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飲食店の店舗から写真付きで届く設備の故障の連絡を、写真と文面から機器・症状・緊急度に見分けて修理の依頼票にし、業者の手配と進み具合を追う

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

飲食店の店舗から写真付きで届く設備の故障の連絡を、写真と文面から機器・症状に見分け、設備の台帳と照らして修理の依頼票にします。緊急度は規則で付け、業者の手配と返事の有無を追います。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
介護/宿泊/小売/飲食
対象部門
総務/購買
対象業務
分類・仕分け/書類作成
主な課題
入力作業が多い/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
画像認識
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
75h/月
AI導入後
25h/月
想定削減
67%
年間削減
600h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 店舗から社内チャットか電話で故障の連絡が届く
  2. 設備の担当が写真を見て、どの機器か、何が起きているかを見当を付ける
  3. 足りない情報(どの冷蔵庫か、表示のエラー、いつからか)を店舗に聞き返す
  4. 設備の台帳を開き、その店舗のその機器のメーカー・型式・保守の契約先を探す
  5. 業者に電話かメールで修理を依頼し、写真を転送する
  6. 業者の訪問の予定を店舗に伝える
  7. 修理が終わったかを、店舗か業者に確かめ、台帳のメモに書く
導入後(After)
  1. 人店舗が故障の連絡用のフォームから、写真(最大3枚)と一言の文面、機器の場所を送る
  2. 自動フォームの送信をきっかけにワークフローが動き、写真の形式と枚数を確かめる
  3. 自動設備の台帳から、その店舗の機器の一覧を引く
  4. 自動生成AIが写真と文面から、機器の種類・銘板の型式・見える症状・表示のエラー・写真の不備を読み取る
  5. 自動読み取った型式を台帳の機器に照らし、保守の契約先を引く
  6. 自動「機器の種類×症状」の規則表で、緊急度(A:当日/B:翌営業日まで/C:定期の訪問でよい)を決める
  7. 自動写真から分からない項目について、店舗への確認の質問を作り、すぐ返す
  8. 自動修理の依頼票と、業者への依頼の文面の下書きを作り、修理の台帳に登録する
  9. 人設備の担当が依頼票を確かめ、業者へ送る。緊急度Aは電話でも連絡する
  10. 自動毎朝、業者の返事・訪問の予定・完了の報告が無い依頼票を拾い、担当に知らせる
  11. 人修理の完了を確かめ、依頼票を閉じる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 店舗から社内チャットか電話で故障の連絡が届く
  2. 設備の担当が写真を見て、どの機器か、何が起きているかを見当を付ける
  3. 足りない情報(どの冷蔵庫か、表示のエラー、いつからか)を店舗に聞き返す
  4. 設備の台帳を開き、その店舗のその機器のメーカー・型式・保守の契約先を探す
  5. 業者に電話かメールで修理を依頼し、写真を転送する
  6. 業者の訪問の予定を店舗に伝える
  7. 修理が終わったかを、店舗か業者に確かめ、台帳のメモに書く

(a)聞き返しが続く。 3番目は1回で済まないことが多く、店舗は営業中で返事が遅れ、その間に冷蔵庫の中の食材の判断が迫ります。 聞くべき項目が担当者によって違うのも、聞き返しが増える理由です。

(b)どの業者に頼むかが記憶頼み。 4番目で台帳を開いても、型式の欄が空いている機器や、契約先が変わったのに直っていない行があります。ベテランは覚えているので困りませんが、その人が休みの日は、業者を間違えて二度手間になります。

(c)緊急度の付け方がばらばら。 「冷えが弱い」をすぐ手配する担当もいれば、翌日に回す担当もいます。同じ症状でも、誰が受けたかで対応の速さが変わります。

(d)手配した後が追えない。 業者の訪問の予定や、部品の取り寄せで修理が延びていることが、担当者のメールの中にしかありません。 店舗から「まだ来ない」と言われて初めて、業者から返事が無かったことに気づきます。

