SEOは社内に置くか外に出すか|AI前提で決める分担

SEOは社内に置くか外に出すか|AI前提で決める分担

「SEOは専門性が高いので、外に出すものだと思っています」「生成AIが書けるようになったので、来期から社内に全部戻す方針になりました」——まったく逆を向いた二つの言葉が、同じ時期に届きます。向きは逆ですが、どちらも同じ思い違いから出ています。SEOは、社内か社外のどちらかに置く仕事ではありません。工程ごとに置き場所が分かれる仕事で、生成AIが動かしたのはそのうちの一部だけです。この記事では、SEOの仕事を工程に分け、社内に置く工程と外に出す工程をどう線引きするのかを整理します。


カメ先生カメ先生

SEOの内製化というのはね、外注をやめて全部を自社でやることだと思われがちなんだ。でも成果が出ている会社の多くは、工程ごとに置き場所を分けた形に落ち着いているんだよ。


カメ子カメ子

全部を社内に持つ形ではないのですね。工程ごとというのは、どういう分け方でしょうか。


カメ先生カメ先生

狙う語を選ぶ、構成を組む、書く、入稿する、技術的に直す、測って直す——こう並べると、社内でしかできないものと、外に出したほうが速いものがはっきり分かれるんだ。


カメ子カメ子

内製か外注かを会社として決めるのではなく、工程ごとにどちらかを決めていくということですか。


この記事のポイント
  • SEOは会社単位でも案件単位でもなく、工程単位で置き場所が分かれる
  • 生成AIが社内に戻したのは作業の側。責任が残る工程は最初から社内にしかない
  • 体制は人数ではなく工数で決める。本数を決める前に、月に何時間使えるかを埋める

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目次

「内製か外注か」という問いが、決まらない原因

この問いが決まらないのは、情報が足りないからではありません。問いの単位が大きすぎるからです。会社として内製か外注かを決めようとすると、社内にしかできない工程と、社内では手が出ない工程が同じ天秤に乗ります。天秤が釣り合ってしまい、何度会議をしても結論が出ません。

工程に割って見ると、答えは自然に分かれます。国内のコンテンツ制作の解説では、成果が出ている企業の約60%がハイブリッド、つまり社内と外部を組み合わせた体制を採っていると示されています。二択で決め切った会社のほうが少数派だということです。

分担を決める単位は、会社でも案件でも記事でもなく工程です。同じ1本の記事の中で、狙う語は社内、執筆は外部、公開の判断は社内、という形になります。1本の記事の中に社内の工程と外部の工程が混ざるのが普通の形です

なお、マーケティング全体をどこまで内製するかという問いは、この記事の範囲の外に置きます。ここではSEOという1つの仕事の中で、どの工程をどこに置くかだけを見ていきます。

SEOの仕事を9つの工程に分ける

分担を決める前に、仕事を工程に割ります。粗くても構いませんが、9つまでは割ってください。国内の解説で挙げられている業務の区分をもとに、置き場所を決める決め手まで並べると次の形になります。

工程やること置き場所を決める決め手
目標を決める事業の数字から逆算し、どの検索でどれだけ増やすかを決める事業の数字を知っている人しか決められない
社内の合意を取る予算と工数を確保し、公開までの許可の道筋を作る社内の人間しか動かせない
狙う語を選ぶ語を集め、意図で分け、勝てる語に絞る商品と顧客の知識が最後に要る
構成を組む1本ごとに見出しと入れる論点を決める生成AIで社内に戻しやすくなった
書く・図を作る本文を書き、図表を用意する量が必要なら外に出したほうが速い
入稿・公開する見出し・内部リンク・画像・説明文を整える手順書にすれば社内で回る
技術的に直す表示速度・重複・階層・機械が読める記述を直すサイトを触れる人がいるかで決まる
外からの評価を得る一次情報の公開などで外から言及される状態を作る事業の活動でしか作れない
測って直す順位と流入を見て、直す記事を決める最初に社内へ移すと全体が回り出す

