Media > AI活用ユースケース > 営業 > 結婚式場が Web 招待状の出欠の返信を Make で集め、席次と料理・引出物の数を更新して、アレルギーの申告を厨房に回す

結婚式場が Web 招待状の出欠の返信を Make で集め、席次と料理・引出物の数を更新して、アレルギーの申告を厨房に回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

Web 招待状の出欠の返信を Make が受け取り、招待客の一覧の出欠と、料理・引出物の数を更新します。自由記入の欄に書かれたお子様の年齢やアレルギーは Claude が決まった項目に抜き出し、アレルギーの申告は厨房の一覧に回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/宿泊/飲食
対象部門
営業
対象業務
データ入力・転記/集計・分析
主な課題
入力作業が多い/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
100h/月
AI導入後
25h/月
想定削減
75%
年間削減
900h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. フォームの回答の一覧を開き、新しく届いた返信を探す
  2. 返信の招待コードから、どの新郎新婦のどのゲストかを確かめる
  3. 招待客の一覧に、出欠、同伴者の人数と氏名、住所を書き写す
  4. 自由記入の欄を読み、お子様の年齢、アレルギー、食事の制限、車椅子などの要望を拾い出す
  5. お子様の年齢から、お子様の料理か大人の料理かを決め、一覧の区分を直す
  6. 料理と引出物の数を数え直し、新郎新婦への報告の表を直す
  7. アレルギーがあれば、厨房への連絡の紙に書いて回す
  8. 締め切りが近づいたら、未返信のゲストを数えて新郎新婦に知らせる
導入後(After)
  1. 自動ゲストが Web 招待状のフォームで返信すると、Make のシナリオが受け取る
  2. 自動招待コードで招待客の一覧を引き、どの新郎新婦のどのゲストかを確かめる
  3. 自動出欠、同伴者の人数、住所を招待客の一覧に書き込む
  4. 自動自由記入の欄を Claude に渡し、お子様の年齢、アレルギー、食事の制限、介助の要望を抜き出させる
  5. 自動お子様の年齢と式場の決まりから料理の区分を付け、表計算の式が料理と引出物の数を数え直す
  6. 自動アレルギーの申告があれば、厨房の一覧に「確認待ち」で載せ、担当のプランナーと厨房に知らせる
  7. 人プランナーがゲスト(または新郎新婦)に、アレルギーの中身と程度を確かめ、厨房の一覧の行を「確定」にする
  8. 自動毎朝、返信の締め切りが近い組の未返信の数と、「確認待ち」のアレルギーの数を担当のプランナーに知らせる
  9. 人プランナーが席次を新郎新婦と決め、最終の人数を厨房と引出物の手配に伝える
各工程の詳しい説明を読む
  1. フォームの回答の一覧を開き、新しく届いた返信を探す
  2. 返信の招待コードから、どの新郎新婦のどのゲストかを確かめる
  3. 招待客の一覧に、出欠、同伴者の人数と氏名、住所を書き写す
  4. 自由記入の欄を読み、お子様の年齢、アレルギー、食事の制限、車椅子などの要望を拾い出す
  5. お子様の年齢から、お子様の料理か大人の料理かを決め、一覧の区分を直す
  6. 料理と引出物の数を数え直し、新郎新婦への報告の表を直す
  7. アレルギーがあれば、厨房への連絡の紙に書いて回す
  8. 締め切りが近づいたら、未返信のゲストを数えて新郎新婦に知らせる

(a)返信の書き写しが多い。 1件ずつ、氏名と住所と同伴者を一覧に写します。月1,500件の返信を10名で割っても、1人150件を打合せの合間に書き写すことになります。

(b)料理と引出物の数え直しで誤る。 返信のたびに、大人の料理、お子様の料理、お子様用のプレート、引出物のセットの数を数え直します。同伴のお子様を大人として数えたまま、厨房に人数を伝えてしまうことがあります。

(c)アレルギーの申告が自由記入の欄に埋もれる。 フォームにアレルギーの欄があっても、ゲストはメッセージの欄に「子どもが卵のアレルギーです」と書いてくることがあります。メッセージの欄は新郎新婦へのお祝いの言葉だと思って読み飛ばすと、申告を見落とします。

