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法務部が顧問の法律事務所との月次の打合せ(Teams)を Copilot でまとめ、案件ごとの方針と期限の一覧を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

顧問の法律事務所と毎月開く打合せ(Teams)の記録から、案件ごとに今月話された方針を Copilot で書き出します。案件管理表の前の月の方針と並べて変わった案件を拾い、期限を種類ごとに一覧にします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/商社/小売/製造
対象部門
法務
対象業務
台帳・マスタ管理/記録・議事録作成
主な課題
引き継ぎができていない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
判断支援/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
10h/月
AI導入後
4h/月
想定削減
60%
年間削減
72h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 事務所から届いた期日一覧と案件管理表を見比べ、打合せの議題を作る
  2. 打合せに出て、法務部の担当者が案件ごとにメモを取る
  3. 打合せのあと、メモと録画を見返し、案件ごとに話された方針と期限を書き出す
  4. 書き出した方針を案件管理表の現在の方針と見比べ、変わった案件に印を付ける
  5. 期限を期日一覧と照らし、案件管理表の次の期限を書き換える
  6. 方針の変わった案件を法務部長に報告し、事業部に確認や資料を依頼する
導入後(After)
  1. 人法務部が打合せを Teams の予定として立てて主催し、冒頭で告げてから文字起こしを始める
  2. 人打合せのあと、会議の Copilot に指示を出し、案件ごとの方針と期限の表を出させる
  3. 人Copilot Chat で、その表と案件管理表・事務所の期日一覧を「/」で参照させ、前の月の方針との並べと、期限の種類ごとの一覧を作らせる
  4. 人担当者が、「変更」の案件と、弁護士の見解と当社の決定の区別を、根拠の発言で確かめて直す
  5. 人担当者が、「種類不明」の期限と、期日一覧と食い違う期限を事務所に確かめる
  6. 人法務部長が方針の変わった案件を確かめ、担当者が案件管理表を更新し、事業部へ依頼する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 事務所から届いた期日一覧と案件管理表を見比べ、打合せの議題を作る
  2. 打合せに出て、法務部の担当者が案件ごとにメモを取る
  3. 打合せのあと、メモと録画を見返し、案件ごとに話された方針と期限を書き出す
  4. 書き出した方針を案件管理表の現在の方針と見比べ、変わった案件に印を付ける
  5. 期限を期日一覧と照らし、案件管理表の次の期限を書き換える
  6. 方針の変わった案件を法務部長に報告し、事業部に確認や資料を依頼する

(a)案件ごとの書き出しに時間がかかる。 打合せは案件を順に進めますが、「さっきの件に関係するんですが」と前の案件に戻る話が入ります。どの発言がどの案件の話かを確かめるために、録画を戻します。

(b)方針の変化が「前回どおり」に埋もれる。 15件のうち13件が前回どおりで終わると、残りの2件の小さな変化を、メモに書き落とします。 弁護士が「和解の可能性も探りましょう」と言った案件を「継続」と書き、法務部長が知ったのは翌月の打合せの前でした。

(c)弁護士の見解と当社の決定が混ざる。 弁護士が「この条項は削除を求めるべきです」と言い、法務部の担当者が「事業部と相談します」と答えた案件が、メモでは「削除を求める」になります。事業部が同意していない方針が、案件管理表に載ります。

(d)期限の種類を取り違える。 「10日まで」が、事務所への回答の期限なのか、裁判所に書面を出す期限なのかで、遅れたときの重さがまったく違います。 期限の列に日付だけが入っていると、どれを優先するかを担当者の記憶で決めることになります。

