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外国籍エンジニアの応募者から届く英文の語学スコアレポートを読み取り、試験日・スコア・有効期限を応募者台帳に転記して、募集要件の基準と有効期限切れを拾う

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

外国籍エンジニアの応募者から届く英文の語学スコアレポートを読み取り、試験日・各技能と総合のスコア・照会用の番号を応募者台帳に写します。職種の語学の基準と2年の目安に照らし、基準に届かないものと期限が切れるものを拾います。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
AIサービス
AWS Textract/Azure AI/Google Document AI
連携・自動化
Python
対象業界
IT・SaaS/人材/製造
対象部門
採用
対象業務
データ入力・転記/内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
読み取り(OCR)
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
75%
年間削減
360h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用管理の仕組みに応募が入ると、採用担当が添付のスコアレポートを開く
  2. 試験の種類(IELTS Academic、IELTS General Training、TOEFL iBT など)を見分ける
  3. 氏名、試験日、各技能のスコア、総合のスコア、照会用の番号を応募者台帳に写す
  4. 試験日から2年後の日付を数え、入社の予定時期に有効かを見る
  5. 応募した職種の基準と見比べ、基準に届かなければ台帳にメモする
  6. 読めない写真や期限の切れたレポートは、応募者に出し直しを頼むメールを書く
  7. 書類選考に進む応募者について、主催者の照会の仕組みでスコアを確かめる
導入後(After)
  1. 自動採用管理の仕組みに応募が入ると、添付のスコアレポートを受付フォルダへ書き出す
  2. 自動形式・ページ数・パスワードの有無と、画像の大きさを確かめる
  3. 自動OCRがキーと値、表、質問への答え(試験日・総合のスコア・番号など)を信頼度とともに返す
  4. 自動生成AIが試験の種類を見分け、読み取り結果を台帳の項目にそろえる
  5. 自動規則で、氏名の一致、物差し、有効期限、職種の基準を照らす
  6. 自動`meets` / `below_requirement` / `expired` / `expires_before_start` / `name_mismatch` / `unsupported` / `needs_human` を付けて台帳に書く
  7. 人採用担当が `meets` 以外のものを原本と並べて確かめ、出し直しの依頼を送るかを決める
  8. 人書類選考に進む応募者について、照会用の番号で主催者の照会の仕組みで確かめる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用管理の仕組みに応募が入ると、採用担当が添付のスコアレポートを開く
  2. 試験の種類(IELTS Academic、IELTS General Training、TOEFL iBT など)を見分ける
  3. 氏名、試験日、各技能のスコア、総合のスコア、照会用の番号を応募者台帳に写す
  4. 試験日から2年後の日付を数え、入社の予定時期に有効かを見る
  5. 応募した職種の基準と見比べ、基準に届かなければ台帳にメモする
  6. 読めない写真や期限の切れたレポートは、応募者に出し直しを頼むメールを書く
  7. 書類選考に進む応募者について、主催者の照会の仕組みでスコアを確かめる

(a)書式が試験ごとに違う。 IELTSの成績証明書とTOEFL iBTのスコアレポートでは、試験日・総合のスコア・番号の位置も名前も違います。どの数字が総合で、どれが技能別かを探すところから始まります。

(b)有効期限を数え違える。 4番は日付の引き算で、応募時には有効でも入社の予定日には切れるものを見落とします。内定の手続きの段階で気づくと、応募者に試験を受け直してもらう時間が残りません。

(c)物差しを取り違える。 2026年1月21日以降のTOEFL iBTは1〜6の物差しで、それより前は0〜120です。同じ月に両方のレポートが届き、「5.5」を見て基準の「90」と比べられずに手が止まります。

(d)応募の多い月に追いつかない。 海外の大学の卒業の時期や、募集の広告を出した直後は応募が集中します。写すだけで手いっぱいになり、7番の照会が後回しになります。

