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旅行会社がツアーのパンフレットと募集の広告の原稿を、ChatGPT で旅行業法の表示の事項と社内のルールに照らして校正する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

旅行会社が、ツアーのパンフレットや募集の広告の原稿を、ChatGPT で旅行業法の広告の表示事項と、ツアーの企画書の値と、社内の表記のルールに照らして校正します。担当は、出てきた漏れと食い違いの一覧を原稿と企画書で確かめ、直すだけになります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Microsoft Copilot
対象業界
その他/宿泊/広告
対象部門
マーケティング
対象業務
内容確認・チェック/比較検討
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
校正
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
32h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
69%
年間削減
264h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 制作会社から原稿(文書と PDF)が届く
  2. 企画の担当が、企画書を横に置いて、日程・代金・食事・宿泊を1つずつ見比べる
  3. 紙のチェックリストで、法令の表示の事項と社内の決まりを1項目ずつ確かめる
  4. 気になる表現に付箋を付け、表記の誤りに赤字を入れる
  5. 直しの指示をまとめて制作会社に返す
  6. 直った原稿を責任者が見て、校了にする
導入後(After)
  1. 人企画の担当が、原稿の文書と、その時点の企画書の書き出しを用意する
  2. 人ChatGPT のプロジェクト「広告の校正」で新しいチャットを開き、媒体の種類を書いて原稿と企画書を貼る
  3. 自動ChatGPT が、表示の事項の一覧に沿って、事項ごとに原稿の該当箇所を引用し、有無を付ける
  4. 自動原稿の日程・代金・食事・宿泊・人数などの値を、企画書の値と並べて照合する
  5. 自動確認が要る表現を拾い、規則の区分(景観、安全、代金など)を付ける
  6. 自動社内の表記のルールに外れる箇所と誤字を拾う
  7. 自動文書だけでは点検できないこと(文字の大きさ、写真)を【点検できなかったこと】として並べる
  8. 人担当が一覧を原稿と企画書で確かめ、直しの指示をまとめて制作会社に返す
  9. 人責任者が、確認が要る表現と【点検できなかったこと】を見て、校了にする
各工程の詳しい説明を読む
  1. 制作会社から原稿(文書と PDF)が届く
  2. 企画の担当が、企画書を横に置いて、日程・代金・食事・宿泊を1つずつ見比べる
  3. 紙のチェックリストで、法令の表示の事項と社内の決まりを1項目ずつ確かめる
  4. 気になる表現に付箋を付け、表記の誤りに赤字を入れる
  5. 直しの指示をまとめて制作会社に返す
  6. 直った原稿を責任者が見て、校了にする

(a)出発日ごとの代金がずれる。 代金が出発日によって違うコースでは、原稿の代金表と企画書の代金表を1日ずつ見比べます。1つの行のずれ、改定前の代金の残りは、目で追うと落ちます。 法令の規則では、出発日により代金が異なる場合に最低額を表示するときは、併せて最高額を表示することとされていて、「○○円〜」とだけ書いた原稿も見落とす型です。

(b)書かれていない事項に気づけない。 書かれている値は見比べられますが、書かれていない事項は、見比べる相手がありません。 最少催行人員、添乗員の同行の有無、取引条件の説明を行う旨のどれかが抜けていても、紙面が埋まっていると気づきにくくなります。

(c)食事の回数と内容が合わない。 「朝1・昼2・夕1」の食事の回数が、日程の本文と食事の欄で違う。日程の本文で「昼食は各自」と書かれた日が、食事の欄では昼食付きになっている、といった誤りです。参加者からの問い合わせと、当日の苦情につながります。

(d)点検の観点が担当で違う。 担当Aは代金を細かく見て表現は見ない、担当Bは表現を細かく見て代金は企画書を信じる。チェックリストはあっても、どこまで見るかが人によって違います。 責任者が最後に見る時間も、原稿の数が多い月ほど短くなります。

