Nexosで全社にAIを配った後の5つの運用|半年で決める持ち分

Nexosで全社にAIを配った後の5つの運用|半年で決める持ち分

「全社員にAIの作業場を配ったが、3か月たって請求額だけが増え、どの部署が何に使っているのか説明できない」「新しいモデルが出るたびに追加してほしいと言われるが、誰が決めてよいのか決まっていない」——生成AIを全社に配った会社の情シスやAI推進の担当からは、導入前とはまったく違う悩みが聞こえてきます。配る前の議論は「どれを選ぶか」に集中しがちですが、費用・モデル・記録の持ち分が決まっていない作業場は、半年で誰も説明できない請求書になります。この記事では、リトアニア発の Nexos を例に、全社に配った後の半年を一社の想定で追い、費用の上限と配賦、モデルの追加と廃止、利用状況の読み方、会話記録の権限、質問窓口と研修、やめ方という運用を整理します。


カメ先生カメ先生

全社にAIを配ったら、あとは社員が使いこなすのを待てばいいと思われがちなんだけど、本当は配った日から運用の仕事が始まるんだ。費用も、モデルも、記録も、放っておくと増え続けるからね。


カメ子カメ子

配るまでが導入で、その後は自然に回るものではない、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから大事なのは、誰がお金の上限を決め、誰がモデルを足し引きし、誰が記録を見てよいかを、配った後に一つずつ決めていくことなんだ。


カメ子カメ子

道具を選ぶ話より、持ち分を決める話のほうが長く続くんですね。


この記事のポイント
  • Nexos は、200を超える生成AIモデルを一つの画面で社員に配る作業場と、開発向けのAIゲートウェイ、ノーコードのエージェント作成をまとめた基盤。2026年10月にエージェント利用と要求種別の表示を加えた
  • 配った後の運用は、費用の上限と配賦、モデルの追加と廃止、利用状況の読み方、会話記録の権限、質問窓口と研修の五つ。それぞれ持ち主を一人決める
  • 利用表は「使っていない部署を責める」ためでなく、支援と見直しの順番を決めるために読む。AIに配賦や評価を判断させない

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目次

Nexos は、多数のモデルを一つの画面と通り道で配る基盤

Nexos は、リトアニアの首都ヴィリニュスに拠点を置く企業の製品です。社員が使うチャット型の作業場と、開発者がアプリから複数のモデルを呼ぶためのAIゲートウェイ、ノーコードでエージェントを作る機能をまとめて提供しています。同社は200を超えるモデルを扱えると公表しており、社員は一つの画面から複数の提供元のモデルを切り替えて使えます。2025年1月に800万ドルの調達とともに表に出て、同年10月に3,000万ユーロのシリーズAを発表しました。リトアニアの政府系サイトは、同国のセキュリティ企業ノードセキュリティ発のスタートアップと紹介しています。

管理の仕組みは、公式文書で見る限り三層です。組織全体の設定・利用者・チーム・モデル・請求を管理するオーナー、担当するチームと利用者を管理するチームオーナー、そして使うだけの利用者です。チームオーナーは、組織全体の設定を上書きして自分のチームで使えるモデルを選べます。一方、外部ツールとの連携は組織単位で管理すると書かれています。費用は「クレジット」という共通の単位で数え、どの提供元のモデルでも同じ価値として扱われます。

共通の窓口を自社で動かすか、各社の法人版を部署ごとに契約するかという選び方の比較は、別の記事で6つの軸に分けて書きました。AIゲートウェイという仕組みそのものの説明も別の記事にあります。ここでは選んだ後、配った後に絞ります。

2026年10月の更新:エージェントの利用表と要求種別

Nexos は公式文書に変更履歴を公開しており、2026年の秋にも更新が続いています。運用に直接関わるのは10月の二つです。10月27日には、エージェントごとの利用回数・費用・使っているモデル・連携先を一覧にする利用表が加わりました。エージェントごとのクレジットの消費が分かり、使われていないエージェントには印が付き、絞り込み・並べ替え・表計算への書き出しができます。

