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採用担当と現場の責任者との求人要件のすり合わせ会議(Teams)の記録から、必須・歓迎の要件と選考の進め方をまとめる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

募集を始める前に、採用担当と現場の責任者が Teams で行う求人要件のすり合わせ会議の記録から、必須・歓迎の要件と選考の進め方を書き出します。採用担当はそれを求人要件書にまとめ、責任者の確認に回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/人材/製造/金融
対象部門
人事/採用
対象業務
書類作成/記録・議事録作成
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
要約
主な効果
品質標準化/属人化解消/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用担当が会議を主催し、話を聞きながらメモを取る
  2. 会議の後、メモを見返しながら求人要件書の様式を埋める
  3. 必須か歓迎かがはっきりしない要件は、メモの言い回しから判断するか、責任者にチャットで聞き直す
  4. 選考の段階と面接官、日程の目安をまとめる
  5. 求人要件書を責任者に送り、確認を頼む
  6. 責任者から直しが来たら書き直し、確定したら求人票の作成と採用管理の仕組みの登録に進む
導入後(After)
  1. 人採用担当が会議を主催し、Copilot の設定を「会議中と会議後」にする
  2. 人会議の冒頭で、文字起こしを使うことを伝え、募集の職種名と募集番号を声に出す
  3. 人会議の終わりに、決まっていない事項を読み合わせる
  4. 【AI】 会議の後、採用担当が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示を入れる。Copilot が要件・選考の進め方・決まっていない事項・条件にできない発言の候補を引用付きで書き出す
  5. 人採用担当が、書き出しを文字起こしと照らして確かめ、求人要件書の様式に写す
  6. 人条件にできない発言の候補があれば、採用担当が責任者と話し直す
  7. 人求人要件書を責任者に送り、確認を受けて確定する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用担当が会議を主催し、話を聞きながらメモを取る
  2. 会議の後、メモを見返しながら求人要件書の様式を埋める
  3. 必須か歓迎かがはっきりしない要件は、メモの言い回しから判断するか、責任者にチャットで聞き直す
  4. 選考の段階と面接官、日程の目安をまとめる
  5. 求人要件書を責任者に送り、確認を頼む
  6. 責任者から直しが来たら書き直し、確定したら求人票の作成と採用管理の仕組みの登録に進む

(a)会議の後に書くのに時間がかかる。 1時間の会議の内容を、メモと記憶から様式に起こします。採用担当は1日に複数の会議や面接を抱えており、書くのが翌日以降になると、責任者の言い回しを思い出せません。 書くのが遅れると、責任者の側でも会議の内容を忘れ、確認の依頼に返事が来るまでにさらに日がかかります。

(b)必須と歓迎の区別があいまいになる。 責任者は話しながら考えを固めていくので、最初に「必須」と言った経験を、後で「なくてもいい」と言い直すことがあります。メモの上では両方が残り、どちらを採るかを採用担当が判断します。その判断が責任者の考えとずれると、書類選考で「この人はなぜ通らないのか」という食い違いが起きます。

(c)決まっていないことが抜ける。 年収の幅は「人事と相談」、2次面接の面接官は「後で決める」のように、会議の中で決まらないことがあります。メモに残らないと、求人票を出す直前まで誰も決めないままになります。

(d)募集の条件にできない言葉が、要件に紛れ込む。 「若い人が合う」「体力がある人」のような言葉が、要件書の「求める人物像」に書かれてしまうことがあります。採用担当が気づいて直せるかは、その人の経験次第です。

