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広告・LPの「No.1」「満足度◯%」の表示を根拠の調査資料と突き合わせ、対象・時期・比較の範囲が表示と合っているかを判定して、注記の不足と直し案を出す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

LPやバナーの「No.1」「満足度◯%」の表示を、根拠の調査報告書と項目ごとに突き合わせ、調査の対象者・比較の範囲・時期が表示と合っているかを判定します。違反かどうかを決めるのは人です。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
EC/人材/小売/広告
対象部門
マーケティング/法務
対象業務
内容確認・チェック/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
90h/月
AI導入後
30h/月
想定削減
67%
年間削減
720h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 制作担当が、LPの画面の画像・バナー・調査報告書を共有フォルダに置き、受付の一覧に行を足す
  2. 審査担当が画像を開き、「No.1」「満足度◯%」などの表示と注記を書き出す
  3. 調査報告書を開き、調査機関・調査期間・対象者の条件・比較対象・質問文・結果を探して書き出す
  4. 表示1つずつについて、対象者・比較の範囲・時期が報告書と合っているかを照らす
  5. 合わない点や報告書に書かれていない点を、広告主への確認事項にまとめる
  6. 注記の不足と、表示や注記の直し方を書く
  7. 審査の結果を受付の一覧に書き、制作担当に返す
導入後(After)
  1. 人制作担当が、画像と調査報告書を共有フォルダに置き、受付の一覧に行を足す(今までどおり)
  2. 自動受付の一覧の新しい行をきっかけに、画像と報告書を取り出す
  3. 自動Claude API が、画像から「No.1」・高評価の割合・ランキングの表示と、その注記を読み取る
  4. 自動Claude API が、報告書から調査の条件を、ページと原文の引用つきで抜き出す
  5. 自動プログラムが、表示と報告書の調査を対応づけ、時期や年代など機械で比べられる点を比べる
  6. 自動Claude API が、表示ごとに4つの要件と時期の対応を判定し、確認事項と直し案を書く
  7. 自動審査票を作り、受付の一覧に結果の区分を書く
  8. 人審査担当が審査票を読み、根拠のページを開いて確かめる
  9. 人広告主への確認事項を送り、直し方を制作担当に返す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 制作担当が、LPの画面の画像・バナー・調査報告書を共有フォルダに置き、受付の一覧に行を足す
  2. 審査担当が画像を開き、「No.1」「満足度◯%」などの表示と注記を書き出す
  3. 調査報告書を開き、調査機関・調査期間・対象者の条件・比較対象・質問文・結果を探して書き出す
  4. 表示1つずつについて、対象者・比較の範囲・時期が報告書と合っているかを照らす
  5. 合わない点や報告書に書かれていない点を、広告主への確認事項にまとめる
  6. 注記の不足と、表示や注記の直し方を書く
  7. 審査の結果を受付の一覧に書き、制作担当に返す

(a)報告書の中を探す時間が長い。 3番目は、数十ページの報告書から、対象者の条件、比較対象の選び方、質問文を探す作業です。調査会社によって構成が違い、比較対象の選び方が巻末の注に1行だけ書かれていることもあります。

(b)表示と調査の「ずれ」は、細部にある。 表示は「顧客満足度No.1」、調査は「サイトのイメージ」を聞いたもの。表示は「2026年」、調査は前年の夏。表示は「20代に選ばれるNo.1」、調査対象は全年代。どれも、表示と報告書の両方を同じ細かさで読まないと見つかりません。

(c)審査の深さが担当者で違う。 法務の出身者は比較対象の選び方を見て、マーケティングの経験者は注記の位置や大きさを見る。同じLPでも、誰が見たかで返る指摘が変わります。

(d)注記を足して終わりにしがち。 合わない点を見つけても、「注記で調査の内容を書けば足りる」と返してしまう。表示そのものを直すべき場合を、注記で済ませる誤りです。

