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害虫駆除の業者が写真付きの問い合わせを Make で受け、虫の種類の見立てと緊急度で区分して、出動の案と返信の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

害虫駆除の業者に届く写真付きの問い合わせを Make で受け、写真と文から虫の種類の見立ての候補と、急ぐかどうかの材料を返させます。 緊急度は社内の決まりの表で決め、出動の案と返信の下書きまでを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/不動産/飲食
対象部門
カスタマーサポート/営業
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
分類
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
90h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
73%
年間削減
792h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. フォームとメールで届いた問い合わせを、受付の担当が開く
  2. 写真を見て、虫の種類と、巣の大きさや被害の様子を見立てる
  3. 問い合わせの文とフォームの答えから、場所・刺された人の有無・営業への影響を読む
  4. 急ぐかどうかを決め、急ぐものは作業員の予定表を見て当日の空きを探す
  5. 継続の契約のある顧客なら、契約の範囲かを確かめる
  6. 返信を書く。急ぐものは電話をかける
  7. 受付の台帳に、見立てと対応を記録する
導入後(After)
  1. 自動フォームの送信と代表アドレスへのメールをきっかけに、Make のシナリオが動く
  2. 自動写真の形式・大きさ・枚数を確かめる。対応しない形式は撮り直しのお願いに回す
  3. 自動受付の台帳を引き、継続の契約のある顧客かを確かめる
  4. 自動写真と問い合わせの文を Claude API に渡し、写っているもの・見立ての候補・場所と大きさの手がかりを返させる
  5. 自動見立てとフォームの答えを、緊急度の決まりの表に当て、緊急度を決める
  6. 自動Router で、当日の出動の候補・通常の見積・電話での聞き取り・撮り直しのお願いに分ける
  7. 自動当日の出動の候補は、作業員の予定表から空きを引き、Slack の受付のチャンネルに知らせる
  8. 自動返信の下書きと出動の案を作り、受付の台帳に書く
  9. 人受付の担当が、当日の出動の候補から先に見て、見立てと緊急度を確かめる
  10. 人返信の下書きを直して送る。急ぐものは電話をかけ、出動を決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. フォームとメールで届いた問い合わせを、受付の担当が開く
  2. 写真を見て、虫の種類と、巣の大きさや被害の様子を見立てる
  3. 問い合わせの文とフォームの答えから、場所・刺された人の有無・営業への影響を読む
  4. 急ぐかどうかを決め、急ぐものは作業員の予定表を見て当日の空きを探す
  5. 継続の契約のある顧客なら、契約の範囲かを確かめる
  6. 返信を書く。急ぐものは電話をかける
  7. 受付の台帳に、見立てと対応を記録する

(a)見立てに時間がかかる。 写真の虫が何かを、図鑑や過去の写真と見比べて決める。経験の長い担当は数秒で分かりますが、経験の浅い担当は1件に何分もかかります。

(b)急ぐ問い合わせが埋もれる。 届いた順に開いていくと、玄関の上にスズメバチの巣があるという問い合わせが、ゴキブリの見積の問い合わせの後ろで待っています。繁忙の夏は、開くまでに半日かかることがあります。

(c)見立ての基準が担当ごとに違う。 同じ羽アリの写真を、ある担当はシロアリとして調査を勧め、別の担当はクロアリとして市販の薬剤の案内で返します。どちらで返したかで、その後の依頼につながるかどうかが変わります。

(d)聞くべきことを聞き漏らす。 写真を見て種類が分かると、それで返信を書いてしまい、巣の高さ、刺された人の有無、子どもやペットがいるかを聞かないまま出動の日を決めることがあります。

(e)見立てと現場の答え合わせが残らない。 写真で「アシナガバチの巣」と見立てた問い合わせに、現場でスズメバチの巣が見つかったことがあっても、台帳には現場の結果だけが書かれ、写真でどう見立てたかは残っていません。 どの見立てを外しやすいかが分からないので、新しく入った担当に教える材料もありません。

