Tinesで社員のAI自動化を受け止める方法|情シスが握る3つの線

Tinesで社員のAI自動化を受け止める方法|情シスが握る3つの線

「マーケの担当者が、問い合わせの振り分けを自分でAIに作らせて動かし始めた。止めるべきか迷っている」「営業から、顧客管理の更新をエージェントに任せたいと相談が来た。許可を出す基準がない」——情シスやセキュリティの担当者が、ここ一年で急に受けるようになった相談です。社員が作る自動化は、禁止するか野放しにするかの二択で考えられがちですが、本当の論点は、どこで受け止めるかです。アイルランド発の Tines は2026年7月28日、社員が自然言語で作ったワークフロー、アプリ、エージェントを、情シスの統制の下で動かす基盤「Tines 3B」を発表しました。この記事では、Tines 3B を例に、マーケや営業の社員が自分でAI自動化を作り始めたとき、情シスがどの段で受け止め、資格情報・記録・止め方をどう握るか、現場の速さを殺さない線を、場面ごとに整理します。


カメ先生カメ先生

社員が自動化を作ると統制が崩れる、と思われがちなんだけど、崩れるのは作ることそのものじゃなくて、作ったものが情シスの知らない場所で、作った人の資格で動くことなんだ。


カメ子カメ子

作る前の審査を厳しくすれば防げる、という話ではないということですか。


カメ先生カメ先生

審査を厳しくすると、現場は申請をあきらめて手元で作るようになる。Tines 3B の考え方は、作るのは自由にして、動かす場所を情シスが用意し、鍵と記録と止める手段をそこで握るというものだね。


カメ子カメ子

入口で止めるのではなく、動く場所で見張るということですね。


この記事のポイント
  • Tines 3B は、社員が自然言語で作った自動化・アプリ・エージェントを、情シスが用意した場所で動かす基盤。資格情報は作る人にもAIにも見せず、手順ごとに隔離して動かすと説明している
  • 受け止める段は「作る前の審査」より「動かす場所」。つなげる先と権限を場所ごとに先に渡し、資格情報・記録・止め方は情シスが握る
  • AIに判断させないのは、どのデータにつなぐか、顧客に影響する操作を許すか、止めるかどうか。効果の見積もりも出どころを確かめてから使う

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目次

Tines は、社員が作ったAIの自動化を情シスの側で動かす基盤

Tines は、2018年にアイルランドのダブリンで創業した会社で、セキュリティ部門や情シスの定型作業を自動化する製品で知られてきました。報道によれば、2025年2月の資金調達で企業価値は11億2,500万ドルとされ、これまでの調達額は2億7,200万ドルです。ダブリンとボストンを拠点とし、顧客には Notion などの企業が挙がっています。

2026年7月28日に発表した Tines 3B は、同社にとってセキュリティや情シスの担当者ではなく、一般の社員に向けた初めての製品です。社員が作りたいものを自然な言葉で説明すると、会社が許可した道具やデータにつないで、ワークフローやアプリ、エージェントを組み立てる。それを、情シスが統制できる一つの場所で動かすという説明です。

従来の製品は名前を改めて、別の製品として続きます。同社の共同創業者で最高経営責任者は報道の中で、3B は既存の製品への機能追加ではなく、新しい基盤として作り直したものだと述べています。従来の製品の顧客は追加の費用なしで 3B を使えると報じられており、それ以外の会社の価格は問い合わせです。

2026年7月の 3B の発表で、何が変わったか

発表で強調されたのは、社員が作ることを前提にした統制の仕組みです。公式の紹介ページと報道をもとに、情シスの立場で関係する点を拾うと次のようになります。資格情報は、透過的な中継を通じて実行時に差し込まれ、作る人にもAIにも見えず、コードにも残らない。ワークフローの手順は一つずつ隔離された環境で動き、終わると捨てられる。作る途中で本物のデータやアプリを使う前には、確認を求める。動かす前に、見本のデータでの試験を提案する。