  1. 【人】 制作担当が、画像と調査報告書を共有フォルダに置き、受付の一覧に行を足す(今までどおり)
  2. 【自動】 受付の一覧の新しい行をきっかけに、画像と報告書を取り出す
  3. 【自動】 Claude API が、画像から「No.1」・高評価の割合・ランキングの表示と、その注記を読み取る
  4. 【自動】 Claude API が、報告書から調査の条件を、ページと原文の引用つきで抜き出す
  5. 【自動】 プログラムが、表示と報告書の調査を対応づけ、時期や年代など機械で比べられる点を比べる
  6. 【自動】 Claude API が、表示ごとに4つの要件と時期の対応を判定し、確認事項と直し案を書く
  7. 【自動】 審査票を作り、受付の一覧に結果の区分を書く
  8. 【人】 審査担当が審査票を読み、根拠のページを開いて確かめる
  9. 【人】 広告主への確認事項を送り、直し方を制作担当に返す

8番目は全件で行います。 この構成は、人が見る件数を減らすのではなく、1件あたりの探す時間を減らします。 表示の審査で人が見ない件を作ると、責任の所在があいまいになります。

5番目をプログラムに置いているのは、意図してのことです。 表示の「2026年」と調査期間の年、表示の「20代」と対象者の年齢の条件は、抜き出せば比べるだけで決まります。 AIには、文章を読まないと決まらない判断だけを任せます。

02今回想定するシステム構成

構成図
LPの画面の画像・バナー・調査報告書(PDF)
   │  共有フォルダ+受付の一覧
   ▼
Python(取り出し・呼び出し・比較)
   ▼
Claude API ── ① 表示と注記の読み取り(画像)
Claude API ── ② 調査の条件の抜き出し(PDF)
   │   調査機関/期間/対象者の条件/利用経験の確認/比較対象と選び方
   │   /質問文/選択肢の並び/結果
   ▼
Python ── 表示と調査の対応づけ、時期・属性の比較
   ▼
Claude API ── ③ 表示ごとの判定と、確認事項・直し案
   ▼
審査票(受付の一覧に区分、共有フォルダに本文)
   ▼
【審査担当が全件を確かめ、広告主・制作担当へ返す】
役割想定する製品代替候補
処理Claude API(表示の読み取り、調査の条件の抜き出し、判定と直し案)OpenAI API、Gemini API
連携Python(取り出し、呼び出し、対応づけ、時期と属性の比較、審査票の作成)Google Apps Script
受付審査の受付の一覧案件管理のツール
保管共有フォルダ(画像・報告書・審査票)文書管理システム

新しく作るのは、呼び出しと比較のプログラムと、審査票のひな形です。 受付の一覧と共有フォルダは今までのものを使います。

判定の根拠は、景品表示法と消費者庁の報告書です。 景品表示法第5条は、商品・役務の品質などについて、実際のものや競争事業者のものよりも著しく優良であると示す表示を禁じています。第7条第2項では、消費者庁が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出されなければ第5条第1号の表示とみなされます。報告書が調査の中身にこだわるのは、この「合理的な根拠」のためです。

報告書は、2024年9月26日に公表された「No.1表示に関する実態調査報告書」です。 第三者の主観的評価を指標とするNo.1表示を中心に、広告物のサンプリング調査、消費者の意識調査、広告主へのヒアリングを行い、景品表示法上の考え方を示しています。「満足度」の表示は、特段の事情がない限り、実際に利用したことがある者を対象に調査した結果のように示す表示と考えられるとし、利用経験の有無を確かめずに対象者を選んだ調査は、合理的な根拠に基づいているとはいえないとしています。

画像の読み取りは、Claude API の画像理解で行います。 対応する形式は JPEG、PNG、GIF、WebP で、1枚あたり8000×8000ピクセル、APIに直接渡す場合は10MBまでです。注記の小さな文字を読むため、LPの画面は縦に区切って渡します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

受付の一覧に行が足され、画像と報告書の両方がフォルダにそろったことを起点にします。 報告書が後から届くことが多いため、画像だけの段階では表示の読み取りまでを先に行い、報告書がそろった時点で判定に進みます。