  1. 【人】 法務部が打合せを Teams の予定として立てて主催し、冒頭で告げてから文字起こしを始める
  2. 【人】 打合せのあと、会議の Copilot に指示を出し、案件ごとの方針と期限の表を出させる
  3. 【人】 Copilot Chat で、その表と案件管理表・事務所の期日一覧を「/」で参照させ、前の月の方針との並べと、期限の種類ごとの一覧を作らせる
  4. 【人】 担当者が、「変更」の案件と、弁護士の見解と当社の決定の区別を、根拠の発言で確かめて直す
  5. 【人】 担当者が、「種類不明」の期限と、期日一覧と食い違う期限を事務所に確かめる
  6. 【人】 法務部長が方針の変わった案件を確かめ、担当者が案件管理表を更新し、事業部へ依頼する

この構成に自動で動く部分はありません。 案件管理表を書き換えるのも、事業部へ依頼するのも担当者です。Copilot が作るのは表と下書きまでです。

4番目が、この設計の分かれ目です。 「変更」と付いた案件は、法務部長の判断につながります。Copilot が「当社の決定」とした発言が、法務部の出席者の明示の言葉かどうかを担当者が確かめます。 弁護士の発言が根拠になっていれば「弁護士の見解」に戻し、方針は「未決」にします。

5番目は、取り返しのつかない漏れを止める工程です。 社内の期限は延ばせても、法律で決まった期間の多くは延ばせません。 種類が分からない期限は、その日のうちに事務所に確かめます。

02今回想定するシステム構成

構成図
月次の打合せ(法務部が主催する Teams 会議、事務所は社外から参加)
   │  冒頭で告げて文字起こしを始める
   ▼【トリガー】会議の終了
会議の Copilot(会議のチャットの「まとめ」タブ)
   └──▶ 案件ごとの表(弁護士の見解/当社の決定/期限の発言/根拠の発言と時刻)
         宿題の表(法務部・事務所・事業部)
   ▼
Copilot Chat(「/」で 案件管理表/事務所の期日一覧 を参照)
   ├──▶ 前の月の方針との並べ(変更/継続/未決)
   ├──▶ 期限の種類ごとの一覧(期日一覧の値と、種類不明・食い違い)
   └──▶ 法務部長への報告と、事業部への依頼の下書き
   ▼
【担当者が変更と区別を確かめる】 → 【法務部長が変更の案件を確かめる】
   ▼
案件管理表を更新する(人)/事業部へ依頼する(人)
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot、Copilot Chat)ChatGPT Enterprise、Claude、Gemini
会議Microsoft Teams(法務部が主催する会議と文字起こし)会議の録画
台帳SharePoint リスト(案件管理表)法務の案件管理の仕組み
保管SharePoint(事務所の期日一覧と打合せの記録のフォルダ)社内のファイルサーバー

新しく足すものはありません。 法務部の3名がすでに Copilot のライセンスを持っている前提です。事務所の弁護士がライセンスを持つ必要はありません。

打合せは、法務部が主催します。 公式のページでは、参加者の組織の外で主催された会議では Copilot は動かないとされています。事務所の会議に招かれる形のままでは、法務部の担当者は会議の Copilot を使えません。

打合せのあとに Copilot を使うには、文字起こしが要ります。 公式のページでは、会議のあとに Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしを有効にしている必要があるとされています。

事務所の弁護士は、打合せのあとに文字起こしを見られません。 公式の文字起こしのページでは、別の組織の参加者は会議中に文字起こしを見られるが、会議のあとに見ることもダウンロードすることもできないとされています。公式のまとめのページでも、招かれていない人や組織の外の人はまとめを開けないとされています。事務所と共有するのは、法務部が確かめた宿題の一覧だけです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

打合せの終了をきっかけに、担当者がその日のうちに始めます。 方針が変わった案件は、翌日には法務部長に届けたいからです。打合せの直後なら、どの案件で誰が何と言ったかを担当者がまだ覚えています。

文字起こしは、打合せの冒頭で始めます。 進行役の法務部の担当者が「案件ごとの方針と期限の一覧を作るために文字起こしを使います」と告げます。公式の文字起こしのページでは、文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されるとされています。事務所には、最初の打合せの前に目的と保存先を伝え、了承を得ておきます。

