機密文書はtsuzumi 2か外部AIか|図表まで社内で読む線

「図や表が入った社外秘の資料は、結局、海外の大きなAIに渡さないと読めないのでは」「国内の軽いモデルを社内に置けば、それだけで機密の問題は片づくはず」。AIの導入を任された情シスや業務改革の担当者からは、正反対の二つの思い込みが聞こえてきます。どちらも、少し前までの事情を考えれば無理のない見方です。けれど機密文書の置き場は、大きいAIか小さいAIかの二択ではありません。本当は、どの文書を、どこで動くモデルに、どこまで読ませるかを文書ごとに決める話です。2026年5月19日、NTTは軽量な言語モデルtsuzumi 2を更新し、図表を含む文書を画像として読み込めるようにしたと発表しました。この記事では、公式の発表で確かめられる範囲をもとに、置き場ごとの違いと、図表まで社内で読ませるときの線を整理します。
カメ先生図や表の入った資料は、文字だけを抜き出しても意味が取れないことが多いんだ。帳票の欄の位置や、流れ図の矢印の向きに意味があるからね。今回の更新は、そういう資料を画像のまま読ませるためのものなんだよ。
カメ子それなら、社内に置けば図表入りの機密資料を全部任せられる、ということになりますか。
カメ先生そこが早合点しやすいところなんだ。同じモデルでも、動かす場所によって資料の行き先は変わるし、読み取った数字が合っているかは人が原本で確かめないといけない。置き場と、渡す文書と、確かめ方の三つを分けて考える必要があるんだよ。
カメ子モデルの名前だけで安心せずに、置き場と文書と確かめ方を順に見ていけばいいんですね。
- tsuzumi 2は2025年10月に提供が始まったNTTの軽量な言語モデル。2026年5月の更新で、図表・グラフ・チャートを含む文書を画像として読めるようにし、数値の処理も強化した
- 同じtsuzumi 2でも、自社の設備、専用のクラウド環境、公開のクラウドの窓口と置き場が分かれる。社内で完結するかは置き場で決まる
- AIに任せるのは読み取りと要約の下書きまで。どの文書を渡すか、機密の区分、与信のような判断は人が決め、読み取った数字は原本と照合する
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誤解1:図表入りの機密文書は、外部の大きなAIでしか読めない
最初の誤解は、図や表を読めるのは海外の大きなAIだけで、社内に置ける軽いモデルでは文字しか扱えない、というものです。たしかに、軽いモデルは文章を扱うものという印象が長くありました。けれどNTTの2026年5月19日の発表では、tsuzumi 2を更新し、図表を含む文書を画像として読み込むことで視覚的な意味を理解するよう開発したと説明されています。
発表が更新の理由として挙げているのは、機微な情報を含む文書には、図表が入っている場合が多いという点です。ビジネスの文書では、大事な数字が表の中にあったり、判断の手順が流れ図で示されていたりします。文字だけを処理するのでは足りず、文書を画像として扱う必要がある、というのが発表の筋立てです。
つまり、図表入りの資料を読ませたいという理由だけで、社外の大きなAIに頼る必要は薄れつつあります。ただし、読めるようになったことと、自社の資料を正しく読めることは別の話です。発表は同じ大きさのモデルと比べた性能の図を示していますが、自社の帳票や図面で同じ結果になるかは、試してみないと分かりません。
この誤解を解くと、比べるべき相手が変わります。「大きい外部のAIか、何もしないか」ではなく、「図表も読める社内寄りのモデルか、外部のAIか」を、文書ごとに比べられるようになります。その比べ方を、この記事の後半で置き場ごとに整理します。
誤解2:tsuzumi 2を選べば、それだけで社内で完結する
反対側の誤解もあります。国内のモデルを選べば、資料は社外に出ない、という思い込みです。NTTの発表では、tsuzumi 2はその軽さから自社の設備や専用のクラウド環境で、機微な情報を扱う用途を中心に使われていると説明されています。ここまでは、社内で動かせるという話です。