  1. 【人】 企画の担当が、原稿の文書と、その時点の企画書の書き出しを用意する
  2. 【人】 ChatGPT のプロジェクト「広告の校正」で新しいチャットを開き、媒体の種類を書いて原稿と企画書を貼る
  3. 【自動】 ChatGPT が、表示の事項の一覧に沿って、事項ごとに原稿の該当箇所を引用し、有無を付ける
  4. 【自動】 原稿の日程・代金・食事・宿泊・人数などの値を、企画書の値と並べて照合する
  5. 【自動】 確認が要る表現を拾い、規則の区分(景観、安全、代金など)を付ける
  6. 【自動】 社内の表記のルールに外れる箇所と誤字を拾う
  7. 【自動】 文書だけでは点検できないこと(文字の大きさ、写真)を【点検できなかったこと】として並べる
  8. 【人】 担当が一覧を原稿と企画書で確かめ、直しの指示をまとめて制作会社に返す
  9. 【人】 責任者が、確認が要る表現と【点検できなかったこと】を見て、校了にする

8番目が、この設計の分かれ目です。 ChatGPT の一覧をそのまま制作会社に送ることはしません。一覧の1行ずつに原稿の引用と企画書の値が付いているので、担当はその2つを見比べて、正しい指摘かを決めます。 原稿を頭から読み直す必要はありません。

9番目で責任者が見るものを絞ります。 値の照合は担当が済ませているので、責任者が見るのは表現の判断と、文書では点検できない紙面のことだけです。原稿の数が多い月でも、責任者の時間が足りなくなりません。

02今回想定するシステム構成

構成図
制作会社の原稿(文書と PDF)/ツアーの企画書(スプレッドシート)
   │  原稿は文書から本文を写す/企画書はコースの行を書き出す
   ▼【トリガー】原稿の受け取り(初校・再校)
ChatGPT(プロジェクト「広告の校正」)
   ├─ プロジェクトの指示(点検の順、守ること、出力の形)
   └─ ソース(表示の事項の一覧、確認が要る表現の区分、社内の表記のルール)
   ▼
【表示の事項】【企画書との照合】【確認が要る表現】【表記】【点検できなかったこと】
   ▼
【担当が原稿と企画書で確かめる】→ 直しの指示を制作会社へ
   ▼
【責任者が表現と紙面を見て校了】
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(ChatGPT Business のプロジェクト)Claude、Microsoft Copilot
正本ツアーの企画書(共有のスプレッドシート)企画の管理のシステムの書き出し
原稿制作会社から届く文書と PDF社内で作る原稿
記録コースごとの校正の記録のフォルダ共有のドライブ

新しく足すのは、ChatGPT の業務向けのプランだけです。 企画書、原稿のやり取り、社内の表記のルールはいまのものを使います。最初の準備は、紙のチェックリストを「表示の事項の一覧」と「確認が要る表現の区分」の2つの文書に起こすことです。

中心は、ChatGPT のプロジェクトです。 公式のページでは、プロジェクトにはアップロードしたファイルなどを置く「ソース」の欄があり、プロジェクトの指示はプロジェクトのチャット全体に適用されるとされています。表示の事項の一覧と表記のルールをソースに置けば、担当が誰でも同じ観点で点検されます。(d)は、ここで片付きます。

チャットは、原稿ごとに分けます。 公式のページでは、目的ごとに別のチャットを始めると、メッセージと結果が混ざらないとされています。同じチャットで続けて点検すると、前のコースの代金や日程が文脈に残り、照合の相手を取り違えます。

プロジェクトはパソコンのファイルを見に行きません。 公式のページでは、ChatGPT のプロジェクトはパソコンのフォルダに直接アクセスしないとされています。企画書は、点検のたびにそのコースの行を書き出してチャットに貼ります。 ソースに企画書を置き続けると、改定前の代金で照合されることになります。

業務向けのプランにするのは、入力を学習に使わせないためです。 ChatGPT の公式のページでは、Business・Enterprise・Edu のワークスペースで既定では業務のデータをモデルの学習に使わないとされています。発表前のコースの代金と仕入れの条件は、競合に知られたくない情報です。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

起点は、制作会社から原稿が届いたときです。 初校と再校の両方で回します。再校では、初校の一覧で直しを頼んだ箇所が直っているかを、同じ手順で確かめます。 再校だけを目で見ると、直しのついでに別の箇所が変わったことに気づけません。