10月30日には、ゲートウェイの利用を「要求の種類」で分けて見る画面が加わりました。プログラムの作成、文章の創作、分析、エージェントの処理といった種類ごとに量と費用を比べ、期間・チーム・利用者・接続用の鍵ごとに絞り込めます。同じ請求額でも、何の用途に使われたかが分かるようになったことが、配賦の議論には大きな意味を持ちます。

それ以前にも、9月には会話のリンク共有(いつでも取り消せ、添付ファイルは含まれない)、資料を置く場所と会話のまとまりの分離、8月にはモデルごとの仕様・価格・データの保持の扱いを一覧できる目録が加わっています。また、組織全体の安全の設定を一度決めてモデルごとに上書き・除外できる機能や、ゲートウェイの記録を7日間見られる機能も、変更履歴に載っています。こうした更新の頻度そのものが、配った後の運用で追いかける情報が多いことを示しています。

選ぶ話はここまで:配った後に残る5つの運用

配る前の検討では、モデルの数、画面の使いやすさ、価格が比べられます。しかし配った後に問題になるのは、ほぼ例外なく次の五つです。費用の上限と配賦、モデルの追加と廃止、利用状況の読み方、会話記録の保管と閲覧、社員の質問窓口と研修。どれも製品の機能というより、社内の誰が決めるかの問題です。

運用決めること持ち主の例見直しの周期
費用の上限と配賦共有の財布の額、部署と個人の上限、請求の振り分け情シスと経理月次
モデルの追加と廃止新しいモデルを入れる条件、使わせないモデル、チームの上書きAI推進の担当変更の都度と四半期
利用状況の読み方使っていない部署と使いすぎの部署への対応AI推進の担当と各部署の推進役月次
会話記録の保管と閲覧保存期間、誰が何を見られるか、共有の扱い情シスと法務半年
質問窓口と研修問い合わせの受け先、研修の内容、事例の共有AI推進の担当と人事四半期

ここからは、社員600人のBtoB製造業が Nexos を全社に配ったという想定で、半年の流れを追います。会社の規模や数字は説明のための仮のものです。

1か月目:配った直後に起きること

この会社では、情シスが組織のオーナーとなり、営業・マーケ・開発・管理部門の4チームを作って、各部署の課長をチームオーナーにしました。初月は利用が一気に伸び、全社員の半分近くが一度は使った一方で、毎日使うのは2割程度という、よくある形になりました。問い合わせ窓口を決めていなかったため、使い方の質問が情シスの個人宛てに集中しました。

初月にやっておくべきだったのは、質問の受け先を一つにすることと、費用の初期値を低めに置くことの二つです。Nexos では、席ごとに付くクレジットが請求期間の初めに補充され、使い切れなかった分は持ち越されません。席の分を使い切った人は、組織の共有の財布(持ち越される)から使います。初月はこの共有の財布の上限を低めにして、誰がどれだけ使うかを見てから広げるほうが安全です。

もう一つ、初月に社員へ伝えるべきなのは「入れてよいデータ」の線です。顧客の個人情報、未公開の決算、取引先から預かった資料を、どのモデルに入れてよいか。Nexos のモデルの目録にはモデルごとのデータの保持の扱いが載っているので、情シスが目録を読んで、機密の区分ごとに使ってよいモデルを決めて告知します。社員に目録を読ませて判断させるのは現実的ではありません。

運用1 費用:席の分と共有の財布、部署別の上限

2か月目、共有の財布の消費が想定の倍になりました。調べると、開発チームの数人が長い資料を何度も読み込ませていたことが原因でした。Nexos の公式文書では、オーナーが共有の財布の利用上限を全員の初期値として決め、個人ごとに別の上限を上書きできます。チームで絞り込んでまとめて編集もできます。ここで知っておきたいのは、共有の財布が空になると、個人の上限に関係なく全員の共有分の利用が止まるという仕様です。

