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選考を終えた候補者へのアンケートの回答を、面接官の印象・連絡の速さ・選考の分かりやすさの区分に分類して、毎月の改善点の一覧を採用担当に届ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

選考を終えた候補者へのアンケートの自由記述を、回答が届くたびに「面接官の印象」「連絡の速さ」「選考の分かりやすさ」などの区分に分類します。月末には区分ごとの件数と代表的な声から、改善点の一覧を採用担当に届けます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
IT・SaaS/人材/広告/金融
対象部門
採用
対象業務
分類・仕分け/集計・分析
主な課題
データ分析に時間がかかる/人手が足りない/属人化している
AIで行う処理
分類
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
70%
年間削減
168h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 回答が届くと、フォームにつながったスプレッドシートに1行ずつたまる
  2. 週に1〜2回、担当者がまとめて開き、自由記述を1件ずつ読む
  3. 区分の列に「面接官」「連絡」「説明」などを手で書き、良い声か悪い声かを付ける
  4. 気になる記述があれば、行に色を付ける
  5. 月末に区分ごとの件数を数え、代表的な声を書き写す
  6. 職種・段階ごとに改善点をまとめ、採用会議の資料にする
  7. 面接官ごとの声は、採用責任者が面接官本人に伝える
導入後(After)
  1. 自動アンケートの回答が届くと、ワークフローが新しい回答を拾う
  2. 自動自由記述の3つの欄から、氏名・電話番号・メールアドレスらしい文字列を伏せる
  3. 自動AIが記述を話ごとに区切り、区分と良い・悪いの向きを付け、気になる記述に印を付ける
  4. 自動結果を分類の一覧に1話ずつ書き込む
  5. 自動印の付いた回答は、その日のうちに採用責任者のチャットへ知らせる
  6. 人採用担当が、AIが「判断できない」とした回答と、印の付いた回答を確かめる
  7. 自動月末に、ワークフローが区分・職種・段階ごとに件数を数える
  8. 自動AIが、区分ごとに集めた声から改善点の案と代表的な声を選ぶ
  9. 人採用担当が改善点の一覧を確かめ、直して採用会議に出す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 回答が届くと、フォームにつながったスプレッドシートに1行ずつたまる
  2. 週に1〜2回、担当者がまとめて開き、自由記述を1件ずつ読む
  3. 区分の列に「面接官」「連絡」「説明」などを手で書き、良い声か悪い声かを付ける
  4. 気になる記述があれば、行に色を付ける
  5. 月末に区分ごとの件数を数え、代表的な声を書き写す
  6. 職種・段階ごとに改善点をまとめ、採用会議の資料にする
  7. 面接官ごとの声は、採用責任者が面接官本人に伝える

(a)区分の付け方がそろわない。 3名で手分けしているので、同じ記述が人によって違う区分に入ります。月ごとの件数の増減が、候補者の声の変化なのか、付けた人の違いなのか分かりません。

(b)1件の記述に話が2つ入っている。 「面接官の方は丁寧でしたが、結果の連絡まで2週間かかりました」は、良い声と悪い声が1件に入っています。区分の列が1つしかないと、どちらかが落ちます。 落ちるのはたいてい後半です。

(c)気になる記述に気づくのが遅い。 まとめて読むのは週に1〜2回で、急ぎのものも月末の集計まで行に色が付いているだけになりがちです。面接での質問に問題があったという記述は、次の面接の前に止めるべきものです。

(d)月末の集計に時間がかかる。 区分を数え、代表的な声を選び、職種と段階で分けて資料にする作業が、月末の数日に集中します。 急ぐと、数え間違いや代表的な声の偏りが出ます。

  1. 【自動】 アンケートの回答が届くと、ワークフローが新しい回答を拾う
  2. 【自動】 自由記述の3つの欄から、氏名・電話番号・メールアドレスらしい文字列を伏せる
  3. 【自動】 AIが記述を話ごとに区切り、区分と良い・悪いの向きを付け、気になる記述に印を付ける
  4. 【自動】 結果を分類の一覧に1話ずつ書き込む
  5. 【自動】 印の付いた回答は、その日のうちに採用責任者のチャットへ知らせる
  6. 【人】 採用担当が、AIが「判断できない」とした回答と、印の付いた回答を確かめる
  7. 【自動】 月末に、ワークフローが区分・職種・段階ごとに件数を数える
  8. 【自動】 AIが、区分ごとに集めた声から改善点の案と代表的な声を選ぶ
  9. 【人】 採用担当が改善点の一覧を確かめ、直して採用会議に出す

