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遺品整理の会社が依頼者から届く見積の依頼(間取り・物の量・写真・希望日)を Make で受け、下見の要否と見積の幅を整理する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

遺品整理の会社に届く見積の依頼を Make で受け、依頼の文と部屋の写真から物の量の区分と下見が要る事情を分類します。区分から料金の表で見積の幅を出し、下見の日程の候補か概算の案内を下書きします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/不動産/介護
対象部門
カスタマーサポート/営業
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/属人化している
AIで行う処理
分類
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
73%
年間削減
528h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 見積の担当が、フォームの通知メールと代表アドレスのメールを開き、依頼を読む
  2. 添付された写真を1枚ずつ開き、物の量と、仏壇・大型の家具・家電の有無を見る
  3. 写真に写っていない部屋や、押し入れの中が分からないところを書き出す
  4. 下見に行くか、写真で概算を答えるかを決める。迷えば営業の責任者に聞く
  5. 概算を答えるときは、料金の表で幅を出す。下見に行くときは、下見の予定表で空いた日を探す
  6. 返事を書いて送り、受付台帳に書き込む
導入後(After)
  1. 自動見積のフォームの送信(Webhook)と、代表アドレスへの依頼のメールをきっかけに、Make のシナリオが動く
  2. 自動受付台帳を引き、同じ依頼をすでに扱っていれば止める
  3. 自動添付の写真を取り込み、形式と大きさを確かめる
  4. 自動Claude API が、依頼の文と写真から、物の量の区分と下見が要る事情を、決めた一覧のどれに当たるかで分類する
  5. 自動ワークフローが、間取りと物の量の区分と建物の加算から、料金の表で見積の幅を出す
  6. 自動下見が要る事情の有無と退去の期限から、概算の案内・下見の案内・責任者がすぐ見るのどれにするかを規則で決める
  7. 自動受付台帳に行を書き、概算の案内か、下見の予定表の空いた日を3つ添えた下見の案内を下書きする
  8. 人見積の担当が写真と分類を見比べ、下書きを直して送る
  9. 人下見の日が決まったら、担当が下見の予定表に書き込む
各工程の詳しい説明を読む
  1. 見積の担当が、フォームの通知メールと代表アドレスのメールを開き、依頼を読む
  2. 添付された写真を1枚ずつ開き、物の量と、仏壇・大型の家具・家電の有無を見る
  3. 写真に写っていない部屋や、押し入れの中が分からないところを書き出す
  4. 下見に行くか、写真で概算を答えるかを決める。迷えば営業の責任者に聞く
  5. 概算を答えるときは、料金の表で幅を出す。下見に行くときは、下見の予定表で空いた日を探す
  6. 返事を書いて送り、受付台帳に書き込む

(a)写真を見て決めるまでに時間がかかる。 1件に写真が10枚あると、開いて見て、写っていない部屋を考えるだけで数分かかります。 写真の向きがばらばらで、どの部屋の写真かが分からないことも多くあります。

(b)見積の幅の答え方が担当によって違う。 同じ写真を見ても、「ふつう」と見る担当と「多い」と見る担当がいます。同じ依頼者が電話で聞き直すと、違う幅を答えてしまうことがあります。

(c)下見が要る事情を見落とす。 写真の端に写った仏壇や、ベランダの物置を見落として概算を答えると、作業の当日に金額が上がり、依頼者に説明することになります。 遺族にとっては、気持ちの整理のつかない時期の行き違いです。

(d)期限の迫った依頼の返事が遅れる。 退去の期限が今月末の依頼も、来年でよい生前整理の相談も、届いた順に読んでいます。 期限の迫った依頼から返す決まりが無いのが実情です。

  1. 【自動】 見積のフォームの送信(Webhook)と、代表アドレスへの依頼のメールをきっかけに、Make のシナリオが動く
  2. 【自動】 受付台帳を引き、同じ依頼をすでに扱っていれば止める
  3. 【自動】 添付の写真を取り込み、形式と大きさを確かめる
  4. 【自動】 Claude API が、依頼の文と写真から、物の量の区分と下見が要る事情を、決めた一覧のどれに当たるかで分類する
  5. 【自動】 ワークフローが、間取りと物の量の区分と建物の加算から、料金の表で見積の幅を出す
  6. 【自動】 下見が要る事情の有無と退去の期限から、概算の案内・下見の案内・責任者がすぐ見るのどれにするかを規則で決める
  7. 【自動】 受付台帳に行を書き、概算の案内か、下見の予定表の空いた日を3つ添えた下見の案内を下書きする
  8. 【人】 見積の担当が写真と分類を見比べ、下書きを直して送る
  9. 【人】 下見の日が決まったら、担当が下見の予定表に書き込む

