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面接官の練習をAIに候補者役をさせて行い、質問の癖と聞いてはいけない事項を点検する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

募集職種と候補者像を入力に、AIが候補者役を務めて模擬面接を行い、面接官が投げた質問を「適性と能力を見る質問だったか」「聞いてはいけない事項に触れていないか」「深掘りができていたか」に整理します。人事は、全員の練習に付き添うことから、指導が必要な人と話すことへ変わります。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Make/Microsoft Copilot/n8n/Power Automate
対象業界
IT・SaaS/人材/介護/小売/製造
対象部門
人事/採用
対象業務
内容確認・チェック/記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
対話
主な効果
品質標準化/工数削減/教育コスト削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
25h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
60%
年間削減
180h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 人事が、その月に練習する面接官を決める(新任と、更新研修の対象者)
  2. 対象者の担当職種を確認し、その職種の募集要項と評価基準を用意する
  3. 候補者役の設定(経歴、志望動機、答えにくい質問への反応)を人事が考える
  4. 面接官と人事の日程を調整する
  5. 人事が候補者役を務めて、45分の模擬面接を行う
  6. 面接中に、面接官の質問をメモに取る
  7. 面接後、30分の振り返りを行い、良かった点と直したほうがよい点を伝える
  8. 必要なら、公正な採用選考の資料を渡して読んでもらう
導入後(After)
  1. 自動採用管理システムから、その月の練習対象者と担当職種を取り出す
  2. 自動職種の募集要項と評価基準をもとに、候補者役の設定を組み立てる
  3. 面接官が、都合のよい時間にチャットで模擬面接を始める
  4. 自動AIが候補者役として応答する(経歴、志望動機、答えにくい質問への反応を一貫して演じる)
  5. 自動面接官の質問をすべて記録する
  6. 自動記録した質問を3つの論点に整理する(適性・能力を見る質問か/聞いてはいけない事項に触れていないか/深掘りができていたか)
  7. 自動聞いてはいけない事項に該当しうる質問を、該当箇所とともに抽出する
  8. 人事が整理結果を確認し、指導が必要な人を選ぶ
  9. 該当者と30分の振り返りを行う
  10. 自動練習の記録を面接官ごとに残し、次回の比較材料にする
各工程の詳しい説明を読む
  1. 人事が、その月に練習する面接官を決める(新任と、更新研修の対象者)
  2. 対象者の担当職種を確認し、その職種の募集要項と評価基準を用意する
  3. 候補者役の設定(経歴、志望動機、答えにくい質問への反応)を人事が考える
  4. 面接官と人事の日程を調整する
  5. 人事が候補者役を務めて、45分の模擬面接を行う
  6. 面接中に、面接官の質問をメモに取る
  7. 面接後、30分の振り返りを行い、良かった点と直したほうがよい点を伝える
  8. 必要なら、公正な採用選考の資料を渡して読んでもらう

問題は5つあります。

(a)人事が候補者役を務める時間が取れない。 60名の面接官に対し、人事は2名です。月15回の模擬面接に人事が45分ずつ付き添うと、それだけで11時間が消えます。 結果、練習が後回しになり、面接官が訓練を受けないまま面接に入ります。

(b)候補者役の演じ方が毎回変わる。 同じ人事が務めても、疲れている日とそうでない日で答え方が変わります。面接官から見ると「この前の練習とは別の相手」になり、比較ができません。

(c)質問の記録が残らない。 人事がメモを取りますが、候補者役を演じながらのメモなので断片的です。「どんな質問をしたか」を後から正確に見返せません。

(d)聞いてはいけない質問に、その場で気づけない。 候補者役を演じている最中は、応対に意識が向いています。「ご実家はどちらですか」と聞かれても、会話の流れとして自然に受け答えしてしまい、振り返りで挙げ損ねます。

(e)指導の内容が人事の担当者によって違う。 経験のある担当は「その質問では経験の深さが測れません」と具体的に指摘しますが、不慣れな担当は「よかったと思います」で終わります。指導の質がばらつきます。

