Media > AI活用ユースケース > 営業 > 人材紹介会社のキャリアアドバイザーが、求人企業から届いた選考の見送りの連絡をもとに ChatGPT で候補者への不採用の通知文を下書きし、伝えてよい理由の範囲と言い回しの決まりを守る

人材紹介会社のキャリアアドバイザーが、求人企業から届いた選考の見送りの連絡をもとに ChatGPT で候補者への不採用の通知文を下書きし、伝えてよい理由の範囲と言い回しの決まりを守る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

求人企業から届いた見送りの連絡と理由のコメントをもとに、ChatGPT で候補者への不採用の通知文を下書きします。コメントは文ごとに伝え方の区分に分け、伝えてよい理由だけを、会社の言い回しの決まりに沿って通知文に使います。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/その他/人材
対象部門
営業/採用
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
100h/月
AI導入後
40h/月
想定削減
60%
年間削減
720h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 企業担当が求人企業から見送りの連絡を受け、推薦管理のソフトに結果とコメントを入れる
  2. キャリアアドバイザーに通知が届く
  3. キャリアアドバイザーがコメントを読み、候補者に伝える理由を考える
  4. 過去に送った通知文を探して、似たものを下敷きにする
  5. 選考の段階(書類・一次面接・最終面接)に合わせて言い回しを直す
  6. コメントに気になる言葉があれば、企業担当に聞く(気づいたときだけ)
  7. 候補者にメールかチャットで送る
導入後(After)
  1. 人企業担当が見送りの連絡を受け、推薦管理のソフトに結果とコメントを入れる
  2. 人キャリアアドバイザーが、ChatGPT の「不採用の通知文」プロジェクトで新しいチャットを開き、選考の段階とコメントを貼る。候補者と企業の名前は印に置き換える
  3. 自動プロジェクトの指示に従い、ChatGPT がコメントを文ごとに区分に分ける
  4. 自動伝えてよい理由だけを使い、段階に合った通知文の下書きを作る
  5. 自動社内で確かめるべきコメントがあれば、上げる一覧を作る
  6. 人キャリアアドバイザーが区分と下書きを確かめ、印を名前に戻して整える
  7. 人上げる一覧が出たものは、企業担当と管理者に回す
  8. 人候補者に送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 企業担当が求人企業から見送りの連絡を受け、推薦管理のソフトに結果とコメントを入れる
  2. キャリアアドバイザーに通知が届く
  3. キャリアアドバイザーがコメントを読み、候補者に伝える理由を考える
  4. 過去に送った通知文を探して、似たものを下敷きにする
  5. 選考の段階(書類・一次面接・最終面接)に合わせて言い回しを直す
  6. コメントに気になる言葉があれば、企業担当に聞く(気づいたときだけ)
  7. 候補者にメールかチャットで送る

(a)1通ずつ書くのに時間がかかる。 書類選考の見送りは短い文で足りますが、最終面接まで進んだ候補者には、何度も面接に来た手間に見合う文が要ります。下敷きを探し、段階に合わせて直すのに、1通あたり10分以上かかることもあります。

(b)理由の伝え方が担当者ごとに違う。 ある担当は「スキルが足りなかった」と言い切り、ある担当は理由を一切書きません。同じ企業の同じ理由でも、担当によって候補者が受け取る文がまったく違います。

(c)企業のコメントをそのまま転送してしまう。 忙しい日は、コメントの欄を写して送ってしまうことがあります。「ご年齢的に」「お子様がいらっしゃるので」のような言葉がそのまま候補者に届けば、候補者を傷つけ、紹介会社と企業の両方の信用を損ないます。

(d)確かめるべきコメントが上がってこない。 6番目は、キャリアアドバイザーが気づいたときだけ行われます。企業の選考の判断に年齢や家族の事情がかかわっているかもしれないことが、社内で共有されないまま次の推薦が続きます。