企画書が直ったときも、トリガーです。 出発日の追加、代金の改定、バス会社や宿の変更があったときは、そのコースが載っている原稿を全部点検し直します。 パンフレット、チラシ、新聞広告、Web の募集ページで、直し漏れが出やすいのは後から作った短い原稿です。

媒体の種類は、チャットの最初に書きます。 パンフレット、チラシ、新聞広告、Web の募集ページで、載せる事項の範囲は同じでも、社内の表記のルールと字数の決まりが違います。 媒体を書くと、ソースの中のどのルールを使うかが決まります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
原稿見出し、コピー、日程の本文、食事・宿泊・バスの欄、代金表、注意書き、企画者の表示、取引条件の説明を行う旨制作会社から届く文書から本文を写す
企画書の書き出しコース名、日程、出発日ごとの代金、食事の回数と内容、宿泊先、バス会社、最少催行人員、添乗員の同行の有無、企画書の更新日共有のスプレッドシートからそのコースの行を書き出す
表示の事項の一覧法令で表示が求められる事項を、社内の言葉で書いたものプロジェクトのソースに置く
確認が要る表現の区分誇大な表示をしてはならないとされる事項の区分と、社内で使わない言葉の例プロジェクトのソースに置く
社内の表記のルール日付・曜日・代金の書き方、媒体ごとの字数、会社名の表記プロジェクトのソースに置く

表示の事項の一覧は、法令の規則から作ります。 旅行業法は、企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは、国土交通省令・内閣府令で定める事項を表示してしなければならないとしています。規則で定められている事項は次の8つです。

番号規則に定められた事項原稿で見る場所の例
1企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号紙面の下の会社の表示
2旅行の目的地及び日程に関する事項日程の本文
3運送、宿泊又は食事のサービスの内容に関する事項バス・宿泊・食事の欄
4旅行者が支払うべき対価に関する事項代金表
5旅程管理業務を行う者の同行の有無添乗員の表示
6参加者数が定める人員数を下回った場合に実施しないときは、その旨及び当該人員数最少催行人員の表示
7専ら企画旅行のための運送サービスが含まれる場合の、輸送の安全に関する情報貸切バスの安全の情報の欄
8取引条件の説明を行う旨(取引条件を表示して広告する場合を除く)「詳しい旅行条件を説明した書面をお渡しします」などの一文

8番目には例外があります。 規則では、取引条件の説明に当たる事項を表示して広告する場合は除くとされています。パンフレットの巻末に旅行条件書を載せている場合は、8番目の一文が無くても漏れではありません。 一覧には「巻末の旅行条件書の有無」の欄を置き、ChatGPT に媒体ごとに見分けさせます。

代金の表示には、もう1つ決まりがあります。 規則では、代金が出発日により異なる場合において、その最低額を表示するときは、併せてその最高額を表示することとされています。また、企画者以外の者の名称を表示する場合は、文字の大きさ等に留意して、企画者の名称の明確性を確保することとされています。後者は文字の大きさの話なので、文書だけでは点検できません。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどうやって
原稿の本文制作会社から届く文書本文を写してチャットに貼る。PDF は担当が紙面の確認に使う
企画書の値共有のスプレッドシートそのコースの行を、更新日の列ごと書き出して貼る
一覧・区分・ルール社内の文書変えたときだけソースを差し替える

原稿は、文書から本文を写して貼ります。 PDF の紙面は、写真やレイアウトの中に文字が散らばっていて、どの文字がどの欄のものかが崩れて読まれることがあります。 制作会社には、PDF と一緒に本文の文書を出してもらう決まりにします。

企画書は、更新日の列ごと書き出します。 照合の結果に企画書の更新日を書かせると、古い企画書で点検したことに後から気づけます。 制作会社に渡した企画書の日付と、点検に使った企画書の日付が違えば、原稿は古い企画書で作られた可能性があります。