  1. 【人】 店舗が故障の連絡用のフォームから、写真(最大3枚)と一言の文面、機器の場所を送る
  2. 【自動】 フォームの送信をきっかけにワークフローが動き、写真の形式と枚数を確かめる
  3. 【自動】 設備の台帳から、その店舗の機器の一覧を引く
  4. 【自動】 生成AIが写真と文面から、機器の種類・銘板の型式・見える症状・表示のエラー・写真の不備を読み取る
  5. 【自動】 読み取った型式を台帳の機器に照らし、保守の契約先を引く
  6. 【自動】 「機器の種類×症状」の規則表で、緊急度(A:当日/B:翌営業日まで/C:定期の訪問でよい)を決める
  7. 【自動】 写真から分からない項目について、店舗への確認の質問を作り、すぐ返す
  8. 【自動】 修理の依頼票と、業者への依頼の文面の下書きを作り、修理の台帳に登録する
  9. 【人】 設備の担当が依頼票を確かめ、業者へ送る。緊急度Aは電話でも連絡する
  10. 【自動】 毎朝、業者の返事・訪問の予定・完了の報告が無い依頼票を拾い、担当に知らせる
  11. 【人】 修理の完了を確かめ、依頼票を閉じる

9番目が、この設計の分かれ目です。 業者への依頼を自動で送ることはしません。契約先の取り違えは、出張の費用がそのまま無駄になる誤りだからです。 担当者は下書きを読み、写真と照らして送るだけにします。

7番目は、9番目より先に動きます。 担当者が依頼票を見る前に、店舗への質問はもう返っています。 聞き返しの往復が、担当者の手を通らずに始まります。

02今回想定するシステム構成

構成図
店舗の故障の連絡用フォーム(写真・文面・機器の場所)
   ▼【トリガー】フォームの送信(Make の Custom webhook)
Make
   ├──▶ 写真の形式・枚数の確認
   ├──▶ 設備の台帳(その店舗の機器の一覧)
   ▼
OpenAI API(Make の OpenAI アプリ「Generate a completion」、画像の入力と JSON schema)
   │   機器の種類/銘板の型式/見える症状/表示のエラー/写真の不備
   ▼
Make ── 台帳の機器との照合、保守の契約先、緊急度の規則表
   ├──▶ 店舗への確認の質問(社内チャット)
   ├──▶ 修理の台帳(依頼票の登録)
   ▼
【設備の担当が依頼票を確かめて業者へ送る】
   ▼
Make(毎朝)── 返事・訪問の予定・完了の無い依頼票を拾い、担当に知らせる
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(Custom webhook と、表の読み取りと定時の追いかけ)Power Automate、Zapier、n8n
生成AIOpenAI API(Make の OpenAI アプリ「Generate a completion」で画像を入力)Gemini API、Claude API
保管修理の台帳と設備の台帳(スプレッドシート)データベースの表
通知社内チャット(店舗への質問と担当への知らせ)メール

Make を選ぶのは、表の読み取り・条件分岐・定時の実行・チャットへの投稿が、設定だけでそろうからです。 総務の担当者が規則表を直したとき、ワークフローを作り直さずに表の値だけで動きが変わる形にできます。

業者の受付の仕組みとはつなぎません。 業者ごとに受付の方法が違うので、送るのは担当者がメールか電話で行います。 最初の準備は、設備の台帳に、機器の場所(厨房の奥の冷蔵庫、など)と保守の契約先の列をそろえることです。

入口は Make の Custom webhook です。 任意のデータを送れるURLを作る仕組みで、店舗のフォームの送信先にします。リクエストはWebhookごとのキューに入り、既定では並行して処理されます。 受け付けられるのは10秒あたり300件までで、超えると429が返ります。60店舗の連絡なら届かない量です。

写真を読むのは、OpenAI アプリの「Generate a completion」です。 一部のモデルでは画像の入力の種類と細かさを指定でき、Response Format で JSON schema を選べます。 同じアプリの「Analyze images (Vision)」も写真を読めますが、Response Format の設定が無いので、決まった形で受け取る本格構成では使いません。 最初の試しには手軽です。

画像の扱いは OpenAI の仕様に従います。 受け付ける形式は PNG、JPEG、WEBP、アニメーションでない GIF で、detail で読み込む細かさ(low、high、original、auto)を選べます。公式の制限として、小さな文字、回転した画像、正確な位置関係、物の数を正確に数えることは苦手とされています。 銘板の型式は小さな文字なので、銘板だけを寄って撮った写真を別にもらいます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