管理の面では、すべてのアプリ、エージェント、自動化を一つの画面で見られ、それぞれが何をしているか、費用、誰が使えるか、まだ使われているかが分かると説明されています。AIの提供元やモデルごとの支出の管理、重複した自動化や依存関係、失敗の把握も挙がっています。権限はチームと個人の単位で情シスが設定することで、作られたワークフローを一つずつ事前に審査しなくて済む、というのが同社の主張です。

置き方は、社内の環境、自社の運用、両者の組み合わせから選べると紹介されています。手元のコード支援の道具、たとえば Claude Code や Codex で作ったものを、3B の上で動かし見張る使い方も示されています。つなぐ先としては Okta、CrowdStrike、ServiceNow、Jira、Slack などが挙がり、任意の API や MCP にも対応すると説明しています。

発表には、初期の顧客として顧客対応ソフトの会社の情シスの責任者の声が添えられています。社員が自分のワークフローを作れるようにしつつ情シスが見通しを保つために使っており、導入を決めた中心の理由は資格情報の保護と利用の権限の管理だったと述べています。同社が報道向けに示した数字では、企業の顧客数が前年の三倍になり、毎週15億件を超える自動の処理を扱っているとしています。いずれも提供元の公表値ですが、選ばれた理由がAIの賢さではなく、鍵と権限の扱いだった点は、情シスの立場で読むときの手がかりになります。

  • 支出の上限の設定方法や、変更の記録の細部は、公式ページの記載が限られています。導入前の検証で実際の画面と書面で確かめてください
  • 最高経営責任者は、社員が作ったアプリやエージェント、自動化が三週間余りで500を超えて稼働したと語っていますが、どの組織での数字かを含め提供元の発言です

受け止めるのは「作る前」ではなく「動かす場所」

社員の自動化を受け止める段は、大きく三つ考えられます。作る前の申請と審査、作った後の公開前の審査、そして動かす場所での統制です。多くの会社は一つ目か二つ目を選びますが、AIで自動化を作る速さは、申請と審査の待ち時間とは釣り合いません。審査に一週間かかるなら、現場は一時間で作れる手元の道具を選ぶことになります。

Tines 3B が前提にしているのは三つ目です。作ることは自由にし、つなげる先、使える資格情報、動く環境、残る記録を、情シスがあらかじめ用意した場所の側で決めておく。同社が引用する IBM の調査によれば、経営層の77%がAIの導入が統制の整備を上回る速さで進んでいると答えています。そうした状況では、入口の審査で追いつくのは難しいという判断です。

もっとも、動かす場所で受け止めると決めても、情シスの仕事が減るわけではありません。仕事が、一件ずつの審査から、場所の設計と、動いているものの見張りに移るだけです。ここからは、マーケと営業でよく起きる場面に沿って、情シスがどこで何を握るかを見ていきます。ワークフローの設計項目の一般論は別の記事で扱っているため、ここでは受け止める側の判断に絞ります。

場面1:マーケ担当が、問い合わせの振り分けをAIに作らせる

最初の場面は、マーケの担当者が、ウェブサイトの問い合わせを内容で振り分け、営業の担当に知らせる自動化を作りたいというものです。従来なら、マーケの担当者は外部の自動化の道具に自分のアカウントで登録し、問い合わせの受け皿と顧客管理の仕組み、社内の連絡の道具を、自分の資格でつないでいたはずです。

この形の問題は、作った人の資格で動くことです。担当者が持っている権限が広ければ、自動化も同じだけ広い権限を持ちます。担当者が退職すれば、資格が止まって自動化も止まるか、資格が残ったまま動き続けるかのどちらかです。そして、問い合わせの中身という個人情報が、情シスの知らない外部の道具を通ることになります。

AIが振り分けを判断する部分にも注意が要ります。問い合わせの内容から、資料請求か、商談の依頼か、苦情かを分けるのはAIの得意な作業ですが、分け方を誤ったときに誰が気づくのかが決まっていなければ、大事な商談の依頼が営業に届かないまま埋もれます。