一方で、NTTデータの公式の紹介ページでは、マイクロソフトのクラウドのマーケットプレイスを通じて、tsuzumi 2の指示に答える版を提供していると案内されています。料金はマーケットプレイスの掲載情報を見るよう書かれ、この提供では追加の調整はできないとされています。同じtsuzumi 2でも、公開のクラウドの上で使う提供の形があるということです。
この形が悪いわけではありません。ただ、資料がどこの設備で処理されるか、誰の契約のもとで扱われるかは、自社の設備で動かす場合とまったく違います。モデルの名前ではなく、動かす場所と契約で、社内で完結するかが決まると考えておくと、判断を誤りません。
国内の事業者のモデルだから安全、と決めてしまうのも同じ落とし穴です。どの国のモデルかという観点の確かめ方は、それだけで別の大きな論点です。この記事では、tsuzumi 2という特定の製品について、置き場ごとに資料の行き先がどう変わるかに絞って見ていきます。
tsuzumi 2とは:2025年10月の提供開始から
tsuzumi 2は、NTTが開発した言語モデルで、2025年10月20日に提供が始まりました。発表では、軽量でありながら、同じ大きさのモデルの中で高い日本語の処理性能を持ち、演算用の装置1枚で動くことが特長とされています。軽いので、学習や調整にかかる費用を抑えられる点も挙げられています。
もう一つの特長は、特定の分野の知識を強めていることです。提供開始の発表では、金融、医療、公共の3つの分野の専門知識を強化したと説明されています。社内の文書を検索して答えを作る使い方や、追加の学習で専用のモデルを作る使い方にも対応するとされ、金融の分野での問い合わせ対応の実績にも触れています。
NTTは、ゼロから自社で開発したモデルであることも強調しています。開発の経緯を自社で説明できることは、社内の審査で「どこで、どう作られたモデルか」を問われたときの材料になります。ただし、それで審査が済むわけではなく、自社の置き場と契約の確認は別に要ります。
提供開始の発表には、導入の例として、大学の学内向けの言語モデルの基盤に使われた例や、NTTドコモビジネスと富士フイルムビジネスイノベーションが文書の分析の仕組みで連携する例も挙がっていました。文書を読む用途は、提供開始の時点から想定されていたことが分かります。5月の更新は、その延長にあります。
2026年5月の更新で読めるようになったもの
5月19日の更新の中心は、図表を含む日本語のビジネス文書の読み取りです。発表では、日本語のビジネス文書でよく使われる図表、グラフ、チャートに対応できる理解力を実現したと説明しています。図表の中から特に重要な情報を抜き出して、データベースにまとめるような使い方が想定されています。
発表には、実際の例が2つ示されています。1つは、与信の審査などの業務で、帳票から必要な事項を抜き出す例です。もう1つは、技術的な問い合わせに答える業務で、原因を判断するための流れ図を理解する例です。どちらも、欄の位置や矢印のつながりに意味がある資料で、文字を抜き出すだけでは扱いにくい種類です。
図表の読み取りのほかに、数値の処理を含む論理的な考える力も強化したとされています。売上の金額のような数字の理解や計算、技術文書に書かれた関数の意味の読み取りが、より高い水準でできるようになったと説明されています。表の数字を読んで足し合わせる、といった作業が対象になります。
動く環境については、更新後も演算用の装置1枚の環境で実現したとされています。軽さを保ったまま図表を読めるようにした、というのが更新の売りです。自社の設備で動かすことを考えている会社にとっては、機材の条件が大きく変わらない点が判断の材料になります。
公式が示していないことは、確かめてから決める