4番目と5番目を分けているのが、この設計の分かれ目です。 AIが返すのは区分と事情だけで、金額は料金の表から出ます。 料金を改定しても、直すのは料金の表だけになります。

8番目で写真を人が見るのも、意図してのことです。 物の量の区分はAIの見立てで、写真の撮り方で大きく変わります。 担当が写真を見る時間は短くなりますが、見ること自体は残します。

02今回想定するシステム構成

構成図
見積の依頼(自社サイトのフォーム+写真/代表アドレスへのメール)
   ▼【トリガー】Webhooks:Custom webhook / Gmail:Watch emails
Make のシナリオ
   ├──▶ Google Sheets:Search Rows(受付台帳)
   ├──▶ HTTP:Download a file(フォームの写真)/Gmail:List email attachments and media
   ├──▶ Claude API(HTTP:Make a request):物の量の区分と下見が要る事情の分類
   ├──▶ Google Sheets:Search Rows(料金の表・下見の予定表)
   ├──▶ 見積の幅の計算と振り分け
   ├──▶ Router
   │      ├ 責任者がすぐ見る(特殊清掃の申し出・期限が7日以内・区域の外)
   │      ├ 下見の案内 → Gmail:Create a draft email
   │      ├ 概算の案内 → Gmail:Create a draft email
   │      └ フォールバック → 担当へ
   └──▶ Google Sheets:Add a Row(受付台帳)
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Webhooks、HTTP、Gmail、Google Sheets、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、画像の入力、構造化出力)OpenAI API、Gemini API
保管Google スプレッドシート(受付台帳・料金の表・下見の予定表・下見が要る事情の一覧)Airtable
メールGmail(代表アドレス)Microsoft Outlook

新しく足すのは、シナリオと、下見が要る事情の一覧のシートだけです。 料金の表と下見の予定表はいまのスプレッドシートを使い、料金の表には「物の量の区分」の列を足します。この構成が書き込むのは、受付台帳の行と Gmail の下書きだけです。 返事は送りません。

フォームは Webhooks で受けます。 Make の公式のページでは、Webhook は受けたデータをすぐにシナリオに渡し、即時の Webhook のシナリオは既定で並列に処理されるとされています。見積の依頼は台帳への書き込みが重なっても困らないので、この構成では並列のままにします。

写真は、HTTP のアプリの Download a file で取り込みます。 公式のページでは、Download a file は指定した URL からファイルを取り込み、シナリオの後のモジュールで使えるとされています。フォームの側が写真の URL を Webhook に載せて送る形にします。Claude API の呼び出しは、同じ HTTP のアプリの Make a request で Messages API を呼びます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

自社サイトの見積のフォームの送信と、代表アドレスへの依頼のメールの2つを起点にします。 フォームは送信のたびに Custom webhook の URL へ項目と写真の URL を送ります。メールは Gmail の Watch emails で、「見積の依頼」のラベルを見張ります。ラベルは Gmail のフィルタで、件名か本文に「見積」「遺品」「片付け」が含まれるものに付けます。

フォームの側は即時、メールの側は30分おきにします。 遺品整理の依頼は、数分を争うものではありません。ただ、退去の期限の迫った依頼をその日のうちに拾えることが大事なので、1日1回のまとめ処理にはしません。

処理が終わったメールには、ラベル「見積・処理済」を付け直します。付け直すのは受付台帳に行を書けたときだけです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼間取り、建物の種類と階数、エレベーターの有無、トラックを停められるか、希望の時期、退去などの期限、依頼の文、依頼者の立場(相続人・管理会社など)Webhook/Gmail
写真部屋ごとの写真(フォームでは10枚まで)。どの部屋の写真かの書き込みWebhook の写真の URL/メールの添付
下見が要る事情の一覧事情の番号と中身(仏壇・神棚、ピアノ、金庫、エアコンの取り外し、物置・倉庫、写真に無い部屋、押し入れの中が見えない、など)下見が要る事情の一覧のシート
料金の表間取りと物の量の区分ごとの幅、建物の加算料金の表のシート
下見の予定表日ごとの下見の空き、区域下見の予定表のシート