  1. 【人】 採用担当が会議を主催し、Copilot の設定を「会議中と会議後」にする
  2. 【人】 会議の冒頭で、文字起こしを使うことを伝え、募集の職種名と募集番号を声に出す
  3. 【人】 会議の終わりに、決まっていない事項を読み合わせる
  4. 【AI】 会議の後、採用担当が会議のチャットから Copilot を開き、決まった指示を入れる。Copilot が要件・選考の進め方・決まっていない事項・条件にできない発言の候補を引用付きで書き出す
  5. 【人】 採用担当が、書き出しを文字起こしと照らして確かめ、求人要件書の様式に写す
  6. 【人】 条件にできない発言の候補があれば、採用担当が責任者と話し直す
  7. 【人】 求人要件書を責任者に送り、確認を受けて確定する

5番目が、この設計の分かれ目です。 Copilot の書き出しは、責任者の言葉の引用と時刻が付いた材料です。採用担当は、引用を文字起こしで確かめ、区分の付け方が責任者の言葉どおりかを見ます。 ここを省くと、Copilot の読み違いが求人要件書の確定した内容になります。

3番目の読み合わせは、決まっていない事項を記録に残すためのものです。 「年収の幅は来週までに人事部と決める」と声に出して確かめれば、その言葉が文字起こしに残り、Copilot が書き出せます。

6番目の話し直しは、要件書を送る前に行います。 条件にできない発言を含んだまま要件書を送ると、責任者はその言葉が要件として認められたと受け取ります。話し直しを済ませてから、置き換えた要件を書いた要件書を送ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
求人要件のすり合わせ会議(採用担当が主催。Copilot は「会議中と会議後」)
   │  冒頭:文字起こしの了承、職種名と募集番号
   │  終わり:決まっていない事項の読み合わせ
   ▼【トリガー】会議の終了(文字起こしの保存)
会議のチャット ─ Copilot を開く(その会議の文字起こしとチャットを見る)
   │  決まった指示文で書き出す
   │   ・仕事の内容      ・必須の要件(引用付き)  ・歓迎の要件(引用付き)
   │   ・区分の発言なし  ・選考の段階と面接官      ・決まっていない事項
   │   ・募集の条件にできない発言の候補(時刻の範囲だけ)
   ▼  長い書き出しは Word で開いて保存
【採用担当が文字起こしと照らして確かめ、求人要件書に写す】
   ▼
責任者の確認 → 確定 → 求人票の作成・採用管理の仕組みへ登録
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
保管SharePoint(求人要件書のフォルダ)OneDrive

新しく足すのは、採用担当5名の Copilot のライセンスと、指示文の決まりだけです。 管理者向けのページでは、前提として利用する人ごとに追加の Microsoft Copilot ライセンスが挙げられています。ライセンスを持つ参加者は、自分にだけ見える問いかけができるとされ、現場の責任者にライセンスは要りません。

会議の Copilot は、話し合いの要点を要約し、誰が何を言ったかを示し、会議中と会議の後に質問に答えるとされています。 会議の後は、会議のチャットか「まとめ」(Recap)のタブから使え、回答には使った情報源が示されます。 求人要件書の根拠を、文字起こしの該当箇所までたどれるのはこのためです。

会議の後に Copilot に頼むには、文字起こしが要ります。 管理者の Copilot のポリシーの既定は「保存された文字起こしが必須」(EnabledWithTranscript)で、この場合、主催者の会議のオプションは「会議中と会議後」に固定され、変えられないとされています。「会議中のみ」にすると、会議の後は文字起こしされていない音声と Copilot とのやり取りが使えなくなります。

会議は採用担当が主催します。 会議の Copilot は、参加者の組織の外で主催された会議では動かないとされています。社内の責任者とのすり合わせなら困りませんが、人材紹介会社のコンサルタントが求人企業の主催する会議に招かれる形では使えません。

文字起こしの精度は、話し方で変わります。 技術の用語や製品名が多い職種では、責任者に要件を言うときは区切ってはっきり話してもらうよう、会議の冒頭で頼んでおきます。書き出しの引用が文字起こしの誤りをそのまま写していても、時刻があれば採用担当が前後の発言で確かめられます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