3番目の「話ごとに区切る」が、この設計の分かれ目です。 1件の回答を1つの区分に入れるのではなく、1件の中の話を1つずつ区分に入れます。 第3章の(b)の「後半が落ちる」は、ここで止まります。

7番目で数えるのはワークフローです。 AIには、数え終わった結果と、区分ごとの声だけを渡します。改善点の一覧の数字は、すべて分類の一覧から数えたものになります。

02今回想定するシステム構成

構成図
Google フォーム(選考後アンケート:選考の段階・職種・満足度・自由記述3問)
   ▼【トリガー】Watch Responses(新しい回答)
Make のシナリオA(回答ごと)
   ├──▶ 自由記述から氏名・連絡先らしい文字列を伏せる
   ├──▶ Anthropic Claude(Make an API Call で構造化出力)
   │      話ごとに区切り、区分・向き・印を付ける
   ├──▶ Google スプレッドシート(分類の一覧)に1話ずつ追加
   └──▶ 印があれば採用責任者のチャットへ
   ▼【人】判断できない回答と印の付いた回答の確認

Make のシナリオB(毎月1日)
   ├──▶ 分類の一覧から前の月の行を検索
   ├──▶ Array aggregator で区分ごとにまとめ、件数を数える
   ├──▶ Anthropic Claude(Create a Prompt)で改善点の案と代表的な声
   └──▶ 改善点の一覧を書き出し、採用担当へ
   ▼【人】改善点の一覧の確認・採用会議へ
役割想定する製品代替候補
ワークフローMaken8n、Zapier、Power Automate
生成AIClaude API(Make の Anthropic Claude アプリ)OpenAI API、Gemini API
連携Google スプレッドシート(分類の一覧・区分の定義・改善点の一覧)Microsoft 365 のリスト

新しく足すのは、Make のシナリオ2本と、スプレッドシートの3つの表だけです。 アンケートのフォームはいまのものを使います。採用管理システムには書き込みません。

入口は Make の Google Forms アプリです。 回答を扱うモジュールとして、Watch Responses、List Responses、Get a Response が用意されています。フォームにつながったスプレッドシートの側から拾う旧来のモジュールもありますが、ここではフォームの回答を直接拾います。

AIは、Make の Anthropic Claude アプリから呼びます。 アプリには、プロンプトを作る Create a Prompt と、任意のAPIを呼ぶ Make an API Call があります。回答ごとの分類は、決まった形のJSONを確実に受け取りたいので Make an API Call で Messages API を呼び、構造化出力を使います。 Claude API の構造化出力は、リクエストの output_config.format に type: "json_schema" でスキーマを渡す形で、一般提供になっています。月末の改善点の案は文章なので、Create a Prompt で足ります。

集計は Make のフロー制御で行います。 Array aggregator は複数のバンドルを1つにまとめるモジュールで、Group by の式の結果ごとに、別々のまとまりとして出力できます。 区分をキーにまとめれば、区分ごとの声の配列と件数が手に入ります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

回答ごとの分類は、Google Forms の Watch Responses で新しい回答を拾って始めます。 シナリオの実行間隔は15分にします。気になる記述を「その日のうちに」採用責任者へ届けるには、1日1回では遅すぎます。 一方で、1件ずつ即時に動かす必要もありません。

月末の集計は、毎月1日の朝にシナリオBを動かします。 前の月の1日から末日までに書き込まれた行を対象にします。月の途中で区分の定義を変えた場合は、変えた日を区分の定義の表に記録し、集計の注記に出します。

人が手で動かす入口も1つ置きます。 採用会議の前に、月の途中までの件数を見たいときのために、シナリオBを期間を指定して動かせるようにします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
アンケートの回答回答の日時、選考の段階、職種、結果の区分(通過・不通過・辞退)、満足度、自由記述3問Google フォーム
区分の定義区分のコード、名前、入れる話・入れない話の例、改定日区分の定義の表
段階と面接官の対応職種・段階・月ごとの面接官のグループ(個人名ではなくグループ)採用担当が作る表
分類の一覧回答ID、話の番号、区分、向き、原文の抜き書き、印、確認の結果分類の一覧の表

