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新しく輸入する品目の仕様から、税関が公開している事前教示回答(品目分類)の事例を検索し、近い事例の税番と分類理由を並べて通関の担当の判断材料にする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

新しく輸入する品目の仕様書から、税関が公開している事前教示回答(品目分類)の事例を探します。貨物概要の近い事例の税番と分類理由を並べ、新しい品目との違いを通関の担当に示します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Vertex AI/OpenSearch
対象業界
EC/商社/小売/物流/製造
対象部門
物流/購買
対象業務
情報検索/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/情報が見つからない
AIで行う処理
検索(RAG)
主な効果
判断支援/属人化解消/検索時間短縮
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
RAG・個別開発(大)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 購買の担当から、新しい品目の仕様書と「税番の見当がほしい」という依頼が届く
  2. 物流部の担当が、仕様書から材質・成分の割合・機能・用途を読み取る
  3. 税関の事前教示回答(品目分類)の検索画面で、品名や材質の言葉を入れて探す
  4. 当たった事例を1件ずつ開き、貨物概要と分類理由を読む
  5. 当たらなければ、言葉を変える。それでもなければ関税率表の解説や分類例規を読む
  6. 見当を付けた税番を、詳しい担当者に確かめてもらう
  7. 購買の担当に、税番の見当と関税率を返す
導入後(After)
  1. 自動毎月1回、公開されている事前教示回答のうち、前月以降に処理されたものを取り込み、索引に加える
  2. 人購買の担当が、新しい品目の仕様書を依頼の画面に添えて送る
  3. 自動仕様書から、材質・成分の割合・機能・用途・形状を所定の欄に取り出す
  4. 人物流部の担当が取り出した欄を仕様書と見比べ、足りない事実を購買の担当に聞く
  5. 自動欄の文章で、貨物概要の近い事例を探す
  6. 自動当たった事例を、税番の上4桁(項)ごとにまとめて件数を数える
  7. 自動事例の貨物概要と分類理由を生成AIに渡し、決め手になった事実と新しい品目との違いを引用付きで並べさせる
  8. 人物流部の担当が、引用を事例のページで確かめ、税番の見当を決める
  9. 人迷うものは、違いの一覧を材料にして税関に文書で照会する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 購買の担当から、新しい品目の仕様書と「税番の見当がほしい」という依頼が届く
  2. 物流部の担当が、仕様書から材質・成分の割合・機能・用途を読み取る
  3. 税関の事前教示回答(品目分類)の検索画面で、品名や材質の言葉を入れて探す
  4. 当たった事例を1件ずつ開き、貨物概要と分類理由を読む
  5. 当たらなければ、言葉を変える。それでもなければ関税率表の解説や分類例規を読む
  6. 見当を付けた税番を、詳しい担当者に確かめてもらう
  7. 購買の担当に、税番の見当と関税率を返す

(a)言葉を変えて何度も引く。 検索画面は、全項目・一般的品名・貨物概要・税番・登録番号・処理年月日で探せ、キーワードは「全ての語を含む」か「いずれかの語を含む」を選びます。入れた言葉が貨物概要に含まれるかで当たり外れが決まるので、言葉の選び方で結果が大きく変わります。

(b)違いを見比べるのに時間がかかる。 近い事例が見つかっても、新しい品目と同じかどうかを、貨物概要と分類理由を読みながら仕様書と見比べます。材質の割合、電気で動くか、どの用途に専ら使うか。見比べる項目は品目ごとに違います。

(c)関税率を事例から写してしまう。 事例に書かれた関税率は、処理年月日の属する年度の税率です。いまの税率と違う場合があるのに、そのまま原価の計算に使われることがあります。