場面1の受け止め方:つなげる先を、場所ごとに先に渡しておく

Tines 3B では、作る場所ごとに、つなげる道具、使えるスキル、権限をまとめて渡せると説明されています。情シスがマーケ部門の場所をあらかじめ作り、問い合わせの受け皿、顧客管理の仕組み、社内の連絡の道具へのつなぎ先を、読み書きできる範囲を絞った状態で用意しておく。担当者はその中で、自然な言葉で自動化を作ります。

こうしておけば、自動化は担当者個人の資格ではなく、場所に紐づいた資格で動きます。担当者が異動しても、自動化は情シスの管理の下に残ります。作る途中で本物のデータを使う前に確認が入る仕組みもあるため、試しに動かしたつもりで本番の顧客に通知が飛ぶ、という事故も減らせます。

振り分けの判断については、AIに任せきりにしない設計を、場所の決まりとして入れておきます。たとえば、AIが分類に自信を持てなかったものは人の確認待ちの列に入れる、苦情に分類したものは必ず人が読んでから回す、といった形です。振り分けの理由を一文で残させ、週に一度、人が抜き取りで確かめるところまでを、場所の標準の手順にしておくと、作る人ごとのばらつきが減ります。

報道によれば、Tines 3B には部門ごとに整理した200を超える依頼文の例が用意されています。情シスにとっては、これをそのまま配るより、自社の場所の決まりに合わせて書き換えた例を部門ごとに数本用意するほうが効きます。人の確認待ちの列に回す条件や、理由を一文で残させる指示を、あらかじめ例の中に入れておけば、作る人が意識しなくても、標準の手順に沿った自動化ができあがります。動かす前に見本のデータで試す提案を省かないことも、場所の決まりとして書いておきます。

場面2:営業が、顧客管理の更新をエージェントに任せたい

二つ目の場面は、営業部門が、商談の記録をもとに顧客管理の仕組みの項目を更新するエージェントを作りたいというものです。問い合わせの振り分けと違うのは、エージェントが書き込みをすることです。顧客の状態、商談の段階、次の予定といった項目をエージェントが書き換えれば、それを見て動く営業の会議や予測の数字が変わります。

ここで最も危ないのは、資格情報の扱いです。エージェントに顧客管理の仕組みの鍵を渡す方法として、営業の担当者が自分の鍵を設定に貼り付ける、というやり方が今でも見られます。鍵が設定やコードに残れば、その自動化を複製した人、設定を見られる人、そしてAIそのものが鍵に触れられることになります。

もう一つは、エージェントが判断を誤ったときの影響です。商談の記録から「受注見込みが高い」と判断して段階を進めた結果、月次の売上の見込みが膨らむ。書き込みの誤りは、後から気づいても元の値が分からないことが多いため、読むだけの自動化とは別の扱いが必要です。

場面2の受け止め方:資格情報は、作る人にもAIにも見せない

Tines 3B の説明では、資格情報は実行時に中継を通じて差し込まれ、作る人にもAIにも見えず、コードにも保存されません。情シスの立場では、鍵を配るのではなく、鍵を使える場所を配るという発想に切り替えることになります。営業の担当者は鍵を持たずにエージェントを作り、エージェントは動く瞬間にだけ鍵を使えます。

加えて、書き込みをする自動化には、読むだけの自動化より一段重い決まりを当てます。書き換えてよい項目を限る、金額や受注の段階のように数字に影響する項目は提案にとどめて人が確定する、書き換えた前後の値を記録に残す、といった形です。手順ごとに隔離された環境で動く仕組みは、ある手順の誤りや悪意のある手順がほかに広がらないようにするためのもので、誤った判断そのものを防ぐものではありません。

