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店舗に付いたGoogleの口コミを読み分けて、返信案と本部への報告を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

店舗に付いたGoogleの口コミを読み、そのまま返信してよいものと、本部が事実を確かめてから対応すべき苦情とに分けます。前者には口コミの中身に触れた返信案を作り、後者は本部へ報告に回します。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Google Apps Script/Make/Power Automate
対象業界
その他/医療/宿泊/小売/飲食
対象部門
カスタマーサポート/マーケティング
対象業務
問い合わせ対応/書類作成
主な課題
人手が足りない/問い合わせが多い/属人化している
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
48h/月
AI導入後
14h/月
想定削減
71%
年間削減
408h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. Googleビジネスプロフィールから、新しい口コミの通知が店長のスマートフォンに届く
  2. 店長が営業の合間に口コミを読む
  3. 星の数を見て、お礼の返信か、お詫びの返信かを決める
  4. 文面を考えて入力する(前に書いた返信をコピーして直すことが多い)
  5. 投稿する
  6. 苦情の内容が深刻だと感じた場合だけ、エリアマネージャーに電話で伝える
導入後(After)
  1. 新しい口コミが付く
  2. 自動毎朝、全店舗の新しい口コミを取得して一覧に追加する
  3. 自動口コミを分類する(お礼で返してよい/お詫びで返してよい/本部の確認が必要)
  4. 自動返してよい口コミには、口コミの具体的な内容に触れた返信案を作る
  5. 自動本部の確認が必要な口コミは、返信案を作らずに本部の担当者へ通知する
  6. 店長が返信案を読んで直し、承認する
  7. 本部の担当者が苦情の事実を店舗に確認し、返信するか、どう返信するかを決める
  8. 承認された返信を投稿する
各工程の詳しい説明を読む
  1. Googleビジネスプロフィールから、新しい口コミの通知が店長のスマートフォンに届く
  2. 店長が営業の合間に口コミを読む
  3. 星の数を見て、お礼の返信か、お詫びの返信かを決める
  4. 文面を考えて入力する(前に書いた返信をコピーして直すことが多い)
  5. 投稿する
  6. 苦情の内容が深刻だと感じた場合だけ、エリアマネージャーに電話で伝える

問題は4つあります。

(a)返信が遅れる、または返信されない。 営業中に書く時間はなく、閉店後は疲れています。返信が止まっている店舗は、口コミ欄を見ればすぐに分かります。

(b)文面が定型化する。 前の返信をコピーするため、「この度はご来店いただき誠にありがとうございます。またのご来店を心よりお待ちしております」が並びます。口コミの中身に触れていないため、読み手には機械的に見えます。

(c)店長が苦情に単独で返信してしまう。 「料理に髪の毛が入っていた」「スタッフの態度が悪かった」といった口コミに、事実を確かめる前に店長がお詫びの返信を書いてしまうことがあります。お詫びの文面は、事実を認めた記録として残ります。

(d)苦情が本部に上がらない。 本部に伝えるかどうかが店長の判断に任されており、同じ種類の苦情が複数の店舗で起きていても本部が気づけません。

  1. 新しい口コミが付く
  2. 【自動】 毎朝、全店舗の新しい口コミを取得して一覧に追加する
  3. 【自動】 口コミを分類する(お礼で返してよい/お詫びで返してよい/本部の確認が必要)
  4. 【自動】 返してよい口コミには、口コミの具体的な内容に触れた返信案を作る
  5. 【自動】 本部の確認が必要な口コミは、返信案を作らずに本部の担当者へ通知する
  6. 【人】 店長が返信案を読んで直し、承認する
  7. 【人】 本部の担当者が苦情の事実を店舗に確認し、返信するか、どう返信するかを決める
  8. 承認された返信を投稿する

自動化されるのは「読む」「分ける」「一から書く」の3つです。残るのは「この文面で出してよいか」を決めることと、苦情の事実を確かめることです。

02今回想定するシステム構成

構成図
Googleビジネスプロフィール(10店舗)
   │
   ▼【トリガー】毎朝 8:00(時間主導型トリガー)
Google Apps Script
   │
   ├──▶ 口コミの取得(半自動化:通知メールから/本格構成:API)
   │
   ├──▶ Gemini API ── 分類と返信案の作成
   │
   ├──▶ スプレッドシート(店舗別の口コミ一覧)
   │        ├─ 分類:お礼/お詫び/本部確認
   │        ├─ 返信案
   │        └─ 承認欄
   │
   └──▶ 本部確認に分類されたものは本部担当へメール通知
   │
   ▼【人が承認】店長が返信案を直して承認
   │
   ▼
返信の投稿(半自動化:管理画面へ貼り付け/本格構成:API)
役割想定する製品代替候補
実行環境Google Apps ScriptPower Automate、Make
生成AIGemini APIClaude API、OpenAI API
一覧・承認Google スプレッドシートMicrosoft Lists、kintone
口コミの取得元Googleビジネスプロフィール各社のグルメ・宿泊予約サイト