  1. 【自動】 フォームの送信と代表アドレスへのメールをきっかけに、Make のシナリオが動く
  2. 【自動】 写真の形式・大きさ・枚数を確かめる。対応しない形式は撮り直しのお願いに回す
  3. 【自動】 受付の台帳を引き、継続の契約のある顧客かを確かめる
  4. 【自動】 写真と問い合わせの文を Claude API に渡し、写っているもの・見立ての候補・場所と大きさの手がかりを返させる
  5. 【自動】 見立てとフォームの答えを、緊急度の決まりの表に当て、緊急度を決める
  6. 【自動】 Router で、当日の出動の候補・通常の見積・電話での聞き取り・撮り直しのお願いに分ける
  7. 【自動】 当日の出動の候補は、作業員の予定表から空きを引き、Slack の受付のチャンネルに知らせる
  8. 【自動】 返信の下書きと出動の案を作り、受付の台帳に書く
  9. 【人】 受付の担当が、当日の出動の候補から先に見て、見立てと緊急度を確かめる
  10. 【人】 返信の下書きを直して送る。急ぐものは電話をかけ、出動を決める

9番目が、この設計の分かれ目です。人が最初に開くのは、届いた順ではありません。 当日の出動の候補と、刺された人がいるという問い合わせです。届いた順に並べ直すだけで、第3章の(b)は消えます。

5番目の緊急度をAIに決めさせないのも、意図してのことです。 緊急度は、出動の順番と作業員の手配を動かす決まりで、季節や作業員の人数で変わります。 決まりの表を直せば、AIの指示を変えずに緊急度の付け方を変えられます。

02今回想定するシステム構成

構成図
問い合わせ(フォーム:文・選択の答え・写真/メール:本文・添付)
   │
   ▼【トリガー】フォームの送信 → カスタム webhook/Gmail の Watch emails
Make
   ├──▶ 写真の形式・大きさ・枚数の確認(HTTP で写真を取る)
   ├──▶ 受付の台帳・契約の一覧を引く(Google Sheets)
   ▼
Claude API(HTTP の Make a request で Messages API を呼ぶ)
   │   写っているもの/見立ての候補/場所と大きさの手がかり/聞きたいこと
   ▼
Make ── 緊急度の決まりの表に当てる
   ▼
Router(当日の出動の候補/通常の見積/電話で聞き取り/撮り直し)
   ├──▶ Slack(当日の出動の候補を受付のチャンネルへ)
   ▼
返信の下書き(Gmail)・出動の案・受付の台帳
   ▼
【人が確認】── 送信・電話・出動の決定
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(カスタム webhook、Gmail、HTTP、Google Sheets、Router、Slack)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、画像の入力、構造化出力)OpenAI API、Gemini API
保管Google スプレッドシート(受付の台帳、緊急度の決まりの表、作業員の予定表、契約の一覧)Airtable
通知Slack(受付のチャンネル)Microsoft Teams

作業員の予定表には書き込みません。 出動を決めるのは受付の担当と作業の責任者で、この構成は空きの候補を示すだけです。

写真は、Claude API の画像の入力で渡します。 公式のページでは、画像は JPEG・PNG・GIF・WebP に対応し、1枚あたり base64 で 10MB まで、縦横 8000 ピクセルまでとされています。1回の要求に20枚を超える画像を入れると、1枚ごとの大きさの上限がより厳しくなるともされていますが、この構成は1件5枚までなので当たりません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームの送信と、代表アドレスへのメールの2つを起点にします。 フォームは送信のたびに、Make のカスタム webhook の URL へ文・選択の答え・写真の URL を送ります。メールは Gmail の Watch emails で、問い合わせのラベルが付いたものを見ます。

フォームの側は即時にします。 公式のページでは、即時の webhook は届いた時点でシナリオを動かすとされています。ハチの巣の問い合わせは、届いてから受付の担当が気づくまでの時間を縮めることが目的なので、定時のまとめ処理にはしません。 メールの側は15分おきに見ます。

処理が終わったメールには、ラベル「問合せ・処理済」を付け直します。公式のページでは Gmail のアプリに Update email labels があります。付け直すのは、受付の台帳に行を書けたときだけです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
問い合わせ文、場所(屋内・屋外・軒下・天井裏・床下・店舗の厨房など)、建物の種類、見かけた時期と数、刺された人・かまれた人の有無、子ども・ペットの有無、希望の日カスタム webhook/Gmail
写真虫・巣・フン・被害の跡の写真(5枚まで)。写真ごとの「何を撮ったか」の選択Webhook の写真の URL/メールの添付
顧客の情報継続の契約の有無、契約の範囲(対象の虫・点検の回数)、過去の作業受付の台帳・契約の一覧
緊急度の決まりの表見立てと答えの組み合わせごとの緊急度緊急度の決まりの表
作業員の予定表日ごとの空き、区域、ハチの巣の高所の作業ができるか作業員の予定表

