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保険代理店の LINE に写真付きで届く事故・住所や車の変更・質問の連絡を、種類と急ぎ具合で分けて担当の募集人へ回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

保険代理店の LINE 公式アカウントに届く、文と写真の連絡を Make が受け取り、Claude API で事故・住所の変更・車の入れ替え・質問などの種類と、急ぎ具合に分類します。顧客台帳から担当の募集人を引いて通知し、受付の一覧に残します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/保険/金融
対象部門
カスタマーサポート/営業
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/問い合わせが多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
分類
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
80h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
70%
年間削減
672h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 事務の担当が、LINE 公式アカウントの管理画面でチャットを開く
  2. 新しく届いた連絡の文を読み、写真を1枚ずつ開いて何が写っているかを見る
  3. 送り主の表示名から、顧客台帳で契約者を探す(表示名がニックネームのことが多い)
  4. 契約者の担当の募集人を台帳で確かめる
  5. 何の連絡か、急ぐかを判断する
  6. 社内チャットで担当の募集人に、要点と写真を転送する
  7. 契約者に「担当から連絡します」と返す
導入後(After)
  1. 自動契約者が LINE で文や写真を送ると、Make のシナリオが webhook で受け取る
  2. 自動写真はその場で LINE から取り出し、代理店のドライブに保存する
  3. 自動文に事故を示す語があれば、分類を待たずに担当の募集人へ通知し、契約者に事故の受付の案内を返す
  4. 自動受信の記録のシートに1通ずつ書き、同じ契約者の連絡を3分の区切りでひとまとめにする
  5. 自動5分ごとの処理が、最後の1通から3分たったまとまりを拾い、文と写真を Claude API に渡して分類させる
  6. 自動LINE のユーザーIDから顧客台帳の契約者と担当の募集人を引く
  7. 自動ルーターで、種類と急ぎ具合ごとに通知の先と形を分ける
  8. 自動受付の一覧に、種類・急ぎ具合・要点・写真のリンク・担当を書き、契約者に受付の定型の返事を返す
  9. 人担当の募集人が、通知を見て分類を確かめ、対応する
  10. 人事務の担当が、受付の一覧で契約者を特定できなかったものと、分類の自信が低いものを見て、担当を決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. 事務の担当が、LINE 公式アカウントの管理画面でチャットを開く
  2. 新しく届いた連絡の文を読み、写真を1枚ずつ開いて何が写っているかを見る
  3. 送り主の表示名から、顧客台帳で契約者を探す(表示名がニックネームのことが多い)
  4. 契約者の担当の募集人を台帳で確かめる
  5. 何の連絡か、急ぐかを判断する
  6. 社内チャットで担当の募集人に、要点と写真を転送する
  7. 契約者に「担当から連絡します」と返す

(a)事故の連絡が、ほかの連絡に埋もれる。 管理画面は届いた順に並ぶので、住所の変更の連絡が10件並んだ後ろに、事故の連絡が1件あるということが起きます。事故の直後の契約者は、どうすればいいか分からないまま返事を待っています。

(b)写真を開くまで中身が分からない。 文の無い写真は、開いて見るまで、車の傷なのか、車検証なのか、家の雨漏りなのか分かりません。1件に写真が5枚あれば、5枚とも開きます。

(c)契約者を探すのに時間がかかる。 LINE の表示名は「ゆうき」「Taro」のようなものが多く、顧客台帳の氏名と結び付きません。 過去のやり取りを遡ってようやく分かることがあります。

(d)夜と休日の連絡は、翌営業日まで誰も見ない。 事故は夜にも休日にも起きます。保険会社の事故の受付は24時間ですが、それを案内する返事が翌朝になるのは、代理店として避けたいことです。