会議の終了と文字起こしの保存を起点にします。 書き出しを頼むのは採用担当の操作で、会議の直後、責任者の言い回しを覚えているうちに頼みます。 引用だけでは伝わらない言葉の重さ(本気の必須か、口癖の「絶対」か)を補えるのは、その場にいた本人だけです。

起点の手前に、会議の中での2つの決まりを置きます。 1つ目は冒頭の了承と名乗りです。「要件を正確に残すために文字起こしを使います」と伝え、「募集番号R-2410、バックエンドエンジニアの募集のすり合わせです」と声に出します。書き出しの冒頭に募集番号が入り、求人要件書のフォルダと突き合わせられます。

2つ目は終わりの読み合わせです。決まっていない事項を1つずつ声に出し、誰がいつまでに決めるかを確かめます。 「年収の幅は、来週の水曜までに部長と人事部で決めます」と言えば、その言葉が記録に残ります。

会議は募集ごとに別の会議にします。 1つの会議で2つの職種を続けて話すと、文字起こしの上でどちらの職種の要件か分からなくなります。定期の会議のシリーズにもしません。 定期的な会議では、後の会議で文字起こしをすると前の会議の Copilot の会話の履歴が失われるとされているためです。要件を見直す会議も、新しい単発の会議として招待します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
会議の文字起こし発言者、時刻、発言の文Teams 会議(会議の Copilot が読む)
会議のチャット共有された資料のリンク、書き込まれた条件Teams 会議(会議の Copilot が読む)
指示文書き出しの区分と、決まりごと採用グループで決めて共有する文
求人要件書の様式見出しと書き方の決まりSharePoint の様式(採用担当が写す先)
前回の求人要件書要件を見直す会議のときの、前回の版SharePoint の求人要件書のフォルダ

質を決めるのは、指示文です。 採用担当ごとに思いついた言葉で頼むと、区分の付け方がばらつきます。採用グループで指示文を決め、全員が同じ文で頼みます。

指示文の中心は、区分の言葉の決まりです。 採用グループで次のように決めておきます。

区分この区分に入れる言い方の例入れない言い方の例
必須「必須」「絶対」「ないと難しい」「最低限」「できれば」「あると助かる」
歓迎「できれば」「あれば嬉しい」「歓迎」「プラス」「ないと困る」
区分の発言なし「〜してほしい」「〜な人がいい」―

「〜してほしい」を区分の発言なしにするのが、この表の要です。 責任者にとっては必須のつもりでも、歓迎のつもりでも同じ言い方になるため、どちらかは責任者に決めてもらいます。

前回の求人要件書は、Copilot には渡しません。 要件を見直す会議では、採用担当が前回の版を手元に開き、書き出しと並べて、何が変わったかを自分で見ます。 前回の版を Copilot に見せると、会議で話されなかった要件まで「引き続き必須」として書き出すことがあるためです。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
要件と区分の根拠会議のチャットから開く Copilot必須・歓迎・区分の発言なしの書き出し(引用と時刻付き)
選考の段階と面接官同上選考の進め方の欄
決まっていない事項同上(終わりの読み合わせの部分)持ち帰りの一覧と、決める人と期限
条件にできない発言の候補同上(時刻の範囲だけ)責任者と話し直す材料
書き出しの保存Copilot の回答を Word で開く求人要件書のフォルダに保存

書き出しは、会議のチャットから Copilot を開いて頼みます。 サポートのページでは、1,300字を超える回答は Word で開けるとされています。要件の多い職種の書き出しはこれを超えるので、Word で開いて募集番号のフォルダに保存します。ただし、秘密度ラベルや「コピーと転送を無効にする」の設定がある会議では、Word で開けないとされているので、採用の会議にはこれらを付けない運用にします。