エージェントの判断の根拠も残させます。なぜこの商談の段階を進めると判断したのか、商談の記録のどの部分を根拠にしたのかを一文で書かせ、営業の責任者が月に一度、根拠と結果が合っているかを見直します。AIに判断させるのではなく、AIに案と根拠を出させ、人が確定するのが、書き込みの自動化の基本形です。

場面3:作った人が異動し、誰も中身を知らない自動化が残る

三つ目の場面は、半年後に起きます。マーケの担当者が作った振り分けの自動化が、担当者の異動後も動き続けている。誰も中身を知らず、問い合わせの受け皿の項目が変わったときに、黙って誤った振り分けを続けていた。社員が自動化を作れるようになった会社では、ほぼ確実に起きることです。

この場面の問題は、自動化の持ち主が人に紐づいていることです。作った人がいなくなると、誰が直すのか、止めてよいのか、まだ使われているのかが分からなくなります。そして、止めてよいか分からない自動化は、止められないまま増え続けます。

自然な言葉で作った自動化は、作った本人でさえ中身を細部まで説明できないことがあります。AIが組み立てた手順を読み解くのは、表計算のマクロを引き継ぐより難しい場合もあります。作る速さが上がった分、引き継ぎの難しさも上がっていると考えておく必要があります。

場面3の受け止め方:記録と変更履歴を、持ち主の欄とセットで見る

Tines 3B は、すべてのアプリ、エージェント、自動化について、何をしているか、誰が使えるか、まだ使われているかを一つの画面で示すと説明しています。変更の追跡や版の管理も挙がっています。情シスはこの一覧を、持ち主の欄と見直しの期日を必ず埋める台帳として使います。持ち主が空欄のものは、場所の責任者が引き取るか、止めるかを決めます。

異動や退職の手続きに、自動化の引き継ぎを組み込むのも効果があります。人事の手続きで異動が決まったら、その人が持ち主になっている自動化の一覧を出し、引き継ぎ先を決めてから異動を完了させる。人の手続きと自動化の持ち主を連動させることで、持ち主のいない自動化が生まれにくくなります。

使われていない自動化を見つける機能も、止める判断の材料になります。ただし、使われていないように見えるだけで、月に一度や年に一度だけ動く大事な処理もあります。利用が少ないことだけを理由に自動で止めるのではなく、持ち主に確かめてから止めるという順番を守ります。

もう一つ、扱いを決めておきたいのが自動の修復と改善です。報道によれば、Tines 3B には動いているワークフローを見張って改善点を探す機能と、壊れたワークフローの修復を自動で試みる機能があります。止まった自動化が勝手に直るのは便利ですが、直した結果、振り分けの条件や書き込む項目が変わることもありえます。自動で直した内容は、持ち主が確かめるまで本番に反映しないか、少なくとも直したことと変更の中身を持ち主に知らせる設定にしておきます。変更の追跡と版の管理の機能は、この確認のために使います。

場面4:便利さが広がり、AIの利用料が月をまたいで膨らむ

四つ目の場面は、うまくいった後に起きます。マーケと営業で自動化が評判になり、ほかの部門も作り始める。それぞれの自動化がAIを呼ぶため、AIの利用料が月をまたいで膨らみ、どの自動化がどれだけ使っているか分からない。社員が自動化を作れることの裏側です。

加えて、効果の説明が求められます。経営層からは、これだけ費用をかけて何が楽になったのかと聞かれます。Tines 3B には、節約できた時間を時給で金額に換算して見積もる機能があると報じられています。見積もりはAIが作る場合、利用者が入力する場合、空欄の場合があり、情シスはそれぞれの見積もりの出どころを確かめられると説明されています。

ここで、AIが作った効果の見積もりを、そのまま経営層への報告に使うのは避けるべきです。AIは自動化の中身から、それらしい削減時間を出しますが、実際にその作業が以前どれだけかかっていたかは知りません。効果の数字は、利用者が入力したものか、実際の作業時間の記録に基づくものだけを報告に使います。

