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広告主との月次の定例会議の Teams の記録から、決まったこと・広告主の要望・社内の宿題と期限を議事録にして、広告主への送付文の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

広告主と毎月 Teams で開く定例会議の記録から、決まったこと・広告主の要望・持ち帰りの検討事項・宿題と期限を引用付きで書き出します。それを広告主へ送る議事録と送付文の下書き、社内の運用・制作チームへの依頼の一覧に分けて、担当者の確認に回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/人材/広告
対象部門
営業
対象業務
書類作成/記録・議事録作成
主な課題
書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
67%
年間削減
384h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. アカウント担当が会議中にメモを取る(運用の担当が数字の質問に答える)
  2. 会議の後、メモと記憶から、決まったこと・広告主の要望・宿題を書き出す
  3. 数字や日付があいまいなところは、会議の録画か文字起こしを見返す
  4. 議事録をメールの本文か Word にまとめ、送付の挨拶文を付ける
  5. 社内向けに、運用チームと制作チームへの依頼をチャットとタスク管理表に書き出す
  6. 上長が CC に入る広告主には、送る前に上長に見てもらう
  7. 広告主へ送る
導入後(After)
  1. 人アカウント担当が、定例会議を Copilot の設定「会議中と会議後」で主催し、冒頭で文字起こしを始める
  2. 人会議の終わりの5分で、決まったことを声に出して読み合わせる
  3. 【AI】 会議の後、担当者が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示文で、決まったこと・要望・持ち帰り・宿題を引用と時刻付きで書き出させる
  4. 人書き出しを、案件の SharePoint のフォルダに Word で保存する
  5. 【AI】 定例用のエージェントに書き出しを渡し、広告主へ送る議事録、送付文の下書き、社内の依頼の一覧の3つに分けさせる
  6. 人担当者が引用と文字起こしを照らして確かめ、空いた欄を埋める
  7. 人社内の依頼をタスク管理表に登録し、運用・制作チームに伝える
  8. 人議事録と送付文を Outlook から広告主へ送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. アカウント担当が会議中にメモを取る(運用の担当が数字の質問に答える)
  2. 会議の後、メモと記憶から、決まったこと・広告主の要望・宿題を書き出す
  3. 数字や日付があいまいなところは、会議の録画か文字起こしを見返す
  4. 議事録をメールの本文か Word にまとめ、送付の挨拶文を付ける
  5. 社内向けに、運用チームと制作チームへの依頼をチャットとタスク管理表に書き出す
  6. 上長が CC に入る広告主には、送る前に上長に見てもらう
  7. 広告主へ送る

(a)書く時間が会議と同じくらいかかる。 1時間の会議の議事録に、見返しを含めて40分前後かかります。8社を受け持つ担当者は、定例の週に議事録だけで半日以上を使います。 会議が続いた日は、翌日まで書けずに送付が遅れます。

(b)要望と決まったことが混ざる。 「来月はCPAを3,000円以下にしたい」という広告主の発言を「来月のCPA目標3,000円」と書くと、広告会社が約束したように読めます。 送付の後に広告主の上長から「目標を合意した覚えはない」と、逆に広告会社の上長から「約束していない」と言われることがあります。

(c)社内の宿題の期限が抜ける。 会議の中で「では来週中に新しいバナーの案を」と決まっても、議事録には「バナーの案を出す」とだけ書かれ、制作チームへの依頼に期限が載らないことがあります。 次の定例で「先月お願いしたものは」と聞かれて気づきます。

(d)社内の事情が送付版に混ざる。 会議の後半に広告主が退出し、社内だけで「媒体の手数料の見直しは来期に回そう」と話した部分まで、メモの流れのまま送付版に書きかけることがあります。 上長の確認で止まっても、確認のない広告主では止まりません。