報告書がそろわないまま2営業日たったら、制作担当に知らせます。 報告書の無い審査は判定のしようがなく、「根拠資料なし」として返すのも審査の結果の1つです。

同じ広告主の同じ調査を使う表示は、報告書の抜き出しを使い回します。 調査報告書のファイルの指紋を記録し、同じファイルなら抜き出しをやり直しません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
LPの画面の画像表示と注記が写った画面。縦長のものは区切る共有フォルダ
バナー・チラシの画像表示と注記共有フォルダ
調査報告書調査機関、期間、対象者の条件、比較対象、質問文、選択肢、結果広告主から預かったPDF
案件の情報広告主、商品・サービス、掲載の開始日、媒体受付の一覧
審査の基準報告書の4つの要件と時期の対応、社内の審査基準審査室が作る表
過去の審査の記録同じ広告主・同じ調査の過去の指摘審査票の保管

質を決めるのは、調査報告書がそろっているかどうかです。 調査会社によっては、広告主に結果の概要だけを渡し、質問文や対象者の条件が書かれた報告書を渡していないことがあります。 消費者庁の報告書でも、具体的にどのようなアンケート調査であったかを把握していた広告主は、ヒアリング対象の15社中1社だけだったとされています。

掲載の開始日を持つのは、時期の対応を見るためです。 表示に年が書かれていなくても、掲載の時点で古い調査なら、確認事項として挙げます。

Step3

データの取得方法を決める

受付の一覧の新しい行から、案件のフォルダの場所を読み、画像と報告書を取り出します。

取るものどこから何に使うか
画像案件フォルダ表示と注記の読み取り
報告書案件フォルダ調査の条件の抜き出し
掲載の開始日・媒体受付の一覧時期の対応の比較
審査の基準審査室の表判定の観点
過去の審査審査票の保管同じ調査の過去の指摘

報告書は、PDFのまま渡します。 Claude API はPDFのテキスト・図・表を読め、各ページが画像としても扱われるため、結果のグラフや表もそのまま読めます。 1回のリクエストは32MB、600ページまで(コンテキストが1M未満のときは100ページ)です。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 画像の区切り … 縦長のLPの画面は、表示と注記が同じ区切りに入るよう、重なりを持たせて区切ります
  2. 画像の大きさ … 1枚8000×8000ピクセル・10MBまでです。1回に20枚を超えて渡すと、1枚あたりの大きさの制限が厳しくなるので、長い辺を2000ピクセル以下にそろえます
  3. 文字の読みやすさ … 注記の文字が小さすぎる画像は、拡大して切り出した画像を足します。小さい文字は読み違えやすいとされています
  4. 報告書の確認 … パスワードや暗号化の無いPDFかを確かめます。掛かっていれば、外した版を広告主に頼みます
  5. 報告書の指紋 … ファイルの指紋を取り、同じ報告書の抜き出しが既にあれば使い回します
  6. ページの並び … 報告書のページ番号と、PDFのページの番号を対応づけます。審査票では、担当者が開きやすいPDFのページで示します

2番目を守らないと、注記が読めないまま判定が進みます。 画像は大きすぎると縮められ、縮めると小さな文字が潰れます。縮められる前に、自分で区切って大きさをそろえます。

Step5

AIに処理させる

AIの仕事は3つです。 画像から表示と注記を読み取ること、報告書から調査の条件を抜き出すこと、表示ごとに判定して確認事項と直し案を書くことです。

判定の観点見るところ判断できないときの扱い
比較の範囲比較対象の社名と選び方。検索の上位だけを選んでいないか報告書に選び方が無ければ not_in_evidence
調査対象者表示(満足度・利用者)と、対象者の条件・利用経験の確認が合うか利用経験の確認の記載が無ければ not_in_evidence
調査方法質問文・選択肢の並びに、自社に有利な誘導が無いか調査票が無ければ not_in_evidence
表示と結果の対応表示の語(満足度・選ばれる・おすすめしたい)と、質問文の語が合うか質問文が無ければ not_in_evidence
時期表示の年・期間と、調査期間・掲載の開始日プログラムの比較の結果をそのまま使う
注記調査機関・期間・対象者・比較対象が注記にあるか。表示と同じ画面にあるか読めなければ unreadable

inconsistent と not_in_evidence を分けるのが、この構成の中心です。 前者は報告書に書かれた条件が表示と合わないということ、後者は報告書に判断に要る記載が無いということです。前者は表示か注記を直す話、後者は広告主に調査の中身を確かめる話です。