  1. 【自動】 採用管理システムから、その月の練習対象者と担当職種を取り出す
  2. 【自動】 職種の募集要項と評価基準をもとに、候補者役の設定を組み立てる
  3. 【人】 面接官が、都合のよい時間にチャットで模擬面接を始める
  4. 【自動】 AIが候補者役として応答する(経歴、志望動機、答えにくい質問への反応を一貫して演じる)
  5. 【自動】 面接官の質問をすべて記録する
  6. 【自動】 記録した質問を3つの論点に整理する(適性・能力を見る質問か/聞いてはいけない事項に触れていないか/深掘りができていたか)
  7. 【自動】 聞いてはいけない事項に該当しうる質問を、該当箇所とともに抽出する
  8. 【人】 人事が整理結果を確認し、指導が必要な人を選ぶ
  9. 【人】 該当者と30分の振り返りを行う
  10. 【自動】 練習の記録を面接官ごとに残し、次回の比較材料にする

自動化されるのは「候補者役を務める」「質問を記録する」「論点に整理する」「該当しうる質問を抽出する」の4つです。残るのは、指導が必要かを判断することと、実際に指導することです。

AIの指摘をそのまま面接官へ返しません。 特に「聞いてはいけない事項に触れた」という指摘は、本人にとって重い内容です。人事が内容を確認したうえで、本人に直接伝えます。

02今回想定するシステム構成

構成図
採用管理システム(練習対象者・担当職種)
募集要項 / 評価基準(SharePoint)
   │
   ▼【トリガー】毎月初、対象者を抽出
Power Automate
   │
   ├──▶ 職種ごとの募集要項と評価基準を取得
   │
   ├──▶ 候補者役の設定を組み立てる
   │       (経歴 / 志望動機 / 強みと弱み / 答えにくい質問への反応)
   │
   ▼
Microsoft Copilot Studio のエージェント(Teams チャネル)
   │  面接官と対話(候補者役として応答し、質問を記録)
   │
   ├──▶ 面接官の発言を変数に保持する
   │
   └──▶ 終了時、エージェント フローで記録を SharePoint へ保存
   │
   ▼
Claude API ── 質問を3つの論点に整理し、該当しうる質問を抽出
   │
   ▼
練習記録(Microsoft Lists)──【人】人事が確認
   │
   ├──▶ 指導が必要 → 30分の振り返り面談
   └──▶ 問題なし → 記録のみ
役割想定する製品代替候補
生成AIMicrosoft Copilot StudioClaude API、OpenAI API、Gemini API
連携Power AutomateMake、n8n
保管SharePointBox、Google Drive
練習記録Microsoft ListsGoogle スプレッドシート、kintone
採用管理既存の採用管理システム各社の製品

この構成の中心は、候補者役を務めるエージェントです。 質問を論点へ整理する処理も生成AIが行いますが、これは Copilot Studio の生成回答で組んでも、外部のLLM APIを呼び出しても構いません。上の図では、面接官の発言の取り扱いを契約で確認しやすいAPIを呼ぶ形にしています。

Copilot Studio ではトピックが会話の進行を定義し、1つのトピックに1つ以上のノードが含まれ、ノードがメッセージの送信や質問などのアクションを実行します。候補者役の応答は、質問ノードと条件ノードだけでは表現しきれません。 面接官が何を聞いてくるか分からないため、生成回答を使う設計になります。

チャットで行うことの限界も先に書いておきます。 実際の面接は、表情や間の取り方も含めた行為です。この構成で練習できるのは「何を聞くか」の部分だけです。 話し方の練習は、従来どおり人を相手に行ってください。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎月初に、その月の練習対象者を抽出することを起点にします。新任面接官と、更新研修の時期が来た人を採用管理システムから拾います。

抽出後、対象者へ Teams で案内が届きます。面接官は、自分の都合のよい時間に模擬面接を始められます。 これがこの構成のもっとも大きな変更点です。日程調整が消えます。

期限を必ず設けてください。 「いつでもよい」にすると、忙しい面接官は永久に始めません。「今月末まで」と決めて、未実施の人には月の後半に催促が届く形にします。

もう1つの起点として、面接官が自分から練習を申し込めるようにする形も考えられます。難しい面接が控えているとき、直前に一度通しておきたい、という使い方です。これは運用が定着してから足してください。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
練習対象者氏名、所属、担当職種、面接官としての経験(回数・年数)採用管理システム
募集要項職種名、業務内容、必須要件、歓迎要件、想定年収採用管理システム
評価基準評価の観点と、5段階の定義人事の文書
候補者像のひな形職種ごとの、想定する経歴・志望動機のパターン人事が作る社内テーブル
公正な採用選考の基準聞いてはいけない事項の一覧と、その分類人事の文書(厚生労働省の資料をもとに整備)
前回の練習結果前回の指摘内容練習記録
過去の面接での傾向その面接官が担当した面接の通過率、評価のばらつき採用管理システム
Step3

