LEGALFLYで契約書を伏せる3段階|AIに渡す前の線引き

LEGALFLYで契約書を伏せる3段階|AIに渡す前の線引き

「契約書をAIに読ませてよいかは、そのAIが学習に使わない設定かどうかで決まるのでは」「取引先の社名や金額を消してから渡せと言われたが、どこまで消せばよいのか分からない」——法務の担当者や、契約を扱う事業部門からよく聞く声です。生成AIの利用規程を作った会社ほど、学習の設定を確かめれば話は終わると考えがちです。ところが実際には、社名や金額や人の名前を伏せてからAIに渡す設計の製品が出てきています。問いは学習の有無ではありません。本当は、何を伏せ、伏せたままで何が判断でき、誰が元に戻せるかを決めることです。この記事では、欧州の法務向けAI「LEGALFLY」を例に、契約書をAIに渡す前の線引きを3段階で整理します。


カメ先生カメ先生

契約書をAIに渡すかどうかは、学習に使われるかで決まると思われがちなんだ。でも本当は、渡す前に何を伏せるかという設計の問題が残っているんだよ。


カメ子カメ子

学習に使わない設定でも、社名や金額はそのまま相手のサーバーに渡るということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから伏せてから渡す仕組みが出てきた。ただ、伏せすぎると判断ができなくなるし、伏せたものを元に戻せる人が誰かも決めないといけないんだ。


カメ子カメ子

伏せる、判断する、戻す、の3つを別々に決めるんですね。


この記事のポイント
  • LEGALFLY は、契約書を解析の前に匿名化することを売りにする、ベルギー発の企業の法務部門向けAI(2026年10月時点)
  • 決めることは3段階。伏せる項目、伏せたまま確かめられることの範囲、元に戻す権限と記録
  • 2026年6月に法務以外の部門向けの利用枠が加わった。部門に使わせるなら、法務に戻す条件を先に決める

AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

LEGALFLYは何をする製品か

LEGALFLY は、企業の中の法務部門を主な利用者にした法務向けAIの基盤です。2026年10月時点の公式サイトでは、法務への依頼の受付、契約書の確認と交渉、文書の起案、買収などの際の一括の文書確認、法令の調査と助言、法改正の見張りといった仕事を、ひとつの基盤の上で進める「法務の業務基盤」と自らを説明しています。

部品としては、法令の調査に答える Discovery、契約書を自社の基準に照らして確かめる Review、複数の文書をまとめて確かめる部品、独自のエージェントを組み立てる Agent Studio などが並びます。自社の交渉の基準を書いた Playbooks を当てると、条項ごとの理由付きの修正案が文書の中に示される、という作りです。

この製品が他の法務向けAIと比べて前に出しているのが、解析の前に文書を匿名化することです。公式サイトは、文書を解析にかける前に匿名化する唯一の法務向けAIだと打ち出しています。「唯一」かどうかは提供元の主張ですが、少なくとも伏せる工程を製品の中心に置いていることは、公式の説明から読み取れます。

2026年の更新では、文書の中の図や表を読み取る機能、Agent Studio で作った手順を社内で共有するときに閲覧と編集の権限を分ける設定、確認の結果をワードやエクセル、パワーポイントの形で出す機能などが公式ブログで告知されています。契約書のレビューの手順そのものは別の記事「契約書のレビューはAIに任せきれない」で扱っているので、ここでは伏せる設計に絞ります。

どんな会社が作っていて、なぜ国内で知られていないか

公式サイトのフッターには、ベルギーのヘント、英国のロンドン、アラブ首長国連邦のドバイの3つの拠点が載っています。「欧州で作られた」と自ら書いており、利用先として紹介されているのも、銀行、保険、運輸、技術、専門サービスといった欧州の大企業が中心です。

国内でまだ知られていない理由は、確かめた範囲で3つあります。画面と資料が英語とドイツ語であること、法令の知識として収録している法域が欧州・英国・中東から広がっている途中であること、そして料金が公開されておらず商談で決まる形であることです。日本語の画面や、日本の法令の知識への対応は、公式の資料では確かめられませんでした(2026年10月時点)。