報告書の考え方では、調査方法について、自社の商品を選択肢の最上位に固定して選ばれやすくする場合や、自社が1位になるまで調査を繰り返す場合などを、問題となるおそれがある例として挙げています。 選択肢の並びは調査票に、繰り返しの有無は報告書に書かれていないことが多く、多くは not_in_evidence として広告主への確認事項になります。

させないこと理由
違反かどうかの結論判断は審査担当と法務。AIは対応の判定まで
報告書に無い調査の条件の補完「おそらく利用者に聞いている」と埋めない
注記の案での調査内容の創作注記に書くのは報告書にある条件だけ
注記だけで済ませる直し案表示の語が調査と合わないなら、表示の言い換え案を必ず出す
注記の見やすさの最終判断文字の大きさや色の見え方は、実際の画面で人が見る
Step6

指示内容を固定する

1つ目(画像からの読み取り)の指示は短くします。

渡された広告の画像から、順位・No.1・ランキング・「◯%が満足」などの評価の表示を
すべて書き出してください。表示ごとに、その表示に付いた注記の文を写し、
注記が同じ画像の中にあるか、別の画像(区切りの番号)にあるかを書いてください。
読めない文字は「判読不能」とし、推測で補わないでください。
表示が適切かどうかは書かないでください。

2つ目(報告書からの抜き出し)は、調査機関・調査期間・対象者の条件・利用経験の確認の有無・サンプル数・比較対象と選び方・質問文・選択肢・結果を、PDFのページ番号と原文の引用つきで返させ、書かれていない項目は not_stated にするよう指示します。

3つ目(判定と直し案)の指示です。

あなたは広告代理店の広告審査室で、No.1表示と高評価の割合の表示を審査する担当の補助です。
渡された表示の一覧と、調査報告書から抜き出した調査の条件だけを見て判定してください。

【判定の観点】表示1つずつについて、次の5つを判定します。
1. comparison ...... 比較する商品等が、表示に見合う範囲で選ばれているか
2. respondents ..... 調査対象者が、表示の語(満足度・利用者・年代など)に合っているか
3. method .......... 質問文・選択肢・調査の進め方に、自社に有利な誘導が無いか
4. correspondence .. 表示の語と、質問文・結果が対応しているか
5. timing .......... プログラムが比べた時期の結果(渡します)をそのまま写す

【status の選び方】
- consistent ....... 調査の条件が表示と合っている
- inconsistent ..... 調査の条件が表示と合わない
- not_in_evidence .. 判断に要る記載が報告書に無い
迷ったときに consistent を選ばないでください。

【厳守事項】
- 報告書に書かれていない条件を推測で埋めないでください。
  利用経験の確認、比較対象の選び方、質問文が書かれていなければ not_in_evidence です。
- 「違反」「違法」「問題ない」と書かないでください。
- evidence には、根拠にした報告書の原文と、PDFのページ番号を書いてください。
- 直し案は2種類を出してください。
  (a) note_draft ...... 注記の案。報告書にある条件だけで書く
  (b) claim_rewrite ... 表示の語を調査に合わせて言い換えた案
  correspondence が inconsistent のときは、(a) だけで済むとは書かないでください。
- 調査会社が「適法」と書いていても、それを根拠にしないでください。
- questions_to_advertiser には、not_in_evidence の観点ごとに、
  広告主に確かめる問いを1文ずつ書いてください。