(d)厨房に届くのが遅れる。 厨房への連絡は、プランナーが手の空いたときに紙で回しています。最終の打合せの直前にまとめて届くと、厨房は代わりの食材の手配に余裕が無くなります。

  1. 【自動】 ゲストが Web 招待状のフォームで返信すると、Make のシナリオが受け取る
  2. 【自動】 招待コードで招待客の一覧を引き、どの新郎新婦のどのゲストかを確かめる
  3. 【自動】 出欠、同伴者の人数、住所を招待客の一覧に書き込む
  4. 【自動】 自由記入の欄を Claude に渡し、お子様の年齢、アレルギー、食事の制限、介助の要望を抜き出させる
  5. 【自動】 お子様の年齢と式場の決まりから料理の区分を付け、表計算の式が料理と引出物の数を数え直す
  6. 【自動】 アレルギーの申告があれば、厨房の一覧に「確認待ち」で載せ、担当のプランナーと厨房に知らせる
  7. 【人】 プランナーがゲスト(または新郎新婦)に、アレルギーの中身と程度を確かめ、厨房の一覧の行を「確定」にする
  8. 【自動】 毎朝、返信の締め切りが近い組の未返信の数と、「確認待ち」のアレルギーの数を担当のプランナーに知らせる
  9. 【人】 プランナーが席次を新郎新婦と決め、最終の人数を厨房と引出物の手配に伝える

7番目が、この設計の分かれ目です。 厨房が対応を決めるのは「確定」になった申告だけです。AIが抜き出した「確認待ち」のまま料理を作ることはありません。 アレルギーの申告は、文字で書かれた内容だけでは程度が分からないことが多く、人がゲストに確かめる工程を省けません。

5番目の数え直しを表計算の式に任せているのも、意図してのことです。 AIが1件ずつ抜き出したお子様の年齢から区分を付け、合計は式が出します。合計をAIに出させると、返信が1件増えるたびに数がぶれることがあります。

02今回想定するシステム構成

構成図
ゲスト(Web 招待状の回答フォーム)
   │
   ▼【トリガー】Google Forms の Watch Responses
Make のシナリオ①(返信の取り込み)
   ├──▶ Google Sheets の Search Rows(招待コードで招待客を引く)
   ├──▶ Google Sheets の Update a Row(出欠・同伴者・住所)
   ├──▶ Claude(Make an API Call で Messages API・構造化出力)
   │      お子様の年齢/アレルギー/食事の制限/介助の要望
   ├──▶ 料理の区分を付ける(式場の決まりの表)
   └──▶ アレルギーがあれば
          Google Sheets の Add a Row(厨房の一覧に「確認待ち」)
          Gmail の Send an email(プランナーと厨房へ)
   ▼
招待客の一覧(表計算の式で料理・引出物の数を集計)
   ▼
Make のシナリオ②(毎朝の見回り)
   └──▶ 未返信の数・「確認待ち」の数を担当のプランナーへ
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Google Forms、Google Sheets、Gmail、定時実行)Power Automate、n8n、Zapier
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(招待客の一覧、料理の区分の決まり、厨房の一覧)Airtable
フォームGoogle フォーム(Web 招待状に組み込む回答フォーム)自社の Web 招待状の仕組み

Google Forms のアプリには、Watch Responses のトリガーがあります。 回答を見張り、新しい返信ごとにシナリオを動かします。接続には Google のアカウントと、Google Resource Manager API・Google Drive API が必要とされています。また、Google Cloud のプロジェクトの公開の状態が「テスト中」の接続は毎週の再認証が必要とされているので、自社で作ったプロジェクトを使うなら、本番の状態にしておきます。 再認証が切れると、返信が届いてもシナリオが動きません。

Claude は、Make の Anthropic Claude のアプリの Make an API Call で、Messages API を直接呼びます。 アプリには Create a Prompt などのモジュールがありますが、公式のページに構造化出力の記載がありません。決まった項目のJSONで受け取りたいので、API を直接呼ぶ形にします。 構造化出力は output_config.format に type: "json_schema" とスキーマを置いて使い、オブジェクトには additionalProperties: false を付けます。

代替候補から Gemini を外しているのは、返信にお子様の情報が入るからです。 同伴のお子様の名前や年齢、アレルギーを扱うので、18歳未満の利用を規約で制限しているサービスは避けます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