  1. 【自動】 契約者が LINE で文や写真を送ると、Make のシナリオが webhook で受け取る
  2. 【自動】 写真はその場で LINE から取り出し、代理店のドライブに保存する
  3. 【自動】 文に事故を示す語があれば、分類を待たずに担当の募集人へ通知し、契約者に事故の受付の案内を返す
  4. 【自動】 受信の記録のシートに1通ずつ書き、同じ契約者の連絡を3分の区切りでひとまとめにする
  5. 【自動】 5分ごとの処理が、最後の1通から3分たったまとまりを拾い、文と写真を Claude API に渡して分類させる
  6. 【自動】 LINE のユーザーIDから顧客台帳の契約者と担当の募集人を引く
  7. 【自動】 ルーターで、種類と急ぎ具合ごとに通知の先と形を分ける
  8. 【自動】 受付の一覧に、種類・急ぎ具合・要点・写真のリンク・担当を書き、契約者に受付の定型の返事を返す
  9. 【人】 担当の募集人が、通知を見て分類を確かめ、対応する
  10. 【人】 事務の担当が、受付の一覧で契約者を特定できなかったものと、分類の自信が低いものを見て、担当を決める

3番目が、この構成でいちばん大事な工程です。 事故の連絡は、写真の分類の結果を待ちません。文の語だけで先に通知し、分類は後から追いかけます。 誤って事故と判定しても、募集人が1件余分に見るだけで済みます。逆に事故を見逃すほうがずっと重いので、語の一覧は広めに取ります。

10番目で、事務の担当の仕事が変わります。 全件を開いて仕分けるのではなく、機械が仕分けられなかったものだけを見ます。 時間の多くは、契約者と LINE の結び付けに使います。

02今回想定するシステム構成

構成図
契約者(LINE)
   │  文・写真
   ▼【トリガー】LINE の webhook
Make(シナリオ1:受信)
   ├──▶ HTTP ── LINE から写真を取り出す ──▶ 代理店のドライブに保存
   ├──▶ 事故を示す語? ──▶ 担当へ即通知・事故の受付の案内を返す
   ▼
受信の記録のシート(1通ずつ)
   ▼【5分ごと】
Make(シナリオ2:分類)
   ├──▶ 3分区切りでまとめる
   ├──▶ Claude API ── 種類・急ぎ具合・写真の種類・要点
   ├──▶ 顧客台帳 ── 契約者と担当の募集人
   ▼
ルーター
   ├── 事故・今すぐ ──▶ 担当へ即通知+事務へも
   ├── 変更・今日中 ──▶ 担当へ通知
   ├── 質問       ──▶ 担当へ通知
   └── フォールバック ─▶ 事務の担当へ
   ▼
受付の一覧/契約者へ受付の定型の返事
役割想定する製品代替候補
ワークフローMakeZapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(文と写真からの種類・急ぎ具合の分類)Gemini API、OpenAI API
連絡の窓口LINE 公式アカウント(Messaging API)-
台帳Google スプレッドシート(受信の記録・顧客台帳・受付の一覧)Microsoft Lists
写真の保管Google ドライブSharePoint
通知社内チャットメール

新しく足すのは、Make のシナリオ2つと Claude API の利用だけです。 保険会社の代理店システムには、何も書き込みません。契約の変更の手続きは、これまでどおり募集人が代理店システムで行います。

Make の LINE のアプリにあるのは Watch Events のトリガーで、 イベントが起きると動きます。Make で作った webhook の URL を、LINE Developers のチャネルの Messaging API のタブに入れ、webhook の利用を有効にします。写真の取り出しと返事の送信は、Make の HTTP のモジュールで LINE の API を直接呼びます。 HTTP のアプリには Make a request と Download a file があり、どちらも認証付きの呼び出しができます。公式の資料は、鍵を見出しやURLに直接書かず、専用の認証の欄に置くことを勧めています。

写真の取り出しは、https://api-data.line.me/v2/bot/message/{messageId}/content で行います。 webhook に入っているメッセージのIDで、画像・動画・音声・ファイルを取れます。利用者が送った中身は一定の期間で自動的に消えるとされ、期間は書かれていません。そのため、受け取ったその場で取り出して保存します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