データの取得方法を決める

募集要項と評価基準: 採用管理システムまたは人事の文書から取得します。評価基準が文書になっていない企業では、まずそこを作ることが先です。 「何を見る面接なのか」が決まっていなければ、良い質問かどうかも判定できません。

候補者像のひな形: ここが、この構成の準備でもっとも手がかかります。職種ごとに3パターン程度を用意します。

パターン中身
標準募集要件をおおむね満たす。素直に答える
経験が浅い要件の一部しか満たさない。話を盛りがち
答えにくい経歴転職回数が多い、空白期間がある。理由を聞かれると身構える

3つ目が重要です。 面接官が困るのは、答えにくい経歴をどう聞くかです。そこで「ご家族の事情ですか」と踏み込んでしまう。 ここを練習で経験しておくことに価値があります。

公正な採用選考の基準: 厚生労働省の資料をもとに、自社の一覧として整備します。「本人に責任のない事項」(本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅の状況、生活環境など)と「本来自由であるべき事項」(宗教、支持政党、人生観・生活信条、購読新聞、労働組合への加入状況など)の2つの区分で持ちます。区分ごとに持つと、指摘のときに「なぜ聞いてはいけないか」を説明できます。

過去の面接での傾向: 通過率が極端に高い(または低い)面接官は、質問の仕方に偏りがある可能性があります。ただし、これを単独で判断材料にしないでください。 担当した職種や候補者の質にも左右されます。参考情報として人が見る程度にとどめます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 対象者の除外 … 休職中の人、面接官を外れた人、直近1か月に実施済みの人を除きます
  2. 職種ごとの候補者像の選択 … その面接官が担当する職種に合ったひな形を選びます。開発職の面接官に営業職の候補者像を出しても練習になりません
  3. 前回の指摘の反映 … 前回「深掘りができていない」と指摘された人には、深掘りが必要な回答をする候補者像を選びます
  4. 募集要項の要約 … 長い募集要項は、候補者役が把握すべき範囲(業務内容・必須要件)に絞ります
  5. 禁止事項リストの正規化 … 表記ゆれ(「本籍」「本籍地」「出身地」)をまとめ、検出の網を広げます
Step5

AIに処理させる

3つの工程に分けます。

候補者役を務める工程(Copilot Studio のエージェント):

処理内容
設定の保持経歴、志望動機、強み・弱み、転職理由を一貫して答える
自然な応答面接官の質問に、その設定の人物として答える
答えにくい質問への反応空白期間や転職理由を聞かれたとき、一度は言いよどむ
深掘りへの対応面接官が掘り下げたら、より具体的に答える。掘り下げなければ一般論で終える
発言の記録面接官の質問と自分の回答を、順番に記録する

4つ目が、この構成の要です。 面接官が「前職ではどんな役割でしたか」とだけ聞いたら、候補者役は「チームのリーダーをしていました」と一般論で答えます。そこから「具体的に何人のチームで、何を判断していましたか」と聞けたかどうかが、練習で測りたいことです。

質問を整理する工程(Claude API):

処理内容
質問の抽出面接官の発言から、質問に当たるものを取り出す
適性・能力との関係その質問が、評価基準のどの観点を見る質問かを対応づける
禁止事項の検出聞いてはいけない事項に該当しうる質問を、区分とともに抽出する
深掘りの有無候補者の回答に対して、掘り下げる質問が続いたかを見る
時間配分何を聞くのに時間を使ったかを集計する

判定はさせない工程:

面接官の能力の評価、面接官として適格かどうかの判断はさせません。この構成が出すのは、「どんな質問をしたか」の記録と整理です。

Step6

指示内容を固定する

候補者役の指示は次のようになります。

あなたは中途採用の面接を受ける候補者です。下の設定の人物として、
面接官の質問に答えてください。

【厳守事項】
- 下の設定に書かれていることだけを答えてください。
  書かれていない経歴、資格、実績を作らないでください。
  聞かれて設定にない場合は「そこまでは経験がありません」と答えてください。
- 面接官が浅い質問をした場合、一般的な答え方で短く返してください。
  聞かれていないことを自分から詳しく話さないでください。
  **面接官の質問が浅いまま練習が終わることに意味があります。**
- 面接官が深掘りしてきたら、設定の範囲で具体的に答えてください。
- 空白期間や転職理由を聞かれたときは、一度「少し個人的な事情がありまして」と
  言いよどんでください。さらに聞かれたら、設定にある理由を答えてください。
- 面接官が聞いてはいけない事項(本籍地、家族の職業、宗教、支持政党など)を
  聞いてきた場合も、**その場では指摘せず、設定の範囲で自然に受け答えしてください。**
  指摘は練習の後に人事が行います。会話を止めないでください。
- 面接官の質問を評価しないでください。「良い質問ですね」と言わないでください。
- 面接官が終了を告げたら、そこで終わってください。

【候補者の設定】
{candidate_profile}

【募集職種の概要】
{job_summary}

「その場では指摘しない」の1行が重要です。 ここでAIが「その質問は不適切です」と返すと、練習が中断し、面接官は萎縮します。練習の目的は、実際に何を聞くかを観察することです。 途中で介入すると、その観察ができなくなります。

質問を整理する側の指示は次のようになります。

下の模擬面接の記録から、面接官が投げた質問を整理してください。

【厳守事項】
- 記録に書かれている発言だけを対象にしてください。
  面接官の意図を推測しないでください。
- 質問ごとに、評価基準のどの観点を見る質問かを対応づけてください。
  どの観点にも当たらない質問は "観点なし" としてください。
  **雑談がすべて悪いわけではありません。観点なしと分類するだけにしてください。**
- 下の「聞いてはいけない事項の一覧」に該当しうる質問を抽出してください。
  抽出の際は、必ず原文をそのまま引用し、どの区分に当たるかを書いてください。
  区分は「本人に責任のない事項」または「本来自由であるべき事項」のどちらかです。
  **判断に迷うものは flagged ではなく needs_review に入れてください。**
- 候補者の回答に対して、掘り下げる質問が続いたかを判定してください。
  掘り下げの有無だけを見て、掘り下げの巧拙を評価しないでください。
- 面接官の能力を評価しないでください。「面接官として不適格」といった記述を
  しないでください。
- 改善の助言を書かないでください。指導は人事が行います。

【模擬面接の記録】
{transcript}

【評価基準(観点と5段階の定義)】
{evaluation_criteria}

【聞いてはいけない事項の一覧(区分つき)】
{prohibited_topics}

「判断に迷うものは needs_review に入れる」の指示が効きます。 「どちらにお住まいですか」は、通勤時間の確認として聞くこともあれば、住宅の状況を探る意図にもなりえます。機械的に flagged にすると、面接官は納得しません。 人が文脈を見て判断する形にします。

2回目以降の練習では、候補者像を前回と変えてください。 同じ設定で2回目を行うと、面接官は前回の質問をなぞるだけになります。練習の意味がなくなります。

候補者像の割り当ては、前回の結果から決められます。

前回の結果次回に割り当てる候補者像
followup_ratio が低い「経験が浅い」。一般論で答える相手に、掘り下げる練習になる
criteria_not_covered が多い「標準」。時間配分を意識して全観点を聞く練習になる
flagged が出た「答えにくい経歴」。踏み込みたくなる場面で、どう聞くかの練習になる
すべて良好3パターンから未実施のもの

3行目が、この構成でもっとも練習の価値が高い組み合わせです。 空白期間や転職回数を聞くとき、面接官は「差し支えなければ」と前置きして家庭の事情に触れようとします。そこを一度経験しておくと、本番での聞き方が変わります。

割り当てを人事が毎回考える必要はありません。前回の結果から機械的に決め、人事は結果だけ見る形で足ります。

Step7

出力形式を固定する

{
  "interviewer_id": "",
  "session_date": "",
  "job_code": "",
  "candidate_profile_type": "標準 | 経験が浅い | 答えにくい経歴",
  "duration_minutes": 0,
  "questions": [
    {
      "sequence": 0,
      "quote": "",
      "criterion": "",
      "is_followup": false,
      "topic_category": "業務経験 | 志望動機 | 条件面 | 雑談 | 観点なし"
    }
  ],
  "flagged": [
    { "quote": "", "category": "本人に責任のない事項 | 本来自由であるべき事項", "detail": "" }
  ],
  "needs_review": [
    { "quote": "", "why": "" }
  ],
  "coverage": {
    "criteria_covered": [],
    "criteria_not_covered": []
  },
  "followup_ratio": 0,
  "time_allocation": {},
  "session_completed": true
}