(e)理由のあいまいなコメントが、そのまま候補者の迷いになる。 「今回はご縁がなかった」「総合的に判断」だけのコメントを受けて、キャリアアドバイザーが理由を推し量って書くことがあります。推し量った理由は、次の応募の準備を誤った方向に向けます。 企業担当に具体的に聞けば分かることも、聞く手間が惜しまれて聞かれません。

  1. 【人】 企業担当が見送りの連絡を受け、推薦管理のソフトに結果とコメントを入れる
  2. 【人】 キャリアアドバイザーが、ChatGPT の「不採用の通知文」プロジェクトで新しいチャットを開き、選考の段階とコメントを貼る。候補者と企業の名前は印に置き換える
  3. 【自動】 プロジェクトの指示に従い、ChatGPT がコメントを文ごとに区分に分ける
  4. 【自動】 伝えてよい理由だけを使い、段階に合った通知文の下書きを作る
  5. 【自動】 社内で確かめるべきコメントがあれば、上げる一覧を作る
  6. 【人】 キャリアアドバイザーが区分と下書きを確かめ、印を名前に戻して整える
  7. 【人】 上げる一覧が出たものは、企業担当と管理者に回す
  8. 【人】 候補者に送る

3番目の区分けが、この構成の分かれ目です。 コメントを読んで「何を伝えるか」を考える作業が、区分の候補を確かめる作業に変わります。担当者が手引きを読み込んでいなくても、手引きに沿った区分の候補から始められます。

7番目は必ず人が回します。 企業の選考にかかわる確かめは、企業担当と企業との関係の中で行うことで、ChatGPT が企業への問い合わせ文まで作ることはしません。

02今回想定するシステム構成

構成図
推薦管理のソフト(見送りの結果と、企業の理由のコメント)
   │  キャリアアドバイザーが段階・コメント・伝え方の希望を写す(名前は〔候補者〕〔企業〕に)
   ▼【トリガー】見送りの通知がキャリアアドバイザーに届いたとき
ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト「不採用の通知文」)
   │  プロジェクトの指示:区分の決まり、通知文の型、してはいけないこと
   │  Sources:不採用の伝え方の手引き、段階ごとの通知文の型、言い回しの決まり
   ├──▶ コメントの区分表(文ごとに区分と理由)
   ├──▶ 通知文の下書き(段階の型に沿って)
   └──▶ 社内で確かめる一覧(該当があるときだけ)
   ▼
【キャリアアドバイザーが確かめて送る】/【確かめる一覧 → 企業担当と管理者】
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能)Claude、Gemini、Microsoft Copilot
管理推薦と選考の進み具合を管理するソフト共有の表計算
送信メール、候補者との連絡用のチャットのアプリ推薦管理のソフトのメッセージ機能

新しく足すのは、ChatGPT の業務用ワークスペースと、その中のプロジェクトだけです。 推薦管理のソフトと、候補者への送り方は変えません。コメントを読み分ける工程と、通知文を書く工程を、プロジェクトに移します。

プロジェクトは、チャット・ファイル・指示をまとめて置く機能です。 公式の案内では、プロジェクトの指示はそのプロジェクトのチャット全体に適用され、Sources の欄にアップロードしたファイルはプロジェクトのチャットで使えるとされています。手引きと通知文の型を Sources に置けば、12名のキャリアアドバイザーが、同じ手引きに沿った区分と下書きを受け取れます。

業務用のワークスペースを選ぶのは、候補者の選考の情報を扱うためです。 公式の案内では、Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータは既定でモデルの学習に使われないとされています。個人情報保護委員会の注意喚起も、個人データを含むプロンプトを入れる場合は、提供者がその個人データを機械学習に使わないことなどを十分に確かめるよう求めています。この構成では、名前を印に置き換えたうえで、業務用のワークスペースを使います。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

見送りの通知がキャリアアドバイザーに届いた時点を起点にします。 候補者は結果を待っています。書類選考の見送りは当日中、面接の見送りは翌営業日までに伝えるのを目安にし、通知が届いたらその日のうちにチャットに貼ります。