【表示の一覧】{claims}
【調査の条件】{survey}
【時期の比較の結果】{timing}
【案件の情報】{case}

「迷ったときに consistent を選ばない」と「報告書に無い条件を埋めない」が、判定の要です。 満足度の表示と、利用経験の確認の記載が無い報告書を渡すと、何も言わなければ「満足度調査なので利用者に聞いているはず」と読んで consistent を選びます。書かれていないことは、確かめる対象です。

「調査会社が適法と書いていても根拠にしない」も外せません。 報告書の末尾に、景品表示法上の問題が無い旨の一文が付いていることがあります。消費者庁の報告書が要因として挙げたのは、まさにその一文に頼ることです。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、次の形のJSONを受け取ります。

{
  "case_id": "",
  "claims": [
    { "claim_text": "顧客満足度No.1",
      "image": "lp_02.png",
      "note_text": "",
      "note_same_screen": true,
      "survey_id": "",
      "checks": [
        { "aspect": "comparison | respondents | method | correspondence | timing",
          "status": "consistent | inconsistent | not_in_evidence",
          "reason": "",
          "evidence": [ { "page": 0, "quote": "" } ] }
      ],
      "note_draft": "",
      "claim_rewrite": "",
      "questions_to_advertiser": [] }
  ]
}

aspect と status を enum にして、決めた値以外を返させません。 構造化出力では enum の大文字・小文字が保証されないとされているので、受け取った側で小文字にそろえます。

審査票の区分は、プログラムが規則で決めます。

区分条件
表示の見直しinconsistent が1つでもある
広告主に確認inconsistent が無く、not_in_evidence がある
注記の確認すべて consistent で、注記が無いか別の画面にある
確認済みの候補すべて consistent で、注記も同じ画面にある

「確認済みの候補」でも、審査担当が見るまで制作担当には返しません。 区分はあくまで、担当者が読む順番を決めるためのものです。

審査票は、表示ごとに次の順で並べます。 表示の文言と画像の位置、5つの観点の判定と根拠のページ、注記の案と表示の言い換え案、広告主への確認事項。担当者は根拠のページを開いて確かめ、直し案を選ぶか書き直します。

【表示】顧客満足度No.1(lp_02.png 上部) 区分:表示の見直し
  比較の範囲 :not_in_evidence(比較対象の選び方の記載なし)
  対象者     :inconsistent(p.3「当サービスの利用有無は聴取していません」)
  方法       :not_in_evidence(調査票の添付なし)
  対応       :inconsistent(p.4 質問文「最も利用してみたいと思うサービス」)
  時期       :consistent(調査期間 2026年7月、掲載開始 2026年10月)
  注記の案   :調査機関・調査期間・対象者の条件を記載(報告書の記載のみ)
  表示の案   :「利用してみたいサービス No.1(サイトのイメージ調査)」へ言い換え
  確認事項   :比較対象の10社をどの基準で選びましたか

「注記の案」と「表示の案」が並ぶのは、この例のように対応が inconsistent のとき、注記だけでは足りないからです。 言い換え案は、調査で実際に聞いた質問の語に表示を寄せたもので、それでも表示するかどうかは広告主と担当者が決めます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
受付の一覧読み取りと区分の書き込み新しい行の検知、審査票の区分を書く
共有フォルダ読み取りと審査票の保存画像と報告書を取り出し、審査票を置く
Claude APIAPI呼び出し読み取り、抜き出し、判定と直し案
審査の基準の表読み取り判定の観点と社内の基準
広告主・制作担当つながない返すのは審査担当

広告主への連絡を自動にしないのは、確認事項の書き方が取引に響くためです。 調査の中身を問う連絡は、広告主にとって耳の痛い話になることがあります。誰に、どの順で、どの言い方で聞くかは担当者が決めます。