シナリオは2つに分けます。

シナリオきっかけすること
1:受信LINE の Watch Events(webhook)写真の保存、事故を示す語の即時通知、受信の記録への書き込み
2:分類5分ごとの定時の実行まとまりの判定、Claude API での分類、担当の特定、通知、受付の一覧

受信と分類を分けるのは、連絡が分かれて届くためです。 1通ごとに分類すると、「すみません」だけの1通目が「その他」になり、写真が届くたびに別の受付ができてしまいます。 受信の記録に1通ずつ書いておき、同じ契約者から最後の1通が届いて3分たったら、ひとまとまりとして分類します。

ただし、事故を示す語だけは受信の時点で拾います。 3分と5分の待ちを、事故の連絡に負わせないためです。

webhook は、受け取ったら早く応答を返します。 LINE の公式の資料は、webhook のイベントを非同期に処理することを勧めています。シナリオ1では写真の保存と記録だけを行い、重い分類はシナリオ2に回します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文のメッセージ契約者が送った文、送った日時、LINE のユーザーIDwebhook のイベント
写真画像の中身(JPEG など)LINE の中身の取り出しの API
顧客台帳契約者番号、氏名、LINE のユーザーID、担当の募集人、契約の種類顧客台帳のシート
事故を示す語の一覧「事故」「ぶつけ」「当てられ」「追突」「けが」「水漏れ」「盗まれ」など代理店が作る一覧
定型の返事受付の返事、事故の受付の案内(保険会社ごとの事故の受付の番号)代理店が作る一覧

質を決めるのは、顧客台帳の LINE のユーザーIDの列です。 ここが空だと、分類ができても誰の担当かが分からず、 事務の担当が表示名から探す元の作業に戻ります。契約者が友だち追加したあと、最初に契約者番号か電話番号の下4桁を送ってもらい、 事務の担当が台帳と照らして結び付けます。

事故を示す語の一覧は、広めに取ります。

区分語の例
自動車事故、ぶつけ、当てられ、追突、こすっ、レッカー、動かない
住まい水漏れ、雨漏り、割れ、火事、焦げ、盗まれ、空き巣
人けが、救急、病院

語の一覧で拾い過ぎても、通知が1件増えるだけです。 拾い漏れのほうが重いので、分類の結果が accident なのに語の一覧で拾えていなかった連絡を、月に1回見て一覧に足します。

Step3

データの取得方法を決める

写真は、メッセージのIDで LINE から取り出し、代理店のドライブに保存します。 保存先のフォルダは、受付の日付とユーザーIDで分けます。保存したファイルのリンクを受信の記録に書き、 分類のときはドライブから読み直します。

取るものどこから何に使うか
文・ユーザーID・日時webhook のイベント受信の記録、まとまりの判定
写真の中身HTTP の Download a file(中身の取り出しの API、チャネルアクセストークンで認証)ドライブへの保存と分類
契約者と担当顧客台帳のシート(ユーザーIDで検索)通知の先
同じ契約者の未分類の通受信の記録のシート(ユーザーIDと未分類で検索)ひとまとまりにする

文は、webhook で受け取ったときにしか取れません。 公式の資料では、文は webhook のメッセージに入っていて、あとからもう一度取り直す API は無いとされています。シナリオ1が止まっていた間の文は、管理画面で人が拾うしかありません。

写真は、Claude API に渡す前に大きさをそろえます。 Claude API に直接送る画像は、base64 にした状態で1枚10MBまで、 形式は JPEG・PNG・GIF・WebP です。1回に20枚を超える画像を送ると、1枚あたりの寸法の上限が厳しくなり、縦横2000ピクセル以下にするか、20枚以下に収めるよう案内されています。1件の写真は多くても10枚ほどなので、長い辺を2000ピクセル以下にして送ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. ユーザーIDで台帳を引く … 契約者が特定できなければ、分類はしても通知の先を事務の担当にします
  2. まとまりを作る … 同じユーザーIDで未分類の通を集め、最後の1通から3分たったものを1件にします
  3. 写真の形式と大きさの確認 … JPEG・PNG・GIF・WebP 以外は分類に渡さず、写真が届いた事実だけを書きます。長い辺を2000ピクセル以下にします
  4. 動画・音声・ファイル … 保存だけ行い、分類には渡しません。「動画あり」と受付の一覧に書きます
  5. 事故を示す語の照合 … シナリオ1で済ませた結果を、まとまりに引き継ぎます
  6. 文の中の口座番号・カード番号 … 数字の並びの形で見つけたら、Claude API へ渡す文では伏せます。口座の変更の連絡だと分かれば足ります