(d)確かめられる人が限られる。 6番目は2名に集まり、依頼が重なる月は数日待ちになります。

  1. 【自動】 毎月1回、公開されている事前教示回答のうち、前月以降に処理されたものを取り込み、索引に加える
  2. 【人】 購買の担当が、新しい品目の仕様書を依頼の画面に添えて送る
  3. 【自動】 仕様書から、材質・成分の割合・機能・用途・形状を所定の欄に取り出す
  4. 【人】 物流部の担当が取り出した欄を仕様書と見比べ、足りない事実を購買の担当に聞く
  5. 【自動】 欄の文章で、貨物概要の近い事例を探す
  6. 【自動】 当たった事例を、税番の上4桁(項)ごとにまとめて件数を数える
  7. 【自動】 事例の貨物概要と分類理由を生成AIに渡し、決め手になった事実と新しい品目との違いを引用付きで並べさせる
  8. 【人】 物流部の担当が、引用を事例のページで確かめ、税番の見当を決める
  9. 【人】 迷うものは、違いの一覧を材料にして税関に文書で照会する

8番目が、この設計の分かれ目です。 一覧は事例を並べたものであって、分類の答えではありません。税番を決めるのは担当者で、迷うものは税関に聞きます。

4番目を人が見るのも、意図してのことです。 仕様書から取り出した欄が検索の言葉になります。材質の割合が抜けたまま探すと、割合で分かれる事例の違いが見えません。 抜けていれば、探す前に仕入先に聞きます。

02今回想定するシステム構成

構成図
税関の事前教示回答(品目分類)の公開ページ
   ▼【トリガー】毎月1回、処理年月日が前月以降のものを取得
AWS Lambda ── 登録番号・税関・処理年月日・一般的品名・税番・関税率・貨物概要・分類理由を項目に分ける
   ▼
Amazon OpenSearch Service(事前教示回答の索引)
   ├─ 貨物概要と分類理由:Sudachi で分けて more_like_this
   ├─ 税番:keyword(9桁、上2桁・4桁・6桁を別の項目に)
   └─ 処理年月日:date
   ▲
   │【トリガー】購買の担当が仕様書を送る
Claude API ── 仕様書から材質・成分・機能・用途の欄を取り出す
   ▼【人】物流部の担当が欄を確かめる
AWS Lambda ── 検索し、項ごとに件数をまとめる
   ▼
Claude API ── 検索結果のブロックで渡し、決め手の事実と違いを引用付きで並べる
   ▼
一覧(項ごとの事例、税番、分類理由の引用、違い、照会に書くべき事実)
役割想定する製品代替候補
検索基盤Amazon OpenSearch Service(Sudachi、more_like_this、税番の keyword)Azure AI Search、Vertex AI Search(Agent Search)
生成AIClaude API(仕様書の欄の取り出し、検索結果のブロックを引用付きで並べる)Gemini API、OpenAI API
連携AWS Lambda(取り込み、検索、項ごとのまとめ)AWS Step Functions
保管Amazon S3(取得したページの写し、仕様書、一覧の記録)―

品目マスタには書き込みません。 一覧から担当者が決めた税番の見当を、担当者が品目マスタに入れます。機械が税番を書き込む経路は作りません。

公開されている項目は、税関のページで決まっています。 事前教示回答(品目分類)では、登録番号、税関、処理年月日、一般的品名、税番(9桁)、関税率、内国税率、貨物概要(性状・製法・成分割合等)、分類理由、法令が表示されます。この10項目がそのまま索引の項目になります。

日本語の貨物概要は、Sudachi で語に分けます。 Amazon OpenSearch Service の対応プラグインの一覧では、Sudachi Analysis が日本語向けに推奨とされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

取り込みと検索は、別々のきっかけで動かします。

取り込みは、毎月1回動かします。検索画面は処理年月日を西暦年月日の形式で指定し、「以降」「時点」「以前」で絞り込めるので、前月の初日以降を指定すれば新しい事例だけが取れます。最初の1回だけは、税番の範囲を類ごとに区切って、それまでの事例をまとめて取り込みます。

