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司法書士事務所が依頼者とのオンラインの打合せ(Teams)を Copilot でまとめ、登記の内容の聞き取りと必要書類の一覧を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

依頼者とのオンラインの打合せの Teams の文字起こしから、依頼者が話した事実を確かさで分けて Copilot で表にします。事務所の書類の点検表に照らし、必要書類の一覧と依頼者への案内の下書きを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
不動産/士業
対象部門
法務
対象業務
書類作成/記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
45h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
67%
年間削減
360h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 打合せの予約を受け、招待を送る
  2. 打合せに出て、補助者がメモを取る
  3. 打合せのあと、メモと録画を見返し、依頼者が話した事実を聞き取りの記録に書く
  4. 登記の種類ごとの書類の点検表を開き、聞き取った事実に当てはめて、必要書類を書き出す
  5. 依頼者への案内のメールを、ひな形をもとに書く
  6. 司法書士の確認を受けてから、案内を依頼者に送る
導入後(After)
  1. 人事務所が打合せを Teams 会議として主催し、冒頭で依頼者の了承を得てから文字起こしを始める
  2. 人打合せのあと、会議の Copilot に決まった指示を出し、事実の表と確かめることの表を出させる
  3. 人Copilot Chat で、その表と登記の種類の書類の点検表・案内のひな形を「/」で参照させ、必要書類の一覧と案内の下書きを作らせる
  4. 人補助者が、事実の確かさの区分と書類の当てはめを、根拠の発言と点検表で確かめ、直す
  5. 人司法書士が、登記の内容と必要書類の一覧を確かめる
  6. 人補助者が案内を整えて依頼者に送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 打合せの予約を受け、招待を送る
  2. 打合せに出て、補助者がメモを取る
  3. 打合せのあと、メモと録画を見返し、依頼者が話した事実を聞き取りの記録に書く
  4. 登記の種類ごとの書類の点検表を開き、聞き取った事実に当てはめて、必要書類を書き出す
  5. 依頼者への案内のメールを、ひな形をもとに書く
  6. 司法書士の確認を受けてから、案内を依頼者に送る

(a)録画を見返すのに時間がかかる。 依頼者は、亡くなった方の経歴や家族の事情から話し始めることが多く、登記に要る事実は話のあちこちに散らばります。 不動産の所在、相続人の名前、遺言の有無を探すために録画を戻します。

(b)記憶の話が事実として残る。 「兄弟は3人だったと思います」が記録では「相続人:子3名」になり、それをもとに案内を作ります。 戸籍を取り寄せてから前の婚姻の子が分かると、案内をやり直し、依頼者に追加の書類を頼むことになります。

(c)書類の案内が漏れる。 点検表は登記の種類ごとにありますが、「登記簿の住所と今の住所が違う」「相続人の1人が海外に住んでいる」といった条件で要る書類が増えます。 条件に当たる話を聞き逃すと、案内から書類が抜け、依頼者に役所へもう一度行ってもらうことになります。

(d)案内の質が補助者によって違う。 経験の長い補助者は、話の途中で「海外にお住まいの方は」と条件に当たる話を引き出しますが、経験の浅い補助者は点検表の条件を頭に入れきれていません。 同じ相談でも、案内される書類の数が担当によって変わります。

(e)依頼者に確かめることが残る。 打合せで答えられなかったこと(固定資産の全部を把握しているか、遺産の分け方は話し合ったか)を、記録の文の中から拾い出して依頼者に尋ね直す手間があります。

  1. 【人】 事務所が打合せを Teams 会議として主催し、冒頭で依頼者の了承を得てから文字起こしを始める
  2. 【人】 打合せのあと、会議の Copilot に決まった指示を出し、事実の表と確かめることの表を出させる
  3. 【人】 Copilot Chat で、その表と登記の種類の書類の点検表・案内のひな形を「/」で参照させ、必要書類の一覧と案内の下書きを作らせる
  4. 【人】 補助者が、事実の確かさの区分と書類の当てはめを、根拠の発言と点検表で確かめ、直す
  5. 【人】 司法書士が、登記の内容と必要書類の一覧を確かめる
  6. 【人】 補助者が案内を整えて依頼者に送る

