輸入する商品の関税分類(HSコード)の候補を仕様から出して、通関前の確認資料を作る
商品の仕様書と説明文を入力に、材質・用途・機能・加工の程度を整理し、関税率表の分類候補を根拠と反証つきで並べます。担当者の作業は、ゼロから調べることから、提示された候補を検証して決めることに変わります。
- 利用ツール
- ChatGPT/Claude/Gemini/Make/n8n/Power Automate
- 対象業界
- EC/商社/小売/物流/製造
- 対象部門
- 法務/物流
- 対象業務
- 内容確認・チェック/比較検討
- 主な課題
- 判断に時間がかかる/属人化している/確認ミスが多い
- AIで行う処理
- 判定
- 主な効果
- 判断支援/品質標準化/工数削減
- 導入難易度
- ★★★☆☆
- 実装レベル
- 半自動化
- 費用感
- API連携(中)
- 人間の確認
- 必須
01導入前 / 導入後の業務フロー
- 商品部から新商品の仕様書(材質、寸法、用途、写真)が回ってくる
- 貿易課の担当が仕様書を読み、材質と用途を確認する
- 実行関税率表を開き、該当しそうな類・項を探す
- 類注・項の規定を読み、他の分類との切り分けを考える
- 過去に扱った似た商品の分類を、台帳から探す
- 迷う場合は通関業者へ照会する、または税関へ相談する
- 分類を決め、販売管理システムのマスタへ登録する
- 輸入申告時に、通関業者へ分類を伝える
- 商品部が新商品の仕様書を SharePoint の指定フォルダへ登録する
- 自動仕様書と商品説明から、材質・用途・機能・加工の程度・付属品を構造化して抽出する
- 自動自社の過去判定台帳から、材質と用途が近い事例を検索して並べる
- 自動実行関税率表の該当しそうな類・項を絞り込み、候補を3つまで出す
- 自動候補ごとに「そう考える根拠」と「そう考えない理由(反証)」を文章で出す
- 自動判断に必要なのに仕様書に書かれていない項目を、質問として列挙する
- 人貿易課の担当が、候補と根拠を読んで分類を確定する
- 人確定できないものは、通関業者へ照会するか、税関の事前教示を申請する
- 自動確定した分類と根拠を、判定台帳へ記録する
各工程の詳しい説明を読む
- 商品部から新商品の仕様書(材質、寸法、用途、写真)が回ってくる
- 貿易課の担当が仕様書を読み、材質と用途を確認する
- 実行関税率表を開き、該当しそうな類・項を探す
- 類注・項の規定を読み、他の分類との切り分けを考える
- 過去に扱った似た商品の分類を、台帳から探す
- 迷う場合は通関業者へ照会する、または税関へ相談する
- 分類を決め、販売管理システムのマスタへ登録する
- 輸入申告時に、通関業者へ分類を伝える
問題は4つあります。
(a)分類の判断がベテランに依存する。 「材質が複数あるときは、主要な特性を与えている材質で見る」といった考え方が、経験でしか身につきません。新任は1件に2時間かかることがあります。
(b)根拠が残らない。 台帳には番号だけが書かれています。数年後に税関から質問されたとき、なぜその番号にしたのかを説明できません。
(c)似た商品を毎回調べ直す。 4,000型番のうち、実質的に同じ分類になるものが多数あります。過去の台帳を探す手段が型番検索しかなく、材質や用途では探せません。
(d)迷ったまま進めてしまう。 通関業者への照会には日数がかかります。入港に間に合わないと分かると、迷いを残したまま申告してしまうことがあります。 ここが後々の修正申告の原因になります。
- 商品部が新商品の仕様書を SharePoint の指定フォルダへ登録する
- 【自動】 仕様書と商品説明から、材質・用途・機能・加工の程度・付属品を構造化して抽出する
- 【自動】 自社の過去判定台帳から、材質と用途が近い事例を検索して並べる
- 【自動】 実行関税率表の該当しそうな類・項を絞り込み、候補を3つまで出す
- 【自動】 候補ごとに「そう考える根拠」と「そう考えない理由(反証)」を文章で出す
- 【自動】 判断に必要なのに仕様書に書かれていない項目を、質問として列挙する
- 【人】 貿易課の担当が、候補と根拠を読んで分類を確定する