同じ候補者に複数の見送りが同じ日に届くことがあります。 そのときは、1社ごとにチャットを分けます。 2社のコメントを1つのチャットに貼ると、A社の理由がB社の通知文に混ざるおそれがあります。

企業担当がコメントを入れ直したときは、通知文を作り直します。 企業から「先ほどの理由を訂正したい」と連絡が来ることがあるためです。送る前であれば、新しいコメントで作り直し、古い下書きは使いません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
選考の段階書類選考/一次面接/二次面接/最終面接推薦管理のソフト
企業の理由のコメント企業が書いた見送りの理由。文のまま推薦管理のソフト
求人の要件の要点必須の経験とスキル(3〜5行)推薦管理のソフトの求人の欄
候補者の希望と状況次の提案を望むか、ほかの選考の進み具合キャリアアドバイザーのメモ
不採用の伝え方の手引き伝えてよい理由の範囲、伝えない理由、上げる基準Sources
段階ごとの通知文の型書類・面接・最終それぞれの構成と字数の目安Sources
言い回しの決まり使う言い回し、使わない言い回し、敬語の決まりSources

質を決めるのは、不採用の伝え方の手引きです。 手引きには、どんな理由なら候補者に伝えてよいかを書きます。その土台にするのが、厚生労働省の公正な採用選考の考え方です。

厚生労働省の公正な採用選考の基本は、2つの点に立っています。 応募者の基本的人権を尊重すること、そして応募者の適性・能力に基づいた基準により行うことです。採用選考は「応募者が、求人職種の職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうか」という基準で行う必要があり、本籍地や家族の職業など本人に責任の無い事項や、宗教や支持政党など本来自由であるべき事項は、採用基準にしないことが必要とされています。

年齢についても、法令の決まりがあります。 厚生労働省のページでは、労働施策総合推進法が事業主に募集・採用で年齢を理由とした制限を設けることを禁じており、書類選考や面接で年齢を基準に採否を判断することも法の規定に反するとされています(例外の事由は別に定められています)。

区分何が当たるか通知文での扱い
ability求人の要件にかかわる経験・スキル・資格の不足手引きの言い回しで伝えてよい
comparisonほかの候補者との比較で決まった「総合的に検討した結果」に一般化して伝える
position募集の停止、採用の人数の充足、要件の変更「募集の状況により」と伝える
vague「雰囲気が合わない」「社風に合わない」など中身が分からないそのままは伝えない。企業担当に具体的に聞く
unrelated年齢・性別・家族・出身地・宗教など、適性と能力に関係の無い事項伝えない。社内で確かめる一覧に上げる
personal人柄を否定する言葉、外見への言及伝えない。企業担当に伝える
Step3

データの取得方法を決める

プロジェクトの Sources に、3つのファイルを置きます。 不採用の伝え方の手引き、段階ごとの通知文の型、言い回しの決まりです。

ファイル形更新の頻度
不採用の伝え方の手引き文書(区分の決まり、上げる基準、手引きの根拠)半年に一度、または法令の改正のとき
段階ごとの通知文の型文書(段階ごとの構成、字数の目安、文例)四半期に一度
言い回しの決まり表(使う言い回し|使わない言い回し|理由)候補者から指摘があったとき

企業のコメントと段階は、Sources ではなくチャットに貼ります。 公式の案内では、チャットに添付するのはそのチャットだけに使うファイルで、Sources のファイルはプロジェクトのチャット全体で使えるとされています。候補者ごとの情報をチャットに、全員に共通の決まりを Sources に置くことで、ほかの候補者の選考の情報が混ざるのを防ぎます。

推薦管理のソフトからは、決まった欄だけを写します。 段階、コメント、求人の要件の要点の3つです。候補者の職務経歴書や面接の評価表の全文は貼りません。 通知文を書くのに要るのは、企業が書いた理由と、それが求人の要件にかかわるかどうかを判断する材料だけです。