この構成に自動で動く部分はありません。 依頼者に案内を送るのも、司法書士が登記の内容を決めるのも人です。Copilot が作るのは表と下書きまでです。

4番目が、この設計の分かれ目です。 「書類で確かめた事実」として表に載った行は、そのまま書類の当てはめに使われます。補助者は、その行の根拠の発言に、依頼者が書類を見ながら話した様子(「通知書には〜と書いてあります」)があるかを確かめます。 無ければ「記憶」に直します。

5番目は省けません。 どの登記を申請するか、誰が相続人で誰が取得するかは、司法書士が戸籍や書類を見て判断することで、打合せの記録から決まるものではありません。

02今回想定するシステム構成

構成図
依頼者とのオンラインの打合せ(事務所が主催する Teams 会議、依頼者は社外として参加)
   │  冒頭で了承を得て文字起こしを始める
   ▼【トリガー】会議の終了
会議の Copilot(会議のチャットの「まとめ」タブ)
   ├──▶ 事実の表(項目/依頼者の話/確かさの区分/根拠の発言と時刻)
   └──▶ 確かめることの表(打合せで答えが出なかったこと)
   ▼
Copilot Chat(「/」で 登記の種類の書類の点検表/案内のひな形 を参照)
   ├──▶ 必要書類の一覧(依頼者が用意/事務所が取り寄せ/事実が決まるまで保留)
   └──▶ 依頼者への案内の下書き
   ▼
【補助者が区分と当てはめを確かめる】 → 【司法書士が内容と一覧を確かめる】
   ▼
依頼者へ案内を送る(人)/案件の一覧に記録する(人)
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot、Copilot Chat)ChatGPT Enterprise、Claude、Gemini
会議Microsoft Teams(事務所が主催する会議と文字起こし)会議の録画
台帳SharePoint リスト(案件の一覧)事務所の案件管理の仕組み
保管SharePoint(書類の点検表・案内のひな形・案件ごとのフォルダ)事務所のファイルサーバー

新しく足すものはありません。 補助者と司法書士がすでに Copilot のライセンスを持っている前提です。依頼者が Teams やライセンスを持つ必要はありません。 招待のリンクから参加してもらいます。

打合せは、事務所が主催します。 公式のページでは、参加者の組織の外で主催された会議では Copilot は動かないとされています。依頼者の会社の Teams から招待が届く場合(会社の役員の変更の依頼など)は、事務所から招待を出し直します。

打合せのあとに Copilot を使うには、文字起こしが要ります。 公式のページでは、会議のあとに話された内容について Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしを有効にしている必要があるとされ、会議のあとは会議のチャットの「Copilot を開く」か「まとめ」タブから開けるとされています。

依頼者は、打合せのあとに文字起こしを見られません。 公式の文字起こしのページでは、別の組織の参加者は会議のあとに文字起こしを見ることもダウンロードすることもできず、匿名の参加者は文字起こしを見ることもできないとされています。依頼者に残るのは、事務所が送る案内です。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

打合せの終了をきっかけに、補助者がその日のうちに始めます。 依頼者は打合せの直後に「何を用意すればいいか」をいちばん早く知りたいからです。役所に行く日を決めるのは依頼者で、案内が遅れるほど集め終わるのも遅れます。

文字起こしは、依頼者の了承を得てから始めます。 公式の文字起こしのページでは、文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されるとされています。ただ、通知は了承の代わりになりません。補助者が冒頭で「聞き漏れを防ぐために文字起こしを使います。記録は事務所の中だけで使います」と伝え、了承の返事を文字起こしの最初に残します。 了承が得られなければ、その打合せはこれまでどおりメモで記録します。