JSON Schema を指定して出力を固定します。Claude API では output_config.format にJSONスキーマを渡すことで、応答をスキーマに沿った形に制約できます。項目が欠けたり、余計な説明文が前後に付いたりしなくなるため、そのまま記録へ書き込めます。

criteria_not_covered が、この構成でもっとも役に立つ項目です。評価基準に5つの観点があるのに、3つしか聞いていない。 これは面接官本人には見えません。45分で何を聞き、何を聞かなかったかが分かると、次の面接の組み立てが変わります。

followup_ratio は、全質問のうち掘り下げの質問が占める割合です。この数字が低い面接官は、質問リストを上から読んでいる可能性があります。 高いから良いとは限りませんが、変化を追う材料になります。

Step8

システムへ連携する

練習の記録は、SharePoint 上の Microsoft Lists へ1回1行で書き出します。列は次の構成です。

中身
面接官 / 所属 / 担当職種基本情報
実施日 / 所要時間 / 完了したか途中離脱もここで分かる
候補者像のパターン標準/経験が浅い/答えにくい経歴
質問数 / 掘り下げの割合数字で見る
網羅した観点 / 漏れた観点coverage の中身
該当しうる質問flagged の件数。1件でもあれば色を付ける
要確認needs_review の中身
人事の判断人が入れる(指導不要/面談予定/面接官を外す検討)
面談実施日 / 指導内容追跡用

flagged の内容を、本人へ自動通知しないでください。 チャットで「あなたは不適切な質問をしました」と通知が届くのは、指導としてもっとも悪い形です。人事が対面またはオンラインで、なぜそれが問題なのかを説明する場を設けてください。

採用管理システムへの書き戻しも行いません。練習の結果を人事評価のデータと同じ場所に置かないでください。 「練習の結果が評価に響く」と思われた時点で、面接官は本気で練習しなくなります。

Step9

人が確認する

全件、人事が確認します。自動で指導したり、面接官の資格を外したりしません。

理由は3つあります。1つは、flagged の判定に文脈の解釈が必要なためです。2つ目は、指摘の伝え方が結果を左右するためで、これは人にしかできません。3つ目は、AIが候補者役として不自然な応答をしていた可能性があり、その場合は面接官の質問が噛み合わなくても本人の責任ではないためです。

確認を速くするための設計が効きます。

  • flagged が1件以上ある回を最上部に固定する
  • criteria_not_covered が2つ以上ある回に印を付ける
  • needs_review の項目を、原文とともに並べる
  • 前回の練習結果と並べて表示する(指摘した点が直っているかが分かる
  • session_completed が false(途中離脱)の回を別に集める
Step10

例外に対処する

起きること対応
面接官が期限までに実施しない月の後半に1回だけ催促する。それでも未実施なら人事が直接連絡する
練習の途中で離脱したそこまでの記録を保存し、session_completed を false にする
候補者役の応答が不自然になった記録に残す。その回の整理結果を指導の材料にしない
面接官がAIだと分かったうえで雑に扱う記録に残し、人事が本人と話す。練習として成立していない
flagged が0件で needs_review が多い人事が文脈を見て判断する。件数が多い面接官は、次回の練習を重点的に見る
評価基準が文書になっていない観点との対応づけができない。基準の整備が先
候補者像が職種と合っていないひな形の割り当てを見直す。職種ごとに用意する
実際の面接の質問が練習と違う練習は練習でしかない。実際の面接の質は、別途、同席や振り返りで見る
面接官が自分の記録を見たいと言う見せてよい設計にする。隠す理由がない。ただし他人の記録は見せない
AIが練習中に指摘してしまうプロンプトで禁止する。テストで確認する
Step11

記録を残す

この記録は、面接官の指導の履歴になります。

  • 模擬面接の全文(面接官の質問と、候補者役の応答)
  • 整理結果(質問の分類、flaggedneeds_review、網羅した観点)
  • 人事の判断と、実施した指導の内容
  • 前回からの変化(flagged の件数、followup_ratio、漏れた観点)