企業担当には、コメントを推薦管理のソフトに入れるときの決まりを1つだけ頼みます。 企業から届いた文を要約せず、届いたままの文で入れることです。企業担当が電話で聞いた理由を書き留める場合も、聞いた言葉のまま書きます。企業担当の段階で丸められると、キャリアアドバイザーが前処理の決まりを守っても、元の言葉は戻りません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 名前を印に置き換える … 候補者の氏名は〔候補者〕、企業名は〔企業〕、面接官の名前は〔面接官〕にします
  2. コメントは言い換えずにそのまま貼る … 企業が書いた言葉のまま貼ります。キャリアアドバイザーが丸めると、unrelated が見えなくなります
  3. 求人の要件の要点を添える … 「法人営業の経験3年以上」「英語で会議ができること」など。ability かどうかを判断する材料です
  4. 候補者の希望を1行で書く … 「同じ業界で次を探したい」「しばらく選考を止めたい」など。通知文の最後の一文を決める材料です
  5. コメントが無い見送りは、その旨を書く … 「理由のコメントなし」と書けば、理由を書かない型を使わせます

2番目が、この構成でいちばん大事な前処理です。 「ご年齢的に厳しい」を、キャリアアドバイザーが気をきかせて「ご経験とのバランスで」と書き換えて貼ると、ChatGPT はそれを ability と区分し、社内で確かめる一覧に上がりません。 第3章の(d)が、前処理の段階で起きてしまいます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、コメントの区分け、通知文の下書き、社内で確かめる一覧の3つです。

させること中身
コメントの区分け文ごとに区分の候補と、そう判断した理由(求人の要件のどれにかかわるか)
通知文の下書き段階の型に沿って、ability comparison position の理由だけを使う
社内で確かめる一覧unrelated personal vague の文と、確かめる相手(企業担当/管理者)
言い回しの照合下書きに「使わない言い回し」が入っていないか
させないこと理由
企業のコメントを引用する企業の言葉を候補者に渡さない。手引きの言い回しに置き換える
unrelated の内容を、言い換えて通知文に入れる「ご経験とのバランス」などに丸めて伝えない
コメントに無い理由を足す「面接での受け答えが」などを推し量って書かない
企業の判断が適法かを書く判断は企業担当と管理者が行う
次の求人を具体的に約束する次の提案はキャリアアドバイザーが決める

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 「若い方を希望されていた」を伝えないように指示すると、「長く活躍いただける方を」と言い換えて通知文に入れてきます。 言い換えても、年齢を理由にしたことを候補者に伝える文です。unrelated の文は、通知文に一切使わないと書きます。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示(全チャットに適用):

あなたは人材紹介会社のキャリアアドバイザーで、求人企業から届いた
選考の見送りの連絡を、候補者に伝える通知文の下書きを作る担当です。

【使うもの】
- Sources の「不採用の伝え方の手引き」の区分の決まりに従ってください。
- Sources の「段階ごとの通知文の型」から、チャットに書かれた段階の型を使ってください。
- Sources の「言い回しの決まり」の「使わない言い回し」を使わないでください。

【作るもの(この順で)】
1. コメントの区分表:文|区分|理由(求人の要件のどれにかかわるか)
   区分は ability / comparison / position / vague / unrelated / personal のいずれかです。
2. 通知文の下書き(段階の型に沿って)
3. 社内で確かめる一覧:文|区分|確かめる相手(企業担当/管理者)
4. 言い回しの照合:下書きの箇所|当たった「使わない言い回し」(無ければ「該当なし」)

【厳守事項】
- 通知文に使ってよい理由は ability / comparison / position の文だけです。
- unrelated / personal / vague の文は、言い換えても通知文に入れないでください。
  「長く活躍いただける方」「ご経験とのバランス」のような言い換えも禁止です。
- 企業のコメントを引用しないでください。手引きの言い回しに置き換えてください。
- コメントに無い理由を足さないでください。
- 年齢・性別・家族・出身地・宗教・支持政党・健康・容姿に触れた文は、
  必ず unrelated か personal にし、管理者を確かめる相手に入れてください。
- 企業の判断が適法かどうかを書かないでください。
- 〔候補者〕〔企業〕などの印はそのまま残してください。
- 次の求人の紹介を約束しないでください。候補者の希望の欄に沿った一文までにしてください。

