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広告媒体の広告ポリシー・入稿規定・計測の仕様の更新をエージェントが毎週見回り、運用中の広告主と商材に影響するものを運用担当へ知らせる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

広告媒体が公表するポリシー・入稿規定・計測の仕様の更新を、エージェントが毎週見回ります。新しい更新ごとに、運用中の広告主の商材・配信地域・広告の種類と照らし、影響しそうな広告主を担当者ごとの一覧にして知らせます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
EC/小売/広告
対象部門
マーケティング
対象業務
内容確認・チェック/情報検索
主な課題
属人化している/情報が見つからない/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
エージェント
主な効果
属人化解消/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
9h/月
想定削減
70%
年間削減
252h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 運用推進チームの3名が、媒体ごとの受け持ちを決め、週に1〜2回ヘルプセンターのお知らせのページを開く
  2. 前回見たときから増えた見出しを、記憶とメモを頼りに探す
  3. 新しいお知らせを開いて読み、対象の商材・国・広告の種類・適用の時期を確かめる
  4. 関係がありそうな広告主を、広告主の一覧のスプレッドシートを検索して探す
  5. 社内チャットに要約と関係しそうな広告主の名前を書き、担当の運用者に知らせる
  6. 運用担当が自分の広告主の広告と設定を確かめ、必要なら広告主に連絡する
導入後(After)
  1. 自動毎週月曜の朝7時にワークフローが動き、媒体の一覧の表を読む
  2. 自動媒体ごとに、お知らせの一覧のページを取り、リンクと見出しを取り出す
  3. 自動前回の一覧と比べ、新しいお知らせと、見出しが変わったお知らせを拾う
  4. 自動見出しの語で絞り、本文を取る。Google 広告のものは日本語版と英語版の両方を取る
  5. 自動エージェントが1件ごとに、種類・対象の商材・国・広告の種類・投稿日・適用の時期を取り出す
  6. 自動エージェントが広告主の一覧を、商材の区分・配信国・媒体と広告の種類で引き、影響の候補を挙げる
  7. 自動適用までの日数と一致のしかたで並べ、運用担当ごとに社内チャットへ知らせる
  8. 人運用推進チームが一覧の上から確かめ、候補の広告主が本当に対象かを判断する
  9. 人対象と判断したものを運用担当に渡し、運用担当が広告と設定を確かめて広告主に連絡する
  10. 人判断の結果と対応を一覧に記録する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 運用推進チームの3名が、媒体ごとの受け持ちを決め、週に1〜2回ヘルプセンターのお知らせのページを開く
  2. 前回見たときから増えた見出しを、記憶とメモを頼りに探す
  3. 新しいお知らせを開いて読み、対象の商材・国・広告の種類・適用の時期を確かめる
  4. 関係がありそうな広告主を、広告主の一覧のスプレッドシートを検索して探す
  5. 社内チャットに要約と関係しそうな広告主の名前を書き、担当の運用者に知らせる
  6. 運用担当が自分の広告主の広告と設定を確かめ、必要なら広告主に連絡する

(a)見落としは「前回どこまで読んだか」から起きる。 お知らせのページは、新しいものが上に足される作りとは限りません。Google 広告の変更ログの2026年の一覧でも、見出しに「2026年10月」とあるお知らせが、9月の見出しのものより下に並んでいる箇所があります。上から読んで、知っている見出しが出たところで止める読み方では、下に差し込まれた新しいお知らせを落とします。

(b)当てはめが人によって違う。 「ギャンブル、ゲームに関するポリシーの更新(対象: ブラジル)」を読んで、ブラジル向けに配信しているゲームの広告主がいるかを思い出せるのは、その広告主を担当したことのある人だけです。

(c)適用日の直前に気づく。 更新のお知らせは、適用の数週間前から数か月前に出ます。その時点では重さが分からず、チャットの流れの中に埋もれ、適用の直前に審査落ちが出てから思い出されます。