それでもこの製品を取り上げるのは、伏せてから渡すという設計が、国内の会社が契約書をAIに読ませるときに必ず立つ問いを、はっきり形にしているからです。製品を入れるかどうかに関係なく、同じ問いは国内の道具でも立つので、ここで整理しておく意味があります。

なお、この記事は弁護士の助言に代わるものではありません。AIが契約書の何を確かめてよいかという法律上の論点、たとえば弁護士法72条との関係は、別の記事で事業者向けの整理を紹介しています。ここで扱うのは、社内の情報をどう伏せてAIに渡すかという、情報管理の側の線引きです。

「学習に使わない」だけでは決まらない理由

生成AIの利用規程でまず確かめるのは、入力した内容が提供元のモデルの学習に使われるかどうかです。法人向けの契約なら学習に使わないのが普通になり、そこを確かめた時点で「契約書を入れてよい」と判断する会社は少なくありません。

ただ、学習に使われないことと、中身が相手のサーバーに渡らないことは別の話です。学習に使わない設定でも、契約書の全文は処理のために送られ、一定の期間は保存されることがあります。取引先の社名、取引の金額、担当者の名前、まだ公表していない案件名は、送られた時点で社外にあります。

契約書の場合、もう1つ事情が重なります。契約書の中身には、自社だけでなく相手方の秘密も含まれます。秘密保持の取り決めで、受け取った情報を第三者に渡すことを禁じていることも多く、AIの提供元がその「第三者」に当たるかどうかは、取り決めの書き方しだいです。自社の規程が許しても、相手との約束が許さない場面があるわけです。

だから、学習の設定に加えて、そもそも識別できる形で渡さないという設計が意味を持ちます。伏せてから渡せば、送られたものから社名や人を特定しにくくなります。その代わり、何を伏せるか、伏せたままで仕事になるか、という新しい問いが生まれます。以下の3段階は、その問いに順に答えていくためのものです。

LEGALFLYの伏せ方:解析の前に置き換える

公式の説明では、匿名化は文書をアップロードした時点、または開いた時点で始まり、確認、起案、比較といったすべての処理は伏せた後のデータの上で行われます。利用者が操作する必要はなく、裏で自動に動くとされています。

置き換えの対象として公式が挙げるのは、名前、役割、会社の詳細、識別子です。これらを仮の名前に置き換え、文脈と文書の構造は保つと説明しています。つまり「甲社」「乙社」のように誰かは分からないが、契約の中での立場や条項同士の関係は読める状態にしてから、AIに解析させる考え方です。対象は文字だけでなく、画像や手書きのメモにも及ぶとされます。

伏せる強さは固定ではありません。公式のよくある質問には、匿名化で必要な情報が隠れてしまう場合は、匿名化の強さを調整するか、特定の語を除外の一覧に入れて文脈を残せる、と書かれています。どの語を伏せずに残すかを、利用する側が決められるということです。

記録についても、匿名化の各工程は記録に残り、監査できるとされています。一方で、AIの答えを利用者に返すときに仮の名前を実名に戻すのか、戻すための対応表をどこに置き、誰が見られるのかは、公開ページでは確かめられませんでした。この点は3段目の「元に戻す権限」で、契約の前に確かめる項目として扱います。

置き場所の3つの形と、伏せる場所の違い

伏せる処理がどこで動くかは、選ぶ置き場所で変わります。公式のセキュリティのページは、提供の形を3つに分けて説明しています。表に整理すると、伏せる前の生のデータがどこまで届くかが違うことが分かります。

置き場所の形伏せる処理が動く場所生のデータの届く先向いている会社
クラウド型(共用)提供元の環境提供元の環境まで届き、そこで伏せられる速く始めたい、扱う契約の機密度が中程度
専用環境顧客ごとに隔離した提供元の環境(Azure の地域を選べる)自社専用の環境まで届くデータを置く地域を決めておきたい
専用環境と自社内の匿名化の部品自社の環境の中自社の外には伏せた後のデータだけが出る相手方との約束が厳しい、金融や保険など