6番目は、分類に要らない情報を外へ出さないためです。 口座の変更の連絡では、契約者が番号をそのまま書いてくることがあります。種類を決めるのに番号は要らないので、 伏せてから渡します。元の文は受信の記録に残り、募集人はそちらを見ます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、ひとまとまりの文と写真から、連絡の種類、急ぎ具合、写真に写っているものの種類、要点を出すことです。

させること中身判断できないときの扱い
連絡の種類事故/住所・連絡先の変更/車の入れ替え/口座の変更/解約・中断の相談/補償の質問/その他迷えば other
急ぎ具合今すぐ/今日中/通常事故の語があれば必ず「今すぐ」
写真の種類車の損傷/車検証/運転免許証/建物の損傷/書類/その他分からなければ other
要点何を求めている連絡かを日本語で2行まで文が無く写真だけなら「写真のみ」
足りない情報種類ごとに募集人が後で聞くこと(車の入れ替えなら新しい車の車検証の有無など)決められなければ空
自信種類の判定に自信があるか低ければ事務の担当へ回す

種類と急ぎ具合の組み合わせは、ルーターでの経路の分け方とそろえます。

種類急ぎ具合の決め方通知の先
事故常に「今すぐ」担当の募集人と事務の担当の両方
車の入れ替え納車日が今日・明日なら「今日中」担当の募集人
住所・口座の変更「通常」担当の募集人
解約・中断の相談「今日中」担当の募集人
補償の質問「通常」担当の募集人
その他・自信が低い-事務の担当

車の入れ替えを「今日中」にするのは、新しい車に乗り始める前に手続きが要るためです。 納車日の書かれていない連絡は「通常」とし、募集人が聞き返します。

させないこと理由
補償の対象になるかの判断保険会社と募集人が契約の内容で決める
過失や損害の大きさの見立て写真から推し量らせない
けがの具合の記述健康に関わる情報。分類に要らない
写っている人が誰かの特定Claude の利用の方針で、画像の人の名前を挙げることはできない
契約者への返事の文の作成返すのは代理店が決めた定型の返事だけ
車検証・免許証の番号の書き出し分類に要らない。読み取りは別の仕組みで行う

3行目と4行目は、事故の写真で特に効きます。 事故の写真には、けがをした人や相手の運転手が写ることがあります。分類に要るのは「車の損傷の写真がある」という事実だけで、写っている人の様子は記録に残しません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは損害保険の代理店で、契約者から LINE で届いた連絡を仕分ける事務の担当です。
1人の契約者から短い間に届いた文と写真を、まとめて渡します。
目的は、どの募集人が、どれだけ急いで見るべきかを決めることです。

【連絡の種類(category)】次のどれか1つを選んでください。
accident(事故) / address_change(住所・連絡先の変更) / vehicle_change(車の入れ替え)
/ bank_change(口座の変更) / cancel_consult(解約・中断の相談)
/ coverage_question(補償の質問) / other(その他)

【急ぎ具合(urgency)】now(今すぐ) / today(今日中) / normal(通常)
- 事故の連絡は、内容にかかわらず now にしてください。
- 車の入れ替えで、納車が今日か明日と書かれていれば today にしてください。

【写真の種類(photo_types)】写真ごとに次から選んでください。
vehicle_damage / vehicle_certificate / driver_license / building_damage / document / other