発表で分かることと同じくらい、書かれていないことを押さえておくのが大事です。まず、図表の読み取りの精度は、他社のモデルとの比較の図で示されているだけで、本文に数値は書かれていません。自社の資料でどのくらい読めるかは、試しで測るしかありません。
次に、対応する図表の種類の細かい範囲も、発表では例の2つ以上には示されていません。手書きの書き込みのある帳票、何ページにもまたがる表、小さな文字の注記の入った図などが読めるかは分かりません。読めるかどうかは、自社の実物の資料で確かめる前提で計画を立てます。
提供の時期と窓口も、確かめる項目です。発表では、更新したtsuzumi 2はNTTグループ各社を通じて順次提供する予定とされています。どの会社の、どの提供の形で、いつから更新後の版が使えるかは、発表からは読み取れません。公開のクラウドの窓口で提供されている版が、図表を読める更新後の版かどうかも、書かれていません。
- 料金は、確かめた時点(2026年9月)のNTTの発表には記載がありません。数字は窓口で確かめます
- 図表の読み取りの精度は、発表では比較の図だけで示されています。自社の資料で試して測ります
- 更新後の版がどの提供の形で、いつから使えるかは、契約する会社に確かめます
- 発表に記載の情報は発表日時点のもの、と注記されています。最新の案内を確かめてから決めます
置き場は3つ、外部のAIを入れて4つを比べる
ここからは比べ方です。機密文書を読ませる置き場は、tsuzumi 2の側に3つ、それに外部のAIのサービスを加えて4つに分けて考えます。1つ目は自社の設備でモデルを動かす形、2つ目は自社専用に区切ったクラウドの環境で動かす形、3つ目は公開のクラウドの窓口を通じて使う形、4つ目は海外の大手などの外部のAIのサービスを使う形です。
4つの違いは、資料がどこまで旅をするかです。自社の設備なら、資料は社内の建物から出ません。専用のクラウドの環境なら、資料は社外の設備に行きますが、自社のために区切られた場所にとどまります。公開のクラウドの窓口や外部のサービスでは、資料は提供する会社の設備で処理され、その扱いは契約の条件で決まります。
旅が短いほど安心できる一方、手間は増えます。自社の設備で動かせば、機材を用意し、モデルを入れ替え、動いているかを見張る仕事が社内に残ります。安心の大きさと、社内に残る手間の大きさは、だいたい比例すると考えておくと、置き場の選び方が現実的になります。
自社環境か外部かという置き場の判断軸を一般論として整理する話は、それだけで別の記事の主題になります。ここでは、図表入りの機密文書をtsuzumi 2に読ませるか、外部のAIに読ませるか、という一点に絞って、4つの置き場を並べます。
置き場ごとの比較表
4つの置き場を、機密文書を読ませる立場から比べると、次のようになります。表の値は、公式の発表と紹介ページで確かめた範囲と、置き場の仕組みから一般に言えることを分けて書いています。
| 置き場 | 資料の行き先 | 図表の読み取り | 社内に残る手間 | 向く文書の例 |
|---|---|---|---|---|
| tsuzumi 2を自社の設備で動かす | 社内の建物から出ない | 5月の更新で対応と発表。提供の時期は窓口で確認 | 機材、入れ替え、見張りの仕事がすべて社内に残る | 与信の帳票、顧客の個人の情報が入った申込書 |
| tsuzumi 2を専用のクラウド環境で動かす | 社外の設備の、自社用に区切った場所 | 同上 | 機材は持たないが、設定と入れ替えの判断は残る | 社外秘の技術資料、取引先ごとの条件表 |
| tsuzumi 2を公開のクラウドの窓口で使う | 提供する会社の設備。扱いは契約による | 更新後の版かは公式に記載なし。窓口で確認 | 少ない。追加の調整はできないと案内 | 公開前の社内向け資料、社外秘の度合いが低い文書 |
| 外部のAIのサービスを使う | 提供する会社の設備。扱いは契約による | サービスごとに違う | 少ない。契約と設定の確認が中心 | 公開済みの資料、社外に出してよい文書 |