場面4の受け止め方:上限と、効果の見積もりの出どころ

費用の面では、AIの提供元やモデルごとの支出を管理できると説明されています。公式ページの画面の例では支出の上限が示されていますが、上限の設定方法や、超えたときに何が起きるかの細部は書かれていません。上限を超えたときに止まるのか、知らせるだけなのかは、導入前の検証で必ず確かめる項目です。

確かめたうえで、部門ごとの場所に月の上限を設け、八割に達したら場所の責任者に知らせる運用にします。重複した自動化を見つける機能が説明されているため、同じ処理を別々の人が作っていないかを月次で見て、一つにまとめるのも費用を抑える手段になります。

効果の報告は、三つの段に分けると扱いやすくなります。利用者が入力した見積もり、作業時間の記録に基づく実測、AIが作った推定です。経営層への報告には前の二つだけを使い、AIの推定は、どの自動化から実測を取りに行くかを決める材料にとどめます。

止め方:一つを止める、場所ごと止める、全部止める

どの場面でも共通して必要なのが、止め方です。社員が作った自動化が誤った動きをしたとき、情シスがすぐに止められなければ、動かす場所で受け止めるという考え方は成り立ちません。止め方は三段で用意します。

STEP1
一つの自動化を止める

誤った振り分けや書き込みが見つかったら、その自動化だけを止めます。止めたことを持ち主と利用者に知らせ、止めていた間に処理されなかった分を誰がどう拾うかを決めます。

STEP2
場所ごと止める

ある部門の場所で、資格情報の漏えいの疑いや、つなぎ先の仕組みの障害があったときは、その場所の自動化をまとめて止めます。場所の責任者と情シスの両方が止める権限を持ちます。

STEP3
全部止める

AIの提供元側の事故や、社内全体に関わる事故のときは、すべての自動化を止めます。止める権限を持つ人を二人以上決め、夜間や休日の連絡の順番も書いておきます。

STEP4
再開の条件を決める

止めた理由が解消されたことを誰が確かめるか、再開した後の一定期間は人の確認を増やすか、を決めます。再開も止めたときと同じく記録に残します。

止めた後に、元に戻す手段も要ります。公式の紹介ページは、版の管理と Git との連携を標準で備え、チームや 3B 自身が加えた変更を追跡できると説明しています。誤った変更が原因なら、止めた自動化を直前の版に戻して再開できます。戻せる版が残っていることを、止める手順の前提として確かめておくと、止める判断をためらわずに済みます。

止める判断も、AIに任せません。異常を知らせる仕組みや、AIが作る状況の要約は材料として使いますが、止めるかどうかは人が決めます。特に、一つの自動化の異常を見て、AIが自動で場所ごと止めるような設定は、誤検知のたびに部門の業務が止まるため避けます。

AIに判断させないところ

ここまでの場面で繰り返し出てきた、AIに判断させない線をまとめます。社員が自然な言葉で自動化を作れるということは、AIが手順を組み立て、どこにつなぐかの案を出し、動かした結果を要約するということです。案を出させるのはよいのですが、次のような判断まで任せると、動かす場所で受け止める仕組みは働きません。

  • どの顧客データや社内の資料につなぐかを、AIの提案のまま決める
  • 顧客管理の仕組みの金額や商談の段階を、AIが判断して人の確認なしに書き換える
  • 作る途中の確認を、急いでいるからと読まずに承認して本物のデータで動かす
  • AIが作った効果の見積もりを、出どころを確かめずに経営層への報告に使う
  • 異常の検知をきっかけに、AIが自動で部門の自動化をまとめて止める
  • 資格情報を、作る人がエージェントの設定やコードに直接書き込む

裏返せば、情シスが握るのは三つの線です。どこにつなげるか(場所と権限)、何の資格で動くか(資格情報)、いつ止めるか(記録と止め方)。この三つを握っていれば、作る中身は現場に任せられます。