引用は、回答に示される情報源から文字起こしの該当箇所で確かめます。 回答には使った情報源が示されるとされているので、要件1つずつについて、責任者が本当にそう言ったかをたどれます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 会議を募集ごとの単発の会議として招待する … 会議名に募集番号と職種名を入れます
  2. 会議の冒頭に、募集番号と職種名を声に出す … 書き出しの冒頭に入れさせます
  3. 文字起こしを使うことを伝える … 参加者が望まない場合は、その会議ではメモで記録します
  4. 要件を見直す会議では、前回の求人要件書を採用担当の手元に開いておく … Copilot には渡しません
  5. 会議の終わりに、決まっていない事項を読み合わせる … 第7章「トリガー」のとおり
  6. 条件にできない話が出たら、その場で軽く話題を戻す … 「年齢ではなく、どんな経験が要るかで書きましょう」と返します

6番目は、会議の進め方の決まりです。 厚生労働省のリーフレットは、「求めているのは年齢ですか、それとも能力ですか?」と問いかけ、採用したい人物像を年齢ではなく明示することを勧めています。その場で能力の言葉に言い換えてもらえれば、要件書に書ける要件が1つ増えます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、会議の記録から決まった区分に分けて書き出すことだけです。 求人要件書に写すのも、区分を確かめるのも、条件にできない発言を責任者と話し直すのも採用担当です。

させること書き方判断できないときの扱い
仕事の内容責任者が述べた担当業務、チーム、使う技術述べられていなければ「述べられていない」
必須の要件要件と、「必須」と判断した発言の引用・時刻言い方がはっきりしなければ「区分の発言なし」へ
歓迎の要件要件と、「歓迎」と判断した発言の引用・時刻同上
区分の発言なし要件として話されたが、必須か歓迎かの言葉が無いもの―
言い直し同じ要件について区分が変わった発言の、両方の引用後の発言を採らずに両方を並べる
選考の進め方選考の段階、面接官、書類選考で見るところ、日程の目安決まっていなければ「決まっていない事項」へ
決まっていない事項事項、決める人、期限(読み合わせの発言)決める人・期限が無ければ空欄
条件にできない発言の候補時刻の範囲と、当てはまる区分(年齢・性別・家族・出身など)だけ迷うものも範囲だけ書く

5行目の「言い直し」を独立させているのが、この表の工夫です。 会議の後半の発言を採れば正しいとは限りません。「なくてもいい」は、別の要件と比べた上での言葉かもしれません。 両方を並べて責任者に確かめるほうが、要件書の確定までの往復が減ります。

させないこと理由
会議で話されなかった要件を足す一般的な相場で要件を補うと、責任者の要件ではなくなる
区分の付け直し必須か歓迎かは責任者の言葉だけで決める
条件にできない発言の要約・言い換え言い換えても要件書に残ることに変わりはない
年収の幅や処遇の決定決めるのは責任者と人事部
求人票の文案求人要件書の確定の後に、別の手順で作る

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「バックエンドエンジニア」と聞くと、生成AIは会議で出ていない言語やクラウドの経験を「必須」として足しがちです。足された要件は、責任者が言ったものと見分けがつかなくなります。 引用と時刻を必ず付けさせ、引用の無い要件は書かせません。

Step6

指示内容を固定する

書き出しには、会議のチャットから開いた Copilot に次の指示を入れます。 指示文は採用グループの SharePoint に置き、毎回コピーして使います。

この会議の文字起こしとチャットだけを使って、求人要件を次の区分に
分けて書き出してください。各行に、根拠にした発言の引用(文字起こしの
文のまま)、発言者、時刻を付けてください。
冒頭に、会議で読み上げた募集番号と職種名を書いてください。