3つ目の形について、公式は「機微なデータは自社の管理のもとで伏せられ、伏せた後のデータだけが専用環境とやり取りされる」と説明しています。識別できる形の契約書を自社の外に出さないなら、この形を選ぶことになります。ほかに、自社のクラウドに置く形や、完全に自社の設備に置く形にも対応するとされます(2026年10月時点)。

どの形を選んでも、伏せる処理そのものはAIの判定です。名前の見落としがゼロになるわけではありません。生のデータがどこまで届くかは置き場所で決まり、見落としがあったときに何が外に出るかも置き場所で決まります。置き場所の選択は、見落としが起きたときの損の大きさの選択でもあります。

このほか公式は、ISO 27001 と SOC 2 タイプ2の認証、年1回の第三者による侵入テスト、保存時と通信時の暗号化、Okta や Google Workspace などとのシングルサインオン、属性に基づく権限の設定を挙げています。学習への利用の有無や保存の期間の既定値は、公開ページで確かめられなかったので、契約の資料で確かめます。

契約書を伏せる3段階の全体像

ここからが本題の3段階です。道具が自動で伏せてくれる場合でも、社内で決めておくことは残ります。順番に並べると次のとおりです。

STEP1
伏せる項目を決める

契約書に出てくる情報のうち、識別できる形で外に出さないものを決める。道具の既定に任せきらず、自社の契約に固有の語を足し、伏せずに残す語も決める。

STEP2
伏せたまま確かめられることを分ける

伏せた状態でAIに任せてよい確認と、伏せると判断できなくなる確認を分ける。後者は人が原本で読む工程に回す。

STEP3
元に戻す権限と記録を決める

仮の名前を実名に戻せる人、戻す場面、戻した記録の残し方を決める。対応表の置き場所と保存の期間を提供元に確かめる。

3段階は、どれか1つだけでは役に立ちません。伏せる項目だけを決めても、伏せたせいで判断ができない確認をAIに任せていれば、誤った「問題なし」が出ます。元に戻す権限を決めていなければ、伏せたはずの情報が、戻せる人を経由して広がります。

また、3段階を決めるのは法務部門だけではありません。伏せる項目には情報セキュリティの部門、元に戻す権限には情報システムの部門、伏せたまま進める確認の範囲には契約を持つ事業部門が、それぞれ関わります。誰が何に署名するかを決めておくと、後の見直しが速くなります。

段階1:契約書に固有の、伏せる項目を決める

個人情報として伏せる項目の一般的な一覧は、勝っている別の記事「AIに渡す前に伏せる項目一覧」で整理しています。契約書の場合は、それに加えて、会社の秘密として伏せる項目を足す必要があります。人の名前や連絡先だけでは足りません。

契約書に固有の項目は、おおむね次のようなものです。相手方の社名と所在地、取引の金額と単価、案件名や製品の開発の呼び名、未公表の提携や買収の相手、担当者と署名者の名前、銀行口座の情報です。公式の説明が挙げる名前・役割・会社の詳細・識別子でどこまで拾えるかは、自社の契約書の実物で試して確かめるしかありません。

見落としやすいのが、社名を伏せても相手が分かってしまう書き方です。「当社が国内で唯一販売する○○の後継品」「本社を△△に置く業界最大手」のような説明が残っていると、名前を伏せても特定できます。案件の呼び名が社内でしか通じない語の場合、道具の側はそれが固有名詞だと気づかないこともあります。

項目を決めたら、道具の既定で伏せられるものと、自社で足さなければならないものに分けます。後者は、提供元に追加の設定ができるかを確かめます。追加できないなら、その語を含む契約書は3つ目の置き場所の形を選ぶか、その契約書だけはAIに渡さないと決めるかのどちらかです。