打合せは案件ごとに別の会議として立てます。 公式のページでは、定期的な会議で後の回が文字起こしされると、それまでの回の Copilot とのやり取りの履歴は使えなくなるとされています。同じ依頼者との2回目の打合せも、別の会議として立て、Copilot の表はその日のうちに案件ごとのフォルダに保存します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし打合せの発言(話者の名前と時刻つき)Teams の会議
書類の点検表登記の種類ごとに、いつも要る書類と、条件によって要る書類とその条件事務所のフォルダ
案内のひな形依頼者への書類の案内の文面と、取り方の説明事務所のフォルダ
出席者の一覧名前、立場(依頼者本人・家族・事務所)、続柄補助者が打合せの前に作る一覧
予約のときの聞き取り依頼の種類、不動産の所在の概略、依頼者の連絡先案件の一覧

質を決めるのは、書類の点検表の書き方です。 「相続人に未成年者がいる場合」「登記簿の住所と亡くなった方の最後の住所が違う場合」のように、条件と書類が1行ずつ並んだ表にしておきます。 条件が文章の中に埋もれた手引きのままだと、Copilot は条件に当たる話を拾えても、どの書類に結びつけるかを取り違えます。

点検表は、事務所の司法書士が作り、改めた日を表に書きます。 書類の取り扱いは改正や運用で変わることがあります。Copilot は点検表に書かれたことしか使わないので、点検表が古ければ案内も古くなります。

出席者の一覧には、続柄を入れます。 文字起こしには話者の名前が付きますが、その人が亡くなった方の子なのか、子の配偶者なのかは書かれていません。 続柄があれば、「誰が言ったか」で話の確かさを補えます。

Step3

データの取得方法を決める

会議の Copilot には、会議のチャットの「まとめ」タブから指示を出します。 ここで事実の表と確かめることの表を作らせ、その表を Copilot Chat に貼ってから、書類の点検表と案内のひな形に照らさせます。 公式のページでは、会議の Copilot はチャットに書かれたことと、文字起こしに残った発言を使うとされ、画面で共有された書類の中身を使うとは書かれていないためです。

取るものどこからどう渡すか
事実の表・確かめることの表会議の Copilot の回答案件ごとのフォルダに保存し、Copilot Chat に貼る
書類の点検表事務所のフォルダCopilot Chat の入力欄で「/」を入力して選ぶ
案内のひな形事務所のフォルダ「/」で選ぶ

依頼者が画面で見せた書類は、読み上げてもらいます。 固定資産税の通知書や登記の書類を画面に映してもらうことがありますが、画面の共有だけでは Copilot が中身を拾えません。 補助者が「所在と地番を読み上げていただけますか」と頼むと、文字起こしに残り、確かさの区分も「書類で確かめた事実」にできます。

地番や名字の漢字は、会議のチャットに書いてもらうのも有効です。 公式のページでは、会議の Copilot は文字起こしに加えて会議のチャットに書かれたことも使い、会議の前24時間までのチャットも含めるとされています。読み上げだけだと「一の二十三」と「1-23」の聞き違いが起きますが、依頼者が書類を見ながらチャットに打った文字は、そのまま根拠として写せます。

公式のページでは、Copilot Chat の「/」で参照できるのは、1つの SharePoint のサイトから10件までのファイルやページとされています。登記の種類ごとの点検表を1つのファイルにまとめ、参照するのは点検表とひな形の2つで済む形にします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 出席者の一覧を作る … 名前、立場、続柄
  2. 依頼の種類を確かめる … 予約のときの聞き取りから、点検表のどの登記の種類を使うかを先に決めます
  3. 聞き取りの順番を決める … 「不動産」「亡くなった方」「相続人」「遺言・遺産の分け方」「住所の変更」の順に聞きます
  4. 書類は読み上げてもらう … 画面に映した書類の要の部分を、依頼者に読み上げてもらいます
  5. 区切りと確かめを口にする … 項目の終わりに、補助者が「土地は2筆、通知書で確かめた、建物は覚えていない、ということでよろしいですか」と確かさを付けて言い直します

