Media > AI活用ユースケース > マーケティング > 広告やLPの表現を景品表示法と社内基準に照らして一次チェックする

広告やLPの表現を景品表示法と社内基準に照らして一次チェックする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

公開前の広告文やLP、メールマガジン、SNS投稿の原稿を、社内のNG表現集や過去の指摘記録と一緒に生成AIへ渡し、「No.1」「最安」「今だけ」などの要確認箇所を、社内基準の番号と理由、必要な根拠資料を付けた表にします。違法か適法かは人が判断し、減るのは該当表現の洗い出しと指摘コメントを書く時間です。

サマリー
利用ツール
ChatGPT/Claude/Gemini/Google Apps Script/Microsoft Copilot/Power Automate/Python
対象業界
EC/小売/広告
対象部門
マーケティング/法務
対象業務
内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
校正
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
必須
現在工数
30h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
60%
年間削減
216h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 制作担当が原稿を作り、公開予定日と一緒にチャットで確認担当へ送る
  2. 確認担当が原稿を頭から読む(バナーは画像も見る)
  3. 「No.1」「最安」「今だけ」「〇〇%オフ」「汚れが落ちる」などの表現に印を付ける
  4. 表現ごとに根拠資料があるかを制作担当に聞くか、共有フォルダで探す
  5. 「通常価格」との比較は、その価格で売っていた期間を管理画面で確かめる
  6. 期間・対象商品・数量などの条件が書かれているかを見る
  7. 指摘コメントを書いて戻し、直った原稿をもう一度見て公開する
導入後(After)
  1. 制作担当が、原稿と根拠資料の番号(根拠資料台帳の番号)を添えて提出する
  2. 確認担当が、NG表現集などを置いた生成AIのプロジェクトに原稿を貼る
  3. 自動AIが要確認の箇所を洗い出し、基準番号・理由・必要な根拠資料・修正案の例を付けた表を返す
  4. 自動提出された資料番号が台帳にあるかを突き合わせる
  5. 確認担当が原稿全体を読み、AIの表と照合する(画像・注記の見た目は原稿で見る)
  6. 根拠資料の中身を開き、表示と対応しているかを見る
  7. 「修正依頼/確認済み/専門確認へ」を決め、指摘コメントを直して返す
  8. 判断を指摘記録に残し、繰り返し出た指摘をNG表現集に戻す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 制作担当が原稿を作り、公開予定日と一緒にチャットで確認担当へ送る
  2. 確認担当が原稿を頭から読む(バナーは画像も見る)
  3. 「No.1」「最安」「今だけ」「〇〇%オフ」「汚れが落ちる」などの表現に印を付ける
  4. 表現ごとに根拠資料があるかを制作担当に聞くか、共有フォルダで探す
  5. 「通常価格」との比較は、その価格で売っていた期間を管理画面で確かめる
  6. 期間・対象商品・数量などの条件が書かれているかを見る
  7. 指摘コメントを書いて戻し、直った原稿をもう一度見て公開する

問題は4つあります。

(a)確認担当が2名しかおらず、公開が滞る。 セール前に原稿が集中し、公開予定日を動かすことがあります。

(b)指摘の基準が人によって違う。 「業界トップクラス」をAさんは通し、Bさんは止めます。

(c)過去の指摘が探せない。 指摘がチャットに散らばっています。

(d)根拠資料の置き場がない。 No.1表示の調査報告書が制作担当のPCにしかないことがあります。

  1. 【人】 制作担当が、原稿と根拠資料の番号(根拠資料台帳の番号)を添えて提出する
  2. 【人】 確認担当が、NG表現集などを置いた生成AIのプロジェクトに原稿を貼る
  3. 【自動】 AIが要確認の箇所を洗い出し、基準番号・理由・必要な根拠資料・修正案の例を付けた表を返す
  4. 【自動】 提出された資料番号が台帳にあるかを突き合わせる
  5. 【人】 確認担当が原稿全体を読み、AIの表と照合する(画像・注記の見た目は原稿で見る)
  6. 【人】 根拠資料の中身を開き、表示と対応しているかを見る
  7. 【人】 「修正依頼/確認済み/専門確認へ」を決め、指摘コメントを直して返す
  8. 【人】 判断を指摘記録に残し、繰り返し出た指摘をNG表現集に戻す

自動化されるのは「洗い出す」「基準番号と理由を書く」です。読むこと、根拠資料を見ること、判断することは人に残ります。 AIが見ているのはテキストだけなので、5番目は省けません。

