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毎週の採用会議の Teams 会議の記録から、候補者ごとの判断・次の選考・宿題を議事録にまとめ、選考管理表の更新案を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

毎週の採用会議を Teams で開き、文字起こしと会議のチャットから、候補者ごとの判断・次の選考・宿題を議事録にまとめます。選考管理表の現在の状態と比べて、更新が要る行だけの更新案を作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/人材/広告/製造
対象部門
人事/採用
対象業務
台帳・マスタ管理/記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
24h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
67%
年間削減
192h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用担当が会議の前に、扱う候補者の一覧を作り、出席者にメールで送る
  2. 会議中、採用担当が議論を聞きながら手元でメモを取る
  3. 会議の後、メモを見ながら候補者ごとの判断と理由、次の選考を議事録に書く
  4. 聞き取れなかった箇所や、結論があいまいだった候補者について、採用責任者にチャットで確かめる
  5. 選考管理表のリストを開き、候補者ごとに段階・状態・次の担当を書き換える
  6. 会議で出た宿題(追加の面接官の手配、条件の確認など)を、担当者にチャットで知らせる
  7. 議事録を出席者に配る
導入後(After)
  1. 人採用担当が会議の前日に、議題の一覧(受付番号・応募職種・現在の段階)を会議のチャットに貼る
  2. 人会議の始めに文字起こしを開始する
  3. 人会議は進行に集中し、決まったことを声に出して確かめる(「受付番号1043は二次面接へ、面接官は田中さん」)
  4. 自動会議が終わると、文字起こしが会議の記録とともに保存される
  5. 【人/AI】 採用担当が、採用会議用のエージェントに会議を指定して、議事録と更新案を作らせる
  6. 【AI】 候補者ごとの判断・理由・次の選考・宿題を拾い、選考管理表の現在の状態と比べて、更新が要る行だけを並べる
  7. 人採用担当が、引用の付いた箇所を文字起こしで確かめ、議事録と更新案を直す
  8. 人採用担当が選考管理表を更新し、議事録を出席者に配る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用担当が会議の前に、扱う候補者の一覧を作り、出席者にメールで送る
  2. 会議中、採用担当が議論を聞きながら手元でメモを取る
  3. 会議の後、メモを見ながら候補者ごとの判断と理由、次の選考を議事録に書く
  4. 聞き取れなかった箇所や、結論があいまいだった候補者について、採用責任者にチャットで確かめる
  5. 選考管理表のリストを開き、候補者ごとに段階・状態・次の担当を書き換える
  6. 会議で出た宿題(追加の面接官の手配、条件の確認など)を、担当者にチャットで知らせる
  7. 議事録を出席者に配る

(a)メモを取りながら会議を回せない。 採用担当は会議の進行役でもあります。メモに集中すると進行が止まり、進行に集中するとメモが抜けます。 抜けた分は、会議の後に4番で確かめることになります。

(b)「保留」が宙に浮く。 「来週もう一度話しましょう」で終わった候補者は、議事録に「保留」と書かれます。誰が何を確かめてから決めるのかが書かれていないと、翌週の会議の議題から落ちます。 候補者は返事を待ったまま、他社の選考が先に進みます。

(c)管理表の更新が遅れる。 5番は会議が続く週には翌日以降に回ります。管理表が古いまま面接の日程調整が始まり、見送りになった候補者に次の面接の案内が出かけることがあります。

(d)宿題が誰のものか分からない。 「その件、確認しておきます」が誰の発言だったかは、会議の後には思い出せません。宿題の持ち主と期限が議事録に無いと、翌週の会議で同じ話が繰り返されます。