質を決めるのは、下見が要る事情の一覧です。 一覧はこれまで担当の頭の中にあったもので、作業の当日に金額が変わった依頼をさかのぼると、たいていこの一覧のどれかが見落とされています。 例えば次のような表で持ちます。

番号事情当たったとき
R1仏壇・神棚がある下見(供養の手配の確認)
R2ピアノ・金庫・大型の家具がある下見(運び出しの経路の確認)
R3エアコンの取り外しが要る下見
R4物置・倉庫・庭の物がある下見
R5間取りの部屋のうち写真の無い部屋がある下見か写真の追加
R6押し入れ・収納の中が写っていない写真の追加
R7床が見えないほど物が積まれている下見

フォームでは、写真ごとに「どの部屋か」を選んでもらいます。 選ばれていない写真は、AIに部屋を見立てさせますが、間取りの部屋のうち写真の無い部屋を数えるのは、部屋の選択の値でワークフローが行います。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
フォームの依頼と写真の URL自社サイトのフォームCustom webhook
フォームの写真フォームの保管先HTTP の Download a file
メールの依頼と添付の写真GmailWatch emails/List email attachments and media
事情の一覧・料金の表・下見の予定表各シートSearch Rows
同じ依頼者のこれまでの依頼受付台帳Search Rows(メールアドレス)

写真は、Claude API の画像の入力の条件に合わせて渡します。 公式のページでは、画像は JPEG・PNG・GIF・WebP に対応し、1枚あたり base64 で 10MB まで、縦横 8000 ピクセルまでとされています。1回の要求に20枚を超える画像を入れると、1枚ごとの大きさの上限がより厳しくなるともされているので、1件の依頼の写真はフォームの10枚までに収めます。

写真は、間取りと依頼の文より前に置いて渡します。 公式のページでは、画像を文より前に置くと結果がよいとされています。写真ごとに「写真1:台所(依頼者の選択)」のような短い見出しを付け、AIが返す根拠の中で写真の番号を言えるようにします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 重複の確認 … フォームは送信の時刻とメールアドレス、メールはメッセージの ID で受付台帳を引きます
  2. 写真の形式の確認 … JPEG・PNG・GIF・WebP 以外(スマートフォンの HEIC など)は、AIに渡さず、写真の撮り直しか形式の変更をお願いする下書きに回します
  3. 写真の大きさの確認 … 10MB を超えるものは渡さず、同じく担当へ回します
  4. 写真の枚数の確認 … メールで10枚を超えて届いたものは、部屋の選択の無いものから後ろを担当に回します
  5. 期限の印 … 依頼の文とフォームの期限の欄から、期限の日付をワークフローが拾い、今日から7日以内なら印を付けます
  6. AIに渡す範囲を絞る … 依頼者の名前、電話番号、物件の住所は渡しません。区域を決めるのは住所の市区町村だけで、ワークフローが行います

2番目でそのまま渡さないのは、対応していない形式を変換しようとして失敗するより、依頼者に頼むほうが早いからです。 フォームの案内に「写真は JPEG でお願いします」と書いておくと、ほとんど起きなくなります。

6番目で住所を渡さないのは、写真と住所がそろうと、故人の暮らしがそのまま分かる情報になるからです。 区分の分類には、住所は要りません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、物の量の区分を選ぶことと、下見が要る事情の一覧に1つずつ当たるかを返すことの2つです。

項目させること判断できないときの扱い
物の量の区分few(少ない)/normal(ふつう)/many(多い)/very_many(非常に多い)から選ぶ写真が足りなければ unknown
部屋ごとの見立て写真ごとに部屋の種類と、その写真から見える物の量の区分部屋が分からなければ unknown
下見が要る事情一覧の番号ごとに yes(写真か文で確かめられる)/no(写真で確かめて無い)/unclear(写っていない・判断できない)迷えば unclear
依頼の文の要点期限・希望の時期・残したい物・探してほしい物・買取の希望書かれていなければ空
根拠事情ごとに、根拠にした写真の番号か文-

no と unclear を分けるのが、この構成でいちばん大事な区別です。 仏壇が写っていないのは、仏壇が無いからか、仏間の写真が無いからかで意味がまったく違います。写真で部屋が写っていて、そこに無いと確かめられたときだけ no にさせます。 写っていない部屋の事情は unclear で、下見か写真の追加の対象です。