  1. 【自動】 採用管理の仕組みに応募が入ると、添付のスコアレポートを受付フォルダへ書き出す
  2. 【自動】 形式・ページ数・パスワードの有無と、画像の大きさを確かめる
  3. 【自動】 OCRがキーと値、表、質問への答え(試験日・総合のスコア・番号など)を信頼度とともに返す
  4. 【自動】 生成AIが試験の種類を見分け、読み取り結果を台帳の項目にそろえる
  5. 【自動】 規則で、氏名の一致、物差し、有効期限、職種の基準を照らす
  6. 【自動】 meets / below_requirement / expired / expires_before_start / name_mismatch / unsupported / needs_human を付けて台帳に書く
  7. 【人】 採用担当が meets 以外のものを原本と並べて確かめ、出し直しの依頼を送るかを決める
  8. 【人】 書類選考に進む応募者について、照会用の番号で主催者の照会の仕組みで確かめる

5番目を規則にしているのは、基準と期限の照らし方が決まっているからです。 AIには数字を写させるだけにし、基準に届くか、期限内かを判断させません。

6番目の結果で、応募者を自動で不採用にはしません。 below_requirement は「基準に届かないスコアのレポートが出ている」という事実です。別の試験のレポートを後から出す人や、基準を満たさなくても選考する職種があるため、合否は人が決めます。

02今回想定するシステム構成

構成図
応募フォームの添付(PDF・写真)
   ▼【トリガー】採用管理の仕組みへの応募の登録
AWS Lambda ── 添付を受付フォルダ(Amazon S3)へ書き出し、形式とサイズを確認
   ▼
AWS Textract(AnalyzeDocument:FORMS/TABLES/QUERIES)
   │   キーと値、表、質問への答え、信頼度
   ▼
Claude API ── 試験の種類を見分け、台帳の項目にそろえる
   ▼
Python ── 規則で照らす
   │   ① 氏名の一致  ② 物差しの切り替え  ③ 有効期限  ④ 職種の基準
   ▼
判定(meets / below_requirement / expired / expires_before_start / name_mismatch / unsupported / needs_human)
   ▼
応募者台帳 ──▶【採用担当が確認】──▶ 主催者の照会の仕組み(人が照会)
役割想定する製品代替候補
OCRAWS Textract(AnalyzeDocument)Azure AI Document Intelligence、Google Document AI
生成AIClaude API(試験の種類の見分けと、台帳の項目への整形)OpenAI API、Gemini API
差異計算Python(氏名・物差し・期限・基準の照合)採用管理の仕組みの条件の機能
連携AWS Lambda(応募の登録を起点に処理を動かす)AWS Step Functions
保管Amazon S3(スコアレポート、読み取り結果、照合の結果)社内のファイルサーバー

採用管理の仕組みと応募者台帳は、新しく足すものではありません。 応募の登録を知らせる方法と添付を取り出す方法は、採用管理の仕組みごとに違うため、利用環境に応じた個別の作りになります。 最初の準備は、職種ごとの語学の基準を、試験の種類と物差しごとに一覧にすることです。

OCRに AWS Textract を選ぶのは、スコアレポートが英文だからです。 対応言語は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語です。日本語の書類は読めないため、日本語能力試験の結果などはこの構成の外で扱います。 手書きの文字は英語だけが対象です。

使う機能は、文書の分析(AnalyzeDocument)です。 FORMS で「Test Date: 14/MAR/2026」のようなキーと値、TABLES で技能別のスコアの表、QUERIES で「What is the overall band score?」のような質問への答えが返ります。質問の検出は英語の文書だけが対象で、スコアレポートはこれに当たります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

採用管理の仕組みに応募が登録されたことを起点にします。 登録の通知を受けた Lambda が添付を取り出し、受付フォルダ(Amazon S3)に応募の番号を付けて保存します。1件ずつ届いた順に読み、台帳に結果を書きます。

応募の後から、メールでスコアレポートを送ってくる応募者もいます。採用担当が応募の画面に添付し直すと、同じ流れで読むようにし、メールから直接は読みません。メールの送り元だけでは、どの応募者のレポートかを確かめられないからです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
スコアレポートPDFまたは写真。応募の番号、受け取った日時受付フォルダ
読み取り結果キーと値、表のセル、質問への答え、値ごとの信頼度AWS Textract
応募者の情報応募の番号、氏名(姓と名)、応募した職種、入社の予定時期採用管理の仕組み
職種の語学の基準職種、試験の種類、物差し、総合と技能ごとの最低値自社で用意する一覧
試験の一覧受け付ける試験の種類、有効期限の目安、物差しの切り替え日自社で用意する一覧