  1. 【人】 アカウント担当が、定例会議を Copilot の設定「会議中と会議後」で主催し、冒頭で文字起こしを始める
  2. 【人】 会議の終わりの5分で、決まったことを声に出して読み合わせる
  3. 【AI】 会議の後、担当者が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示文で、決まったこと・要望・持ち帰り・宿題を引用と時刻付きで書き出させる
  4. 【人】 書き出しを、案件の SharePoint のフォルダに Word で保存する
  5. 【AI】 定例用のエージェントに書き出しを渡し、広告主へ送る議事録、送付文の下書き、社内の依頼の一覧の3つに分けさせる
  6. 【人】 担当者が引用と文字起こしを照らして確かめ、空いた欄を埋める
  7. 【人】 社内の依頼をタスク管理表に登録し、運用・制作チームに伝える
  8. 【人】 議事録と送付文を Outlook から広告主へ送る

3番目と5番目を分けているのは、意図してのことです。 会議の Copilot は、その会議の文字起こしとチャットだけを見て答えるので、他の広告主の会議の発言が混ざりません。 書き出しの段で会議を1つに閉じ、送付の形に整える段は、様式と表記の決まりを持ったエージェントに任せます。

8番目の送付は、すべて人が行います。 エージェントが出すのは下書きまでです。広告主へ何を書いて送るかは、アカウント担当が決めることです。

02今回想定するシステム構成

構成図
定例会議(広告会社が主催。Copilot は「会議中と会議後」)
   │  冒頭で文字起こしを開始/終わりに決まったことを読み合わせる
   ▼【トリガー】会議の終了(文字起こしの保存)
会議のチャット ─ Copilot を開く(その会議の文字起こしとチャットだけを見る)
   │  決まった指示文で書き出す
   │   ・決まったこと   ・広告主の要望   ・持ち帰りの検討事項
   │   ・宿題(担当・期限)  ・社内だけで話した部分の範囲
   ▼  書き出しを案件の SharePoint フォルダへ Word で保存
定例用のエージェント(Agent Builder)
   │  知識:議事録の様式と送付文の書き方(SharePoint のファイル)
   │        広告主ごとの呼び方・送付先・表記の決まり(SharePoint のリスト)
   ├──▶ 広告主へ送る議事録
   ├──▶ 送付文の下書き
   └──▶ 社内の依頼の一覧(運用・制作チーム、担当と期限)
   ▼【アカウント担当が文字起こしと照らして確かめる】
Outlook から広告主へ送付/タスク管理表へ依頼を登録
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot と、Agent Builder で作る定例用のエージェント)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
保管SharePoint(案件のフォルダ、様式のファイル、広告主のリスト)OneDrive

新しく足すのは、アカウント担当6名の Copilot のライセンスと、定例用のエージェントだけです。 管理者向けの説明では、前提として利用する人ごとに追加の Microsoft Copilot ライセンスが挙げられています。広告主の担当者にライセンスは要りませんが、広告主の担当者が会議の Copilot を使うことはできない前提で設計します。

会議の Copilot は、会議中にも会議の後にも使えます。 主要な論点を誰が何を言ったかを含めて要約し、次に行うことを提案し、質問に答えるとされています。会議の後は、会議のチャットの右上の「Copilot を開く」か、「まとめ」のタブから使え、チャットと、あれば文字起こしを使って出典を示して答えるとされています。

会議の後に Copilot に頼むには、会議中に文字起こしを有効にしておく必要があります。 管理者の Copilot のポリシーの既定は「保存された文字起こしが必須」で、この場合、主催者の会議のオプションは「会議中と会議後」に固定され、変えられないとされています。主催者が「オフ」にすると、録画と文字起こしもオフになるので、会議のオプションに触らない運用にします。

エージェントは Agent Builder で作ります。 知識として SharePoint のファイルを100まで、SharePoint のリストを1つまで指定でき、リストは2万行・生の文字で50MBまでとされています。この構成では、議事録の様式と送付文の書き方のファイル、広告主ごとの呼び方と送付先と表記の決まりのリストを知識に入れます。会議そのものはエージェントの知識に入れず、会議の Copilot の書き出しを渡します。 1人8社の会議を5つまでの枠で入れ替えるより、会議ごとに閉じた書き出しを渡すほうが混ざりません。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

会議の終了と文字起こしの保存を起点にします。 ただし、Copilot に書き出しを頼むのはアカウント担当の操作です。決まった時刻に全社の議事録を自動で作る形にはしません。 会議の直後に担当者が頼むのが、いちばん早く確実です。