- 【人】 確定できないものは、通関業者へ照会するか、税関の事前教示を申請する
- 【自動】 確定した分類と根拠を、判定台帳へ記録する
自動化されるのは「仕様を整理する」「過去事例を探す」「候補を挙げる」「根拠と反証を書く」の4つです。残るのは、どの候補を採るかを決めることです。
02今回想定するシステム構成
商品仕様書(PDF / Excel)+ 商品写真 │ ▼【トリガー】SharePoint の判定依頼フォルダにファイルが作成されたとき Power Automate │ ├──▶ Claude API ── 仕様から材質・用途・機能を構造化して抽出 │ ├──▶ 自社の判定台帳を検索(材質 × 用途 × 加工の程度) │ ├──▶ 実行関税率表テーブル(類・項・号/注の本文を取り込んだ社内テーブル) │ └─ 抽出した材質・用途から候補の類を絞り込む │ ├──▶ Claude API ── 候補ごとに根拠・反証・不足情報を生成 │ └──▶ 判定シートを作成(候補3件/根拠/反証/要確認事項) │ ▼ 貿易課が確認 ──【人】分類を確定、または照会へ回す │ ├──▶ 確定 → 判定台帳へ記録 → 販売管理システムのマスタへ登録 └──▶ 未確定 → 通関業者へ照会 / 税関の事前教示を申請
| 役割 | 想定する製品 | 代替候補 |
|---|---|---|
| 生成AI | Claude API | OpenAI API、Gemini API |
| 連携 | Power Automate | Make、n8n |
| 保管 | SharePoint | Box、Google Drive |
| 判定台帳 | Microsoft Lists | Google スプレッドシート、kintone |
関税率表そのものは、外部の検索サービスに頼らず、社内のテーブルとして持ちます。 類・項・号の階層と、類注・項の規定の本文を取り込んだ表を作り、そこを引き当てる形にします。AIに関税率表を記憶から書かせてはいけません。番号を「それらしく」作ってしまうためです。
この構成に高度な検索基盤は要りません。関税率表は階層が決まった構造化データなので、材質と用途で類を絞れば、候補は数十行に収まります。
03どうやって実装するのか
処理の起点を決める
SharePoint の判定依頼フォルダにファイルが作成されたことを起点にします。商品部が新商品の仕様書を置くと、処理が始まります。
依頼のときに、仕様書だけでなく「輸入予定の時期」も一緒に入れてもらってください。 入港までの日数が短い案件は、事前教示の申請が間に合いません。優先順位をつけるために必要な情報です。
仕様変更の案件は、変更前の型番を一緒に登録してもらいます。変更の前後で分類が変わるかどうかが論点なので、元の判定を並べて見られる形にします。
入力データを集める
| データ | 中身 | 取得元 |
|---|---|---|
| 商品仕様書 | 材質(構成比)、寸法、重量、用途、機能、加工の程度、付属品 | 商品部 |
| 商品写真 | 外観、内部構造、パッケージ | 商品部 |
| 仕入先の商品説明 | 現地の商品説明書、カタログ | 仕入先 |
| 自社の判定台帳 | 過去に確定した型番、分類、材質、用途、根拠 | Microsoft Lists |
| 実行関税率表テーブル | 類・項・号の階層、品名、類注・項の規定 | 社内テーブル(税関の公表内容を取り込む) |
| 事前教示の取得済み一覧 | 自社が取得した回答書の内容と取得日 | 貿易課の記録 |
データの取得方法を決める
仕様書: PDFまたはExcelで受け取ります。PDFはそのままAIへ渡せます。表形式の材質構成(綿60%/ポリエステル40%など)が読み取れるかは、実物で確認してください。
関税率表: 税関が公表している実行関税率表を取り込み、社内のテーブルにします。更新があるため、取り込みの時期を記録し、定期的に入れ替える運用にします。 日本の関税率表は、統一商品説明及び符号化体系に関する国際協約(HS条約)に基づいており、国際的な改正の際には構造が変わることがあります。
過去の判定台帳: 材質・用途・加工の程度で検索できる形にしておきます。型番だけで引ける状態だと、似た商品を探せません。この台帳の整備が、この構成でもっとも手間のかかる準備です。