02今回想定するシステム構成

構成図
制作担当の原稿(本文・注記・画像内の文字)
   │
   ▼ 確認担当が貼る
生成AIのプロジェクト
   │  知識:社内NG表現集 / チェック観点 / 指摘記録の代表例 / 根拠資料台帳
   │  指示:表の形と禁止事項
   ▼
要確認箇所の表(引用 / 種類 / 基準番号 / 理由 / 必要な根拠資料 / 修正案の例)
   │
   ▼【人】原稿と根拠資料を見て判断し、指摘記録に残す

最小構成(今回の推奨)

半自動化する場合

役割想定する製品代替候補
生成AIClaude(プロジェクト。半自動化では Claude API)ChatGPT(プロジェクト)、Gemini(Gem)、Microsoft 365 Copilot(Notebooks)
連携Google Apps Script(半自動化の段階)Power Automate、Python
原稿の提出Google フォームMicrosoft Forms、社内チャット
NG表現集・台帳の置き場Google スプレッドシートSharePoint リスト

最小構成のままで効果の大半が取れます。 Power Automate で組む場合は、利用環境に応じた個別確認が必要です。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

最小構成では、確認担当が原稿を受け取ったときが起点です。

半自動化では、提出フォームの送信を起点にします。Google Apps Script のインストール型トリガーには、フォームへの回答で動くフォーム送信トリガーがあります。このトリガーは作成した人のアカウントで動くため、部署の管理用アカウントで設定します。スクリプトやAPIから送った回答では動かないので、テストは実際のフォームから行います。下書きの保存では走らせません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
原稿見出し、本文、注記、価格表示、画像内の文字提出された原稿
媒体・商材区分バナー/LP/メールマガジン/SNS、商品カテゴリ、依頼投稿か提出時に選ぶ
社内NG表現集基準番号、表現の型、例、確認すること、必要な根拠資料スプレッドシート
チェック観点消費者庁の公表資料を自社で要約したもの文書
過去の指摘記録指摘した表現、判断、理由(代表例30件程度)スプレッドシート
根拠資料台帳資料番号、対象の表現、資料の種類、調査・試験の時期スプレッドシート

社内NG表現集が、この構成の本体です。

基準番号表現の型確認すること必要な根拠資料
P-01No.1満足度No.1調査と表示の対応調査報告書
P-02最上級・比較最安、業界トップクラス比べた範囲と時点比較調査の記録
K-01二重価格通常価格〇円→〇円比べた価格で売った期間販売期間の記録
K-02期間・数量の限定今だけ、先着100名期間と条件の明記実施要項
E-01効果・性能汚れが落ちる表示と試験条件の対応試験データ
E-02体験談使った人の9割が実感体験談だけが根拠でないか調査の設計と結果
S-01依頼・提供による投稿インフルエンサー投稿の引用広告だと分かるか依頼・提供の記録
X-01健康・美容の効能疲れがとれるAIは判断しない専門確認へ

チェック観点には、公表資料で確認できる内容だけを要約して書きます。

  • 優良誤認・有利誤認 … 景品表示法第5条第1号は品質などを著しく優良と示す表示、第2号は価格などの取引条件を著しく有利と誤認される表示を対象としています
  • 不実証広告規制(E-01・E-02) … 消費者庁長官は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。運用指針では提出期限は原則15日後で、新たな試験・調査が必要という理由は延長の正当な事由と認められないとされています。根拠資料を公開前に揃える理由です。一部の利用者の体験談だけを集めた調査は、客観的に実証されたものと認められない例に挙げられています
  • No.1表示(P-01) … 消費者庁の報告書(令和6年9月26日)では、主観的評価による調査には少なくとも、比較する商品等と調査対象者の適切な選定、公平な調査方法、表示内容と調査結果の適切な対応が必要とされています
  • 二重価格(K-01) … 価格表示ガイドラインでは、セール開始からさかのぼる8週間のうち、その価格での販売期間が過半を占めるかを一般的な目安としています
  • ステルスマーケティング(S-01) … 令和5年10月1日から、広告であることを隠す表示が規制対象です。対象は広告主です

P-02 と K-02 は自社で決めるルールの例で、法令の解釈そのものではありません。

Step3

データの取得方法を決める

最小構成: ファイルを知識として置ける機能を使います。

  • Claude のプロジェクト … 文書を知識として置き、指示を設定できる。共有は Team・Enterprise のみ
  • ChatGPT のプロジェクト … ファイルと指示を置ける。ファイル数の上限はプランで違う
  • Gemini の Gem … カスタム指示と、端末や Google ドライブのファイルを追加できる
  • Microsoft 365 Copilot の Notebooks … OneDrive・SharePoint などのファイルを参照に追加できる