起点の手前に、会議の中での読み合わせを置きます。 会議の終わりの5分を「本日決まったことの確認」に取り、アカウント担当が「決まったことは、来月の予算の配分を検索広告に20万円寄せること、新しいバナーの案を11月14日までにお出しすること、の2点でよろしいでしょうか」と声に出します。広告主が「CPAの件は持ち帰らせてください」と言えば、その言葉も文字起こしに残ります。 決まったことと持ち帰りの境目を、後からAIに推し量らせずに、会議の中で言葉にしておきます。

文字起こしに残るのは声だけです。 画面に映した月次レポートの数字に頷いただけでは、記録に何も残りません。決めた金額や日付は、必ず口に出してもらいます。

定例は毎月の定期の会議として招待しますが、議事録はその月の会議のうちに作り終えます。 会議の Copilot の説明では、定期的な会議では、シリーズの後の会議で文字起こしをすると、前の会議の Copilot の会話の履歴が失われるとされています。翌月の定例が始まる前に、書き出しを Word で保存しておくことが、この構成の決まりです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
会議の文字起こし発言者、時刻、発言の文Teams 会議(会議の Copilot が読む)
会議のチャット会議中に貼った資料のリンク、書き込まれた数字と日付Teams 会議(会議の Copilot が読む)
書き出し決まったこと・要望・持ち帰り・宿題(引用と時刻付き)会議の Copilot の回答を Word で保存
議事録の様式と送付文の書き方見出し、表の列、敬称、挨拶文の型、書いてはいけないことエージェントの知識のファイル
広告主のリスト広告主ごとの正式な社名・ブランド名・商品名の表記、宛先の担当者、CC に入れる人、送付の形(本文か添付か)エージェントの知識のリスト

質を決めるのは、いちばん下のリストです。 会議では商品名が略して言われ、「新しい方のシリーズ」「春のやつ」と呼ばれます。リストに正式な商品名とキャンペーン名を並べておけば、エージェントは送付版で正式な表記にそろえられ、どれにも当たらない略称を「表記を確かめる」として残せます。 広告主にとって、自社の商品名の誤記はそれだけで印象を落とします。

書いてはいけないことの一覧も、様式のファイルに入れます。 媒体の仕入れの値段、手数料率、他の広告主の名前と数字、社内の人の評価です。送付版を作る段で、この一覧に当たる言葉を見つけたら、送付版から外して社内の欄に回させます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
決まったこと・要望・持ち帰り・宿題会議のチャットから開く Copilot書き出し(引用と時刻付き)
社内だけで話した部分の範囲同上(広告主の退出の時刻と、その後の発言)送付版から外す範囲の確認
様式と書き方エージェントの知識のファイル送付版の見出し、敬称、表の列
広告主ごとの表記と送付先エージェントの知識のリスト正式な表記、宛先、CC

書き出しは、会議のチャットから Copilot を開いて頼みます。 チャットから開けば、会議中に貼られた資料のリンクや書き込みも材料になります。 回答が長くなったときは、1,300字を超える回答は Word で開けるとされているので、そのまま Word で開いて案件のフォルダに保存します。

ただし、エクスポートが止められる場合があります。 会議の内容のエクスポートを禁じる秘密度ラベルが付いている会議や、「会議のチャット、ライブキャプション、文字起こしのコピーと転送をオフにする」を有効にした会議では、Word や Excel に開けないとされています。広告主との定例でこの設定を使っているなら、書き出しの保存の手順を先に決めておきます。

広告主のリストは、リストのURLを直接知識に指定します。 SharePoint のサイトを指定してもサイトの中のリストは含まれないとされています。リストの添付ファイルの列は、検索にも根拠にも使われないとされているため、表記や宛先は列に入れます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 定例の招待を広告会社から出す … 広告主が主催する会議では、会議の Copilot が動きません。招待を出し直してもらうより、最初から広告会社が出す決まりにします
  2. 会議の冒頭に、広告主名と対象の月を声に出す … 文字起こしの最初に「○○株式会社様、10月の定例」と残します
  3. 文字起こしを始めることを広告主に伝える … 最初の定例で、議事録のために文字起こしを使うことを伝え、了承を得ておきます
  4. 月次レポートを会議のチャットに貼る … 会議で話す数字の出どころを、記録の中に残します
  5. 会議の終わりに読み合わせる … 第7章「トリガー」のとおり
  6. 広告主が退出したら、そのことを声に出す … 「ここから社内です」と一言残すと、書き出しで社内の部分の範囲がはっきりします
  7. 翌月の定例の前に書き出しを保存する … 定期の会議の履歴が消える前に、Word で残します