5番目を軽く見ないでください。 補助者が言い直し、依頼者が答えるだけで、Copilot が確かさの区分の根拠にできる発言が、項目ごとに生まれます。 依頼者にとっても、何が「分からない」まま残ったかがその場で分かります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、打合せの発言を項目ごとの事実に分け、確かさの区分を付け、根拠の発言を写すこと、確かめることを並べること、事実を書類の点検表の条件に当てはめることです。

させること中身判断できないときの扱い
事実の項目不動産の所在、亡くなった方の氏名・最後の住所・亡くなった日、相続人と続柄、遺言の有無、遺産の分け方の話し合い、登記簿の住所との違い、海外に住む人の有無など点検表に無い項目は「その他」
確かさの区分書類で確かめた事実/依頼者の記憶/分からない書類を見た様子が発言に無ければ「記憶」
話した人出席者の一覧で、立場と続柄を付ける一覧に無ければ「話者不明」
確かめること打合せで答えが出なかったこと、依頼者が「調べておきます」と言ったこと漏れのないよう、迷えば載せる
点検表への当てはめ事実が点検表の条件に当たるか事実が「分からない」なら「事実が決まるまで保留」
書類の振り分け依頼者が用意する/事務所が取り寄せる(点検表の区分のとおり)点検表に区分が無ければ「区分なし」

「確かさの区分」が、この構成でいちばん大事なところです。 「通知書には〜と書いてあります」「戸籍を見たら〜」は書類で確かめた事実、「〜だったと思います」「たしか」は記憶、「分かりません」「聞いてみます」は分からない、です。区分を決め手の言葉と一緒に写させれば、補助者は根拠の発言を読んで数秒で確かめられます。

させないこと理由
誰が相続人か、持分はいくつかを決めること戸籍と法の定めで司法書士が判断する
どの登記を申請するかを決めること司法書士が判断する
点検表に無い書類を足すこと一般の知識で書類を足すと、事務所の運用と違う案内になる
申請の期限を計算すること「知った日」などの事実の確かめが要る。司法書士が判断する
依頼者の家族の関係や事情の良し悪しを書くこと記録は登記に要る事実だけ

1行目と3行目が、いちばん起きやすい失敗です。 依頼者が「兄弟3人で分けます」と話すと、何も言わなければ Copilot は相続人を3人と書き、持分を3分の1ずつとしがちです。相続人の範囲は戸籍で確かめるまで決まりません。 書類も、Copilot が一般の知識から「念のため」と足すと、依頼者は要らない書類を取りに行くことになります。

Step6

指示内容を固定する

会議の Copilot への指示(「まとめ」タブで出す):

この会議は、当事務所と依頼者の登記の打合せです。
出席者の一覧を使い、次の2つの表を作ってください。

【出席者】{attendees}   ← 名前/立場(依頼者本人・家族・事務所)/続柄
【依頼の種類】{registration_type}

【表1 事実】
項目/依頼者の話(話されたとおり)/確かさの区分/話した人(立場・続柄)/根拠の発言(話者・時刻)
【表2 確かめること】
内容/誰が確かめるか(依頼者・事務所)/根拠の発言(話者・時刻)

【確かさの区分の決め方】
- 書類で確かめた事実 … 依頼者が書類を見ながら話した、または読み上げた場合だけ
- 依頼者の記憶 … 「思います」「たしか」「はず」を含む話、書類を見た様子の無い話
- 分からない … 「分かりません」「聞いてみます」「調べます」
【厳守事項】
- 根拠の発言は、文字起こしの文をそのまま写してください。要約しないでください。
- 地番・家屋番号・氏名・日付は話されたとおりに写し、補ったり直したりしないでください。
- 相続人の範囲、持分、申請する登記の種類を書かないでください。
- 申請の期限を計算しないでください。
- 迷ったときは「書類で確かめた事実」ではなく「依頼者の記憶」を選んでください。
- 家族の関係や事情について、良し悪しや推測を書かないでください。

