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総務が各課から集まる月次の業務の報告を Word の Copilot で総務の月報にまとめ、未解決の事項の一覧を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

拠点の総務の係から毎月届く業務・設備と車両・安全と防災の報告を、Word の Copilot で拠点ごとに要約し、役員に出す総務の月報の下書きを作ります。先月の未解決の事項と照らした一覧も作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
小売/建設/物流/製造
対象部門
総務
対象業務
書類作成/要約
主な課題
情報が見つからない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
15h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
60%
年間削減
108h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 第3営業日、SharePoint の月のフォルダに集まった45の報告を確かめ、出ていない係に催促する
  2. 報告を1つずつ開き、月報に載せる出来事を抜き出して作業用の文書に貼る
  3. 費用の大きな修理と、事故とヒヤリハットを、拠点ごとの表にまとめる
  4. 先月の未解決の事項の一覧を開き、今月の報告に書かれた状態で更新する
  5. 月報の文を書き、拠点ごとの出来事を2〜3行にまとめる
  6. 課長が月報を確かめ、役員会の資料に載せる
導入後(After)
  1. 人第3営業日、45の報告が拠点ごとのフォルダにそろったかを確かめ、出ていない係に催促する
  2. 【人/AI】 拠点ごとに、Word の Copilot で拠点の報告を参照させ、拠点の要約を作らせる(5拠点で5回)
  3. 人担当が拠点の要約の費用・件数・事故の欄を元の報告と見比べる
  4. 【人/AI】 Word の Copilot で5つの拠点の要約と先月の未解決の事項の一覧を参照させ、月報の下書きと今月の未解決の事項の一覧を作らせる
  5. 人担当が「報告なし」の事項を拠点の係に聞く
  6. 人課長が月報と未解決の事項の一覧を確かめ、役員会の資料に載せる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 第3営業日、SharePoint の月のフォルダに集まった45の報告を確かめ、出ていない係に催促する
  2. 報告を1つずつ開き、月報に載せる出来事を抜き出して作業用の文書に貼る
  3. 費用の大きな修理と、事故とヒヤリハットを、拠点ごとの表にまとめる
  4. 先月の未解決の事項の一覧を開き、今月の報告に書かれた状態で更新する
  5. 月報の文を書き、拠点ごとの出来事を2〜3行にまとめる
  6. 課長が月報を確かめ、役員会の資料に載せる

(a)先月の「対応中」が消える。 4番で、先月の一覧の事項を今月の報告から探します。報告に書かれていなければ、忙しい月は「完了」とみなして一覧から外してしまいます。 半年後に同じ問題が別の報告で出てきて、片付いていなかったことが分かります。

(b)同じ事項の書き方が月ごとに違う。 「第2工場の屋根の雨漏り」が、先月は「施設の不具合」、今月は「倉庫の天井の修理」と書かれます。4番で同じ事項として結び付けられず、一覧に二重に載ったり、片方が外れたりします。

(c)報告が長く、読み落とす。 45の報告を2名で読むと、「問題と対応」の欄の終わりのほうに書かれた小さな事故やヒヤリハットを読み落とします。 月報の安全の欄に載らず、役員の目に入りません。

(d)読み合わせに日数がかかる。 2名で45の報告を読むのに、月初の数日が埋まります。その間、総務課のほかの仕事が止まります。

  1. 【人】 第3営業日、45の報告が拠点ごとのフォルダにそろったかを確かめ、出ていない係に催促する
  2. 【人/AI】 拠点ごとに、Word の Copilot で拠点の報告を参照させ、拠点の要約を作らせる(5拠点で5回)
  3. 【人】 担当が拠点の要約の費用・件数・事故の欄を元の報告と見比べる
  4. 【人/AI】 Word の Copilot で5つの拠点の要約と先月の未解決の事項の一覧を参照させ、月報の下書きと今月の未解決の事項の一覧を作らせる
  5. 【人】 担当が「報告なし」の事項を拠点の係に聞く
  6. 【人】 課長が月報と未解決の事項の一覧を確かめ、役員会の資料に載せる