質を決めるのは、区分の定義の表です。 区分の名前だけを渡すと、「日程調整が何度も変わった」を連絡の速さに入れるか選考の分かりやすさに入れるかが、回答によって揺れます。区分ごとに「入れる話」と「入れない話」の例を2〜3行ずつ書きます。 第3章の(a)の物差しのずれは、ここで止めます。

段階と面接官の対応を個人名にしないのは、意図してのことです。 「二次面接・エンジニア職・今月」のグループ単位で声を返し、個々の面接官の特定は採用責任者が必要なときに行います。

Step3

データの取得方法を決める

回答は Watch Responses で新しいものを拾います。 拾い漏れや二度拾いに備えて、回答IDを分類の一覧の行に必ず入れ、同じ回答を二度分類していないかを書き込み前に Search Rows で確かめます。 月に一度、フォームの回答の数と分類の一覧の回答IDの数を List Responses で突き合わせ、抜けがないかも見ます。

区分の定義は、Google Sheets の Get Range Values で毎回読みます。 シナリオの中に区分を書き込まないのは、区分を直すたびにシナリオを直すことになるからです。 表を直せば、次の回答から新しい定義で分類されます。

月末の集計は、Search Rows で前の月の行を取り、Array aggregator でまとめます。 Source Module を Search Rows にし、Group by に区分のコードを入れると、区分ごとに声の配列が出ます。件数は配列の長さで数え、AIには数えさせません。 職種と段階の内訳は、区分と職種、区分と段階の組み合わせで同じようにまとめます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 回答の形をそろえる … 3つの自由記述の欄を、設問の名前を付けて1つの入力にまとめます。空の欄は「回答なし」と明記します
  2. 氏名・連絡先らしい文字列を伏せる … メールアドレス、電話番号の形の文字列を [連絡先] に置き換えます。「〇〇さん」の形は [人名] に置き換えます
  3. 短すぎる回答を分ける … 「特になし」「ありがとうございました」だけの回答は、AIに渡さず「記述なし」として一覧に書きます
  4. 重複を除く … 回答IDが分類の一覧にすでにあれば処理しません
  5. 区分の定義を付ける … いまの区分の定義の表を、入力に添えます

2番目は、外へ出す情報を減らすための処理です。 アンケートでは氏名を聞いていませんが、候補者が自由記述に自分の名前や面接官の名前を書くことがあります。 面接官の名前を伏せても分類には困りません。区分は話の中身で決まるからです。

3番目で、AIに渡す件数は1〜2割減ります。 何も書かれていない回答にAIの判断を挟む意味はありません。「記述なし」も件数としては数え、回答率の分母に入れます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、1件の回答を話ごとに区切り、それぞれに区分・向き・印を付け、根拠の原文を写すことだけです。

項目選び方判断できないときの扱い
区分interviewer(面接官の印象)/response_speed(連絡の速さ)/process_clarity(選考の分かりやすさ)/scheduling(日程調整)/job_info(仕事・会社の情報)/other決められなければ unclear
向きpositive/negative/mixed/neutral皮肉か本音か分からなければ unclear
印fair_selection(選考と関係の無いことを聞かれた)/harassment(威圧的・侮辱的な言動)/contact_request(返事を求めている)/なし迷えば印を付け、人が外す
根拠その話の部分の原文をそのまま写す言い換えない

右端の列の「迷えば印を付ける」は、区分とは逆の向きの決め方です。 区分は迷えば unclear にして人が付けますが、印は迷えば付けて、人が外します。 印の付け漏れは、問題のある面接がそのまま次の候補者に続くことを意味するからです。

fair_selection の手がかりは、厚生労働省の公正採用選考特設サイトに載っている事項です。 本籍・出生地、家族(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)、住宅状況、生活環境・家庭環境、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書などを面接でたずねることは、就職差別につながるおそれがあるとされています。 同じサイトでは、ハローワークが把握した指摘のうち家族に関することの質問が多くを占め、面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いとも書かれています。「雑談で家族のことを聞かれた」という書き方も、印の対象にします。

させないこと理由
件数を数える・割合を出すワークフローの集計で行う。AIの数え間違いを一覧に載せない
面接官を特定するグループ単位で返す。特定は採用責任者が必要なときに行う
印の付いた記述が違法かどうかを決める事実の確認と判断は採用責任者が行う
候補者の属性を推測する記述から年齢・性別・国籍などを推し量らない
区分の定義に無い区分を作る月ごとの比較が崩れる。足すかは人が決める