Copilot Chat への指示(表を貼ってから出す):

次の表と、/書類の点検表 /案内のひな形 を参照してください。

1. 点検表の「{registration_type}」の行のうち、いつも要る書類を並べてください。
2. 点検表の条件つきの書類ごとに、表1の事実がその条件に当たるかを、
   「当たる」「当たらない」「事実が決まるまで保留」で示し、根拠にした表1の行を書いてください。
   表1の区分が「分からない」の事実を根拠にするときは、必ず「保留」としてください。
3. 書類を、点検表の区分のとおり「依頼者が用意」「事務所が取り寄せ」に分けてください。
   点検表に無い書類を足さないでください。
4. 案内のひな形を使い、依頼者が用意する書類と、表2で依頼者が確かめることの案内の下書きを作ってください。
   「保留」の書類は「確かめていただいた後にご案内します」と書いてください。

「点検表に無い書類を足さない」を2か所に書くのは、 Copilot が親切に書類を足すと、補助者が点検表と見比べないかぎり気づけないからです。足すかどうかは、司法書士が決めます。

Step7

出力形式を固定する

必要書類の一覧は、次の列で受け取ります。

書類 | 区分 | 当てはめ | 根拠の事実(表1) | 根拠の時刻
固定資産税の課税明細書(最新年度) | 依頼者が用意 | いつも要る | - | -
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍 | 事務所が取り寄せ | いつも要る | - | -
亡くなった方の住民票の除票 | 事務所が取り寄せ | 当たる | 登記簿の住所と最後の住所が違う(依頼者の記憶) | 00:09「たしか登記のあとに引っ越しています」
遺産分割協議書 | 事務所が作る | 事実が決まるまで保留 | 遺産の分け方の話し合い(分からない) | 00:21「兄とはまだ話していません」
在留証明 | 依頼者が用意 | 事実が決まるまで保留 | 相続人の1人が海外に住む(依頼者の記憶) | 00:15「弟は今アメリカだと思います」

確かめることの一覧は、誰が確かめるかで分けて受け取ります。

【依頼者に確かめていただくこと】
・ご兄弟の方と、遺産の分け方を話し合われたか | 00:21
・弟さんの今の住所(国と都市) | 00:15
・建物が登記されているか(課税明細書に家屋の記載があるか) | 00:07
【事務所が確かめること】
・相続人の範囲(戸籍で確かめる) | 00:12「兄弟は3人だったと思います」

1つ目の理由は、書類ごとの当てはめの根拠が見えることです。 住民票の除票は「依頼者の記憶」をもとに「当たる」になっています。補助者は、登記簿の住所を確かめてから案内に入れるかを決められます。 第3章の(c)の漏れは、条件に当たる話が表に出ることで減ります。

2つ目は、「保留」が案内から外れることです。 遺産分割協議書と在留証明は、事実が決まるまで案内しません。依頼者は、今すぐ取りに行くものだけを案内で受け取ります。 第3章の(b)の「案内のやり直し」を、ここで防ぎます。

3つ目は、確かめることが一覧で依頼者に届くことです。 第3章の(e)の拾い出しが、表2で済みます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams の会議事務所が主催し、了承を得て文字起こしを始める文字起こしと会議の Copilot
事務所のフォルダ(SharePoint)Copilot Chat から「/」で参照書類の点検表と案内のひな形
案件ごとのフォルダ(SharePoint)補助者が保存する事実の表と確かめることの表
依頼者補助者がメールで送る司法書士が確かめた案内