6番目を軽く見ないでください。 広告主が退出した後も同じ会議で社内の打合せを続けることは多く、文字起こしの上では、広告主がいたときの発言と区別がつきません。 退出の時刻が分かれば、書き出しの段でそこから後を社内の欄に回せます。理想は、社内の打合せを別の会議に分けることです。

Step5

AIに処理させる

させるのは、会議の記録から4つの欄に分けて書き出すこと(会議の Copilot)と、それを送付版と社内の依頼に作り分けること(定例用のエージェント)です。

させること書き方判断できないときの扱い
決まったこと双方が合意した内容を1行ずつ。発言の引用と時刻合意の言葉が無ければ持ち帰りに入れる
広告主の要望広告主が「〜したい」「〜してほしい」と言ったこと決まったことに格上げしない
持ち帰りの検討事項「検討します」「確認して連絡します」で終わったこと。どちらが持ち帰ったか持ち帰った側が分からなければ空欄
宿題誰が・何を・いつまでに。広告主側と広告会社側を分ける担当か期限が発言に無ければ空欄
社内だけの部分広告主の退出の後の発言の範囲退出が分からなければ「範囲不明」
送付版への整え様式どおりの見出し、正式な表記、敬称リストに無い略称はそのまま残し、印を付ける
社内の依頼の一覧運用・制作チームごとに、依頼・期限・元の発言期限が無い依頼は「期限未定」

「決まったこと」の書き出しは、合意の言葉があったものだけにします。 読み合わせで「それでお願いします」「承知しました」と返った項目が決まったことで、一方が言っただけのものは要望か持ち帰りです。 第3章の(b)は、この線を引かずに書いていたことで起きていました。

させないこと理由
要望を目標や約束として書く広告会社が成果を約束したように読める
数字の計算(「1割増し」を金額にする)元の金額と端数の扱いは、決めた人に確かめること
期限の推測(「来週中」を日付にする)営業日の数え方と、どちらの「来週」かは確かめること
担当の割り当て名前が挙がっていない宿題に、それらしい担当を付けない
配信の結果の評価(「好調」「改善が必要」)評価は運用チームと担当者が書く
送付送るのは人

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 「来週中にバナーの案を」と言われると、カレンダーから金曜日の日付を補って書きます。補った日付が送付版に載ると、広告主の側ではその日が約束の日になります。 社内の依頼に載れば、制作チームはその日を締切として動きます。

Step6

指示内容を固定する

書き出しには、会議のチャットから開いた Copilot に次の指示を入れます。 指示文は案件のフォルダに置き、毎回コピーして使います。

この会議の文字起こしとチャットだけを使って、次の5つに分けて書き出してください。
各行に、根拠にした発言の引用(文字起こしの文のまま)と時刻を付けてください。

1. 決まったこと:双方が合意したもの。「お願いします」「承知しました」など
   合意の言葉があったものだけ。
2. 広告主の要望:広告主が「〜したい」「〜してほしい」と言ったもの。
3. 持ち帰りの検討事項:「検討します」「確認して連絡します」で終わったもの。
   どちらが持ち帰ったかを書く。
4. 宿題:誰が・何を・いつまでに。広告主側と当社側を分ける。
5. 社内だけで話した部分:広告主が退出した時刻と、その後の発言の範囲。

【決まり】
- 要望を、決まったことに入れないでください。
- 「来週中」「月末まで」は日付に直さず、言われたとおり書いてください。
- 「1割増し」のような言い方は金額に直さず、言われたとおり書いてください。
- 担当と期限は、会議で言われたものだけを書き、無ければ空欄にしてください。
- 決まったか分からないものは、持ち帰りの検討事項に入れてください。