シナリオ①は、Google Forms の Watch Responses で、新しい返信を拾うところから始まります。 フォームは新郎新婦ごとに作らず、式場で1つのフォームを使い、招待コードで組とゲストを分けます。 組ごとにフォームを作ると、シナリオも組の数だけ要り、締め切りの過ぎた組のフォームを閉じ忘れます。

実行の間隔は、Make の既定では15分ごとです。返信の取りまとめは急ぎではありませんが、アレルギーの申告は早く厨房に届くほど良いので、既定の間隔のままにします。短くできる間隔はプランによって違います。

シナリオ②は、毎朝の定時実行です。 Make のスケジュールの設定で、毎朝9時に動かします。プランナーが出社して最初に見る一覧に、今日やることがそろっている状態にします。式場は土日が繁忙なので、平日だけでなく毎日動かします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
フォームの返信招待コード、出欠、氏名、住所、同伴者の人数と氏名、アレルギーの欄、メッセージの欄Google フォーム
招待客の一覧組の番号、招待コード、ゲストの氏名、新郎側・新婦側、関係、引出物のセットの区分表計算(新郎新婦と作る)
料理の区分の決まりお子様の年齢ごとの料理(お子様の料理、お子様用のプレート、料理なし)表計算(式場の決まり)
組の情報挙式の日、返信の締め切り、最終の人数の確定日、担当のプランナー表計算

質を決めるのは、フォームの作り方です。 アレルギーの欄に、食品表示の制度で表示が義務付けられている特定原材料(えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)の9品目を選択肢として並べ、そのほかは自由記入にします。選択肢で受けた分はAIを通さずにそのまま使えるので、AIが抜き出すのは自由記入とメッセージの欄に書かれた分だけになります。

引出物のセットの区分は、新郎新婦が決めて一覧に入れておきます。 親族・上司・友人などで引出物を分けるのはよくあることで、その区分を返信から推し量ることはしません。

Step3

データの取得方法を決める

返信は、Watch Responses が返す回答をそのまま使います。 招待コードで招待客の一覧を Search Rows で引き、1件だけ当たったときに、その行を Update a Row で書き換えます。

取るものどこから何に使うか
招待コードフォームの返信招待客の一覧の照合
出欠・同伴者・住所フォームの返信一覧への書き込み
アレルギーの選択肢フォームの返信厨房の一覧へ(AIを通さない)
自由記入とメッセージフォームの返信AIの抜き出しの入力
料理の区分の決まり表計算お子様の料理の区分の付与

同伴者は、1人ずつ招待客の一覧の行に分けます。 「同伴者2名(妻、長男5歳)」という返信なら、本人の行の下に2行を足し、それぞれに料理の区分を付けます。行を分けておけば、席次表の作成ソフトに読み込むときも、1人1席として扱えます。

席次表の作成ソフトには、招待客の一覧を書き出したファイルを読み込みます。 ソフトによって読み込める形式が違うので、ここは利用環境に応じた個別の作業になります。書き出すのは「出席」の行だけにし、欠席と未返信の行は席次表に入れません。席次が決まったら、卓番号を招待客の一覧に書き戻し、厨房の一覧の卓の列にも反映させます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 招待コードの確かめ … 一覧に1件だけ当たるかを見ます。当たらなければ「照合できない返信」に回します
  2. 二重の返信の確かめ … 同じ招待コードで2回目の返信が来たら、上書きせずに印を付けます。出欠を変えた返信の可能性があるので、プランナーが確かめます
  3. 自由記入が空かの確かめ … 自由記入とメッセージの欄が両方とも空なら、AIを呼びません
  4. メッセージの欄の扱い … メッセージの欄は新郎新婦へのお祝いの言葉が中心ですが、要望が書かれることがあるので、AIに渡して要望の有無だけを見させます
  5. 締め切りの確かめ … 最終の人数の確定日を過ぎた返信は、一覧に書き込む前にプランナーに知らせます

3番目で呼び出しの回数が大きく減ります。 自由記入の欄に何も書かないゲストが多いので、AIを呼ぶのは返信の一部だけです。「特になし」「なし」だけの欄も、空として扱います。