並べてみると、置き場所の決め手が3種類しかないことが分かります。社内の情報が要るか、量が要るか、サイトを触る権限が要るか。この3つのどれに当たるかを見れば、工程ごとの置き場所はほぼ自動的に決まります

注意したいのは、工程の数を減らして考えないことです。「記事を作る」と1つにまとめてしまうと、社内に戻せる部分と戻せない部分が混ざり、また会社単位の二択に戻ってしまいます。

割り方に迷ったら、成果が出るまでの時間で並べ直すのも手です。入稿の整えや技術的な修正は比較的早く効きますが、狙う語を選んで記事を足す工程は、成果が出るまでに3〜6か月以上かかるとされています。外からの評価はさらに長くかかります。時間の違う工程を同じ会議で同じ物差しで見ると、遅いほうが必ず先に止められます。

生成AIで社内に戻せるようになった工程

ここ2年で社内に戻せるようになったのは4つです。構成の案、本文の下書き、既存記事の直し方の案、そして競合の記事の読み取り。共通しているのは、外にある情報と型から組める作業だという点です。社内の事情を知らなくても着手できる工程が、まとめて戻ってきました。

何が変わったのかを具体的に言うと、着手の壁です。以前は白紙から構成を組むのに慣れが必要で、そこが専門職の仕事でした。いまは候補の構成を複数出させて、社内の人間が選んで直す形に変えられます。ゼロから組む技能よりも、選んで直す判断のほうが社内で育てやすいので、この違いは体制に直接効きます。

ただし戻せたのは作業の側だけです。生成AIが下げたのは着手の壁で、良し悪しを決める壁は下がっていません。どの構成が読者の問いに答えているか、どの下書きが自社の事実を含んでいるかの判断は、依然として人が持ちます。判断を持つ人が社内にいないうちに工程だけ戻すと、量は増えて質は落ちます。

戻す順番にも注意が必要です。4つを一度に戻すと、出来上がりの水準が落ちたときに原因が分かりません。1つ戻して、3か月ほど水準を見てから次に進む形にしてください。

生成AIは、いまSEOのどの工程で使われているか

戻せるようになった工程と、実際に使われている工程は少しずれます。2026年4月に公表された調査では、SEOを実施している企業のWeb担当者のうち64.3%が生成AIを活用しており、内訳は積極的に使っている層が28.6%、一部の業務で使っている層が35.7%でした。

使われている業務の内訳を見ると、最も多いのはデータ分析の66.7%で、記事の構成づくり、本文の作成、既存記事の改善はいずれも44.4%でした。執筆よりも先に、読む作業と整理する作業に入っているという並びです。分担を考えるときも、この順番のほうが無理がありません。

同じ調査では、使っている層の77.8%が検索からの流入か問い合わせ数の増加を実感したと答えています。ただしこの調査は回答26件の小規模なもので、割合そのものの精度は高くありません。外の調査は、どの工程から入るかの傾向を見る手がかりまでにとどめ、自社の判断の根拠には置かないという扱いが安全です。

それでも、この内訳は置き場所を考えるときの目安になります。データ分析と構成づくりでは半分前後の担当者が使っているのに対し、技術的な修正や外からの評価の獲得は選択肢としてほとんど挙がっていません。生成AIが入っている工程と、社内に戻せる工程はおおむね重なっています

生成AIでも社内に戻せない工程

逆に、生成AIがあっても社内に戻ってこない工程が3つあります。技術的な実装、外からの評価の獲得、そして判断の責任です。この3つは性質が違うので、理由を分けて見ておきます。

技術的な実装は、サイトを触る権限と、壊したときに直せる人が必要です。生成AIは直し方の案を出せますが、公開中のサイトに手を入れる作業そのものは代われません。社内に触れる人がいないなら、ここは外に出す工程として最初から固定しておくほうが、計画が崩れません。

外からの評価は、記事を増やして作れるものではありません。他社や業界から言及される状態は、一次情報の公開、事例の積み上げ、登壇や取材といった事業の活動から生まれます。外から言及される状態は、社外に発注して買えるものではありません。ここを外注の項目に入れている体制は、どこかで無理が出ます。