(d)日本語版だけを読んでいる。 Google 広告のヘルプセンターの日本語版には、翻訳版の内容によって実際のポリシーが変わることはなく、措置は公式言語である英語版の記述に沿って実施されると書かれています。さらに、ページにはAI技術で翻訳されたコンテンツが含まれている場合があるとされています。

  1. 【自動】 毎週月曜の朝7時にワークフローが動き、媒体の一覧の表を読む
  2. 【自動】 媒体ごとに、お知らせの一覧のページを取り、リンクと見出しを取り出す
  3. 【自動】 前回の一覧と比べ、新しいお知らせと、見出しが変わったお知らせを拾う
  4. 【自動】 見出しの語で絞り、本文を取る。Google 広告のものは日本語版と英語版の両方を取る
  5. 【自動】 エージェントが1件ごとに、種類・対象の商材・国・広告の種類・投稿日・適用の時期を取り出す
  6. 【自動】 エージェントが広告主の一覧を、商材の区分・配信国・媒体と広告の種類で引き、影響の候補を挙げる
  7. 【自動】 適用までの日数と一致のしかたで並べ、運用担当ごとに社内チャットへ知らせる
  8. 【人】 運用推進チームが一覧の上から確かめ、候補の広告主が本当に対象かを判断する
  9. 【人】 対象と判断したものを運用担当に渡し、運用担当が広告と設定を確かめて広告主に連絡する
  10. 【人】 判断の結果と対応を一覧に記録する

8番目が、この設計の分かれ目です。 エージェントが挙げるのは「この広告主は商材の区分が一致した」という候補で、影響があるという結論ではありません。

3番目で「見出しが変わったもの」も拾うのは、お知らせが後から書き換わるからです。 対象の国が増えた、適用の時期がずれた、といった変更は、同じURLのまま見出しや本文だけが変わります。

02今回想定するシステム構成

構成図
媒体のヘルプセンター(ポリシーの変更ログ・お知らせ・仕様の更新のページ)
   │
   ▼【トリガー】Schedule Trigger(毎週月曜 7時、Asia/Tokyo)
n8n のワークフロー
   ├──▶ HTTP Request + HTML(一覧のページからリンクと見出しを取り出す)
   ├──▶ Compare Datasets で前回の一覧と比べ、新しいもの・変わったものを拾う
   ├──▶ 見出しの語で絞り、本文を取る(Google 広告は hl=ja と hl=en)
   ▼
AI Agent ノード(Tools Agent)+ Claude
   │  お知らせ1件ごとに、道具を選んで引く
   │   ・広告主の一覧を商材の区分で引く   ・配信国で引く
   │   ・媒体と広告の種類で引く           ・過去のお知らせの記録を引く
   │  Structured Output Parser で決まった形のJSONを返す
   ▼
影響の候補の一覧(PostgreSQL)→ 運用担当ごとに社内チャットへ
   ▼【人】候補の確認・広告と設定の確認・広告主への連絡
役割想定する製品代替候補
ワークフローn8nMake、Power Automate、Zapier
生成AIClaude API(n8n の Anthropic Chat Model ノード)OpenAI API、Gemini API
連携PostgreSQL(広告主の一覧の写し、影響の候補の一覧)MySQL
通知社内チャットメール

新しく足すのは、n8n のワークフローと、広告主の一覧の写しと、影響の候補の一覧だけです。広告主の一覧のスプレッドシートを毎晩書き出して写しを作り、エージェントはその写しを引きます。

お知らせの取り方は、HTTP Request と HTML ノードの組み合わせです。 HTTP Request でページを取り、HTML ノードの Extract HTML Content で取り出します。取り出す元は JSON の項目か、バイナリの .html ファイルを選べます。媒体の一覧の表に、ページのURLと、お知らせのリンクを指す CSS セレクターを持たせます。

Google 広告は、年ごとのページを見回ります。 変更ログは「今後と最近の変更点」と「過去の変更点」に分かれ、前者の中が2026年・2025年・2024年のページに分かれています。2026年のページの各リンクには answer/ のあとに番号が付いており、これをお知らせの識別子にします。