送付版と社内の依頼への作り分けは、定例用のエージェントの「指示」の欄に次を入れます。

あなたは広告会社のアカウント担当の補助として、広告主との定例会議の
書き出しから、広告主へ送る議事録・送付文の下書き・社内の依頼の一覧を
作る立場です。入力は、会議の Copilot が作った書き出し1件です。
知識の様式のファイルと広告主のリスト以外の情報を足さないでください。

【作るもの】
A. 広告主へ送る議事録(様式の見出しのとおり)
   決まったこと/ご要望として承ったこと/持ち帰りの事項/
   双方の宿題(担当・期限)/次回の定例の日時
B. 送付文の下書き(宛名、挨拶、議事録の要点3行まで、結び)
C. 社内の依頼の一覧(運用チーム・制作チームごとに、依頼/期限/元の発言)
D. 確認が要る箇所の一覧

【厳守事項】
- 書き出しの「社内だけで話した部分」は、A と B に一切入れないでください。
  C か D にだけ使ってください。
- 様式のファイルの「書いてはいけないこと」に当たる言葉(媒体の仕入れの
  値段、手数料率、他社の名前と数字、社内の人の評価)が A か B に入りそうな
  ときは、入れずに D に「送付版から外した」と書いてください。
- 広告主の要望は「ご要望として承ったこと」に書き、「目標」「お約束」
  「合意」という言葉を使わないでください。
- 日付・金額・期限は、書き出しに書かれたとおりに写してください。
  日付に直す、計算する、補うことをしないでください。
- 社名・ブランド名・商品名は、広告主のリストの正式な表記にそろえてください。
  リストに当たらない呼び方は書き出しのまま残し、D に挙げてください。
- 担当や期限が空欄の宿題は、空欄のまま残し、D に挙げてください。
- 配信の結果を「好調」「改善が必要」などと評価しないでください。

「社内だけで話した部分を A と B に入れない」を明記しないと、情報として役に立つものから順に使います。 退出の後の「来月は予算が増えそうだ」という社内の見立ては、議事録の中で収まりのよい1行になりやすいのが厄介です。入れてよい場所を C と D に限ることで、送付版に出る道を塞ぎます。

「目標」「お約束」「合意」の言葉を禁じるのも、同じ考えです。 要望を要望の欄に入れても、文の中で「目標とすることで合意」と書けば元に戻ります。欄の名前だけでなく、言葉で線を引きます。

Step7

出力形式を固定する

エージェントには、次の形で返させます。 A と B はそのまま Outlook に貼れる形、C はタスク管理表の列の並びにします。

【A 議事録(送付版)○○株式会社様 10月定例(2026年10月8日)】

■ 決まったこと
・11月の予算のうち20万円を検索広告へ配分する(00:48「では20万円、検索に寄せましょう」「お願いします」)
■ ご要望として承ったこと
・11月はCPAを3,000円以下に近づけたい(00:31)
■ 持ち帰りの事項
・春の新商品の発売日(○○株式会社様にてご確認)
■ 双方の宿題
| 担当 | 内容 | 期限 |
| 当社 | 新しいバナーの案の提出 | 来週中(日付は未確定) |
| ○○株式会社様 | 新商品の素材のご提供 | (未定) |

【B 送付文の下書き】(宛名・挨拶・要点・結び)

【C 社内の依頼】
| チーム | 依頼 | 期限 | 元の発言(時刻) |
| 制作 | バナーの案3点 | 来週中(日付は担当者が決める) | 00:52 |

【D 確認が要る箇所】
・「春のやつ」がリストのどの商品か不明
・送付版から外した:手数料の見直しの話(00:58 以降、社内のみ)

1つ目の理由は、A と C を別の塊で返させることです。 送付版と社内の依頼が1つの文書に混ざっていると、コピーの範囲を誤ったときに社内の依頼がそのまま広告主へ届きます。塊を分けておけば、担当者はAとBだけを選んで貼れます。

2つ目は、D に「外したもの」を書かせることです。 送付版から何かを外したことは、出力の中に記録しておかないと見えません。外したものが一覧で見えれば、外しすぎたときにも気づけます。