店舗がフォームを送信したことを起点にします。 社内チャットに流れてくる自由な投稿を拾う形にはしません。写真と機器の場所が必ずそろう入口を1つに決めることが、聞き返しを減らす最初の一手です。

フォームには、写真を最大3枚(全体/症状の箇所/銘板)、機器の場所の選択、一言の文面、連絡先の担当者名を置きます。機器の場所は、設備の台帳の行から作った選択肢にします。「厨房の奥の冷蔵庫(2枚扉)」のように、店舗の人が見て分かる言い方にしておきます。

電話で届いた連絡は、受けた担当者が同じフォームから入れます。 入口を分けると、電話の分だけ依頼票が無い状態になります。

もう一つの起点は、毎朝8時の定時実行です。 こちらは手配した後の追いかけに使い、業者の返事が無い依頼票を拾います。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
故障の連絡店舗、送信日時、機器の場所、文面、写真(全体/症状/銘板)店舗の故障の連絡用フォーム
設備の台帳店舗、機器の場所、機器の種類、メーカー、型式、製造番号、設置年、保守の契約先、保証の期限総務が持つ表
緊急度の規則表機器の種類×症状ごとの緊急度、店舗への初動の定型文総務と衛生の担当が決める表
業者の一覧契約先ごとの受付の方法、受付の時間、夜間・休日の連絡先総務が持つ表
修理の台帳依頼票ごとの状態、依頼日時、業者の返事、訪問の予定、完了日この構成の保管

質を決めるのは、設備の台帳の「機器の場所」と「保守の契約先」です。 写真から型式が読めても、台帳に型式が無ければ契約先を引けません。 逆に、機器の場所が選択肢で届けば、型式が読めなくても台帳の行が決まります。型式と場所の2つの道で台帳に当てます。

緊急度の規則表は、AIの外に置きます。 「冷蔵・冷凍の機器で、冷えない・霜が異常」は A、「空調の効きが弱い」は夏は A で冬は B、のように、季節と業態で変わる決まりを人が持ちます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
フォームの送信内容と写真Custom webhook で受けたデータ生成AIに渡す材料
店舗の機器の一覧設備の台帳を店舗で絞り込む生成AIに選択肢として渡す、型式の照合
規則表と業者の一覧表の読み取り緊急度と送り先の決定
過去の依頼票修理の台帳を店舗と機器で絞り込む同じ機器の直近の修理の有無

生成AIには、その店舗の機器の一覧を選択肢として渡します。 全店舗の台帳を渡すと、写真に似た別の店舗の機器を選ぶことがあります。選べるのは、その店舗にある機器だけにします。

写真は、Webhook で受けたファイルのデータのまま渡します。 Make の OpenAI アプリは画像をURLでもファイルのデータでも受け付けますが、URLで渡すには写真を誰でも見られる場所に置く必要があります。 厨房の写真を公開の場所に置かないため、ファイルのデータで渡す形にします。

過去の依頼票は、同じ機器の30日以内の修理を引きます。 直したばかりの機器がまた止まったなら、前回の業者に連絡して保証の範囲かを確かめるほうが早いからです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式の確認 … 写真が PNG、JPEG、WEBP、GIF のいずれかであることを確かめます。それ以外の形式は店舗に撮り直しを頼みます
  2. 枚数の確認 … 1枚も無い連絡は、写真を求める定型文を返します
  3. 銘板の写真の有無 … 銘板の写真が無いときは、型式の読み取りを試さず、機器の場所から台帳を引きます
  4. 重複の確認 … 同じ店舗・同じ機器の場所で、2時間以内に別の連絡があれば、同じ依頼票にまとめます
  5. 営業時間の判定 … 送信が夜間・休日かを付けます。業者の夜間・休日の連絡先を引くのに使います

4番目を入れないと、同じ故障に依頼票が2つできます。 店長が送った後に、社員がもう一度送ることはよくあります。業者に二重に依頼すると、出張の費用が2回かかります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、写真と文面から見える事実を写し、その店舗の機器の一覧のどれに当たるかを選ぶことまでです。