チャットごとに貼る文:

段階:一次面接
求人の要件の要点:法人営業の経験3年以上/既存顧客の深耕の実績/普通自動車免許
企業のコメント:
「法人営業の経験は十分だが、既存顧客の深耕の具体例が少なかった。
 また、小さいお子様がいらっしゃるとのことで、出張の多い当ポジションは難しいと判断。」
候補者の希望:同じ業界で次の求人を見たい

「言い換えも禁止」を例の言葉付きで書いているのは、禁止だけでは言い換えてくるからです。 「伝えない」と書くと、ChatGPT は伝えないための丸めた表現を探します。丸めた表現の例を挙げて禁じることで、その文を通知文から外させます。

確かめる相手を「管理者」に固定しているのも意図してのことです。 unrelated の文は、企業の選考の判断にかかわります。キャリアアドバイザーと企業担当だけで片づけると、同じ企業で同じことが続いても会社として気づけません。

Step7

出力形式を固定する

区分表・下書き・一覧を、決まった順と列で受け取ります。

【1. コメントの区分表】
文|区分|理由
法人営業の経験は十分だが、既存顧客の深耕の具体例が少なかった|ability|要件「既存顧客の深耕の実績」
小さいお子様がいらっしゃるとのことで、出張の多い当ポジションは難しいと判断|unrelated|家族の状況に触れている

【2. 通知文の下書き(一次面接)】
〔候補者〕様
先日は〔企業〕の一次面接にお越しいただき、ありがとうございました。
選考の結果、誠に残念ながら、今回はご縁がなかったとのご連絡をいただきました。
〔企業〕からは、法人営業のご経験を評価いただいた一方で、
既存のお客様との取引を広げてこられたご経験について、
より具体的なお話を伺いたかったとのことでした。
同じ業界の求人について、改めてご案内させていただきます。

【3. 社内で確かめる一覧】
文|区分|確かめる相手
小さいお子様がいらっしゃるとのことで…|unrelated|企業担当/管理者

【4. 言い回しの照合】
該当なし

表に分ける理由は3つあります。

1つ目は、区分を人が確かめられることです。 下書きだけを見ると、どのコメントを使い、どれを外したかが分かりません。区分表があれば、キャリアアドバイザーは「この文を ability としてよいか」だけを確かめればよくなります。

2つ目は、社内で確かめる一覧がそのまま回せることです。 一覧の行を企業担当と管理者に渡せば、どの企業のどの選考で、どんなコメントがあったかが記録として残ります。

3つ目は、件数で企業ごとの傾向が見えることです。 企業ごとに unrelated と vague の件数を数えると、コメントの書き方を企業と話し合うべき相手が分かります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
推薦管理のソフトキャリアアドバイザーが決まった欄を写す段階・コメント・求人の要件の要点
ChatGPT のプロジェクト画面の操作区分表・下書き・一覧を受け取る
推薦管理のソフトキャリアアドバイザーが送った通知文を記録の欄に貼る候補者に伝えた内容を残す
社内のチャット一覧の行を企業担当と管理者に送る確かめる依頼
メール・候補者との連絡のアプリキャリアアドバイザーの送信通知文を送る

どこにも自動では書き込みません。 候補者に送るのは、人が確かめた文だけです。社内で確かめる一覧も、人が送ります。

Step9

人が確認する

  1. 区分表を確かめる … 特に ability と出た文が、本当に求人の要件にかかわるかを見ます
  2. 下書きを確かめる … 区分表で外した文の中身が、言い換えて入っていないかを読みます
  3. 名前と敬称を戻す … 〔候補者〕〔企業〕を戻し、候補者との関係に合わせて言い回しを整えます
  4. 一覧が出たものを回す … 企業担当と管理者に送り、候補者への通知は先に送ってよいかを決めます
  5. 送る