Claude のプロジェクトは、有料プランでは知識が上限に近づくと必要な部分を検索して使う方式に切り替わります。全項目が毎回読まれる前提にせず、 表の形と禁止事項は指示に書き、NG表現集は100項目程度に収めます。

半自動化: フォーム送信トリガーで回答を受け取り、スプレッドシートからNG表現集と台帳を読みます。Claude API は UrlFetchApp から呼びます。外部へのリクエストには script.external_request のスコープの承認が必要です。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 画像内の文字をテキストでも提出してもらう … 画像だけでは読み落としが確認できません
  2. 注記を本文と同じテキストに含める … 省くと「条件の書き漏れ」を誤って指摘されます。【注記】と印を付けます
  3. 商材区分で分ける … 健康・美容の効能を含む原稿は、専門確認の列にも入れます
  4. 機械的に拾える語はプログラムでも拾う … 「No.1」「%」「最」「限定」などを正規表現で拾い、AIの表にない語を確認対象に足します
  5. 台帳との照合はプログラムで行う … 番号の有無をAIに推測させません
  6. 体験談の氏名を伏せる
Step5

AIに処理させる

処理内容
洗い出しNG表現集の型に当たる表現を原稿から引用して並べる
種類の付与根拠資料が必要/条件の書き漏れの疑い/社内NG表現/広告であることの明示/専門確認へ/基準外の気づき
基準番号と理由該当する番号と、チェック観点に沿った理由
必要な根拠資料その表現に要る資料の種類
修正案の例断定をやめる、条件を併記する、表示を外す、の方向で1案

やらせないこと: 違法・適法や公開可否の判定、根拠資料が十分かの判断、新しい効能や数値を含む修正案、チェック観点にない条文番号の引用(改正前の番号を書くおそれがあります)。

Step6

指示内容を固定する

あなたは広告表現の一次チェックを補助する担当者です。
知識の【社内NG表現集】【チェック観点】【過去の指摘記録】【根拠資料台帳】
だけを基準に、原稿から「人が確認すべき箇所」を表にしてください。

【厳守事項】
- 違法・適法、問題あり・なし、公開してよいか、は書かないでください。
- 該当箇所は原稿から一字一句そのまま引用してください。
- 基準番号は【社内NG表現集】の番号だけを使い、当てはまらない気づきは
  番号を「なし」として表の最後に並べてください。
- 条文番号や資料名は【チェック観点】にあるものだけを使い、根拠資料の
  中身が十分かは判断しないでください。
- 修正案は「断定をやめる」「条件を併記する」「表示を外す」の方向に限り、
  原稿にない効能・数値・受賞歴・比較対象を足さないでください。
- 健康・美容・医療の効能は種類を「専門確認へ」とし、修正案を書かないでください。
- 画像の見た目や注記の文字の大きさは確認できません。画像があれば
  表の下に「画像は未確認」と書いてください。
- 最後に、使った社内NG表現集の版(ファイル名の日付)を書いてください。

【媒体】{media} 【商材区分】{category} 【依頼投稿か】{sponsored}
【提出された根拠資料番号】{evidence_ids}
【原稿】
{draft}

「違法・適法を書かない」の1行が最も重要です。 これがないとAIは「問題ない可能性が高いです」と書き、確認担当の読む手が緩みます。修正案に新しい効能や数値を足させない指示も必須です。

Step7

出力形式を固定する

最小構成では表で返させます。

該当箇所の引用種類基準番号理由必要な根拠資料修正案の例
顧客満足度No.1根拠資料が必要P-01主観的評価によるNo.1表示調査報告書(番号の提出なし)根拠を確認できるまで表示しない
通常価格9,800円→今だけ4,900円条件の書き漏れの疑いK-01/K-02比べた価格の販売期間と、実施期間が不明販売期間の記録、実施期間実施期間を併記する
汚れが99%落ちる根拠資料が必要E-01数値を伴う性能の表示試験データと試験条件試験の条件を併記する

条件を併記すれば足りるかは人が判断します。 No.1表示の報告書では、注記の位置や文字の大きさ・色から明瞭でない場合は、表示と調査結果が適切に対応しているとはいえないおそれがあるとされています。