3つ目は、引用と時刻で根拠を確かめられることです。 広告主から「そこまで決めていない」と言われたときに、どの発言からその行を書いたかを示せます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議会議のチャットから開く Copilot文字起こしとチャットからの書き出し
案件の SharePoint フォルダ担当者が Word で保存書き出しと、確かめた後の議事録
定例用のエージェントAgent Builder(知識に様式のファイルとリスト)送付版・送付文・社内の依頼の作り分け
Outlook担当者が貼り付けて送る広告主への送付
タスク管理表担当者が登録する社内の依頼と期限

どこにも自動で書き込みません。 広告主のリストはエージェントが読むだけで、タスク管理表への登録と Outlook からの送付は担当者が行います。この構成が出すのは文案までで、何を送るか、何を依頼するかは担当者の判断に残します。

書き出しと送付した議事録は、同じ案件のフォルダに並べて保存します。 翌月の定例の準備で、前月の宿題が片付いたかを見るときに、送付版だけでなく、持ち帰りの事項と社内の依頼まで1か所で見られます。

Step9

人が確認する

担当者が確かめるのは、A の決まったことと宿題の全行、D の全項目です。 B の挨拶文と C の言い回しは流し読みにします。

  1. D を先に片付ける … 外したものが本当に社内向けか、略称がどの商品か、空欄の担当と期限をどうするかを決めます
  2. 決まったことの引用を見る … 引用と時刻で文字起こしを開き、合意の言葉があったかを確かめます
  3. 要望が決まったことに入っていないかを見る … 逆に、決まったことが要望に落ちていないかも見ます
  4. 期限を日付にする … 「来週中」を何日とするかを担当者が決め、送付版と社内の依頼の両方を同じ日付にします
  5. 社内の依頼を登録する … タスク管理表に登録し、運用・制作チームに伝えます
  6. 送付する … 上長の確認が要る広告主は、確認を経て送ります

2番目と3番目は、決まったことの行だけは全行を見てください。 決まったことの1行の誤りは、広告主にとって広告会社の約束になります。 要旨の言い回しの誤りとは重さが違います。

目標は、1件あたり20分です。 決まったことと宿題の確認に10分、Dの片付けと期限の決定に6分、社内の依頼の登録と送付に4分という配分を想定します。D の項目が毎回10を超えるなら、会議の中の読み合わせか、広告主のリストの表記が足りていません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
広告主が主催した会議だった会議の Copilot が使えない。担当者のメモと手で作る。次回から広告会社が主催する
文字起こしを始め忘れた会議の後に Copilot に頼めない。担当者のメモから手で作る
会議のオプションが「会議中のみ」だった会議の後には文字起こしされた部分しか残らない。次回からテンプレートで設定する
翌月の定例の後に、前月の書き出しを作ろうとした定期の会議では前の会話の履歴が失われうる。翌月の定例の前に作る決まりを守る
広告主の退出の時刻が分からない社内だけの部分を「範囲不明」とし、会議の後半はすべて人が確かめる
リストに無い商品名・キャンペーン名書き出しのまま残し、D に挙げる。確かめた後にリストへ足す
決まったことが会議の中で2回変わった最後に決まったものだけを A に入れ、前のものは引用で残す。どちらが最後かは時刻で確かめる

上の3行は、会議の前に防げます。 定例の招待を広告会社から出し、会議のテンプレートで Copilot の設定を「会議中と会議後」にしておけば、毎回の設定忘れはなくなります。

Step11

記録を残す

  • 会議ごとの書き出し(Word)と、使った指示文の版
  • エージェントの出力(A〜D)と、担当者が直した後の送付版
  • 送付版から外したものの一覧と、外した理由
  • 送付した日時、宛先、CC
  • 社内の依頼と、タスク管理表に登録した日、期限、完了した日
  • 広告主から届いた訂正と、どの行をどう直したか

最後の行が、この構成の物差しです。 訂正が「要望を決まったことにしていた」型なのか「表記の誤り」型なのかを数えると、直すべきが指示文なのか、会議の読み合わせなのか、広告主のリストなのかが分かれて見えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に書き出しを頼み、送付版は担当者が書く / 決まったこと・要望・宿題の書き出し
半自動化:上記+定例用のエージェントで送付版・送付文・社内の依頼を作り分ける / 議事録と送付文の下書き、社内の依頼の一覧
本格構成:上記+社内の依頼をタスク管理表へ登録する流れ(Power Automate 等)と、前月の宿題の残りの一覧 / 依頼の登録と、宿題の追いかけ