表で見てほしいのは、左の列ではなく右の列です。置き場から先に決めると、すべての文書を同じ置き場に押し込むことになりがちです。文書の種類から置き場を選ぶと、自社の設備で動かすのは一部の文書だけで済み、手間を抑えられることが分かります。
表の「図表の読み取り」の列は、確かめた時点の情報です。更新後の版がどの提供の形で使えるかは順次とされているので、契約の前に窓口で確かめ、表を自社の答えで書き直して使います。
1つの文書に、区分の違う部分が混ざっていることもあります。本文は社内だけの内容でも、巻末の表に取引先ごとの条件が載っている報告書などです。こうした文書は、いちばん守るべき部分に合わせて置き場を選びます。守るべき部分だけを外して別に扱う手もありますが、外し忘れが起きやすいので、試しの段階では文書ごと重いほうに寄せるのが無難です。
機密の区分から逆算して、渡す文書を人が決める
置き場を選ぶ前に決めるのは、どの文書を渡すかです。社内の文書を、機密の度合いでいくつかの区分に分けます。多くの会社では、社外に出してよいもの、社内だけのもの、関係者だけのもの、個人の情報や取引先との約束で特に守るもの、の4つほどに分けると扱いやすくなります。
区分ごとに、置いてよい場所を決めます。社外に出してよい資料なら外部のAIでもかまいません。社内だけの資料は、会社の契約で入力を学習に使わない外部のAIか、tsuzumi 2の専用の環境。特に守る資料は自社の設備か専用の環境だけ、というように、区分と置き場の組み合わせを1枚の表にしておくと、現場が迷いません。
この区分けは、AIに判断させるものではありません。資料をAIに見せて「これは機密か」と聞くと、答えはもっともらしく返ってきますが、取引先との約束や社内の事情までは分かりません。どの区分に入れるかは、資料の持ち主が決め、迷ったら情報セキュリティの担当に相談する、という順番を守ります。
区分を決めたら、図表の入り方も一緒に確かめます。同じ区分の資料でも、数字が表の中にある資料、流れ図が主役の資料、写真が多い資料では、読み取りの難しさが違います。どの形の資料が多いかを数えておくと、次の業務の選び方に役立ちます。
図表の読み取りを試す業務の選び方
いきなり全社の文書を対象にせず、試す業務を1つ選びます。選ぶ基準は3つです。毎月くり返し発生すること、図表の中に取り出したい情報がはっきりあること、読み取った結果が正しいかを原本で確かめられることです。この3つがそろう業務なら、試しの結果を測りやすくなります。
発表の例に近いのは、決まった形の帳票から必要な項目を抜き出す業務です。申込書や報告書のように欄の位置が決まっている資料は、何を取り出せば正解かがはっきりしているので、正しく読めた割合を数えやすくなります。社内の問い合わせで流れ図を参照する業務も、答えが流れ図のどの分かれ道に当たるかで確かめられます。
反対に、最初の試しに向かないのは、読み取った結果から直接大事な判断をする業務です。たとえば与信の可否そのもの、取引の条件の決定、顧客への回答の送信などです。読み取りは下書きで、判断は人という線を守れる業務から始めると、試しで誤りが出ても被害が小さくて済みます。
試す業務が決まったら、対象の資料を30件から50件ほど集めます。きれいに印刷された資料だけでなく、画質の悪い写しや書き込みのある資料も混ぜておくと、実際の運用に近い結果が得られます。どの資料を集めたかも記録しておきます。
読み取り結果は、原本と照合して検収する
図表の読み取りで一番怖いのは、読み違いがもっともらしい形で出てくることです。表の数字の桁がずれる、単位を取り違える、隣の欄の値を拾う、といった誤りは、答えの文章が整っているほど気づきにくくなります。読み取った数字は、原本と照合するまで使わない、と決めておきます。
照合を楽にするために、読み取らせるときの頼み方を工夫します。取り出した値ごとに、資料の何ページ目の、どの欄から取ったのかを添えさせます。根拠の場所が分かれば、人が原本の同じ場所を見るだけで確かめられます。根拠の場所が書けない値は、読めなかった値として扱います。