質を決めるのは、フォームの選択の答えです。 「刺された人がいますか」「巣は地面からどれくらいの高さですか」「お店は営業中ですか」を、自由記述ではなく選択で聞きます。 緊急度を決めるのは、写真よりこの答えのほうです。自由記述にすると、書かれていないのか、いないのかが分かりません。

写真ごとに「何を撮ったか」を選んでもらいます。 虫・巣・フン・被害の跡・その他です。巣の写真なのか、巣の近くを飛ぶハチの写真なのかが分かると、見立ての取り違えが減ります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
フォームの問い合わせと写真の URL問い合わせのフォームカスタム webhook
フォームの写真フォームの保管先HTTP の Download a file
メールの問い合わせと添付GmailWatch emails/List email attachments and media
顧客の行・契約受付の台帳・契約の一覧Google Sheets の Search Rows(メールアドレス・電話番号)
緊急度の決まり・予定表各シートSearch Rows

写真は、問い合わせの文より前に置いて渡します。 公式のページでは、画像を文より前に置くと結果がよいとされています。複数の写真には「Image 1:」のような短い見出しを付けると指せるとされているので、「写真1(巣):」「写真2(虫):」のように、依頼者の選んだ種類つきの見出しを付けます。 AIが返す根拠の中で、写真の番号を言えるようにするためです。

写真の URL は、Claude に直接渡さずに Make で取ってから渡します。 フォームの保管先の URL は、外から開けない設定にしておくべきものだからです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 写真の形式の確認 … JPEG・PNG・GIF・WebP 以外(スマートフォンの HEIC など)は、AIに渡さず、撮り直しか形式の変更のお願いの下書きに回します
  2. 写真の大きさの確認 … 10MB を超えるものは渡さず、同じく担当へ回します
  3. 写真の寸法の確認 … 公式のページでは、200ピクセルに満たない小さな画像、低画質や回転した画像では誤りうるとされています。小さすぎる写真は見立てに使わず、撮り直しのお願いに回します
  4. 重複の確認 … 同じメールアドレスか電話番号で、同じ日に届いた問い合わせには印を付けます
  5. 緊急の答えの先取り … フォームで「刺された人・かまれた人がいる」が選ばれていれば、AIを待たずに Slack へ知らせます
  6. AIに渡す範囲を絞る … 名前、電話番号、住所は渡しません。区域は住所の市区町村でワークフローが決めます

5番目をAIの前に置くのは、ここだけは一秒でも早く人に届けたいからです。 刺された人がいる問い合わせは、虫の種類の見立てを待つ理由がありません。受付の担当がすぐ電話をかけ、決められた案内をします。

3番目で撮り直しに回すのは、見立てができない写真で無理に見立てさせないためです。 撮り直しのお願いには、「虫から30センチほど離れて、明るいところで、真上から」のような撮り方の例を添えます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、写真と文から、写っているものと見立ての候補、場所と大きさの手がかりを返すことです。

項目させること判断できないときの扱い
写っているもの写真ごとに insect(虫)/nest(巣)/droppings(フン)/damage(被害の跡)/other/unclear迷えば unclear
見立ての候補社内の区分の一覧(スズメバチ類・アシナガバチ類・ミツバチ類・ゴキブリ類・ネズミ類・シロアリ類の羽アリ・アリ類の羽アリ・トコジラミ・ムカデ・ハト・その他)から最大3つ、確かさの段階つき見立てられなければ unknown
確かさhigh(特徴がはっきり写っている)/medium/low-
見立ての根拠写真の番号と、根拠にした特徴(巣の形、体の色、触角、羽の形)-
場所と大きさの手がかり巣の大きさの手がかり(比べられる物が写っているか)、屋内か屋外か比べる物が無ければ no_reference
聞きたいこと依頼者に確かめたいこと(巣の高さ、見かけた数、いつからか)-

確かさの段階は、写真の写り方で決めさせます。 特徴が写っていなければ、似た虫が多い区分ほど low にします。区分の一覧に無い虫は その他 にし、名前を作らせません。