つまり、一部の人の使いすぎが、全社の業務を止める可能性があります。対策は二つです。一つは、個人の上限の合計が財布の残高を超えないように初期値を決めること。公式文書でも、上限は確保ではなく天井なので合計が財布を超えうると明記されています。もう一つは、開発や分析のように多く使う役割には個別の上限を設け、理由を記録しておくことです。

注意したいのは、上限を下げる操作です。期の途中で、すでに使った量より低い上限を設定すると、その人は期の残りの間、新しい要求ができず閲覧だけになると公式文書に書かれています。月の途中で一律に上限を下げると、業務で使っている人が突然止まります。上限の変更は次の請求期間から効かせる、変更前に本人と上長に知らせる、という手順を決めておきます。共有の財布の補充は営業担当への連絡で行う仕組みなので、補充にかかる日数も見込んでおきます。

もう一つ見落としやすいのが、費用とは別の制限です。公式文書には、作業場でモデルごとに席あたりの月のクレジットと1時間あたりの送信数の制限があることを説明する頁があります。財布に残高があっても、単価の高いモデルを短時間に続けて使うと、その人だけ一時的に送れなくなることがあります。社員からは「止まった」としか見えないので、質問窓口のよくある質問に、費用の上限で止まった場合と時間あたりの制限で止まった場合の見分け方と、それぞれの対処を書いておきます。

2か月目の判断:費用をどう部署に配賦するか

費用が見えてくると、経理から「部署ごとに費用を振り分けたい」という依頼が来ます。席の費用は人数で割れば済みますが、共有の財布の消費は部署によって大きく違います。配賦の方法は、人数割り、実際の消費割り、その組み合わせの三つが考えられます。

実際の消費割りは公平に見えますが、使うほど部署の負担が増えるので、使ってほしい部署ほど使わなくなるという逆の効果が出ます。導入から半年は全社の費用として扱い、利用が定着してから消費割りに移す、という段階を踏む会社が多いはずです。ゲートウェイを開発で使う場合は、10月に加わった要求種別の画面で、チーム・利用者・接続用の鍵ごとに費用を分けられるので、開発の案件ごとに振り分けやすくなりました。

配賦の計算そのものをAIに任せることもできますが、どの方法で配賦するかはAIに決めさせません。配賦は部署の予算と評価に関わるので、経理と情シスが方法を決め、計算の結果を各部署の長が確認する流れにします。AIに書かせるなら、配賦の案を三つ並べ、それぞれで各部署の負担がどう変わるかの表までです。

運用2 モデルの追加と廃止を誰が決めるか

3か月目、新しいモデルが話題になり、営業とマーケから「すぐに使いたい」という声が上がりました。Nexos は新しいモデルの追加が速く、変更履歴でも新しいモデルが次々に載っています。問題は、チームオーナーが組織の設定を上書きして、自分のチームのモデルを選べることです。誰も止めなければ、部署ごとに違うモデルが使われ、データの保持の扱いも部署ごとに変わります。

そこで、モデルを組織で使えるようにする条件を文書にします。たとえば、提供元のデータの保持と学習への利用の扱いを確認したこと、機密の区分のどこまで入れてよいかを決めたこと、費用の単価を確認したこと、の三つを満たしたモデルだけを組織で有効にする。チームオーナーが選べるのは、その中からだけ、という線です。

廃止も同じくらい大事です。使われていないモデルを残しておくと、提供元の条件が変わっても誰も気づきません。四半期に一度、利用の少ないモデルと、提供元の条件が変わったモデルを洗い出し、止める前に利用者へ知らせてから無効にする手順を決めておきます。モデルの追加や廃止の判断をAIに提案させることはできますが、採否は担当者が決めます。