1. 仕事の内容
2. 必須の要件:発言者が「必須」「絶対」「ないと難しい」など、
   欠かせないとはっきり述べたものだけ
3. 歓迎の要件:「できれば」「あれば嬉しい」「歓迎」など、
   なくてもよいとはっきり述べたものだけ
4. 区分の発言なし:要件として話されたが、2にも3にも当たる言葉が無いもの
5. 言い直し:同じ要件について区分が変わった発言を、両方の引用で並べる
6. 選考の進め方:選考の段階、面接官、書類選考で見るところ、日程の目安
7. 決まっていない事項:事項、決める人、期限
8. 募集の条件にできない発言の候補:年齢、性別、家族、出身地・本籍、
   宗教、支持政党、住まいなどに触れた発言の時刻の範囲と区分だけを書き、
   発言の中身は書かないでください。

【守ること】
- 会議で話されなかった要件を足さないでください。
- 引用の無い要件は書かないでください。
- 2と3の区分を、職種の一般的な相場で付け直さないでください。
- 5の言い直しは、後の発言を正しいとして片方を消さないでください。
- 年収の幅、処遇、合否の見込みは書かないでください。
- 決める人や期限が会議で述べられていなければ、空欄にしてください。

区分の言葉の例を指示文に書いているのは、区分の境目をそろえるためです。 「ないと難しい」を必須に入れるか、「できれば」を歓迎に入れるかを指示文で決めておけば、採用担当が誰でも、同じ会議から同じ区分の書き出しが出ます。

8番で「中身は書かない」と書いているのは、要件書の材料に残さないためです。 時刻の範囲が分かれば、採用担当は文字起こしで中身を確かめられます。書き出しの側に中身を写す理由はありません。

Step7

出力形式を固定する

Copilot の回答を、決まった区分の表で受け取ります。 API で受け取るわけではないので、JSON ではなく見出しと表の形を指示文で決めます。

【書き出しの例(抜粋)】

区分要件・事項引用発言者・時刻
必須Web サービスのバックエンドの開発経験3年以上「3年くらいは実務でやってないと難しい」開発部長 0:08
歓迎決済まわりの開発経験「決済をやったことがあれば嬉しい」開発部長 0:15
区分の発言なしチームでのコードレビューの経験「レビューの文化には慣れていてほしい」マネージャー 0:19
言い直し英語の読み書き「英語は必須」→「ドキュメントが読めれば」開発部長 0:11/0:34
決まっていない事項年収の幅「来週水曜までに人事と決めます」開発部長 0:52
条件にできない発言の候補年齢(中身は書かない)0:23〜0:24

この形にする1つ目の理由は、求人要件書の欄にそのまま対応することです。 様式の「必須」「歓迎」「選考の進め方」の欄に、区分ごとに写せます。

2つ目は、「区分の発言なし」と「言い直し」を残せることです。 責任者に確認を頼むときに、「この2行だけ、必須か歓迎かを決めてください」と絞って聞けます。 要件書の全体を読み直してもらうより、返事が早く来ます。

3つ目は、条件にできない発言の候補を、中身を書かずに場所だけで示せることです。 採用担当は時刻で文字起こしを開き、どう話し直すかを決めます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議会議のチャット・「まとめ」タブの Copilot文字起こしとチャットから書き出す
Word1,300字を超える回答を Word で開く書き出しを保存する
SharePoint採用担当が保存募集番号ごとの求人要件書のフォルダ
採用管理の仕組み採用担当が登録確定した求人要件書の内容だけ

採用管理の仕組みには、確定した求人要件書の内容だけを採用担当が登録します。 Copilot の書き出しは、確定前の材料として SharePoint のフォルダに置くだけです。責任者の確認を経ていない区分が、募集の条件として外に出ることはありません。

Step9

人が確認する

  1. 条件にできない発言の候補を先に見る … 時刻の範囲で文字起こしを開き、中身を確かめます。要件として残せる言い換え(必要な経験やスキル)があるかを考え、責任者と話し直します
  2. 必須と歓迎の引用を確かめる … 引用が文字起こしにあるか、区分の言葉どおりかを見ます。引用の無い要件が混ざっていたら消します
  3. 「区分の発言なし」と「言い直し」をまとめる … 責任者に確かめる行として、求人要件書の確認の依頼に添えます
  4. 決まっていない事項を確かめる … 決める人と期限が空欄のものは、責任者と決めます
  5. 求人要件書に写し、責任者に送る … 確認を受けて確定します