代金表は、出発日と代金を1行ずつの表で貼ります。 スプレッドシートの代金表は、月ごとの横長の表になっていることが多く、横長のまま貼ると行と列を取り違えやすくなります。 1行に「出発日・曜日・代金」の形に直して書き出します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 原稿は欄ごとに見出しを付けて貼る … 【見出し】【日程】【食事】【宿泊】【代金表】【注意書き】【会社の表示】のように分けます
  2. 企画書の代金表を縦の表に直す … 出発日・曜日・代金を1行ずつにします
  3. 日付には曜日を付ける … 企画書の側で曜日の列を出し、写します
  4. 巻末に旅行条件書があるかを書く … パンフレットでは「旅行条件書:巻末に掲載」と書き添えます
  5. 貸切バスを使うかを書く … 使う場合は、輸送の安全に関する情報の欄の有無を見ます
  6. 前の版の一覧を添える … 再校では、初校で出た一覧と直しを頼んだ箇所を貼ります
  7. 写真のキャプションも本文として貼る … 「○○の紅葉(イメージ)」のような但し書きは、表現の確認に要ります

1番目と2番目が、照合の質を決めます。 欄の見出しが無いと、日程の本文の「昼食」と食事の欄の「昼食」を同じ場所の記載として扱い、(c)の食い違いが見えなくなります。 欄を分けて貼ると、欄どうしの食い違いも拾えます。

7番目は、見落とされがちです。 写真が撮影した時期や場所と違うことを示す但し書きは、景観に関する表示の一部です。 キャプションを貼らないと、確認が要る表現の点検から写真の但し書きが抜けます。

Step5

AIに処理させる

ChatGPT に頼むことは5つです。

頼むこと中身
表示の事項の点検8つの事項ごとに、原稿の該当箇所を引用し、ok/missing/ambiguous/not_applicable を付ける
企画書との照合日程、出発日ごとの代金、食事の回数と内容、宿泊先、バス会社、最少催行人員、添乗員の有無を、原稿と企画書で並べる
確認が要る表現景観、安全、衛生、代金、損害の補償、業務の範囲などの区分に当たりうる表現を拾い、区分を付ける
表記の点検社内の表記のルールに外れる箇所、誤字、日付と曜日の食い違い
点検できなかったこと文字の大きさ、写真の中身など、文書だけでは確かめられないこと
させないこと理由
法令に合っているかの結論最終の判断は責任者と専門家が行う
表現を使ってよいかの判断区分を付けて拾うまで。使うかは人が決める
企画書と原稿のどちらが正しいかの判断食い違いを並べるまで。正しい値は企画の担当が決める
代金の計算と補完書かれていない最高額を企画書から足さない
原稿の書き直し直しの指示は担当が書く。案を出すのは表記の誤りだけ

4行目がいちばん起きやすい失敗です。 原稿に「9,800円〜」とだけ書かれていると、ChatGPT は企画書から最高額を見つけて、「9,800円〜12,800円」と直した形で照合を済ませてしまうことがあります。それでは、最高額が書かれていないという漏れが消えます。原稿に書かれていないものは missing とし、企画書の値は横に並べるだけにさせます。

確認が要る表現の区分は、規則から取ります。 規則では、誇大な表示をしてはならない事項として、旅行に関するサービスの品質その他の内容、旅行地における旅行者の安全の確保、感染症の発生の状況その他の衛生、旅行地の景観・環境その他の状況、支払うべき対価、旅行中の旅行者の負担、損害の補償、旅行業者等の業務の範囲・資力又は信用の8つが定められています。社内の区分も、この8つに合わせます。

区分拾う表現の例
景観「絶景保証」「必ず見られる」「満開の桜の中を」(開花の時期に左右されるもの)
対価「最安値」「業界最安」「今だけ」
品質「最高級」「一流の宿」「贅沢三昧」
旅行中の負担「歩かない旅」「楽々」(実際の歩行の量と合わない場合)
Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示(プロジェクトのすべてのチャットに適用される)

あなたは旅行会社「○○観光」の企画部で、募集型企画旅行の広告の原稿を点検する立場です。
チャットに書かれた【媒体】【原稿】【企画書】と、ソースの資料だけを使ってください。