1行目がいちばん大事です。 月末の改善点の一覧で「連絡の速さの悪い声が先月の2倍」と書くのは、分類の一覧から数えた数字でなければなりません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは採用グループで、選考を終えた候補者のアンケートの
自由記述を分類する担当です。
書かれていることだけで判断し、推測で補わないでください。

【手順】
1. 回答を「話」ごとに区切ってください。1つの文に良い話と
   悪い話が入っていれば、2つの話に分けてください。
2. それぞれの話に、区分の定義から区分を1つ選んでください。
   どれにも当てはまらないときは other、決められないときは
   unclear にしてください。
3. それぞれの話に、向きを positive / negative / mixed /
   neutral から選んでください。皮肉か本音か分からなければ
   unclear にしてください。
4. 根拠として、その話の部分の原文をそのまま写してください。
   言い換えたり要約したりしないでください。

【印の付け方】
- 面接で、本籍・出生地、家族、住宅、生活環境、宗教、支持政党、
  尊敬する人物、愛読書など、仕事の適性・能力と関係の無いことを
  たずねられたと読める記述には fair_selection を付けてください。
  雑談の中でたずねられたと書かれていても付けてください。
- 威圧的・侮辱的な言動があったと読める記述には harassment を
  付けてください。
- 返事や連絡を求めている記述には contact_request を付けてください。
- 迷ったときは印を付けてください。外すのは人が行います。

【厳守事項】
- 件数や割合を書かないでください。
- 面接官の名前や、面接官を特定できる手がかりを推測しないで
  ください。[人名]は伏せられたまま扱ってください。
- 候補者の年齢・性別・国籍などを推測しないでください。
- 印を付けた記述が違法か、不適切かを判断しないでください。
- 区分の定義に無い区分を作らないでください。

【区分の定義】{categories}
【選考の段階・職種・結果の区分】{meta}
【自由記述】{answers}

「雑談の中でたずねられたと書かれていても付ける」を明記しないと、印が落ちます。 候補者は「雑談で家族の話になりました。和やかでした」と良い声として書くことがあり、向きが positive だと印まで付けなくなります。 向きと印は別の判断であることを、指示の側で分けます。

「外すのは人が行う」と書くのも同じ理由です。 迷ったときの扱いを書かないと、AIは印を付けない側に倒れます。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、次の形のJSONを受け取ります。

{
  "response_id": "",
  "has_text": true,
  "items": [
    {
      "seq": 1,
      "category": "interviewer | response_speed | process_clarity | scheduling | job_info | other | unclear",
      "polarity": "positive | negative | mixed | neutral | unclear",
      "flags": ["fair_selection | harassment | contact_request"],
      "quote": ""
    }
  ],
  "needs_review": false
}

1つ目の理由は、items で1件の回答を話ごとに持てることです。 分類の一覧には items の要素を1行ずつ書き、回答IDと話の番号で結びます。月末の集計は話の数で数え、回答の数とは分けて示します。

2つ目は、category と polarity を決まった値に絞れることです。 構造化出力のスキーマで enum を使うと、区分の定義に無い区分が返ってきません。 Claude API の構造化出力では、オブジェクトの additionalProperties を false にする必要があり、minimum や maxLength のような数や長さの制約はサポートされないとされています。長さの確認は、受け取った後にワークフローで行います。

3つ目は、quote で確認が速くなることです。 担当者は回答の全文を読まずに、話ごとの抜き書きと区分を並べて見るだけで済みます。 ワークフローの側で、quote が元の記述にそのまま含まれるかを確かめ、含まれなければ needs_review を立てます。

needs_review を立てる条件理由
category か polarity に unclear がある人が区分を付ける
flags が空でない印の確認は人が行う
quote が元の記述に含まれない抜き書きが言い換えられている

月末の改善点の一覧は、次の形の表で書き出します。 件数の列はワークフローが数えた値をそのまま入れ、AIが書くのは「改善点の案」と「代表的な声」の列だけです。

区分職種・段階悪い声の件数(前月)改善点の案代表的な声(抜き書き)
連絡の速さエンジニア職・二次面接14(6)結果の連絡の目安を面接の最後に伝える「結果がいつ来るのか分からず、他社の返事を待たせました」
選考の分かりやすさ営業職・一次面接5(7)次の段階で何を見るかを案内のメールに書く「二次面接で何を準備すればよいか分かりませんでした」