見るものさせること判断できないときの扱い
機器の種類冷蔵庫/冷凍庫/製氷機/食器洗浄機/フライヤー/コンロ/空調/給排水/照明/その他写真で決められなければ unknown
台帳の機器店舗の機器の一覧から、機器の場所と見た目で1つ選ぶ候補が2つ以上なら全部を挙げ、選ばない
銘板の型式銘板の写真から、メーカーと型式と製造番号を写す読めない文字は ? にし、補わない
見える症状霜・氷の付き方、水漏れの跡、焦げ・変色、表示のエラーの文字、扉のパッキンの破れ写真に写っていない症状は書かない
文面の症状冷えない、止まった、異音、におい、などを決まった語に寄せる文面に無ければ空
写真の不備ぼやけ、暗い、銘板が写っていない、症状の箇所が写っていない不備があれば撮り直しの頼み方を書く
店舗への質問分からない項目(いつからか、庫内の温度、エラーの表示、ブレーカー)を質問にする最大3問

3行目が、いちばん間違いやすいところです。 銘板の型式は小さな文字で、OpenAI の公式の制限でも小さな文字は苦手とされています。 読めない1文字を似た文字で埋めると、別の型式として台帳に当たり、別の業者に依頼が行きます。 読めない文字は ? のまま残し、照合は機器の場所の側で行います。

させないこと理由
緊急度を決めること規則表で決める。衛生と安全の手順に合わせるため
故障の原因の診断原因を決めるのは業者。推測の原因を依頼票に書くと業者を誤らせる
使い続けてよいかの判断ガス・電気の安全に関わる。本部の手順の定型文で返す
型式の補完読めない文字を埋めない
業者の選択台帳の契約先から規則で引く
音・におい・温度の推定写真からは分からない。質問にする

2行目と3行目は、とくに厳しく守らせます。 「コンプレッサーの故障と思われます」と依頼票に書くと、業者はその前提で部品を持ってきます。ガスのにおいの連絡に「使用を続けて問題ない」と返すことは、どんな場合も避けます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは飲食チェーンの本部で、店舗の設備の故障の連絡を受け付ける担当です。
写真と文面に写っている事実だけを書いてください。推測で埋めないでください。

【あなたの仕事】
1. equipment_type を次から1つ選ぶ
   refrigerator / freezer / ice_machine / dishwasher / fryer / stove /
   air_conditioner / plumbing / lighting / other / unknown
2. 下の「この店舗の機器の一覧」から、当てはまる機器の asset_id を選ぶ
3. 銘板の写真があれば、メーカー・型式・製造番号を写す
4. 写真に見える症状と、文面に書かれた症状を、それぞれ別に書く
5. 写真の不備があれば書き、撮り直しの頼み方を1文で書く
6. 写真と文面から分からないことを、店舗への質問にする(最大3問)

【厳守事項】
- 型式・製造番号は、読めた文字だけを写してください。
  読めない文字は ? にしてください。似た文字で補わないでください。
- asset_id は「この店舗の機器の一覧」にあるものだけを選んでください。
  候補が2つ以上あるときは candidates に全部を入れ、asset_id は空にしてください。
- visible_symptoms には、写真に写っているものだけを書いてください。
  音・におい・温度・いつからか は写真からは分からないので書かないでください。
- 故障の原因を書かないでください。「〜の故障と思われます」も書かないでください。
- 緊急度、使い続けてよいか、どの業者に頼むかは書かないでください。
- 文面に「ガス」「焦げくさい」「煙」「漏電」「火花」があれば、
  safety_keywords にその語を写してください。判断はしないでください。
- 店舗への質問は、店舗の人がその場で答えられることだけにしてください。
  (例:表示パネルに出ている文字、庫内の温度計の数字、いつから)

【店舗】{store_name}
【送信日時】{submitted_at}
【店舗が選んだ機器の場所】{location_label}
【文面】{message}
【この店舗の機器の一覧】{asset_list}