打合せを、Teams の定期的な会議の1つの系列にしないでください。 公式のページでは、定期的な会議で後の回が文字起こしされると、それまでの回の Copilot とのやり取りの履歴は使えなくなるとされています。分野ごと・月ごとに別の会議として立て、Copilot の表はその日のうちに打合せの記録のフォルダへ保存します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし打合せの発言(話者の名前と時刻つき)Teams の会議
会議のチャット進行役が書いた案件番号Teams の会議
案件管理表案件番号、件名、種類、事務所の担当、現在の方針、次の期限、期限の種類、事業部の担当SharePoint リスト
事務所の期日一覧案件ごとの裁判所の期日、書面の提出の期限、相手方への回答の期限、当社への回答の依頼の期限事務所の SharePoint のフォルダ
出席者と役割の一覧名前、所属(法務部・事務所・事業部)、方針を決める立場か助言する立場か担当者が打合せの前に作る一覧

質を決めるのは、案件管理表の「現在の方針」の列です。 前の月の方針が「交渉継続」のような短い言葉だけだと、今月の発言と並べても変化が見えません。「相手方の減額の提案には応じず、支払条件の変更までを交渉する」のように、何をして何をしないかを1文で書いておきます。 そうすれば、今月の「減額も一部は検討しましょう」が変化として浮きます。

出席者と役割の一覧は、毎回作ります。 事務所の弁護士は見解を述べ、決めるのは法務部長と事業部です。 一覧があれば、「当社の決定」の根拠を、決める立場の人の発言に限れます。

期日一覧には、期限の種類の列を入れてもらいます。 裁判所の期日、法定の期間、相手方との合意、事務所への回答、の4つです。事務所の一覧に種類があれば、Copilot は種類を発言から推し量る必要がなくなります。

Step3

データの取得方法を決める

会議の Copilot には、会議のチャットの「まとめ」タブから指示を出します。 ここで案件ごとの表を作らせ、その表を Copilot Chat に貼ってから、案件管理表と期日一覧に並べさせます。 公式のページでは、会議の Copilot は文字起こしの発言に加えて、会議の前24時間までのチャットも使うとされています。

取るものどこからどう渡すか
案件ごとの表と宿題の表会議の Copilot の回答打合せの記録のフォルダに保存し、Copilot Chat に貼る
案件管理表SharePoint リストCopilot Chat の入力欄で「/」を入力して選ぶ
事務所の期日一覧事務所のフォルダ「/」で選ぶ
出席者と役割の一覧打合せの記録のフォルダ会議のチャットに貼っておく

公式のページでは、Copilot Chat で SharePoint のリストは一度に2万件までの項目を扱え、添付の列と参照の列は参照できないとされています。案件管理表で事業部や事務所の担当を「参照」の列にしている場合は、名前を文字の列として持たせます。 現在の方針の列も、文字の列にします。

出席者と役割の一覧を会議のチャットに貼るのは、 会議の前24時間までのチャットが Copilot の材料になるからです。打合せの前日に貼っておけば、指示のたびに一覧を渡し直す必要がありません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 議題に案件番号を入れる … 期日一覧の案件を、案件管理表の番号つきで会議のチャットに先に書きます
  2. 現在の方針の列を1文にする … 何をして何をしないかが分かる形に、扱う案件の分だけ直します
  3. 出席者と役割の一覧を貼る … 打合せの前日に会議のチャットへ
  4. 案件に移るたびに番号を言う … 進行役が「次は L-0217、販売代理店との紛争です」と言います
  5. 案件の終わりに結論を言い直す … 進行役が「L-0217 は、当社としては和解の可能性を探ることを部長に上げます。決定は来週」のように、当社の決定と未決を分けて言い直します
  6. 期限を種類つきで言う … 「裁判所の次の期日は」「事務所への回答は」と、種類の言葉を付けて言います