新しいお知らせは、Compare Datasets で拾います。 2つの入力を比べ、Aにだけあるもの、同じもの、違うもの、Bにだけあるものの4つに分けるノードです。前回の一覧とURLで突き合わせ、今回にだけあるものが新しいお知らせ、見出しが違うものが書き換わったお知らせです。

n8n のエージェントを選ぶ理由は、お知らせ1件ごとに引き方が変わるからです。 国を限った更新は配信国で引き、商材の更新は商材の区分で引き、広告フォーマットの更新は媒体と広告の種類で引きます。Tools Agent は、道具の機能を理解し、タスクに応じてどの道具を使うかを決めるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週月曜の朝7時に、Schedule Trigger で動かします。 週の初めに運用推進チームが一覧を見て、その週のうちに運用担当へ渡せるようにするためです。Schedule Trigger の週単位の設定では、何週ごとか、曜日、時、分を指定できます。

Schedule Trigger は、ワークフローのタイムゾーンが無ければ n8n のインスタンスのタイムゾーンを使い、セルフホストの既定は America/New York とされています。ワークフローの設定でタイムゾーンを Asia/Tokyo にします。Schedule Trigger を使うワークフローは、保存して公開する必要があるとされています。

見回りの対象は、媒体の一覧の表で持ちます。 列は、媒体名、ページの種類(ポリシー/入稿規定/計測)、URL、CSS セレクター、本文の言語、英語版の取り方、受け持ちのメンバーです。ワークフローの中にURLを書き込まないでください。 媒体がページの場所を変えたときや、新しい媒体を扱い始めたとき、表に1行足すだけで見回りの対象になります。

年が変わる月には、年ごとのページの行を足します。 Google 広告の変更ログは年ごとのページに分かれているため、1月の第1週に新しい年のページを表に足し、前の年のページは3か月ほど並べて見回ります。 年をまたいで書き換わるお知らせがあるからです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
媒体の一覧URL、ページの種類、CSS セレクター、受け持ち自社で作る表
前回のお知らせの一覧媒体ごとのURLと見出し、本文のハッシュ前回の実行の記録
お知らせの本文日本語版と英語版の本文、投稿日の行媒体のヘルプセンター
広告主の一覧の写し広告主、商材の区分、配信国、使っている媒体と広告の種類、計測の方式、担当者広告主の一覧から毎晩写す
過去のお知らせの記録同じポリシーについての前回のお知らせと、運用推進チームの判断影響の候補の一覧

質を決めるのは、広告主の一覧の「商材の区分」と「配信国」の列です。 媒体のポリシーは、金融商品、ヘルスケアと医薬品、アルコール、ギャンブルとゲーム、暗号資産のような商材の単位と、国の単位で書かれます。一覧の商材の区分が「EC」「通販」のように粗いと、健康食品の広告主に当たる更新を拾えません。 区分は媒体のポリシーの単位に合わせて付けます。

「使っている媒体と広告の種類」の列も要ります。 住所アセットやマストヘッドの要件のように、広告の種類に当たる更新があるからです。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
一覧のページ媒体の変更ログ・お知らせのページHTTP Request(GET)
リンクと見出し取った HTMLHTML ノードの Extract HTML Content(CSS セレクター、テキストと href 属性)
新しいお知らせ前回と今回の一覧Compare Datasets(今回にだけあるもの、違うもの)
日本語版の本文お知らせのページ(hl=ja)HTTP Request で取り、本文の部分を取り出す
英語版の本文同じ番号のページ(hl=en)同上

Google 広告のお知らせは、日本語版と英語版を両方取ります。 同じ answer/ の番号で hl=ja と hl=en を付け替えると、同じお知らせの日本語版と英語版が返ります。例えば2026年6月のリンク先の要件の更新では、日本語版の「2026 年 7 月上旬に適用されます」と、英語版の「take effect in early July, 2026」が対応します。措置は英語版の記述に沿うとされているので、日付と対象国は英語版を正とします。