情シスとマーケ・営業の持ち分

最後に、持ち分を表にします。社員が自動化を作る会社では、情シスが全部を持とうとすると現場が遅くなり、現場に全部を任せると統制が崩れます。持ち分を先に決めておくことで、現場の速さと統制の両方を保てます。

決めること情シスマーケ・営業の場所の責任者作る社員
場所の設計(つなげる先と権限)作る・変える必要なつなぎ先を申し出る場所の中で使う
資格情報登録し管理する使う範囲を承認する触れない
自動化の中身標準の手順を示す書き込みをするものを確認する作る・直す
持ち主と見直しの期日台帳を管理する引き取り先を決める持ち主の欄を埋める
費用の上限全社の上限を決める場所の上限を決める上限の中で使う
止める全部止める・場所ごと止める場所ごと止める自分の自動化を止める

表で大事なのは、作る社員が資格情報に触れないことと、場所の責任者を部門の側に置くことです。情シスだけでは、部門の業務の中で何が正しい振り分けかを判断できません。場所の責任者は、業務の正しさに責任を持つ人として部門から出してもらい、情シスは仕組みの正しさに責任を持つ、という分け方が回りやすい形です。

よくある質問

社員が作った自動化は、一つずつ審査しなくてよいのですか

Tines は、権限をチームと個人の単位で設定することで、一つずつ事前に審査しなくて済むと説明しています。ただし、これはつなげる先と権限が場所の側で絞られていることが前提です。顧客管理の仕組みへの書き込みのように影響の大きい自動化は、場所の責任者の確認を挟む決まりを残すのが無難です。

すでに外部の自動化の道具で動いているものは、どうすればよいですか

まず一覧を作り、誰の資格で動いているか、どのデータを通しているかを確かめます。そのうえで、個人情報を扱うもの、書き込みをするもの、作った人が異動しているものから順に、情シスの用意した場所へ移します。すべてを一度に移す必要はありません。移した後は、元の道具に登録していた資格情報を必ず取り消し、二重に動かない状態にします。

手元のコード支援の道具で作ったものも受け止められますか

公式の紹介では、Claude Code や Codex などで作ったものを 3B の上で動かし、見張る使い方が示されています。ただし、手元で作る段階で資格情報をコードに書いてしまうと意味がありません。手元で作るときも資格情報を書き込まない決まりを、先に伝えておく必要があります。

社外のクラウドではなく、自社の環境に置けますか

公式の紹介ページは、社内の環境、自社での運用、両者の組み合わせのいずれでも動かせると説明しています。自社で運用する版については、7月の更新情報で、メールの送信設定を動的に変えられるようにしたことや、守りを固めた実行用の部品に切り替えたことが案内されています。ただし、自社で運用すれば、版の更新や障害の対応は情シスの仕事になります。資格情報と記録を社外に出したくないという理由と、運用の体制があるかどうかを並べて判断するのが無難です。

無料で試せますか

報道によれば、試用の版があり、利用者や接続先の数に制限はない一方で、本番で動かせるワークフローは三つまで、AIの利用枠は一度きりの50ドル分とされています。統制の機能をどこまで試せるかは版によって異なる可能性があるため、検証したい機能を先に挙げてから問い合わせるのが確実です。

まとめ

社員が自分でAI自動化を作り始めたとき、禁止するか野放しにするかで考えると、どちらも失敗します。Tines 3B が示しているのは、作ることは自由にし、動かす場所を情シスが用意して、つなげる先、資格情報、記録と止め方をそこで握るという受け止め方です。マーケの振り分け、営業の書き込み、持ち主の異動、費用の膨張という場面ごとに、場所の設計、鍵を見せない仕組み、持ち主の台帳、上限と効果の出どころの確認で受け止める。そして、どこにつなぐか、顧客に影響する書き込みを許すか、止めるかどうかは、AIではなく人が決める。この線を先に引いておけば、現場の速さを保ったまま、情シスは統制を手放さずに済みます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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