案内は補助者が送ります。 Copilot の下書きをそのまま送ることはしません。司法書士が確かめた書類の一覧をもとに、補助者が依頼者の状況に合わせて整えます。

案件の一覧への記録も、補助者が行います。 事実の表を案件の一覧に写すのは、戸籍などで確かめた後です。記憶の話を案件の一覧に写すと、事務所の中で事実として扱われます。

Step9

人が確認する

  1. 「書類で確かめた事実」の行を確かめる … 根拠の発言に、書類を見た様子や読み上げがあるかを見ます。無ければ「記憶」に直します
  2. 地番・氏名・日付を確かめる … 文字起こしの聞き違いが起きやすい行です。録画のその時刻で聞き直します
  3. 書類の当てはめを点検表で確かめる … 「当たる」「保留」の根拠の事実が正しいか、点検表に無い書類が混ざっていないかを見ます
  4. 司法書士が登記の内容と一覧を確かめる … どの登記を申請するかを決め、一覧を了承します

1番目と3番目を省かないでください。 1番目を省くと記憶が事実として案内に使われ、3番目を省くと、点検表に無い書類や外れた書類がそのまま依頼者に届きます。

目標は、1件あたり15分です。 内訳は第10章に示します。相続人が多い案件や家族の話が食い違った案件は15分を超えますが、住所の変更や抵当権の抹消のように事実の少ない案件で釣り合うという見立てです。

本人と意思の確認は、この構成の外で行います。 オンラインの打合せの記録は、事務所の規程に沿った本人の確認や、登記の意思の確認の代わりになりません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
依頼者が文字起こしを了承しないその打合せは文字起こしをせず、これまでどおりメモで記録する
依頼者の会社の側が会議を主催したCopilot が動かない。事務所から招待を出し直す
文字起こしを始め忘れた会議の Copilot は打合せのあとに使えない。メモと録画で書く
依頼の種類が打合せの中で変わった点検表の登記の種類を選び直してから Copilot Chat に指示を出す
地番や氏名の聞き違いが多い依頼者に書類の写しを送ってもらい、そちらを正とする
家族の間で話が食い違った両方の発言を写し、「分からない」として依頼者に確かめる
家族の事情など登記に要らない話が長く続いた事実の表には載せない。記録に残す範囲は登記に要る事実だけ
Copilot が使えない(障害・ライセンス)これまでどおり録画とメモで書く

5行目は、文字起こしの限界です。 地番の数字や珍しい名字は、言い方によって聞き違いが起きます。案内に使う前に、書類の写しで確かめる工程を外さないでください。

6行目は、相続の打合せでよく起きます。 「父は再婚していない」「いや、一度している」のような食い違いを、Copilot にどちらかに決めさせず、両方を写して戸籍で確かめます。

Step11

記録を残す

  • 会議の Copilot の表と、Copilot Chat の一覧(案件ごとのフォルダ)
  • 依頼者の了承の発言の時刻
  • 司法書士が確かめた書類の一覧と、確かめた日時
  • 依頼者に送った案内と、送った日時
  • 補助者が直した行と、直す前の区分
  • 使った書類の点検表の版(改めた日)

最後の行は、点検表を改めたときのためです。 どの版の点検表で案内したかが残っていれば、改める前の版で案内した依頼者を拾い出し、追加の案内が要るかを確かめられます。

4つ目と書類の一覧が、依頼者とのやり取りの記録になります。 後から「その書類は案内されていなかった」と言われたとき、何をいつ案内したかを示せます。

04実装レベルの3段階

最小構成:相続の打合せで文字起こしし、会議の Copilot で2つの表を作る / 事実と確かめることの表
半自動化:上記+すべての登記の種類で使い、Copilot Chat で書類の点検表に当てはめて案内を下書きする / 必要書類の一覧と案内の下書き
本格構成:上記+司法書士が確かめた案内の送付と、書類の届き具合の追いかけをワークフローで行う / 案内の送付と未着の書類の知らせ

