公開前の法務確認で見る項目一覧|出してから止めない

公開前の法務確認で見る項目一覧|出してから止めない

「気になったときだけ法務に相談していて、基準は決めていない」「すべての制作物を回すのは、現実的ではないと思っている」——公開前の確認を任されている場面でよくある運用です。基準がない状態は、確認の手間を減らしているわけではありません。危ないものが通り、安全なものが止まる状態です。この記事では、担当者が自分で確認できる項目を一覧に整理します。


カメ先生カメ先生

公開前の確認はね、迷ったときだけ法務に回せば足りると思われがちだが、基準がないと迷うかどうか自体が人によって変わってしまうんだ。


カメ子カメ子

人によって変わると、何が起きるのでしょうか。


カメ先生カメ先生

使い慣れた表現は誰も迷わないので通る。初めて書く表現は不安なので止まる。実際の危うさとは無関係に、通るものと止まるものが決まってしまう。


カメ子カメ子

迷いの有無が基準になっているのですね。確認する領域から見ていきます。


この記事のポイント
  • ステマ規制は2023年10月1日施行。要件は2つに整理されている
  • 一番を名乗る表示には、比較の方法まで含めた根拠が要る
  • 確認は担当者が一次、法務は例外だけ、という分担にする

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目次

公開してから止まる損失

公開した制作物に問題が見つかると、作業が二重に発生します。差し替えの作業、社内への説明、場合によっては訂正の告知。作るときの何倍もの時間がかかります

さらに大きいのが、公開されていた期間の影響です。資料であれば配布済みのものを回収できません。記事であれば、その間に読んだ人にも届いています

それでも、すべてを法務に回すのは現実的ではありません。月に何十本も制作物が出る中で、すべてを専門家が見る体制を持てる企業はまれです。

そのため、二段構えにします。担当者が一覧に沿って一次の確認をし、引っかかったものだけを法務や外部の専門家に回す。

この形にすると、確認の総量が10分の1以下になります。そして、危ないものを確実に拾えるようになります。気になったときだけ相談する形より、はるかに漏れが少ない。

この記事では、確認の対象になる領域を整理し、表現ごとの注意点と、運用の仕組みまでを扱います。

取引先から指摘を受ける形が、もっとも避けたい発覚の仕方です。自社の確認の体制そのものを疑われることになります。内容の誤り以上に、管理ができていないという印象が残ります

誤りが見つかったときの対応

公開後に問題が見つかった場合の動き方も、先に決めておきます。慌てて消すだけでは、かえって説明が難しくなります。何が問題で、どう対応したかを残す形で進めます

最初にやるのは、事実の確認です。どの記述が、どの決まりに照らして問題なのか。指摘を受けた側が、その場で判断できるとは限りません。まず社内で確かめます。

問題が確認できたら、公開を止めるか記述を直します。配布済みの資料がある場合は、回収の要否も判断します。止めた事実と日時を記録しておくことが、後の説明の材料になります

訂正を告知するかどうかは、内容の性質で決めます。取引の判断に影響する誤りであれば、告知が必要になります。表記の誤りのような軽微なものまで告知する必要はありません

そして、同じ誤りが他の制作物にないかを確かめます。1つの表現は、たいてい複数の資料に流用されています。記事を直しても、営業の資料に残っていれば解決していません。同じ表現を検索して、使われている場所をすべて洗い出します

最後に、なぜ通ってしまったのかを振り返ります。確認の一覧に項目がなかったのか、あったが見落としたのか。前者なら項目を足し、後者なら工程の位置を見直します。1件の誤りから、次の10件を防ぐ仕組みが作れます