Google Apps Script と Gemini を組み合わせているのは、Googleビジネスプロフィールを使っている会社の多くがすでに Google Workspace を契約しているためです。 Microsoft 365 中心の会社なら、Power Automate と他の生成AIに置き換えて同じ構成が組めます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎朝決まった時刻の定期起動にします。Google Apps Script の時間主導型トリガーで、日単位の起動を設定します。

口コミが付くたびに即時で処理する構成も考えられますが、この業務では朝1回で足ります。店長が返信案を見るのは開店前の時間帯で、それまでに一覧が揃っていれば十分だからです。 即時にすると、営業中に通知が鳴り続けます。

例外は、本部確認に分類された苦情です。こちらは朝を待たずに本部担当へ通知したほうがよいため、本格構成では昼と夕方にも取得を回します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
口コミ星の数、本文、投稿日時、既存の返信の有無Googleビジネスプロフィール
店舗情報店舗名、営業時間、看板メニュー、駐車場の有無、予約方法スプレッドシート
返信の方針書いてよいこと・書いてはいけないこと、言葉づかい、署名プロンプトに固定で埋め込む
その店舗の過去の返信直近20件の返信文スプレッドシート

4番目は、同じ文面の繰り返しを避けるために渡します。 過去の返信と似た書き出しを避けるよう指示すると、返信欄に同じ文が並ぶのを防げます。

Step3

データの取得方法を決める

口コミの取得には2つの経路があり、段階によって使い分けます。

半自動化:通知メールから取る。 Googleビジネスプロフィールでは、新しいクチコミが投稿されたときの通知をメールで受け取るよう設定できます。店舗ごとの通知を本部の共有アドレスに集め、Apps Script でそのメールを読んで一覧に追加します。API の申請が不要で、すぐに始められます。 ただし、メールの書式が変わると読み取りが壊れるため、取得できた件数を毎朝確認する仕組みを併せて作ります。

本格構成:Business Profile API から取る。 API では、店舗ごとの口コミを accounts.locations.reviews.list で一覧取得でき、口コミID、本文、投稿者、星の数、投稿日時、既存の返信を扱えます。返信の投稿は accounts.locations.reviews.updateReply で行い、返信が無ければ作成、あれば更新になります。返信の操作はオーナー確認済みのビジネスに限られます。 返信の削除には deleteReply があります。

API を使うには事前の申請が必要です。 Google Cloud のプロジェクトを作り、所定のフォームから利用を申請します。申請には、60日以上運用されているオーナー確認済みのビジネスプロフィールと、プロフィールに掲載されたWebサイトが求められます。承認されるまでは、Google Cloud のコンソール上でクォータが 0 QPM と表示され、承認後に 300 QPM になります。承認までの期間は読めないため、半自動化で運用を始めてから並行して申請する順番を勧めます。

グルメサイト・宿泊予約サイトの口コミ: 返信の投稿方法はサイトごとに異なり、多くは各サイトの管理画面から入力する形です。この構成では、Googleの口コミを対象にし、他のサイトは返信案の作成だけに使う(投稿は管理画面へ貼り付け)形にとどめます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 返信済みの除外 … すでに返信がある口コミは処理しません
  2. 本文のない口コミの扱い … 星の数だけで本文がない口コミは、短い定型のお礼にとどめるか、返信しない方針にします。本文がないのにAIに文面を作らせると、書かれていない内容に触れた返信ができあがります
  3. 言語の判定 … 外国語の口コミは、その言語で返信するかを方針として決めておきます
  4. 個人情報の検出 … 口コミ本文に電話番号や他の客の特徴などが書かれている場合があります。返信案に引用しないよう、検出して印を付けます
  5. 苦情の語の事前検出 … 「髪の毛」「異物」「お腹を壊した」「虫」「アレルギー」などの語をあらかじめ辞書で拾い、AIの分類とは別の経路で本部確認へ回します。AIの分類だけに頼らず、二重で拾います