【点検の順】
1. ソースの「表示の事項の一覧」の8項目ごとに、原稿の該当箇所をそのまま引用し、
   ok/missing/ambiguous/not_applicable を付けてください。
2. 原稿の日程・代金・食事・宿泊・バス会社・最少催行人員・添乗員を、企画書の値と並べてください。
3. ソースの「確認が要る表現の区分」に当たりうる表現を拾い、区分を付けてください。
4. ソースの「社内の表記のルール」に外れる箇所と誤字を拾ってください。
5. 文書だけでは点検できないことを【点検できなかったこと】に並べてください。

【守ること】
- 原稿に書かれていないことは missing としてください。企画書の値で補って ok にしないでください。
- 代金が出発日で違うのに最低額だけが書かれている場合は、代金の項目を missing としてください。
- 企画書と原稿が違うときは、どちらが正しいかを書かずに、両方の値を並べてください。
- 引用は原稿の文字をそのまま写してください。要約しないでください。
- 表現を使ってよいかを判断しないでください。区分と、その表現を拾った理由だけを書いてください。
- 法令に合っている、違反している、と書かないでください。
- 原稿を書き直さないでください。表記の誤りだけ、直す案を書いてください。
- 文字の大きさ、写真の中身、紙面の配置は判断せず【点検できなかったこと】に書いてください。
- 最後に、照合に使った企画書の更新日を書いてください。

「企画書の値で補って ok にしない」を書かないと、漏れが消えます。 ChatGPT には企画書も見えているので、原稿に無い最少催行人員を企画書で見つけると、「最少催行人員:20名(企画書より)」と書いて ok にします。 照合の材料と、原稿に書かれているかどうかを分けて扱わせます。

「法令に合っている、違反している、と書かない」は、一覧の使われ方を守るためです。 一覧に「違反なし」と出ると、責任者がそれを根拠に校了にします。一覧は点検の材料で、判断の結論ではありません。 結論の言葉を最初から出させません。

Step7

出力形式を固定する

次の形で受け取ります。

【表示の事項】
| 番号 | 事項 | 判定 | 原稿の引用 |
| 1 | 企画者の名称・住所・登録番号 | ok | 「旅行企画・実施 ○○観光株式会社 …登録番号 ○○」 |
| 4 | 代金 | missing | 「お一人様 9,800円〜」(最高額の記載なし) |
| 6 | 最少催行人員 | missing | (該当する記載なし) |
| 8 | 取引条件の説明を行う旨 | not_applicable | 巻末に旅行条件書を掲載(媒体の情報より) |

【企画書との照合】
| 項目 | 原稿 | 企画書 | 一致 |
| 11月16日(月)の代金 | 10,800円 | 11,800円 | 不一致 |
| 2日目の昼食 | 日程:各自/食事欄:付き | なし | 原稿の中で不一致 |

【確認が要る表現】
- 「紅葉の絶景をお約束」… 区分:景観(時期と天候に左右される)

【表記】
- 「11月16日(火)」… 曜日の誤り(企画書では月曜)

【点検できなかったこと】
- 企画者の名称の文字の大きさ(PDF で確認)

照合に使った企画書の更新日:2026-10-20

見出しで分けるのは、直す人が見出しごとに違うからです。 【表示の事項】と【企画書との照合】は企画の担当が確かめて制作会社に返す、【確認が要る表現】と【点検できなかったこと】は責任者が見る、【表記】は直しの案をそのまま制作会社に渡せます。

判定を4つにするのは、not_applicable を ok と混ぜないためです。 巻末に旅行条件書があるので不要、貸切バスを使わないので不要、という理由のある「書いていない」は、漏れではありません。理由が付いているかを担当が見れば、本当に不要かが分かります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
企画書そのコースの行を書き出して貼る点検のたびに最新の行を使う
原稿制作会社の文書から本文を写して貼るPDF は担当と責任者が紙面の確認に使う
制作会社担当が直しの指示をまとめて送る一覧はそのまま送らない