代表的な声は、件数の多い区分から1〜2件ずつ選ばせ、抜き書きが分類の一覧にある quote と一致するかをワークフローで確かめます。 一致しない声は一覧に載せません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Google フォームMake の Watch Responses新しい回答を拾う
区分の定義の表Get Range Values区分と例を毎回読む
Claude APIMake an API Call(構造化出力)/Create a Prompt回答ごとの分類と、月末の改善点の案
分類の一覧の表Search Rows/Add a Row重複の確認と、1話ずつの書き込み
社内のチャットMake のチャットのモジュール印の付いた回答を採用責任者へ
改善点の一覧Google スプレッドシートの別の表月末に1行ずつ書き出す

採用管理システムとはつなぎません。 アンケートは氏名を聞かない作りなので、候補者の応募の記録と回答を結ぶ必要がありません。 結ぶ仕組みを足すと、回答した候補者が特定できるようになり、正直な回答が減ります。

チャットへの通知には、印の種類と回答IDだけを載せます。 抜き書きは載せず、採用責任者が分類の一覧を開いて読みます。チャットの履歴に記述が広く残らないようにするためです。

Step9

人が確認する

人が見るのは、needs_review が立った回答と、月末の改善点の一覧です。 それ以外の回答は、分類の一覧を区分ごとに流し見ます。

  1. 印の付いた回答を、その日のうちに見る … 採用責任者が抜き書きを読み、事実の確認が要るかを決めます。確認するなら、該当する面接のグループの面接官から話を聞きます
  2. unclear の回答に区分を付ける … 採用担当が付け、どの区分にしたかを記録します
  3. 月末の改善点の一覧を確かめる … 代表的な声が区分の件数の傾向と合っているか、偏った声だけが選ばれていないかを見ます
  4. 直したら記録する … AIの区分を人が変えた件数を区分ごとに数えます

1番目の判断を、AIにも採用担当にも任せないでください。 印の付いた記述が本当に問題のある質問だったかは、記述だけでは分かりません。 候補者の受け止め方と面接官の意図が違うこともあります。事実の確認は、採用責任者が面接官と話して行います。

4番目の件数は、区分の定義を直す材料です。 特定の区分で人の付け直しが多ければ、その区分の「入れる話・入れない話」の例が足りていません。

目標は、240件をならして1件1.5分です。 印の付いた回答の確認には1件10分以上かかることもありますが、多くの回答は流し見で終わります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
自由記述が空か「特になし」だけAIに渡さず「記述なし」で一覧に書く。件数には数える
日本語以外で書かれた回答そのまま分類させ、quote は原文のまま残す。月末の一覧で訳を添えるかは人が決める
同じ回答が二度拾われる回答IDで照合し、二度目は書かない
構造化出力がエラーになるスキーマの使えない機能を使っていないかを確かめる。回答は未処理の印を付けて残す
quote が原文に無いneeds_review を立てる
候補者が返事を求めているcontact_request の印。アンケートは匿名なので返事の宛先が無い。 回答画面に問い合わせ先を書いておく
面接官の名前が書かれている前処理で伏せる。伏せ漏れがあれば、一覧の行を人が直す
区分の定義を月の途中で変えた変えた日を記録し、月末の集計の注記に出す
Claude API が応答しない回答を未処理として残し、次の実行で再び渡す

6行目は、運用を始める前に決めておくことです。 匿名のアンケートに「連絡がほしい」と書かれても、返す手段がありません。回答画面と送付のメールに、選考についての問い合わせ先を書いておきます。

4行目の構造化出力のエラーは、スキーマを書き換えたときに起きやすいものです。 使えない制約を足すとリクエストが400で返るとされています。エラーになった回答を落とさず、未処理として残すことが大事です。

Step11

記録を残す

  • 回答IDと、拾った日時、処理した日時
  • AIに渡した入力(伏せた後の記述と区分の定義の版)と、受け取ったJSONの全文
  • 分類の一覧の行(話ごとの区分・向き・印・抜き書き)
  • 人が区分や印を変えた記録 … どの話を、どれからどれに変えたか、誰が変えたか
  • 印の付いた回答への対応の記録(確認したか、面接官と話したか、結果)
  • 月末の集計の結果と、改善点の一覧の版