検索は、購買の担当が依頼の画面で仕様書を送ったことを起点にします。メールで届いた依頼は、担当者が画面に入れ直します。仕様書が添付されていない依頼は受け付けません。 品名だけでは、探す言葉がありません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
事前教示回答登録番号、税関、処理年月日、一般的品名、税番、関税率、内国税率、貨物概要、分類理由、法令税関の事前教示回答(品目分類)
新しい品目の仕様書品名、材質と成分の割合、形状と寸法、機能(電気で動くかなど)、用途、製法仕入先から届くPDF
取り出した欄材質・成分の割合、機能、用途、形状、製法を所定の欄にしたものClaude API の出力を担当者が確かめたもの
過去の自社の判断自社が過去に付けた税番の見当と、実際に申告した税番品目マスタと通関業者からの記録

質を決めるのは、成分の割合です。 品目分類では、同じ見た目の品目でも、材質の割合や構成で税番が分かれることがあります。仕様書に割合が書かれていなければ、探す前に仕入先から取り寄せます。 割合が無いまま一覧を作ると、違いの欄が「不明」で埋まります。

過去の自社の判断も、同じ検索の対象に加えます。 自社が以前に扱った似た品目で、実際に申告した税番が分かっていれば、公開事例と並べて見られます。 ただし、公開事例とは別の項目で区別し、一覧の上でも色を分けます。

Step3

データの取得方法を決める

事例は、税関の公開ページから取得します。 検索画面は、全項目・一般的品名・貨物概要のキーワード、税番(2桁以上9桁以下、9桁に満たない場合は前方一致)、登録番号(9桁)、処理年月日で探せ、表示件数は10件・20件・50件・100件から選べます。取り込みでは、処理年月日と税番の範囲だけを使い、キーワードは使いません。 漏れなく取るためです。

利用の条件は、税関の利用規約で確かめます。 税関ホームページで公開している情報は、別の利用ルールが適用されるコンテンツを除き、利用ルールに従って複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等を自由に利用でき、商用利用も可能とされています。社内の索引に入れて使う前に、利用規約の本文で出典の書き方を確かめます。

取るものどこから何に使うか
事例の一覧検索画面(処理年月日・税番の範囲で指定)新しい事例の登録番号を集める
事例の中身各事例の表示10項目を索引に入れる
自社の判断品目マスタ公開事例と並べる

取得の間隔は空けます。 1か月分の新しい事例は多くないので、1件ごとに数秒の間を置いても短い時間で終わります。 税関のサイトに負荷を掛ける取り方はしません。

税番は、9桁のまま1つの項目に入れ、上2桁(類)・上4桁(項)・上6桁(号)を別の keyword の項目にも入れます。 税関のページでは、4桁の番号を「項」、6桁を「号」、上2桁を「類」と呼び、6桁まではHS品目表に基づく番号、下3桁は日本独自の番号とされています。項と号の単位でまとめると、「似た事例の多くが同じ項に入っている」のか「項が割れている」のかが分かります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 項目に分ける … 事例の表示から10項目を取り出し、それぞれの項目に入れます
  2. 税番を分ける … 9桁の税番から、類・項・号の項目を作ります
  3. 関税率に年度を付ける … 関税率は処理年月日の属する年度(もしくは暦年)の税率なので、年度の項目を添え、一覧では「当時の税率」と表示します
  4. 仕様書を欄にする … Claude API に仕様書のPDFを渡し、材質・成分の割合・機能・用途・形状・製法を欄に取り出します
  5. 欄を1つの文章にまとめる … 確かめた欄を、貨物概要の書き方に近い1つの文章にします。これが more_like_this に渡す文章になります
  6. 重複の検知 … 同じ登録番号の事例が既にあれば、取り込みません

3番目を軽く見ないでください。 事例の関税率をそのまま原価の計算に使うと、年度が変わって税率が変わっていた場合に原価がずれます。 税率は、決めた税番でいまの実行関税率表を引き直します。