  1. 【人】 採用担当が会議の前日に、議題の一覧(受付番号・応募職種・現在の段階)を会議のチャットに貼る
  2. 【人】 会議の始めに文字起こしを開始する
  3. 【人】 会議は進行に集中し、決まったことを声に出して確かめる(「受付番号1043は二次面接へ、面接官は田中さん」)
  4. 【自動】 会議が終わると、文字起こしが会議の記録とともに保存される
  5. 【人/AI】 採用担当が、採用会議用のエージェントに会議を指定して、議事録と更新案を作らせる
  6. 【AI】 候補者ごとの判断・理由・次の選考・宿題を拾い、選考管理表の現在の状態と比べて、更新が要る行だけを並べる
  7. 【人】 採用担当が、引用の付いた箇所を文字起こしで確かめ、議事録と更新案を直す
  8. 【人】 採用担当が選考管理表を更新し、議事録を出席者に配る

3番目が、この設計でいちばん効く工夫です。 決まったことを会議の中で声に出して確かめれば、文字起こしに結論がはっきり残ります。 AIに議論から結論を推し量らせるより、会議の進め方で結論を言葉にするほうが確実です。

8番目の管理表の更新は、人が行います。 エージェントは管理表を読んで比べるだけで、書き込みはしません。見送りの判断が誤って登録されれば、候補者への連絡まで誤ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
会議の前日:議題の一覧(受付番号・応募職種・現在の段階)を会議のチャットへ
   ▼
Teams 会議(文字起こしを開始)
   │  決まったことを声に出して確かめる
   ▼【トリガー】会議の終了と文字起こしの保存
Microsoft Copilot(Agent Builder で作る採用会議用のエージェント)
   │  知識:その週の採用会議(会議を指定)
   │        選考管理表(SharePoint のリスト。読むだけ)
   │        議事録の様式と、記録しない事項の手引
   ├──▶ 候補者ごとの判断・理由・次の選考(引用付き)
   ├──▶ 宿題(持ち主と期限)
   ├──▶ 未決定の候補者と、決めるために必要なこと
   └──▶ 選考管理表の更新案(変わる行だけ)
   ▼【採用担当が文字起こしと照らして確かめる】
議事録(Word)を出席者へ/選考管理表を人が更新
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot と、Agent Builder で作る採用会議用のエージェント)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
管理表SharePoint のリスト(選考管理表)-

新しく足すのは、採用担当4名の Copilot のライセンスと、採用会議用のエージェントだけです。 出席する採用責任者や面接官には、ライセンスは要りません。文字起こしを開始し、エージェントを使うのは採用担当です。

エージェントは Agent Builder で作ります。 Agent Builder では、知識として Teams の会議を5つまで、SharePoint のリストを1つまで指定でき、リストは2万行・生の文字で50MBまでとされています。選考管理表のリストを知識に入れれば、現在の段階と比べた更新案が作れます。 会議は毎週入れ替えて指定します。

Teams 会議の Copilot だけでも議事録は作れます。 会議の後に会議のチャットや「まとめ」のタブから Copilot を開き、質問できます。ただし、選考管理表と比べるにはリストを知識に持つエージェントが要ります。 最小構成は会議の Copilot、半自動化はエージェント、と分けます(第8章・第9章)。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

会議が終わり、文字起こしが保存されたことを起点にします。 Teams 会議の Copilot は、会議が終わった後に質問するには文字起こしが必要とされています。文字起こしを開始し忘れた会議は、この構成に乗りません。

文字起こしの開始を忘れないように、会議の設定で Copilot を「会議中と会議後」にしておきます。 管理者の会議ポリシーで Copilot の設定を「On with saved transcript required」にすると、主催者の会議オプションの Copilot が「会議中と会議後」に固定されるとされ、これが既定の値です。採用担当が主催者になる採用会議には、このポリシーを当てます。

採用会議は、部門ごとに毎週の定例の予定として作り、主催者を採用担当にします。 主催者が採用責任者だと、その人に当たっている会議ポリシーで Copilot の設定が決まり、部門によって文字起こしが残ったり残らなかったりします。 4つの定例の主催者をそろえておけば、設定も1か所で済みます。