4番目は、見落としを防ぐための前処理です。 メッセージの欄の「おめでとう!当日は娘(3歳)も連れて行きます。乳製品が食べられません」という一文を、お祝いの言葉として読み飛ばさないために、必ずAIに通します。

2番目の二重の返信は、締め切りの近くに増えます。 「出席」で返したあとに予定が変わって「欠席」で返し直す、同伴者を1人足して返し直す、という返信です。機械で上書きすると、前の返信で厨房の一覧に載せたアレルギーの行だけが残り、欠席したゲストの料理を厨房が用意することになります。2回目の返信が来たら、招待客の一覧の行と厨房の一覧の行の両方に印を付け、プランナーがどちらを正とするかを決めてから書き換えます。新郎新婦がゲストから電話で聞いた変更も、同じ印の付いた行としてプランナーが入れます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、自由記入とメッセージの欄から、次の項目を抜き出すことだけです。

抜き出すもの中身書かれていないときの扱い
同伴のお子様の年齢お子様ごとの年齢(「3歳」「小学2年」)空にする。推測しない
アレルギーの申告誰の、何の食材か。原文の書き方空にする
アレルギーの程度の書かれ方「エキスもだめ」「加熱すれば大丈夫」など原文そのまま書かれていなければ空
食事の制限宗教上の理由、菜食、苦手な食材空にする
介助の要望車椅子、授乳の場所、席の位置の希望空にする
その他の要望上に当てはまらない要望原文をそのまま

アレルギーと「苦手な食材」は分けて抜き出させます。 「えびが苦手」はアレルギーではないかもしれず、「えびのアレルギー」は命に関わるかもしれません。ゲストの書き方のまま、どちらに入れたかを分けて返させ、迷ったものはアレルギーの側に入れさせます。

させないこと理由
アレルギーの程度の判断プランナーがゲストに確かめ、厨房が対応を決める
料理を出してよいかの判断厨房の責任者が決める
料理の区分の決定年齢と式場の決まりの表から機械的に付ける
料理・引出物の数の合計表計算の式で数える
席次の提案新郎新婦とプランナーが決める

1行目がいちばん大事な線引きです。 「少しなら大丈夫」とゲストが書いても、それを厨房がどう扱うかは別の話です。AIは書かれた言葉を写すだけにし、程度を言い換えさせません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは結婚式場で、招待客からの出欠の返信を取りまとめる担当です。
返信の自由記入の欄とメッセージの欄から、料理と当日の準備に関わる情報を抜き出してください。
書かれていないことを推測で埋めないでください。

【抜き出すもの】
- children:同伴のお子様。書かれた呼び方(長男、娘など)と年齢を、
  書かれたとおりに。年齢が書かれていなければ age_text を空に
- allergies:アレルギーの申告。誰の(本人・同伴者の呼び方)、何の食材か、
  原文の書き方を original_text にそのまま
- severity_text:程度について書かれた言葉を原文のまま(「エキスもだめ」など)
- dislikes:アレルギーではなく苦手・食べない食材
- dietary:宗教上の理由、菜食などの食事の制限
- assistance:車椅子、授乳の場所、席の位置などの要望
- other_requests:上に当てはまらない要望を原文のまま

【厳守事項】
- アレルギーか苦手かが書き方から決められないときは、allergies に入れ、
  uncertain を true にしてください。
- 程度を言い換えたり、軽く書き直したりしないでください。原文のまま写してください。
- 料理を出してよいか、どう対応するかは書かないでください。
- 年齢から料理の種類を決めないでください。年齢を写すだけにしてください。
- お祝いの言葉だけで要望が無ければ、すべての配列を空にしてください。
- 新郎新婦へのお祝いの言葉は抜き出さないでください。

【フォームのアレルギーの選択肢で選ばれたもの】{allergy_choices}
【同伴者の人数】{companions}
【自由記入の欄】{free_text}
【メッセージの欄】{message}

「迷ったものはアレルギーに入れて uncertain を true」は、見落としの側に倒さないための一文です。 苦手をアレルギーと扱う誤りは、プランナーの確認の電話1本で直りますが、アレルギーを苦手として扱う誤りは、厨房まで届きません。