質を決めるのは、下の2つの一覧です。 基準の一覧が「英語力が十分なこと」のような書き方だと、照らせません。試験の種類と物差しごとに、総合と技能の最低値を数字で書きます。 TOEFL iBTは、2026年1月21日より前の試験の0〜120の基準と、以降の1〜6の基準を両方持たせます。

Step3

データの取得方法を決める

読み取りは、Lambda から AnalyzeDocument を呼びます。 同期の処理で、PDFは1ページ・10MBまでです。2ページ以上のPDFは1ページずつに分けて呼び、 1ページ目だけで総合のスコアと試験日が取れれば、2ページ目以降は読みません。

質問は QueriesConfig に並べます。 1ページに当てられる質問は、同期の処理で15までです。

質問の文(Text)Alias何に使うか
What is the test name?TEST_NAME試験の種類の見分け
What is the test date?TEST_DATE有効期限と物差しの切り替え
What is the candidate's full name?NAME応募者との照合
What is the overall score?OVERALL職種の基準との照合
What is the Test Report Form number?TRF_NOIELTSの照会
What is the appointment number?APPT_NOTOEFLの照会
What is the date of birth?DOB照会に要る項目

答えは QUERY_RESULT の塊として返り、信頼度が付きます。答えが見つからないときは空のまま返ります。 総合のスコアと試験日が空なら、表とキーと値から生成AIに探させ、それでも無ければ needs_human にします。

取るものどこから何に使うか
質問への答えQUERY と QUERY_RESULT主要な項目の値と信頼度
キーと値の組KEY_VALUE_SET質問で取れなかった項目
技能別のスコアの表TABLE と CELLListening・Reading・Writing・Speaking
全文LINE と WORD試験の種類の見分け、注記
Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式の確認 … 扱えるのはJPEG、PNG、PDF、TIFFです。XFA形式のPDFには対応していません。 スマートフォンのHEIC形式の写真はJPEGに変換します
  2. パスワードの確認 … パスワードで保護されたPDFは読めません。 保護のないものを出し直してもらいます
  3. 画像の大きさの確認 … 一辺10,000ピクセル以下で、文字の高さが15ピクセル以上(150dpiで8ポイント)必要です。遠くから撮った写真は下回ります
  4. ページの分割 … 2ページ以上のPDFは1ページずつに分けます
  5. 応募者の特定 … 応募の番号で採用管理の仕組みから氏名と職種を引きます
  6. 重複の検知 … 同じ応募者から同じ番号のレポートが2度届いたら、2件目は読みません

6番目の「同じ番号」は、照会用の番号で見ます。 応募者は応募のたびに同じレポートを添付し直すことがあり、別の職種に応募し直した人の2件目を読まずに、1件目の結果を引き継ぎます。 職種が違えば、基準の照合だけをやり直します。

3番目で落ちる写真が、最初の月はいちばん多くなります。 応募フォームの添付の説明に、「主催者のサイトから取り出したPDFを優先して添付してください」と書くだけで、写真の割合が下がります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、試験の種類を見分け、読み取り結果を台帳の項目にそろえることだけです。

見るもの書き出す内容判断できないときの扱い
試験の種類ielts_academic / ielts_general / toefl_ibt / other決められなければ other
氏名姓と名を、書かれている順と表記のまま読めなければ「不明」
試験日書かれている文字列のまま読めなければ「不明」
スコア総合と4技能の値を、書かれている文字列のまま読めなければ「不明」
TOEFLの比較用の点0〜120の比較用の総合点が載っていれば、その値無ければ空
照会用の番号IELTSの成績証明書の番号、TOEFLの予約番号読めなければ「不明」

試験の種類を見分けさせるのは、書式の違いを人の目で探す手間がいちばん大きいからです。 IELTSのAcademicとGeneral Trainingは、どちらも同じ主催者の成績証明書で、見分ける手がかりは試験の種類の記載です。 職種によってはAcademicしか受け付けないため、ここを取り違えると基準の照合が無意味になります。 スコアの数字はどちらも同じ形で並ぶので、数字だけを見ていると気づきません。

