求人原稿を法令と社内ルールに照らして出稿前にチェックする
求人媒体へ出す前の原稿を入力に、法令上の必須記載の欠落、使ってはいけない表現、社内の表記ルール違反を一度に洗い出し、指摘箇所と修正案を一覧で返します。担当者の作業は、全文を読み比べることから、指摘を採るか採らないかを判断することに変わります。
- 利用ツール
- ChatGPT/Claude/Gemini
- 対象業界
- IT・SaaS/人材/介護/小売/飲食
- 対象部門
- 人事/採用
- 対象業務
- 内容確認・チェック/書類作成
- 主な課題
- 属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
- AIで行う処理
- 校正
- 主な効果
- 品質標準化/属人化解消/工数削減
- 導入難易度
- ★☆☆☆☆
- 実装レベル
- 最小構成
- 費用感
- 既存ツールのみ(小)
- 人間の確認
- 必須
01導入前 / 導入後の業務フロー
- 拠点の管理者が、募集したい職種の内容をスプレッドシートに書いて採用担当へ渡す
- 採用担当が、前回の同職種の原稿をコピーして下敷きにする
- 勤務時間、給与、休日、保険の記載を、拠点の実態に合わせて書き換える
- 法令上の必須項目が書かれているかを、チェックリストと見比べて確認する
- 「未経験の若い方歓迎」のような表現が入っていないかを目で探す
- 社内の表記ルール(職種名、施設名、時給の書式)に合わせて直す
- 媒体の入稿画面またはハローワークの求人申込書へ転記する
- 媒体側の審査で差し戻されたら、指摘箇所を直して再提出する
- 拠点の管理者が、募集内容をスプレッドシートの所定の列に書く
- 採用担当が原稿を整え、チェックを実行する
- 自動原稿を項目ごとに分解する(職種名/仕事内容/応募資格/勤務地/勤務時間/給与/休日/保険)
- 自動必須明示事項が書かれているかを項目ごとに照合する
- 自動要注意表現を検出し、なぜ問題になりうるかと修正案を出す
- 自動社内の表記ルールとの差を出す
- 人採用担当が指摘を1件ずつ見て、採用・却下を決める
- 人判断に迷う指摘は社会保険労務士に確認する
- 修正後の原稿を媒体・ハローワークへ出稿する
各工程の詳しい説明を読む
- 拠点の管理者が、募集したい職種の内容をスプレッドシートに書いて採用担当へ渡す
- 採用担当が、前回の同職種の原稿をコピーして下敷きにする
- 勤務時間、給与、休日、保険の記載を、拠点の実態に合わせて書き換える
- 法令上の必須項目が書かれているかを、チェックリストと見比べて確認する
- 「未経験の若い方歓迎」のような表現が入っていないかを目で探す
- 社内の表記ルール(職種名、施設名、時給の書式)に合わせて直す
- 媒体の入稿画面またはハローワークの求人申込書へ転記する
- 媒体側の審査で差し戻されたら、指摘箇所を直して再提出する
問題は4つあります。
(a)チェックリストが頭の中にある。 ベテランの採用担当は必須項目も要注意表現も覚えていますが、担当が替わると同じ水準で見られません。引き継ぎ時にもっとも落ちやすい業務です。
(b)拠点から上がってくる文面に、そのままでは出せない表現が混ざる。 現場の管理者は求人ルールの専門家ではないため、「体力に自信のある男性」「40歳くらいまでの方」といった書き方をしてきます。悪意はなく、ほしい人物像を素直に書いているだけです。
(c)差し戻しが起きると、出稿が数日遅れる。 媒体の審査で表現を指摘されると、修正して再提出することになります。採用は時期がずれると応募数がそのまま落ちます。
(d)過去原稿のコピーが、古い記載を引き継ぐ。 前回の原稿を下敷きにするため、書式や項目が当時のまま残ります。明示ルールが変わった後も、変わる前の項目立てのまま出てしまいます。
- 拠点の管理者が、募集内容をスプレッドシートの所定の列に書く
- 採用担当が原稿を整え、チェックを実行する
- 【自動】 原稿を項目ごとに分解する(職種名/仕事内容/応募資格/勤務地/勤務時間/給与/休日/保険)
- 【自動】 必須明示事項が書かれているかを項目ごとに照合する
- 【自動】 要注意表現を検出し、なぜ問題になりうるかと修正案を出す
- 【自動】 社内の表記ルールとの差を出す
- 【人】 採用担当が指摘を1件ずつ見て、採用・却下を決める
- 【人】 判断に迷う指摘は社会保険労務士に確認する
- 修正後の原稿を媒体・ハローワークへ出稿する
自動化されるのは「読み比べる」「探す」「思い出す」の3つです。残るのは「この指摘を採るかどうかを決める」ことです。
02今回想定するシステム構成