最小構成では、書類の当てはめはまだ手で行います。 確かめたいのは確かさの区分の付け方です。 半自動化で、1件45分が15分程度になります。 録画の見返しが無くなり、書類の一覧と案内が Copilot の下書きから始まります。この段階が本記事の想定です。 本格構成は、点検表と案内のひな形がすべての登記の種類で揃ってから進みます。 確かめた案内だけをワークフロー(Power Automate など)で送り、届いた書類を案件ごとに記録すると、未着の書類を依頼者に知らせる手間が減ります。 司法書士の確認は、本格構成でも外しません。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  60件 × 45分 ÷ 60 = 45 時間/月
導入後 60件 × 15分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
30h
削減率
67%
年間削減時間
360h
年間金額換算(時間単価3,500円)
126万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

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このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 相続の登記や住所の変更の登記の相談が増え、依頼者との最初の打合せをオンラインで月に数十件行っている司法書士事務所。打合せのあとに補助者が録画やメモを見返して聞き取りの記録と必要書類の案内を作っており、書類の案内の漏れで依頼者に何度も役所へ行かせたことがある場合。打合せを事務所が主催する Teams 会議で開け、事務所に Microsoft Copilot のライセンスがすでにある場合。
向いていない
  1. 打合せのほとんどが対面か電話で、オンラインの打合せが月に数件の事務所。依頼者が打合せの文字起こしを了承しない場合。登記の種類ごとの書類の点検表を事務所で持っておらず、作る予定も無い場合(点検表づくりが先です)。なお、どの登記を申請するか、相続人の範囲や持分、添付する書類の要否の判断、本人と意思の確認は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 相続の登記の打合せを、事務所が主催する Teams 会議で開き、了承を得て文字起こしする
  2. 補助者に、項目の終わりに確かさを付けて言い直してもらう
  3. 会議の Copilot に第7章の指示を出し、2つの表を作らせる
  4. これまでどおり手で作った聞き取りの記録と、表を並べる
  5. 確かさの区分が、手で作ったものと合っているかを見る

5件は必ずやってください。 ここで確かめるのは、依頼者の「〜だったと思います」が事実として扱われていないかです。

出てきた内容判断
区分が手の記録とほぼ同じだったCopilot Chat で書類の点検表に当てはめる段階に進む
記憶の話が「書類で確かめた事実」になった指示の区分の言葉を足す。構成は有効
書類の当てはめがばらつく点検表を条件と書類が1行ずつの表に直すのが先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 これまでは補助者が、手引きの文章を読んで頭の中で当てはめていたということです。点検表を表に直せば、補助者が替わっても同じ案内が出ます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
記憶の話が事実になる区分は書類を見た様子がある場合だけと指示し、根拠の発言で確かめる
Copilot が相続人や持分を決める指示で禁じ、相続人の範囲は「事務所が確かめること」に置く
点検表に無い書類が足される2か所で禁じ、点検表と見比べる
地番や氏名を聞き違う書類を読み上げてもらい、写しで確かめる
画面で見せた書類が拾えない要の部分を読み上げてもらう
点検表が文章で、当てはめがばらつく条件と書類が1行ずつの表に直す
依頼者の会社の主催で Copilot が動かない事務所から招待を出し直す
了承を得ずに文字起こしする冒頭で伝え、了承の返事を残す
点検表を改めたのに古い版で案内する点検表に改めた日を書き、記録に使った版を残す

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、依頼者に届く案内が、確かめていない事実や事務所の運用と違う書類から作られる失敗です。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者と家族の氏名・住所・続柄、亡くなった方の情報、不動産の所在、家族の事情、遺産の分け方の話です。依頼者の家族の内情がまとまった、慎重に扱うべき個人の情報です。