ページは間隔を空けて1件ずつ取ります。 HTTP Request には、1回に送る件数(Items per Batch)と、次の送信までの待ち時間(Batch Interval、ミリ秒)を決める Batching の設定があります。1件ずつ、数秒の間隔で取ります。新しいお知らせが週に十数件なら、両方の言語を取っても数十回の取得で済みます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 見出しで絞る … 「ポリシー」「要件」「更新」「Policy」「requirements」などの語を含むものを残し、それ以外は見出しとURLだけを一覧の末尾に残します
  2. 国の語を拾う … 見出しの「(対象: ブラジル)」「France」のような国名を取り出し、自社の広告主の配信国に無い国だけの更新は、エージェントに渡さず件数だけ数えます
  3. 本文の共通部分を外す … メニュー、関連記事の一覧、フィードバックの欄を外し、お知らせの本文だけにします
  4. 投稿日の行を確かめる … 「(投稿: 2026 年 6 月 23 日)」「(Posted on ...)」の行が取れたかを確かめ、取れなければ人に回します
  5. 本文のハッシュを取る … 見出しが同じでも本文が変わったものを、次の回で拾えるようにします
  6. 件数を確かめる … 1つのページで新しいお知らせが20件を超えたら、ページの作りが変わったとみなして比較を止めます

2番目の効き目は大きいです。 Google 広告の2026年の一覧の上の方だけでも、コロンビア、ブラジル、スロベニア、クロアチアを対象にしたギャンブルとゲームの更新が並んでいます。配信国の一覧と突き合わせて先に外すと、エージェントに渡す件数がはっきり減ります。 ただし、外したものも件数と見出しは残し、配信国が増えたときに読み直せるようにします。

Step5

AIに処理させる

させるのは、お知らせ1件ごとに、種類・対象・日付を本文から写し取り、広告主の一覧を引いて影響の候補を挙げることです。

させること使う道具返すもの
種類を見分ける-ポリシー/入稿規定・フォーマット/計測・データ/審査の手続き/その他
対象を取り出す-商材、国・地域、広告の種類、「事前の承認を得た場合」などの条件の文言
日付を取り出す-投稿日、適用の時期(本文の書き方のまま)
広告主を商材で引く商材の区分で引く該当する広告主と担当者
広告主を国で引く配信国で引く該当する広告主
広告主を広告の種類で引く媒体と広告の種類で引く該当する広告主
前回のお知らせを添える過去のお知らせの記録を引く同じポリシーの前回のお知らせと判断

取り出しは、本文の文言をそのまま写させます。 「2026 年 7 月上旬」と書かれていれば「2026 年 7 月上旬」のまま写し、7月1日のような日付に置き換えさせません。 適用の時期の並べ替えは、ワークフローの側で月の初め・中旬・下旬を決まった日に読み替えて行います。

させないこと理由
広告主の広告が違反するかの結論広告の中身と設定を見るのは運用担当
適用日の推測書かれていなければ「記載なし」。媒体の担当者に確かめる
日本語版と英語版の食い違いの解消食い違いは指摘だけさせ、英語版を正とする規則で扱う
広告主への連絡文の作成広告主ごとに事情が違い、まず社内で判断する
広告主の一覧の書き換え道具は読み取りだけ

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「金融サービスの広告主を対象とする適格性確認の要件の導入」のようなお知らせを渡すと、生成AIは金融の区分の広告主すべてに「対応が必要」と書きがちです。実際には、対象の国やサービスの種類が限られていることが多く、結論を書かせると関係のない広告主の担当まで動かします。

Step6

指示内容を固定する

AI Agent ノードの System Message に、次のように書きます。

あなたは広告会社の運用推進チームで、広告媒体が公表したポリシー・
入稿規定・計測の仕様の更新を、自社が運用する広告主に照らす担当です。
入力は、新しく見つかったお知らせ1件の日本語版と英語版の本文、
媒体の名前、お知らせのURLです。