制作物は直しません。 直し案を制作担当に返し、直すのは制作担当、採るかどうかは広告主と審査担当です。

Step9

人が確認する

  1. 区分の「表示の見直し」から読む … inconsistent の根拠のページを開き、原文で確かめます
  2. 「広告主に確認」の確認事項を整える … 報告書に無い点を、広告主と調査会社に問います。回答が届いたら、審査をやり直します
  3. 注記を実際の画面で見る … 位置・文字の大きさ・色を、スマートフォンの画面で確かめます。報告書は、注記があっても一般消費者にとって明瞭でない方法では、表示内容と調査結果が適切に対応しているとはいえないとしています
  4. 直し案を選ぶ … 注記の案か、表示の言い換え案か、表示をやめるかを決めます
  5. 判断を記録する … 観点ごとに、AIの判定を採ったか覆したかと理由を残します

3番目は、AIに任せません。 画像から注記の有無と文言は読めますが、実際の画面で読めるかどうかは、端末と人の目で決まります。

5番目の記録が、審査の深さをそろえます。 同じ調査を使う次の審査で、過去の判断が審査票に並びます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
調査報告書が届かない2営業日で制作担当に知らせ、届かなければ「根拠資料なし」で返す
報告書が結果の概要だけ抜き出せる条件だけで判定し、残りは not_in_evidence。調査票と詳細の報告書を求める
表示と対応する調査が報告書に無い表示の survey_id を空にし、「表示の見直し」に入れる
1つの表示に2つの調査両方を並べ、どちらが根拠かを広告主に確かめる
注記の文字が読めないunreadable として拡大した画像を足して読み直す。だめなら人が見る
画像が大きすぎる・枚数が多い区切りと縮小の規則を見直す。20枚を超えるなら長い辺を2000ピクセル以下に
PDFにパスワード外した版を求める
返答がスキーマに合わない拒否や打ち切りでは合わないことがある。再実行し、だめなら手作業

2行目が最も多くなります。 これは仕組みの不具合ではなく、広告主が調査の中身を知らないという、消費者庁の報告書が指摘した実態そのものです。 審査票の確認事項が、広告主と調査会社のやり取りのきっかけになります。

Step11

記録を残す

  • 案件ごとに、審査した画像と報告書のファイルと指紋
  • 読み取った表示と注記、抜き出した調査の条件(ページと原文)
  • 判定のJSONの全文と、審査票の区分
  • 審査担当の判断と理由(観点ごと)、選んだ直し案
  • 広告主への確認事項と回答、回答を受けた再審査の結果
  • 公開された表示の最終版の画像

最後の行は、報告書が引く管理措置指針の「事後的に確認できるようにすること」に当たります。 景品表示法の管理上の措置の指針では、表示の根拠となる情報を、商品等が供給されうると合理的に考えられる期間保管するなど、事後的に確認できるようにすることが挙げられています。公開した表示と、そのとき確かめた報告書を、組にして残します。

04実装レベルの3段階

最小構成:画像と報告書を手でAIの画面に渡し、表示と条件を書き出させる / 書き出しと抜き出し
半自動化:上記+プログラムで読み取りと抜き出しを呼び、表示と調査の条件を並べた表を作る / 書き出し、抜き出し、時期の比較
本格構成:上記+観点ごとの判定、直し案、確認事項、区分、過去の審査の参照 / 審査票の作成の全体