させないこと理由
虫の種類を言い切る写真での見立ては候補まで。確定は現場で作業員が行う
緊急度を決める決まりの表でワークフローが決める
刺された・かまれたときの手当てを書く医療の判断。決められた案内文を人が伝える
薬剤の名前や使い方を勧める薬剤の選択は作業員の判断。依頼者に自分で駆除させる案内になる
料金を書く料金の表と現場の状況で決める
写真に写った人について述べる見立てに要らない

3行目と4行目は、とくに守ります。 問い合わせの中には「刺されたのですが大丈夫でしょうか」と書かれたものがあります。AIはそれに答えず、sting_mentioned を true にするだけにします。 案内は、社内で決めた文を受付の担当が電話で伝えます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは害虫・害獣の駆除の業者の受付の補助です。
依頼者から届いた写真と問い合わせの文から、写っているものと、
虫の種類の見立ての候補を返してください。

【すること】
1. 写真ごとに、写っているものを insect/nest/droppings/damage/
   other/unclear から選ぶ。
2. 下の区分の一覧から、見立ての候補を最大3つ選び、確かさを
   high/medium/low で付ける。
   - high:その区分を見分ける特徴がはっきり写っている
   - medium:特徴の一部が写っている
   - low:形や色が似ているだけ
3. 候補ごとに、根拠にした写真の番号と特徴を evidence に書く。
4. 巣の大きさを比べられる物(手、ペットボトル、窓枠など)が写って
   いるかを書く。写っていなければ no_reference にする。
5. 依頼者に確かめたいことを、質問の形で questions に書く。

【厳守事項】
- 区分の一覧に無い名前を作らないでください。当てはまらなければ
  その他にしてください。
- 写真が暗い、ぼけている、遠い、小さいなどで見分けられないときは、
  候補を unknown にしてください。無理に選ばないでください。
- 虫の種類を言い切る書き方をしないでください。「〜の可能性」と
  書いてください。
- 急ぐかどうか、出動するかどうかを書かないでください。
- 刺された、かまれた、体調が悪いという記述があれば
  sting_mentioned を true にし、手当てや受診について何も書かないで
  ください。
- 薬剤の名前、使い方、自分で駆除する方法を書かないでください。
- 料金を書かないでください。
- 写真に写った人について何も書かないでください。

【区分の一覧】{categories}
【依頼者が選んだ場所と答え】{answers}
【問い合わせの文】{text}
【写真】(写真1〜写真n。それぞれに依頼者が選んだ種類を付けて渡す)

「無理に選ばないでください」を入れないと、AIは暗い写真でも候補を出します。 出された候補は、確かさが low でも、受付の担当には「AIがそう言った」と見えます。unknown を返せることを、はっきり許しておきます。

「自分で駆除する方法を書かない」を入れるのは、返信の下書きに入り込むのを防ぐためです。 一般的な駆除のしかたを書いた返信は、依頼者に危ない作業をさせることになりえます。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、次の形の JSON を返させます。

{
  "inquiry_id": "",
  "photos": [
    { "no": 1, "content": "nest", "chosen_by_customer": "巣" }
  ],
  "candidates": [
    { "category": "アシナガバチ類", "confidence": "medium",
      "evidence": "写真1:下向きに開いた巣穴が並び、外側の覆いが無い" }
  ],
  "size_reference": "no_reference | 写真2:手と並んでいる",
  "indoor_outdoor": "outdoor | indoor | unclear",
  "sting_mentioned": false,
  "questions": ["巣は地面からどれくらいの高さにありますか。"]
}

公式のページでは、構造化出力は output_config.format に type: "json_schema" を指定し、オブジェクトの additionalProperties を false にします。区分の一覧は enum で渡します。文字列の enum の大文字・小文字は保証されないとされているので、英字の値は Make の側で小文字にそろえてから比べます。

1つ目の理由は、緊急度の決まりの表に機械的に当てられることです。 例えば次のような表で持ちます。

条件緊急度
フォームで「刺された人・かまれた人がいる」、または sting_mentioned が truecall_now(すぐ電話)
候補にスズメバチ類(medium 以上)があり、巣が出入口・通路・窓の近くsame_day(当日の出動の候補)
飲食店で、営業中に厨房・客席で見かけたsame_day
候補にトコジラミ(medium 以上)があり、宿泊施設・賃貸の物件within_2days
候補が unknown、または最上位が lowask(電話での聞き取り)
写真が見立てに使えないretake(撮り直しのお願い)
それ以外normal(通常の見積)