【やること】
1. 種類を policy / format / measurement / review_process / other から選ぶ。
2. 対象の商材、国・地域、広告の種類、条件の文言を取り出す。
3. 投稿日と、適用の時期を取り出す。
4. 商材が書かれていれば、商材の区分で広告主の一覧を引く。
5. 国・地域が書かれていれば、配信国で広告主の一覧を引く。
6. 広告の種類が書かれていれば、媒体と広告の種類で広告主の一覧を引く。
7. 同じポリシーについての過去のお知らせの記録を引く。

【厳守事項】
- 商材、国、条件、日付は、本文に書かれた文言をそのまま写してください。
- 適用の時期が「上旬」「早期」のように書かれていても、日付に直さないでください。
  書かれていなければ「記載なし」とし、check_points に書いてください。
- 日付と対象国は英語版の記述から写し、日本語版と食い違うときは
  translation_gap にその箇所を両方とも写してください。
- 広告主の広告が違反する・しないの結論を書かないでください。
  match_basis に、どの道具で何が一致したか(category / country / ad_type)だけを書いてください。
- 「事前の承認を得た場合」「一部の国で」などの条件があるときは、
  condition_text に写し、check_points に条件の確認を書いてください。
- 一致した広告主がいないときも、no_match_reason に理由を書いてください。
- 本文に無いポリシーの内容を、一般的な知識で補わないでください。

【出力】指定のJSONの形で返してください。

「日付に直さない」を書くのは、「上旬」を1日に置くと、並べ替えで実際より早く見えるからです。 逆に「下旬」を末日に置くと遅く見えます。読み替えの規則はワークフローの側に1つだけ置き、エージェントには触らせません。

「一般的な知識で補わない」も明記します。 媒体のポリシーは改定をくり返しており、生成AIが知っている内容は古いことがあります。根拠はその週に取った本文だけにします。

Step7

出力形式を固定する

Structured Output Parser で、次の形のJSONを返させます。

{
  "platform": "", "source_url": "", "title_ja": "", "title_en": "",
  "notice_type": "policy | format | measurement | review_process | other",
  "posted_text": "", "effective_text": "",
  "categories": [""], "countries": [""], "ad_types": [""],
  "condition_text": "", "translation_gap": "",
  "matches": [
    { "advertiser": "", "owner": "", "match_basis": "category | country | ad_type",
      "matched_value": "", "previous_notice": "" }
  ],
  "no_match_reason": "",
  "check_points": [""]
}

Structured Output Parser は、JSON スキーマに沿った項目を返させる部品で、JSON の例からスキーマを作る方法と、JSON スキーマを直接書く方法があります。例から作るとすべての項目が必須として扱われ、直接書く場合は$ref による参照に対応していないとされています。スキーマは入れ子のまま書きます。

1つ目の理由は、match_basis で確からしさを分けられることです。 商材の区分と配信国の両方で一致した広告主は確度が高く、片方だけのものは人が確かめる前提です。同じ広告主が複数の道具で当たったら、ワークフローの側で1行にまとめ、一致した根拠を並べます。

2つ目は、effective_text で並べられることです。

並べ順中身
1適用まで30日以内で、商材と国の両方で一致した広告主がいるもの
2適用まで30日以内で、どれか1つで一致した広告主がいるもの
3計測・データの更新で、一致した広告主がいるもの
4適用まで31日以上で、一致した広告主がいるもの
5一致した広告主がいないもの(件数と見出しだけ)

3行目を別に立てるのは、計測の仕様の変更は審査落ちに表れず、成果の数字が静かにずれるだけだからです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
媒体のヘルプセンターHTTP Request(GET)一覧と本文を取る
広告主の一覧の写しPostgres ノード(Select、パラメーター付きの Execute Query)商材・国・広告の種類で引く
Claude APIAnthropic Chat Model ノード取り出しと照合の整理
影響の候補の一覧Postgres ノード(Insert)エージェントの出力と、人の判断
社内チャット通知並べ順のとおりに、運用担当ごとに出す