STEP1
追加の依頼を窓口で受ける

部署からの依頼は質問窓口で受け、使いたい業務と入れたいデータの区分を書いてもらいます。チームオーナーが独断で有効にしない決まりにします。

STEP2
提供元の条件を確かめる

AI推進の担当がモデルの目録で、データの保持の扱い・価格・使える範囲を確かめ、必要なら提供元の規約も読みます。

STEP3
機密の区分と上限を決める

入れてよいデータの区分と、そのモデルの費用の上限を決めます。単価の高いモデルは、使える人をチーム単位で絞ります。

STEP4
告知して有効にし、1か月後に見直す

有効にした理由と使い方の注意を社員に知らせ、1か月後に利用量と問い合わせの内容を見て、続けるか止めるかを決めます。

運用3 利用状況の読み方:使っていない部署、使いすぎの部署

4か月目、利用状況の画面を見ると、営業とマーケは毎日使っている一方、管理部門はほとんど使っていないことが分かりました。ここで陥りやすいのが、利用の少ない部署を「遅れている」と評価してしまうことです。利用が少ない理由は、業務にAIが合わない、入れてよいデータが分からない、使い方を知らない、のどれかで、対応はそれぞれ違います。

読み方の順番は次のとおりです。まず、部署ごとの利用者の割合と、一人あたりの利用量を分けて見ます。割合が低ければ広げる支援、一人あたりが少なければ使い方の支援が要ります。次に、使いすぎに見える部署は、用途を確かめてから判断します。開発の部署が長い資料を読み込ませているのは、業務として妥当な場合が多いからです。最後に、各部署の推進役に聞き取りをして、数字の裏の事情を確かめます。

  • 利用量の多い順に部署を並べて全社に公開する
  • 利用の少ない社員の名前を上長に知らせる
  • 利用量を人事評価の材料にする
  • 使いすぎの部署の上限を、用途を確かめずに一律で下げる

利用状況の数字をAIに要約させるのは便利ですが、部署や個人の評価につながる結論をAIに書かせないことを決めておきます。数字の要約と、聞き取りで確かめるべき点の一覧までにとどめます。

開発の部署がゲートウェイ経由でモデルを呼んでいる場合は、10月に加わった要求種別の画面が読み方を変えます。同じ費用の増加でも、プログラムの作成の要求が増えたのか、エージェントの処理が増えたのかで意味が違うからです。前者は開発者の手元の作業が増えた結果であることが多く、後者は自動で動く処理が想定より多く回っている可能性があります。エージェントの処理の費用が急に伸びたら、繰り返し呼び出しが止まらなくなっている処理がないかを、接続用の鍵ごとに絞り込んで確かめます。

エージェントの利用表で、放置されたエージェントを片付ける

5か月目には、各部署がノーコードで作ったエージェントが数十に増えていました。10月に加わったエージェントの利用表を使うと、エージェントごとの利用回数・費用・使っているモデル・連携先が一覧になり、使われていないエージェントに印が付きます。これで、作ったきり放置されているエージェントを見つけられます。

放置されたエージェントが問題になるのは、外部ツールとの連携が生きたまま残るからです。作った人が異動していても、連携の権限は残っています。利用表で使われていないエージェントを洗い出したら、作った人に残すかどうかを確かめ、返事がなければ一定期間後に止める、という手順を決めておきます。表計算に書き出して、四半期ごとの棚卸しの記録として残すと、監査でも説明できます。

利用表のもう一つの使い方は、費用の大きいエージェントの見直しです。同じ仕事をするエージェントが部署ごとに別々に作られていることがあります。一覧で使っているモデルと費用を並べると、より安いモデルで足りるもの、一つにまとめられるものが見えてきます。エージェントを作る人と使う人を分ける話は別の記事で書いたので、ここでは片付けの手順に絞りました。

エージェントが外のツールを書き換えるとき:承認の設定

エージェントが社内のツールに書き込む操作には、承認の仕組みがあります。公式文書によると、承認が必要になるのは外部のシステムに変更を加える操作だけで、検索や取得のような読むだけの操作は確認なしで動きます。設定は連携先ごとに「操作のたびに私の承認を求める」をオンにするかどうかで決め、オフにすると確認なしで書き込みます。