どこにも自動では書き込みません。 企画書は読むだけで、原稿も ChatGPT は直しません。一覧の誤った指摘が、そのまま制作会社への指示になる経路がありません。

Step9

人が確認する

  1. 【表示の事項】の missing と ambiguous を原稿の紙面で確かめる … 本当に書かれていないかを PDF で見ます
  2. not_applicable の理由を確かめる … 巻末の旅行条件書、貸切バスの有無が本当にそのとおりかを見ます
  3. 【企画書との照合】の不一致を企画の担当に確かめる … どちらが正しいかを決めます
  4. 【確認が要る表現】を責任者が見る … 使うか、言い換えるか、但し書きを足すかを決めます
  5. 【点検できなかったこと】を紙面で見る … 企画者の名称の明確性、写真と但し書きの位置を見ます

1番目を省かないでください。 本文を写したときに欄が抜けていれば、紙面には書かれていても missing と出ます。写し漏れを指摘として制作会社に返すと、やり取りが1往復増えます。

3番目は、原稿が正しいこともあります。 企画書の直しが制作会社に先に伝わっていた、という場合です。どちらが新しい値かを決めるのは企画の担当で、決めた結果を企画書の側にも反映します。

目標は、1件15分です。 一覧を紙面と企画書で確かめる時間が中心です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
原稿の本文の文書が届かない制作会社に頼む。PDF から写した本文で点検したときは、その旨を記録に書く
企画書が点検の途中で直った新しい企画書の行で点検し直す
代金表が長く、1回で貼り切れない出発月ごとに分けて照合させ、月ごとの結果をまとめる
他社が実施するツアーを販売する広告企画者の表示を確かめる。自社が企画者でない広告は、表示の事項の一覧の当てはめを責任者が決める
確認が要る表現の判断に迷う責任者が決め、迷うものは専門家や業界団体の資料で確かめる
一覧に「違反」「適法」の言葉が出たその回は使わず、指示を見直して作り直す
一覧の指摘が誤っていた担当が理由を記録に書く。くり返す型なら指示か一覧に足す
ChatGPT が使えない紙のチェックリストで、いまの手順で点検する

上の3行は、入力の側の問題です。 どれも ChatGPT の性能で直るものではなく、本文の文書と最新の企画書がそろっていることが、点検の正しさそのものです。

4行目は、扱いを先に決めておきます。 他社が企画した商品を自社が販売する広告でも、表示の事項は求められますが、企画者の表示の仕方や載せる値の正本が他社の側にあります。 照合の相手の企画書が手元に無いときは、照合をせずに表示の事項の点検だけを行います。

Step11

記録を残す

  • 点検した原稿の本文と PDF(コース名・媒体・初校/再校をファイル名に入れる)
  • 照合に使った企画書の書き出しと、その更新日
  • ChatGPT が出した一覧の全文
  • 担当が確かめた結果(正しい指摘か、誤った指摘か、どう直したか)
  • 責任者が決めた表現の扱いと、その理由
  • 制作会社に送った直しの指示と、再校での直りの確認

2つ目で企画書の更新日を残すのは、原稿の値の根拠をたどるためです。 印刷の後に代金の誤りが見つかったとき、点検のときの企画書が正しかったのか、点検の後に企画書が直ったのかを分けられます。

5つ目は、次のパンフレットの材料になります。 「紅葉の絶景」を「紅葉の名所」に言い換えた、という判断を残しておくと、次の季節の原稿で同じ判断をくり返さずに済みます。 たまった判断は、確認が要る表現の区分の例に足します。

04実装レベルの3段階

最小構成:ChatGPT のチャットにその都度、原稿と企画書と一覧を貼る / 表示の事項と照合の一覧の下書き
半自動化:上記+業務向けのプランのプロジェクトに指示と一覧を置き、原稿の貼り方と確かめ方を担当でそろえる / 表示の事項の点検、企画書との照合、確認が要る表現と表記の拾い出し
本格構成:上記+企画書が直ったときに、そのコースが載る全媒体の原稿をまとめて点検し直す / 企画書の直しに追随した全媒体の点検

