社・小売チェーン・メーカー。面接の質問が面接官ごとに違い、同じ職種の候補者を同じ物差しで比べられていない場合。採用担当が職種ごとに質問集を作っているが、現場の責任者との調整に時間がかかる場合。ChatGPT の法人向けのプランをすでに契約している場合。
向いていない
  1. 募集する職種が1〜2種類に限られ、質問集を一度作れば何年も使える場合。面接を経営者が1人で行い、面接官の間で基準をそろえる必要が無い場合。求人要件そのものが決まっておらず、先に職務の内容を整理する必要がある場合。なお、採否の判断と、就職差別にあたるかどうかの最終的な判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 最近出した求人から、職種の違う3件を選ぶ
  2. 現場の責任者に、要件ごとの行動の例(できる人・できない人)を2〜3個ずつ挙げてもらう
  3. 求人要件と行動の例を ChatGPT の画面に貼り、作る段の指示で質問集を作らせる
  4. 新しい会話を始め、できた質問の一覧と配慮すべき事項の一覧を貼り、確かめる段の指示で判定させる
  5. いま使っている質問集と、作った質問集を並べ、現場の責任者に「どちらが評価しやすいか」を聞く

4番目の確かめる段には、わざと不適切な質問を2〜3問混ぜてください。 「休日はどう過ごしていますか」「ご家族はこちらにお住まいですか」のような質問です。挙がらなければ、確かめる段の指示か、配慮すべき事項の一覧の渡し方を直します。

出てきた内容判断
現場の責任者が「評価しやすい」と答えた入力シートの書式を決め、全職種に広げる
要件の言葉をなぞった質問が多い行動の例が足りない。聞き取りの仕方を直す
混ぜた不適切な質問が挙がらない確かめる段の指示と一覧を直す。直るまで本番に使わない

3行目が出たときは、混ぜた質問の型を見てください。 家族や出身地を直接尋ねる質問は挙がるのに、「休日の過ごし方」のように答えの中で生活環境や人生観に触れる質問だけが挙がらない、ということがよく起きます。その型を確かめる段の指示に例として書き足し、同じ3件でもう一度試します。 3件とも混ぜた質問がすべて挙がるまで、全職種に広げる段に進まないでください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
作る段と確かめる段を同じ会話で行う確かめる段は新しい会話で、質問の一覧と事項の一覧だけを渡す
要件の言葉をなぞった質問ばかりになる行動の例を集める。「どんな人か」ではなく「何をしているか」を聞く
評価の目安に印象の言葉が残る指示で禁じる。できない人にありがちな行動を対で集める
場をなごませる質問が混ざる作る段の禁止の事項に具体例を並べる
答えの中で私的な話をさせる質問を見落とす確かめる段に「答えの中で話させることになる質問」も含めると明記する
確かめる段に直した質問を出させる挙げるだけにする。 直すのは人
配慮すべき事項の一覧を短く言い換える括弧の中まで、特設サイトの文言をそのまま渡す
過去の質問集を材料に渡す写した質問が混ざる。今回の要件と行動の例だけを渡す
確定の直前に足した質問が確かめる段を通らない1問でも足したら、その質問を確かめる段に通すことを確定の条件にする
要件そのものが職務と関係ない質問集を作る前に、要件を見直す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 1つ目は点検の意味を失わせ、2つ目は質問集を作る意味を失わせます。どちらも、指示文ではなく材料と手順の問題です。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 求人要件、現場の責任者が挙げた行動の例、面接の形です。候補者の個人情報は扱いません。