AIへ渡す前に整形する
- 材質構成の正規化 … 「綿60% ポリエステル40%」「Cotton 60%, Poly 40%」を同じ形に直します。構成比は分類の分かれ目になることが多い項目です
- 用途の言い換えの統一 … 「収納用」「整理用」「小物入れ」を同じ用途として扱えるよう、社内の用途コードへ寄せます
- 加工の程度の抽出 … 「原材料のまま」「一次加工」「完成品」の区別を、仕様書の記述から判定します
- セット品の分解 … 複数の物品が1つの梱包に入っている場合、それぞれの材質と用途を分けて記録します。セット品は分類が特に難しいため、機械的に候補を出さず、人の確認へ回す印を付けます
AIに処理させる
2つの工程に分けます。
仕様の構造化(1回目の呼び出し):
| 処理 | 内容 |
|---|---|
| 材質の抽出 | 主材質、副材質、構成比 |
| 用途の抽出 | 何に使うものか。仕様書に書かれた用途をそのまま拾う |
| 機能・形状の抽出 | 電源の有無、可動部の有無、形状、寸法 |
| 加工の程度 | 原材料/半製品/完成品 |
| 不足情報の列挙 | 分類に必要なのに書かれていない項目 |
候補と根拠の生成(2回目の呼び出し):
| 処理 | 内容 |
|---|---|
| 候補の提示 | 絞り込んだ関税率表の範囲から、該当しそうな項を3つまで |
| 根拠の記述 | その項の品名・類注のどの部分に当てはまるか |
| 反証の記述 | その項ではないと考えられる理由。これを必ず書かせます |
| 過去事例との対比 | 判定台帳の近い事例との、材質・用途の違い |
| 確信度 | high / medium / low |
「反証を必ず書かせる」ことが、この構成の要です。 候補だけを出させると、もっともらしい説明が1つ付いてきて、人はそれを信じます。そうではない理由を並べて初めて、人が検証できる材料になります。
指示内容を固定する
あなたは、輸入貨物の関税分類を検討する貿易実務の担当者を支援します。
下の商品情報と、絞り込んだ関税率表の範囲から、分類の候補を挙げてください。
【厳守事項】
- 下に示した「関税率表の候補範囲」に含まれる項からのみ選んでください。
記憶している番号を書かないでください。範囲外の番号を出さないでください。
- 候補は最大3つです。1つに断定しないでください。
- 各候補について、必ず次の3つを書いてください。
(1) その項に当たると考える根拠(品名または類注の該当部分を引用する)
(2) その項ではないと考えられる理由(反証)
(3) 判断を確定するために必要な追加情報
- 商品情報に書かれていない材質・用途・機能を前提にしないでください。
必要な情報が欠けている場合は missing_info に列挙してください。
- 税率、税額、原産地の判定は書かないでください。ここでは扱いません。
- 「この分類で申告してください」という書き方をしないでください。
候補と根拠の提示までが役割です。
【商品情報(構造化済み)】
{product_spec}
【関税率表の候補範囲(類・項・号/品名/類注の本文)】
{tariff_candidates}
【自社の過去判定(材質・用途が近いもの・上位5件)】
{past_decisions}
「記憶している番号を書かない」の1行は必須です。 関税分類の番号は桁数が多く、生成AIは形式が正しい番号を容易に作れます。渡した範囲の中からしか選ばせない制約がないと、実在しない番号が出ます。
出力形式を固定する
{
"product_id": "",
"extracted_spec": {
"main_material": "",
"sub_materials": [],
"material_ratio": "",
"use": "",
"function": "",
"processing_level": "",
"is_set_item": false
},
"candidates": [
{
"tariff_code": "",
"description": "",
"supporting_reason": "",