本記事の想定は半自動化です。 1件60分が20分になる見込みは、この段階で置いています。書き出しと作り分けがAIに移り、残るのは確かめることと、期限を決めることと、送ることです。 本格構成に進むのは、半自動化を3か月回してからにしてください。 登録を先に自動にすると、「来週中」のまま期限の決まっていない依頼が、タスク管理表に流れ込みます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
6 名
月間件数
48 件
1件あたり現在時間
60 分
1件あたり導入後時間
20 分
現在  48件 × 60分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 48件 × 20分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
32h
削減率
67%
年間削減時間
384h
年間金額換算(時間単価3,800円)
146万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 広告会社・Web広告の運用会社で、アカウント担当が広告主ごとに毎月の定例会議を Teams で主催し、会議の後に議事録と送付メールを書き、運用・制作チームへの依頼を別に書き出すのに時間を取られている場合。広告主の「要望」と「決まったこと」の書き分けがあいまいで、送った議事録に広告主から訂正が来ることや、社内の宿題の期限が抜けることが起きている場合。アカウント担当が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)のライセンスを持てる場合。SaaS のカスタマーサクセスや人材紹介の担当が顧客と毎月の定例を開く場合にも同じ形で使えます。
向いていない
  1. 定例会議の多くを広告主の側が主催する場合(会議の Copilot は、参加者の組織の外で主催された会議では動かないとされています)。会議を対面だけで行い、文字起こしを残せない場合。広告主が会議の録音・文字起こしを認めていない場合。なお、広告主へ何を約束するか、予算や施策をどう決めるかは会議の出席者が決めることで、この構成は記録を助けるものです。送付も人が行います。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の定例会議のうち、文字起こしが残っているものを5件選ぶ(広告主が退出した後に社内で話した会議を1件入れる)
  2. その5件について、当時送った議事録と社内の依頼を手元に用意する
  3. 会議のチャットから Copilot を開き、第7章の書き出しの指示文を入れる
  4. 出てきた書き出しを、当時の議事録と比べる
  5. 書き出しを Copilot の画面に貼り、第7章の作り分けの指示文と様式を添えて、A〜D を作らせる

5件は必ず、送付済みのものと比べてください。 エージェントを作る前に、「決まったこと」と「要望」の線が、当時の担当者の書き方と同じところに引かれるかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の議事録と同じ決まったことが出た定例用のエージェントを作る段階に進む
要望が決まったことに入った指示の書き方と、会議の読み合わせで直る。構成は有効
社内だけの話が送付版に入った退出を声に出す決まりが先。 社内の打合せを別の会議に分ける
期限が日付に直されていた指示の書き方で直る

3行目が出ることは珍しくありません。 会議を分けるのがいちばん確実で、指示で防ぐのはその次です。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
広告主が主催した会議で Copilot が使えない組織の外で主催された会議では動かない。 定例の招待は広告会社から出す
要望が決まったことに入る合意の言葉があったものだけを決まったことにする。会議で読み合わせる
社内だけの話が送付版に入る退出を声に出す。社内の打合せは別の会議にする
「来週中」が日付に直される指示で禁じ、日付は担当者が決める
前月の書き出しが消えた定期の会議では前の履歴が失われうる。 翌月の定例の前に Word で保存する
会議の後に Copilot に頼めない文字起こしを始め忘れている。冒頭の決まりにする
会議のオプションを「オフ」にしてしまう録画と文字起こしもオフになる。テンプレートで固定する
商品名の略称が誤った正式名に直されるリストに当たらない呼び方は直さず、確認の欄に出す
Word に開けないエクスポートを禁じる設定の会議。保存の手順を先に決める

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、誰が主催し、誰がいるときに、何を言葉にしたかという会議の運び方の問題です。指示文を工夫する前に、会議の決まりを3つ(広告会社が主催する、読み合わせる、退出を声に出す)そろえてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 広告主の予算、配信の成績、発売前の商品とキャンペーンの予定、そして会議の後半で話される社内の手数料や体制の話です。発売前の情報は、広告主にとって最も外に出したくない情報です。