させないこと理由
基準に届くかの判断規則で照らす。AIに基準を渡さない
物差しの換算0〜120と1〜6の読み替えは基準の一覧で行う
有効期限の計算日付の計算は Python が行う
本物かどうかの判断主催者の照会の仕組みで人が確かめる
氏名の書き換えローマ字の綴りを直す、順を入れ替えるなどをしない

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 1〜6の物差しの「4.5」を見ると、AIは気を利かせて「0〜120ではおよそ○点」と書いてきます。その値が台帳に入ると、基準の一覧と別の根拠で照らされることになります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは採用課で、応募者から届いた英文の語学スコアレポートを
応募者台帳の項目にそろえる立場です。
渡すのは、OCRが返した読み取り結果だけです。
そこに書かれたことだけを使ってください。

【書き出すこと】
1. test_type: ielts_academic / ielts_general / toefl_ibt / other
2. name: 姓と名。書かれている順と綴りのまま
3. test_date: 書かれている文字列のまま
4. scores: overall, listening, reading, writing, speaking
5. toefl_comparable_0_120: 比較用の0〜120の総合点が書かれていれば、その値
6. reference_no: IELTS の Test Report Form の番号、
   または TOEFL の appointment number
7. date_of_birth: 書かれている文字列のまま

【厳守事項】
- 書かれていない項目は「不明」としてください。推測で埋めないでください。
- スコアと日付は、読み取り結果の文字列のまま写してください。
  四捨五入・換算・書き方の修正をしないでください。
- 0〜120 と 1〜6 の物差しを読み替えないでください。
  比較用の点は、レポートに書かれている場合だけ写してください。
- 氏名の綴りを直したり、姓と名の順を入れ替えたりしないでください。
- 基準を満たすか、レポートが本物か、期限内かを書かないでください。
- IELTS の Academic と General Training は、種類の欄の記載で決めてください。
  欄が読めなければ other としてください。
- evidence には、根拠にした文字列をそのまま写してください。
- スコアレポートでない書類(履歴書、在学証明書など)と判断した場合は、
  そろえる作業をせず document_type に種類を書いてください。

【読み取り結果】{textract_result}

「読み替えないでください」を書かないと、換算した値を返します。 換算の考え方は主催者が公表していますが、どの値を基準にするかは自社が決めたことで、AIが持ち出す値ではありません。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。 Claude API の構造化出力で test_type を列挙型にすると、決めた4つ以外の種類が返りません。

{
  "document_type": "score_report",
  "test_type": "ielts_academic | ielts_general | toefl_ibt | other",
  "name": { "family": "", "given": "", "as_printed": "" },
  "test_date": "",
  "scores": { "overall": "", "listening": "", "reading": "",
              "writing": "", "speaking": "" },
  "toefl_comparable_0_120": "",
  "reference_no": "",
  "date_of_birth": "",
  "evidence": [ { "field": "", "text": "", "confidence": 0 } ]
}

この後に、Python が照合を足します。

確かめること規則結果
氏名採用管理の仕組みの氏名と、順の入れ替えと大文字小文字を除いて一致するか違えば name_mismatch
物差しTOEFL iBTの試験日が2026年1月21日以降なら1〜6、前なら0〜120値が物差しの範囲外なら needs_human
有効期限試験日から2年後が、今日より後か前なら expired
入社の予定時期2年後が入社の予定日より後か前なら expires_before_start
職種の基準試験の種類と物差しの基準の一覧で、総合と技能の最低値以上か下回れば below_requirement
試験の種類受け付ける試験の一覧にあるか無ければ unsupported
信頼度総合のスコアと試験日の信頼度が自社で決めた値以上か下回れば needs_human

理由の1つ目は、物差しの切り替えを試験日で機械的に決められることです。 TOEFL iBTは2026年1月21日から1〜6の物差しになり、0.5きざみで、総合は4技能の平均を0.5単位に丸めた値です。「5.5」が120を超えない値だと分かっていれば、物差しの取り違えは範囲の検査で見つかります。

2つ目は、AIの出力と照合の結果を分けて残せることです。 基準を変えたときは、台帳の写した値はそのままで、照合だけをやり直せます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
採用管理の仕組み応募の登録の通知、添付と応募者の情報の取り出し利用環境に応じた個別の作り
受付フォルダ(Amazon S3)Lambda からの保存スコアレポートの保管
AWS TextractAnalyzeDocumentキーと値、表、質問への答え
Claude APIAPI呼び出し試験の種類の見分けと項目の整形
応募者台帳表への書き出し写した値と判定、照会の欄