5番目が、この設計の分かれ目です。 「報告なし」の事項を拠点に聞き、片付いたと答えがあったものだけを「完了」にします。 答えが無ければ、一覧に残したまま次の月に送ります。

3番目で数字だけを見るのにも理由があります。 拠点の要約の文は、Copilot に要約させた時点で元の言葉から少し離れます。費用・件数・事故の有無は、月報に載せたときに間違いが許されない部分なので、元の報告と見比べます。 文の言い回しは、課長が月報で読みます。

02今回想定するシステム構成

構成図
拠点の総務の係15(業務/設備と車両/安全と防災の報告、Word の様式)
   ▼ SharePoint の月のフォルダ(拠点ごとのサブフォルダ)
   ▼【トリガー】報告の締め切り(第3営業日)
Word の Copilot(「/」で 拠点の報告 を参照)× 5拠点
   └──▶ 拠点の要約(主な出来事/費用の大きな修理/事故とヒヤリハット/未解決の事項)
   ▼
【担当が費用・件数・事故の欄を元の報告と見比べる】
   ▼
Word の Copilot(「/」で 5つの拠点の要約 と 先月の未解決の事項の一覧 を参照)
   ├──▶ 総務の月報の下書き
   └──▶ 今月の未解決の事項の一覧(続く/今月片付いた/報告なし/今月の新規)
   ▼
【担当が「報告なし」を拠点に聞く → 課長が確かめる】→ 役員会の資料
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Word の Copilot、Copilot Chat)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
保管SharePoint(月のフォルダと拠点ごとのサブフォルダ)社内のファイルサーバー
様式Word(報告の様式、拠点の要約、月報、未解決の事項の一覧)社内の文書の様式

新しく足すものはありません。 総務課の2名が Copilot のライセンスを持つ前提で、拠点の係はこれまでどおり Word の様式で報告を出すだけです。

中心は Word の Copilot です。 公式のページでは、Word の Copilot は依頼・詳しい指示・骨子・メモ・参照するファイルから下書きを作れ、特定の情報源を使うには「/」を入力してファイルを選ぶとされています。テンプレートや既存の文書から、書式と構成を保ったまま新しい内容を書くこともできるとされています。月報の様式を開いた状態で下書きを作らせれば、見出しの並びはそのまま使えます。

引用付きの内容も作れます。 公式のページでは、参照した情報源への引用付きで内容を作るよう Copilot に頼めるとされています。拠点の要約にも月報にも、元の報告への引用を付けさせます。 月報のある文がどの報告から来たかを、引用からたどれるようにします。

長さの扱いには注意します。 公式のページでは、大規模言語モデルはファイルの最初と最後の内容を優先しがちで、長いファイルの中ほどの内容には注意が向きにくいとされ、長い文書は分けて渡し、部分ごとに要約することが勧められています。拠点ごとに分けて2段にするのは、この記載に合わせたものです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

報告の締め切りを起点にします。 締め切りは第3営業日の正午で、担当はその日の午後に拠点の要約を作り始めます。全部の報告がそろうのを待たず、そろった拠点から要約を作ります。 催促の返事を待つ間に、ほかの拠点を進められます。

拠点の要約を作り直すのは、遅れて届いた報告があったときだけです。 その拠点の要約を作り直し、作り直したことを拠点の要約の先頭に日時とともに書きます。 月報の下書きは、5つの拠点の要約がそろってから一度に作ります。