拠点の管理者が書いた募集内容 │ ▼ スプレッドシート(原稿の管理台帳) │ ▼【実行】採用担当がチェックを実行 生成AI(ChatGPT) │ ├── 入力1:原稿本文(項目ごとに分けたもの) ├── 入力2:チェック観点の定義(必須明示事項・要注意表現) ├── 入力3:社内の表記ルール └── 入力4:自社の労働条件マスタ(所定労働時間・休日・保険の実態) │ ▼ 指摘の一覧(項目/該当箇所/区分/深刻度/理由/修正案) │ ▼【人が判断】採用担当が採否を決める │ ▼ 媒体・ハローワークへ出稿
| 役割 | 想定する製品 | 代替候補 |
|---|---|---|
| 生成AI | ChatGPT | Claude、Gemini |
| 原稿の保管 | Google スプレッドシート | Excel、Microsoft Lists |
| 出し先 | 求人媒体の入稿画面、ハローワーク | 自社採用サイトのCMS |
この構成に開発は含まれません。 契約済みの生成AIサービスの画面に、原稿とチェック観点を貼り付けて使う形から始められます。毎回貼り付けるのが面倒になった段階で、Google Apps Script からAPIを呼び、スプレッドシートの行を選んでチェックする形に寄せます。ここまで来ても追加の製品は要りません。
03どうやって実装するのか
処理の起点を決める
採用担当が原稿を書き終えて、チェックを実行したときを起点にします。時刻起動やファイル監視にはしません。
理由は、原稿が書きかけの状態で自動チェックが走ると、「まだ書いていないだけ」の欠落が大量に指摘され、指摘そのものが信用されなくなるためです。書き手が「できた」と判断した時点を起点にします。
スプレッドシートで運用する場合は、行のチェックボックスを起点にします。Google Apps Script の時間主導型トリガーで定期実行する構成も取れますが、この業務では実行のきっかけを人が持つほうが向いています。
入力データを集める
| データ | 中身 | 取得元 |
|---|---|---|
| 求人原稿 | 職種名、仕事内容、応募資格、勤務地、勤務時間、給与、休日、保険、選考の流れ | スプレッドシート |
| チェック観点の定義 | 必須明示事項の一覧と、要注意表現の分類 | プロンプトに固定で埋め込む |
| 社内の表記ルール | 職種名の正式表記、施設名の書き方、金額・時刻の書式 | スプレッドシートの別シート |
| 労働条件マスタ | 拠点ごとの所定労働時間、休日数、社会保険の適用、固定残業代の有無 | 人事システムからの書き出し |
4番目が重要です。 原稿に「月給25万円」と書いてあるとき、それが正しいかどうかは原稿だけでは判定できません。人事側の実態値を一緒に渡すことで、「原稿の記載が実態と違う」という指摘が出せるようになります。これは表現の問題ではなく、求人情報を正確な内容に保つという要請に直結します。
データの取得方法を決める
原稿: スプレッドシートの1行1原稿で管理し、項目ごとに列を分けます。1つのセルに原稿全文を入れる形にすると、後段で項目ごとの照合ができません。この列設計が、この構成でもっとも効く準備です。
チェック観点の定義: 公的な情報をもとに、自社用のチェックリストとして文章で持ちます。次の3系統に分けます。
- 明示すべき事項 … 労働条件の明示ルールでは、2024年4月以降、すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時に、雇い入れ直後の就業場所・業務に加えて「変更の範囲」の明示が必要とされています。有期契約では更新上限の有無と内容、無期転換申込機会と転換後の労働条件についても明示事項が追加されています。求人原稿と労働条件通知書は別の書面ですが、募集段階の記載と入社時の明示が食い違うと、後から説明が必要になります。 原稿側でも同じ観点で見ておきます
- 表示の正確性 … 職業安定法では、求人情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしないこと、内容を正確かつ最新に保つ措置を講じることが求められています
- 属性による限定 … 募集・採用における年齢制限は原則として禁止され、例外に当たる場合に限り認められます。性別を理由とする差別も禁止されており、募集・採用の対象から男女のいずれかを排除すること、条件を男女で異なるものとすることなどが該当します
自社の実態値: 人事システムから拠点別の労働条件を書き出し、月1回更新します。リアルタイム連携は不要です。
AIへ渡す前に整形する
- 項目への分解 … 原稿を「職種名」「仕事内容」「応募資格」「勤務地」「勤務時間」「給与」「休日」「保険」「選考の流れ」に分けます。分けてから渡すと、指摘がどの項目のものかが明確になります
- 定型文の切り出し … 会社紹介や福利厚生の共通文面は、毎回同じであればチェック対象から外します。毎回同じ文面に毎回同じ指摘が出ると、指摘を読み飛ばす習慣がつきます
- 媒体ごとの差分の分離 … 同じ職種でも媒体ごとに文字数制限が違い、原稿が微妙に異なります。媒体名を一緒に渡し、どの版を見ているかを明確にします