5番目を軽く見ないでください。 弁護士の見解のあとに、法務部の出席者が当社の立場を言い直すだけで、Copilot が「当社の決定」の根拠にできる発言が、案件ごとに1つ生まれます。 言い直しが無いと、弁護士の「〜すべきです」がそのまま当社の方針として読まれます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、発言を案件ごとに分けること、方針を弁護士の見解と当社の決定に分けること、前の月の方針と並べること、期限を種類ごとに期日一覧の値で並べることです。

させること中身判断できないときの扱い
案件の特定発言がどの案件の話か。チャットの案件番号と進行役の発言で決める決められなければ「案件不明」
弁護士の見解事務所の出席者が述べた見立てや勧め発言が無ければ空欄
当社の決定決める立場の人が明示の言葉で決めたこと明示の言葉が無ければ「未決」
前の月の方針との並べ案件管理表の現在の方針と、今月の当社の決定を並べ、変更・継続・未決を付ける前の月の方針が空なら「比べられない」
期限の種類期日一覧の種類の列で付ける一覧に無ければ「種類不明」
期限の日付期日一覧の値を写す。発言の日付と違えば両方を並べる一覧に無ければ「一覧に記載なし」
宿題担当(法務部・事務所・事業部)、内容、期限の発言期限が言われていなければ「期限の発言なし」

「前の月の方針との並べ」が、この構成でいちばん大事なところです。 「変更」を付けてよいのは、今月の当社の決定が、現在の方針と違うことをしている(またはしないと言っている)ときだけです。弁護士の見解が現在の方針と違うだけなら、「継続」のまま、見解の列に変化の芽として残ります。 法務部長が見るべきなのは両方ですが、意味が違うので列を分けます。

させないこと理由
期限の日付を計算すること起算の日と期間の数え方は弁護士が確かめる。計算の誤りが取り返しのつかない漏れになる
弁護士の見解を当社の決定とすること決めるのは法務部長と事業部
勝ち目や和解の金額を見積もること法的な判断で、事務所の見解として聞くもの
法令や判例を補って説明すること打合せで言われていない根拠が、記録に混ざる
案件管理表を書き換えること方針の列は法務部長の確認のあとに人が書く
出席者の説明の仕方や態度を書くこと打合せの記録は案件の記録

1行目が、いちばん起きやすい失敗です。 打合せでは「判決が届いたら2週間です」のように期間が口にされます。民事訴訟法第285条は、控訴を判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならないと定めています。期間の長さは発言から分かっても、いつ送達を受けたかは発言からは分かりません。 Copilot に日付を出させると、打合せの日から数えた、もっともらしい日が入ります。期限の列には、期日一覧の値だけを写させます。

Step6

指示内容を固定する

会議の Copilot への指示(「まとめ」タブで出す):

この会議は、当社の法務部と顧問の法律事務所の月次の打合せです。
会議のチャットにある出席者と役割の一覧を使い、次の2つの表を作ってください。

【表1 案件ごと】
案件番号/弁護士の見解(話者・時刻)/当社の決定(話者・時刻)/
未決の事項/期限の発言(種類の言葉があればそのまま)/根拠の発言

【表2 宿題】
担当(法務部・事務所・事業部)/案件番号/内容/期限の発言/根拠の発言(話者・時刻)

【厳守事項】
- 案件番号は、会議のチャットの番号と進行役の発言で決めてください。
  決められない発言は「案件不明」としてください。
- 事務所の出席者の発言は、当社の決定にしないでください。「弁護士の見解」に写してください。
- 当社の決定には、役割の一覧で決める立場の人が「〜します」「〜で進めます」と
  明示した事項だけを書いてください。それ以外は「未決の事項」にしてください。
- 期限の日付を計算しないでください。話された言葉をそのまま写してください。
- 打合せで言われていない法令・判例・見通しを補わないでください。
- 根拠の発言は、文字起こしの文をそのまま写してください。要約しないでください。
- 出席者の説明の仕方や態度を書かないでください。

Copilot Chat への指示(表を貼ってから出す):