採用管理の仕組みの選考の段階は書き換えません。 台帳に判定を書くまでで、書類選考に進めるか、不採用にするかは人が採用管理の仕組みで操作します。

応募者台帳には、写した値の列と判定の列を分けて持たせます。 写した値は「試験の種類」「試験日」「総合」「4技能」「照会用の番号」、判定は「判定」「期限(試験日から2年)」「照会日」「照会の結果」です。人が値を直したときは写した値の列を直し、判定の列は照合をやり直して埋めます。 判定の列を人が手で書き換えると、どの値から出た判定かが分からなくなります。

Step9

人が確認する

  1. needs_human と name_mismatch を先に見る … 原本の画像と並べます。氏名の違いは、旧姓や綴りの揺れのことが多くあります
  2. expired と expires_before_start は出し直しを頼むかを決める … 入社の予定時期を動かせる応募者もいます
  3. below_requirement は職種の担当と相談する … 基準を満たさなくても選考する職種があります。台帳の判定だけで不採用にしません
  4. 書類選考に進む人だけ、主催者の照会の仕組みで確かめる … IELTSは、IELTSを受け入れる組織が使える照会の仕組みで、成績証明書の番号から本人とスコアを確かめられます。TOEFLは、照会の仕組みに16桁の予約番号と生年月日を入れて、現在有効なスコアを確かめます
  5. 照会の結果を台帳に記録する … 照会した日と、一致したかどうかです

4番目を書類選考に進む人に絞るのは、照会が手作業だからです。 全員を照会すると、この構成で減らした時間が戻ってきます。TOEFLの照会はその時点の確認で、後からの取り消しは知らせてくれません。 内定の前にもう一度照会するかを決めておきます。

目標は、300件をならして1件2分です。 meets のものは台帳の行を流し見るだけで、時間は確認と照会にかかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
写真の文字が小さく読めないneeds_human。主催者のサイトから取り出したPDFを出してもらう
パスワードで保護されたPDF読めない。保護のないものを出し直してもらう
受け付けていない試験のレポートunsupported。職種の担当に受け付けるかを確かめる
同じ応募者から複数のレポートすべて台帳に並べ、どれで照らすかは人が決める
TOEFLの比較用の点だけで基準を出した職種1〜6の基準も一覧に足す。移行の2年が過ぎると比較用の点は載らない
氏名が採用管理の仕組みと違うname_mismatch。旧姓・ミドルネームの有無を人が確かめる
試験日の書き方が日と月で読み分けられない主催者ごとの書き方で決め打ちし、決められなければ needs_human
OCRが応答しない受付フォルダに残す。台帳へ書くまで成功扱いにしない

5行目を早めに片付けてください。 TOEFL iBTの比較用の0〜120の点は、新しい物差しの導入から2年間だけ載ります。比較用の点に頼った基準のままだと、2028年に照合が止まります。

4行目で「どれで照らすか」を人に残すのは、応募者の意図が分からないからです。 古いIELTSと新しいTOEFL iBTを両方出す人は、新しいほうで見てほしいのか、技能別の点が高いほうで見てほしいのかが書類からは読めません。台帳にはすべて並べ、照合は最も新しい試験日のものから行い、どれを採ったかを記録します。

Step11

記録を残す

  • 元のスコアレポートと、受け取った日時・応募の番号
  • OCRが返したJSONの全文と、AIが返したJSON
  • 照合に使った基準の一覧の版と、照合の結果
  • 人が判定を覆した記録と、その理由
  • 主催者の照会の仕組みで確かめた日と、その結果

基準の一覧の版を残すのは、基準が職種ごとに見直されるからです。 照合をやり直すときに、どの版の基準で見た結果かが分からないと、過去の判定を説明できません。 不採用になった応募者の書類は、自社の個人情報の取り扱いの定めに沿って保存期間を決め、過ぎたら消します。