【厳守事項】
- 補償の対象になるか、過失がどちらにあるか、損害がどれくらいかは書かないでください。
- 写真に人が写っていても、その人のけがの様子や、誰であるかを書かないでください。
- 車検証や免許証の番号、口座の番号を書き写さないでください。
- 文に書かれていないことを推測で補わないでください。文が無く写真だけなら、
  summary は「写真のみ」とし、写真の種類だけを書いてください。
- 種類に迷ったら other を選び、confidence を low にしてください。
- 契約者への返事の文は書かないでください。

【契約者の契約の種類】{policy_types}
【届いた文(届いた順)】{messages}
【写真】(このあとに写真を届いた順に渡します)

「事故は内容にかかわらず now」を明記するのは、 何も言わないと、モデルは「駐車場で軽くこすっただけ」のような文を「通常」にするからです。軽いかどうかの見立ては、この構成ではさせないので、急ぎ具合も見立てずに決めます。

写真は、文の前ではなく後ろに置いています。 Claude の公式の資料では、画像を文の前に置くほうがよい結果になりやすいとされていますが、この構成では届いた順の文を先に読ませ、写真を「この文の写真」として見せるほうが、種類を取り違えにくいと考えました。試行の段階で、両方の並べ方を比べて決めてください。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、次の形のJSONを受け取ります。 Claude API の構造化出力は output_config.format に type: "json_schema" とスキーマを入れて指定し、category・urgency・photo_types は enum で縛ります。

{
  "category": "accident",
  "urgency": "now",
  "photo_types": ["vehicle_damage", "vehicle_damage", "other"],
  "summary": "駐車場で車の左後ろをぶつけた。どうすればよいかの問い合わせ",
  "missing_info": ["相手の有無", "けが人の有無"],
  "confidence": "high | low"
}

1つ目の理由は、ルーターで分けられることです。 Make のルーターは、経路ごとに条件を付けて流れを分け、どの条件にも当たらないものをフォールバックの経路で受けます。 経路は順に処理されるので、事故の経路をいちばん上に置きます。 confidence が low のものと、契約者が特定できないものはフォールバックへ流し、事務の担当が見ます。

2つ目は、missing_info で募集人の最初の一言を決められることです。 事故なら「相手はいますか、けがをした人はいますか」、車の入れ替えなら「新しい車の車検証の写真を送ってください」。募集人は通知を見た時点で、何を聞き返せばよいかが分かります。

公式の資料では、enum の値が大文字・小文字だけ違って返ることがあるとされています。 ルーターの条件は、小文字にそろえてから比べます。

受付の一覧は、次の形になります。

受付契約者担当種類急ぎ要点写真状態
10/7 21:14契約者A募集人B事故今すぐ駐車場で左後ろをぶつけた3枚対応中
10/7 21:40特定できず事務その他-写真のみ1枚未対応
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
LINE(受信)LINE の Watch Events文と写真のイベントを受け取る
LINE(中身)HTTP の Download a file写真の中身を取り出す
LINE(返事)HTTP の Make a request定型の返事を返す
代理店のドライブMake のドライブのモジュール写真の保存
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call分類
受信の記録・顧客台帳・受付の一覧Google スプレッドシートのモジュール記録、検索、追加、更新
社内チャットチャットのモジュール担当と事務への通知

契約者への返事は、代理店が決めた定型の文だけです。 受付の返事は「受け付けました。担当の募集人から連絡します」、事故の語を拾ったときは、契約の保険会社の事故の受付の番号を案内する文です。保険会社ごとの番号は、顧客台帳の契約の種類から選びます。AIが書いた文は、契約者に送りません。