目標は、会議1件あたり30分です。 書き出しを確かめて様式に写すのに20分、責任者への確認の依頼と、決まっていない事項の段取りに10分という見込みです。

1番目の話し直しでは、責任者の言葉を能力の言葉に置き換える案を持っていきます。

会議で出た言い方話し直しで提案する書き方
「若い人が合うチーム」チームの開発の進め方(短い周期のリリース、コードレビューの頻度)を仕事の内容に書く
「体力がある人」夜間の障害対応の当番の有無と頻度を勤務の条件に書く
「落ち着いた年齢の人」顧客との折衝やメンバーの育成の経験を要件に書く

置き換えは採用担当の案で、決めるのは責任者です。 置き換えられない場合は、その発言は要件書に入れません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしが残っていない会議の後に Copilot に頼めない。メモで書き、次の会議から文字起こしを確かめる
責任者の組織の外で主催された会議Copilot は動かない。採用担当が主催し直す
2つの職種を1つの会議で話した書き出しを職種ごとに頼み直し、混ざった要件は採用担当が振り分ける
同じ要件の区分が何度も変わる「言い直し」に全部並べ、責任者にまとめて確かめる
決まっていない事項が多すぎる要件書の確定を待ち、次のすり合わせを短く設定する
条件にできない発言の候補が出た採用担当が中身を確かめ、責任者と話し直す。要件書には書かない
Word で開けない秘密度ラベルやコピーと転送の制限を確かめる。採用の会議には付けない
引用が文字起こしに見当たらないその行を消す。Copilot の書き出しより文字起こしを優先する
責任者が会議のチャットに条件を書き込んだチャットも Copilot の材料になる。引用の発言者・時刻の欄にチャットと書かせる
参加者が文字起こしを望まないその会議は文字起こしを使わず、採用担当のメモで書く

上から3行目までは、会議の段取りで防げます。 文字起こしの設定の確認、採用担当が主催すること、1会議1職種の3つを、採用グループの決まりにします。

Step11

記録を残す

  • 会議の文字起こし … Teams 会議の記録として残ります
  • Copilot の書き出し … Word で開いて、募集番号のフォルダに保存します
  • 採用担当が直した箇所 … 消した要件、責任者に確かめた行、確かめた結果
  • 確定した求人要件書 … 版と確定日、確認した責任者
  • 条件にできない発言の候補が出た件数 … 採用グループで月に1回数えます

最後の行は、責任者向けの説明の材料になります。 同じ部署で候補が続けて出るなら、募集の条件の考え方を、部署の責任者に向けて説明する機会を設けます。

会議中の Copilot とのやり取りが保持されることがある点も、採用グループで知っておきます。 管理者向けのページでは、組織の Microsoft Purview の保持ポリシーによっては、録画と文字起こしをオフにしても、会議中の Copilot への問いかけと回答がコンプライアンスのために保持されうるとされています。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に決まった指示文で書き出させ、採用担当が求人要件書に写す / 会議の記録からの書き出し
半自動化:上記+書き出しを求人要件書の様式の見出しにそろえ、責任者への確認の依頼文の下書きまで作らせる / 書き出しと確認の依頼
本格構成:上記+確定した求人要件書を採用管理の仕組みに登録し、書類選考の観点の一覧を作る / 募集の開始までの準備