4番目の「先に送ってよいか」は、候補者を待たせすぎないための判断です。 一覧が出ても、候補者に伝える通知文からはその文を外してあるので、多くの場合、通知文は先に送れます。 ただし、企業担当が「企業から理由を訂正してもらう」と判断した件は、訂正を待ってから送ります。待つ場合は、候補者に「結果は届いたので、近く改めてご連絡します」と一言入れておきます。

2番目を省かないでください。 指示で禁じても、言い換えは入りえます。区分表で unrelated になった文を思い浮かべながら、下書きを読みます。

目標は、1件6分です。 区分表の確認に2分、下書きの確認と整えに3分、送信に1分を見込みます。一覧が出た件は、回す分だけ長くなります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
理由のコメントが無い理由を書かない型を使う
コメントがすべて vague企業担当に具体的に聞く。返事を待つ間は、理由を書かない型で先に伝えるかを決める
unrelated が出た通知文から外し、企業担当と管理者に回す
候補者から理由を詳しく聞かれた通知文に書いた範囲で答える。それ以上は企業担当と相談してから
企業がコメントを訂正してきた送る前なら作り直す。送った後なら企業担当と相談する
最終面接の見送りで、候補者が強く期待していた下書きを使わず、電話で伝えてから文を送るかを決める
ChatGPT が区分を決めかねた文区分表に「判断できず」と出させ、キャリアアドバイザーが決める
コメントが英語など外国語で届いた企業担当が訳を添えて入れる。訳だけで区分せず、原文も並べて貼る
候補者が選考を辞退した後に見送りが届いた通知文は作らず、推薦管理のソフトの記録だけを直す

最終面接の見送りを下書きに頼らないこともある、と決めておくのは、伝え方の判断が文面より大きいからです。 何度も面接に通った候補者には、まず声で伝えるほうが良い場合があります。 その判断はキャリアアドバイザーが行います。

Step11

記録を残す

  • 推薦ごとに、送った通知文(推薦管理のソフトの記録の欄に貼る)
  • 区分表と、キャリアアドバイザーが区分を直した記録
  • 社内で確かめる一覧と、その後の対応(企業に確かめた日、企業の返事、会社としての判断)
  • 手引き・型・言い回しの決まりの変更の記録

3つ目は、管理者の責任で残します。 同じ企業で unrelated が繰り返されたかどうかは、この記録が無いと誰にも分かりません。

チャットそのものは残しません。 送った通知文は推薦管理のソフトにあるので、チャットは会社で決めた日数が過ぎたら消します。公式の案内では、削除したチャットは一般に30日以内に完全削除の予定に入るとされています。

04実装レベルの3段階

最小構成:見送りごとに決まった欄を写してプロジェクトに貼り、区分表と下書きを受け取る / 区分の候補と下書き
半自動化:上記+推薦管理のソフトから書き出した表で名前を印に置き換え、1日分をまとめて貼る / 写しと置き換えの手間
本格構成:上記+推薦管理のソフトから API で段階とコメントを渡し、下書きと一覧を記録の欄に返す / 下書きの自動の用意と、一覧の自動の記録