照合の深さは、用途で変えます。社内の集計の下書きに使うなら、ひと月分から10件を抜き出して確かめる。顧客や取引先に関わる判断の材料にするなら、全件を人が確かめる。どの用途なら何件を確かめるかを、使い始める前に決めることで、検収の手間が読めるようになります。
試しの期間は、照合の結果を1件ごとに記録します。正しく読めたか、どの種類の誤りだったか、確かめるのに何分かかったか、の3つです。誤りの種類が偏っているなら、資料の側を直すか、その種類の資料は読ませない、という判断の材料になります。
社内で動かすなら、増える仕事を先に数える
自社の設備や専用のクラウド環境でtsuzumi 2を動かすと決めた場合、社内に仕事が増えます。モデルを動かす環境を用意する、更新後の版が出たら入れ替える、入れ替えたら読み取りの結果が変わっていないかを測り直す、動かなくなったときに直す、といった仕事です。これらを誰が持つかを決めずに始めると、試しのあとで止まります。
特に見落とされやすいのが、入れ替えのたびの測り直しです。5月の更新のように、モデルは改善されていきます。改善は歓迎すべきことですが、以前は読めていた帳票の欄が読めなくなる、ということも起こり得ます。試しで使った30件から50件の資料と正解を残しておけば、入れ替えのたびに同じ資料で測り直せるようになります。
NTTグループ各社を通じて提供されるなら、どこまでを提供する会社が受け持ち、どこからが自社の仕事になるかを、契約の前に確かめます。環境の用意、版の入れ替え、障害のときの対応のそれぞれについて、受け持つ側を一覧にしておくと、社内に残る仕事の量が見えます。
手元で動かす機材や実行の環境の選び方そのものは、それだけで大きな話になるので、ここでは深入りしません。大事なのは、増える仕事の持ち主を決めてから置き場を決める、という順番です。
外部のAIに残したほうがよい仕事
tsuzumi 2を入れても、すべての仕事を移す必要はありません。機密の度合いが低く、幅広い知識や長い文章の作成が要る仕事は、外部のAIに残したほうが効率的なことがあります。公開済みの資料の要約、社外向けの文章の下書き、一般的な調べものなどです。
反対に、tsuzumi 2の側に寄せる候補になるのは、機密の度合いが高く、答えの形が決まっている仕事です。帳票から決まった項目を抜き出す、社内の手順の流れ図に照らして次の手を示す、といった仕事は、軽いモデルの得意な形に近く、資料を社外に出さずに済む利点も大きくなります。
両方を使い分けるなら、どの仕事をどちらに回すかを、文書の区分で機械的に決めることが大事です。担当者がその場で「これくらいなら外に出しても」と判断する形にすると、区分の線が少しずつずれていきます。区分と置き場の表を、使い分けの決まりとしてそのまま使います。
外部のAIを使い続ける部分についても、会社の契約で入力を学習に使わない設定になっているか、履歴がどれだけ残るかを確かめておきます。置き場を2つ持つということは、確かめる相手が2つに増えるということでもあります。
窓口と契約で確かめること
tsuzumi 2は、NTTグループ各社を通じて提供されます。窓口になる会社によって、提供の形や受け持つ範囲が違う可能性があるので、契約の前に確かめる項目を一覧にしておきます。答えが書面で返ってこない項目は、分からないまま進めないと決めておくと、判断を先送りせずに済みます。
- 提供の形はどれか(自社の設備、専用のクラウド環境、公開のクラウドの窓口)
- 5月の更新後の、図表を読める版が使えるか。使えるならいつからか
- 入力した資料と読み取りの結果が、どの設備で処理され、どれだけの期間残るか
- 入力した資料が、モデルの改善などに使われることがあるか
- 版の入れ替えの頻度と、入れ替えの前に知らせてもらえるか
- 障害のときの対応の範囲と、社内に残る仕事は何か
- 料金の決まり方(確かめた時点の発表には記載なし)