2つ目で区分の定義の版を残すのは、比較のためです。 区分を直した月の前後では、同じ記述でも入る区分が変わります。どの版で分類したかが無いと、月ごとの比較が意味を持ちません。

5つ目の対応の記録は、アクセスできる人を絞ります。 面接官の言動に関わる記録なので、採用責任者と人事部長だけが見られる別の表に置きます。

04実装レベルの3段階

最小構成:回答を手でAIの画面に貼り、話ごとの区分と印を表で出させる / 区分と向きの付与
半自動化:上記+Make で新しい回答を拾い、分類の一覧に書き込み、印をチャットへ知らせる / 回答ごとの分類と通知
本格構成:上記+月末に区分ごとの件数を数え、改善点の案と代表的な声を選んで一覧にする / 分類から月末の一覧まで

最小構成では、回答を貼る手間が残ります。 240件を毎月貼るのは続きません。区分の定義を固めるための段階です。 半自動化で、第4章の①と②がほぼ無くなります。 区分が付いた一覧が毎日たまり、印の付いた回答はその日のうちに届きます。本格構成で③の月末の集計が無くなり、この段階が本記事の想定です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、unclear の多い区分と、人の付け直しが多い区分が分かります。区分の定義を直してから月末の一覧を作るほうが、最初の改善点の一覧が信頼されます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
5 分
1件あたり導入後時間
1.5 分
現在  240件 × 5分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 240件 × 1.5分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
14h
削減率
70%
年間削減時間
168h
年間金額換算(時間単価3,500円)
59万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用を通年で行い、選考を終えた候補者に毎月数百件のアンケートを送っているIT・SaaS・人材・広告・金融などの企業。自由記述を採用担当が1件ずつ読んで表に区分を付け、月末に手で集計して面接官や現場へ返している場合。区分の付け方が担当者によって違い、月ごとの比較ができていない場合。面接官への振り返りの材料を、候補者の声から作りたい場合。
向いていない
  1. 回答が月に数十件で、担当者が全部を読んでも負担にならない場合。アンケートが選択式だけで、自由記述が無い場合。回答の扱いについて候補者への説明ができておらず、外部のAIサービスに渡せない場合。なお、個々の面接官の評価や処遇、選考の基準そのものの見直しは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の回答から50件を選ぶ(うち数件は、担当者が気になる記述として色を付けたものを入れる)
  2. 区分の定義を、区分ごとに「入れる話・入れない話」の例を付けて1枚にまとめる
  3. 手元のAIサービスに区分の定義を貼り、回答を10件ずつ渡して、話ごとの区分・向き・抜き書きを表で出させる
  4. 「選考と関係の無いことをたずねられたと読める記述には印を付けてください。迷ったら付けてください」と指示を足す
  5. 担当者が付けた区分と見比べる

50件は必ず試してください。 シナリオを組む前に、「区分の定義で分類がそろうのか」を確かめます。

出てきた内容判断
担当者の区分とおおむね一致したシナリオの構築に進む
1件の回答を2つ以上の話に分けた構成は有効。担当者が落としていた話が見つかったということ
区分が担当者と大きくずれる区分の定義の例が足りない。定義を直してから組む
色を付けた記述に印が付かなかった印の指示を見直す。ここが直るまで本番に進まない

2行目が出ることは珍しくありません。 第3章の(b)で落ちていた後半の話が、件数として見えるようになったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
1件の回答に1つの区分しか付かない話ごとに区切らせる。 一覧も話ごとに1行にする
月末の件数をAIに数えさせるArray aggregator で数える。 AIには数え終わった結果を渡す
雑談での家族の質問に印が付かない「雑談でも付ける」「向きと印は別」と明記する
印が付かない側に倒れる「迷ったら付ける。外すのは人」と書く
区分が月ごとに揺れる区分ごとに入れる話・入れない話の例を書く
区分を直した月の前後で比べられない区分の定義の版を一覧の行に残す
構造化出力が400で返る使えない制約(数や長さの制約)を外す
面接官の名前が一覧に残る前処理で伏せる。伏せ漏れは人が直す
候補者が特定できる形になる採用管理システムと結ばない。面接官の集計はグループ単位にする
匿名の回答に返事を求められる回答画面に問い合わせ先を書いておく
改善点の一覧に載る声が毎月同じ前月に載せた声を入力から外し、新しく増えた話を優先させる
代表的な声が言い換えられる分類の一覧の quote と照合し、一致しないものは載せない