させないこと理由
金額を出す間取りと区分から料金の表で出す
品物の数を数える写真から正確には数えられない。区分だけにする
下見に行くかを決める事情の結果から規則で決める
写真に写った書類や通帳の文字を読む見積に要らない。読み取らせない
写真に写った人の写真や遺影について述べる見積に要らない
特殊清掃が要るかを写真から見立てる依頼者の申し出があったときに責任者が判断する

最後の行は、とくに守ります。 亡くなってから時間のたった部屋の片付けの依頼もあります。依頼の文にそのことが書かれていれば、AIは special_cleaning_mentioned を true にするだけで、写真から何も見立てさせません。 その依頼は責任者がすぐに読み、電話で話を聞きます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは遺品整理の会社の見積の担当です。下に渡す依頼の文と部屋の写真から、
物の量の区分と、下見が要る事情を分類してください。
金額、品物の数、下見に行くかどうかは答えないでください。

【すること】
1. 写真ごとに、部屋の種類(居間・寝室・台所・和室・収納・ベランダ・
   物置・その他)と、その写真から見える物の量の区分を書く。
2. 全体の物の量の区分を few/normal/many/very_many から選ぶ。
   写真の無い部屋が間取りの半分を超えるときは unknown にする。
3. 下見が要る事情の一覧の番号ごとに、yes/no/unclear を書く。
   - yes:写真か依頼の文で、その事情があると確かめられる
   - no:その事情が起こりうる場所が写真に写っていて、無いと確かめられる
   - unclear:その場所が写っていない、または写真から判断できない
4. 事情ごとに、根拠にした写真の番号か依頼の文を evidence に書く。
5. 依頼の文から、期限、希望の時期、残したい物、探してほしい物、
   買取の希望を写す。

【厳守事項】
- 写っていない場所の事情を no にしない。unclear にする。
- 品物の数を数えない。区分だけを選ぶ。
- 写真に写った書類、通帳、手紙、郵便物の文字を読み取らない。書き写さない。
- 写真に写った人、遺影、写真立ての中の人について何も書かない。
- 部屋の汚れや傷みから、亡くなった状況を推し量らない。
- 依頼の文に、亡くなってから時間がたって見つかった、特殊清掃を
  頼みたい、などの申し出があれば special_cleaning_mentioned を true にし、
  それ以上は何も書かない。
- 確かめたいことは questions に、依頼者への質問の形で書く。

【下見が要る事情の一覧】{reasons}
【間取りと建物の条件】{layout}
【依頼の文】{request}
【写真】(写真1〜写真n。それぞれに依頼者が選んだ部屋の名前を付けて渡す)

「写っていない場所を no にしない」を最初に書くのは、AIが写真の範囲だけで答えを閉じようとするからです。 寝室の写真が無い依頼で、R2(大型の家具)を聞かれると、写っている居間にだけ目を向けて no と答えがちです。no が並んだ依頼は概算に回り、作業の当日に寝室の箪笥が見つかります。

書類の文字を読ませないのは、写真の端に通帳や年金の通知が写っていることが多いからです。 読み取らせなければ、出力にも台帳にも残りません。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON を返させます。

{
  "request_id": "",
  "photos": [
    { "no": 1, "room": "living", "volume": "many" }
  ],
  "volume_overall": "few | normal | many | very_many | unknown",
  "reasons": [
    { "id": "R1", "result": "yes | no | unclear", "evidence": "写真3:和室の奥に仏壇" }
  ],
  "deadline_text": "賃貸の退去が11月30日",
  "keep_items": ["アルバム"],
  "search_items": ["実印"],
  "buyback_wanted": false,
  "special_cleaning_mentioned": false,
  "questions": ["寝室の写真をお送りいただけますか。"]
}

1つ目の理由は、分類と金額・振り分けを別の層に置けることです。 見積の幅は、間取りと volume_overall で料金の表を引き、建物の加算を足してワークフローが出します。振り分けの規則は次のとおりです。