影響の候補の一覧への書き込みは、ワークフローの側で行います。 Postgres ノードはAIエージェントの道具として使え、多くのパラメーターをAIの指示で設定できるとされていますが、エージェントに渡す道具は Select と Execute Query だけにします。 Execute Query では、Options の Query Parameters に値を渡す形を使います。公式の説明では、クエリパラメーターのデータは n8n が無害化し、SQL インジェクションを防ぐとされています。媒体のページから取った文字を、問い合わせの文にそのまま埋め込まないでください。

通知は運用担当ごとに分けます。 全体の一覧を30名に流すと、第3章の状態に戻ります。運用推進チームには全体の一覧を、運用担当には確認を済ませた自分の広告主の分だけを出します。

Step9

人が確認する

  1. 並べ順の1と2を、その週のうちに見る … 本文と条件の文言を読み、候補の広告主が本当に対象かを決めます
  2. translation_gap を確かめる … 日本語版と英語版の食い違いを、英語版で読み直します
  3. 条件付きの更新を判断する … 「事前の承認を得た場合」のような条件が、広告主の配信に当てはまるかを見ます。ここが運用推進チームの仕事の中心です
  4. 運用担当に渡す … 対象と判断した広告主の担当に、お知らせのURLと確かめる点を渡します
  5. 判断を記録する … 対象かどうか、渡した相手、運用担当の対応を一覧に残します

3番目を省かないでください。 エージェントの候補は、商材の区分や国が一致したということしか意味しません。候補に挙がったことは、影響があることを意味しません。

目標は、1件をならして9分です。 取り出しの結果と本文の確認に4分、候補の広告主の判断に3分、運用担当への受け渡しと記録に2分という見込みです。

Step10

例外に対処する

起きること対応
ページが取れない・応答が遅いその媒体を「今週取得なし」として通知。前回の一覧を今回とみなさない
ページの作りが変わり、全部が新しく見える1ページで20件を超えたら比較を止め、CSS セレクターの見直しを人に回す
英語版が取れない日本語版だけで取り出し、check_points に「英語版未確認」と書く
投稿日の行が取れない見出しとURLだけを一覧に載せ、人に回す
同じお知らせが後から書き換わる前回の出力を添え、変わった箇所を check_points に書く
お知らせがログインの先にある見回りの対象から外し、媒体の担当者からのメールで受ける
エージェントの出力がスキーマに合わない見出しとURLだけを一覧に載せ、人に回す
道具の呼び出しがくり返し止まらないMax Iterations で上限を決め、超えたら人へ

上から2行目は、媒体のヘルプセンターの模様替えのときに起きます。 Tools Agent の Max Iterations は、答えを出すまでにモデルを何回動かすかの上限で、既定は10です。件数の上限と回数の上限の2つで、暴走を止めます。

Step11

記録を残す

  • 実行ごとの、媒体ごとの取得の成否と、新しく拾ったお知らせの一覧
  • 取った本文(日本語版と英語版)と、本文のハッシュ
  • エージェントのJSON出力と、呼んだ道具の順番
  • 運用推進チームの判断 … 対象かどうか、渡した運用担当、判断した日
  • お知らせの投稿日、見回りで拾った日、適用の時期、運用担当が対応を終えた日

最後の行が、この構成の物差しです。 適用の何日前に拾い、何日前に対応を終えたかを並べると、見回りが遅れているのか、社内の受け渡しが遅れているのかが分かれて見えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:お知らせを手でAIの画面に貼り、対象と日付を書き出させる / 1件ごとの読み取りと整理
半自動化:上記+一覧のページを定期的に取り、新しいお知らせを拾い、取り出した結果を表に書き出す / 新しいお知らせの発見と整理
本格構成:上記+エージェントが広告主の一覧を引き、影響の候補を並べて運用担当ごとに知らせる / 見回りの全体と、影響の候補の洗い出し