- 画像内の文字の扱い … 原稿に画像で条件が入っている場合、テキストとしては渡りません。画像は対象外であることを明示し、人が見る運用にします
AIに処理させる
指摘を4つの区分に分けさせます。区分を分けないと、重大な欠落と表記ゆれが同じ重みで並び、読む側が優先順位を付けられません。
| 区分 | 何を見るか | 例 |
|---|---|---|
| 必須記載の欠落 | 明示すべき事項が書かれていない | 就業場所の変更の範囲に触れていない、有期契約なのに更新上限の記載がない |
| 属性による限定 | 年齢・性別・国籍などで対象を狭める表現 | 「40歳まで」「男性歓迎」「主婦の方に人気」 |
| 誤解を生む表示 | 読み手が実態と違う受け取り方をしうる書き方 | 固定残業代を含む月給を、含まないように読める形で書いている/実態と違う勤務時間が書かれている |
| 社内ルール違反 | 表記のゆれ | 職種名が正式名称でない、時給の書式が拠点ごとにばらばら |
各指摘には、該当箇所の原文をそのまま引用させます。 「応募資格に年齢の表現があります」だけでは、担当者が原稿を探し直すことになります。
指示内容を固定する
あなたは求人原稿の出稿前チェックを担当する校正者です。
以下の求人原稿を、チェック観点と社内表記ルール、労働条件マスタに照らして確認し、
指摘を一覧で出してください。
【厳守事項】
- 原稿に書かれていない事実を補わないでください。
「たぶんこうだろう」で条件を推測しないでください。
- 指摘には必ず、原稿から該当箇所をそのまま引用してください。
引用できない指摘は出さないでください。
- 法的な結論を書かないでください。
「違法です」ではなく「この表現は属性による限定に当たる可能性があるため確認が必要」と書いてください。
- 労働条件マスタと原稿の記載が食い違う場合は、どちらが正しいかを断定せず、
食い違っている事実を指摘してください。
- 判断に迷ったものは severity を low にし、reason に迷った理由を書いてください。
迷ったことを隠して断定しないでください。
【チェック観点の定義】
{checklist}
【社内の表記ルール】
{style_rules}
【この拠点の労働条件マスタ】
{hr_master}
【求人原稿】
{job_posting}
「法的な結論を書かない」の1行が、この構成でもっとも重要です。 これを書かないと、AIは「この表現は職業安定法違反です」と断定的に書きます。採用担当がそれを信じて媒体や拠点へ説明すると、根拠のない指摘を会社として伝えたことになります。AIに出させるのは「確認が必要な箇所」までです。
出力形式を固定する
{
"posting_id": "",
"findings": [
{
"field": "応募資格",
"quote": "",
"category": "必須記載の欠落 | 属性による限定 | 誤解を生む表示 | 社内ルール違反",
"severity": "high | medium | low",
"reason": "",
"suggestion": "",
"basis": ""
}
],
"missing_fields": [],
"conflicts_with_master": [],
"summary": ""
}
missing_fields を findings と分けているのは、「書かれていないもの」は引用ができないためです。 引用必須のルールと衝突するので、欠落だけは別の配列に入れます。
basis にはチェック観点のどれに当たるかを入れます。ここが空の指摘は、AIが独自の基準で出した指摘なので、採用担当が見るときの優先度を下げます。
システムへ連携する
出力は、原稿を管理しているスプレッドシートの隣に「指摘」シートとして書き戻します。指摘1件が1行です。
| 列 | 中身 |
|---|---|
| 原稿ID | どの原稿の指摘か |
| 項目 | 職種名/応募資格/給与 など |
| 引用 | 原文の該当箇所 |
| 区分 | 4区分のどれか |
| 深刻度 | high / medium / low |
| 理由 | なぜ確認が必要か |
| 修正案 | 書き換え案 |
| 採否 | 採用担当が入力(採用/却下/保留) |
| 却下理由 | 却下した場合に入力 |
「採否」と「却下理由」の2列が、後から効いてきます。 却下が続く指摘は、チェック観点の書き方が自社に合っていないということです。観点の定義を直す材料になります。
媒体への入稿は自動化しません。媒体ごとに入稿画面の仕様が異なり、自動投稿は審査の差し戻しに対応できないためです。
人が確認する
全件、人が判断します。