承認の画面には、承認・却下・常に承認の三つの選択肢があります。注意したいのは「常に承認」で、一度選ぶと、そのエージェントとその連携先の同じ種類の操作は以後自動で通ります。忙しいときに押されやすいので、顧客に届くもの(メールの送信、顧客管理の記録の変更)には常に承認を使わない、という線を決めておきます。応答がない承認依頼は時間がたつと失効し、処理が止まります。定期実行のエージェントでは、承認が活動の履歴に溜まるので、誰が毎日見るかを決めておきます。

運用4 会話記録の保管と閲覧の権限

6か月目、法務から「社員がAIに入れた内容を後から確認できるか」という問い合わせが来ました。ここで決めるのは、何を、どれだけの期間、誰が見られるかです。Nexos の変更履歴では、ゲートウェイの記録は7日間見られるとされています。一方、作業場の会話の保存期間や、オーナーが社員の会話を閲覧できるかどうかは、今回確認した役割の説明には書かれていませんでした。

この点は契約前に必ず確かめます。確かめる項目は、会話の保存期間を組織で設定できるか、オーナーやチームオーナーが他人の会話を見られるか、見た記録が残るか、社員が自分の会話を消せるか、退職者の会話をどう扱うか、の五つです。社員に何が記録され、誰が見られるかを先に知らせることも欠かせません。知らせずに閲覧すると、AIの利用そのものが萎縮します。

会話のリンク共有にも線が必要です。公式の説明では、共有はいつでも取り消せ、添付ファイルは共有に含まれません。それでも、顧客名や未公開の数字が入った会話を社外の人にリンクで渡すことは起こり得ます。共有してよい相手(社内のみ)と、共有した会話の棚卸しの周期を決めておきます。

運用5 社員の質問窓口と研修

配った後の質問は、使い方よりも「これは入れてよいか」「どのモデルを使えばよいか」「上限に達したらどうするか」に集中します。初月に情シスの個人宛てに集中した質問を、一つの窓口(社内チャットの専用の場所など)にまとめ、よくある質問を毎月更新する形に変えると、担当者の負担が下がります。

研修は、全社一律の操作説明より、部署ごとの事例を短く共有する形が効きます。営業なら提案書の下書き、管理部門なら規程の要約、開発ならコードの読解といった具合に、同じ部署の人が使っている例を見せると、利用の少ない部署にも広がります。各部署の推進役が事例を集め、四半期に一度、AI推進の担当がまとめて共有します。

研修で必ず入れたいのは、AIの答えをそのまま使わないという基本です。AIに根拠を書かせる、数字や固有名詞は元の資料で確かめる、顧客に出す前に人が読む。モデルを切り替えられる作業場では、同じ質問を別のモデルに聞いて答えが違うことにも気づきやすくなります。その違いを「どちらが正しいか」ではなく「どちらも確かめが要る」と受け取れるように伝えます。

何が社外に出るか

Nexos を通した会話や資料は、選ばれたモデルの提供元に送られます。つまり、社員がどのモデルを選んだかで、データの行き先が変わります。Nexos 自体も会話や記録を保存するので、データの経路は「社員の端末から Nexos、Nexos から各モデルの提供元」の二段になります。それぞれの保存の地域と期間、学習への利用の有無を確かめる必要があります。

モデルの目録にはモデルごとのデータの保持の扱いが載っていますが、提供元の条件は変わるので、四半期ごとの見直しで目録を読み直します。資料を置く場所(9月の更新で1か所あたり500メガバイトまで)に社内資料を置く場合は、そこに何を置いてよいかも機密の区分で決めます。エージェントの連携先(社内のファイル置き場や顧客管理など)から読み込まれるデータも、モデルの提供元に渡る経路に乗ることを忘れないようにします。