エージェントを動かすのは、採用担当が会議の直後に行う手作業です。 会議の終了を検知して自動で動かす仕組みは作りません。会議の後30分以内に採用担当が作らせる、という運用の決まりにします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし発言者と時刻の付いた会議の発言Teams 会議の記録
会議のチャット会議の前日に貼った議題の一覧、会議中のチャット会議のチャット
選考管理表受付番号、応募職種、現在の段階、次の選考の日程、担当の面接官、状態SharePoint のリスト
議事録の様式候補者ごとの記録の欄、宿題の欄、未決定の欄エージェントの知識(文書)
記録しない事項の手引採否に関係のない事項として議事録に残さないもの同上

質を決めるのは、2行目の議題の一覧です。 Teams 会議の Copilot は、文字起こしがある場合、会議の24時間前までのチャットを文字起こしとあわせて材料にするとされています。前日のうちにチャットへ貼るのは、この範囲に入れるためです。 2日前に貼ると範囲から外れます。

議題の一覧は、たとえば次のように貼ります。

【10/8 エンジニア採用会議 議題(12名)】
1043 バックエンド 一次面接済み
1047 バックエンド 書類選考
1051 バックエンド 一次面接済み
1060 SRE 二次面接済み
…(以下、受付番号・応募職種・現在の段階)

冒頭に人数を書いておくのは、第7章「前処理」の2番目と同じ理由です。 会議の冒頭で口にする人数と、チャットの人数と、記録の行数の3つがそろえば、拾い漏れが無いと分かります。

議題の一覧には、候補者の氏名を書きません。 受付番号と応募職種と現在の段階だけを書きます。会議の中でも、できるだけ受付番号で呼びます。文字起こしに残る個人名が減り、聞き違いも減ります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
文字起こしと会議のチャットエージェントの知識に、その週の会議を指定する判断・理由・次の選考・宿題を拾う
選考管理表エージェントの知識に、リストを指定する現在の段階と比べて、変わる行を出す
議事録の様式と手引エージェントに埋め込んだ文書出力の形と、残さない事項

会議は、Agent Builder の知識で「その週の会議」を個別に指定します。 「自分の Teams のチャットと会議すべて」を選ぶと、エージェントはすべての会議の文字起こしと予定表を探すとされています。採用会議以外の会議が混ざるので、個別の指定に絞ります。 指定できるのは5つまでなので、4部門の採用会議を週ごとに入れ替えます。

選考管理表のリストは、リスト自体のURLで指定します。 サイトを指定しても、そのサイトのリストは含まれないとされています。

リストの列の値は、選択肢で固定しておきます。 「現在の段階」は書類選考・一次面接・二次面接・最終面接・内定、「状態」は選考中・通過・見送り・辞退・内定、のように決めておけば、更新案の「更新後の値」もその言葉で出ます。 自由入力の列だと、「2次」「二次面接」「2次面接予定」が混ざり、比べる意味がなくなります。

リストには、見送りや辞退で選考を終えた候補者も残っています。 行数が増え続けるので、選考を終えて半年たった行は別のリストに移すなどして、知識に入れるリストを現役の候補者に絞っておくと、比べる対象がぶれません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 議題の一覧を前日にチャットへ貼る … 受付番号・応募職種・現在の段階の3列だけにします
  2. 会議の冒頭で、扱う候補者の数を言う … 「今日は12名です」。AIが拾った候補者の数と突き合わせます
  3. 決まったことを声に出して確かめる … 受付番号・判断・次の段階・担当を一文で言います
  4. 宿題は持ち主と期限を一緒に言う … 「田中さんが金曜までに確認」
  5. 選考管理表の受付番号を最新にしておく … 会議の前に新しい応募が入っていれば、先にリストへ足します

どれも、会議の進め方の決まりです。 システムの前処理ではなく、人が会議の中で行う前処理です。この構成では、ここを整えるほうが指示文を工夫するより効きます。

3番目の一文は、慣れるまで採用担当が言い直します。 採用責任者が「じゃあ次に進めましょう」で終えたら、採用担当が「1043は二次面接、面接官は田中さんでよろしいですね」と受けます。数週間で、採用責任者の側から同じ形で言うようになります。