保険会社の代理店システムへは、何もつなぎません。 住所や車の変更の手続きは、募集人が契約者に確かめてから行います。

Step9

人が確認する

募集人は、通知を受けたら分類を確かめてから対応します。 分類が違っていたら、受付の一覧の種類を直します。

  1. 「今すぐ」の通知は、見た時点で契約者に連絡する … 事故の連絡では、保険会社の事故の受付への連絡が済んでいるかを最初に確かめます
  2. 通常の通知は、その日のうちに見る … missing_info を見て、聞き返すことを決めます
  3. 事務の担当は、フォールバックに落ちたものを1日2回見る … 契約者が特定できないもの、自信が低いもの、動画やファイル
  4. 分類を直したら記録する … どの種類からどの種類へ直したか

4番目の記録は、プロンプトと事故の語の一覧を直す材料にします。 「質問」とされたものが実は「解約の相談」だった、が続けば、種類の説明を指示に足します。

夜と休日の「今すぐ」は、誰が見るかを決めておきます。 定型の返事で事故の受付の番号は案内されますが、代理店として翌朝まで誰も見ない状態は残ります。 当番の募集人を決めて通知を流すかは、代理店の体制で決めます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
契約者が特定できない分類はして、通知の先を事務の担当にする。結び付けを頼む返事を送る
写真の取り出しに失敗する受信の記録に「写真取得失敗」と書き、事務の担当へ。管理画面で写真を保存する
シナリオ1が止まっていた止まっていた間の文は取り直せない。管理画面で人が拾う
1件の写真が多い長い辺を2000ピクセル以下にし、20枚を超えたら分けて分類する
文が無く写真だけ写真の種類だけで分類し、要点は「写真のみ」
動画・音声・ファイル保存だけ行い、分類に渡さない
Claude API が応答しない種類を空のまま事務の担当へ通知する。事故の語の即時通知は影響を受けない
同じ契約者が別の話を続けて送る3分の区切りで分かれなければ1件になる。募集人が受付を分ける

3行目のために、管理画面のチャットは閉じません。 この構成は管理画面の作業を減らすものですが、webhook が届かなかったときの最後の受け皿として、事務の担当が1日1回、管理画面と受付の一覧の件数を照らします。

Step11

記録を残す

  • 受信した文の原文、ユーザーID、日時(1通ずつ)
  • 写真のファイル(代理店のドライブ)と、取り出した日時
  • Claude API に渡した内容(伏せた後の文と写真のリンク)と、返ってきたJSON
  • 通知した先と日時、募集人が対応を始めた日時
  • 募集人が分類を直した記録
  • 事故の語で即時通知した件数と、分類が accident だった件数の対応

最後の行で、語の一覧の拾い漏れと拾い過ぎが分かります。 拾い漏れ(分類は事故なのに語で拾えていない)は一覧に語を足し、拾い過ぎは気にしません。

04実装レベルの3段階

最小構成:連絡を手で Claude の画面に貼り、種類と急ぎ具合を出させる / 1件ごとの分類
半自動化:上記+Make で、受信・写真の保存・事故の語の即時通知・分類・担当への通知・受付の一覧まで / 受信から担当への通知まで
本格構成:上記+車検証や免許証の写真を読み取って、変更の手続きに要る項目を下書きし、募集人の確認の画面に出す / 変更の手続きの下書き

最小構成では、夜と休日の連絡に間に合いません。 確かめるための段階です。 半自動化で、1件10分が3分になります。この段階が本記事の想定です。 文と写真を開いて台帳を引く作業が無くなり、事務の担当は、仕分けられなかったものだけを見ます。 本格構成の読み取りは、別の仕組みとして足します。 車検証の読み取りは UC-0592 のような構成で、分類と読み取りを1つの指示に混ぜないほうが、どちらの誤りも見つけやすくなります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  480件 × 10分 ÷ 60 = 80 時間/月
導入後 480件 × 3分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
56h
削減率
70%
年間削減時間
672h
年間金額換算(時間単価3,000円)
202万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. LINE 公式アカウントで契約者からの連絡を受けている損害保険の代理店で、事務の担当者が管理画面を見て、文と写真を読み、担当の募集人へ回している場合。事故の連絡と、住所・車の入れ替え・口座の変更・質問が同じ窓口に混ざって届き、事故の連絡に気づくのが遅れることがある場合。顧客台帳に LINE の利用者と契約者の対応を持たせられる場合。
向いていない
  1. 契約者からの連絡が電話とメールに限られ、LINE を使っていない場合。月の連絡が数十件で、事務の担当者が1件ずつ見て足りる場合。事故の受付そのもの(事故の状況の聞き取りや補償の案内)を自動化したい場合(この構成は分類して回すだけで、事故の受付は保険会社と募集人が行います)。写真に写ったけがの具合などを AI に判断させたい場合。