月の途中には何もしません。 総務の月報は月に1回の文書で、途中で拠点の報告を集めることはしません。 急ぎの事故や故障は、これまでどおり拠点の係から総務課に直接連絡が来ます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
拠点の報告業務/設備と車両/安全と防災の報告。「今月の実施」「問題と対応」「来月の予定」の見出しSharePoint の拠点ごとのサブフォルダ
先月の未解決の事項の一覧事項の番号、拠点、事項の名前、最初に出た月、先月の状態、担当の係SharePoint の先月のフォルダ
月報の様式見出しの並び(拠点ごとの出来事、費用の大きな修理、事故とヒヤリハット、未解決の事項)Word のテンプレート
書き方の決まり費用の大きな修理の基準額、事故とヒヤリハットの区分、拠点名の書き方総務課の文書

質を決めるのは、未解決の事項の番号です。 先月の一覧の事項に「UR-031|第2工場 倉庫の天井の雨漏り」のような番号を付け、拠点の係にも、報告でその事項に触れるときは番号を書いてもらいます。 第3章の(b)の書き方の違いがあっても、番号で結び付けられます。

報告の様式の見出しも、質を決めます。 「問題と対応」の見出しの下に、事項ごとに1段落で書いてもらう決まりにすると、Copilot が事項の切れ目を見出しと段落で拾えます。 自由な書き方の報告は、事項が文の途中で切り替わり、取り違えが増えます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
拠点の報告Word の Copilot の入力欄で「/」から拠点のサブフォルダの報告を選ぶ1拠点の報告(9つ前後)を選ぶ
拠点の要約「/」から月のフォルダの拠点の要約を選ぶ5つを選ぶ
先月の未解決の事項の一覧「/」から先月のフォルダのファイルを選ぶ1つを選ぶ

1回に参照するファイルは10個以内にします。 公式のページでは、SharePoint のサイトの中で参照できるファイルやページは10個までとされています。工場の拠点は3つの係が3つずつ、9つの報告なので、拠点の要約を作るときにちょうど収まります。 本社は3つの係で9つ、物流センターも9つです。

月報の下書きでは、5つの拠点の要約と先月の未解決の事項の一覧の6つを参照させます。 45の報告を直接参照させることはしません。10個の上限に収まらないうえ、長さの点でも中ほどの報告が薄くなるからです。

ファイル名を決めておきます。 「2026-10_第2工場_施設と安全_設備と車両の報告」のように、年月・拠点・係・報告の種類を入れます。「/」で選ぶときに取り違えないためで、Copilot の引用にもファイル名が出るので、月報の文の出どころが名前で分かります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 様式の見出しをそろえる … 3種類の報告とも「今月の実施」「問題と対応」「来月の予定」の見出しを持たせます
  2. 未解決の事項に番号を付ける … 先月の一覧の事項に番号を付け、拠点の係に配ります
  3. 報告で番号を書いてもらう … 「問題と対応」で先月からの事項に触れるときは、段落の先頭に番号を書きます
  4. 個人の名前を書かない … 事故・ヒヤリハット・寮の入退居では、本人の名前を書かず「作業者1名」「入居者1名」と書いてもらいます
  5. 写真は説明の文を添える … 故障の写真を貼る場合は、何の写真かを1行で書いてもらいます
  6. 費用は税抜きの数字で書く … 費用の大きな修理の基準額と比べるため、書き方をそろえます

3番目が、未解決の事項を追う仕掛けです。 番号が段落の先頭にあれば、Copilot は先月の一覧の事項ごとに、今月の報告で何が書かれたかを拾えます。番号の無い段落は、今月新しく出た事項として扱います。

4番目は、月報が役員会に出る文書だからです。 事故の当事者や寮の入居者の名前は、月報に要りません。元の報告に書かれていなければ、Copilot の要約にも月報にも出てきません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、2つの段で、報告を決まった見出しに写して短くすることと、未解決の事項の今月の扱いを分けることです。

1段目(拠点の要約)で拾うもの:

項目中身判断できないときの扱い
主な出来事「今月の実施」と「問題と対応」から、定型の件数を除いた出来事無ければ「特になし」
費用の大きな修理基準額以上の修理・購入。拠点、内容、費用(報告の数字のまま)費用が書かれていなければ「費用の記載なし」
事故とヒヤリハット区分(事故/ヒヤリハット)、日付、場所、内容、対応区分が書かれていなければ「区分の記載なし」
未解決の事項番号、事項の名前、今月の状態の言葉(報告のまま)状態の言葉が無ければ「状態の記載なし」
今月の新規の事項番号の無い「問題と対応」の段落で、来月以降に続くもの続くかが書かれていなければ「継続の記載なし」

2段目(月報と未解決の事項の一覧)で分けるもの:

区分選び方
続く今月の報告に番号があり、「対応中」「見積中」「来月実施」などと書かれている
今月片付いた今月の報告に番号があり、「完了」「修理済み」などと書かれている
報告なし先月の一覧にあるが、今月のどの報告にも番号が出てこない
今月の新規番号が無く、来月以降に続くと書かれている

「報告なし」を「今月片付いた」と分けるのが、この表の役目です。 報告に書かれていないことから片付いたと推し量らせると、第3章の(a)がそのまま起きます。指示に「書かれていなければ報告なし」と明記します。

させないこと理由
費用の計算・合計費用は報告の数字のまま写す。合計は担当が別の表で出す
事故の原因の判断報告に書かれた内容を写すだけ。原因は安全の担当が調べる
未解決の事項の優先度の判断総務部長と課長が決める
「報告なし」の事項の状態の推測拠点に聞いて決める
拠点や担当者の評価未解決の事項の多さで拠点を並べない

5行目は、Microsoft の方針とも重なります。 公式のページでは、職場のやり取りから社員の業績・態度・内面・人柄を推し量る用途に生成AIを使うことを制限しているとされています。報告の遅い係や、未解決の事項の多い拠点を月報で目立たせる使い方はしません。

Step6

指示内容を固定する

1段目:拠点の要約の文書を様式から開き、Word の Copilot に入れる指示です。

/(2026-10_第2工場_庶務_業務の報告) … /(2026-10_第2工場_寮と福利_安全と防災の報告)
の9つの報告を参照して、この文書の見出しに沿って第2工場の要約を書いてください。

【見出しごとの書き方】
- 主な出来事:定型の件数(来客、郵便など)は除き、出来事を1件1行で書く
- 費用の大きな修理:税抜き50万円以上のものを、内容と費用を報告の数字のまま書く
- 事故とヒヤリハット:区分・日付・場所・内容・対応を1件1行で書く
- 未解決の事項:段落の先頭に番号(UR-…)のあるものを、番号・事項・今月の状態の言葉で書く
- 今月の新規の事項:番号の無い「問題と対応」の段落で、来月以降に続くと書かれたもの

【厳守事項】
- 費用・件数・日付は、報告に書かれた数字をそのまま写してください。計算しないでください。
- 状態の言葉は、報告の言葉をそのまま写してください。言い換えないでください。
- 報告に書かれていない費用・区分・状態を補わないでください。
  書かれていなければ「費用の記載なし」「区分の記載なし」「状態の記載なし」と書いてください。
- 人の名前は書かないでください。
- それぞれの行に、元の報告への引用を付けてください。
- 拠点や係、担当者についての評価や印象は書かないでください。

「状態の言葉を言い換えない」を明記しないと、「見積を依頼中」が「対応中」に、「様子を見る」が「対応済み」に寄ります。 2段目で区分を選ぶ材料が、1段目で変わってしまいます。

2段目:月報の様式を開き、Word の Copilot に入れる指示です。

/(2026-10_本社_要約) /(2026-10_第1工場_要約) /(2026-10_第2工場_要約)
/(2026-10_第3工場_要約) /(2026-10_物流センター_要約) /(2026-09_未解決の事項の一覧)
を参照して、この文書の見出しに沿って総務の月報の下書きを書いてください。