5番の二重化が重要です。衛生や健康にかかわる苦情を1件でも取りこぼすと、店長が知らずに軽いお詫びを返してしまいます。

Step5

AIに処理させる

2段階に分けます。

第1段階:分類。

分類基準その後
お礼満足の内容が中心で、不満があっても軽微返信案を作る
お詫び(店舗で対応可)待ち時間、混雑、味の好み、価格など、事実確認が不要な不満返信案を作る
本部確認衛生・異物・体調不良・アレルギー、スタッフの言動、金銭の誤り、法令にかかわるもの返信案を作らず本部へ通知
返信しない明らかに別の店舗への投稿、宣伝、意味の通らない投稿本部へ通知(削除依頼の検討)

星の数で分類しないでください。 星5でも「料理は最高だがトイレが汚れていた」と書かれていることがあり、星1でも「駐車場が分かりにくかった」だけのことがあります。

第2段階:返信案の作成。 「お礼」と「お詫び(店舗で対応可)」だけが対象です。

書くこと書かないこと
口コミに書かれた料理名や場面に触れる投稿者を特定できる情報(来店日時、人数、席)
不満があった点を受け止める事実を確認していない出来事への謝罪
改善の姿勢(具体的に約束できる範囲で)実施が決まっていない改善の約束
店長の署名クーポンや特典の案内
Step6

指示内容を固定する

あなたは飲食店の店長に代わって、Googleの口コミへの返信案を作る担当者です。
まず口コミを分類し、分類が「お礼」または「お詫び(店舗で対応可)」のときだけ返信案を作ってください。

【分類の基準】
- 本部確認:衛生、異物、体調不良、アレルギー、スタッフの言動、会計の誤り、
  法令にかかわる内容が1つでも含まれる場合。星の数に関係なくこちらにしてください。
- 返信しない:明らかにこの店舗の内容ではない、宣伝、意味が通らない投稿。

【返信案の厳守事項】
- 口コミに書かれていない出来事に触れないでください。
  「またのご来店時には〇〇をご用意します」など、書かれていない内容を補わないでください。
- 投稿者の来店日時・人数・席・服装など、本人を特定できる情報を書かないでください。
- 事実を確認していない出来事について、非を認める表現を使わないでください。
  「ご不快な思いをおかけしました」は可、「スタッフが失礼な対応をいたしました」は不可。
- クーポン、割引、特典を案内しないでください。
- 改善を約束する場合は、下の店舗情報に書かれている取り組みの範囲にしてください。
- 過去の返信の書き出しと同じ文で始めないでください。
- 200字以内、店長名で署名してください。

【店舗情報】
{store_info}

【この店舗の過去の返信(直近20件)】
{past_replies}

【口コミ】
星: {star_rating}
本文: {comment}

「星の数に関係なく本部確認にする」の一文が、この構成でもっとも重要です。 これが無いと、星4の口コミに書かれた「一緒に来た子どもがアレルギー反応を起こした」を、お礼の返信で流してしまいます。

Step7

出力形式を固定する

{
  "review_id": "",
  "store": "",
  "category": "お礼 | お詫び | 本部確認 | 返信しない",
  "category_reason": "",
  "risk_terms": [],
  "contains_personal_info": false,
  "reply_draft": "",
  "reply_length": 0,
  "needs_hq": false
}

category_reason を持たせるのは、店長や本部が分類を見直すときに、なぜその分類になったのかを確認できるようにするためです。

risk_terms には、前処理の辞書とAIの両方で拾った語を入れます。辞書で拾ったのにAIが「お礼」に分類した場合は、分類を「本部確認」に上書きします。安全側に倒す判定は、プログラム側で強制します。

Step8

システムへ連携する

連携先内容
スプレッドシート店舗別のシートに、口コミ・分類・返信案・承認欄・投稿日を1行ずつ
メール(本部)本部確認に分類された口コミを、店舗名・星・本文とともに即時通知
Googleビジネスプロフィール承認された返信を投稿(本格構成のみ。半自動化では管理画面へ貼り付け)

本格構成でも、承認欄にチェックが入った行だけを投稿します。 返信案ができた時点で自動投稿する設定は作りません。

Step9

人が確認する

返信は全件、店長が承認します。本部確認の口コミは、本部の担当者が対応を決めます。

理由は、返信が店舗の公式な発言として公開され、消しても見た人の記憶に残るためです。特に苦情への返信は、書いた内容が「店が認めた事実」として読まれます。

店長の確認を速くするための設計が要ります。

  • スマートフォンで開いたときに、口コミと返信案が上下に並ぶ表示にする
  • 直す必要がなければ、承認のチェックだけで済むようにする
  • 本部確認に回った口コミは、店長の一覧にも「本部対応中」と表示し、店長が個別に返信しないようにする
Step10