最小構成でも一覧は出ますが、貼る一覧の版が人によって違います。 一覧の版がそろわないと、(d)が残ります。 半自動化が本記事の想定です。 1件48分が15分になります。差を生むのは、表示の事項の一覧をプロジェクトに置いて担当の観点をそろえることと、確かめる対象を一覧の行に絞ることです。 本格構成では、企画書の直しを起点にします。 代金の改定があったとき、パンフレット、チラシ、新聞広告、Web の募集ページのどこにそのコースが載っているかを一覧にしておき、全部の原稿を同じ日に点検し直します。 後から作った短い原稿の直し漏れが、ここで止まります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
48 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  40件 × 48分 ÷ 60 = 32 時間/月
導入後 40件 × 15分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
22h
削減率
69%
年間削減時間
264h
年間金額換算(時間単価2,800円)
74万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. バスツアーや国内のパッケージ旅行などの募集型企画旅行を自社で企画し、パンフレット・チラシ・新聞広告・Web の募集ページの原稿を毎月いくつも出している旅行会社。原稿の点検を企画の担当と営業の担当が目で行っていて、出発日ごとの代金、食事の回数、最少催行人員、添乗員の同行の書き漏れや食い違いが、印刷の後に見つかったことがある場合。点検の観点が担当ごとに違い、社内のチェックリストが紙で回っている場合。
向いていない
  1. 募集型企画旅行を扱わず、手配旅行や他社の商品の販売だけを行っている場合。広告の原稿を広告会社と顧問の専門家がすべて点検しており、社内の点検が要らない場合。原稿の量が月に数件で、チェックリストを目で追えば足りる場合。なお、原稿が旅行業法・景品表示法などに合っているかの最終の判断と、旅行条件書の中身の判断は、この構成では代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 前の季節のパンフレットとチラシから、10件の原稿を選ぶ(当時、印刷の前か後に誤りが見つかった原稿を必ず含める)
  2. 紙のチェックリストを、表示の事項の一覧と確認が要る表現の区分の2つの文書に起こす
  3. ChatGPT のプロジェクトを作り、第7章の指示と、一覧・区分・表記のルールをソースに置く
  4. 原稿ごとに新しいチャットを開き、媒体と原稿と当時の企画書を貼って一覧を出させる
  5. 出た一覧を、当時の点検の赤字と並べ、拾えたもの・拾えなかったもの・誤った指摘を数える

10件で十分です。 見るのは、当時見つかった誤りが一覧に出るかと、企画書の値で補って ok にしていないかの2つです。

出てきた内容判断
当時の誤りが一覧に出て、誤った指摘も少なかった毎月の運用に進む
企画書の値で補って ok にした指示の書き方で直る。構成は有効
欄の区別が崩れて照合が合わない原稿の貼り方が先。 AIの問題ではない

当時の点検で見つかっていなかった指摘が出たら、紙面で確かめます。 本当の漏れなら、試す段階でいまの点検の抜けが1つ分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
企画書の値で補って ok にする指示で禁じ、原稿に無いものは missing にさせる
最低額だけの代金表を見落とす指示に規則の決まりを書き、代金の項目で見させる
欄の区別が崩れて食い違いが見えない原稿を欄ごとの見出しを付けて貼る
古い企画書で照合する企画書は点検のたびに書き出し、更新日を一覧に書かせる
巻末の旅行条件書を見ずに漏れと出る媒体の情報に旅行条件書の有無を書き、not_applicable を使わせる
「適法」「違反なし」と書く結論の言葉を禁じる。一覧は材料と決める
写真の但し書きが点検から抜けるキャプションも本文として貼る
文字の大きさを点検したことにする【点検できなかったこと】に出させ、紙面で見る
一覧をそのまま制作会社に送る担当が確かめてから指示を書く
1つのチャットで続けて点検する原稿ごとに新しいチャットを開く

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、書かれていないものを書かれているものとして扱うことから起きます。点検で見つけたいのは、まさに書かれていないものです。 指示と判定の4区分で、埋めない設計にします。

6行目は、運用に乗った後で起きます。 一覧が毎回正しいと、担当も責任者も一覧を結論として読み始めます。一覧に結論の言葉が出ないようにしておくと、 判断を人が行う形が崩れにくくなります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 発表前のコースの日程と代金、宿・バス会社などの仕入れ先、制作会社の原稿です。旅行者の個人の情報は扱いません。