  1. 案件ごとのフォルダの権限を絞る … Copilot は利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを示すとされています。権限が広いと、担当でない人の Copilot が別の依頼者の事情を材料に使いえます。 担当の司法書士と補助者に絞ります
  2. 依頼者の了承を得てから文字起こしする … 文字起こしが始まると全員に通知が出ますが、通知は了承の代わりになりません。 目的と、記録を事務所の中だけで使うことを伝えます
  3. 記録に残す範囲を絞る … 登記に要らない家族の事情は、事実の表に載せません
  4. 学習への利用と処理の地域について … 公式のページでは、指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータは基盤モデルの学習に使われないとされています。一方で、EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうるとされています。事務所の個人情報の取り扱いの方針と合うかを確かめます
  5. やり取りの保存 … Copilot とのやり取りは利用履歴として保存され、管理者は Microsoft Purview で保持の方針を決められるとされています。案件の記録の保存の期間と合わせて決めます
  6. 登記の判断を Copilot に任せない … 表は下書きで、司法書士が確かめた一覧だけを案内に使います

誤りが起きた場合のリスクは、確かめていない事実をもとに書類を案内することと、依頼者の家族の事情を広く見える場所に残すことの2つです。 前者は確かさの区分と司法書士の確認で止め、後者はフォルダの権限と記録の範囲で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:点検表を表に直す

相続の登記の書類の点検表を、条件と書類が1行ずつの表に直します。 「依頼者が用意」「事務所が取り寄せ」の区分と、改めた日を書きます。

2週目:打合せの型を決める

冒頭の了承の伝え方、聞き取りの順番、書類の読み上げ、項目の終わりの言い直しの型を決め、補助者全員で同じ言い回しを使うことを確かめます。

3週目:相続の打合せで試す

5件の打合せを文字起こしし、会議の Copilot で2つの表を作ります。手で作った記録と並べ、記憶の話が事実になっていないかを最優先で見ます。

4週目:点検表に当てはめる

Copilot Chat で書類の一覧と案内の下書きを作り、点検表に無い書類が足されていないか、保留の書類が案内に入っていないかを司法書士と確かめます。

2か月目: 住所の変更、抵当権の抹消、役員の変更の点検表も表に直し、すべての打合せで使います。3か月目以降: 1件45分が何分になったかを実測し、依頼者に追加の書類を頼んだ回数を数えます。記憶の話の直しがほとんど出なくなり、追加の書類の依頼が減った時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
会議のあとに話された内容について Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしが必要なこと。会議のチャットの「Copilot を開く」または「まとめ」タブから開けること。参加者の組織の外で主催された会議では動かないこと。定期的な会議で後の回が文字起こしされると前の回の履歴が使えなくなること。チャットに書かれたことと文字起こしの発言を使うことMicrosoft Support: Use Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-28
文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されること。別の組織の参加者は会議のあとに文字起こしを見ることもダウンロードすることもできず、匿名の参加者は文字起こしを見ることもできないことMicrosoft Support: View live transcription in Microsoft Teams meetings2026-10-28
Copilot Chat の「/」で、ファイル、会議、メール、SharePoint のサイト・ページ・リストを参照できること。1つの SharePoint のサイトから参照できるファイルやページは10件までであることMicrosoft Support: Refer to specific files and more in Microsoft 365 Copilot2026-10-28
利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すこと。指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータが基盤モデルの学習に使われないこと。やり取りが利用履歴として保存され、管理者が Microsoft Purview で保持の方針を決められること。EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-28
相続で所有権を取得した者は、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならないこと(第76条の2)。相続人である旨の申出ができること(第76条の3)。所有権の登記名義人の氏名・住所の変更から2年以内に変更の登記を申請しなければならないこと(第76条の5)。正当な理由なく怠った場合の過料(第164条)e-Gov 法令API: 不動産登記法2026-10-28

どの登記を申請するか、相続人の範囲、添付する書類の要否は、司法書士が戸籍と書類をもとに判断してください。 本記事は、上記の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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