5番目で文章にまとめるのは、検索の言葉を貨物概要に寄せるためです。 仕入先の仕様書は営業の言葉で書かれ、「おしゃれな」「丈夫な」が並びます。材質・割合・機能・用途だけの文章にすると、貨物概要の言葉と重なります。

Step5

AIに処理させる

検索は、貨物概要と分類理由を対象に more_like_this で行います。

条件探し方入れる値
品目の近さ欄をまとめた文章を like に渡し、貨物概要と分類理由で more_like_this仕様書から作った文章
品名の言葉一般的品名を match(補助)仕様書の品名
類の見当(任意)上2桁の項目を term で絞り込み担当者が分かっているときだけ

検索の問い合わせは、たとえば次の形になります。

{
  "size": 30,
  "query": {
    "bool": {
      "should": [
        { "more_like_this": {
            "fields": ["cargo_summary", "reason"],
            "like": ["{欄をまとめた文章}"],
            "min_term_freq": 1,
            "max_query_terms": 25 } },
        { "match": { "general_name": { "query": "{仕様書の品名}", "boost": 0.5 } } }
      ],
      "minimum_should_match": 1
    }
  },
  "_source": ["reg_no", "customs", "processed_on", "general_name",
              "tariff_no", "heading", "cargo_summary", "reason"]
}

more_like_this の既定値は、短い文章に向いていません。 公式の既定では、入力の中で2回未満しか出ない語は無視され(min_term_freq が2)、5件未満の文書にしか出ない語も無視されます(min_doc_freq が5)。欄をまとめた文章は数行なので、ほとんどの語が1回しか出ません。 min_term_freq を1に下げます。語の数の上限 max_query_terms は既定で25です。

品名の一致は、重みを半分にして補助に回します。 品名が一致する事例は近いことが多いものの、同じ品名でも材質で別の項に入る事例があります。品名だけで上位に来ると、その違いが見えにくくなります。

項ごとのまとめは、上位30件で行います。 返った30件の税番の上4桁を数え、件数の多い順に並べます。索引全体で数えないのは、遠い事例まで数に入るからです。 30件のうち1件しか無い項も消さず、一覧の下に「少数の項」として残します。

類の絞り込みは、担当者が確信しているときだけにします。 見当が外れていると、本当に近い事例が別の類にあっても出てきません。 迷うときは絞らず、一覧の項ごとの件数で見当を確かめます。

生成AIの出番は2か所です。 1つは仕様書から欄を取り出すこと、もう1つは当たった事例を並べることです。

させること中身
事例の要点一般的品名と貨物概要を1〜2文で
決め手の事実分類理由の中で、その税番になった理由として書かれた事実
同じ点・違う点新しい品目の欄と、事例の貨物概要の重なりと違い
照会に書くべき事実違いのうち、税番を分けそうなもの
させないこと理由
新しい品目の税番を決めること分類の判断は担当者と税関が行う
事例に無い分類の理由を作ること引用の無い理由は確かめられない
関税率をいまの税率として示すこと事例の税率は処理年月日の年度のもの
他法令の要否の判断事例の法令の欄は税関限りの意見で、主管官庁への照会が要る

最初の行が、この構成の線引きです。 「この品目は〇〇の項に分類されます」と書かせると、担当者は事例を読まずに見当として使い始めます。 並べるのは事例と違いまでにします。

Step6

指示内容を固定する

仕様書から欄を取り出すときの指示です。

渡した仕様書だけを使って、次の欄を埋めてください。
材質と成分の割合/機能(電気で動くか、何をする道具か)/用途/形状と寸法/製法
- 書かれていない欄は「不明」としてください。推測で埋めないでください。
- 成分の割合は、書かれた数字と単位をそのまま写してください。
- 「おしゃれな」「丈夫な」など、性状を表さない宣伝の言葉は写さないでください。

検索の後、事例を並べるときの指示です。

あなたは商社の物流部で、新しく輸入する品目の税番の見当を付けるために、
税関が公開している事前教示回答の事例を整理する立場です。
渡した検索結果(事例の貨物概要と分類理由)だけを根拠にしてください。