次の表と、/案件管理表 /事務所の期日一覧(今月分) を参照してください。

1. 表1の各案件に、案件管理表の「現在の方針」を並べてください。
   今月の「当社の決定」が現在の方針と違うことをする(またはしない)場合だけ「変更」、
   同じなら「継続」、当社の決定が無ければ「未決」を付けてください。
   弁護士の見解だけが現在の方針と違う案件は「継続」とし、「見解に変化あり」と書いてください。
2. 各案件の期限を、期日一覧の種類と日付の値で並べてください。
   表1の期限の発言の日付が期日一覧と違うときは、両方を並べ「食い違い」としてください。
   期日一覧に無い期限は「一覧に記載なし」、種類が分からなければ「種類不明」としてください。
   日付を計算しないでください。
3. 「変更」「見解に変化あり」の案件を、法務部長への報告の下書きにまとめてください。
4. 事業部が担当の宿題を、事業部ごとに依頼の下書きにまとめてください。

「弁護士の見解だけが違う案件は継続」と書くのは、 何も言わなければ Copilot が見解の変化を方針の変更として扱うからです。方針の変更は法務部長の判断の結果で、見解の変化はその判断の材料です。 両方を「変更」にすると、法務部長がまだ決めていないことを決めたことになります。

2番で食い違いを並べるのは、 打合せの「10日」が期日一覧の「12日」と違うことがあるからです。どちらが正しいかは、Copilot ではなく事務所に確かめます。

Step7

出力形式を固定する

前の月の方針と並べた一覧は、次の列で受け取ります。

案件番号 | 現在の方針 | 当社の決定 | 区分 | 弁護士の見解 | 根拠の時刻
L-0217 | 相手方の減額の提案に応じず、支払条件の変更まで交渉 | 和解の可能性を探ることを部長に上げる | 未決 | 和解も視野に入れるべき | 00:18「当社としては部長に上げます。決定は来週」
L-0221 | 契約の解除は求めず、納期の遅れの損害を請求 | 損害の請求額を見直す | 変更 | 請求額は資料で裏付けを | 00:35「請求額は物流の資料で出し直します」
L-0230 | 就業規則の改定案を事務所が確認 | - | 継続 | 改定案は問題なし | 01:02「前回のとおりで」

期限は、種類ごとの一覧で受け取ります。

【期限の一覧】
L-0217 | 裁判所の期日 | 2026/11/26 | 期日一覧の値
L-0221 | 相手方への回答 | 2026/11/12 | 食い違い(打合せでは「10日」)
L-0230 | 種類不明 | 一覧に記載なし | 00:58「月末までにお願いします」
【法務部長への報告】
L-0217:和解の可能性を探るかの判断(弁護士の見解あり)
L-0221:損害の請求額の見直し(事業部の物流の資料が要る)

1つ目の理由は、方針の変化が「前回どおり」から切り離されることです。 L-0217 は当社の決定がまだ無いので「未決」ですが、弁護士の見解と並んで法務部長への報告に載ります。 第3章の(b)の「変化が埋もれる」が、ここで止まります。

2つ目は、期限が種類つきで並ぶことです。 L-0230 の「月末まで」は誰に何を出す期限か分からないので、「種類不明」として担当者が事務所に確かめます。 第3章の(d)を、この表で防ぎます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams の会議法務部が予定を立てて主催し、文字起こしを始める文字起こしと会議の Copilot
案件管理表(SharePoint リスト)Copilot Chat から「/」で参照現在の方針と期限の読み取り
事務所の期日一覧(SharePoint)Copilot Chat から「/」で参照期限の種類と日付
法務部長担当者がメールか Teams で報告方針の変わった案件
事業部担当者がメールで依頼確認や資料の依頼

案件管理表の現在の方針の列は、法務部長が確かめてから担当者が書き換えます。 「未決」の案件は、法務部長が決めるまで書き換えません。期限の列は、期日一覧の値か、事務所に確かめた値だけを書きます。