フォームの選択肢をAIに渡しているのは、重複を見分けるためです。 選択肢で「卵」を選び、自由記入にも「卵はゆで卵もだめです」と書いたゲストの申告を、別々の2件として厨房に出さないようにします。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。

{
  "children": [
    { "label": "長男", "age_text": "5歳" }
  ],
  "allergies": [
    { "person": "長男", "food": "卵", "original_text": "長男が卵アレルギーです。卵が入ったものは食べられません",
      "severity_text": "卵が入ったものは食べられません", "uncertain": false }
  ],
  "dislikes": [],
  "dietary": [],
  "assistance": [
    { "type": "seat", "original_text": "ベビーカーを置ける席だと助かります" }
  ],
  "other_requests": []
}

1つ目の理由は、料理の区分を機械的に付けられることです。 age_text から数字を取り出し、式場の決まりの表(たとえば未就学児はお子様用のプレート、小学生はお子様の料理)に当てはめて区分を付けます。「小学2年」のように数字だけでは決まらない書き方は、区分を空にしてプランナーに回します。

2つ目は、厨房の一覧に1申告1行で載せられることです。

列中身
組の番号・挙式の日組の情報から
ゲストと卓招待客の一覧から(席次が決まれば卓番号)
食材food(フォームの選択肢とAIの抜き出しを合わせたもの)
原文と程度の書かれ方original_text・severity_text
状態確認待ち/確定/取り下げ
確認したプランナーと日プランナーが入れる

厨房は「確定」の行だけを見て対応を決めます。 「確認待ち」の行は、厨房にとっては「これから確定する可能性がある申告」の予告で、食材の手配の準備に使えます。

3つ目は、uncertain で確認の順番を決められることです。 プランナーは uncertain が true の申告から先にゲストに確かめます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Web 招待状の回答フォームGoogle Forms の Watch Responses新しい返信を拾う
招待客の一覧Google Sheets の Search Rows/Update a Row/Add a Row招待客の照合、出欠と同伴者の書き込み
Claude APIAnthropic Claude の Make an API Call自由記入の欄の抜き出し
厨房の一覧Google Sheets の Add a Rowアレルギーの申告を「確認待ち」で載せる
プランナー・厨房Gmail の Send an email新しい申告と、毎朝の一覧を知らせる
席次表の作成ソフト招待客の一覧の書き出しプランナーが読み込む

ゲストには自動で返事を送りません。 返信を受け付けた旨の画面はフォームの側で表示し、アレルギーの確認の連絡はプランナーが行います。ゲストへの連絡の窓口を、新郎新婦とプランナーに一本化しておくためです。

厨房の発注の仕組みにも書き込みません。 最終の人数と確定したアレルギーは、確定日にプランナーが厨房に伝え、厨房が発注します。

Step9

人が確認する

アレルギーの申告は、全件をプランナーが確かめます。 厨房の一覧の「確認待ち」の行を見て、ゲスト(連絡先を預かっていなければ新郎新婦を通して)に、食材と程度を確かめます。

  1. uncertain の申告を先に確かめる … アレルギーか苦手かが分からないもの。多くは「苦手なだけです」で取り下げになります
  2. 程度を確かめる … 「エキスもだめか」「調理器具の共用はどうか」を、厨房と決めた聞き方で確かめます
  3. 行を「確定」にする … 確かめた内容を行に書き足し、確認したプランナーと日を入れます
  4. 区分が空のお子様を確かめる … 年齢が書かれていない、または数字で決まらないお子様の料理の区分を決めます
  5. 二重の返信と照合できない返信を見る … 出欠を変えた返信か、別のゲストの返信かを確かめます

1番目から3番目は省けません。 厨房が対応を決めるには、文字で書かれた申告だけでは足りないことが多く、ゲストに確かめた内容が「確定」の行に書かれていることが、厨房との約束です。