【新しい品目】材質・成分の割合:{material}/機能:{function}
              用途:{use}/形状:{shape}/製法:{process}
【検索結果】事例ごとに、一般的品名・税番・貨物概要・分類理由を渡します。

【やること】
事例ごとに次を書いてください。
1. 事例の要点(一般的品名と貨物概要を1〜2文で)
2. 分類理由の中で、その税番になった決め手として書かれた事実
3. 新しい品目と同じ点、違う点
4. 違う点のうち、税番を分けそうなもの

【厳守事項】
- 検索結果に書かれていないことを書かないでください。
- 新しい品目の税番を決めたり、推測したりしないでください。
  「この事例では〇〇の理由で△△に分類された」までにしてください。
- 決め手の事実は、分類理由の文から引いてください。
  分類理由に書かれていない理由を補わないでください。
- 新しい品目の欄が「不明」の項目は、同じとも違うとも書かず、
  「仕様の確認が必要」としてください。
- 関税率には触れないでください。
- 法令の欄の内容を、輸入できるかどうかの判断として書かないでください。
- 新しい品目に近くない事例は「関連が薄い」と書いてください。

「不明の項目は同じとも違うとも書かない」を明記しないと、不明のところを事例に合わせて埋めます。 成分の割合が仕様書に無いとき、事例の割合をそのまま「同じ」と書き、違いが消えます。 不明は不明のまま、確認の項目に回させます。

「関税率に触れない」を入れているのは、当時の税率がいまの税率として読まれるのを防ぐためです。 税率は、担当者が税番を決めた後に実行関税率表で引きます。

Step7

出力形式を固定する

事例を並べるときは、検索結果のブロックで渡します。 公式のドキュメントでは、search_result のブロックに source・title・content を入れると、自社の文書を引用付きで答えます。 source に登録番号、title に一般的品名と税番、content に貨物概要と分類理由を文ごとのテキストブロックで入れます。引用はテキストブロックの単位で付き、引用の設定はすべての検索結果でそろえる必要があります。

一覧は、項ごとにまとめて次の形にします。

{
  "item": { "name": "", "material": "", "function": "", "use": "", "unknown_fields": [] },
  "headings": [
    {
      "heading": "3924",
      "count_in_top": 7,
      "cases": [
        {
          "reg_no": "",
          "customs": "",
          "processed_on": "",
          "general_name": "",
          "tariff_no": "",
          "decisive_facts": [ { "text": "", "cited_text": "" } ],
          "same": "",
          "different": "",
          "may_split": ""
        }
      ]
    }
  ],
  "own_history": [ { "item_code": "", "declared_no": "" } ],
  "to_ask_in_ruling": []
}

1つ目の理由は、項ごとの件数を先に見せられることです。 上位の事例30件のうち7件が同じ項にあり、残りが散っているなら、見当はその項に寄ります。 2つの項に割れていれば、割れている理由がそのまま照会に書くべき事実です。

2つ目は、to_ask_in_ruling で照会の材料がそろうことです。 文書による照会には製法・性状などを書いた照会書と見本などの資料を出します。違いの欄から、照会書に書くべき事実の一覧が先にできます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
税関の公開ページ公開ページの取得(毎月1回)事前教示回答の一覧と中身
Amazon OpenSearch Service索引への登録と検索事例の索引、more_like_this
Claude APIAPI呼び出し仕様書の欄の取り出し、事例の整理
依頼の画面社内の画面仕様書を受け取り、一覧を返す
品目マスタ読み取りのみ過去の自社の判断を引く