段階1の続き:伏せずに残す語を、誰が承認するか

伏せる項目を増やすほど、AIの答えの質は下がります。法令名、条文の番号、業界の標準の取引条件の呼び名まで伏せてしまうと、AIは何の契約かを読み取れません。公式が「除外の一覧で文脈を残せる」としているのは、この問題への答えです。

ただ、除外の一覧は、伏せる仕組みに穴を開ける設定でもあります。ある部署が「この製品名は伏せないでほしい」と頼み、そのまま一覧に入れると、他の部署の契約書でもその語は伏せられずに出ていきます。除外の一覧は全社の設定だと考えて、追加には承認を通します。

承認者は、法務部門と情報セキュリティの部門の2者にしておくと安全です。法務は判断に必要かどうかを、情報セキュリティは外に出してよいかを見ます。申請の理由と承認した日を記録し、半年に1度は一覧を見直して、使われていない語を外す運用にしておくと、一覧が膨らみ続けるのを防げます。

伏せる強さの調整も同じです。強さを下げれば、伏せる項目は減ります。部署ごとに強さを変えられるのか、全社で1つなのかは、公開ページでは確かめられませんでした。試用の段階で、変更の権限を持つ人が誰になるかを確かめておきます。

段階2:伏せたままで確かめられること

伏せた状態でもAIに任せやすいのは、文書の中だけで答えが出る確認です。たとえば、必要な条項が入っているか、自社のひな形と比べてどこが違うか、責任の上限が書かれているか、契約の期間と更新の書き方がどうなっているか、準拠法と裁判所の定めがあるか、といった確認です。

これらは、相手が誰であっても答えが変わりません。「甲社」が何という会社かを知らなくても、責任の上限が契約金額の何倍かは、条項の書き方だけで判断できます。LEGALFLY の Review が、自社の基準を当てて条項ごとに修正案を出すのは、こうした確認にあたります。

金額そのものを伏せた場合も、条項の構造は読めます。支払いの期日、遅延の利息の有無、値上げの条件があるかといった確認は、数字を伏せても成り立ちます。ただし「上限が金額の何倍か」を確かめるなら、伏せた後も数字同士の関係が保たれているかを試しておく必要があります。

伏せたままの確認をAIに任せる場合も、出力の形を決めます。指摘には条項の場所を必ず付けさせる、根拠のない「問題なし」は採用しない、という決まりです。2026年6月の更新では、修正案に付く説明文をAIの生成でなく決めた定型文にできる設定が加わっており、相手方に渡る文面を人が管理しやすくなっています。

段階2の続き:伏せると判断できなくなること

反対に、伏せると判断できなくなる確認があります。代表は、相手が誰かによって答えが変わる確認です。過去にこの相手とどんな条件で取引してきたか、相手が自社の競合やグループ会社に当たるか、相手の信用の状態はどうか、反社会的勢力の確認は済んでいるか。これらは社名を伏せた時点で、AIには答えようがありません。

金額の妥当性も同じです。相場と比べて高いか安いか、社内の決裁の基準を超えるかは、金額を伏せれば判断できません。社内の決裁の基準を知っているのは自社だけなので、伏せていなくても、AIに任せる確認ではないと考えるほうが安全です。

怖いのは、伏せたせいで判断できないことを、AIが「問題なし」と答えてしまう場面です。AIは伏せられた情報を見ていないので、見ていないことを理由に指摘を出さないかもしれません。指摘がないことは、確かめた結果ではなく、確かめられなかった結果の場合があります。

そこで、確認の項目を「伏せたままAIに任せる」「人が原本で読む」の2列に分けた一覧を作っておきます。後者の項目は、AIの確認が終わった後に必ず人が原本を開いて確かめる工程に置きます。この一覧が、次の段階の「元に戻す権限」を誰に与えるかの根拠にもなります。