  1. 業務向けのプランを使う … ChatGPT の公式のページでは、Business・Enterprise・Edu のワークスペースで既定では業務のデータをモデルの学習に使わないとされています。発表前の代金と仕入れ先は、競合に知られたくない情報です
  2. 最終の判断は人が行う … 原稿が法令に合っているかの判断は、責任者が行い、迷うものは専門家に確かめます。一覧に結論を書かせないことを決まりにします
  3. 一覧の元になる条文を確かめ続ける … 表示の事項と誇大な表示の区分は、規則の改正で変わりえます。一覧の文書に、確かめた条文の版の日付を書いておきます
  4. 申込者の情報をチャットに書かない … 点検の中で、問い合わせや申込みの記録を貼らないでください。この構成で扱うのは広告の原稿と企画書だけです
  5. 制作会社との取り決めを確かめる … 制作会社の原稿を ChatGPT に貼ることを、制作会社との契約で妨げられていないかを確かめておきます
  6. 削除したチャットの扱いを知っておく … 公式のページでは、削除したチャットは一般に30日以内に完全削除の予定に入るとされています。点検の記録は、チャットではなく校正の記録のフォルダに残します

誤りが起きた場合のリスクは、表示の事項の漏れを見落とすことと、誤った指摘で正しい原稿を直してしまうことの2つです。 前者は企画書で補うことで起き、後者は写し漏れを確かめずに返すことで起きます。どちらも、一覧の行ごとに紙面と企画書で確かめる手順で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:チェックリストを文書に起こす

紙のチェックリストを、表示の事項の一覧(8つ)と、確認が要る表現の区分(8つ)の2つの文書にします。責任者が条文と照らして確かめます。あわせて、媒体ごとの社内の表記のルールを1つの文書にまとめます。

2週目:10件で試す

前の季節の原稿から10件を選び、当時の企画書と一緒に貼って一覧を出させます。当時見つかった誤りが出るか、企画書で補っていないかを最優先で見ます。

3週目:制作会社と原稿の渡し方を決める

PDF と一緒に本文の文書を出してもらうこと、欄ごとに見出しを付けることを制作会社と決めます。企画書を渡した日付を、原稿のやり取りの記録に残すことも決めます。

4週目:次の原稿から使い始める

次に届く初校から、この流れで点検します。この時点では、紙のチェックリストと並べて1か月比べてもかまいません。

2か月目: 誤った指摘と拾えなかった漏れを数え、指示と一覧を直します。3か月目以降: 企画書の直しを起点に、全媒体の原稿をまとめて点検し直す形に広げます。印刷の後に表示の事項の漏れが見つかることがなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-27/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
プロジェクトにアップロードしたファイルなどを置くソースの欄があること。プロジェクトの指示がプロジェクトのチャット全体に適用されること。目的ごとに別のチャットを始めるとメッセージと結果が混ざらないこと。ChatGPT のプロジェクトがパソコンのフォルダに直接アクセスしないことChatGPT ドキュメント: Projects2026-10-27
Business・Enterprise・Edu のワークスペースで、既定では業務のデータをモデルの学習に使わないこと。削除したチャットが一般に30日以内に完全削除の予定に入ることChatGPT ドキュメント: Work cloud security2026-10-27
企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは、国土交通省令・内閣府令で定める事項を表示してしなければならないこと(第12条の7)。旅行業務について広告をするときは、著しく事実に相違する表示や、実際のものよりも著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないこと(第12条の8)e-Gov 法令API: 旅行業法2026-10-27
企画者以外の者の名称を表示する場合に企画者の名称の明確性を確保すること、出発日により代金が異なる場合に最低額を表示するときは最高額も表示すること(第12条)。広告の表示事項の8項目(第13条)。誇大表示をしてはならない事項の8項目(第14条)e-Gov 法令API: 旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則2026-10-27

原稿が法令に合っているかの最終の判断と、確認が要る表現の扱いは、責任者が決め、迷うものは専門家に確かめてください。 本記事は ChatGPT の公式の案内と法令の条文で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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