"counter_reason": "",
"confidence": "high | medium | low"
}
],
"similar_past_cases": [],
"missing_info": [],
"needs_advance_ruling": false,
"reason": ""
}
needs_advance_ruling は、税関の事前教示を申請したほうがよいと考えられる案件の印です。候補の確信度がそろって low、または候補間で税率が大きく違う場合にここを true にします。人が判断する材料であり、自動で申請するわけではありません。
システムへ連携する
判定シートは SharePoint 上の Microsoft Lists に1件1行で作られます。貿易課が確認して分類を確定すると、次の2つへ流れます。
| 連携先 | 内容 |
|---|---|
| 判定台帳 | 確定した分類、根拠、確定した日、確定した担当者 |
| 販売管理システム | 型番マスタの関税分類欄へ登録する |
販売管理システムへの登録は、人が確定してから行います。 AIの候補をそのままマスタへ書き込む構成にしないでください。
通関業者への申告情報の連携は、この構成では扱いません。申告そのものは通関業者を通す前提です。
人が確認する
全件、貿易課の担当が確認して確定します。段階的な自動化もしません。
理由は、関税分類の誤りが税額の誤りに直結し、修正申告や追徴の対象になるためです。申告の内容についての責任は輸入者にあります。 この構成で減らしているのは「調べる時間」であって、「判断の責任」ではありません。
確認を速くするための設計が効きます。
- 候補3件を、根拠と反証を左右に並べて表示する
- 過去の判定台帳の近い事例を、同じ画面に出す
missing_infoに挙がった項目を、商品部への質問文の形で表示するconfidenceがそろって low の件を、リストの先頭に出す
missing_info の扱いが、実は効果を大きく左右します。 従来は「仕様書に書いていないから商品部に聞く」という往復が発生していました。聞くべきことが最初にまとまって出ると、この往復が1回で済みます。
例外に対処する
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 候補が1つも出ない | 絞り込みの範囲が狭すぎる。類の絞り込みを外して再実行し、それでも出なければ人が手で調べる |
| 範囲外の番号が出た | 出力を検証し、関税率表テーブルに存在しない番号なら破棄して再実行する。この検証は必ず機械で行う |
| セット品で構成物ごとに分類が分かれる | 自動の候補提示を行わず、人の検討へ回す |
| 材質の構成比が仕様書にない | missing_info に入れて商品部へ照会する。推測で比率を置かない |
| 仕様書が外国語のみ | 翻訳してから処理する。専門用語の訳が怪しい場合は、原文も併記して人へ渡す |
| 写真しかなく仕様書がない | 写真から読み取れる範囲で構造化し、missing_info を多めに出す |
| 過去に同型番の判定がある | 判定台帳の内容をそのまま提示し、新たな候補生成を行わない |
| 関税率表が改正された | 取り込みテーブルを入れ替える。改正前に確定した分類の見直しが必要かを、別途確認する |
| 入港まで日数がなく事前教示が間に合わない | needs_advance_ruling が true の案件は、通関業者への照会に切り替える |
記録を残す
この業務のログは、税関から質問を受けたときの説明材料になります。
- 入力した仕様書と写真(原本)
- 抽出された構造化データ
- 提示された候補3件と、それぞれの根拠・反証
- 人が選んだ候補と、選ばなかった理由
- 確定した日、確定した担当者
- 参照した関税率表テーブルの版(取り込み時点)
最後の項目を忘れないでください。 関税率表は改正されます。「いつ時点の表に基づいて判断したか」が残っていないと、後から検証できません。