通関業者には何も送りません。 一覧は社内の見当のための資料です。実際の申告の税番は、通関業者と確かめて決めます。

Step9

人が確認する

  1. 欄の確認(物流部の担当) … 仕様書から取り出した欄を、仕様書と見比べます。成分の割合が抜けていないかを最初に見ます
  2. 引用の確認(物流部の担当) … 決め手の事実の引用を、事例の表示で確かめます
  3. 見当の決定(物流部の担当) … 税番の見当を決め、いまの実行関税率表で税率を引きます
  4. 照会の判断(物流部の責任者) … 項が割れているもの、違いが大きいものは、税関に文書で照会するかを決めます

1番目で「不明」の欄が残ったら、検索に進みません。 仕入先への問い合わせを依頼の画面から出し、返事が来てから探します。急ぎの見積では「割合不明のまま探した」と一覧の先頭に出し、その見当を原価の参考値として扱うことを購買の担当と確かめます。

目安は、1件あたり15分です。 欄の確認に4分、引用の確認に7分、見当と税率に4分ほどを見込みます。詳しい担当者の確認は、照会を考える品目だけにします。

Step10

例外に対処する

起きること対応
仕様書に成分の割合が無い探す前に仕入先に問い合わせる。不明のまま一覧を作らない
近い事例が1件も無い「近い事例なし」とし、関税率表の解説と分類例規を見るよう案内する
上位の事例の項が3つ以上に割れる一覧の先頭に「分類が割れている」と出し、照会を検討する
公開ページの構成が変わり取り込めない取り込みを止め、担当者に知らせる。前月までの索引で検索は続ける
古い事例の税番が、いまの品目表に無い品目表の改正の可能性として印を付け、一覧で後ろに回す
仕様書がパスワード付きのPDF仕入先に解除した版を頼む

5行目は見落とされがちです。 HS品目表は改正されることがあり、古い事例の税番がいまは存在しないことがあります。税番の項目をいまの品目表の一覧と照らして、無いものに印を付けます。

Step11

記録を残す

  • 取得したページの写しと、取得した日時
  • 仕様書、取り出した欄、担当者が直した箇所
  • 検索の条件、返した事例と点数、項ごとの件数
  • 生成AIの一覧と引用
  • 担当者が決めた税番の見当と、実際に申告した税番

最後の行が、いちばん価値のある記録です。 見当と実際の申告が違った品目を集めると、どの種類の品目で見当が外れやすいかが分かります。その品目は、最初から照会に回す候補になります。

04実装レベルの3段階

最小構成:人が集めた事例と仕様をAIの画面に貼り、違いを並べさせる / 事例と仕様の見比べ
半自動化:上記+事例を取り込んで索引にし、仕様の文章で近い事例を探せるようにする / 事例の検索
本格構成:上記+仕様書から欄を取り出し、項ごとにまとめた一覧と照会に書くべき事実まで出す / 見当付けの調べものの全体

最小構成では、事例を集める時間が減りません。 確かめるための段階です。 半自動化で、1件45分が28分程度になります。 言葉を変えて何度も引く時間は減りますが、事例ごとの見比べが手作業で残ります。本格構成で15分になり、この段階が本記事の想定です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化で1か月回すと、仕様書に割合が無い仕入先と、項が割れやすい品目の種類が分かります。そこを整えてから一覧まで進むほうが、見当の外れが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
6 名
月間件数
80 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  80件 × 45分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 80件 × 15分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価4,500円)
216万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 雑貨・日用品・電気製品の部品・食品の原料などを多品種で輸入し、新しく扱う品目が毎月数十件ある商社や小売・ECの輸入部門。発注や見積の前に税番の見当を付けて関税込みの原価を出したいが、事前教示回答の検索画面を言葉を変えながら何度も引いている場合。品目分類に詳しいのが一部の担当者だけで、その人の確認待ちで見積が止まる場合。AWS を使っており、検索基盤を自社で持てる場合。
向いていない
  1. 輸入する品目が毎年ほぼ同じで、税番が品目マスタに入っている場合。新しい品目の分類を通関業者にすべて任せていて、社内で見当を付ける必要が無い場合。仕様書が「プラスチック製品」程度の書き方しか取れず、材質の割合や機能が分からない場合(先に仕入先から仕様を取り寄せるのが先です)。なお、品目の税番を決めるのは通関の担当と税関で、この構成は事例を並べるだけで分類の判断を代わりに行いません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月検討した新しい品目から10件を選び、そのときの見当と実際に申告した税番を用意する
  2. 10件それぞれについて、税関の検索画面で近そうな事例を5件ずつ集める
  3. 手元のAIサービスの画面に、品目の仕様と5件の事例の貨物概要・分類理由を貼り付ける
  4. 「事例ごとに、分類理由の中の決め手の事実を引用し、新しい品目と同じ点・違う点を並べてください。新しい品目の税番は決めないでください。不明の項目は仕様の確認が必要としてください」と指示する
  5. 実際に申告した税番と比べ、違いの一覧がその判断の材料になっていたかを見る