2つ目は、Router で道を分けられることです。 公式のページでは、Router の道は1本ずつ順に処理され、どの条件にも当たらないデータはフォールバックの道で受けられるとされています。道の順番を上の表の順にし、normal をフォールバックにします。

3つ目は、返信の下書きを区分ごとの文型から作れることです。 same_day なら「本日〇時ごろ伺える見込みです。お電話でご都合をうかがいます」、retake なら撮り方の例を添えたお願い、normal なら見積の案内と候補日です。下書きの文の中に、AIの見立ては「写真からは〜の可能性があります」とだけ入れます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
問い合わせのフォームカスタム webhook文・答え・写真の URL を受け取る
GmailWatch emails/List email attachments and media/Create a draft emailメールの問い合わせを受け、返信の下書きを作る
写真の保管先HTTP の Download a file写真を取る
Claude APIHTTP の Make a request写っているものと見立ての候補
受付の台帳・決まりの表・予定表Google Sheets の Search Rows/Add a Row顧客と契約、緊急度の決まり、空きを引き、結果を書く
SlackSend a Messagecall_now と same_day を受付のチャンネルへ

Slack のボットは、受付のチャンネルに入れておきます。 公式のページでは、ボットがチャンネルに入っていないと Channel Not Found のエラーになるとされています。急ぎの知らせが届かないことに、エラーを見るまで気づかない作りにしないでください。

返信は下書きまでです。 Gmail の Send an email は使いません。送るのは、受付の担当が見立てと緊急度を確かめてからです。

Step9

人が確認する

  1. call_now を最初に見る … すぐ電話をかけ、社内で決めた案内をします
  2. same_day を見る … 写真で見立てを確かめ、作業の責任者と出動を決めます
  3. ask と retake を見る … 電話をかけるか、撮り直しのお願いを送ります
  4. normal の下書きを直して送る … 見立ての書き方が言い切りになっていないかを見ます
  5. 見立てを直したら記録する … どの候補を、どの区分に変えたか

2番目で写真を見るのは、same_day が作業員の手配を動かすからです。 見立てが外れていれば、ハチの巣の高所の作業の準備をした作業員が、アリの巣の前に立つことになります。

目標は、360件をならして1件4分です。 normal の多くは下書きを読んで送るだけで2分ほど、same_day と ask は写真を見て電話をかけるので10分ほどかかる想定です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
HEIC などの対応しない形式AIに渡さず、撮り直しか形式の変更のお願いの下書き
写真が小さすぎる・暗いretake。撮り方の例を添える
写真が1枚も無いAIに渡さず、文と答えだけで決まりの表に当て、ask にする
候補が unknownask。受付の担当が電話で聞く
stop_reason が end_turn 以外下書きを作らず、受付の担当に回す
同じ依頼者から続けて届く同じ問い合わせとしてまとめ、新しい写真を足して見立て直す
継続の契約の顧客で、契約の範囲外の虫見積の案内に切り替える。契約の担当に知らせる
Slack の送信が失敗する受付の台帳の行に印を付け、画面の上に出す
HTTP が時間切れになる受付の台帳に「処理できなかった」行を書く

上から3行目までが大半を占めます。 どれもAIの問題ではなく、写真の撮り方の問題です。 フォームに撮り方の例の絵を置くと減ります。

Step11

記録を残す

  • 問い合わせの文と答え、写真、受け取った日時
  • 見立ての JSON の全文と、決まりの表で決まった緊急度
  • 受付の担当が見立てや緊急度を直した記録
  • 返信と電話の記録、出動の日時
  • 作業員が現場で確かめた虫の種類

最後の行が、この構成を育てる材料です。 写真での見立てと、現場で確かめた種類を並べると、どの区分の取り違えが多いかが分かります。 取り違えの多い区分は、確かさの段階の付け方を厳しくするか、決まりの表で ask に回します。