事前教示を取得した案件は、回答書の内容と取得日を台帳に紐づけます。 税関の事前教示回答書は、発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されます。有効な期間を過ぎたものが台帳に残り続けないよう、取得日から管理します。
04実装レベルの3段階
半自動化の時点で、45分が20分程度になります。 調べる時間が減るためです。本格構成では15分になりますが、減るのは記録の手間で、効果としては小さくなります。 ただし、本格構成の「判定台帳の自動蓄積」には、時間削減以外の価値があります。 根拠つきの判定が数百件たまると、似た商品の判断がそこで済むようになります。ここは工数の数字に表れにくい効果です。
05工数削減シミュレーション
導入後 80件 × 15分 ÷ 60 = 20 時間/月
自社条件で導入効果を整理したい方へ
このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。
06向いている企業・向いていない企業
- 輸入する商品の種類が多く、新規の型番や仕様変更が月50件以上発生する商社・メーカー・EC事業者。通関業者に丸投げせず、自社で関税分類の根拠を持ちたい場合。原価計算に関税率を織り込む必要があり、輸入前に税率を知りたい場合。
- 輸入する品目が10種類程度で固定されている場合。通関業者との契約に分類の責任まで含まれており、自社で判断していない場合。輸入が年に数回しかない場合。
07最小構成で試す方法
- 過去に分類を確定した商品を20件選ぶ(判断に迷ったものを半分入れる)
- その商品の仕様書と、該当しそうな類の関税率表の抜粋を用意する
- 生成AIのチャット画面に両方を貼り付け、上記のプロンプトで候補を出させる
- 実際に確定した分類が、候補3件の中に入っていた件数を数える
見るのは「正解が候補に入っているか」であって、「1位が正解か」ではありません。 この構成の目的は、人が検証する材料を用意することです。
| 正解が候補3件に入った割合 | 判断 |
|---|---|
| 8割以上 | 調査時間の短縮に使える |
| 5〜8割 | 使えるが、関税率表の絞り込み方を見直す。材質だけでなく用途でも絞る |
| 5割未満 | 仕様書の情報が足りていない可能性が高い。商品部へ渡す仕様書の様式から見直す |
あわせて、反証の質を見てください。 「その項ではない理由」が具体的に書けていれば、人の検証に役立ちます。「該当しない可能性があります」のような中身のない反証しか出ないなら、プロンプトに関税率表の注の本文を十分に渡せていません。
08実装時につまずきやすいポイント
| 問題 | 対策 |
|---|---|
| 実在しない分類番号が出る | 渡した範囲からのみ選ばせる。出力後に関税率表テーブルとの突合を機械で行う |
| 候補が毎回同じ類に偏る | 絞り込みの条件が材質に寄りすぎている。用途と加工の程度も絞り込みに使う |
| 反証が中身のない一文になる | 類注・項の規定の本文を十分に渡す。品名だけでは反証が書けない |
| セット品で誤った候補が出る | セット品の印を前処理で付け、自動の候補提示をしない |
| 材質の構成比が読み取れない | 仕様書の様式を商品部と決める。構成比の記載を必須項目にする |
| 関税率表の改正に気づかない | 取り込みの時期を記録し、定期的に確認する運用を決める |
| 過去台帳が型番でしか引けない | 材質・用途・加工の程度の列を追加する。過去分の入力は段階的に行う |
| 候補をそのままマスタへ登録してしまう | 確定のステップを必ず人に置く。自動登録の経路を作らない |
| 入港直前の案件が後回しになる | 依頼時に輸入予定日を必須にし、日付順に並べる |
09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点
この構成で扱うデータ: 商品の仕様、材質、仕入先、輸入予定。自社の商品構成と調達先が読み取れる情報です。
- 外部AIへの入力可否 … 未発売商品の仕様を外部のAIサービスへ送ることになります。発売前の商品情報は、社内でも限られた範囲でしか共有していないことがあります。情報管理規程を確認してください