判断の責任は、いちばん動かせません。公開したものの責任は社内に残ります。外注先がどれだけ丁寧でも、内容に誤りが見つかったときに説明するのは社名を出している側です。だから公開の判断は、最初から社内に置く工程として扱います。

境目は「責任が誰に残るか」で引く

3つの工程を並べると、共通しているのは責任の所在です。国内のAI検索対策の解説でも、社内が担うべき工程として一次情報の提供、事実確認、公開判断の3つが挙げられ、設計や実装、測定の仕組みづくりは外に出す形が示されています。分け方の根拠が、専門性ではなく責任になっている点が要点です。

この線引きのよいところは、迷わないことです。間違いが出たときに説明する人が社内にいるなら、その工程は社内に置く。説明の必要がない作業なら、外に出してよい。専門性で分けると必ず迷いますが、責任で分けると一度で決まります

逆の線引きをすると、必ず戻ってきます。専門的だからという理由で公開の判断まで渡すと、社名で出ている記事の内容を社内の誰も把握していない状態になります。数か月後に問い合わせが来た時点で、結局は社内で全部を読み直すことになります。

なお、外に出した工程の出来上がりをどの基準で受け取るかは、別に決める話です。この記事では置き場所の線引きに絞り、受け取りの基準には入りません。

社内に置く工程の一覧(と、誰が持つか)

責任で線を引くと、社内に置く工程は次の6つになります。工程名だけでは動かないので、持ち主まで並べてください。

  • 目標を決める:どの検索でどれだけ増やすかを事業の数字から逆算する。持ち主はマーケの責任者
  • 狙う語を選ぶ:候補集めはAIと道具に任せてよい。最後に絞るのは商品と顧客を知っている人
  • 一次情報を出す:営業・開発・導入支援が持っている事実を引き出す。持ち主は事業側
  • 事実確認:数字・固有名詞・仕様が実物と合うかを突き合わせる。持ち主は事業側と編集
  • 公開の判断:出してよいかを最後に決める。持ち主は社名で責任を負える人
  • 測って直す:順位と流入を見て、直す記事を決める。持ち主はマーケ担当

この6つのうち、最初に社内へ移すと全体が回り出すのは「測って直す」です。外に出したままだと、何が効いたのかが社内に残りません。報告書だけが積み上がり、契約を切った月に全部が止まります。

一次情報を出す工程に担当者の名前が入っていない体制は、ほぼ止まります。ここは事業側の協力が必要で、マーケ担当は頼む立場にあるからです。依頼の頻度と1回あたりの時間を、体制を組む段階で事業側と合意しておくと、頼みにくさで止まらずに済みます。

持ち主の書き方にも決まりを置きます。部署名ではなく個人名を入れてください。「マーケ部」と書いた工程は、結局誰も自分の仕事だと思いません。名前で書いておけば、その人が異動した月に1枚を開き直す引き金にもなります。持ち主が決まらない工程が残ったときは、その工程を外に出すか、いまは着手しないかのどちらかを選んでください。空欄のまま走り出すと、その工程が最初に抜けます。

外に出す工程の一覧(と、出すときに渡すもの)

外に出す工程は、渡すものと対にして並べます。渡すものが決まっていない工程は、出しても返ってきたものが使えません。

  • 本文の執筆と図の作成:量が要る工程。渡すのは構成・一次情報・表記のルール
  • 技術的な実装:サイトを触る工程。渡すのは触ってよい範囲と、公開前に戻す手順
  • 測定の仕組みづくり:計測の設定と見る画面を作る工程。渡すのは見たい数字の一覧
  • 機械が読める形の記述:構造化した記述の実装。渡すのは記事の種別と持たせる項目
  • 既存記事の初回の棚卸し:一度に洗う工程。渡すのは判断の観点と、残す記事の条件