最小構成では、新しいお知らせを探す手間が残ります。 第4章の①はそのままです。確かめるための段階です。 半自動化で、1件30分が18分程度になります。 広告主を探す作業と、運用担当への連絡が残ります。本格構成で9分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、広告主の一覧との当てはめが、お知らせ1件ごとに引き方の変わる作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の表を1か月見ると、どの商材の区分に更新が集まるかが分かります。区分を直してから本格構成に進むほうが、候補の空振りが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
30 分
1件あたり導入後時間
9 分
現在  60件 × 30分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 60件 × 9分 ÷ 60 = 9 時間/月
月間削減時間
21h
削減率
70%
年間削減時間
252h
年間金額換算(時間単価4,000円)
101万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 運用型広告を数十社以上の広告主から預かり、検索・ディスプレイ・動画・SNSの複数の媒体で配信している広告会社。金融・健康食品・化粧品・アルコール・不動産など、媒体の広告ポリシーで制限や適格性確認の対象になりやすい商材の広告主を抱えている場合。媒体のポリシー更新を、詳しい担当者が気づいたときに社内チャットで共有しているだけで、どの広告主に関係するかの当てはめが担当者まかせになっている場合。広告主ごとに商材の区分・配信地域・使っている広告の種類を一覧で持てる場合。広告を自社で運用するEC・小売の事業者にも当てはまります。
向いていない
  1. 運用している媒体が1つで、広告主も数社に限られ、担当者が媒体のお知らせを毎週読めている場合。広告主ごとの商材の区分や配信地域が一覧になっておらず、担当者の頭の中にしかない場合(一覧を作るのが先です)。媒体のWebサイトの利用規約が機械による取得を禁じている場合は、その媒体を見回りの対象から外してください。なお、個々の広告がポリシーに違反するかどうか、配信を止めるか、広告主にどう説明するかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. Google 広告の変更ログの2026年のページを開き、直近の3か月分の見出しを書き写す
  2. そのうち、見出しで明らかに関係のないものを外し、10件を選ぶ
  3. 10件の本文を日本語版と英語版の両方で、手元のAIサービスの画面に1件ずつ貼り付ける
  4. 「このお知らせの対象の商材・国・広告の種類・投稿日・適用の時期を、本文の文言のまま書き出してください。日付は日付に直さないでください。日本語版と英語版で食い違う箇所があれば両方を写してください」と指示する
  5. 書き出された対象を、広告主の一覧と手で突き合わせ、当時チャットに流した広告主と比べる

10件は必ず両方の言語でやってください。 組む前に、本文から対象を写し取れるかと、一覧の区分で当てはめられるかを確かめます。

出てきた内容判断
当時流した広告主と同じか、それ以上が当たったワークフローとの連携に進む
適用の時期を日付に直した指示の書き方で直る。構成は有効
対象は取れたが、一覧の区分が粗くて当てはめられない広告主の一覧の整備が先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 その場合は、媒体のポリシーの単位に合わせて商材の区分を付け直し、同じ10件で当てはめ直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
上から読んで知っている見出しで止めるURLで前回の一覧と比べる。 並び順に頼らない
書き換わったお知らせを拾えない見出しと本文のハッシュも比べ、「違うもの」を拾う
日本語版だけで判断する英語版も取り、日付と対象国は英語版を正とする
「上旬」を日付に直して並べる写し取りはそのまま。読み替えはワークフローの規則1つで行う
関係のない国の更新で一覧が埋まる見出しの国名を配信国と突き合わせ、先に外す
商材の区分が粗くて当たらない媒体のポリシーの単位に合わせて区分を付け直す
エージェントが「対応が必要」と結論を書く結論を禁じ、match_basis だけを書かせる
取れなかった週が「更新なし」に見える取得の成否を通知に必ず載せる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 拾えなかった更新は、どれだけ照合を工夫しても一覧に出てきません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 媒体の公開ページの本文と、自社が預かっている広告主の名前・商材・配信国・使っている広告の種類です。広告主の一覧は、取引先の事業の一部が分かる情報です。

  1. 生成AIに渡す広告主の情報を絞る … 道具が返すのは広告主名、担当者、一致した値までにします。予算や成果の数値は要りません
  2. 見回る先の利用規約を確かめる … 機械による取得を禁じているページは対象から外します。 取得の間隔も空けます
  3. 広告主への連絡を自動で送らない … この構成が出すのは社内向けの候補までです。広告主に伝えるかどうか、どう伝えるかは運用担当が決めます
  4. ポリシーの解釈を代替しない … どの広告が違反に当たるかは、媒体の審査と、自社の運用担当の判断です。エージェントの候補を根拠に配信を止めないでください