  1. 文字起こしを使うことを広告主に伝える … 定例の最初に議事録のために文字起こしを使うことを伝え、了承を得ます。認めない広告主の会議では、この構成を使いません
  2. 広告主ごとに書き出しを分けて保存する … 案件のフォルダは広告主ごとに分け、閲覧できる人を受け持ちの担当とその上長に限ります。エージェントは保存先の権限を引き継ぐとされているので、権限の設定がそのまま守りになります
  3. 他の広告主の情報を混ぜない … 書き出しは会議ごとに閉じた会議の Copilot で行い、エージェントの知識に会議を入れません
  4. 送付は人が行う … 自動で送る仕組みを作りません
  5. 会議の内容の保持の扱いを確かめる … 管理者向けの説明では、組織の Microsoft Purview の保持ポリシーによって、録画と文字起こしがオフでも、会議中の Copilot の質問と回答がコンプライアンスのために保持されることがあるとされています。広告主との契約の秘密保持の範囲と照らしておきます

誤りが起きた場合のリスクは、決まっていないことを約束として送ることと、社内の話を広告主へ送ることの2つです。 前者は要望と決まったことの混同で起き、後者は退出の後の発言の混入で起きます。どちらも会議の中で言葉にしておけば、書き出しの段で防げます。

10まず何から始めるか

1週目:会議の決まりをそろえる

定例の招待を広告会社から出すこと、会議のテンプレートで Copilot を「会議中と会議後」にすること、終わりの5分で読み合わせること、退出を声に出すことを、営業部の決まりにします。この4つがそろった時点で、第3章の(b)と(d)の半分は解けています。

2週目:5件で試す

第8章の手順で、先月の定例5件の書き出しをさせ、送付済みの議事録と比べます。要望が決まったことに入っていないかと、社内の話が出ていないかを最優先で見ます。

3週目:様式と広告主のリストを作る

議事録の様式、送付文の書き方、書いてはいけないことの一覧をファイルにし、受け持ちの多い広告主から正式な表記と送付先をリストにそろえます。

4週目:定例用のエージェントを作る

Agent Builder で知識に様式のファイルとリストを指定し、作り分けの指示を入れます。最初の1か月は、担当者が手で書いた議事録と並べて比べます。

2か月目以降: 6名全員で使い、広告主からの訂正の件数と、D に出た項目の数を毎月数えます。訂正が「要望を決まったことにしていた」型でなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
会議の Copilot が主要な論点を誰が何を言ったかを含めて要約し、次に行うことを提案し、質問に答えること。会議の後に頼むには会議中に文字起こしを有効にする必要があること。「会議中と会議後」「会議中のみ」「オフ」の違いと、オフでは録画と文字起こしもオフになること。会議の後は会議のチャットの「Copilot を開く」か「まとめ」のタブから使え、出典を示すこと。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定期的な会議では後の会議で文字起こしをすると前の会話の履歴が失われること。1,300字を超える回答を Word で開けること、エクスポートを禁じる秘密度ラベルやコピーと転送をオフにする設定では開けないことMicrosoft Support: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-08
管理者の Copilot のポリシーの値(オン/保存された文字起こしが必須(既定)/既定で文字起こしを保存/オフ)と、既定では主催者が「会議中と会議後」を変えられないこと。前提が追加の Microsoft Copilot ライセンスであること。会議のテンプレートに Copilot を入れられること。Purview の保持ポリシーにより、録画と文字起こしがオフでも Copilot の質問と回答が保持されうることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-08
Agent Builder の知識として SharePoint のファイルを100まで、リストを1つまで指定できること。リストは2万行・生の文字で50MBまでで、添付ファイルの列は使われないこと。サイトを指定してもリストは含まれないこと。既存の権限と秘密度ラベルを引き継ぐこと。「指定した情報源だけを使う」が一般の知識を完全に止めるものではないことMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-08

文字起こしを使うことの広告主への伝え方と、議事録の扱いは、広告主との契約と自社の情報管理の規程に沿って決めてください。 本記事は確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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