外に出すときに社内から必ず渡すのは3つです。構成、一次情報、表記のルール。この3つを渡さないまま本数だけ発注すると、返ってくるのはどこにでもある一般論になります。そして一般論の記事は、社内の誰も直せません。

出す量の決め方にも注意があります。外注は月あたりの本数で契約することが多いのですが、実際の上限は本数ではなく、社内が一次情報を出せる回数で決まります。外に出せる本数は、社内でヒアリングに割ける時間で決まります。月4本の契約をしても、ヒアリングが月1回しか取れないなら、3本は一般論になります。

外に出す量を増やしすぎない線も決めておきます。目安は、返ってきたものを社内で読める時間があるかどうかです。月に4本返ってきて、読んで直せる時間が2本分しかないなら、実質2本しか出していないのと同じです。残りの2本は読まれないまま公開され、事実の食い違いが混ざっていても気づけません。出す量は、社内で受け取れる量に合わせてください。

体制は人数ではなく工数で決める

何人必要かで考えると、足りているのかいないのかが判断できません。工程ごとの時間で見ます。国内の解説では、月4本の記事を回す場合の内訳が時間で示されています。

工程月あたりの時間担う人
テーマと狙う語を選ぶ4〜6時間マーケ担当
構成を組む(4本分)6〜8時間マーケ担当
本文を書く(4本分)16〜32時間書き手
一次情報のヒアリング2〜4時間事業側
入稿・実装4〜6時間サイト担当
測って直す3〜5時間マーケ担当

合計すると月35〜61時間、専任に換算して0.3〜0.5人分、人件費で月15〜25万円程度という目安が同じ解説に示されています。本数を決める前に、この時間が誰の予定に入るのかを埋めてください。埋まらないなら、本数を落とすのが正しい判断です。

幅が大きいのは本文を書く工程で、16〜32時間と倍の開きがあります。ここを外に出すかどうかで、社内に必要な時間は半分近く変わります。逆に言えば、社内の時間を確保できないなら、最初に外へ出す工程はここになります。

本数を減らす判断も設計の一部です。月4本が埋まらないなら、月2本にして一次情報を厚くするほうが、1本あたりに自社の事実が多く入ります。国内の解説でも、成果が出るまでには3〜6か月以上かかるとされており、本数を落としても期間で回収できます。

必要な役割は3つ(並べる人・書く人・知っている人)

工数を役割で束ねると3つになります。全体を組む人、書く人、社内の事実を持っている人です。国内の解説でも、コンテンツの方向を決める役、書く役、社内の専門知識を持つ役の3つが挙げられています。役割は3つですが、人が3人必要という意味ではありません。

3つ目が一番忘れられます。社内の事実を持っているのは、たいていマーケの外にいる人です。営業、開発、導入支援。その人の時間を月に2〜4時間もらう約束が、体制の一部として要ります。ここを口約束にしていると、忙しい月から順に抜けます。

兼務で足りるかどうかは、全体を組む人で決まります。書く人と知っている人は兼務でも回りますが、全体を組む人が兼務だと、本業に押された月から止まります。ここに0.3人分の時間を確保できるかが、立ち上げの分かれ目になります。

人数の目安としては、売上が立っているメディアは少なくとも4人以上で運営しているという調査もあります。ただしこれは回り出したあとの規模の話で、立ち上げの段階で4人そろえる必要があるという意味ではありません。理想的な構成として、戦略1名、コンテンツ1〜2名、技術1名という形も示されています。

立ち上げの順番を間違えない

社内に戻す順番には、公表されている型があります。次の5段で進める形が示されており、後ろの段のほうが難しくなります。

STEP1
測って直す工程を社内に移す

順位と流入を自分たちで見られるようにします。ここが社内にないと、何が効いたのかが残りません。

STEP2
一次情報を棚卸しする

社内にある事実(実績・手順・失敗例・数字)を一覧にします。渡す材料の在庫を確かめる工程です。

STEP3
入稿を社内に移す

公開の作業を手順書にします。外に出す必要がなくなり、公開までの待ち時間が消えます。

STEP4
本文を書く工程を社内に移す

生成AIで下書きを作り、社内で直す形に変えます。1本目は時間がかかる前提で置きます。

STEP5
構成を組む工程を社内に移す

最も難しい段です。読者の問いに答える並びを決められるようになってから移します。

この順番になっている理由は、後ろの工程から先に社内へ移すと、前の工程の質を測る手段がないことです。測って直す工程が社内にない状態で執筆を戻すと、書いたものが効いているかどうかを外注先の報告で知ることになります。