事業部への依頼には、弁護士の見解をそのまま貼りません。 依頼に要るのは、何をいつまでに出してほしいかです。見解は法務部の中の記録に置き、事業部に伝える範囲は担当者が決めます。

Step9

人が確認する

  1. 「変更」の行を確かめる … 当社の決定の根拠が、決める立場の人の明示の言葉かを見ます。弁護士の発言が根拠になっていれば「未決」に戻します
  2. 「見解に変化あり」の行を確かめる … 法務部長への報告に載っているかを見ます
  3. 「種類不明」「食い違い」の期限を事務所に確かめる … その日のうちにメールで問い合わせます
  4. 「案件不明」の発言を振り分ける … 録画のその時刻を開きます
  5. 法務部長が報告を確かめる … 方針を決め、担当者が案件管理表を書き換えます

1番目と3番目を省かないでください。 1番目を省くと、事業部が同意していない方針が案件管理表に載ります。3番目を省くと、種類を取り違えた期限が残ります。

目標は、1件あたり80分です。 内訳は第10章に示します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしを始め忘れた会議の Copilot は打合せのあとに使えない。これまでどおりメモと録画で書く
事務所の側が会議を主催したCopilot が動かない。次回から法務部の主催に切り替え、今回は録画とメモで書く
その場で始めた会議だったまとめの内容が使えない。次回から予定を立てた会議にする
相手方の担当者が加わる三者の打合せになった当社と事務所だけの打合せと分け、その回は Copilot の表を作るかを法務部長が決める
決める立場の人が途中で抜けた抜けた後の案件は、すべて「未決」として法務部長に確かめる
期日一覧に無い案件が話された「一覧に記載なし」の行を事務所に問い合わせ、一覧に加えてもらう
書き出しが止められていて表を移せない会議のオプションと秘密度ラベルを確かめ、法務部が書き出せる設定にする
Copilot が使えない(障害・ライセンス)これまでどおり録画とメモで書く

4行目は、この構成の前提が崩れる行です。 事務所との打合せは、当社の代理人との相談です。相手方が加わる場では、当社の方針を話さない進め方に変わります。 そうした回の記録をこの構成で同じように扱うかは、法務部長が決めます。

7行目は、設定の問題です。 公式のページでは、会議のチャット・字幕・文字起こしのコピーと転送をオフにする設定や、書き出しを禁じる秘密度ラベルがあると、Copilot の回答を Word や Excel に書き出せないとされています。

Step11

記録を残す

  • 会議の Copilot の表と、Copilot Chat の一覧(打合せの記録のフォルダ)
  • 法務部長に報告した日時と、法務部長が決めた方針
  • 案件管理表の現在の方針の列を書き換えた日時と、書き換える前の方針
  • 事務所に問い合わせた期限と、回答の内容と日時
  • 担当者が直した行と、直す前の区分

3つ目が、方針の経緯の記録になります。 後から「この案件はいつ和解に切り替えたか」を確かめるとき、書き換える前の方針と日時が残っていれば、どの月の打合せで動いたかまでさかのぼれます。 担当者が替わったときの引き継ぎも、この記録から始められます。

打合せの記録のフォルダは、法務部だけが開ける場所に置きます。 弁護士の見解を含む記録です。

04実装レベルの3段階

最小構成:1つの分野の打合せで文字起こしし、会議の Copilot で2つの表を作る / 案件ごとの見解と決定の表
半自動化:上記+3つの分野の打合せで使い、Copilot Chat で前の月の方針と期日一覧に並べる / 方針の変化と、期限の種類ごとの一覧
本格構成:上記+法務部長が確かめた期限を、ワークフローで担当者の予定表に登録し、期限の前に知らせる / 期限の知らせ