「asset_id は一覧にあるものだけ」を書かないと、写真の機器を一般名で答えます。 「2枚扉の業務用冷蔵庫」と返されても、台帳のどの行かが決まらなければ契約先を引けません。

safety_keywords を写させるだけにしているのは、安全の判断を規則の側に置くためです。 語が1つでもあれば、緊急度はAにし、本部の手順で決めた定型文(機器の使用をやめ、ガスの元栓を閉め、ガス会社へ連絡する、など)を店舗に返します。 定型文は衛生と安全の担当が書き、AIには書かせません。

Step7

出力形式を固定する

Response Format で JSON schema を選び、次の形で受け取ります。

{
  "request_id": "RQ-2026-1006-031",
  "equipment_type": "refrigerator",
  "asset_id": "",
  "candidates": ["AS-0412", "AS-0413"],
  "nameplate": { "maker": "", "model": "", "serial": "" },
  "visible_symptoms": ["扉のパッキンの下側に霜が厚く付いている"],
  "message_symptoms": ["cooling_weak"],
  "safety_keywords": [],
  "photo_issues": [],
  "retake_request": "",
  "questions_to_store": [
    "庫内の温度計は何度を示していますか",
    "表示パネルに文字や番号は出ていますか"
  ]
}

1つ目の理由は、欠けた項目を作らせないことです。 Structured Outputs は、渡した JSON Schema に必ず沿った応答を返すとされ、必須の欄の抜けや、列挙に無い値を作ることがなくなります。 strict を有効にするときは、すべての欄を必須にし、additionalProperties を false にします。空でよい欄は、null を許す型にします。

2つ目は、AIの出力と規則の結果を分けられることです。 上のJSONに緊急度も業者も無いのは意図してのことです。受け取った後、ワークフローが次の規則で依頼票を仕上げます。

決めるもの規則
緊急度safety_keywords が1つでもあれば A。それ以外は規則表の「機器の種類×症状」で A/B/C
送り先asset_id の保守の契約先。夜間・休日は業者の一覧の夜間の連絡先
人へ回すasset_id が空(候補が複数)、equipment_type が unknown、photo_issues があるもの
前回の業者へ同じ asset_id に30日以内の修理があれば、依頼の文面に前回の依頼票の番号を入れる

3つ目は、断りの応答を見分けられることです。 安全上の理由でモデルが応じないときは、スキーマに沿わず refusal の欄で返るとされています。その場合は人へ回す扱いにします。

依頼の文面の下書きは、JSONと台帳の値から差し込みで作ります。 生成AIに文面を書かせるのではなく、決まった型に値を入れるだけです。業者が見る項目の順を毎回そろえるためです。

件名:【修理依頼/緊急度A】〇〇店 冷蔵庫(厨房奥・2枚扉)RQ-2026-1006-031

店舗:〇〇店(住所・電話・店舗の担当者名)
機器:業務用冷蔵庫 メーカー〇〇 型式 XX-12?4(銘板の写真で一部判読できず)
台帳の型式:XX-1234(設置2019年/保守契約:契約あり)
店舗からの連絡:冷えが弱い(10月6日 9:12)
写真に見える状態:扉のパッキンの下側に霜が厚く付いている
店舗に確認中の事項:庫内の温度、表示パネルのエラー
前回の修理:なし(30日以内)
添付:写真3枚(全体/症状/銘板)
訪問の可否と予定日時をご返信ください。

「一部判読できず」と台帳の型式を並べて書くのは、業者に判断の材料を渡すためです。 写真の型式と台帳の型式が違えば、業者は訪問の前に確かめられます。本部の側で片方に寄せて書かないことが、二度訪問を防ぎます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
店舗のフォームMake の Custom webhook送信内容と写真を受ける
設備の台帳・規則表・業者の一覧表の読み取り店舗の機器、緊急度、送り先を引く
OpenAI APIMake の OpenAI アプリ写真と文面の読み取り
修理の台帳表への書き込み依頼票の登録と状態の更新
社内チャット投稿店舗への質問・定型文、担当への知らせ

設備の台帳には書き込みません。 写真から読んだ型式が台帳と違っていても、台帳を直すのは担当者が業者に確かめてからです。依頼票に「台帳と型式が違う」の印を付けるだけにします。