【未解決の事項の一覧の作り方】
先月の一覧の番号ごとに、今月の要約での扱いを次の区分で書いてください。
- 続く ........ 今月の要約に番号があり、対応中・見積中などと書かれている
- 今月片付いた  今月の要約に番号があり、完了・修理済みなどと書かれている
- 報告なし .... 今月のどの要約にも番号が出てこない
今月の新規の事項は、表の最後に「今月の新規」として並べてください。
番号が出てこない事項を、今月片付いたとしないでください。

【厳守事項】
- 費用・件数は、要約の数字をそのまま写してください。合計しないでください。
- 拠点ごとの出来事は2〜3行にまとめ、要約に無い出来事を足さないでください。
- 先月の一覧の「最初に出た月」は、そのまま写してください。
- それぞれの行に、元の要約への引用を付けてください。

「番号が出てこない事項を今月片付いたとしない」を最後にもう一度書きます。 区分の定義だけでは、Copilot は「書かれていない=もう問題ではない」と読みがちです。禁じる文を別に置きます。

Step7

出力形式を固定する

2段目で受け取る未解決の事項の一覧は、次の形です。

【未解決の事項の一覧 2026年10月】

番号拠点事項最初に出た月先月の状態今月の区分今月の状態の言葉引用
UR-031第2工場倉庫の天井の雨漏り2026-07見積中続く「業者の見積を11月に比較する」第2工場_要約
UR-036本社来客用の駐車場の白線の消え2026-08来月実施今月片付いた「10月12日に引き直し済み」本社_要約
UR-040第1工場寮の給湯器の不調2026-09対応中報告なし--
新規物流センターフォークリフトの充電器1台の故障2026-10-今月の新規「部品の入荷待ち」物流センター_要約

月報の下書きは、様式の見出しに沿った文書です。 拠点ごとの出来事は2〜3行、費用の大きな修理と事故・ヒヤリハットは表、末尾に上の一覧が入ります。

この形にする理由は3つあります。

1つ目は、「報告なし」が1行で見えることです。 UR-040 の寮の給湯器は、先月「対応中」で、今月はどの報告にも出てきていません。担当は第1工場の寮と福利の係にだけ聞けば済みます。 第3章の(a)の「完了とみなして外す」を防ぎます。

2つ目は、「最初に出た月」が残ることです。 UR-031 の雨漏りは7月から続いています。役員が月報を読んだとき、何か月続いている事項かが分かります。 長く続く事項は、予算の判断が要る事項であることが多いからです。

3つ目は、引用で出どころをたどれることです。 月報の文から拠点の要約へ、拠点の要約から元の報告へと、2段の引用で元の段落まで戻れます。 公式のページでは、長い文書の後ろの内容には引用が付かないことがあるとされているので、引用の無い行は担当が元の報告で確かめます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
拠点のサブフォルダ「/」で報告を参照1拠点9つ前後の報告
拠点の要約Word の様式から Copilot で作り、月のフォルダに保存拠点ごとの要約
先月の未解決の事項の一覧「/」で参照先月の番号と状態
月報Word の様式から Copilot で作る月報の下書きと未解決の事項の一覧
拠点の係Teams または Outlook で担当が聞く「報告なし」の事項の状態

ほかのシステムには何も書き込みません。 修理の発注や費用の支払は、これまでどおり別の手続きで行います。月報は役員会に報告する文書で、何かを決める文書ではありません。

月報の文書は、秘密度ラベルを付けたまま扱えます。 公式のページでは、Word の Copilot は秘密度ラベルを尊重し、適切に付けて文書を守るとされています。事故の内容が入る月報に、社内限りのラベルを付けておきます。

Step9

人が確認する

  1. 拠点の要約の数字を見比べる … 費用・件数・事故の日付を元の報告と見比べます。文の言い回しはここでは見ません
  2. 引用の無い行を確かめる … 元の報告で該当の段落を探します
  3. 「報告なし」を拠点の係に聞く … 片付いたと答えがあれば「今月片付いた」に、答えが無ければ「報告なし」のまま次の月に送ります
  4. 「今月の新規」に番号を付ける … 来月の一覧のために番号を振り、拠点の係に知らせます
  5. 課長が月報を読む … 拠点ごとの出来事の文が、元の報告の意味から外れていないかを見ます