「前回からの変化」を見られるようにしてください。 指導の効果が出ているかは、ここでしか分かりません。flagged が2回連続で出る面接官については、指導の方法を変える必要があります。

保存期間は、面接官を務めている間と、その後1年程度を目安に決めてください。人事評価とは別の場所に置き、閲覧を人事部に限定します。

04実装レベルの3段階

最小構成:チャット画面で候補者役を出し、記録を手でコピーして整理させる / 候補者役と整理
半自動化:対象者の抽出と候補者像の割り当てを自動化し、Teams で模擬面接を行う。整理と記録まで / 準備・実施・記録
本格構成:上記+前回結果との比較+未実施者への催促+観点の網羅率の集計 / 追跡と分析まで

半自動化の時点で、100分が50分程度になります。 事前準備の25分と模擬面接の45分が人事から消え、振り返りだけが残るためです。本格構成では40分になりますが、減るのは記録と催促の手間です。 本格構成の「観点の網羅率の集計」には、時間削減とは別の価値があります。 面接官60名分をためると、多くの面接官が共通して聞いていない観点が見えます。それは個人の癖ではなく、評価基準の書き方や研修の内容に原因があります。個別指導を続けても解決しません。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
15 件
1件あたり現在時間
100 分
1件あたり導入後時間
40 分
現在  15件 × 100分 ÷ 60 = 25 時間/月
導入後 15件 × 40分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
15h
削減率
60%
年間削減時間
180h
年間金額換算(時間単価3,500円)
63万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 現場の社員が面接官を務めており、その人数が30名以上いる企業。面接の通過率や評価が面接官によって大きくばらつく場合。人事が面接官の練習に付き添う時間を取れていない場合。採用を強化していて、面接官を新しく増やしている場合。
向いていない
  1. 面接官が人事の数名に限られており、その人たちが日常的に互いの面接を見ている場合。採用が年に数名で、面接の回数自体が少ない場合。面接官トレーニングを外部の研修会社に委託しており、その運用で足りている場合。

07最小構成で試す方法

  1. 募集職種を1つ選び、候補者像を3パターン書く(各300字程度)
  2. その職種の評価基準(観点と定義)を用意する
  3. 聞いてはいけない事項の一覧を、厚生労働省の資料をもとに作る(20項目程度)
  4. 生成AIのチャット画面に候補者役の指示を貼り付け、人事担当が面接官役で10往復してみる
  5. 会話の記録を別の画面に貼り付け、整理の指示で質問を分類させる

見るのは次の3点です。

見る点判断
候補者役が設定にない経歴を作らないか1回でも作ったらプロンプトを直す。 ここは妥協しない
浅い質問に対して浅く答えているか聞かれていないことを自分から話すなら、練習にならない
聞いてはいけない事項の検出率わざと5つ聞いてみて、いくつ挙がるかを数える

3つ目を必ず試してください。 「ご実家はどちらですか」「ご両親はお仕事をされていますか」「信仰されている宗教はありますか」といった質問を意図的に入れ、検出されるかを確かめます。ここが漏れると、この構成の価値の半分が失われます。

次に、現場の面接官1名に協力してもらって、実際に10往復してみてください。 人事担当が面接官役をやるのと、実際の面接官がやるのとでは、出てくる質問が違います。現場の面接官のほうが、雑談から入る傾向があります。

ワークフローもエージェントも作らずに、ここまでは試せます。所要は1日程度です。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
候補者役が設定にない経歴を作るプロンプトで禁止する。テストで必ず確認する
候補者役が聞かれていないことまで話す「浅い質問には浅く答える」を明記する。ここが練習の核心
AIが練習中に不適切な質問を指摘する禁止する。指摘は練習後に人事が行う
flagged を本人へ自動通知してしまう通知の経路を作らない。人事が直接伝える
判断が微妙な質問まで flagged にするneeds_review を設け、人が文脈を見る
面接官が期限までに実施しない期限を設け、月の後半に催促する。人事が直接連絡する
評価基準がなく観点の対応づけができない基準の整備を先に行う
候補者像が職種と合っていない職種ごとに3パターン用意する
練習結果を人事評価に使ってしまう保管場所を分ける。運用として明示する
面接官がAIだと分かって雑に扱う記録に残し、人事が話す。練習として成立していない
話し方の練習まで期待されるこの構成の対象外と最初に伝える。話し方は人を相手に練習する