最小構成では、件数がさばけません。 確かめるための段階です。 半自動化で、①と②の多くがなくなります。 表示と条件が並んだ表を担当者が読み、照合と直し方は手作業で残るため、1件45分が25分程度にとどまります。本格構成で15分になるのが、本記事の想定です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、条件が書かれていない報告書を出す調査会社と、注記を別の画面に置きがちな制作の型が分かります。そこを先に広告主・制作担当と話すほうが、審査票の指摘が減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  120件 × 45分 ÷ 60 = 90 時間/月
導入後 120件 × 15分 ÷ 60 = 30 時間/月
月間削減時間
60h
削減率
67%
年間削減時間
720h
年間金額換算(時間単価4,000円)
288万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 広告主から預かったLP・バナー・チラシの表示を、公開の前に審査している広告代理店・制作会社の審査担当。自社の商品・サービスの広告で「No.1」や「満足度◯%」を使い、調査会社に調査を委託しているEC・小売・人材サービスの事業者の、マーケティングと法務の担当。調査報告書を表示ごとに保管し、審査の前に取り寄せられる場合。
向いていない
  1. 「No.1」や高評価の割合を示す表示を月に数件しか扱わず、担当者が報告書を読み込める場合。売上額や販売数量のような客観的な数値だけを根拠にした表示が中心で、調査の対象者や方法の確認が要らない場合。なお、表示が景品表示法に違反するかどうかの判断と、表示をするかどうかの決定は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去に審査したLP・バナーから20件を選ぶ(表示を直した案件と、そのまま通した案件を半分ずつ)
  2. 各案件の画像と調査報告書を用意する
  3. 手元のAIサービスに画像と報告書を渡し、「画像のNo.1表示と注記を書き出し、報告書から調査期間・対象者の条件・利用経験の確認の有無・比較対象と選び方・質問文をページつきで抜き出し、表示と合っているかを判定してください。報告書に書かれていないことは推測で埋めず『記載なし』としてください」と指示する
  4. 当時の審査の指摘と突き合わせる

表示を直した10件が試金石です。 当時の指摘が出てくれば、探す作業を任せられるということです。

出てきた内容判断
当時と同じ指摘が出た呼び出しと比較のプログラムの作成に進む
書かれていない条件を「利用者に聞いているはず」と埋めた指示の書き方で直る。構成は有効
報告書に条件がほとんど書かれていないAIの問題ではない。 広告主から詳細の報告書を取り寄せる運用が先

3行目が出たら、それも大事な発見です。 審査の時間の多くが、書かれていない条件を探して見つからない時間だったということになります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
書かれていない調査の条件を埋めるnot_in_evidence を返すよう指示し、迷ったら consistent を選ばせない
注記を足せば済むという直し案になる表示の言い換え案を必ず出させ、inconsistent のときは注記だけで済むと書かせない
調査会社の「適法」の一文に頼る根拠にしないと指示する
注記の小さい文字を読み違える画像を区切り、拡大した切り出しを足す。最後は実際の画面で人が見る
20枚を超える画像で大きさの制限に当たる長い辺を2000ピクセル以下にそろえる
表示と調査の対応づけを誤る表示ごとに survey_id を持たせ、2つあれば広告主に確かめる
時期の比較をAIに任せる年と期間はプログラムで比べ、結果を渡す
報告書のページ番号がずれるPDFのページ番号で示す
審査票が区分だけ見て返される全件を人が確かめる前提を守り、判断の記録を必須にする
報告書が概要だけ取引の最初に詳細の報告書と調査票を求める

上の2行が、この構成の価値を決めます。 埋めた条件は見落としに、注記だけの直し案は直したつもりの表示になります。どちらも、報告書の考え方に沿って指示に書き込めば防げます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開前の広告の制作物、広告主の調査報告書(回答の集計、比較対象の社名)、広告主と商品の情報です。

  1. 公開前の制作物を外部へ渡すことを、広告主との取り決めに照らして決める … 公開前の広告や調査結果は、広告主の機密です。利用する契約と設定を確かめ、広告主に説明できる状態にします
  2. 回答者の個人が分かる情報を渡さない … 報告書に回答者ごとのデータが付いていれば、集計の部分だけを渡します
  3. 違反かどうかの判断を代替しない … この構成が出すのは、表示と調査の条件が対応しているかの判定と、確認事項です。表示をするかどうかは広告主と審査担当、必要なら法務と弁護士が決めます
  4. 責任は広告主にあることを前提にする … 消費者庁の報告書は、第三者が調査を行っていても、不当なNo.1表示等の責任は広告主にあることを呼び掛けるとしています。審査票は、広告主が自ら確かめるための材料として渡します
  5. 審査の記録を残す … 公開した表示と確かめた報告書を組にして保管します

誤りが起きた場合のリスクは、対応していない表示を見落として公開することと、対応している表示を止めて広告主の機会を失うことの2つです。 前者は条件を埋めることから、後者は not_in_evidence を inconsistent と取り違えることから起きます。どちらも区分の設計で防げるので、そこだけは崩さないでください。