1番目と3番目を省かないでください。 月報の数字は役員会の資料になり、「報告なし」の扱いは、半年後に同じ問題が出るかどうかを決めます。 どちらも、Copilot の下書きをそのまま使ってはいけない部分です。

目標は、45の報告をならして1件8分です。 拠点の要約の数字の見比べが大半で、「報告なし」が無い月は、それより短く終わります。

拠点の係の側の確認も1回入れます。 拠点の要約ができたら、その拠点の係に要約を送り、自分たちの報告の意味から外れた行があれば翌営業日までに返信してもらいます。 返信が無ければその内容で確定とし、要約の先頭にその日付を書きます。月報に載る文を、書いた本人が先に一度見ておくための手順で、「そんな書き方はしていない」という後からの食い違いを、役員会の前に止めます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
締め切りまでに報告が出ないその係の分を除いて拠点の要約を作り、要約の先頭に「未着:〇〇係」と書く
遅れて報告が届いたその拠点の要約だけを作り直し、作り直した日時を先頭に書く
報告が様式を使っていない見出しが無く事項の切れ目を取り違えやすい。様式で出し直してもらう
番号を書かずに先月の事項に触れている「今月の新規」と「報告なし」に分かれて出る。担当が同じ事項か確かめて番号を付け直す
報告に人の名前が書かれている要約に出ていないかを確かめ、出ていれば消す。係に書き方を伝える
報告が写真だけ文字が無いので要約できない。説明の文を足してもらう
1拠点の報告が10個を超える係ごとに2回に分けて要約し、拠点の要約にまとめる
要約の中ほどの報告が薄いその報告だけを参照させて要約し直す

上から4行目は、運用を始めて最初の数か月によく出ます。 番号を書く習慣が付くまでの話で、同じ事項が「今月の新規」と「報告なし」の両方に出るので、かえって見つけやすい形です。

Step11

記録を残す

  • 月ごとの45の報告(拠点ごとのサブフォルダ)
  • 拠点の要約(作り直した場合は、作り直した日時と理由を先頭に書いたもの)
  • 月報の下書きと、課長が確かめた後の版
  • 未解決の事項の一覧 … 番号ごとの月ごとの区分と状態の言葉。来月の入力になる
  • 「報告なし」を拠点に聞いた記録 … 誰に、いつ聞き、何と答えがあったか
  • 人が直した記録 … 拠点の要約や月報の、どの行を何から何に直したか

4つ目の一覧は、翌月の2段目の入力になります。 課長が確かめた後の版を、「2026-10_未解決の事項の一覧」として月のフォルダに保存します。 確かめる前の版を残すと、翌月の照らし合わせが誤った区分から始まります。

最後の記録は、指示文を直すための材料です。 状態の言葉の言い換えを直すことが多いなら、指示文の厳守事項が効いていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:拠点ごとに Word の Copilot で要約を作らせ、月報は担当が書く / 報告の読み取りと拠点ごとの要約
半自動化:上記+5つの拠点の要約と先月の一覧を参照させて、月報の下書きと未解決の事項の一覧まで作らせる / 要約と月報の下書き、未解決の事項の区分
本格構成:上記+Power Automate のフローで、報告の未着の係に締め切りの前日に知らせ、「報告なし」の事項の係に問い合わせを送る / 催促と問い合わせ