07最小構成で試す方法

  1. 先月 LINE に届いた連絡から、種類が偏らないように50件を選ぶ(うち事故の連絡を10件入れる)
  2. 1件ずつ、文と写真を手元の Claude の画面に貼り、第7章の指示で種類と急ぎ具合を出させる
  3. 当時の事務の担当の判断と、担当へ回した先を突き合わせる
  4. 事故の連絡10件が、すべて「今すぐ」になったかを見る
  5. 写真だけの連絡で、写真の種類が合っているかを見る

4番目が、いちばん確かめたいことです。 事故の連絡が1件でも「通常」になるなら、事故の語の一覧と、急ぎ具合の指示を直すまで先に進みません。

出てきた内容判断
事故は全件「今すぐ」、ほかも当時の判断とほぼ合うMake のシナリオの構築に進む
軽い事故を「通常」にする指示の書き方で直る。構成は有効
写真だけの連絡の種類がよく外れる写真だけの連絡は事務の担当へ回す運用にする
契約者のほとんどが台帳と結び付かないユーザーIDの結び付けが先

4行目が出ることは珍しくありません。 3年間 LINE を使っていても、台帳にユーザーIDの列が無ければ、分類がどれだけ正しくても通知の先が決まりません。 友だち追加のあとの結び付けの返事を先に作り、1か月かけて台帳を埋めてください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
事故の連絡が「通常」になる事故は常に「今すぐ」と指示し、語の一覧で先に拾う
1通ごとに分類して受付が細切れになる受信と分類を分け、3分の区切りでまとめる
後から写真が取れない中身は一定期間で消える。受け取ったその場で保存する
シナリオが止まった間の文が消える文は取り直せない。管理画面と件数を毎日照らす
担当が決まらない台帳にユーザーIDが無い。結び付けの返事を先に作る
写真が多くて呼び出しが失敗する1枚10MBまで。長い辺を2000ピクセル以下にそろえる
けがの様子や相手の人の記述が残る指示で禁じ、写真の種類だけを書かせる
補償の可否のような文が要点に入る指示で禁じ、要点は「何を求めている連絡か」に限る
AIの文を契約者に送ってしまう契約者へは定型の返事だけ
種類の値の大文字・小文字がずれる小文字にそろえてからルーターで比べる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、事故の連絡を「1件の連絡」として正しく、早く拾えるかに関わります。語の一覧での即時通知と、まとまりでの分類を分けて持てているかで、運用に乗るかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 契約者の LINE のユーザーID、氏名と契約の情報、事故の状況の文、車・建物・書類の写真。けがや病院の話のような、健康に関わる情報が混ざることがあります。

  1. 機微(センシティブ)情報を分類に使わない … 金融分野の個人情報保護のガイドラインでは、要配慮個人情報や保健医療に関する情報などを機微(センシティブ)情報とし、 法令に基づく場合や、保険業などの適切な業務運営のために本人の同意に基づいて業務上必要な範囲で扱う場合などを除き、取得・利用・第三者提供を行わないこととしています。 この構成は、けがの様子を書き出させず、写真の種類だけを記録します
  2. 分類に要らない番号を外へ出さない … 口座番号、カード番号、車検証や免許証の番号は、分類に要りません。文の番号は伏せてから渡し、写真の番号は書き写させません
  3. 写真に写った人を特定しない … Claude は利用の方針により画像の人の名前を挙げず、この構成でも人の特定をさせません
  4. 契約者へAIの文を送らない … 返すのは代理店が決めた定型の返事だけです。補償に触れる返事を機械が送ると、募集の説明と取り違えられます
  5. 写真の保管の期間を決める … 写真は代理店のドライブに残ります。事故の写真は保険会社へ渡したあと、いつまで代理店が持つかを決めておきます
  6. LINE の利用者と契約者の結び付けを人が確かめる … 誤って別の契約者に結び付けると、他人の契約の連絡が別の募集人へ届きます