半自動化では、検査のためJSONで返させます。

{
  "ng_list_version": "2026-09-01",
  "findings": [
    { "quote": "", "type": "", "rule_id": "P-01", "reason": "",
      "evidence_needed": "", "suggestion": "" }
  ],
  "image_unchecked": true
}

quote が原稿にない指摘は捨て、rule_id がNG表現集にない指摘は「基準外」に回します。出力に「違法」「適法」「問題ありません」が含まれていないかも検査します。

Step8

システムへ連携する

最小構成: AIの表を指摘記録のスプレッドシートに貼り、判断の列を埋めます。制作担当には判断後の指摘だけを返します。

半自動化: Apps Script が確認用スプレッドシートに1行1指摘で書き出し、プログラムで拾った語のうちAIの表にないものを足します。

Step9

人が確認する

全件、人が判断します。 判断は「修正依頼」「確認済み(根拠資料と表示の対応を人が見た)」「専門確認へ」の3つです。

  • AIの表が空でも、原稿は最後まで読む。 NG表現集にない型は拾われません
  • 画像・写真・注記の見た目は原稿で見る。 運用指針では、表示された効果・性能は、写真やイメージ図、体験談を含む表示全体から一般消費者が認識するものとされています
  • 根拠資料の中身は人が開く。 番号が台帳にあることと、表示に合う資料であることは別です
  • 判断者の名前を残す

制作担当が提出前にセルフチェックするのは構いませんが、確認担当の確認の代わりにはしません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
原稿にない表現を引用してくるその指摘を捨てる。多ければ指示を見直す
「問題ありません」と書いてくるその回の結果を使わず、禁止事項を強める
1本で指摘が30件を超えるNG表現集に好みの項目が混ざっている。見直す
健康・美容の効能が含まれる専門確認へ回し、公開予定日を合わせる
資料番号が台帳にない制作担当に資料の登録を依頼する
画像だけで書き起こしがないチェックを始めず差し戻す
APIが応答しない(半自動化)拾った語の一覧だけを渡し、確認を止めない
Step11

記録を残す

  • 原稿の版、AIが返した表の全件(捨てた指摘を含む)、使ったNG表現集の版
  • 確認担当の判断、判断者、日時、確認した根拠資料の番号

No.1表示の報告書では、景品表示法第22条第1項で事業者に表示の管理上の措置が義務付けられていること、管理措置指針に表示の根拠となる情報の確認や、事後的に確認できるようにする措置が含まれることが紹介されています。このログはその記録にもなります。 範囲と期間は法務部門で決めてください。

月1回、「修正依頼が多い基準番号」と「AIが拾わなかった語」を集計し、見直しに使います。

04実装レベルの3段階

最小構成:生成AIのプロジェクトにNG表現集とチェック観点を置き、原稿を貼って表を出させる / 洗い出しと理由の下書き
半自動化:フォーム送信で Google Apps Script が動き、語の拾い出し・台帳照合・Claude API での表作成・スプレッドシート出力を行う / 貼る手間、台帳照合、指摘記録への書き出し
本格構成:上記に加え、CMSの公開申請への組み込み、根拠資料の有効期限の管理、NG表現集の更新候補を出す集計 / 判断以外の記録と管理

最小構成と半自動化の差が小さい業務です。 半自動化に進むのは、台帳を探す時間が目立ってからで構いません。本格構成のCMS連携は、利用環境に応じた個別実装が必要です。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
90 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
8 分
現在  90件 × 20分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 90件 × 8分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
18h
削減率
60%
年間削減時間
216h
年間金額換算(時間単価3,500円)
76万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 広告バナー・LP・メールマガジン・SNS投稿の公開前確認が月50本以上あり、確認できる人が1〜3名に限られている企業。過去の指摘や社内の表示ルールが、メモ程度でも文書で残っていること。
向いていない
  1. 健康食品・化粧品・医薬品などの効能をうたう原稿が大半を占める場合(専門の確認が別に必要)。公開前の確認が月に数本しかない場合。AIの一覧を公開してよいかの判断そのものとして使いたい場合。

07最小構成で試す方法

開発は不要です。

  1. 過去の原稿を20本用意する(指摘して直した10本、指摘なしで公開した10本)
  2. 過去3か月の指摘から、NG表現集を30項目書き出す
  3. 生成AIのプロジェクトに、NG表現集・チェック観点・指示を置く
  4. 20本を1本ずつ貼って表を出させる
  5. 直した10本で、当時の人の指摘をAIが拾えたかを数える
  6. 公開した10本で、AIが出した指摘の中身を見る