最小構成で確かめたいのは、違いの一覧が判断の役に立つかです。 事例はまだ人が集めます。

出てきた内容判断
実際の税番を分けた事実が、違いの一覧に出た索引と検索の仕組みに進む
不明の項目を事例に合わせて埋めた指示の書き方で直る。構成は有効
仕様書に割合や機能が書かれておらず比べられない仕入先から仕様を取り寄せる運用が先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 仕様が足りないまま見当を付けていたことが分かったなら、仕入先への仕様の頼み方を変えるだけで、見当の精度が上がります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
品名で探して当たらない貨物概要と分類理由で、仕様の文章を like に渡して探す
成分の割合が無いまま一覧を作る探す前に仕入先に問い合わせる
不明の項目が事例に合わせて埋まる不明は「仕様の確認が必要」とするよう指示する
事例の関税率を原価に使う当時の税率と表示し、いまの実行関税率表で引き直す
類を絞り込んで近い事例を落とす類の絞り込みは確信があるときだけにする
一覧が税番の答えとして使われる税番を決めさせず、違いまでにする
法令の欄を輸入できるかの判断に使う税関限りの意見で、正式には主管官庁に照会する
古い事例の税番がいまの品目表に無い品目表と照らして印を付ける
公開事例を自社への回答と同じに扱う尊重されるのは自社が照会して受けた回答書。公開事例は参考
取り込みが公開ページの構成変更で止まる止めて知らせ、前月までの索引で検索を続ける

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、仕入先の言葉と税関の言葉がずれていることから来ています。材質・割合・機能・用途の文章に寄せるかどうかで、近い事例に当たるかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開されている事前教示回答と、仕入先から届く仕様書です。仕様書には、仕入先の製法や成分の割合など、取引上の秘密が含まれることがあります。

  1. 仕様書の扱いを仕入先との約束で確かめる … 生成AIに渡してよいか、社内の取り決めと仕入先との秘密保持の条件を確かめてから使います
  2. 生成AIの入力の扱いを確かめる … APIの利用条件とデータの保持を、社内の基準で確かめます
  3. 分類の判断を代替させない … 一覧は事例の整理までです。税番を決めるのは担当者で、迷うものは税関に文書で照会します
  4. 公開事例の位置づけを取り違えない … 事前教示回答書に記載された所属区分などが輸入申告の審査で尊重されるのは、照会して交付を受けた回答書を申告に添付した場合です。回答書の有効期間は3年間で、照会内容と現品が異なるとき、法令等の改正で取扱いが変わったときなどには尊重されません。 他社の公開事例は、判断の参考にとどまります
  5. 他法令の判断をさせない … 事例の法令の欄は、税関限りの意見に基づく情報で、正式な回答を要する場合は主管官庁に照会するよう書かれています
  6. 出典を残す … 一覧と社内の資料には、事例の登録番号と税関のページを出典として残します

誤りが起きた場合のリスクは、見当の外れた税番で原価を計算することと、古い税率や他法令の情報をそのまま使うことの2つです。 前者は違いの一覧と照会で、後者は当時の情報だと表示することで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:仕様書の頼み方を決める