本記事の想定は最小構成です。 1件15分が6分になるのはこの段階で、コメントを読んで考える①と、下敷きを探して書く②の大半がなくなるためです。 半自動化は、名前の置き換えを人の手に頼らないための段階です。 1日に何十件も貼ると、置き換え忘れが出ます。置き換えを表計算の式で行えば、渡す情報の管理が人の注意に頼らなくなります。 本格構成で API を使うなら、推薦管理のソフトの連携の仕様と、使うサービスのデータの扱いを確かめてからにします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
12 名
月間件数
400 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
6 分
現在  400件 × 15分 ÷ 60 = 100 時間/月
導入後 400件 × 6分 ÷ 60 = 40 時間/月
月間削減時間
60h
削減率
60%
年間削減時間
720h
年間金額換算(時間単価3,500円)
252万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用の人材紹介を行い、求人企業から届く見送りの連絡を候補者に伝える件数が毎月数百件ある会社。見送りの理由を候補者にどこまで、どう伝えるかがキャリアアドバイザーごとに違い、企業のコメントをほぼそのまま転送してしまうことがある場合。企業のコメントに、職務の適性や能力と関係の無い事項が書かれてきたときの扱いが決まっていない場合。派遣会社の登録スタッフへの案件の見送りの連絡にも同じ形で使える。
向いていない
  1. 見送りの連絡が月に数十件で、キャリアアドバイザーが1通ずつ時間をかけて書ける場合。見送りの理由を一切伝えない方針で、定型文1つで足りている場合。業務用の生成AIのワークスペースを契約できず、選考の情報を個人のアカウントに貼ることになる場合。なお、求人企業の選考の判断が適法かどうかの判断と、企業への是正の求め方は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の見送りの連絡から30件を選ぶ(書類・一次・最終を混ぜ、コメントの長いものと短いものを入れる)
  2. 不採用の伝え方の手引きから、区分の決まりと上げる基準を1枚にまとめる
  3. ChatGPT のプロジェクトを作り、手引き・型・言い回しの決まりを Sources に置き、第7章の指示を入れる
  4. 30件の段階とコメントを、名前を伏せて貼り、出てきた区分表と下書きを当時送った通知文と見比べる
  5. 区分表を、手引きをよく知るキャリアアドバイザーと管理者が採点する
出てきた内容判断
区分が手引きに沿い、下書きが当時の通知文と同じかそれ以上12名で使い始める
当時転送されていたコメントが unrelated に区分された当時の見落とし。 構成は有効
unrelated の文が言い換えて下書きに入った禁止の例を指示に足す
vague が多すぎる手引きの vague の例を絞る

2行目が出たら、それがいちばんの収穫です。 当時は誰も上げなかったコメントが、区分表に並べると見えるということです。管理者が企業担当と、その企業とのやり取りを見直す材料になります。

採点では、区分の正しさと下書きの出来を分けて見ます。 区分が合っていれば、下書きの言い回しは型と決まりを直すことで整います。区分が外れる場合は、手引きの区分の書き方が足りていないので、例を足して手引きのほうを直します。30件のうち区分の外れが何件あったかを数え、手引きを直した後に同じ30件で外れが減るかを確かめてから、12名に広げます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
unrelated の文を言い換えて下書きに入れる言い換えの例を挙げて禁じ、人が下書きを読む
キャリアアドバイザーがコメントを丸めて貼るコメントは言い換えずにそのまま貼ると決める
企業のコメントを引用した下書きになる引用を禁じ、手引きの言い回しに置き換えさせる
コメントに無い理由を足す指示で禁じ、区分表とコメントを見比べる
vague が多すぎて企業担当の負担になる手引きの vague の例を絞り、企業にコメントの書き方を頼む
2社のコメントが混ざる1社1チャットにする
名前を書いたまま貼る半自動化で置き換えを式にする
一覧が出ても誰も動かない管理者が受け取り、対応を記録する手順を先に決める
区分表を企業の判断の適否として扱う区分は通知文の伝え方の区分。適否の判断は管理者が行う

上の2行が、この構成の要です。 1行目は ChatGPT の側の、2行目は人の側の丸めです。どちらが起きても、伝えてはいけない理由が見えなくなります。

最後の行も、早いうちに社内で共有してください。 unrelated と区分されたからといって、企業の判断が違法だと決まるわけではありません。通知文に使わない文を分けているだけで、企業への確かめはその後の人の仕事です。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 選考の段階、企業の理由のコメント、求人の要件の要点、候補者の希望です。氏名・企業名は渡しません。 ただし、企業のコメントには候補者の家族や健康にかかわる内容が書かれていることがあり、気をつけて扱うべき情報がチャットに入りうる構成です。