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、1件の回答を1つのまとまりとして扱うところから出ています。話ごとに区切り、数えるのはワークフローに任せる。 この2つで、月ごとの比較に使える一覧になります。

3行目と4行目は、件数が少なくても重い失敗です。 印が落ちた1件は、問題のある面接がそのまま続くことを意味します。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 候補者が書いた自由記述(選考の段階・職種・結果の区分つき)と、面接での言動に関わる記述です。氏名は聞いていませんが、記述の中身と段階・職種・時期を合わせると、候補者や面接官が特定できることがあります。

  1. 回答の使い方を候補者に示す … アンケートの冒頭で、回答を選考の改善に使うこと、選考の結果には影響しないこと、外部のAIサービスで分類することを書いておきます
  2. 外へ出す情報を減らす … 氏名・連絡先らしい文字列を伏せてから渡します。選考の段階・職種・結果の区分以外の情報は、AIに渡しません
  3. 少ない件数の集計を出さない … 面接官のグループごとの集計で件数が少ないと、誰が書いたかが推し量れます。一定の件数に満たないグループは、職種全体にまとめて出します
  4. 印の付いた記述の扱いを決めておく … 誰が読み、誰が面接官と話し、どこに記録するかを先に決めます。面接官の処遇に使うかどうかは、この構成の外で人事部が決めることです
  5. 公正な採用選考の観点を面接官に伝える … 印が付いた記述が出たら、厚生労働省の公正採用選考特設サイトの事項を、面接官の研修の材料にします
  6. 改善点の一覧の配り先を絞る … 代表的な声には原文の抜き書きが入ります。採用会議の出席者に限り、社内で広く共有しません

誤りが起きた場合のリスクは、印を落として問題のある面接が続くことと、候補者や面接官が特定されることの2つです。 前者は「迷ったら付ける」と人の確認で、後者は前処理と少ない件数の扱いで防ぎます。どちらも、分類の精度ではなく扱いの設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:区分の定義を作る

いまの区分を5〜6個に整理し、区分ごとに「入れる話」と「入れない話」の例を2〜3行ずつ書きます。3名の担当者で同じ10件に区分を付けて、ずれた回答を例に足します。

2週目:50件で試す

先月の回答から50件を選び、手元のAIサービスで話ごとの分類と印を出させます。担当者が色を付けた記述に印が付いたかを最優先で見ます。

3週目:回答画面と印の扱いを決める

アンケートの冒頭に回答の使い方と問い合わせ先を書き足します。印の付いた回答を誰が読み、誰が面接官と話すかを採用責任者と決めます。

4週目:回答ごとの分類をつなぐ

Make で新しい回答を拾い、伏せる処理と分類をして、分類の一覧に書き込み、印をチャットへ知らせるところまで作ります。この時点では月末の一覧を作らず、分類の一覧だけを毎日見ます。

2か月目: 人の付け直しが多い区分の定義を直し、月末のシナリオを足して改善点の一覧を出します。3か月目以降: 改善点の一覧を採用会議にかけ、1件5分が何分になったかを実測します。区分の定義が2か月続けて変わらず、月ごとの件数の比較で改善の効果を語れるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
Google Forms アプリに Watch Responses、List Responses、Get a Response のモジュールがあり、旧来のスプレッドシート経由のモジュールもあることMake: Google Forms2026-10-08
Watch New Rows、Add a Row、Update a Row、Search Rows、Get Range Values の働きMake: Google Sheets modules2026-10-08
Anthropic Claude アプリに Create a Prompt と Make an API Call などのモジュールがあることMake: Anthropic Claude2026-10-08
Array aggregator が複数のバンドルを1つにまとめ、Source Module と Group by を持つことMake Help: Flow control2026-10-08
構造化出力が output_config.format と type: "json_schema" で一般提供されていること。enum が使え、additionalProperties は false が必要で、数や長さの制約はサポートされず400になることClaude Docs: Structured outputs2026-10-08
就職差別につながるおそれがある14事項(本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書など)。家族に関することの質問が多くを占め、面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いこと厚生労働省: 採用選考時に配慮すべき事項2026-10-08

印の付いた記述への対応と、面接官への伝え方は、採用責任者と人事部で決めてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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