確認の対象になる5つの領域

マーケティングの制作物で問題になる領域は、おおむね5つに整理できます。表示に関する決まり、権利、個人情報、業種ごとの決まり、契約です。

表示に関する決まりの中心が景品表示法です。実際より優れていると見せる表示や、取引の条件が実際より有利だと誤解させる表示が禁じられています。

権利には、著作権と商標が含まれます。他社の文章や画像の扱い、他社名や製品名の書き方。素材の利用の条件も、この領域に入ります

個人情報は、取得と利用と提供の3つの場面で確認が要ります。取得のときに利用目的を伝えているか、取得した目的の範囲で使っているか、第三者に渡していないか。

業種ごとの決まりは、扱う商材で変わります。健康や医療に関わる商材、金融に関わる商材、人材に関わる商材。自社が該当するかどうかを最初に確かめます。

契約は、取引先の名前や事例の掲載に関わります。許諾を得ているか、公開してよい範囲を書面で確認しているか

5つのうち、自社にとって頻度の高い領域から手を付けます。記事が中心なら表示と権利、フォームが多いなら個人情報。すべてを同じ密度で確認しようとすると、続きません

領域主に関わる決まり確認の要点
表示景品表示法(ステマ規制を含む)書いた内容の根拠が手元にあるか
権利著作権・商標引用の要件と、他社名の使い方
個人情報個人情報の保護に関する法律取得時の利用目的の明示と同意
業種ごとの決まり商材によって異なる自社が対象かどうかを最初に確認
契約取引先との取り決め社名や事例の掲載の許諾

優良誤認と有利誤認

景品表示法で中心になるのが、2つの不当な表示です。1つが優良誤認、もう1つが有利誤認と呼ばれます。この区別を知っておくと、確認の視点が定まります

優良誤認は、商品や役務の内容について、実際のものより著しく優れていると示す表示です。性能、効果、成分、原産地など、中身に関わる部分が対象になります

有利誤認は、取引の条件について、実際より有利だと誤解させる表示です。価格、数量、特典、期間などが対象になります。

実務でよく問題になるのが、期間を限った特典です。「今月限り」と書きながら、翌月も同じ条件を続ける。これは有利誤認に当たり得ます。

価格の比較も注意が要ります。「通常価格」として示す金額に、実際の販売の実績があるかどうか。実績のない価格を並べて割引に見せる形は問題になります。

判断の基準は単純です。書いてある内容が事実であること。そして、その事実を示す資料が手元にあること。この2つが揃っていれば、多くの場合で問題は起きません。

この2つは、打ち消しの表示があれば済むものでもありません。小さな注記で条件を書いても、全体の印象が誤解を招けば問題になります。注記で補うのではなく、本文の表現そのものを直します

ステマ規制で何が禁止されたか

2023年10月1日から、ステルスマーケティングが景品表示法の違反となりました。消費者庁のページにも、その日から違反となる旨が明記されています

対象になる要件は2つに整理されています。1つは、事業者が自己の供給する商品または役務の取引について行う表示であること。もう1つは、一般消費者がその表示であることを判別することが困難だと認められるものです。

この2つを裏返すと、対策が分かります。事業者の関与がある表示なら、それが分かるように示す。これだけです。内容の是非ではなく、表示の仕方の問題です。

実務で該当しやすいのが、影響力のある個人への依頼です。対価を支払って投稿してもらう場合、広告であることが分かる表示が必要になります。

見落とされやすいのが、自社の社員による投稿です。会社の指示や依頼があれば、事業者の表示に当たり得ます。個人の感想のように見せる形は避けます。

解説では、投稿を自社のサイトに掲載するときの注意も挙げられています。自社が依頼した投稿を「お客様の声」として示さないこと。経緯を正確に示すのが原則です。

表示の仕方には、決まった様式があるわけではありません。広告であることが一般の読み手に伝わればよい、という考え方です。分かりにくい位置や小さすぎる表示は、伝わったことになりません

2024年の改正で変わったこと

2024年10月1日施行の改正でも、実務に関わる変更がありました。もっとも大きいのが確約の手続の新設です。

これは、違反の疑いがあるときに事業者が自主的に是正の計画を申請し、認定されれば措置命令や課徴金の納付命令を免れる制度です。早期に自ら申し出る道が用意されたということになります

ただし、誰でも使えるわけではありません。解説では、10年以内に措置命令を受けた企業は確約の手続の対象外とされています。

あわせて、罰則を直接科す規定も新設されています。これまでは命令に従わない場合に罰則が科される仕組みでしたが、一定の行為に対して直接科す形が加わりました。

課徴金についても、売上額を推計する規定や、返金の措置を弾力化する規定が設けられています。課徴金は、対象となる商品や役務の売上額に3%を乗じた額とされます。

実際の件数も参考になります。2023年度の措置命令は44件で、そのうち一番を名乗る表示に関するものが13件を占めていました。

改正の内容は、実務では2つの意味を持ちます。1つは、問題が起きたときの選択肢が増えたこと。もう1つは、規制の運用が厳しくなる方向にあるという合図です

一番を名乗るときの条件

措置命令の内訳を見ると、一番を名乗る表示が突出して多いことが分かります。44件中13件がこの類型でした。

この表示を使う場合、根拠として求められる条件が示されています。主要な競合の商品との比較であること。実際に利用している人を対象とした調査であること。そして、公平な調査の方法であることです。