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 面接官である従業員の氏名・所属、模擬面接での発言。実在の応募者の情報は含みません。 候補者役は架空の設定です。

  1. 実在の応募者の情報を使わないこと … 候補者像のひな形を作るとき、実在の応募者の経歴をそのまま使わないでください。 応募者が採用選考のために提供した情報を、面接官の研修に流用することになります。架空の設定を作ってください
  2. 外部AIへの入力可否 … 従業員の発言を外部のAIサービスへ送ることになります。自社の情報管理規程を確認してください
  3. 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます
  4. 人事評価との分離練習の結果を人事評価の材料にしないことを、運用として明示してください。 評価に響くと思われた時点で、面接官は無難な質問しかしなくなり、練習の意味がなくなります
  5. flagged の扱い … 聞いてはいけない事項に触れたという記録は、本人にとって重い内容です。閲覧を人事部に限定し、上長や同僚が見られる構成にしないでください
  6. 本人への開示 … 自分の練習記録は、本人が見られる設計にしてください。隠す理由がありません。 他人の記録は見せません
  7. AIの判定を根拠に処分しないことflagged は「該当しうる質問」の抽出であって、違法性の判断ではありません。面接官を外すといった判断は、人が記録を読み、本人と話したうえで行ってください
  8. 自動実行してよい範囲 … 候補者役、記録、整理までです。指導、面接官の資格の判断、評価への反映は人が行います

公正な採用選考は、AIを入れても入れなくても、会社が守るべきことです。 この構成は、守れているかを練習の場で確かめる手段にすぎません。実際の面接で何を聞いているかは、この構成では分かりません。 同席や、応募者アンケートなど、別の手段と組み合わせてください。

10まず何から始めるか

1週目:聞いてはいけない事項の一覧を作る

厚生労働省の公正な採用選考の考え方をもとに、自社の一覧を作ります。「本人に責任のない事項」と「本来自由であるべき事項」の2区分で、20項目程度に整理してください。 この一覧は、この構成を作らなくても、面接官へ配る資料として役に立ちます。

2週目:候補者像を3パターン書く

もっとも面接の回数が多い職種を1つ選び、標準・経験が浅い・答えにくい経歴の3パターンを書きます。実在の応募者を使わず、架空の設定にしてください。 各300字程度で足ります。

3週目:検出率を測る

人事担当が面接官役になり、意図的に5つの不適切な質問を混ぜて10往復します。いくつ検出されたかを数えてください。 ここが5分の4を下回るなら、一覧の表記ゆれを増やします。

4週目以降: 現場の面接官3名に協力してもらい、実際に試します。このとき、従来どおりの人事との模擬面接も並行して行い、どちらのほうが率直な質問が出たかを比べてください。 AIが相手のほうが気楽で本音の質問が出る、という可能性も、逆の可能性もあります。

2か月目以降: 対象を広げます。同時に、criteria_not_covered を面接官全体で集計してください。 多くの面接官が共通して聞いていない観点があれば、それは個人の問題ではなく、評価基準の書き方の問題です。そこを直すほうが、個別指導より効きます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-23/最終更新:2026-09-23
確認した内容情報源確認日
公正な採用選考の基本が、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の適性・能力のみを基準として行うことの2点であること。「本人に責任のない事項」(本籍地、家族の職業など)と「本来自由であるべき事項」(宗教、支持政党など)の把握が就職差別につながるおそれがあること。採否に関係なく、把握しようとすること自体が応募者の心情を害しうること厚生労働省: 公正な採用選考の基本2026-09-23
Copilot Studio ではトピックが会話の進行を定義し、1つのトピックに1つ以上のノードが含まれ、ノードがメッセージの送信や質問などのアクションを実行すること。生成オーケストレーションとクラシックオーケストレーションで応答するトピックを選ぶことMicrosoft Learn: トピックの作成と編集2026-09-23
Claude API で output_config.format にJSONスキーマを渡すと、応答をスキーマに沿った形に制約できることClaude Docs: Structured outputs2026-09-23

採用管理システムからのエクスポート形式、評価基準の整備状況は企業によって異なります。この部分は利用環境に応じた個別確認が必要です。 個々の質問が公正な採用選考の観点から適切かどうかの判断は、自社の人事部門および必要に応じて社会保険労務士に確認してください。この記事は、質問の適否を判定するものではありません。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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