振り分け条件
責任者がすぐ見るspecial_cleaning_mentioned が true、期限が7日以内、区域の外
下見の案内事情のどれかが yes で「当たったとき」が下見、volume_overall が very_many か unknown
写真の追加のお願い事情のどれかが unclear で、写真の追加で確かめられる(R5・R6)
概算の案内上のどれにも当たらない

2つ目は、概算の案内の幅に根拠を添えられることです。 下書きには「1DK・物の量はふつう・エレベーターあり」のように、幅を出した区分をそのまま書きます。 依頼者が「思ったより物が多い」と感じたら、区分のところで話ができます。

3つ目は、選んだ値の照らし方を決めておけることです。 公式のページでは、構造化出力は文字列の enum の大文字・小文字までは保証しないとされています。ルーターで比べる前に、result と volume_overall を小文字にそろえます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
見積のフォームWebhooks の Custom webhook依頼の項目と写真の URL を受ける
フォームの写真HTTP の Download a file写真を取り込む
GmailWatch emails/List email attachments and media/Create a draft emailメールの依頼と写真を受け、下書きを置く
受付台帳・料金の表・下見の予定表・事情の一覧Google Sheets の Search Rows/Add a Row表を読み、台帳に書く
Claude APIHTTP の Make a request(Messages API)物の量の区分と事情の分類

ルーターのルートは、責任者がすぐ見る→下見の案内→写真の追加のお願い→概算の案内→フォールバックの順に並べます。 公式のページでは、ルートは同時ではなく1本ずつ順に処理され、どの条件にも当たらないデータはフォールバックのルートが処理するとされています。特殊清掃の申し出のある依頼が、概算の案内のルートまで流れないように、責任者のルートを先頭に置きます。

下見の案内の下書きには、下見の予定表から空いた日を3つ添えます。 依頼の区域で空いている日を選び、期限が近い依頼は期限より前の日だけを選びます。

概算の案内の下書きには、作業の当日に確定することと、幅が変わりうる理由を書きます。 写真に写っていなかった物、建物の条件、処分に手間のかかる品物です。

Step9

人が確認する

見積の担当が、すべての下書きを確かめてから送ります。

  1. 責任者がすぐ見る依頼を先に見る … 特殊清掃の申し出、期限の迫った依頼、区域の外です。特殊清掃の申し出は、責任者が電話で話を聞きます
  2. 写真と分類を見比べる … volume_overall と事情の yes・unclear が、写真に合っているかを見ます。概算の案内に回ったものは、no の事情の根拠の写真を必ず開きます
  3. 幅と下書きを確かめる … 区分と加算が依頼の条件に合っているかを見ます
  4. 送る … 下書きを送り、受付台帳の送り方を書き換えます

2番目で no の根拠を開くのは、no が概算に回る理由そのものだからです。 yes と unclear は下見で確かめられますが、no の誤りは作業の当日まで分かりません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
写真が HEIC などの対応していない形式AIに渡さず、JPEG で送り直してもらう下書きにする
写真が1枚も無いAIに渡さず、写真のお願いか下見の案内にする
写真が暗い・ぶれているunclear が増える。写真の追加のお願いに回る
依頼者が相続人ではない(近所の人・知人)責任者へ。依頼を受けられる立場かを確かめる
賃貸の管理会社からの依頼退去の立会いの日を聞き、期限の印を付ける
遺品の買取の希望がある買取の担当へ回す。この構成では価格に触れない
stop_reason が refusal か max_tokensJSON を読まずに担当へ
Claude API が応答しない受付台帳に「未処理」と書き、次の実行で拾い直す

上の3行が大半を占めます。 どれもAIの誤りではなく、写真の撮り方と送り方の問題です。 フォームの案内に「部屋ごとに、入口から1枚、反対側から1枚」「押し入れは開けて1枚」と書くと、unclear がはっきり減ります。

Step11

記録を残す

  • 依頼の元の項目とメールの本文、写真のファイルの保管先
  • AIに渡した事情の一覧の版と、返ってきた JSON の全文と stop_reason
  • ワークフローが出した見積の幅と、そのときの料金の表の版
  • 送った下書きの本文と、担当が直した箇所
  • 下見の結果と作業の当日の確定の金額(後から受付台帳に書き足す)