誤りが起きた場合のリスクは、事故の連絡に気づくのが遅れることと、機微な情報を必要以上に記録することの2つです。 前者は語の一覧での即時通知で、後者は指示と前処理で、取り扱う範囲を最初から絞って防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:ユーザーIDの結び付けを始める

友だち追加のあとに契約者番号か電話番号の下4桁を送ってもらう定型の返事を作り、届いたものを事務の担当が台帳と照らして結び付けます。 既存の友だちには、案内を一斉に送ります。

2週目:50件で試す

先月の連絡から50件(事故10件を含む)を選び、手元の Claude の画面で分類させます。事故が全件「今すぐ」になるかを最優先で見ます。

3週目:受信のシナリオを作る

LINE の Watch Events で受け取り、写真を保存し、事故の語で即時通知するところまで作ります。分類より先に、事故の即時通知と写真の保存を動かします。

4週目:分類のシナリオを作る

5分ごとにまとまりを拾い、Claude API で分類し、台帳で担当を引き、ルーターで通知するところまでつなぎます。この時点では、管理画面での従来の仕分けも並行して続けます。

2か月目: 従来の仕分けをやめ、フォールバックだけを事務の担当が見る形にします。募集人が分類を直した件数を毎週数えます。3か月目以降: 1件10分が何分になったかを実測し、事故の語の一覧を見直します。事故の連絡が、届いてから数分で担当の募集人に届くようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
Make の LINE のアプリに Watch Events があり、Make で作った webhook の URL を LINE Developers の Messaging API のタブに入れ、webhook の利用を有効にすること。接続にチャネルアクセストークンを使うことMake: LINE2026-10-07
HTTP のアプリに Make a request と Download a file があり、認証付きの呼び出しができること。鍵は専用の認証の欄に置くよう勧められていることMake: HTTP2026-10-07
ルーターが条件ごとに流れを分け、どの条件にも当たらないものをフォールバックの経路で受けること。経路が順に処理されることMake: Router2026-10-07
webhook のイベントを非同期に処理するよう勧められていること。署名の検証。利用者が送った画像などを https://api-data.line.me/v2/bot/message/{messageId}/content で取り出せること。利用者が送った中身は一定の期間で自動的に消えること。文は webhook で受け取り、あとから取り直す API は無いことLINE Developers: Receiving messages2026-10-07
画像の形式(JPEG・PNG・GIF・WebP)。API に直接送る画像は base64 で1枚10MBまで。20枚を超えると寸法の上限が厳しくなり、2000ピクセル以下か20枚以下が案内されていること。画像は28×28ピクセルのかたまりでトークンが決まること。画像を文の前に置くとよい結果になりやすいこと。画像の人の名前を挙げられないことClaude API: Vision2026-10-07
構造化出力を output_config.format に type: "json_schema" で指定すること。enum の値が大文字・小文字だけ違って返ることがあることClaude API: Structured outputs2026-10-07
金融分野の個人情報取扱事業者は、要配慮個人情報や保健医療に関する情報などの機微(センシティブ)情報を、法令等に基づく場合や、保険業などの適切な業務運営のため本人の同意に基づき業務上必要な範囲で扱う場合などを除き、取得・利用・第三者提供しないこととされていること(第5条)個人情報保護委員会: 金融分野における個人情報保護に関するガイドライン2026-10-07

事故の受付の流れ、契約者への返事の文、写真の保管の期間は、代理店と取扱いの保険会社の決まりに合わせてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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