仕入先に頼む仕様書に、材質と成分の割合、機能(電気で動くか、何をする道具か)、用途、形状、製法を必ず入れてもらう決まりを作ります。新しい品目の依頼の画面にも、同じ欄を置きます。

2週目:10件で試す

先月の品目10件について、人が集めた事例と仕様を手元のAIサービスに貼り、違いを並べさせます。実際に申告した税番を分けた事実が、違いの一覧に出ているかを最優先で見ます。

3週目:事例を取り込む

税関の公開ページから事例を取り込み、10項目に分け、税番を類・項・号に分けて索引に入れます。取り込めなかった事例と、いまの品目表に無い税番を数えます。

4週目:検索をつなぐ

仕様の文章で近い事例を探し、項ごとの件数を出すところまで作ります。この時点ではまだ生成AIの一覧を作らず、当たる事例が当時の調べと合うかを見ます。

2か月目: 仕様書からの欄の取り出しと、引用付きの一覧を足します。3か月目以降: 見当と実際の申告の違いを記録し、1件45分が何分になったかを実測します。詳しい担当者の確認を待たずに見当が付き、迷う品目だけが照会に回るようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
事前教示回答(品目分類)で、登録番号・税関・処理年月日・一般的品名・税番(9桁)・関税率・内国税率・貨物概要(性状・製法・成分割合等)・分類理由・法令が表示されること。関税率が処理年月日の属する年度(もしくは暦年)の税率であること。法令の欄が税関限りの意見に基づく情報で、正式な回答を要する場合は主管官庁に照会するよう書かれていること税関: 事前教示回答(品目分類)2026-10-08
検索画面が全項目・一般的品名・貨物概要・税番・登録番号・処理年月日で検索でき、税番は2桁以上9桁以下で9桁未満は前方一致、処理年月日は以降・時点・以前を指定でき、表示件数を10・20・50・100件から選べること税関: 事前教示回答事例(品目分類関係)キーワード検索画面2026-10-08
文書による事前教示の照会と回答の内容が、取扱いの透明性と輸入者等一般の予測可能性を高めるため公開され、検索できること。照会書(C-1000号)と見本などの資料を出すこと。原則30日以内の極力早期に回答すること税関: 輸出入通関手続きの便利な制度2026-10-08
事前教示回答書を輸入申告に添付し、記載された所属区分等が審査で尊重されること。有効期間が3年間で、照会内容と現品が異なるとき、法令等の改正で取扱いが変わったときなどには尊重されないこと。口頭やEメールでの照会は尊重される取扱いが行われないこと税関: 1202 品目分類の事前教示制度について(カスタムスアンサー)2026-10-08
公開している情報が、別の利用ルールが適用されるコンテンツを除き、利用ルールに従って複製・公衆送信・翻案等を自由に利用でき、商用利用も可能であること税関: 利用規約、免責事項、著作権等2026-10-08
4桁の番号を「項」、6桁を「号」、上2桁を「類」と呼び、6桁まではHS品目表に基づく番号、下3桁は日本独自の番号であること税関: 品目分類・HSについて2026-10-08
Amazon OpenSearch Service の対応プラグインの一覧で、Sudachi Analysis が日本語向けに推奨されていることAmazon OpenSearch Service: Plugins by engine version2026-10-08
more_like_this が入力を分析して特徴的な語を選び、その語を含む文書を探すこと。like に自由な文章を渡せること。min_term_freq の既定が2、min_doc_freq の既定が5、max_query_terms の既定が25であることOpenSearch Documentation: More like this2026-10-08
search_result のブロック(source・title・content)で自社の文書を引用付きで答えること。引用がテキストブロックの単位で付くこと。引用の設定をすべての検索結果でそろえる必要があることClaude Docs: Search results2026-10-08

品目の税番の判断と申告は、通関の担当と通関業者、必要に応じて税関への照会で行ってください。 本記事は公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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