04実装レベルの3段階

最小構成:写真と文を手でAIの画面に貼り、見立ての候補を出させる / 1件ごとの見立て
半自動化:上記+Make でフォームとメールを受け、見立ての結果を受付の台帳に書く / 受け取りと見立てと一覧化
本格構成:上記+緊急度の決まりの表、Router での振り分け、Slack での知らせ、返信の下書きと出動の案まで出す / 受付の区分と手配の材料づくりの全体

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼るので、確かめるための段階です。 半自動化で、1件15分が9分程度になります。 見立ては自動になりますが、急ぐかを決めて空きを探す作業と、返信を書く作業が残ります。本格構成で4分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、急ぐ問い合わせが先頭に並び、返信が区分ごとの文型から出るからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化で夏の繁忙を1回越すと、取り違えの多い区分と、フォームの答えの足りない項目が分かります。それを決まりの表に入れてから Router をつなぐほうが、same_day の空振りが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
360 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  360件 × 15分 ÷ 60 = 90 時間/月
導入後 360件 × 4分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
66h
削減率
73%
年間削減時間
792h
年間金額換算(時間単価2,500円)
198万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. ハチの巣の駆除、ゴキブリ・ネズミ・トコジラミ・シロアリの調査と駆除を請け負い、Web のフォームやメールで写真付きの問い合わせが月に数百件届く業者。受付の担当が写真を見て虫の種類を見立て、急ぐかどうかを決めて返信するまでに時間がかかり、急ぐ問い合わせが通常の問い合わせの列に埋もれることがある場合。飲食店や管理会社からの継続の契約と、家庭からの単発の依頼の両方を受けている場合。
向いていない
  1. 問い合わせのほとんどが電話で、写真が届かない業者。問い合わせが月に数十件で、受付の担当がすぐに電話で聞き取れている場合。なお、虫の種類の確定、刺された人やかまれた人への対応、薬剤の選択と使い方、建物の被害の診断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 去年の問い合わせから30件を選ぶ(ハチの巣、羽アリ、ゴキブリ、ネズミのフン、トコジラミを必ず入れる)
  2. 写真と文から、名前・住所・電話番号を消す
  3. 手元のAIサービスの画面に1件ずつ写真と文を貼り、「写っているものと、次の区分の一覧から見立ての候補を最大3つ、確かさつきで選んでください。見分けられないときは不明にしてください。言い切らないでください」と指示する
  4. 出てきた候補を、作業員が現場で確かめた種類と突き合わせる

30件は必ずやってください。 ワークフローを組む前に、「見分けられないときに不明と言えるか」を確かめます。

出てきた内容判断
現場の種類が候補の中にあったフォームとワークフローの連携に進む
暗い写真でも候補を言い切った指示の書き方で直る。構成は有効
似た区分の取り違えが多いその区分は決まりの表で ask に回す。 写真での見立ての限界として扱う

3行目が出ることは珍しくありません。 シロアリの羽アリとアリの羽アリは、写真では担当でも迷うものです。AIに見分けさせようとするより、電話で「羽の大きさは前と後ろで同じでしたか」と聞くほうが早く片付きます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
暗い写真でも候補を言い切るunknown を返せることを明記し、low は ask に回す
区分の一覧に無い名前を作る一覧を enum で渡し、当てはまらなければ その他
緊急度をAIに決めさせる決まりの表でワークフローが決める
刺されたときの手当てを返信に書く書かせない。決めた案内を人が電話で伝える
自分で駆除する方法を返信に書く書かせない。下書きの文型を区分ごとに決めておく
HEIC の写真で止まる渡さずに撮り直しか形式の変更のお願いに回す
Slack の知らせが届かないボットを受付のチャンネルに入れ、失敗を台帳に出す
写真の URL をそのまま AI に渡すMake で取ってから渡す。保管先を外に開かない
見立てと現場の種類を突き合わせない現場で確かめた種類を台帳に書く
夏の繁忙で決まりの表が合わなくなる季節ごとに表の見直しの日を決めておく

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AIに「答え」を求めすぎることから起きます。写真で返せるのは見立ての候補までで、何をどれだけ急ぐかは、会社が決めておく決まりです。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者の名前・住所・連絡先、家や店の中の写真、刺された人の有無、飲食店の厨房の衛生に関わる情報です。飲食店や宿泊施設にとって、害虫の発生は外に知られたくない情報です。