最小構成では、前の月の方針との並べはまだ手で行います。 確かめたいのは、見解と決定の区別です。 半自動化で、1件200分が80分程度になります。 録画の見返しが無くなり、前の月の方針との見比べと期限の一覧が Copilot の下書きから始まります。この段階が本記事の想定です。 本格構成は、現在の方針の列と期日一覧の種類の列がそろってから進みます。 確かめた期限だけをワークフロー(Power Automate など)で予定表に登録すると、期限の見落としがさらに減ります。方針の列の書き換えは、本格構成でも人が行います。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
3 件
1件あたり現在時間
200 分
1件あたり導入後時間
80 分
現在  3件 × 200分 ÷ 60 = 10 時間/月
導入後 3件 × 80分 ÷ 60 = 4 時間/月
月間削減時間
6h
削減率
60%
年間削減時間
72h
年間金額換算(時間単価5,000円)
36万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 訴訟・紛争、契約の交渉、労務の相談などの案件を顧問の法律事務所に継続して依頼しており、分野ごとに月1回の打合せを Teams で開いている企業の法務部。打合せのあとに録画を見返して案件ごとの方針を書き出し、案件管理表の前の月の方針と見比べる作業に時間がかかっている場合。方針が変わったことが法務部長や事業部に伝わるのが遅れたり、期限の種類を取り違えたりしたことがある場合。法務部に Microsoft Copilot のライセンスがすでにある場合。
向いていない
  1. 事務所に依頼している案件が数件で、打合せのあとにメールで確かめれば足りる場合。打合せを事務所の側が主催しており、法務部の主催に切り替えられない場合。事務所との間で、打合せの文字起こしを使うことの了承が得られない場合。なお、法的な判断、方針の決定、期限の管理そのものは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 次の紛争の回の打合せを、法務部が主催する Teams 会議で開き、文字起こしする
  2. 進行役に、案件ごとに番号を言い、案件の終わりに当社の決定と未決を言い直してもらう
  3. 会議の Copilot に第7章の指示を出し、2つの表を作らせる
  4. これまでどおり手で作った案件ごとのメモと、表を並べる
  5. 弁護士の見解と当社の決定の区別が、手のメモと合っているかを見る

2回は必ずやってください。 ここで確かめるのは、弁護士の「〜すべきです」が当社の決定として扱われていないか、日付が計算されていないかです。

出てきた内容判断
区別が手のメモとほぼ同じだったCopilot Chat で前の月の方針と期日一覧に並べる段階に進む
弁護士の見解が当社の決定になった指示の区別の言葉と、事務所の発言の扱いを足す。構成は有効
当社の決定がほとんど「未決」になった言い直しの運用が先。 AIの問題ではない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
弁護士の見解が当社の決定になる事務所の発言を決定にしないと指示し、見解は別の列に写させる
見解の変化が方針の変更として扱われる変更は当社の決定が違うときだけと指示し、見解の変化は別の印にする
期限の日付を Copilot が計算する期日一覧の値を写すだけと指示し、食い違いは両方を並べさせる
期限の種類が分からない期日一覧に種類の列を入れてもらい、発言でも種類の言葉を付ける
現在の方針が短すぎて変化が見えない何をして何をしないかの1文に直す
どの案件の話か分からない進行役が番号を言い、チャットに書く
定例の系列で前回の履歴が消える分野ごと・月ごとに別の会議として立て、表はその日のうちに保存する
事務所の主催で Copilot が動かない法務部が招待を出す決まりにする

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、打合せで決まっていないことが、決まったこととして記録に入る失敗で、根拠の発言と並べた値で見つけます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 紛争の相手方の名前と争点、弁護士の見解、和解や解除などの当社の方針、従業員の人事の案件です。相手方に知られると交渉の立場が崩れる情報で、労務の回には従業員の個人の情報が含まれます。