本記事の想定は最小構成です。 書き出しを確かめて写すだけで、会議の後の作業が90分から30分になる想定です。 半自動化は、指示文が落ち着いてから足します。 確認の依頼文まで Copilot に作らせると、区分の発言なしの行を責任者に聞く文が、決まった形でそろいます。 本格構成は、採用管理の仕組みへの登録の段取りが絡むので、この記事の外の話です。 求人要件書が確定するまでは、どの段階でも採用担当と責任者が確かめます。 書類選考の観点の一覧を作る段も、求人要件書の必須の欄だけを元にし、会議の書き出しから直接は作りません。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
90 分
1件あたり導入後時間
30 分
現在  40件 × 90分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 40件 × 30分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価3,500円)
168万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用を通年で行い、募集を始めるたびに採用担当が現場の責任者と要件をすり合わせている IT・SaaS の会社や、メーカーの技術職の採用部門。すり合わせの後に要件書を書くまでに時間がかかり、必須と歓迎の区別があいまいなまま求人票ができて、書類選考で現場と採用担当の判断が食い違うことがある場合。社内の会議を Teams で行い、採用担当が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)のライセンスを持てる場合。人材紹介会社のコンサルタントが求人企業とすり合わせる場合にも、自社が主催する会議なら同じ形で使えます。
向いていない
  1. すり合わせを対面だけで行い、文字起こしを残せない場合。募集が年に数件で、採用担当のメモで足りる場合。求人企業の側が主催する会議に人材紹介会社が招かれる形の場合(会議の Copilot は参加者の組織の外で主催された会議では動きません)。なお、どの要件を必須とするか、募集してよい条件かどうかは、現場の責任者と採用担当が法令と社内の採用の手引きに沿って決めることで、この構成はその材料を整えるものです。

07最小構成で試す方法

  1. 採用担当2名で、次の2週間のすり合わせ会議を対象にする(新しい募集と、要件を見直す募集の両方を入れる)
  2. 会議の設定を「会議中と会議後」にし、冒頭の了承と名乗り、終わりの読み合わせを行う
  3. 会議の後、第7章の指示文で Copilot に書き出させる
  4. 同じ会議について、採用担当がこれまでどおりメモから求人要件書を書く
  5. 2つを比べ、責任者に「どちらが自分の言ったことに近いか」を聞く
出てきた内容判断
引用付きの区分が、責任者の考えと合っていた採用グループ全員に広げる
会議で出ていない要件が書き出された指示文の「足さない」「引用の無い要件は書かない」を強める
区分の発言なしが多い想定どおり。責任者への確認の依頼に添えれば使える
文字起こしの話者が取り違えられる会議の参加者の名前と、発言の前の名乗りを確かめる

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
会議で出ていない要件が足される引用と時刻を必ず付けさせ、引用の無い要件は書かせない
必須と歓迎が一般的な相場で付け直される区分の言葉の例を指示文に書く
言い直しの片方が消える「言い直し」を独立した区分にする
条件にできない発言が要件に紛れ込む時刻の範囲だけを書かせ、採用担当が話し直す
文字起こしが残らず、会議の後に頼めない管理者のポリシーと会議のオプションを確かめる
定期の会議で前回の履歴が消える募集ごとに単発の会議にする
2つの職種が混ざる1会議1職種にする
Word で開けない秘密度ラベルとコピーの制限を採用の会議に付けない

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、責任者の言葉ではないものが要件書に入るという同じ型の失敗です。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 募集する職種の要件、チームの状況、年収の幅、選考の進め方です。応募者の個人情報は扱いません。 ただし、チームの人の異動や退職の予定が話されることがあり、社内でも限られた人にしか知らせていない情報が含まれます。