構成を組む工程を最初に社内へ移すのが、最も失敗しやすい形です。ここが一番判断の要る工程で、外の記事を眺めて真似ても身につきません。測る目と一次情報の在庫が先にあって、初めて構成の良し悪しが分かるようになります。

段を飛ばしたくなる場面が一つあります。外注の契約が切れるときです。契約の終わりに合わせて残りの工程をまとめて引き取ると、順番が崩れます。この場合は、期間を延ばして段を踏むか、いちばん難しい構成の工程だけ別の相手に残すかを選んでください。契約の都合で順番を決めると、戻したあとに水準が落ちた原因が分からなくなります。

社内に戻した工程で、人が必ず通す確認

工程を社内に戻すと、確認する人も社内になります。全部を読み直すのは続かないので、必ず見る範囲を先に決めます。範囲を決めていない体制は、忙しい月に確認そのものが飛びます。

絞るのは3つです。数字、固有名詞、そして社内の事実と食い違っていないか。生成AIの下書きで最も危ないのは、間違いではなく、もっともらしく読める一般論です。明らかな誤りは目に留まりますが、どこにでも書いてある正しい文章は、そのまま通ってしまいます。

あわせて、根拠を書かせてください。下書きを頼むときに、各段落の元にした情報を1行で添えさせます。根拠が空欄の段落は、確かめる相手がいないという意味です。そこだけ人が調べ直せば、確認の量は大きく減ります。

確認した人の名前も残します。誰がいつ確かめたのかが残っていないと、あとで内容を問われたときにたどれません。記事の管理表に1列足すだけで足ります。

失敗の型その1:担当1人に全部載る

最も多い止まり方です。兼務の担当者に工程が集まり、本業に押されて手が止まり、そのまま数か月空く。国内の解説でも、内製が止まる原因として、目標本数が体制に対して過大なこと、兼務の担当が本業を優先することが挙げられています。原因が意欲ではなく配分にある点が重要です。

防ぐ手は2つあります。1つは工数を先に確保すること。前述の0.3〜0.5人分を、上司の承認を取って予定表に入れます。もう1つは、止まったときに誰が引き継ぐかを決めておくことです。1人しか触れない状態は、その人が忙しくなった月に必ず止まります

属人化も同じ根から来ます。手順書とこれまでの判断の記録がないと、担当が替わった時点で社内に溜めたはずのノウハウは消えます。狙う語を選んだ理由、落とした語とその理由、直した記事とその結果を、短くても残してください。内製化の目的がノウハウの蓄積なら、記録が残っていない内製は目的を果たしていません。

引き継ぎの形も先に決めておきます。止まったときに引き継ぐのは、工程の全部ではなく1つだけで構いません。測って直す工程だけは2人が触れる状態にしておくと、担当が抜けた月でも次に直す記事が決まります。書く工程は止まってもあとから追いつけますが、測る工程が止まると、止まっていたこと自体に気づけなくなります。

失敗の型その2:外注が丸投げになる

もう一方の型です。外に出すこと自体は問題ありませんが、次の4つが重なると、費用は続くのに社内にも社外にも何も溜まりません。

  • 構成も一次情報も渡さず本数だけ発注する:一般論が返ってきて、社内の誰も直せない
  • 公開の判断まで外に渡す:社名で出ている記事の内容を、社内で把握できなくなる
  • 報告を受けるだけで数字を自分で見ない:何が効いたか社内に残らず、契約を切った月に全部止まる
  • 社内に戻す工程と時期を決めずに続ける:毎年同じ費用が続き、ノウハウはどちらにも溜まらない