本記事の想定は半自動化です。 数字の見比べと「報告なし」の問い合わせは人が行い、Copilot の出力は下書きとして使います。 最小構成で1件20分が12分ほどに、半自動化で8分になります。 差が大きいのは、未解決の事項の照らし合わせが、番号さえあれば2段目で一度に出る作業だからです。 本格構成に進むかは、半自動化を3か月回してから決めます。 番号の書き忘れが減り、「報告なし」が本当に聞くべき事項だけになってから、問い合わせの自動化を考えます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
45 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
8 分
現在  45件 × 20分 ÷ 60 = 15 時間/月
導入後 45件 × 8分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
9h
削減率
60%
年間削減時間
108h
年間金額換算(時間単価3,500円)
38万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 本社のほかに工場・物流センター・営業所などの拠点があり、拠点ごとの総務の係から毎月の業務の報告を集めて、総務部が役員向けの月報にまとめている製造・物流・建設・小売の会社。報告が Word で届き、読み合わせと転記に時間がかかっている場合や、先月「対応中」だった事項が今月の報告から消えて、片付いたのかどうか分からなくなる場合。総務部に Microsoft Copilot のライセンスがある場合。
向いていない
  1. 拠点が1つで、総務の報告を集める作業そのものが無い場合。報告をシステムの決まった欄に入力しており、集計が自動でできている場合。報告が紙や写真だけで届き、文字のファイルが無い場合。なお、未解決の事項の優先度や予算の判断、労災や事故の原因の判断、拠点や担当者の評価は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の1拠点の報告(9つ前後)を選ぶ
  2. 拠点の要約の様式を Word で開き、第7章の1段目の指示文で要約を作らせる
  3. 先月担当が作った月報のその拠点の部分と、要約を並べる
  4. 費用・件数・事故の数字と、未解決の事項の状態の言葉が元の報告と一致しているかを見る
  5. 先々月の未解決の事項の一覧を参照させて、2段目の指示文で一覧を作らせ、「報告なし」が正しく出るかを見る

まず過去の1か月の1拠点でやってください。 確かめたいのは、「状態の言葉を言い換えずに写せるか、報告なしを報告なしとして残せるか」です。

出てきた内容判断
数字と状態の言葉が元の報告とほぼ同じ5拠点に広げ、2段目を試す段階に進む
状態の言葉が言い換えられる指示文の厳守事項を足す。構成は有効
先月の事項を取り違える報告に番号が書かれていない。番号の決まりを先に周知する

3行目は、過去の月でやると必ず出ます。 番号の決まりがまだ無いころの報告だからです。失敗ではなく、番号の決まりが要る理由が分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
報告に無い事項が「今月片付いた」になる「書かれていなければ報告なし」を区分の定義と禁止の文の両方に書く
状態の言葉が言い換えられる報告の言葉をそのまま写させる
先月の事項と今月の事項を結び付けられない未解決の事項に番号を付け、報告の段落の先頭に書いてもらう
45の報告を一度に参照できない10個までなので、拠点ごとに分けて2段にする
中ほどの報告が薄くなる拠点ごとに分け、薄い報告は単独で要約し直す
費用が合計されて月報に載る費用は報告の数字のまま写させ、合計は担当が別に出す
引用の無い行が混ざる元の報告で該当の段落を確かめる
事故の当事者の名前が月報に出る報告に名前を書かない決まりにする
確かめる前の一覧を翌月に使う課長が確かめた版だけを月のフォルダに保存する
未解決の事項の多い拠点を目立たせる使い方拠点や担当者の評価に使わない

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも先月から今月への事項のつながりが、報告の書き方の揺れで切れることから起きます。番号と「報告なし」の区分で、つながりを機械的に残します。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 拠点の総務の報告(設備の故障と修理の費用、社用車の事故、労災とヒヤリハット、寮の入退居、来客と契約)、月報、未解決の事項の一覧です。事故や寮の記録には、個人に関わる情報が含まれえます。