段階3:元に戻す権限と記録を決める

伏せた情報は、どこかで元に戻す必要があります。AIの指摘を契約の交渉に使うとき、修正案を相手方に送るときには、仮の名前ではなく実名の文書が要るからです。問題は、誰が、どの場面で、どの範囲を戻せるかです。

元に戻すには、仮の名前と実名を結ぶ対応表が必要です。この対応表は、伏せる前の生のデータと同じくらい機微な情報です。対応表がどこに置かれ、どれだけの期間残り、誰が見られるのかは、LEGALFLY の公開ページでは確かめられませんでした。契約の前に提供元へ確かめる項目として、資料で回答をもらいます。

戻せる人は、その契約書を元々見てよい人に限るのが原則です。担当の法務部員と、その契約を持つ事業部門の担当者までに絞り、情報システムの管理者が業務の必要なく戻せる状態は避けます。戻した操作は、誰がいつどの文書で行ったかを記録します。公式は匿名化の工程が記録に残るとしていますが、戻す操作まで記録されるかは確かめる項目です。

日本の個人情報保護法との関係にも触れておきます。対応表を持っていて元に戻せる状態のデータは、伏せた後でも自社の中では個人情報として扱う前提で考えるのが安全です。匿名加工情報の制度との違いは「匿名加工情報はAI学習に使える?」で整理しているので、ここでは「伏せたから個人情報でなくなる」とは考えない、という点だけ押さえます。

法務以外の部門に使わせる線:Collaborator Access

LEGALFLY は2026年6月11日に、法務以外の部門に向けた利用枠 Collaborator Access を公式ブログで発表しました。調達、営業、人事、業務の部門の人が、法務部門が決めた枠の中で、法務の質問をしたり契約書のレビューを行ったりできるというものです。料金は法務部員向けの利用枠より安い月額とされています。

使い方の入口は、ワードとアウトルックのアドインです。メールや Slack、Teams から法務の手順を始められ、依頼と文書は担当者に振り分けられ、AIのレビューは決めた段で法務の承認に回ると説明されています。社内の方針を法務が1度入れておけば、部門の人はチャットで質問できる、という作りです。

この利用枠でも、機微なデータは既定で匿名化されるとされます。提供元は、部門の人が汎用の生成AIに法務の質問を投げて、法務を通らずに危うい判断をすることを防ぐ狙いも挙げています。保険会社などで、法務以外の部門がすでに使っている例が紹介されています。

部門に広げるときに変わるのは、伏せる設計を守る人の数です。法務部員なら除外の一覧の意味を知っていますが、部門の人は知りません。部門の人が伏せる強さを変えたり、除外の語を申請したりできる状態にするかどうかは、広げる前に法務が決めることです。前日に扱った、法務の相談窓口をAIに任せる記事(Flank)とは、受付ではなく伏せ方の側から見た話になります。

部門に任せる契約と、法務に戻す契約

部門に使わせる枠を作るなら、部門の中で完結してよい契約と、必ず法務に戻す契約を分けておきます。提供元の説明に出てくる例は、営業が秘密保持契約を法務を待たずに締める、経理が契約の条件に沿って動く、といった定型の場面です。

戻す条件は、契約の種類だけでなく、伏せたまま判断できるかで決めます。段階2で「人が原本で読む」に入れた確認を含む契約は、部門のAIのレビューで終わらせず、法務に戻します。相手がグループ会社か競合か、金額が決裁の基準を超えるか、といった確認がそれです。

  • 部門の人が、伏せる強さを下げて答えの質を上げようとする
  • 部門ごとに除外の語を足し、全社で伏せる項目が少しずつ減っていく
  • AIのレビューで指摘がなかったことを、法務の確認が済んだ印として扱う
  • 元に戻す権限を、部門の管理者に一括で渡してしまう
  • 法務への承認の段を設定せず、部門の中で署名まで進む

戻す条件を決めたら、AIの承認の段の設定と、社内の決裁の規程の両方に書きます。道具の設定だけにあると、道具を替えたときに条件が消えます。決裁の規程に書いた条件が正で、道具の設定はその写し、という関係にしておくと、監査で説明しやすくなります。