目標は、1,500件をならして1件1分です。 自由記入が空で照合が済んだ返信は、一覧を流し見て数秒で終わり、アレルギーの申告がある返信は確認の連絡を含めて10分前後かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
招待コードが一覧に当たらない「照合できない返信」として担当のプランナーへ。打ち間違いが多い
同じ招待コードで2回目の返信上書きせずに印を付け、プランナーが確かめる
同伴者の人数と、自由記入の人数が合わない一覧には同伴者の人数を書き、食い違いをプランナーへ
お子様の年齢が書かれていない料理の区分を空にし、プランナーが確かめる
最終の人数の確定日を過ぎた返信一覧に書き込む前にプランナーへ知らせる
stop_reason が max_tokens・refusal抜き出しをせず、原文をそのままプランナーへ
API が応答しない出欠の書き込みは済ませ、自由記入の欄だけ「未抜き出し」としてプランナーへ
Google Forms の接続が切れる毎朝の見回りで、前日の返信の数がフォームの回答の数と合うかを確かめる
欠席の返信にアレルギーが書かれている厨房の一覧には載せず、招待客の一覧に記録だけ残す

API が応答しないときも、出欠の書き込みは止めません。 出欠と同伴者の人数はフォームの決まった欄から書き込めるので、AIが止まっても、料理と引出物の数は更新されます。 止まるのは自由記入の抜き出しだけで、それはプランナーが原文を読めば済みます。

8行目は、気づきにくい止まり方への備えです。 接続の再認証が切れると、返信は届いているのに一覧が更新されません。毎朝、フォームの回答の数と一覧の返信済みの数を突き合わせると、止まった日のうちに気づけます。

Step11

記録を残す

  • フォームの返信の原文(フォームの回答として残る)
  • AIに渡した自由記入とメッセージの欄と、返ってきたJSONの全文
  • 招待客の一覧の書き込みの記録(いつ、どの返信で、何を書き換えたか)
  • 厨房の一覧の行と、状態の変わった記録(確認待ち→確定、取り下げ)
  • プランナーがゲストに確かめた内容と、確認した日

4つ目と5つ目は、当日に何かあったときに経緯を追うためです。 どの申告を、誰が、いつ確かめ、厨房にどう伝えたかが残っていれば、当日の料理の判断の根拠を示せます。

挙式が終わった組の記録は、式場で決めた期間で消します。 招待客の住所やアレルギーは、婚礼が終われば式場が持ち続ける理由の薄い情報です。

04実装レベルの3段階

最小構成:自由記入の欄を手で画面に貼り、項目を抜き出させる / 1件ごとの抜き出し
半自動化:上記+Make で返信を拾い、出欠と同伴者を招待客の一覧に書き込み、抜き出しの結果を横に並べる / 書き写しと抜き出しの一覧化
本格構成:上記+料理の区分の付与、表計算の式での集計、厨房の一覧への受け渡し、毎朝の見回りまで行う / 返信の取りまとめの全体

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼り付けるので、月1,500件には使えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件4分が2分程度になります。 書き写しは自動になりますが、料理の区分の直し、数え直し、厨房への連絡が手作業で残ります。本格構成で1分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、数え直しと厨房への連絡が、返信のたびの手作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の一覧を1か月見ると、招待コードの打ち間違いの多さと、お子様の年齢の書き方の幅が先に分かります。フォームの作りを直してから本格構成に進むほうが、プランナーに回る件数が減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
10 名
月間件数
1,500 件
1件あたり現在時間
4 分
1件あたり導入後時間
1 分
現在  1,500件 × 4分 ÷ 60 = 100 時間/月
導入後 1,500件 × 1分 ÷ 60 = 25 時間/月
月間削減時間
75h
削減率
75%
年間削減時間
900h
年間金額換算(時間単価2,800円)
252万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 年に数百組の婚礼を受け、新郎新婦に自社の Web 招待状を提供して、招待客の出欠の返信をフォームで受けている結婚式場・ホテルの婚礼部門。返信の内容をプランナーが招待客の一覧に書き写し、料理と引出物の数を数え直し、アレルギーを厨房に紙で渡している場合。Google Workspace のフォームと表計算を使っている場合。
向いていない
  1. 婚礼が月に数組で、プランナーが返信を1通ずつ読んで足りる場合。招待状を外部の Web 招待状のサービスに任せていて、返信のデータを自動で受け取る手段が無い場合(書き出したファイルを取り込む形に変える)。なお、アレルギーの申告にどう対応するか、料理を出してよいかの判断、席次の配置の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月挙式した3組のフォームの返信から、自由記入かメッセージの欄に何か書かれたものを50件選ぶ
  2. 自由記入とメッセージの欄を、手元の Claude の画面に1件ずつ貼り付ける
  3. 「この返信から、同伴のお子様の年齢、アレルギー、苦手な食材、食事の制限、介助の要望を抜き出してください。程度は書かれたとおりに写してください。アレルギーか苦手か迷ったらアレルギーに入れてください」と指示する
  4. 出てきた結果を、当時プランナーが厨房に回した連絡の紙と並べて比べる
  5. メッセージの欄に書かれていた要望を、当時拾えていたかを確かめる