修理の台帳には、状態の列を1つ持たせます。 写真待ち/店舗回答待ち/送付待ち/業者返事待ち/訪問予定/部品待ち/完了確認待ち/完了 の8つで、毎朝の追いかけはこの列と最後に更新した日時だけを見ます。 「業者返事待ち」のまま緊急度Aで2時間、Bで翌営業日の朝を過ぎたものと、「訪問予定」の日を過ぎても「完了確認待ち」に進んでいないものを拾います。

店舗の回答は、同じ依頼票に戻します。 店舗への質問には依頼票の番号を付けて送り、店舗はチャットの返信かフォームの「回答」の欄で答えます。回答が付いたら状態を「送付待ち」に進め、担当者の一覧に上げます。

Step9

人が確認する

人が見るのは、すべての依頼票です。 ただし、見る深さを分けます。

  1. 緊急度Aを先に見る … 依頼票と写真を開き、業者に電話で連絡します。安全に関わる語のあったものは、店舗に定型文が届いているかも確かめます
  2. 人へ回したものを見る … 候補が複数の機器は店舗の回答を待って決め、写真の不備は撮り直しを待ちます
  3. それ以外は下書きを確かめて送る … 機器・契約先・写真の3つが合っていれば、下書きのまま送ります
  4. 完了を確かめる … 業者の報告と店舗の確認がそろったら依頼票を閉じ、修理の内容と費用を記録します

3番目で見るのは3つだけです。 文面の言い回しを直す時間は取らない想定で、目標は300件をならして1件5分です。

1番目では、AIの読み取りより店舗の声を優先します。 写真では霜が見えなくても、店長が「庫内が10度を超えている」と答えれば、それが判断の材料です。読み取りと店舗の回答が食い違ったら、店舗の回答で緊急度を見直します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
写真が無い・形式が違う撮り直しの定型文を返し、依頼票は「写真待ち」で作る
銘板が読めない型式は ? のまま。機器の場所から台帳を引く
機器の候補が複数店舗に「どの機器か」を選択肢で聞き、返事で決める
台帳に無い機器「台帳外」の印で人へ。新しく入れた機器か、台帳の漏れかを確かめる
安全に関わる語がある緊急度A。本部の定型文を返し、担当へすぐ知らせる
同じ故障の連絡が重なる2時間以内の同じ機器の場所はまとめる
業者から返事が無い緊急度Aは2時間、Bは翌営業日の朝で担当へ知らせる
生成AIが応じない・形が崩れる人へ回し、写真と文面だけで依頼票を作る
Webhookのキューがあふれる400や429が返る。店舗には電話での連絡を案内しておく

上から2行目と3行目が大半です。 銘板は汚れや油で読めないことが多く、機器の場所の選択肢が、型式の読み取りより確実な手がかりになります。

Step11

記録を残す

  • フォームの送信内容と写真、受け付けた日時
  • 生成AIの出力(JSONの全文)と、使ったモデル
  • 規則で決めた緊急度・送り先と、そのときの規則表の版
  • 依頼票の状態の履歴(作成、送付、業者の返事、訪問、完了)
  • 担当者が直した項目(機器・契約先・緊急度)
  • 修理の内容と費用、同じ機器の修理の回数

5つ目は、規則表と台帳を直す材料です。 担当者が緊急度を上げた症状が続けば規則表を、契約先を直した機器が続けば台帳を直します。最後の行は、入れ替えの検討に使えます。 同じ機器の修理が年に何度も続けば、修理より入れ替えのほうが安い場合があります。

04実装レベルの3段階

最小構成:写真と文面を手で生成AIに貼り、機器と症状と質問を出させる / 1件ごとの見分けと質問の作成
半自動化:上記+フォームから自動で読み取り、店舗への質問を返し、依頼票を台帳に作る / 受け付け、見分け、質問、依頼票の作成
本格構成:上記+台帳の契約先と規則表で送り先と緊急度を決め、依頼の文面の下書きを作り、毎朝の追いかけを行う / 受け付けから手配の準備と追跡まで