よく問題になるのが、調査の対象です。利用したことのない人に印象を尋ねた調査では、実際の優劣を示す根拠になりません

比較の対象も見られます。主要な競合を含まない狭い範囲での比較は、実態を反映しているとは言えません。

表示の仕方にも注意が要ります。何について一番なのか、いつの時点の調査なのか、誰が行った調査なのか。これらを併記するのが基本です。

実務での判断は単純です。調査の報告書が手元にあり、その条件を満たしているか。報告書を見ずに一番と書かないという決まりを置きます。

表示の時点で根拠があることも条件になります。後から調査を実施しても、表示した時点での根拠にはなりません。調査が終わってから表示する、という順番を守ります

効果や体験を書くときの注意

導入の効果を書く場面は、BtoBでも頻繁にあります。「作業時間が半分になった」「売上が2倍になった」。これらは、根拠の資料があってはじめて書けます

根拠になるのは、その顧客が実際に測った数字です。感覚での回答を数字に置き換えるのは避けます。取材のときに、どう測った数字かまで確かめておきます

また、1社の結果を一般化しないことも重要です。「導入すれば半分になります」と書けば、すべての利用者に同じ効果があるという表示になります

実務では、条件を添えて書きます。どの規模の会社が、どういう使い方をして、どの期間で得た結果か。条件が明記されていれば、一般化の問題は起きません。

扱う商材が健康や医療に関わる場合は、別の決まりも関わります。効能や効果に関する表現には、業種ごとの制限があります。この場合は、担当者の判断で進めず専門家に確認します。

金融や人材に関わる商材も同様です。自社が該当する業種の決まりを、最初に一度だけ調べて一覧にしておきます。

写真や図でも同じ判断をします。画面の写しを加工して、実際には出ない結果を見せていないか。文章だけでなく、視覚的な要素も表示の一部です

顧客の声と事例の扱い

導入の事例や顧客の声は、BtoBで最も使われる素材です。ここには複数の論点が重なります。表示の決まり、契約、個人情報の3つです

表示の面では、依頼して書いてもらった内容を自発的な感想のように見せないことが要点になります。取材や依頼の経緯を、そのまま示す形にします

契約の面では、社名と担当者名の掲載の許諾が要ります。口頭の了解だけでは、後から取り消しを求められたときに困ります。掲載する範囲と期間を書面で確認します

個人情報の面では、担当者の氏名と写真の扱いが関わります。その人が異動や退職をした後も掲載を続けてよいか。この点まで最初に決めておきます。

数字を出す場合は、公開してよい範囲も確認します。取引の金額や導入の規模は、相手にとって公開したくない情報である場合があります。

確認の記録は、事例ごとに1枚残します。誰から、いつ、どの範囲の許諾を得たか。担当が変わったときに、この記録だけが根拠になります。

掲載を終えるときの取り決めも入れておきます。取引が終了した後も掲載を続けてよいか。終了時の扱いを決めていないと、削除を求められたときに争いになります

業種ごとの決まりを一度だけ調べる

自社の商材が、業種ごとの決まりの対象になるかどうか。これは最初に一度だけ調べれば足ります。対象であれば、確認の項目そのものが変わります

健康や身体に関わる商材では、効能や効果の表現に制限があります。食品、化粧品、健康に関する器具などが該当します。BtoBでも、そうした商材を扱う企業向けの資料では注意が要ります

金融に関わる商材では、断定的な見通しの表示が問題になります。利回りや効果を確実なものとして示す表現です。リスクの説明を併記する義務が課される場合もあります

人材に関わる商材では、募集や紹介に関する決まりが関わります。表示すべき事項が定められている場合があります。自社が該当するかどうかは、顧問の専門家に一度尋ねれば分かります

該当する場合は、確認の一覧に業種の項目を足します。そして、その領域は担当者の判断で進めない、と決めます。専門性が高く、誤りの影響も大きいためです。判断の線引きを明確にしておくことが、担当者を守ります

該当しない場合も、その結論を記録に残します。担当が変わったときに、また同じ調査をせずに済みます。商材が増えたときには、あらためて確認します。調べた結果は、調べた事実ごと残しておきます