丸投げになっているかどうかの見分け方が1つあります。返ってきた記事に、自社でしか書けない事実がいくつ入っているかを数えてください。数字でも手順でも失敗例でも構いません。ゼロなら、発注の仕方ではなく渡す材料が足りていないという意味です。

この確認は、外注先を責める材料にしないほうがうまく回ります。渡すものが3つそろっていたかを社内で先に確かめ、足りていなければ次回から足す。この順番にすると、相手も一次情報を求めてくるようになります。

契約の形でも防げます。本数だけを決めた契約ではなく、社内が構成と一次情報を用意することを前提に置き、用意できなかった月は本数を落とす取り決めにしてください。相手にとっても、材料のないまま本数を埋めさせられるより負担が小さくなります。加えて、月に1回は数字を一緒に見る場を入れておくと、報告を受けるだけの関係になりません。

検索の前提が変わった分、分担も見直す

分担の重みは、検索の側の変化でも動きます。海外のSEO分析ツール会社が2026年7月に公表した調査では、日本の情報収集型の検索で、検索結果の上にAIがまとめて答えを出す表示があるとき、1位の想定クリック率24.1%に対して実測が9.0%まで落ちていました。低下幅は62.7%で、2025年12月の38.0%から半年で24.7ポイント広がっています。

この変化が分担に効くのは、記事の本数を積む工程の価値が相対的に下がる方向に働くからです。本数を積む工程より、自社でしか出せない事実を出す工程のほうが重くなっています。読まれる本数が減る中で、読まれた1本に自社の事実が入っているかどうかが、以前より直接効きます。

具体的にどう動かすかというと、外に出す本数を減らし、社内の一次情報を出す工程に時間を移します。ヒアリングを月1回から2回に増やし、1本あたりに入る自社の数字や手順を増やす。工数の合計を変えずに、配分だけを変える形です。

ただし留保も書いておきます。この数値は特定の調査会社が特定の時期に測ったもので、業種や検索の型によって差が大きいものです。自社の流入がどう動いたかは、自社の検索の数字で確かめてから判断してください。外の数値は、見る場所を決める手がかりまでにとどめます。

分担は1枚に書き、見直す周期を決める

決めることは多くありません。9つの工程、それぞれの置き場所、持ち主の名前、外に出すときに渡す3つ、社内が必ず見る3つ。これだけを1枚にまとめ、作成日を入れておきます。

運用として決めておく点を挙げます。工程の置き場所は一度決めたら固定するものではなく、体制と検索の側の変化に合わせて動かすものです。

  • 1枚には作成日と持ち主の名前を入れる。持ち主のいない文書は半年で実態と合わなくなる
  • 見直しは半年に一度。ただし担当が替わった月と、外注先を変えた月はその場で開く
  • 社内に戻した工程は、戻した直後の3か月だけ出来上がりの水準を測る欄を作る
  • 生成AIの道具と画面の名前は動く。手順書に書いた操作は、使う前に実際の画面と突き合わせる

見直しの引き金は日付だけではありません。検索からの流入の形が変わった月、事業側の協力者が異動した月も、その場で1枚を開いてください。まずは9つの工程に置き場所と持ち主の名前を入れてみると、決まっていない工程がそのまま浮かび上がります。

まとめ

SEOを社内に置くか外に出すかは、会社単位でも案件単位でもなく、工程単位で決まります。9つに割り、社内の情報が要るか、量が要るか、サイトを触る権限が要るかの3つで置き場所を見る。生成AIが戻したのは構成案・下書き・直しの案・競合の読み取りという作業の側だけで、技術的な実装、外からの評価、判断の責任は社内か社外に固定されたままです。境目は専門性ではなく、間違いが出たときに説明する人がどこにいるかで引く。体制は人数ではなく工数で決め、測って直す工程から順に社内へ移す。まずは9つの工程に、置き場所と持ち主の名前を書き入れるところから始められます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

コンテンツ制作・SEOにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

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