半自動化で、聞き返しと依頼票の作成が手を離れます。 台帳で契約先を探し、依頼の文面を書く作業が残ります。本格構成で、そこまで下書きになり、この段階が本記事の想定です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、台帳に型式や契約先の無い機器が一覧で分かります。 そこを埋めてから送り先を自動で引くほうが、業者の取り違えが減ります。 半自動化の段階でも、店舗の側の変化ははっきり出ます。 写真の欄が3つに分かれ、質問がすぐ返るようになると、店長は最初から銘板と症状の箇所を撮って送るようになります。 担当者が聞き返しの電話をかける回数が減るのは、この段階からです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
5 分
現在  300件 × 15分 ÷ 60 = 75 時間/月
導入後 300件 × 5分 ÷ 60 = 25 時間/月
月間削減時間
50h
削減率
67%
年間削減時間
600h
年間金額換算(時間単価3,000円)
180万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 数十店舗を運営する飲食チェーンで、冷蔵庫・製氷機・空調・厨房機器の故障の連絡が電話とチャットで本部に届き、設備の担当が店舗に聞き返しながら業者を手配している場合。機器ごとの保守の契約先が違い、どの業者に頼むかを担当者の記憶で決めている場合。店舗の設備の台帳(機器・メーカー・型式・設置年・保守の契約先)を表で持てる場合。同じような連絡の多い小売店・ホテル・介護施設の本部。
向いていない
  1. 店舗が数店で、店長が直接業者に電話して済んでいる場合。設備の保守を1社に一括して委託し、故障の連絡も委託先が直接受けている場合。なお、ガス・電気の安全に関わる判断、機器を使い続けてよいかの判断、修理か入れ替えかの判断は、この構成では代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の故障の連絡から20件を選ぶ(うち数件は、業者を間違えた・二度訪問になったものを入れる)
  2. その20件の写真と文面を集め、当時どの機器で、どの業者に頼んだかを書き出す
  3. 手元の生成AIのサービスに、1件ずつ写真と文面と、その店舗の機器の一覧を貼り付ける
  4. 「この写真と文面から、機器の種類、一覧のどの機器か、銘板の型式、写真に見える症状を書いてください。読めない文字は ? にしてください。原因は書かないでください。分からないことは店舗への質問にしてください」と指示する
  5. 出てきた結果を、当時の機器と業者と突き合わせる

20件は必ずやってください。 フォームとワークフローを作る前に、「写真から機器が決まるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時と同じ機器が選ばれたフォームとワークフローに進む
型式を似た文字で補った・原因を書いた指示の書き方で直る。構成は有効
写真が遠い・暗くて機器が決まらない撮り方の決まりが先。 AIの問題ではない

3行目が出たら、フォームの写真の欄を「全体/症状/銘板」に分けた効果がそのまま出ます。 撮り方の見本を店舗に配り、同じ20件の機器で撮り直して比べてください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
型式を似た文字で補う読めない文字は ? と指示し、照合は機器の場所の側で行う
一般名で答え、台帳の行が決まらない店舗の機器の一覧を渡し、その中から選ばせる
依頼票に推測の原因が書かれる原因を書かせない。原因は業者が決める
安全に関わる連絡にAIの文で返す語を写させるだけにし、返すのは本部の定型文
写真が遠くて機器が分からないフォームの写真の欄を「全体/症状/銘板」に分ける
同じ故障に依頼票が2つできる2時間以内の同じ機器の場所はまとめる
電話の連絡が依頼票にならない受けた担当者が同じフォームから入れる
台帳の契約先が古い担当者が直した記録から、台帳の直す行を毎月拾う
業者の返事を待ったまま忘れる毎朝の追いかけで、返事の無い依頼票を知らせる
業者へ自動で送ってしまう下書きまでにする。 送るのは担当者
写真をURLで渡すために公開の場所に置くファイルのデータで渡す
冬に空調の連絡が全部Aになる規則表に季節の列を持たせ、月で切り替える
店舗が質問に答えないまま止まる「店舗回答待ち」も毎朝の追いかけの対象にし、店舗の責任者へ知らせる

上の4行が、手配の誤りを防ぎます。 どれも「写真から分からないことを埋める」誤りで、1回の誤った出張は、削減した時間を簡単に打ち消します。

下の3行は、運用に乗ってから出てきます。 最初の月は件数が少なく気づきませんが、季節が変わると規則表の決め方が合わなくなり、店舗の回答待ちのまま止まる依頼票が増えます。 状態の列を毎朝見る仕組みは、最初から入れておいてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 店舗の厨房と設備の写真、機器の型式と設置年、保守の契約先、修理の費用です。