  1. 名前・住所・電話番号をAIに渡さない … 見立てに要るのは写真と場所の選択だけです。区域はワークフローが市区町村で決めます
  2. 写真の写り込みに気をつける … 家の中の写真には、郵便物、表札、家族の写真が写り込むことがあります。写った人について述べさせない決まりを入れ、受付の台帳の写真の閲覧を受付と作業員に絞ります
  3. 医療と薬剤の判断をしない … 刺された人・かまれた人への対応は、社内で決めた案内を人が伝えます。 AIの出力にも返信の下書きにも、手当てや薬剤の使い方を入れません
  4. 飲食店・宿泊施設の問い合わせの扱いを分ける … 継続の契約のある店の問い合わせは、契約の担当にだけ見えるようにします。営業中の厨房で見かけたという情報は、その店の名前と結び付けて社内で広く回さないでください
  5. webhook の URL と写真の保管先を外に開かない … フォームの送信先と写真の保管先は、依頼者のフォーム以外から触れないようにします

誤りが起きた場合のリスクは、急ぐべき問い合わせを通常の列に回すことと、写真の見立てを確定のように依頼者へ伝えることの2つです。 前者は緊急度をAIに任せると起き、後者は言い切りの見立てが返信に入ると起きます。どちらも、見立ての候補と緊急度の決まりを分けておくことで守ります。

10まず何から始めるか

1週目:区分の一覧と緊急度の決まりの表を作る

作業の責任者と受付の担当で、見立ての区分の一覧と、当日に出る条件を表にします。担当どうしで判断が違っていた組み合わせを、ここで決めます。

2週目:30件で試す

去年の問い合わせから30件を選び、手元のAIサービスで見立てをさせます。見分けられない写真で unknown と言えるか、言い切っていないかを最優先で見ます。

3週目:フォームを直す

刺された人の有無、巣の高さ、営業中かを選択の答えにし、写真ごとに「何を撮ったか」を選べるようにします。撮り方の例の絵を置きます。

4週目:フォームから見立てまでをつなぐ

Make でカスタム webhook とメールを受け、写真の確認と見立てを行い、受付の台帳に書くところまで作ります。この時点では緊急度を出さず、見立ての一覧だけを見ます。

2か月目: 緊急度の決まりの表と Router、Slack の知らせを足します。3か月目以降: 返信の下書きと出動の案を足し、1件15分が何分になったかを実測します。写真の見立てと現場で確かめた種類を毎月並べ、取り違えの多い区分を決まりの表で ask に回した時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-27/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
webhook ごとに待ち行列があり、即時の webhook が届いた時点でシナリオを動かし、既定で並行して処理すること。10秒あたり300件を超えると429で拒まれること。webhook のログが3日間保存されることMake Help: Webhooks2026-10-27
Router の道が1本ずつ順に処理され、どの条件にも当たらないデータをフォールバックの道で受けられること。道ごとにフィルターで条件を付けられることMake Help: Router2026-10-27
HTTP のアプリに Make a request と Download a file があり、タイムアウトが1〜300秒で、HTTPS の URL だけが使えることMake Apps: HTTP2026-10-27
Gmail に Watch emails・List email attachments and media・Create a draft email・Update email labels・Send an email があることMake Apps: Gmail2026-10-27
Google Sheets に Search Rows・Add a Row があることMake Apps: Google Sheets2026-10-27
Slack の Send a Message で、ボットがチャンネルに入っていないと Channel Not Found のエラーになることMake Apps: Slack2026-10-27
画像が JPEG・PNG・GIF・WebP に対応し、1枚あたり base64 で 10MB・8000×8000 ピクセルまでであること。20枚を超えると1枚ごとの寸法の上限が厳しくなること。画像を文より前に置くとよいこと。複数の画像に「Image 1:」のような見出しを付けると指せること。低画質・回転・200ピクセル未満の画像で誤りうること。画像の人の名前を挙げる用途に使えないこと。28×28ピクセルの区画で数えられることClaude Docs: Vision2026-10-27
構造化出力を output_config.format に type: "json_schema" で指定し、additionalProperties を false にすること。enum が使え、文字列の enum の大文字・小文字が保証されないこと。refusal・max_tokens で止まったときはスキーマに合わないことがあることClaude Docs: Structured outputs2026-10-27

虫の種類の確定、刺された人への対応、薬剤の選択は、作業員と責任者、必要に応じて医療機関の判断によってください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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