誤りが起きた場合のリスクは、影響する更新を見落とすことと、関係のない広告主を騒がせることの2つです。 前者は新しいお知らせを拾えなかったときに起き、後者は条件の当てはめを機械に任せたときに起きます。拾う段は機械で漏れなく、当てはめの結論は人で、という分け方を守ります。

10まず何から始めるか

1週目:広告主の一覧に3つの列を足す

広告主の一覧に、商材の区分(媒体のポリシーの単位に合わせる)、配信国、使っている媒体と広告の種類の列を足します。120社を一度に埋める必要はありません。金融・ヘルスケア・酒類・ゲームなど、ポリシーの更新が多い商材の広告主から埋めます。

2週目:10件で試す

Google 広告の変更ログの直近3か月から10件を選び、日本語版と英語版を手元のAIサービスに貼り付けて、対象と日付を書き出させます。適用の時期を日付に直していないか、日本語版と英語版の食い違いを拾えているかを最優先で見ます。

3週目:媒体の一覧の表を作る

見回るページのURLと CSS セレクターを表にし、各媒体のWebサイトの利用規約を確かめます。

4週目:一覧の取得と比較までをつなぐ

n8n で一覧のページを取り、Compare Datasets で新しいお知らせを拾って、見出しとURLを表に書き出すところまで作ります。この時点ではエージェントを動かさず、拾えた件数を手で読んだ件数と比べます。

2か月目: エージェントと広告主の一覧の写しをつなぎ、影響の候補を出します。運用推進チームの判断と候補の食い違いを毎週数えます。3か月目以降: 運用担当ごとの通知を足し、1件30分が何分になったかを実測します。適用の何日前に対応を終えられたかが安定した時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
Google 広告ポリシー ヘルプの変更ログが「今後と最近の変更点」と「過去の変更点」に分かれ、前者が2026年・2025年・2024年のページに分かれていることGoogle 広告ポリシー ヘルプ: 今後と最近の変更点2026-10-08
2026年のページに68件のお知らせが並び、国を対象にしたギャンブル・ゲームの更新、金融サービスの適格性確認、住所アセット、マストヘッド、YouTube と Discover の広告要件などの見出しがあること。見出しの月と並び順が一致しない箇所があることGoogle 広告ポリシー ヘルプ: 20262026-10-08
翻訳版によってポリシーは変わらず、措置は英語版の記述に沿うこと。AI技術で翻訳された内容が含まれる場合があること。2026年6月のリンク先の要件の更新が2026年7月上旬に適用され、投稿日が2026年6月23日であること(英語版も同じ番号の hl=en で確認)Google 広告ポリシー ヘルプ: リンク先の要件に関するポリシーの更新(2026 年 6 月)2026-10-08
Schedule Trigger の週単位の設定とタイムゾーン(セルフホストの既定は America/New York)、保存して公開する必要n8n: Schedule Trigger2026-10-08
HTTP Request の Batching。HTML ノードの Extract HTML Contentn8n: HTTP Request、n8n: HTML2026-10-08
Compare Datasets の4つの出力と、複数の項目での比較n8n: Compare Datasets2026-10-08
Tools Agent の道具の選び方、Max Iterations の既定が10。Anthropic Chat Model で Claude を使えることn8n: Tools AI Agent、n8n: Anthropic Chat Model2026-10-08
Structured Output Parser の例から作ると全項目が必須、$ref 非対応。Postgres ノードが道具として使え、Query Parameters を無害化することn8n: Structured Output Parser、n8n: Postgres2026-10-08

個々の広告がポリシーに当たるかは、媒体の審査と各媒体の最新のポリシーの本文で確かめてください。 本記事は2026年10月8日に公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。ほかの媒体のお知らせのページの作りは、媒体ごとに確かめてください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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