  1. 候補者の情報を入れない … 質問集は職種ごとのもので、候補者ごとのものではありません。「この候補者向けに質問を作って」という使い方をすると、応募書類の個人情報を渡すことになります。 この構成では行いません
  2. 行動の例から社員の個人名を除く … 現場の責任者は、実在の社員を思い浮かべて行動を挙げます。入力シートに書くときに、役割の言葉に置き換えます
  3. 確かめる段の結果を判断の代わりにしない … 確かめる段が挙げないことは、問題が無いことを意味しません。就職差別にあたるかどうかの判断は、人事部の責任者が行います
  4. 質問は事前に決め、評価は事前の基準で行う … 公正採用選考特設サイトの「採用選考の具体的な方法」では、面接における質問事項はあらかじめ決めておき、その内容は職務遂行のために必要な適性・能力を評価するために必要な事項とすること、あらかじめ評価基準を決めておき、できるだけ客観的かつ公正に行うことが示されています。この構成は、その準備を速くするためのものです
  5. 入力したデータの扱いを確かめる … API については、公式ドキュメントで送られたデータは明示的にオプトインしない限りモデルの学習や改善に使われないとされ、不正利用の監視のログは最大30日保持されるとされています。ChatGPT の画面で使う場合は、契約しているプランの条件を確かめてください
  6. 面接官への周知とあわせて使う … 質問集を配っても、面接官が深掘りで私的な話に流れることは防げません。特設サイトでは、複数の面接担当者で面接する場合に全員で公正採用選考の考え方に基づいた対応ができるよう確認・徹底することが示されています

誤りが起きた場合のリスクは、配慮すべき事項に触れる質問が面接で使われることと、職務に関係のない質問で候補者を評価することの2つです。 どちらも、質問集が確定する前の確認で止めます。確定した質問集は、面接官にとって「聞いてよい質問」の一覧になるため、ここに混ざった質問は繰り返し使われます。

10まず何から始めるか

1週目:入力シートの書式を決める

求人要件に番号を振る欄、要件ごとに「できる人の行動」「できない人にありがちな行動」を書く欄、面接の形を書く欄を作ります。配慮すべき事項の一覧を、特設サイトの文言のまま別のシートに置きます。

2週目:3職種で試す

職種の違う3件の求人で、作る段と確かめる段を別々の会話で行います。確かめる段には、わざと不適切な質問を混ぜて、挙がるかを見ます。

3週目:現場の責任者に見てもらう

いまの質問集と並べて、どちらが評価しやすいかを聞きます。行動の例の挙げ方について意見をもらい、入力シートの書式を直します。

4週目:全職種に広げる

新しく出す求人と見直す求人から、この手順で質問集を作ります。採用担当が直した箇所を記録し、毎週見返します。

2か月目: 直した箇所の型を作る段の禁止の事項に書き足します。3か月目以降: 件数が増えていれば半自動化に進み、2つの段を必ず順に通す仕組みにします。合否会議で評価の根拠を聞き直す場面が減り、確かめる段で挙がる質問が毎回0〜1問に落ち着いた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
就職差別につながるおそれがある事項として、本人に責任のない事項(本籍・出生地、住宅状況、家族、生活環境・家庭環境)、本来自由であるべき事項(宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合・学生運動などの社会運動)、採用選考の方法(身元調査など、合理的・客観的に必要性が認められない健康診断、適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類)の14事項が示されていること。面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いとの注意厚生労働省: 採用選考時に配慮すべき事項2026-10-06
面接の質問事項はあらかじめ決め、職務遂行のために必要な適性・能力を評価するために必要な事項とすること。評価基準をあらかじめ決め、客観的かつ公正に行うこと。複数の面接担当者で面接する場合に全員で確認・徹底すること。求人で職務の遂行に必要な適性・能力に基づかない要素を応募条件としないこと厚生労働省: 採用選考の具体的な方法2026-10-06
Structured Outputs がモデルに供給された JSON Schema に準拠した応答を生成することを保証し、必須キーの省略や無効な enum 値を防ぐこと。Responses API で text.format に type: "json_schema"、strict: true を指定すること。additionalProperties: false と required の指定。安全上の理由での拒否が refusal で返ることOpenAI: Structured Outputs2026-10-06
API に送られたデータは明示的にオプトインしない限り学習や改善に使われないこと。不正利用の監視のログが最大30日保持されることOpenAI: API に送ったデータの扱い2026-10-06

就職差別にあたるかどうかの判断は、人事部の責任者が行ってください。 本記事は、厚生労働省の公正採用選考特設サイトで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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