引用と他社への言及

記事の中で他社の情報を扱う場面も多くあります。引用として適法に扱える範囲を知っておくと、判断が速くなります

引用が認められるには、いくつかの条件があります。自分の文章が主で引用が従であること。引用の部分がはっきり区別されていること。そして、出どころを示すことです。

他社の画面の写しを載せる場合も、同じ考え方で判断します。説明のために必要な範囲にとどめ、その画面を主役にしないことが目安になります。

他社名や製品名の表記は、商標に関わります。他社の商品を指すための言及は問題になりにくく、自社の商品を示すために使う形が問題になります。

比較の記事を書く場合は、内容の正確さが要点です。誤った情報で他社を劣って見せると、別の問題が生じます。公開されている情報に基づき、時点を明記します。

なお、記事に載せた比較の情報は古びます。他社の仕様が変わった時点で、事実と違う記述になる。更新の予定を決めておくことも、確認の一部です。

個人情報に関わる確認

フォームや資料の請求を扱う制作物では、個人情報の観点が入ります。取得の場面で、利用目的を示しているかが最初の確認です。

示す場所は、入力する画面の中が基本です。別のページへの案内だけでは、読まれない可能性があります。同意を求める場合は、何に同意しているかが分かる書き方にします。

同意の取り方にも注意が要ります。最初から印が付いている形は、同意として弱いと考えられます。利用者が自ら選ぶ形にするのが安全です。

共催や協賛で取得した情報を分け合う場合は、第三者への提供や共同での利用に関する整理が必要です。企画の段階で決めておく論点になります。

取得した情報の使い道が広がったときも確認が要ります。資料の請求のために取得した情報を、別の目的で使う。最初に示した利用目的の範囲に収まっているかを見ます。

この領域は、担当者だけでは判断しにくい部分があります。自社の個人情報の取り扱いの方針を一度読み、実際の運用とずれていないかを確かめるところから始めます。

外部の仕組みを使う場合は、その提供元の扱いも確認します。取得した情報がどこに保管され、誰が触れるのか。自社が委託した先での取り扱いにも、自社の責任が及びます。

確認する人と工程を決める

項目が分かっても、誰がいつ見るかが決まっていなければ運用されません。工程の中に組み込むのが唯一の方法です。

実務で機能するのは、担当者による一次の確認です。一覧に沿って自分で見て、引っかかった項目だけを相談する。すべてを法務に回す形は、量が多すぎて必ず形骸化します。

一次の確認をする位置は、公開の直前ではありません。原稿が固まった段階です。直前に見つけると、公開が遅れるか、そのまま出るかの二択になります。

相談する先も、あらかじめ決めておきます。社内に法務がある場合はその窓口、ない場合は顧問の弁護士や、業種ごとの専門家です。

相談の形式も揃えます。何を確認したいのか、どの部分が気になるのか、根拠として持っている資料は何か。この3点を書いて送ります。

そして、判断の結果を蓄積します。同じ論点は繰り返し発生するため、過去の判断が残っていれば相談そのものが減っていきます。

  • 書いてある内容を裏付ける資料が、手元にあるか
  • 一番や最高といった表現に、条件を満たす調査の報告書があるか
  • 効果の数字に、どう測ったかの説明が添えられているか
  • 事業者の関与がある投稿に、それが分かる表示があるか
  • 顧客の社名と担当者名の掲載について、書面の許諾があるか
  • 他社の文章や画像の引用が、主従の関係と出典の明示を満たしているか
  • 個人情報を取得する画面に、利用目的が示されているか
  • 扱う商材が、業種ごとの決まりの対象になっていないか