理由は2つあります。第一に、求人の記載が適切かどうかは、最終的には自社の労働条件の実態と照らして判断するもので、原稿の文面だけでは決まりません。第二に、AIの指摘には、正しい記載を誤って指摘するもの(過検出)が必ず混ざります。
確認を速くするための設計が要ります。
- 深刻度 high の指摘だけを先に並べる
- 同じ拠点・同じ職種で繰り返し出る指摘は、まとめて表示する
- 一度「却下」と判断した指摘と同じ文面には、前回の判断を表示する
- 引用がない指摘は、最後に回す
これらがないと、60件の原稿に対して数百件の指摘が並び、読むほうが確認より時間がかかります。
例外に対処する
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 原稿が長すぎる | 項目ごとに分けて渡す。全文を一度に渡さない |
| 同じ指摘が全原稿に出る | 共通の定型文が原因。定型文を対象外にし、定型文そのものを別途見直す |
| 指摘に引用がない | 出力の時点で除外する。引用できない指摘は採用担当に見せない |
| 法令解釈が割れる論点 | AIに判定させない。「専門家確認」の区分に落として社会保険労務士へ回す |
| 労働条件マスタが更新されていない | 食い違いの指摘が大量に出る。マスタの更新日を出力に含め、古い場合は照合をしない |
| 画像内に条件が書かれている | 対象外として明示し、人が目で確認する |
| 媒体の審査で差し戻された | 差し戻し理由をチェック観点に追加する。ここが観点を育てる一番の材料になる |
| 外国人材向けの多言語原稿 | 日本語版でチェックしてから翻訳する。翻訳後の原稿を単独でチェックしない |
記録を残す
- 出稿した原稿の版(媒体別・日付入り)
- AIが出した指摘の全件
- 採用担当が採用した指摘・却下した指摘と、その理由
- 媒体からの差し戻し内容
4番目と2番目を突き合わせると、このチェックの実力が測れます。 差し戻された指摘がAIの出力に含まれていたなら、見落としたのは人です。含まれていなかったなら、チェック観点が足りていません。どちらなのかで打ち手が変わります。
04実装レベルの3段階
この業務は最小構成のままでも効果が出ます。 20分が10分程度になります。半自動化まで進めると、指摘の記録と再チェックが省けて7分程度になります。本格構成の価値は時間短縮より、却下判断を蓄積して過検出を減らすことにあります。
05工数削減シミュレーション
導入後 60件 × 7分 ÷ 60 = 7 時間/月
自社条件で導入効果を整理したい方へ
このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。
06向いている企業・向いていない企業
- 月20本以上の求人原稿を出しており、拠点や職種ごとに原稿の書き手が分かれている会社。媒体・ハローワーク・自社サイトなど複数の出し先がある場合。
- 求人が年数本で、毎回同じ原稿を使い回している場合。原稿を外部の代理店が作成し、自社では文言を触らない場合。
07最小構成で試す方法
- 直近で出稿した求人原稿を10本用意する(できれば媒体に差し戻された原稿を2本入れる)
- チェック観点の定義を、A4で1枚程度の箇条書きにする
- 生成AIの画面に、観点の定義と原稿1本を貼り付けて、指摘を出させる
- 出てきた指摘を、採用担当が「妥当」「過検出」「見当違い」で仕分ける
- 差し戻された2本について、実際に指摘された箇所をAIが拾えたかを確認する
5番が判断の分かれ目です。 過去に差し戻された箇所を拾えないなら、観点の書き方が足りていません。原稿を増やす前に、観点の定義を直します。
判断の目安は次のとおりです。
| 妥当な指摘の割合 | 判断 |
|---|---|
| 7割以上 | そのまま運用に乗せられる |
| 4〜7割 | 過検出の多い区分を特定し、その区分の観点を書き直す |
| 4割未満 | 原稿の項目分けができていない可能性が高い。前処理から見直す |
この段階では、追加の契約も開発も必要ありません。1本目のチェックは、15分あれば試せます。
08実装時につまずきやすいポイント
| 問題 | 対策 |
|---|---|
| 指摘が多すぎて読まれない | 深刻度で並べ替え、high だけを必須確認にする。共通の定型文は対象外にする |
| 正しい記載を誤って指摘する | 却下判断を記録し、繰り返し却下される観点を書き直す。観点を足すより減らすほうが効く |
| AIが法的な断定をする | プロンプトで禁じる。それでも出た場合は表現を機械的に置き換える |
| 原稿が1セルに全文入っている | 項目ごとに列を分ける。ここを直さないと指摘の精度が上がらない |
| 拠点ごとの実態値が分からない | 労働条件マスタを先に整える。マスタがないうちは照合の指摘を出さない |
| 媒体ごとに表現の許容範囲が違う | 媒体名を入力に含め、媒体別の注意点を観点に書き分ける |