- 仕入先との秘密保持 … 仕様書に仕入先の製造方法や独自技術が含まれる場合があります。取引基本契約の秘密保持条項を確認してください
- 学習利用 … 入力を学習に使わないことが契約で保証されるサービスを選びます
- アクセス権限 … 判定台帳には調達先と原価に関わる情報が集まります。閲覧を貿易課と関係部門に限定してください
- AIの出力を申告の根拠にしないこと … 輸入申告の内容についての責任は輸入者にあります。 AIが提示した候補をそのまま申告し、後から誤りが判明しても、AIを理由にした説明は通りません。人が確定したことを記録に残してください
- 自動実行してよい範囲 … 候補と根拠の提示までです。分類の確定、マスタへの登録、申告情報の作成は自動化しないでください
誤りが起きた場合のリスクは、税額の誤り、修正申告、追徴、輸入の遅延です。判断の根拠と確定者を記録し、後から追跡できる状態にしてください。
判断に迷う案件は、税関の事前教示制度の利用を検討してください。 輸入前に、貨物の関税分類などについて税関へ文書で照会し、文書で回答を受けられる制度です。照会は税関様式C-1000号で行います。回答書の内容は、発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されます。この構成は、事前教示を申請すべき案件を見つけることにも使えます。
10まず何から始めるか
1週目:過去の判定20件で候補の再現性を見る
迷った案件を半分入れて、正解が候補3件に入るかを測ります。ここが5割を下回るなら、仕様書の情報が足りていません。 先へ進む前に、商品部から受け取る仕様書の様式を見直してください。
2週目:関税率表の取り込み範囲を決める
自社が扱う品目が集中する類(衣類なら第61類・第62類、プラスチック製品なら第39類など)に絞って、まずその範囲だけ取り込みます。全類を一度に取り込む必要はありません。 上位5つの類で、取扱品目の8割を占めることが多いはずです。
3〜4週目:過去台帳の列を増やす
判定台帳に、材質・用途・加工の程度の列を追加します。過去分すべてを埋める必要はありません。直近1年分だけ埋めれば、似た商品の検索は実用になります。
2か月目以降: 仕様書の登録をトリガーにした半自動化を作り、貿易課1名が1か月使います。1件あたりの時間と、商品部への照会の往復回数を実測してください。あわせて、needs_advance_ruling が true になった案件について、実際に事前教示を申請するかどうかの判断基準を決めます。
11関連ユースケース
12この仕組みを理解するための記事
13技術仕様の確認日・参考情報
| 確認した内容 | 情報源 | 確認日 |
|---|---|---|
| 日本の関税率表(関税定率法の別表)が、統一商品説明及び符号化体系に関する国際協約(HS条約)に基づいていること | 税関: カスタムスアンサー 1201 関税率表の解釈 | 2026-09-21 |
| 事前教示制度が、輸入前に貨物の関税分類などについて税関へ照会し、文書で回答を受けられる制度であること。照会が税関様式C-1000号で行われること。回答書の内容が発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されること | 税関: カスタムスアンサー 1202 品目分類の事前教示制度について | 2026-09-21 |
Claude API で output_config.format に json_schema を渡すと、応答をスキーマに沿った形に制約できること | Claude Docs: Structured outputs | 2026-09-21 |
実行関税率表の取得方法と更新の頻度、販売管理システムへのマスタ登録の方式は、利用環境によって異なります。この部分は個別確認が必要です。 個々の貨物の関税分類の確定については、通関業者または税関へご相談ください。この記事は分類を確定するものではありません。
実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。
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