  1. 募集の条件にできない発言を要件に入れない … 厚生労働省のリーフレットは、労働者の募集・採用に当たって年齢制限を設けることはできない(例外を除く)とし、形式的に年齢不問とすれば良いということではなく、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めることは法違反になるとしています。要件書の段階で、年齢の言葉を能力の言葉に置き換えます
  2. 応募者に求められる事項を明示する … 同じリーフレットは、職務の遂行に必要な適性・能力・経験・技能の程度など「応募者に求められる事項」をできる限り明示する必要があるとしています。必須と歓迎を責任者の言葉で確定させることは、この明示の材料にもなります
  3. 適性・能力に関係のない事項を基準にしない … 厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、本籍地や家族の職業など本人に責任のない事項、宗教や支持政党など本来自由であるべき事項を採用基準にしないことが必要としています。書き出しでは中身を書かせず、時刻の範囲だけを残します
  4. 書き出しの保存先の閲覧を絞る … 求人要件書のフォルダは、採用グループと募集する部署の責任者だけが見られるようにします
  5. 会議中のやり取りが保持されうることを知っておく … Purview の保持ポリシーによっては、会議中の Copilot への問いかけと回答が保持されることがあります

誤りが起きた場合のリスクは、責任者が言っていない要件で募集を始めることと、募集の条件にできない条件が要件書に残ることの2つです。 前者は引用の確かめを省くと起き、後者は候補を見ずに写すと起きます。

10まず何から始めるか

1週目:指示文と会議の決まりを作る

第7章の指示文を、自社の求人要件書の様式に合わせて直します。会議の冒頭の了承と名乗り、終わりの読み合わせ、1会議1職種、単発の会議を採用グループの決まりにします。

2週目:情報システムの担当と確かめる

管理者の Copilot のポリシーと文字起こしのポリシー、Purview の保持ポリシーを確かめます。採用の会議に秘密度ラベルを付けない運用でよいかも決めます。

3〜4週目:2名で試す

第8章の手順で、Copilot の書き出しと採用担当のメモからの要件書を比べます。会議で出ていない要件が書き出されていないかを最優先で見ます。 あわせて、責任者に書き出しの表を見せ、「区分の発言なし」の行を自分ならどちらにするかを聞きます。その答えが、指示文の区分の言葉の例を直す材料になります。

2か月目: 採用グループの全員に広げ、会議1件あたりの作業時間を測ります。3か月目以降: 書類選考で現場と採用担当の判断が食い違った件数を、導入前と比べます。求人要件書の確定までの往復が1回で済むことが多くなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
会議の Copilot が話し合いの要点を要約し、発言者を示し、会議中と会議後に質問に答えること。会議の後に頼むには文字起こしが要ること。「会議中と会議後」「会議中のみ」「オフ」の違い。会議の後は会議のチャットか「まとめ」のタブから使え、回答に情報源が示されること。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定期的な会議では後の会議で文字起こしをすると前の会話の履歴が失われること。1,300字を超える回答を Word で開け、秘密度ラベルやコピーと転送の無効化で開けないことMicrosoft Support: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-08
管理者の Copilot のポリシーの既定が「保存された文字起こしが必須」(EnabledWithTranscript)で、主催者の会議のオプションが「会議中と会議後」に固定されること。前提が利用する人ごとの追加の Microsoft Copilot ライセンスであること。ライセンスを持つ参加者が自分にだけ見える問いかけができること。Purview の保持ポリシーにより会議中の Copilot の問いかけと回答が保持されうることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-08
労働者の募集・採用に当たって年齢制限を設けることはできず、例外事由(労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項)に当たる場合に限られること。形式的に年齢不問とすれば良いのではなく、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めることは法違反になること。「求めているのは年齢ですか、それとも能力ですか」の問いかけ。応募者に求められる事項をできる限り明示する必要があること(PDFの原文を取得して確認)厚生労働省: その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?(リーフレット)2026-10-08
公正な採用選考は応募者の適性・能力に基づいた基準で行うこと。本籍地や家族の職業など本人に責任のない事項、宗教や支持政党など本来自由であるべき事項を採用基準にしないことが必要とされること(ページの原文を取得して確認)厚生労働省: 公正な採用選考の基本2026-10-08

どの要件を必須とするか、募集の条件として何を書いてよいかは、現場の責任者と採用担当が、法令と社内の採用の手引きに沿って決めてください。 本記事は Microsoft と厚生労働省の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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