5番目を怠ると、更新案に「管理表に無い受付番号」が出ます。 例外処理で拾えますが、毎回出ると採用担当の確認の手間が増えます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、会議で言葉にされた結論を拾い、管理表と比べることだけです。

拾うもの拾い方拾えないときの扱い
候補者ごとの判断通過・見送り・保留が言葉にされた発言「未決定」
判断の理由決めた人が述べた理由の要点「理由の発言なし」
次の選考の段階と担当次の段階、面接官、日程の目安空欄
宿題持ち主・内容・期限持ち主か期限が無ければ「要確認」
未決定の候補者に必要なこと「〇〇を確かめてから決める」の発言「次回の議題」
管理表との違い現在の段階・状態と、会議の判断が違う行受付番号が管理表に無ければ「管理表に無い」
させないこと理由
議論から判断を推し量る合否は出席者が言葉にしたものだけ
候補者の評価を要約する評価は面接官の評価シートにある。議事録に二重に残さない
採否に関係のない事項を記録する公正な採用選考の考え方に反する
管理表への書き込み更新は採用担当が行う
候補者への連絡文の作成判断が確定してから別の手順で作る

理由の要点は、1行で書かせます。 長い理由は、面接の評価を言い直したものになりがちです。議事録に必要なのは「何を根拠に決めたか」で、評価の中身は評価シートにあります。 1行に収まらない理由は、評価シートを見るよう書き添えさせます。

1行目がいちばん大事です。 「経験は十分だけど、カルチャーがどうかな」で話が次に移った候補者を、AIは「見送り寄り」とまとめがちです。言葉にされていない結論は、結論ではありません。 未決定として次回の議題に回します。

Step6

指示内容を固定する

あなたは採用グループの採用担当を手伝い、採用会議の議事録と
選考管理表の更新案を作る立場です。
指定した会議の文字起こしと会議のチャット、選考管理表だけを見てください。

【拾うもの】
- 候補者ごとに、受付番号、判断(通過/見送り/保留/未決定)、
  判断した人、理由として述べられた要点、次の選考の段階と担当。
- 宿題:持ち主、内容、期限。
- 未決定の候補者について、決めるために何を確かめるか。

【厳守事項】
- 候補者は、会議のチャットの議題の一覧にある受付番号で特定してください。
  名前だけで特定できない場合は「要確認」としてください。
- 判断は、出席者が言葉にしたものだけを書いてください。
  議論の流れから結論を推し量らないでください。
  はっきり決まっていない候補者は「未決定」としてください。
- 理由は、判断した人の発言の要点だけを書いてください。
  候補者の人柄や評価を要約しないでください。
- 年齢、家族、出身地、住居、宗教、思想、支持政党など、
  採否に関係のない事項は、議事録にも更新案にも書かないでください。
  そのような発言があった場合は、時刻だけを「採用担当への注意」に書いてください。
- 判断と宿題には、根拠にした発言の時刻を付けてください。
- 選考管理表とは、現在の段階・状態が会議の判断と違う行だけを並べてください。
  管理表を書き換えないでください。

【出力】
1. 候補者ごとの記録(表)
2. 宿題の一覧(持ち主・内容・期限)
3. 未決定の候補者と、次回までに確かめること
4. 選考管理表の更新案(受付番号/項目/現在の値/更新後の値/根拠の時刻)
5. 採用担当への注意(要確認の箇所、記録しなかった発言の時刻)

この指示は、エージェントの指示として Agent Builder に書いておきます。 採用担当は会議ごとに「今週のエンジニア採用会議の議事録と更新案を作って」と頼むだけにします。毎回指示を貼り直すと、人によって指示が変わります。

「採用担当への注意」の欄を作っているのは、記録しなかった事実を残すためです。 不適切な発言を議事録から外すだけでは、会議でそういう発言があったこと自体が採用担当に伝わりません。 時刻だけを渡し、どう扱うかは採用担当が決めます。