確認の所要時間も測っておきます。1本あたり何分かかるかが分かれば、工程に組み込む計画が立ちます。8項目なら、慣れれば10分程度で終わります。

STEP1
原稿が固まった段階で止める

公開直前ではなく、内容が確定した時点に確認の工程を置く。直前だと直す時間がない。

STEP2
8項目を担当者が確認する

根拠の有無、一番の表現、効果の数字、投稿の表示、許諾、引用、個人情報、業種。

STEP3
引っかかった項目だけ相談する

何を確認したいか、どこが気になるか、根拠として持つ資料は何かの3点を書いて送る。

STEP4
確認した記録を管理表に残す

確認日、確認者、根拠資料の場所の3つ。制作物と同じ場所に列を足す形にする。

STEP5
判断を蓄積して相談を減らす

同じ論点は繰り返し出る。過去の判断が残っていれば、次回は自分で判断できる。

外注先の制作物をどう確認するか

制作を外部に委託した場合も、公開する主体は自社です。問題が起きたときに、委託したことは説明になりません。受け取った制作物にも、同じ一覧で確認をかけます。

そのため、発注の段階で条件を伝えておきます。根拠のない数字を書かないこと、参照した資料を添えること。この2つを条件にするだけで、確認の作業が大きく減ります。

納品物の要件に、根拠の一覧を含めるのが実務的です。本文中の数字と、その出どころを並べた表です。この表があれば、確認は数分で終わります。

一番を名乗る表現や、効果を断定する表現については、発注の時点で使わないよう伝えておく方法もあります。後から直すより、最初から書かないほうが手間が少ない

契約書にも、権利と責任の分担を書いておきます。素材の権利の処理は誰が行うのか、問題が生じたときの対応はどうするのか。口頭の合意だけでは、いざというときに揉めます。費用の話と同じ重さで、この点を確認します。

そして、確認した結果は外注先にも伝えます。何を直したかが分かれば、次回の納品物の水準が上がります。黙って直していると、毎回同じ確認が発生します。確認の負担を減らす一番の方法は、発注先に伝えることです。

記録の残し方

確認したという事実を残すことにも意味があります。後から問い合わせを受けたときに、経緯を説明できます。

残す内容は3つで足ります。確認した日、確認した人、根拠として参照した資料の場所。詳細な記録は不要で、たどれる状態であればよい。

保存する場所は、制作物と同じ場所にします。記事の管理表に列を1つ足す形が扱いやすい。別の場所に置くと、探されずに終わります。

根拠の資料そのものも保管します。調査の報告書、顧客からの許諾の書面、効果の測定の記録。これらは公開後も長く必要になります。

保管の期間も決めておきます。その制作物が公開されている限り、根拠は必要です。公開を終えた後も、一定の期間は残します。

担当が変わるときには、この記録を引き継ぎます。根拠のない主張が残った制作物は、誰も理由を説明できない状態になります。

記録の様式は、既存の管理表に列を足す形で十分です。新しい仕組みを導入すると、入力されずに終わります。すでに毎日開いている表に足すのが、いちばん続きます

生成AIで作った文章の確認

下書きに生成AIを使う場面が増えています。この場合、確認の重要性がむしろ上がります。もっともらしい断定が混ざりやすいためです。

注意すべきなのが、数字と固有の名称です。存在しない調査の結果や、実際とは違う数値が自然な文章の中に紛れ込みます。根拠のない数字は、そのまま不当な表示になり得ます。

そのため、確認の項目に1つ足します。本文中のすべての数字について、出どころを言えるか。言えない数字は削ります。

表現の面でも注意が要ります。生成された文章は、断定的な言い回しになりやすい傾向があります。「必ず」「確実に」といった語が入っていないかを見ます。

他社の情報についても確かめます。競合の仕様や価格が生成された場合、その内容が現在も正しいとは限りません。

生成AIを使うこと自体に問題はありません。確認の工程を省かないことが条件になります。むしろ、下書きが速くなった分の時間を確認に回すのが正しい使い方です。

  • 調査の報告書を見ずに、一番や最高といった表現を使う
  • 1社の導入の効果を、すべての利用者に当てはまるかのように書く
  • 依頼して書いてもらった内容を、自発的な感想のように掲載する
  • 生成された文章の数字を、出どころを確かめずにそのまま公開する
  • ステマ規制は2023年10月1日施行。事業者の関与が分かる表示にする
  • 一番を名乗るには、比較の対象と調査の方法まで含めた根拠が要る
  • 確認は担当者が一次、専門家は例外だけ。工程は原稿が固まった段階に置く

生成の履歴を残す運用も有効です。どの指示で作った文章かが分かれば、誤りの原因をたどれます。同じ指示から同じ誤りが出るなら、指示の側を直します。

まとめ

マーケティングの表現に関わる決まりは、この数年で確実に厳しくなっています。2023年10月にステルスマーケティングが規制の対象となり、2024年10月には確約の手続が導入されました。公開してから止まる損失は、作るときの何倍もの時間になります。

とはいえ、すべてを専門家に回す体制は持てません。担当者が8項目の一覧で一次の確認をし、引っかかったものだけを相談するという二段構えが現実的です。

確認の工程は、原稿が固まった段階に置きます。そして、確認した日と人と根拠の場所を記録に残す。この2つを仕組みにしておけば、公開してから止まる事態はほとんど防げます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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