例外に対処する

起きること対応
衛生・安全にかかわる語を含むAIの分類にかかわらず本部確認に回す。返信案を作らない
本文のない星だけの口コミ短いお礼の定型文を使うか返信しない。AIに文面を作らせない
別の店舗への投稿と思われる返信しない。本部へ通知し、必要に応じてGoogleに報告する
同じ投稿者が短期間に複数の低評価を付ける本部へ通知する。店長が個別に返信しない
口コミに個人名(スタッフ名)が書かれている本部確認に回す。返信でその名前に触れない
外国語の口コミ方針に従い、その言語で返信案を作るか、日本語で返す
通知メールの書式が変わって取得できない取得件数が0件の日が続いたら本部へ知らせる。無通知を正常と扱わない
API の承認が下りていない半自動化(通知メールと管理画面への貼り付け)で運用を続ける
返信を投稿した後に誤りに気づいた返信を修正する(本格構成では更新、または削除して再投稿)
Step11

記録を残す

  • 口コミの本文と取得日時
  • AIの分類とその理由、拾ったリスク語
  • 返信案と、店長が直した後の最終版
  • 承認者と投稿日時
  • 本部確認に回した口コミと、その後の対応結果

2番目と5番目を月に1度見比べてください。 本部確認に回したが実際は店舗で対応できたもの、逆に「お礼」に分類されたが本部が知るべきだったものを洗い出すと、分類の基準が育ちます。

本部確認に回った苦情は、店舗をまたいで集計します。同じ種類の苦情が複数店舗で出ていれば、それは店舗の問題ではなく、本部の手順やメニューの問題です。

04実装レベルの3段階

最小構成:口コミを生成AIの画面に貼り付け、分類と返信案を作らせて管理画面に貼る / 分類と文面作成
半自動化:通知メールから口コミを一覧に取り込み、毎朝分類と返信案を作成。店長が承認して管理画面に貼る / 取得・分類・文面作成・苦情の通知
本格構成:Business Profile API で口コミを取得し、承認済みの返信をAPIで投稿。店舗横断の苦情集計 / 投稿まで(承認は人)

半自動化で効果の大半が出ます。 12分が4分程度になります。本格構成では貼り付けの手間が消えて3分台になりますが、API の申請と承認が必要です。本格構成の価値は時間よりも、取得漏れがなくなることと、店舗横断の集計ができることにあります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
10 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
3.5 分
現在  240件 × 12分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 240件 × 3.5分 ÷ 60 = 14 時間/月
月間削減時間
34h
削減率
71%
年間削減時間
408h
年間金額換算(時間単価2,500円)
102万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 複数の店舗を運営し、Googleの口コミに店長が個別に返信している会社。返信が店舗ごとにばらつき、放置されている店舗がある場合。
向いていない
  1. 1店舗で口コミが月数件の場合。口コミへの返信をしない方針の場合。医療機関などで、返信の内容に専門的な規制上の確認が毎回必要な場合。

07最小構成で試す方法

  1. 1店舗を選び、過去1か月の口コミを20件、スプレッドシートに書き写す(星1〜2を必ず含める)
  2. 返信の方針を、書いてよいこと・書いてはいけないことの箇条書きで10行程度にまとめる
  3. 生成AIの画面に方針と口コミを貼り付けて、分類と返信案を作らせる
  4. 店長に、そのまま出せるもの・直せば出せるもの・出せないものに仕分けてもらう
  5. 本部確認に分類されるべき口コミが、正しく分類されたかを確認する

5番を最も重く見てください。 返信案の出来が多少悪くても店長が直せますが、苦情の見落としは直せません。

判断の目安は次のとおりです。

20件の結果判断
本部確認の見落としが0件、返信案の半数以上がそのまま出せる半自動化に進む
本部確認の見落としが0件だが、返信案の直しが多い方針の書き方と店舗情報を充実させる
本部確認の見落としがある分類の基準とリスク語の辞書を先に固める。返信案の改善は後回し