最後の行が、この構成を育てる材料です。 概算の幅と確定の金額の差が大きかった依頼をさかのぼると、見落とされた事情か、区分の見立てのずれが分かります。 事情の一覧に新しい行を足すのは、たいていこの振り返りからです。

04実装レベルの3段階

最小構成:事情の一覧と写真を手で Claude の画面に貼り、区分と事情を書かせる / 1件ごとの分類
半自動化:上記+Make で依頼と写真を受け、区分と事情を分類し、幅を出して下書きを置く / 受付・分類・幅・振り分け・下書き
本格構成:上記+依頼者が下見の日を画面で選べるようにし、下見の予定表に仮で入る / 下見の日程の調整まで

最小構成では件数がさばけません。 写真を1件ずつ貼るのは続きません。写っていない場所の扱いを確かめるための段階です。 半自動化で、1件15分が4分になり、この段階が本記事の想定です。 依頼の読み取り、写真の分類、幅、振り分け、台帳の記入、下書きが自動になり、人に残るのは、写真と分類を見比べることと、下書きを確かめて送ることです。 本格構成は、半自動化で概算と確定の差を3か月見てからにします。 差の大きい区分が残ったまま日程の調整まで自動にすると、下見に行くべき依頼が概算のまま進みます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  240件 × 15分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 240件 × 4分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
44h
削減率
73%
年間削減時間
528h
年間金額換算(時間単価2,400円)
127万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 遺品整理・生前整理・空き家の片付けを請け負い、Web のフォームやメールで写真付きの見積の依頼が月に百件以上届く会社。見積の担当が少なく、依頼を読んで写真を見て、下見に行くか概算で答えるかを決めるまでに時間がかかっている場合。間取りと物の量の区分で見積の幅を表にしている、またはこれから表にできる場合。賃貸の退去の期限が迫った依頼が多い場合。
向いていない
  1. 依頼のほとんどが電話で、写真が届かない会社。見積をすべて下見で決めていて、概算を答えない方針の会社。依頼が月に数十件で、担当が1件ずつ電話で聞き取れている場合。なお、見積の金額の確定、特殊清掃の要否の判断、遺品の買取の価格、廃棄物の処理の手配は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の依頼から30件を選ぶ(下見に行った依頼と概算で答えた依頼、作業の当日に金額が変わった依頼を混ぜる)
  2. 30件について、当時の担当がどの区分と見て、どの事情で下見に行ったかを書き出す
  3. 事情の一覧と第7章の指示を、手元の Claude の画面に貼る
  4. 30件の写真と依頼の文を1件ずつ貼り、区分と事情を書かせる
  5. 当時の判断と突き合わせ、写っていない部屋の事情を no にしていないかを1件ずつ確かめる

30件は必ずやってください。 シナリオを組む前に、写っていない場所を写っていないと返せるかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の下見の判断と同じ事情が yes か unclear になったシナリオの組み立てに進む
写っていない部屋の事情を no にした禁止の書き方を指示に足す。構成は有効
物の量の区分が担当の見立てと大きく違う区分の決め方が先。 区分ごとの見本の写真を担当でそろえる

3行目が出たら、区分の見本を先に作ってください。 担当2名で「これがふつう」「これが多い」という写真を3枚ずつ選ぶと、AIだけでなく担当どうしの見立てのずれも小さくなります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
写っていない部屋の事情が no になるno は写って無いと確かめたときだけ。no の根拠の写真を人が開く
品物の数を数えて幅を細かく出そうとする数えさせない。区分だけを選ばせる
区分の見立てが担当とずれる区分ごとの見本の写真をそろえる
HEIC の写真が渡せない形式を確かめ、JPEG で送り直してもらう
写真の端の通帳や手紙の文字が台帳に残る読み取りを禁じ、出力の欄を作らない
特殊清掃の依頼が概算の案内で返る責任者のルートを先頭に置く
期限の迫った依頼が埋もれる期限の印をワークフローで付け、責任者へ回す
Unclear が返ってルーターから落ちる小文字にそろえてから比べる
写真が多い依頼で利用料が膨らむ長辺を縮めてから渡す
料金を改定したのに古い幅が出る料金の表を1か所にし、版を残す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「写真から分かること」を広く取りすぎることから起き、作業の当日に金額が変わる形で依頼者に届きます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者の名前と連絡先、故人との関係、物件の住所、部屋の写真(家族の写真、書類、郵便物が写り込むことがある)、退去などの事情です。