経路を絞る道具として、変更履歴には組織全体の安全の設定を一度決め、モデルごとに上書きしたり、特定のモデルを対象から外したりできる機能が載っています。どの種類の情報を止めるかの設定は、情シスが機密の区分と対応させて決め、モデルごとの例外はその理由と一緒に記録します。設定で止められなかったものは社員の判断に頼ることになるので、研修で伝える「入れてはいけない情報」の一覧と、設定の内容を同じ表で管理しておくと、抜けが見つかりやすくなります。

やめ方を先に決めておく

作業場は、社員の毎日の業務に入り込むほどやめにくくなります。だからこそ、半年の時点でやめるときの手順を書いておきます。一つ目は、会話と資料の書き出しです。社員が作った会話や資料のうち、残すべきものを誰が選び、どこに移すかを決めます。二つ目は、エージェントと連携の停止です。外部ツールへの連携の権限を、作業場の解約前にすべて取り消します。

三つ目は、共有の財布の残高の扱いです。共有の財布のクレジットは持ち越されますが、解約時に返金されるかは確認が必要です。四つ目は、開発でゲートウェイを使っているアプリの切り替えです。アプリが Nexos のゲートウェイ経由でモデルを呼んでいる場合、解約すると止まります。どのアプリが接続用の鍵を使っているかを、要求種別の画面で一覧にしておくと、切り替えの範囲が読めます。

ゲートウェイの利用は、変更履歴によると前払いのクレジットで動き、1ユーロが1クレジットとされています。作業場の席の費用とは別の財布になるので、解約の時期と前払いの残高を合わせておくと無駄が出ません。また、ゲートウェイの記録の閲覧期間は7日間と短いため、監査や振り返りのために残したい記録があるなら、解約を待たず日ごろから自社の側に書き出す仕組みを作っておきます。やめ方を半年の時点で書いておくのは、こうした「やめるときに初めて気づく」項目を、まだ時間のあるうちに洗い出すためです。

配って半年後の点検項目

最後に、配って半年の時点で確かめたい項目をまとめます。全部に答えられれば、作業場は「配った」状態から「運用している」状態に移っています。答えられない項目が持ち主の決まっていない運用です。

半年後の点検項目
  • 共有の財布の額と、個人の上限の初期値を決めた人がいる
  • 上限を下げるときの手順(次の期から効かせる・事前に知らせる)が文書になっている
  • 費用の配賦の方法と、それを見直す時期が決まっている
  • 組織で有効にするモデルの条件と、チームオーナーが選べる範囲が決まっている
  • 使われていないモデルとエージェントを洗い出す周期と担当が決まっている
  • 利用状況を人事評価に使わないことを社員に伝えている
  • 顧客に届く操作に「常に承認」を使わない線が決まっている
  • 会話の保存期間と、誰が見られるかを社員に知らせている
  • 質問窓口が一つにまとまり、よくある質問が更新されている
  • 解約時の書き出し・連携の停止・ゲートウェイの切り替えの手順がある
  • ここで挙げた半年の流れと数字は説明のための想定です。実際の進み方は、会社の規模と業務によって変わります
  • 会話の保存期間や閲覧の権限、解約時の返金の扱いは、公式文書で確認できなかったため、契約前に提供元へ確かめてください

まとめ

Nexos は、200を超えるモデルを一つの画面で配る作業場と、開発向けのゲートウェイ、エージェントの作成をまとめた基盤です。2026年10月にはエージェントの利用表と要求種別の画面が加わり、配った後の費用と利用を読むための材料は揃ってきました。ただし、材料が揃っても、誰がどう読むかは製品が決めてくれません。費用の上限と配賦は情シスと経理、モデルの追加と廃止はAI推進の担当、会話記録は情シスと法務、質問窓口と研修はAI推進の担当と人事、と持ち主を一人ずつ決め、月次・四半期・半年の周期で見直します。AIには要約や案の下書きを任せ、配賦や評価、モデルの採否は人が決める。この線を守れば、全社に配ったAIは半年後も説明できる投資であり続けます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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