04実装レベルの3段階

最小構成:レポートを手でAIの画面に貼り、台帳の項目に書き出させる / 1件ごとの転記の下書き
半自動化:上記+OCRのAPIで読み取り、規則で物差し・期限・基準を照らして台帳に書く / 読み取り、整形、照合
本格構成:上記+主催者の照会の仕組みの結果を台帳に取り込み、書類選考に進む人の照会の一覧を自動で作る / 照会の準備までの全体

本記事の想定は半自動化です。 1件8分が2分になります。本格構成では、IELTSの照会の仕組みが組織向けに用意している結果を自社の仕組みへ取り込むAPIの利用が候補になります。登録の条件と使える範囲は、主催者に確かめてから進めます。 半自動化で止めておく理由は、照会の手作業を残したいからではありません。 照会の結果を取り込む仕組みは主催者ごとに違い、組織として登録できるかどうか、どの範囲の結果を取り込めるかが、自社の立場で変わります。 半自動化で3か月回し、照会の件数と、照会で食い違いが見つかった件数を数えてから、本格構成に進む価値があるかを決めます。 食い違いがほとんど出ないなら、照会は書類選考に進む人に絞ったままで足ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
2 分
現在  300件 × 8分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 300件 × 2分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
30h
削減率
75%
年間削減時間
360h
年間金額換算(時間単価3,000円)
108万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 社内の公用語や開発チームの言語が英語で、海外在住・国内在住の外国籍エンジニアを毎月まとめて採用しているIT企業・製造業の開発部門、その採用を受託する人材会社。応募のたびにIELTSやTOEFL iBTのスコアレポートがPDFや写真で届き、採用担当が試験日とスコアを台帳に手で写している場合。職種ごとに語学の基準を決めて募集している場合。
向いていない
  1. 語学のスコアを選考の材料にしていない場合(このときは提出を求めること自体を見直します)。日本語能力試験の結果など、日本語・中国語の書類を読む場合(この構成のOCRは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語しか読めません)。応募が月に数十件で、目視で足りる場合。なお、スコアが本物かの確認と、合否の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の応募から20件のスコアレポートを選ぶ(IELTSのAcademicとGeneral Training、2026年1月21日の前と後のTOEFL iBT、写真のものを入れる)
  2. その20件について、採用担当が台帳に写した値を書き出しておく
  3. 氏名と生年月日を伏せたうえで、手元のAIサービスにレポートを1件ずつ貼り付ける
  4. 「このスコアレポートから、試験の種類、試験日、総合と4技能のスコアを書き出してください。書かれている文字列のまま写し、換算や四捨五入をしないでください。書かれていない項目は『不明』としてください」と指示する
  5. 出てきた値を、台帳の値と突き合わせる

20件は必ずやってください。 組む前に、「書式の違うレポートから、同じ項目を同じ形で取れるか」を確かめます。

出てきた内容判断
台帳とほぼ同じ値が出たOCRと照合の仕組みに進む
物差しを読み替えた値が出た指示の書き方で直る。構成は有効
写真のレポートで数字が読めない応募フォームの添付の案内が先。 AIの問題ではない

3行目は、写真の割合が多い職種で起きます。 添付の案内を変えて1か月見ると、読めないレポートの数が先に減ります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが0〜120と1〜6を読み替える読み替えを禁じ、物差しは試験日で規則が決める
物差しを取り違えて照らす範囲の検査を入れる。1〜6の値が120点満点の基準と比べられたら止める
AcademicとGeneral Trainingを取り違える種類の欄の記載で決めさせ、読めなければ other
入社の予定日に期限が切れるのを見落とす入社の予定時期を台帳に持たせ、今日と予定日の両方で照らす
写真の文字が小さい主催者のサイトのPDFを優先して添付するよう案内する
判定で自動的に不採用にする判定は台帳の欄まで。 選考の段階は人が動かす
照会を全員にして時間が戻る書類選考に進む人に絞る
比較用の0〜120に頼った基準1〜6の基準も一覧に持たせる
同じレポートを応募のたびに読み直す照会用の番号で重複を見て、結果を引き継ぐ
判定の列を人が手で書き換える写した値を直し、照合をやり直す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも物差しが2つある時期に、数字だけが独り歩きすることから出ています。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 応募者の氏名、生年月日、顔写真、試験のスコア、照会用の番号です。IELTSの成績証明書には顔写真と生年月日が載ります。 選考の途中の個人の情報で、取り扱いを誤ると応募者の信頼を損ねます。