  1. 写真に人や客席が写らないようにする … 撮り方の見本で、機器に寄って撮るよう決めます。従業員や来店客の顔が写った写真は、撮り直してもらいます
  2. 安全の判断をAIに任せない … ガス・電気・火の気に関わる連絡は、AIの文ではなく本部が決めた定型文で返し、担当がすぐ電話します
  3. 業者への依頼を自動で送らない … 契約先の取り違えは費用と時間の両方に響きます。送るのは担当者です
  4. 利用する生成AIのサービスで、入力した写真がどう扱われるかを契約の条件で確かめる … 厨房の写真には、店舗のレイアウトや仕入先の箱が写ることがあります
  5. 修理の費用は社外に出さない情報として扱う … 生成AIに渡すのは写真と文面と機器の一覧だけにし、費用は台帳の側に置きます
  6. 写真を公開の場所に置かない … URLで画像を渡す形は、写真を誰でも見られる場所に置くことになります。ファイルのデータで渡し、写真の保管先は社内の権限で絞ります
  7. 写真の保管の期間を決める … 修理の記録として残す期間を決め、期間を過ぎた写真は消します。 機器の入れ替えの検討に要る期間を目安にします

誤りが起きた場合のリスクは、急ぐべき故障を後回しにすることと、違う業者を呼ぶことの2つです。 前者は緊急度を規則表で決めることで、後者は機器を台帳の一覧から選ばせ、担当者が送る前に確かめることで守ります。

10まず何から始めるか

1週目:設備の台帳に2つの列を足す

設備の台帳に、機器の場所(店舗の人が見て分かる言い方)と保守の契約先の列を足します。60店舗すべてを一度に埋める必要はありません。連絡の多い冷機と空調から埋めます。

2週目:20件で試す

先月の故障の連絡から20件を選び、手元の生成AIに写真と文面と機器の一覧を貼って、機器と症状を出させます。型式を似た文字で補っていないか、原因を書いていないかを最優先で見ます。

3週目:緊急度の規則表を決める

機器の種類×症状ごとの緊急度と、安全に関わる連絡への定型文を、衛生と安全の担当と決めます。 季節で変わる決まりもここで書きます。

4週目:フォームから依頼票までをつなぐ

Make でフォームの送信を受け、読み取りと店舗への質問、依頼票の登録までを作ります。この時点では送り先を引かず、依頼票の一覧だけを見ます。

2か月目: 台帳の契約先と規則表で送り先と緊急度を決め、依頼の文面の下書きを足します。3か月目以降: 毎朝の追いかけを足し、1件15分が何分になったかを実測します。担当者が直した記録から規則表と台帳を毎月直す流れが回り始めた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Custom webhook が任意のデータを送れるURLを作ること。リクエストがWebhookごとのキューに入り、既定で並行して処理されること。10秒あたり300件までで、超えると429が返ること。既定の応答(200、400、429)Make Help Center: Webhooks2026-10-06
OpenAI アプリの「Generate a completion」が一部のモデルで画像の入力を扱え、Response Format で Text/JSON schema/JSON object を選べること。「Analyze images (Vision)」の設定に Response Format が無いことMake Apps Documentation: OpenAI modules2026-10-06
画像の入力の形式(PNG、JPEG、WEBP、アニメーションでない GIF)。detail(low、high、original、auto)。小さな文字、回転した画像、正確な位置関係、数を数えることが苦手とされていることOpenAI API Docs: Images and vision2026-10-06
Structured Outputs が JSON Schema に沿った応答を返すこと。strict の場合はすべての欄を必須にし additionalProperties を false にすること。null を許す型で空を表すこと。断りの応答が refusal で返ることOpenAI API Docs: Structured model outputs2026-10-06

ガス・電気の設備の安全に関わる対応の手順は、ガス会社・電気の保安の委託先・機器のメーカーの案内に従い、本部の衛生と安全の担当で決めてください。 本記事は上記の公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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