  1. 業務用のワークスペースを使う … 公式の案内では、Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータは既定でモデルの学習に使われず、通信中も保存時も暗号化されるとされています。選考の情報を個人のアカウントに貼らないでください
  2. 個人情報保護委員会の注意喚起に沿う … 個人情報を含むプロンプトを入れる場合は、特定した利用目的の範囲内であることを十分に確かめるよう求められています。候補者に選考の結果を伝えるという目的に要る欄だけを貼ります
  3. 職務経歴書や評価表の全文を貼らない … 通知文に要るのは、企業の理由のコメントと求人の要件の要点だけです
  4. 企業の判断の適否をAIに決めさせない … unrelated の区分は、通知文に使わない文を分けるためのものです。企業への確かめと会社としての判断は、管理者が行います
  5. 社会的差別の原因となるおそれのある情報を広げない … 厚生労働省のページは、職業安定法と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないとしています。企業のコメントにそうした情報があっても、通知文にも社内の一覧にも、必要以上に書き写しません
  6. チャットを決めた日数で消す … 送った通知文は推薦管理のソフトに残るので、チャットに選考の情報を貯めておく理由はありません

誤りが起きた場合のリスクは、伝えてはいけない理由が候補者に届くことと、確かめるべきコメントが社内で埋もれることの2つです。 前者は区分表と人の読み返しで、後者は一覧と管理者の受け取りで防ぎます。送信と社内への上げを自動にしない理由は、ここにあります。

10まず何から始めるか

1週目:手引きを区分の決まりの形に直す

不採用の伝え方の手引きを、ability から personal までの6区分の決まりに書き直します。unrelated に何が当たるかは、厚生労働省の公正な採用選考の考え方と、年齢制限の禁止のページを土台にします。 上げた後に誰が何をするかも、管理者と決めます。

2週目:型と言い回しの決まりを整える

書類・面接・最終の3つの段階ごとに、通知文の型を1つずつ作ります。過去の通知文から好評だったものを選び、使う言い回しと使わない言い回しの表にします。

3週目:先月の30件で試す

プロジェクトを作り、先月の30件で区分表と下書きを作らせます。手引きをよく知るキャリアアドバイザーと管理者が区分を採点し、言い換えて入った文が無いかを最優先で見ます。

4週目:書類選考の見送りから使い始める

文が短く、区分も単純な書類選考の見送りから使い始め、慣れたら面接の見送りに広げます。

2か月目: 企業ごとに unrelated と vague の件数を数え、企業担当がコメントの書き方を企業と話し合います。3か月目以降: 1件あたりの時間を実測し、名前の置き換え忘れが続くなら半自動化に進みます。すべての見送りが区分表を通り、企業のコメントがそのまま候補者に届くことがなくなり、確かめるべきコメントが毎月管理者のもとに集まるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-15/最終更新:2026-10-23
確認した内容情報源確認日
プロジェクトの指示がプロジェクトのチャット全体に適用されること。Sources にアップロードしたファイルがプロジェクトのチャットで使えること。チャットに添付するのはそのチャットだけに使うファイルであることChatGPT ドキュメント: Projects2026-10-15
Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータが既定で学習に使われないこと。通信中・保存時に暗号化されること。削除したチャットが一般に30日以内に完全削除の予定に入ることChatGPT ドキュメント: Work cloud security2026-10-15
公正な採用選考の基本が、応募者の基本的人権の尊重と、適性・能力に基づいた基準による選考であること。本籍地や家族の職業など本人に責任の無い事項、宗教や支持政党など本来自由であるべき事項を採用基準にしないこと。職業安定法第5条の5と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないこと厚生労働省: 公正な採用選考の基本2026-10-15
労働施策総合推進法が事業主に募集・採用で年齢を理由とした制限を設けることを禁じ、平成19年の改正で義務化されたこと。書類選考や面接で年齢を基準に採否を判断することも法の規定に反すること厚生労働省: 募集・採用における年齢制限禁止について2026-10-15
個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを入れる場合は利用目的の達成に必要な範囲内か十分に確かめること。提供者が個人データを機械学習に使わないこと等を十分に確かめること(令和5年6月2日)個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(PDF)2026-10-15

求人企業の選考の判断が適法かどうかは、管理者が専門家と確かめてください。 本記事は厚生労働省のページで確認できた範囲だけを、伝え方の区分の土台として使っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-1684)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次