  1. 生成AIに渡す範囲を絞る … OCRはレポート全体を読みますが、生成AIに渡すのは読み取り結果の文字列だけです。顔写真の画像は渡しません
  2. 語学のスコアを求める職種を絞る … 仕事で英語を使う職種だけに求めます。職務に関係のない職種で提出を求めること自体を見直します
  3. 判定で応募者を自動的に落とさない … below_requirement は事実の記録で、選考の判断は人が行います
  4. 本物かどうかは主催者の仕組みで確かめる … 読み取りの結果は、印刷された数字です。改ざんされたレポートの数字も、そのまま写されます
  5. 保存期間を決める … 不採用になった応募者の書類と読み取り結果を、自社の個人情報の取り扱いの定めに沿って期間を決めて消します
  6. 見られる人を絞る … 台帳の生年月日と照会用の番号の列は、採用課の担当だけが見られるようにします

誤りが起きた場合のリスクは、基準を満たす人を見落とすことと、改ざんされたスコアで選考を進めることの2つです。 前者は物差しの取り違えで、後者は照会を省くことで起きます。物差しは規則で、真偽は主催者の照会で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:基準の一覧を数字にする

職種ごとの語学の基準を、IELTS(Academic と General Training)、TOEFL iBT の0〜120と1〜6のそれぞれで、総合と技能の最低値として書き出します。数字になっていない基準は、職種の担当と決めます。

2週目:20件で試す

手元のAIサービスで、レポートを台帳の項目に書き出させます。物差しを読み替えていないか、AcademicとGeneral Trainingを取り違えていないかを最優先で見ます。

3週目:照会の運用を決める

書類選考に進む人の照会を誰がいつ行うかを決め、IELTSとTOEFLの照会の仕組みの利用を申し込みます。 あわせて、応募フォームの添付の案内を「主催者のサイトのPDFを優先」に変えます。

4週目:応募の登録から台帳までをつなぐ

採用管理の仕組みの通知から AnalyzeDocument を呼び、台帳に写した値と判定を書き出すところまで作ります。この時点では判定を採用担当が全件見ます。

2か月目: 判定の確認を meets 以外に絞り、1件8分が何分になったかを実測します。3か月目以降: 照会の結果の記録と保存期間の削除を足します。needs_human の多くが写真の読み取りで、それが減り始めた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
AnalyzeDocument が同期の処理で、キーと値(KEY_VALUE_SET)、表とセル、行と単語、質問(QUERY・QUERY_RESULT、答えに信頼度)を返すこと。FeatureTypes に TABLES・FORMS・QUERIES を指定できることAWS: AnalyzeDocument2026-10-08
質問の答えが信頼度とともに返り、答えが見つからないときは空のまま返ることAWS: Queries2026-10-08
同期の処理がPDFで1ページ・10MBまで、XFA形式とパスワード保護のPDFは不可、画像は一辺10,000ピクセル以下、対応言語が6言語、手書きは英語だけ、質問の検出は英語の文書だけで同期は1ページ15まで、文字の高さが15ピクセル以上(150dpiで8ポイント)であることAWS: Set Quotas in Amazon Textract2026-10-08
IELTSを受け入れる組織が照会の仕組みを使え、成績証明書の番号で本人とスコアを確かめられること、結果を自社の仕組みへ取り込むAPIを設定できること、無料であること。成績が現在の英語力を表すのは最長2年とされ、それより古いものは英語力を保っている証しがある場合に限って受け入れるよう勧めていることIELTS: Verifying IELTS results2026-10-08
TOEFLの照会の仕組みで現在有効なスコアを確かめられ、16桁の予約番号と生年月日を入れること。照会がその時点の確認で、後からの変更や取り消しは知らされないこと。スコアが2年有効であることETS: Verifying TOEFL Scores2026-10-08
TOEFL iBT が2026年1月21日から1〜6の物差しになり、0.5きざみで、総合が4技能の平均を0.5単位に丸めた値であること。2年間は比較用の0〜120の総合点が載ることETS: TOEFL iBT score scale update2026-10-08

語学の基準をどこに置くか、古いスコアを受け入れるかは、自社の採用の方針と各主催者の最新の案内で決めてください。 本記事は上記の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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