6番目で人の見落としが見つかったら、根拠資料をさかのぼって確認します。

結果判断
人の指摘の8割以上を拾い、判定の言葉が出ない実務で並行運用に入る
拾えるが、基準外の気づきが多い「好みの指摘をしない」を指示に足す
半分も拾えないNG表現集の「例」を過去の指摘から足す

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが「問題ない可能性が高い」と書く判定の禁止を明記し、判定の語が出た回の結果は使わない
修正案で新しい効能や数値を足す修正案の方向を3つに限定する
注記を渡さず、書き漏れを誤指摘される注記も同じテキストに含める
画像の中の表現が素通りになる提出フォームに画像内テキストの欄を設ける
更新前のNG表現集で答えるファイル名に日付を入れて古い版を消し、出力に版を書かせる
改正前の条文番号を書くチェック観点にある条文だけを使わせる

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開前の原稿(セール価格、新商品、キャンペーン条件)と、根拠資料台帳、指摘記録。

  1. 外部AIへの入力可否 … 公開前の価格や新商品の情報を含みます。業務で契約したプランを使い、入力データの扱いを契約で確認します
  2. 根拠資料の本文は渡さない … 渡すのは台帳の番号と資料の種類までです。広告主や調査会社の資料は、提供元との取り決めを確認します
  3. 個人情報 … 体験談の氏名やSNSアカウント名は伏せます
  4. 共有範囲 … 指摘記録は制作担当の評価に見えるため、閲覧範囲を絞ります
  5. 自動実行してよい範囲 … AIの表で公開を自動で止めたり通したりしません。「表が空なら公開してよい」にしないでください
  6. 専門領域の切り分け … 食品の健康保持増進効果などの表示には健康増進法の誇大表示の禁止があり、消費者庁が留意事項を公表しています。化粧品・医薬品・医療機器などの効能・効果の広告には医薬品医療機器等法の規制があり、第66条は「何人も」と定めています。この領域はAIの一次チェックの対象外とします

最も気づきにくいリスクは、AIの表に理由が書いてあることで、確認した気になることです。判断の欄は必ず人が埋めてください。

10まず何から始めるか

1日目: 過去3か月の指摘を見返し、NG表現集を5列で30項目書き出します。

2〜3日目: 法務部門が出典の消費者庁資料を読み、自社の商材に関係する部分をチェック観点として1〜2ページに要約します。AIに要約させた場合も、人が原文と照らしてください。

1週目の残り: 8章の手順で、過去の20本を試します。

2週目: 確認担当2名が同じ10本を別々に判断し、分かれた表現は「確認すること」を書き直します。基準の違いがここで見える形になります。

3〜4週目: 原稿は全文を読みながらAIの表を使い、1本あたりの時間を実測します。資料番号を添えた提出も始めます。

2か月目以降: 貼る手間が負担になったら、半自動化を検討します。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-14/最終更新:2026-09-14
確認した内容情報源確認日
景品表示法第5条第1号・第2号、不実証広告規制(第7条第2項・第8条第3項)消費者庁: 表示規制の概要2026-09-14
合理的な根拠の要件、提出期限は原則15日後、追加の試験は延長の事由にならない、体験談だけの調査の扱い、表示全体から認識される効果消費者庁: 不実証広告規制の運用指針2026-09-14
「最近相当期間にわたって販売されていた価格」の目安(8週間のうち過半)消費者庁: 価格表示ガイドライン2026-09-14
ステルスマーケティング規制の施行日(令和5年10月1日)と対象消費者庁: ステルスマーケティング2026-09-14
No.1表示の根拠の観点、不明瞭な注記、第22条第1項の管理上の措置消費者庁: No.1表示に関する実態調査報告書2026-09-14
健康増進法の誇大表示の禁止、医薬品医療機器等法第66条の対象と「何人も」消費者庁: 健康増進法 / 厚生労働省: 医薬品等の広告規制2026-09-14
各社の生成AIで、ファイルを知識として置き、指示を設定できることClaude: Projects / ChatGPT: Projects / Gemini: Gem / Copilot Notebooks2026-09-14
Apps Script のフォーム送信トリガー(作成者のアカウントで動く)と、UrlFetchApp による外部リクエストInstallable triggers / UrlFetchApp2026-09-14

個別の表示が法令に当たるかは、この記事では判断していません。 専門家の確認が必要です。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-0047)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次