  1. フォルダの権限を絞る … 公式のページでは、Copilot は利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを出すとされています。月のフォルダは総務課と拠点の係だけ、月報は役員と総務部だけが見られるようにします
  2. 学習に使われない … 公式のページでは、プロンプト・応答・Microsoft Graph を通して取得したデータは、基盤のモデルの学習に使われないとされています
  3. 個人の名前を報告に書かない … 事故の当事者や寮の入居者は「作業者1名」「入居者1名」と書きます。元に無ければ、要約にも月報にも出ません
  4. 数字は人が見比べる … Word の Copilot のページは、事実・数字・名前などの詳細を確かめるよう求め、共有する前に残すか直すかを決めるのは利用者の責任としています
  5. 拠点や担当者を評価しない … 職場のやり取りから社員の業績や態度を推し量る用途は制限されています。未解決の事項の数で拠点を並べる集計をしないでください
  6. モデルの選び方を確かめる … 公式のページでは、Word の Copilot で Claude などのモデルを選べる場合があるとされ、別の公式のページでは、Anthropic のモデルは EU のデータ境界の対象外とされています。欧州の拠点がある会社は、管理者の設定を確かめます

誤りが起きた場合のリスクは、片付いていない事項が月報から消えることと、報告と違う数字が役員会に出ることの2つです。 前者は「報告なし」の区分と拠点への問い合わせで、後者は拠点の要約の数字の見比べで抑えます。

10まず何から始めるか

1週目:様式と番号を整える

3種類の報告の様式に「今月の実施」「問題と対応」「来月の予定」の見出しを持たせ、先月の未解決の事項に番号を付けて拠点の係に配ります。ファイル名の決まりと、人の名前を書かない決まりも伝えます。

2週目:過去の1拠点で試す

先月の1拠点の報告で拠点の要約を作らせ、先月の月報と並べます。数字と状態の言葉が元の報告と一致しているかを最優先で見ます。

3週目:2段目を試す

先月の5拠点分の要約を作らせ、先々月の未解決の事項の一覧と照らして、月報の下書きと一覧を作らせます。「報告なし」が正しく出るかを確かめます。

4週目:当月の月報で使う

当月の報告で2段とも使い、数字の見比べと「報告なし」の問い合わせをしてから、課長が月報を確かめます。確かめた未解決の事項の一覧を月のフォルダに保存します。

2か月目以降: 人が直した記録を毎月見て指示文を直します。番号の書き忘れがほとんど無くなり、担当が数字の見比べと「報告なし」の問い合わせだけで月報を仕上げられるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-11-02
確認した内容情報源確認日
Word の Copilot が依頼・指示・骨子・メモ・参照するファイルから下書きを作れ、「/」でファイルを選べること。テンプレートや既存の文書の書式と構成を保って内容を書けること。参照した情報源への引用付きで内容を作れること。秘密度ラベルを尊重すること。事実・数字・名前などを確かめ、共有する前に残すか直すかを決めるのは利用者の責任であること。Claude などのモデルを選べる場合があることMicrosoft サポート: Draft and add content with Copilot in Word2026-10-29
Word の Copilot が文書について質問に答え、回答に文書内の引用を示すこと。「この文書を要約」で箇条書きの要約が出ることMicrosoft サポート: Chat with Copilot about your Word document2026-10-29
Copilot は文書全体を考慮するが、文書の後ろのほうの内容には引用が付かないことがあること。自動の要約には200語以上が要ることMicrosoft サポート: Create a summary of your document with Copilot in Word2026-10-29
大規模言語モデルがファイルの最初と最後を優先しがちで、長いファイルの中ほどに注意が向きにくいこと。長い文書は分けて渡し、部分ごとに要約することが勧められていることMicrosoft サポート: How reference and document lengths affect Copilot responses2026-10-29
SharePoint のサイトの中で参照できるファイル・ページは10個までであることMicrosoft サポート: Refer to specific files and more in Microsoft Copilot2026-10-29
Copilot が利用者の閲覧の権限のあるデータだけを出すこと。プロンプト・応答・Microsoft Graph を通したデータが基盤のモデルの学習に使われないこと。職場のやり取りから社員の業績・態度・内面・人柄を推し量る用途を制限していること。Anthropic のモデルが EU のデータ境界の対象外であることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-29

未解決の事項の優先度と予算、事故の原因の判断は、総務部と各拠点で決めてください。 本記事は公開されている仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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