Step7

出力形式を固定する

エージェントには、表の形で返させます。 この構成ではシステムへの自動登録をしないため、JSON ではなく、採用担当が読んで直しやすい表を出力の形にします。

【候補者ごとの記録】
| 受付番号 | 応募職種 | 判断 | 判断した人 | 理由の要点 | 次の段階 | 担当 | 根拠の時刻 |
| 1043 | バックエンド | 通過 | 開発部長 | 設計の経験が要件に合う | 二次面接 | 田中 | 00:12:40 |
| 1051 | バックエンド | 未決定 | - | 理由の発言なし | - | - | 00:18:05 |

【宿題】
| 持ち主 | 内容 | 期限 | 根拠の時刻 |
| 田中 | 1051 の一次面接の評価シートを補記 | 金曜 | 00:18:30 |

【選考管理表の更新案】
| 受付番号 | 項目 | 現在の値 | 更新後の値 | 根拠の時刻 |
| 1043 | 現在の段階 | 一次面接 | 二次面接 | 00:12:40 |
| 1043 | 担当の面接官 | (空欄) | 田中 | 00:12:40 |

1つ目の理由は、根拠の時刻で文字起こしに戻れることです。 Teams 会議の Copilot は、応答に使った情報源を示すとされています。採用担当は時刻から該当の発言を開き、判断が本当に言葉にされたかを確かめます。

2つ目は、更新案が「変わる行だけ」であることです。 12名の候補者のうち、管理表を書き換えるのは判断が変わった数名分です。全員分の行を出すと、どこを直すのかを探す手間が戻ってきます。

3つ目は、未決定が独立した欄になることです。 第3章の(b)の「保留が宙に浮く」を防ぐために、未決定の候補者と、決めるために確かめることを一覧にします。 この欄は、翌週の議題の一覧の材料にそのまま使えます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議エージェントの知識に会議を指定文字起こしと会議のチャットを読む
選考管理表エージェントの知識にリストを指定現在の段階・状態を読む。書き込まない
議事録採用担当が Word に貼って整える出席者に配る
宿題の連絡採用担当が Teams のチャットで知らせる持ち主に、内容と期限を送る

議事録は、様式の Word に貼って整えます。 様式には、会議名・日付・出席者・扱った人数・候補者ごとの記録・宿題・未決定の一覧の欄を用意し、エージェントの出力の見出しと同じ順に並べておきます。 貼る位置で迷わなくなります。

配る先は、その会議の出席者だけにします。 議事録には候補者ごとの判断が並ぶので、部門をまたいで配ったり、会議のチャット以外の広いチャネルに貼ったりしません。 宿題の連絡も、持ち主との個別のチャットで送ります。

この構成には、自動で書き込む連携がありません。 選考管理表の更新も、議事録の配布も、宿題の連絡も、採用担当が確かめてから行います。難易度を★1にとどめている理由がここにあります。 書き込みを自動にするのは、運用が落ち着いてから考えます(第9章)。

Step9

人が確認する

  1. 候補者の数を突き合わせる … 会議の冒頭で言った人数と、記録の行数が合っているかを見ます
  2. 判断の行を時刻で確かめる … 「通過」「見送り」の行は、全件、根拠の時刻の発言を開いて確かめます
  3. 未決定の行を確かめる … 本当に決まらなかったのか、言葉にされたのにAIが拾えなかったのかを見ます
  4. 更新案を管理表に反映する … 確かめた行だけを書き換えます
  5. 採用担当への注意を読む … 記録しなかった発言の時刻があれば、扱いを人事の責任者と決めます

確認は、判断の重さで順番を決めます。 見送り、通過、未決定の順に見ます。見送りは候補者に連絡が出た後では取り消せず、通過は次の面接官の時間を押さえることになるからです。未決定は、次回の議題に回すだけなので最後で構いません。