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
星の数で分類してしまい、高評価の中の苦情を見落とす本文で分類させる。リスク語の辞書で二重に拾う
返信が定型文の繰り返しになる店舗の過去の返信を渡し、同じ書き出しを避けさせる。口コミの具体的な内容に触れさせる
書かれていない内容に触れた返信ができる本文のない口コミにAIの文面を作らせない。プロンプトで補足を禁じる
事実確認前に非を認める返信が出る謝罪の表現を限定する。スタッフの言動にかかわる口コミは本部確認に回す
投稿者を特定できる情報が返信に入る来店日時・人数・席に触れることを禁じる
通知メールの書式変更で取得が止まる取得件数を毎朝記録し、0件が続いたら知らせる
API の申請が承認されない申請内容(事業の用途、Webサイト)を見直して再申請する。承認までは半自動化で運用する
店長が本部確認の口コミに個別に返信してしまう一覧に「本部対応中」と表示し、承認欄を無効にする
返信案をそのまま承認する習慣がつく月に1度、本部が返信の抜き取り確認を行う

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 口コミの本文(公開情報)、投稿者の表示名、店舗情報。口コミ自体は公開されていますが、本文に投稿者や他の客、スタッフの個人的な情報が書かれていることがあります。

  1. 返信での個人情報 … 返信の中で、投稿者の来店日時、同伴者、席、注文内容の詳細など、本人を特定しうる情報に触れないでください。スタッフの個人名にも触れません
  2. 苦情の扱い … 衛生・異物・体調不良にかかわる苦情は、返信の前に事実確認と、必要に応じて保健所への相談や保険会社への連絡が要ることがあります。AIの返信案で済ませないでください
  3. 医療機関・介護施設で使う場合 … 返信で、投稿者が患者・利用者であることを認める記載や、診療・介護の内容に触れる記載は、守秘の観点から問題になりえます。医療機関での利用は、返信の方針を専門家と確認してから設計してください
  4. 見返りの案内 … 返信でクーポンや特典を案内しない方針にしています。口コミへの見返りと受け取られることを避けるためです
  5. 外部AIへの入力 … 口コミ本文と店舗情報が外部のサービスへ渡ります。入力を学習に使わない設定または契約のサービスを選びます
  6. 自動実行してよい範囲 … 取得・分類・返信案の作成・本部への通知までは自動で構いません。返信の投稿は必ず店長の承認を経ます。 本部確認の口コミへの返信は、本部が内容を決めます

誤りが起きた場合のリスクは、事実と違う内容や非を認める文面が公開されること、苦情が見落とされて対応が遅れることです。返信は削除や修正ができても、公開されていた間に読まれた事実は消えません。

10まず何から始めるか

1週目:本部確認の基準を決める

本部とエリアマネージャーで、「店長が返信してはいけない口コミ」の基準を決めます。衛生、安全、スタッフの言動、会計の誤りの4つから始め、リスク語の辞書を20語ほど作ります。ここが決まらないうちは、返信案の作成に進みません。

2週目:1店舗の20件で試す

過去の口コミ20件で、分類と返信案を試します。本部確認の見落としが0件になるまで、基準と辞書を直します。

3〜4週目:3店舗で半自動化を動かす

通知メールの集約、毎朝の分類と返信案の作成、本部への通知までを組み、3店舗の店長に使ってもらいます。12分が何分になるかと、店長が返信案をどれくらい直しているかを記録します。同時に、Business Profile API の利用を申請します。

2か月目以降: 10店舗に広げます。API が承認されたら取得と投稿を API に切り替え、本部確認の苦情を店舗横断で月次集計する仕組みを加えます。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-14/最終更新:2026-09-14
確認した内容情報源確認日
Business Profile API で、accounts.locations.reviews.list により口コミを一覧取得でき、口コミID・本文・投稿者・星の数・投稿日時・既存の返信を扱えること。deleteReply で返信を削除できることGoogle for Developers: Work with review data2026-09-14
accounts.locations.reviews.updateReply が返信を更新(無ければ作成)するメソッドであり、オーナー確認済みのビジネスに限られることGoogle for Developers: accounts.locations.reviews.updateReply2026-09-14
Business Profile APIs の利用に申請が必要であること。60日以上運用されている確認済みのビジネスプロフィールとWebサイトの掲載が求められること。未承認時のクォータが 0 QPM、承認後が 300 QPM と表示されることGoogle for Developers: Prerequisites2026-09-14
Googleビジネスプロフィールで、新しいクチコミが投稿されたときの通知をメールで受け取るよう設定できることGoogle ビジネス プロフィール ヘルプ:通知を管理する2026-09-14

グルメサイト・宿泊予約サイトの口コミへの返信方法は、サイトごとに異なります。この部分は利用するサイトに応じた個別確認が必要です。 医療機関での口コミ返信の可否と範囲は、関係法令と自院の方針に照らして判断してください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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