  1. フォルダと案件管理表の権限を絞る … Copilot は利用者が閲覧の権限を持つデータだけを示すとされています。法務部以外が開けないようにします
  2. 事務所の了承を得てから文字起こしする … 文字起こしが始まると全員に通知が出ますが、通知は了承の代わりになりません
  3. Web 検索を止める … 公式のページでは、Web 検索を使うと、Copilot が利用者の指示から検索の語を作り、Bing の検索に送るとされています。紛争の相手方の名前が検索の語に入らないよう、法務部の利用では管理者が Web 検索を止める前提にします
  4. 学習への利用と処理の地域について … 公式のページでは、指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータは基盤モデルの学習に使われないとされ、EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうるとされています。社内の規程に決まりがあるかを確かめます
  5. やり取りの保存 … Copilot とのやり取りは利用履歴として保存され、管理者は Microsoft Purview で保持の方針を決められるとされています。打合せの記録の保存の期間と合わせて決めます
  6. 労務の回の記録を、従業員の評価に使わない … 公式のページは、職場のやり取りから社員の業績・態度・人柄を推し量る用途を制限しているとしています。人事の案件の記録は、案件の対応のためだけに使います

誤りが起きた場合のリスクは、決まっていない方針を決まったこととして記録することと、期限の種類を取り違えることの2つです。 前者は根拠の発言で確かめる工程で止め、後者は期日一覧の値と種類だけを写させることで防ぎます。後者のほうが重く、法律で決まった期間は多くが延ばせません。

10まず何から始めるか

1週目:案件管理表を整える

扱う案件の現在の方針の列を、何をして何をしないかの1文に直します。出席者と役割の一覧を作り、案件番号を言い、案件の終わりに当社の決定と未決を言い直す進め方を決めます。

2週目:事務所に頼む

顧問の法律事務所に、法務部が主催すること、文字起こしを使うこと、期日一覧に種類の列を入れてもらうことを伝え、了承を得ます。 管理者に、法務部の Web 検索の扱いを確かめます。

3週目:紛争の回で試す

次の紛争の回を文字起こしし、会議の Copilot で2つの表を作ります。手のメモと並べ、弁護士の見解が当社の決定になっていないか、日付が計算されていないかを最優先で見ます。

4週目:前の月の方針に並べる

Copilot Chat で前の月の方針と期日一覧に並べ、法務部長への報告をその日のうちに届ける流れを試します。

2か月目: 取引と労務の回でも使い、事業部への依頼を下書きから送る運用を始めます。3か月目以降: 1件200分が何分になったかを実測し、期限を予定表に登録するワークフローを検討します。「変更」の直しがほとんど出なくなり、種類不明の期限が打合せの当日に事務所へ確かめられるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
会議のあとに Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしが必要なこと。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定期的な会議で後の回が文字起こしされると前の回の履歴が使えなくなること。会議の前24時間までのチャットを文字起こしと一緒に使うこと。コピーと転送をオフにする設定や書き出しを禁じる秘密度ラベルで回答を Word や Excel に書き出せないことMicrosoft Support: Use Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-29
文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されること。別の組織の参加者は会議中に文字起こしを見られるが、会議のあとに見ることもダウンロードすることもできないことMicrosoft Support: View live transcription in Microsoft Teams meetings2026-10-29
招かれていない人や組織の外の人はまとめを開けないこと。その場で始めた会議ではまとめの通知・ノート・内容が今のところ使えないことMicrosoft Support: Meeting recap in Microsoft Teams2026-10-29
Copilot Chat で SharePoint のリストを一度に2万件まで参照でき、添付の列と参照の列は参照できないことMicrosoft Support: Refer to specific files and more in Microsoft 365 Copilot2026-10-29
利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すこと。指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータが基盤モデルの学習に使われないこと。Web 検索で指示から検索の語を作り Bing に送ること。管理者が Microsoft Purview で保持の方針を決められること。EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうること。職場のやり取りから社員の業績・態度・人柄を推し量る用途を制限していることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-29
第285条(控訴期間)で、控訴は判決書(電子判決書)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならないことe-Gov 法令API: 民事訴訟法2026-10-29

法的な判断と期限の管理は、顧問の法律事務所の助言と法務部の規程に基づいて行ってください。 本記事は、上記の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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