2番目は省かないでください。 見送りの行の誤りは、候補者への見送りの連絡にそのままつながります。 1件でも誤れば、候補者にとっては取り返しがつきません。

目標は、1回の会議あたり確認と反映を合わせて30分です。 12名の会議で、判断の行を時刻で確かめるのに15分、更新案の反映に10分、宿題の連絡に5分という配分です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしを開始し忘れたこの構成に乗らない。採用担当のメモから従来どおり作る
受付番号で特定できない候補者がいる「要確認」で出る。採用担当が議題の一覧と照らす
管理表に無い受付番号が出る会議の前の管理表の更新漏れ。先に管理表へ足してから反映する
同じ候補者に2つの判断が出る会議の途中で判断が変わった。後の時刻の発言を採り、採用責任者に確かめる
宿題の持ち主か期限が無い「要確認」で出る。採用担当が持ち主に聞く
採否に関係のない事項の発言があった議事録に残さず、時刻を人事の責任者に伝える
会議が予定より長く、議題が残った残った候補者は「未決定」。次回の議題の一覧の先頭に置く
会議の途中で文字起こしが止まった止まった後の候補者は記録に出ない。冒頭の人数との差で気づき、メモから補う
人材紹介会社の担当者が会議に同席した他の候補者の判断まで社外の人の耳に入る。採用会議には同席させない運用にする

4行目の「判断が変わる」は、採用会議ではよく起きます。 一度「見送り」と言った後で、別の面接官の補足を聞いて「もう一度会おう」となる場合です。後の発言が結論ですが、AIが前の発言を拾うこともあります。 根拠の時刻が2つ並んでいたら、必ず後の発言を開いて確かめます。

Step11

記録を残す

  • 会議の文字起こしと録画(会議の記録の保存先と期限の設定に従う)
  • エージェントが出した議事録と更新案の原文
  • 採用担当が直した箇所 … どの行を、なぜ直したか
  • 確定した議事録と、管理表を更新した日時
  • 採用担当への注意の記録と、その扱い

直しの記録は、簡単な表で足ります。 会議名、日付、受付番号、直した項目、直す前、直した後、理由(取り違え/拾い漏れ/言い回し)の列です。月に一度この表を見れば、どの種類の誤りが多いかが分かります。

3つ目の直しの記録は、指示を改善する材料です。 「未決定を通過と取り違えた」が続くなら、指示に例を足すか、会議の中での言い方を決め直します。AIの側を直すか、会議の側を直すかを、記録を見て決めます。

文字起こしは、候補者の個人情報を含む記録です。 保存先と期限の設定は、議事録の保存の期限とあわせて人事の責任者が決めてください。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議のチャットの Copilot に、候補者ごとの表を作らせる / 議事録の下書き
半自動化:上記+Agent Builder のエージェントに、会議と選考管理表を知識として持たせ、決めた指示で議事録と更新案を作らせる / 議事録、宿題、未決定の一覧、管理表の更新案
本格構成:上記+採用担当が承認した更新案を、ワークフローで選考管理表に書き込み、宿題を持ち主に通知する / 管理表の更新と宿題の連絡まで

最小構成では、管理表の更新が人に残ります。 議事録の下書きは速くなりますが、③の25分はあまり減りません。確かめるための段階です。 半自動化で、1回90分が30分程度になり、この段階が本記事の想定です。 更新案が「変わる行だけ」で出るので、管理表を開いて候補者を探す手間が減ります。 本格構成の書き込みは、急がないでください。 承認した更新案だけを書き込む仕組みにしても、承認の操作そのものが形だけになると、誤った見送りがそのまま登録されます。半自動化の運用で、判断の取り違えがほとんど出なくなってから考えます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
16 件
1件あたり現在時間
90 分
1件あたり導入後時間
30 分
現在  16件 × 90分 ÷ 60 = 24 時間/月
導入後 16件 × 30分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
16h
削減率
67%
年間削減時間
192h
年間金額換算(時間単価4,000円)
77万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用を通年で行い、部門ごとに毎週の採用会議で候補者の合否と次の選考を決めている IT 企業・人材会社・広告会社・メーカー。会議を Teams で開き、選考管理表を SharePoint のリストや共有の表で持っていて、会議の後に採用担当が議事録と管理表の更新に時間を取られている場合。Microsoft 365 Copilot(現在の名称は Microsoft Copilot)を採用担当が使える場合。
向いていない
  1. 採用会議を対面だけで行い、文字起こしを残せない場合。月の候補者が数名で、会議の場で管理表を直接更新すれば足りる場合。採用管理システムの中で合否の記録と通知が完結している場合。なお、合否を決めるのは会議の出席者です。この構成は判断の記録を助けるもので、判断そのものは代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 次の採用会議の前日に、議題の一覧(受付番号・応募職種・現在の段階)を会議のチャットに貼る
  2. 会議で文字起こしを開始し、決まったことを声に出して確かめる
  3. 会議の後、会議のチャットの Copilot に「候補者ごとに、受付番号・判断・判断した人・次の段階・担当を表にして。決まっていない人は未決定にして。根拠の時刻も付けて」と頼む
  4. 採用担当がこれまでどおりメモから議事録を作り、Copilot の表と並べる
  5. 判断の取り違え、未決定の扱い、宿題の拾い漏れを数える