料金は、確かめた時点のNTTの発表には記載がありません。公開のクラウドの窓口で使う場合は、掲載情報を見るよう案内されています。数字は窓口の答えだけを使い、推測で予算を組まないようにします。
確かめた答えは、比較表の各行に書き戻します。窓口の答えで表が埋まってはじめて、自社にとっての置き場の比較になります。答えをもらった日付と相手も残しておくと、後で条件が変わったときに比べられます。窓口の候補が複数あるなら、同じ一覧をそれぞれに渡し、答えを横に並べて比べると、提供の形や受け持つ範囲の違いがはっきりします。
小さく試す手順
ここまでの内容を、試しの手順にまとめます。情シスと、試す業務の部署が組んで進める形を想定した一例です。期間は2か月ほどを目安にします。
社内の文書を機密の度合いで4つほどに分け、区分ごとに置いてよい場所を決めます。資料の持ち主と情報セキュリティの担当が決めます。
毎月くり返し、取り出したい情報がはっきりしていて、原本で確かめられる業務を1つ選び、資料を30件から50件集めます。
提供の形、更新後の版の有無、資料の扱い、料金を窓口に確かめ、答えを比較表に書き戻します。
取り出した値に根拠の場所を添えさせ、全件を原本と照合します。誤りの種類と確かめた時間を1件ごとに記録します。
照合の結果と社内に残る手間を並べ、続ける、置き場を変える、やめるのどれかを決めます。決めるのは人です。
手順の4つ目で集めた資料と正解は、試しが終わっても捨てずに残します。版の入れ替えのたびに同じ資料で測り直す物差しになるからです。試しの記録には、どの版で、どの置き場で測ったかも書いておきます。
手順の5つ目の判断の場には、試した部署の責任者、資料の持ち主、情報セキュリティの担当の3者がそろうようにします。持ち込む材料は、正しく読めた割合、誤りの種類の内訳、1件を確かめるのにかかった時間、社内に残る仕事の一覧の4つです。数字がそろえば、続けるかどうかを感覚ではなく材料で決められます。
置き場を選ぶときにやりがちな失敗
機密文書の置き場を選ぶときにつまずきやすい形を並べておきます。どれも、モデルの名前や性能の発表を、自社の条件の確認より先に置いたことから起きます。
- 国内のモデルだからという理由だけで、置き場と契約を確かめずに機密文書を渡す
- 公開のクラウドの窓口の版を、図表を読める更新後の版だと思い込む
- 発表の比較の図を見て、自社の帳票でも同じように読めると決めてしまう
- 読み取った数字を原本と照合せずに、集計や判断に使う
- 資料をAIに見せて、機密かどうかの区分までAIに決めさせる
- 社内で動かすと決めてから、入れ替えと見張りの持ち主を探し始める
3つ目と4つ目は、組み合わさると深刻になります。性能の高さを信じて照合を省くと、読み違いがそのまま与信の資料や取引先への回答に入ります。読み取りの精度は、自社の資料で測った数字だけを信じる、と試しの計画に書いておきます。
失敗に気づいたら、誰を責めるかではなく、区分と置き場の表のどの行が抜けていたかを確かめ、表を直します。直した日付を残しておけば、同じ失敗を次の担当者がくり返さずに済みます。
まとめ
tsuzumi 2は2025年10月に提供が始まったNTTの軽量な言語モデルで、2026年5月19日の更新により、図表・グラフ・チャートを含む文書を画像として読めるようになり、数値の処理も強化されたと発表されています。ただし同じtsuzumi 2でも、自社の設備、専用のクラウド環境、公開のクラウドの窓口と置き場が分かれ、社内で完結するかは置き場と契約で決まります。機密の区分と置き場の組み合わせを人が先に決め、毎月くり返す業務で試し、読み取った数字は根拠の場所を添えさせて原本と照合します。どの文書を渡すか、与信のような判断はAIに判断させず、料金や更新後の版の提供は窓口の答えで確かめてから決めましょう。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