| 過去原稿のコピーで古い項目立てが残る | 明示事項の観点を毎年見直す。差し戻し履歴を観点に反映する |
| 指摘の採否を記録する手間を嫌がる | 採否を1クリックで入れられる形にする。理由の入力は却下のときだけ必須にする |
09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点
この構成で扱うデータ: 求人原稿、社内の表記ルール、拠点別の労働条件。求人原稿は公開を前提とした文面であり、機密性は高くありません。
- 未公開の募集情報 … 後任募集は、その拠点で退職予定者がいることを意味します。出稿前の原稿は人事情報として扱い、アクセス範囲を採用担当に限定してください
- 労働条件マスタ … 拠点別の給与体系が含まれます。原稿そのものより機微です。照合に必要な項目だけを渡し、個人の給与額は渡さないでください
- 応募者の個人情報は扱わない … この構成の対象は出稿前の原稿だけです。応募者情報を同じ仕組みに入れないでください。入れるなら別の設計が必要です
- 学習利用 … 入力を学習に使わない設定または契約のサービスを選びます
- 自動実行してよい範囲 … 媒体への出稿は自動化しません。AIの指摘をそのまま原稿へ反映する自動修正も行いません。修正を当てるかどうかは、必ず人が決めます
誤りが起きた場合のリスクは、適切でない求人原稿を出してしまうこと、および逆に、問題のない表現を過剰に削って求人の魅力が落ちることです。前者は行政からの指導や媒体の差し戻しにつながり、後者は応募数の低下という形で表れます。過検出を放置すると、後者が静かに起きます。
法令解釈が必要な論点は、社会保険労務士に確認してください。この構成は専門家の確認を置き換えるものではなく、確認すべき箇所を絞り込むためのものです。
10まず何から始めるか
1週目:チェック観点をA4で1枚書く
採用担当が普段見ている観点を、そのまま箇条書きにします。法令の条文を写す必要はありません。「うちで実際に指摘したことがあるもの」から書くほうが効きます。
2週目:過去の差し戻し原稿で試す
媒体に差し戻された原稿を2〜3本用意し、その箇所をAIが拾えるかを確認します。拾えなければ観点を足します。この往復を3回ほど回すと、観点が実務に耐える形になります。
3〜4週目:出稿前の全原稿に通す
その月の原稿すべてをチェックに通し、指摘の採否を記録します。20分が何分になるかを実測します。同時に、過検出の多い区分を特定します。
2か月目以降: 指摘シートへの書き戻しを Google Apps Script で自動化し、却下判断の履歴を参照する形にします。並行して、拠点の管理者に返している指摘の傾向をまとめ、原稿を書く側へのひな形を作ると、上流で問題が減ります。
11関連ユースケース
12この仕組みを理解するための記事
13技術仕様の確認日・参考情報
| 確認した内容 | 情報源 | 確認日 |
|---|---|---|
| 2024年4月以降、すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時に、雇い入れ直後の就業場所・業務に加えて「変更の範囲」の明示が必要であること。有期契約では更新上限の有無と内容、無期転換申込機会と転換後の労働条件が明示事項に追加されたこと | 厚生労働省:2024年4月から労働条件明示のルールが変わります | 2026-09-14 |
| 職業安定法により、求人等に関する情報について虚偽・誤解を生じさせる表示が禁じられ、正確かつ最新の内容に保つ措置が求められること | 厚生労働省:求人等に関する情報の的確な表示(リーフレット) | 2026-09-14 |
| 労働者の募集・採用における年齢制限が原則禁止であり、省令で定める例外事由に該当する場合に限り認められること | 厚生労働省:募集・採用時の年齢制限の禁止について | 2026-09-14 |
| 男女雇用機会均等法により、募集・採用における性別を理由とする差別(対象からの排除、条件を男女で異なるものとすること等)が禁止されていること | 厚生労働省:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために | 2026-09-14 |
個別の原稿がルールに適合しているかどうかの判断は、自社の労働条件の実態と併せて行う必要があります。この部分は社会保険労務士など専門家への確認が必要です。 媒体ごとの掲載基準は各媒体の規定によります。
実装ステータス:構成例。 公開情報に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。
自社の業務に使えるAI活用候補を整理します
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