最初の3回は、必ずメモから作った議事録と並べてください。 比べるのは文章の上手さではなく、判断を取り違えていないかです。

出てきた内容判断
判断と次の段階が一致し、宿題も拾えているエージェントに進む
議論から結論を推し量った行がある指示を強めるか、会議の中で結論を言葉にする運用を徹底する
候補者の取り違えがある議題の一覧の貼り方と、受付番号で呼ぶ運用を見直す
文字起こしの聞き違いが多いマイクの環境を見直す。AIの問題ではない

2行目が出たら、まず会議の側を見直してください。 結論を言葉にしないまま次の候補者に移っている会議では、どれだけ指示を工夫しても、文字起こしに結論が残りません。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
議論から結論を推し量る指示で禁じ、会議の中で結論を言葉にする
候補者を取り違える議題の一覧を前日にチャットへ貼り、受付番号で呼ぶ
議題の一覧が材料に入らない会議の24時間前より前に貼ると範囲から外れる。 前日に貼る
文字起こしを開始し忘れる会議ポリシーで Copilot を「会議中と会議後」に固定する
他の会議の内容が混ざる知識は「すべての会議」ではなく、その週の会議を個別に指定する
リストが知識に入らないサイトではなく、リストのURLを指定する
候補者の評価まで議事録に写る「評価を要約しない」を指示に書く。評価シートに残す
採否に関係のない事項が記録される指示で禁じ、時刻だけを採用担当への注意に出す
判断が途中で変わった候補者を誤る根拠の時刻が2つあれば後の発言を開く
管理表の更新が形だけの承認になる判断の行は時刻を開いて確かめる手順を省かない

上の2行は、どちらも会議の進め方で防ぐものです。 指示文だけで防ごうとすると、指示がどんどん長くなります。会議の側で結論と受付番号を言葉にすれば、指示は短いままで済みます。

3行目から6行目は、知っていれば一度で済む設定の話です。 特に議題の一覧を貼るタイミングは、前日の夕方と決めておくと迷いません。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 候補者の受付番号と応募職種、選考の判断と理由、会議の文字起こしです。文字起こしには、候補者の経歴や面接での発言が含まれます。

  1. 会議の記録を見られる人を絞る … Copilot は、利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すとされています。採用会議の記録と選考管理表の権限を、採用グループと各部門の採用責任者に絞ってください。権限の設定が、そのまま Copilot の見える範囲になります
  2. エージェントを共有しない … 採用会議用のエージェントは採用担当4名だけで使います。埋め込んだファイルは、エージェントにアクセスできる人なら誰でもその情報にアクセスできるとされています
  3. 採否に関係のない事項を残さない … 厚生労働省は、採用選考を応募者の適性と能力だけを基準として行うこと、職業安定法第5条の5と指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報は原則として収集が認められないことを示しています。議事録に残さないのはもちろん、そうした発言が会議で出たこと自体を、人事の責任者が扱う事柄として渡します
  4. AIに合否を決めさせない … この構成は、出席者が言葉にした判断を記録するものです。未決定の候補者について、AIに結論の案を出させないでください
  5. 出力をそのまま信じない … Microsoft は、生成AIの応答が100%事実であることは保証されないとし、ほかの人に送る前に利用者が判断して見直すよう求めています