10まず何から始めるか

1週目:過去の審査の指摘を並べる

過去1年に表示を直した案件の指摘を、比較の範囲・対象者・方法・対応・時期・注記のどれに当たるかで分けて数えます。多い観点が、審査票の並び順になります。

2週目:20件で試す

表示を直した10件と通した10件で、手元のAIサービスに書き出しと判定をさせます。書かれていない条件を埋めていないかを最優先で見ます。

3週目:審査の基準の表と、報告書の取り寄せの約束を作る

消費者庁の報告書の4つの要件と時期、社内の基準を表にします。あわせて、広告主に詳細の報告書と調査票を出してもらう依頼の文面を決めます。

4週目:読み取りと抜き出しをつなぐ

受付の一覧の新しい行から、画像の読み取りと報告書の抜き出しを呼び、表示と条件を並べた表を出すところまで作ります。この時点では判定をさせず、表だけを担当者が使います。

2か月目: 判定と直し案、区分を足し、区分ごとの件数を毎週数えます。3か月目以降: 過去の審査の参照を足し、1件45分が何分になったかを実測します。広告主から届く報告書の多くで条件がそろい、not_in_evidence の多くが確認事項の回答で埋まるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
No.1表示に関する実態調査報告書が令和6年9月26日に公表されたこと消費者庁: 実態調査(表示対策)2026-10-08
主観的評価によるNo.1表示の根拠となる調査が合理的な根拠と認められるには、比較する商品等の適切な選定、調査対象者の適切な選定、公平な方法での実施、表示内容と調査結果の適切な対応が少なくとも必要なこと。満足度の表示は実際の利用者を対象とした調査の結果のように示す表示と考えられ、利用経験を確かめずに対象者を選ぶと合理的な根拠とはいえないこと。「サイトイメージ調査」等の注記があっても対応していないことに変わりはないこと。検索の上位だけを比較対象にする例、明瞭でない注記の例。選択肢の最上位への固定や1位になるまでの調査の繰り返しの例。調査内容を把握していた広告主がヒアリング対象15社中1社だったこと。第三者機関の調査の実施を確かめるだけでは不十分なこと。管理措置指針の7項目に表示の根拠の事後的な確認が含まれること。責任は広告主にあると呼び掛けること消費者庁: No.1表示に関する実態調査報告書2026-10-08
品質などを著しく優良であると示す表示の禁止(第5条第1号)。合理的な根拠を示す資料の提出を求め、提出しないときは同号の表示とみなすこと(第7条第2項)。表示の管理上の措置を講じる義務(第22条)e-Gov 法令API: 不当景品類及び不当表示防止法2026-10-08
対応する画像の形式が JPEG、PNG、GIF、WebP であること。1枚8000×8000ピクセル、APIで10MBまでであること。20枚を超えると1枚あたりの大きさの制限が厳しくなり、長い辺を2000ピクセル以下にするよう案内されていること。画像が28×28ピクセルの区画ごとに数えられること。小さい画像や低品質の画像で誤りが起きうることClaude Docs: Vision2026-10-08
PDFのテキスト・図・表を扱えること。1回のリクエストが32MB、600ページまで(コンテキストが1M未満のときは100ページ)であること。パスワードや暗号化の無い標準のPDFが対象であること。1ページあたり1,500〜3,000トークン程度で各ページが画像としても扱われることClaude Docs: PDF support2026-10-08
output_config.format に JSON スキーマを指定すると返答がスキーマに沿ったJSONになること。enum の大文字・小文字が保証されないこと。拒否や打ち切りではスキーマに合わない出力になりうることClaude Docs: Structured outputs2026-10-08

表示が景品表示法に違反するかどうかの判断と、表示をするかどうかの決定は、広告主と審査担当、必要に応じて弁護士が行ってください。 本記事は消費者庁・e-Gov・Anthropic の公開している情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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