費用の増え方と、止め方

料金は公式サイトに公開されておらず、商談で決まる形です(2026年10月時点)。費用の増え方は、法務部員の利用枠の数、部門向けの利用枠の数、置き場所の形の3つで見ます。部門向けの枠は1人あたりは安くても、人数が増えやすいので、全社に広げる前に上限の人数を決めておきます。

置き場所の形も費用に効きます。自社の環境の中で伏せる部品を動かす形は、自社の側に運用の手間が残ります。部品の更新、障害時の対応、伏せる処理が止まったときに文書の送信も止まるのかどうかは、契約の前に確かめます。伏せる処理が止まったとき、伏せずに送る作りか、送らずに止まる作りかは、情報管理の上で大きな違いです。

止め方も決めておきます。解約したときに、伏せた後の文書、対応表、レビューの記録、Playbooks の設定を、自社が読める形で持ち出せるか。対応表と生のデータの削除は、いつまでに、どの形で証明してもらえるか。持ち出せないと、過去の契約の確認の根拠が手元に残りません。

部分的に止める手段もあると安全です。部門向けの枠だけを止める、特定の部品だけを止める、といった切り替えができるかを試用の段階で確かめます。問題が出たときに全部を止めずに済み、法務部門の仕事は続けられます。

よくある質問

伏せてから渡せば、秘密保持の取り決めの違反にはなりませんか

一概には言えません。取り決めが「第三者への開示」を何と定めているか、伏せた後の情報が「秘密情報」に当たるかで変わります。伏せ方と置き場所の形を、取り決めの文言に照らして法務が判断します。迷う契約は、3つ目の置き場所の形を選ぶか、AIに渡さないのが確実です。

日本語の契約書でも、同じように伏せられますか

日本語の契約書での伏せる精度は、公式の資料では確かめられませんでした。社名や人名の書き方、案件名の付け方は言語によって違うので、試用の段階で自社の日本語の契約書を使い、見落としの件数を数えてから判断してください。

伏せる処理の見落としは、どうやって見つけますか

全件を人が見るのは現実的ではないので、抜き取りで確かめます。月に数件、伏せた後の文書を人が読み、残っている社名や人名を数えます。1件でも見つかったら、除外の一覧と伏せる強さを見直します。数え方そのものは、伏せる項目の一般論を扱う別の記事が詳しいので、そちらも参考にしてください。

社員が汎用のAIに契約書を貼るのを止める方法は、別に要りますか

要ります。LEGALFLY は、使う人を法務向けの道具に寄せる手段であって、汎用のAIへの貼り付けを止める仕組みではありません。生成AIへの持ち出しの対策は、別の記事(Harmonic の記事)で扱っています。

まとめ

LEGALFLY は、契約書を解析の前に匿名化することを中心に置いた、ベルギー発の法務向けAIです。2026年6月には法務以外の部門向けの利用枠も加わり、伏せた状態で部門の人に契約を確かめさせる形を打ち出しています。ただ、道具が自動で伏せても、決めることは社内に残ります。契約書に固有の伏せる項目と、伏せずに残す語の承認。伏せたままAIに任せる確認と、人が原本で読む確認の区別。そして元に戻せる人と、その記録です。学習の設定を確かめた後に、この3段階を決めてから契約書を渡してください。

  • 製品の機能と提供状況は、LEGALFLY の公式サイト(匿名化、セキュリティのページ)と公式ブログ(2026年5月・6月の更新、6月11日の Collaborator Access の発表)を2026年10月22日に確かめた範囲に基づきます。導入の前に最新の原文と契約の資料で確かめてください
  • 元に戻す仕組み、対応表の置き場所、学習への利用と保存の期間の既定値、日本語への対応は、公開ページでは確かめられませんでした
  • 契約書の扱いと秘密保持の取り決めの解釈は、自社の法務の担当者と弁護士に確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次