Copilot に送ったプロンプトと応答は、基盤のモデルの学習に使われないとされています。会議の中で Copilot に送ったプロンプトは、送った本人にしか見えないとされているので、採用担当が会議中に確かめた内容が他の出席者に見えることはありません。

誤りが起きた場合のリスクは、候補者への連絡の誤りです。 通過を見送りと取り違えれば、その候補者とは二度と会えません。判断の行を時刻で確かめる手順だけは、どんなに急いでいても省かないでください。

10まず何から始めるか

1週目:会議の進め方を決める

採用担当と4部門の採用責任者で、議題の一覧を前日にチャットへ貼る、候補者を受付番号で呼ぶ、決まったことを声に出して確かめる、宿題は持ち主と期限を一緒に言う、の4つを決めます。

2週目:会議ポリシーと権限を整える

情報システムの担当に、採用担当が主催する会議の Copilot の設定を確かめてもらいます。採用会議の記録と選考管理表の権限を、採用グループと採用責任者に絞ります。

3週目:会議のチャットの Copilot で試す

1つの部門の採用会議で、最小構成を3回試します。メモから作った議事録と並べ、判断の取り違えを数えます。

4週目:エージェントを作る

Agent Builder で採用会議用のエージェントを作り、議事録の様式と記録しない事項の手引を埋め込み、選考管理表のリストを知識に指定します。指示は第7章の例から始めます。

2か月目: 4部門すべての採用会議をこの流れに乗せ、採用担当の直しを記録します。3か月目以降: 1回90分が何分になったかを実測し、未決定の候補者が翌週の会議で必ず議題に上がっているかを見ます。会議の当日に管理表が更新されるのが当たり前になった時点で、この構成は定着です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
Teams 会議の Copilot の使い方に「会議中と会議後」と「会議中のみ」があること。会議ポリシーの Copilot の設定のうち「On with saved transcript required」が既定の値で、主催者の会議オプションが「会議中と会議後」に固定されること。会議で Copilot に送ったプロンプトが本人にしか見えないこと。追加の Copilot のライセンスが前提であることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-07
文字起こしが会議の記録とともに OneDrive と SharePoint に保存されること。主催者と文字起こしを開始する人の両方の設定が要ること。新しいポリシーで既定でオンであること。日本語が対応言語に含まれることMicrosoft Learn: Manage transcription and captions for Teams meetings2026-10-07
会議の後に質問するには文字起こしが要ること。会議のチャットと「まとめ」のタブから使えること。文字起こしがある場合、会議の24時間前までのチャットが含まれること。応答に使った情報源が示されることMicrosoft サポート: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-07
Agent Builder の知識として、Teams の会議を5つまで、SharePoint のリストを1つまで指定できること。リストが2万行・生の文字で50MBまでであること。サイトを指定してもそのサイトのリストは含まれないこと。「自分の Teams のチャットと会議」を選ぶとすべての会議の文字起こしと予定表を探すこと。埋め込んだファイルはエージェントにアクセスできる利用者なら誰でも情報にアクセスできることMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-07
Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称されたこと。プロンプトと応答が基盤のモデルの学習に使われないこと。利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを示すこと。生成AIの応答が100%事実とは保証されないことMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-07
応募者の基本的人権を尊重し、求人職種の職務遂行上必要な適性・能力を基準として採用選考を行うこと。職業安定法第5条の5及び指針により、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などは原則として収集が認められないこと厚生労働省 公正採用選考特設サイト: 公正な採用選考の基本2026-10-07

どの発言を議事録に残さないか、会議の記録をどれだけ保存するかは、人事の責任者が決めてください。 本記事は Microsoft と厚生労働省の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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