  1. AIに渡すのは、間取りと依頼の文と写真だけにする … 名前、電話番号、住所は渡しません。区域はワークフローが市区町村から決めます
  2. 写真の文字を読み取らせない … 通帳、年金の通知、手紙は見積に要りません。読み取らせなければ、出力にも台帳にも残りません
  3. 写真に写った人について述べさせない … 遺影や家族の写真は見積に関係しません。公式のページでも、画像の人の名前を挙げる用途には使えないとされています
  4. 特殊清掃の申し出は人が受ける … 依頼者にとって話しにくい事情です。自動の案内で返さず、責任者が電話で話を聞きます
  5. 廃棄物の処理の手配は人が決める … 廃棄物処理法は、一般廃棄物の収集・運搬を業として行う者は、その区域の市町村長の許可を受けなければならないと定めています。どの品物を誰に処理を頼むかは、許可の有無を確かめて担当が手配します
  6. 写真の保存期間を決める … 作業が終わった依頼の写真を、いつまで残すかを決めます

誤りが起きた場合のリスクは、下見が要る依頼を概算で返すことと、依頼者の事情や家族の情報を不用意に扱うことの2つです。 前者は no と unclear の区別と人の見比べで、後者は渡す範囲と読み取りの禁止で防ぎます。どちらもAIの賢さではなく、設計の側で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:下見が要る事情の一覧を作る

見積の担当2名と営業の責任者で、作業の当日に金額が変わった依頼をさかのぼり、その理由を一覧にします。 仏壇、大型の家具、エアコン、物置、写っていない部屋、などです。あわせて、物の量の区分ごとに見本の写真を3枚ずつ選びます。

2週目:30件で試す

先月の依頼から30件を選び、手元の Claude の画面に事情の一覧と一緒に貼ります。写っていない部屋の事情を no にしていないかを最優先で見ます。

3週目:フォームと表を整える

見積のフォームに、写真ごとの部屋の選択と、期限の欄を足します。写真の撮り方の案内(部屋ごとに2枚、押し入れは開けて1枚、JPEG で)も書きます。 料金の表に物の量の区分の列を足します。

4週目:受付から下書きまでをつなぐ

Make で Webhook と Gmail の依頼を受け、写真を取り込んで分類し、幅と振り分けを出して下書きを置くところまで作ります。 この時点では概算の案内も下見の案内として扱い、担当の判断と比べます。

2か月目: 概算の案内のルートを使い始め、振り分けごとの件数を毎週数えます。3か月目以降: 1件15分が何分になったかを実測し、概算で答えた依頼の作業の当日の金額が、案内した幅に収まり続けたら、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-27/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
Webhook が受けたデータですぐにシナリオを動かし、即時の Webhook のシナリオが既定で並列に処理されることMake: Webhooks2026-10-27
HTTP のアプリに Make a request と Download a file があり、Download a file が URL からファイルを取り込んで後のモジュールで使えることMake: HTTP2026-10-27
Gmail のアプリに Watch emails・List email attachments and media・Create a draft email があることMake: Gmail modules2026-10-27
Google Sheets のアプリに Search Rows・Add a Row があることMake: Google Sheets modules2026-10-27
ルーターのルートが1本ずつ順に処理され、フォールバックのルートがどの条件にも当たらないデータを処理することMake: Router2026-10-27
画像が JPEG・PNG・GIF・WebP に対応し、1枚あたり base64 で 10MB・8000×8000 ピクセルまでであること。20枚を超えると1枚ごとの大きさの上限が厳しくなること。画像を文より前に置くとよいこと。物の数はおおよそしか数えられないこと。画像の人の名前を挙げる用途に使えないこと。28×28ピクセルの区画で数えられることClaude: Vision2026-10-27
構造化出力の stop_reason が refusal・max_tokens のときに出力がスキーマに合わないことがあること。文字列の enum の大文字・小文字が保証されないことClaude: Structured outputs2026-10-27
一般廃棄物の収集・運搬を業として行う者は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないこと(第7条)e-Gov 法令API: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律2026-10-27

見積の金額の確定と処理の手配は、担当が行ってください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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