50件は必ずやってください。 シナリオを組む前に、「自由記入の書き方の幅を、抜き出しで受け止められるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時の連絡と同じ申告を拾い、メッセージの欄の申告も拾えたMake のシナリオに進む
程度を言い換えたり、苦手をアレルギーから外したりした指示の書き方で直る。構成は有効
アレルギーの欄が自由記入だけで、書き方がばらばらフォームに特定原材料の選択肢を足すのが先。 AIの問題ではない

5番目で、当時の見落としが見つかることがあります。 メッセージの欄に書かれた申告を読み飛ばしていたなら、それだけでこの構成を入れる理由になります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIの抜き出しのまま厨房が料理を作る「確認待ち」と「確定」を分け、厨房は確定だけを見る
苦手がアレルギーから外される迷ったらアレルギーに入れ、uncertain を true にさせる
程度が軽く言い換えられる原文のまま写すよう指示に書く
メッセージの欄の申告を読み飛ばすメッセージの欄も必ずAIに通す
選択肢と自由記入で同じ申告が二重になる選択肢の内容をAIに渡し、重複を見分けさせる
料理と引出物の数をAIに数えさせてぶれる合計は表計算の式で出す
招待コードの打ち間違いで照合できない「照合できない返信」に回し、フォームに確認の欄を設ける
2回目の返信で出欠が上書きされる上書きせずに印を付けてプランナーが確かめる
Google Forms の接続の再認証が切れるプロジェクトを本番の状態にし、毎朝回答の数を突き合わせる
構造化出力を Create a Prompt で受けようとする公式のページに記載が無い。Make an API Call で Messages API を呼ぶ
挙式後も住所やアレルギーを持ち続ける式場で決めた期間で消す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、抜き出しの結果を確かめずに厨房へ流すという同じ形をしています。アレルギーの申告は、人が確かめるまで確定させないでください。

9行目も、気づきにくいまま効いてきます。 接続が切れても、ゲストの画面では返信が受け付けられたように見えます。毎朝の突き合わせで、止まった日のうちに気づけるようにしておいてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 招待客の氏名と住所、同伴のお子様の名前と年齢、アレルギーや食事の制限、車椅子などの介助の要望、新郎新婦へのメッセージです。アレルギーや介助の要望は、健康に関わる扱いの重い情報です。

  1. AIに渡すのは自由記入とメッセージの欄だけにする … 氏名と住所は渡しません。同伴者は「長男」「娘」など返信に書かれた呼び方のまま扱います
  2. フォームで利用の目的を示す … アレルギーや介助の要望を、料理と当日の準備のために使うこと、厨房と共有することを、フォームの冒頭に書いておきます
  3. お子様の情報を扱う前提でサービスを選ぶ … 返信にはお子様の年齢やアレルギーが入ります。18歳未満の利用を規約で制限しているサービスは、この構成では使いません
  4. アレルギーへの対応は人が決める … AIの抜き出しは、厨房がどう対応するかを決める材料の候補にすぎません。料理を出してよいかは、ゲストに確かめた内容をもとに厨房の責任者が決めます
  5. 厨房の一覧の閲覧の範囲を決める … 厨房の一覧には、ゲストの名前と卓とアレルギーが並びます。担当のプランナーと厨房の責任者に閲覧を限ります
  6. 挙式後に消す … 婚礼が終われば、式場がゲストの住所やアレルギーを持ち続ける理由は薄くなります。消す時期を決めて、毎月まとめて消します

誤りが起きた場合のリスクは、アレルギーの申告を見落とすことと、料理や引出物の数を誤ることの2つです。 前者はゲストの安全に、後者は当日の運営に関わります。前者はメッセージの欄も通すことと「確認待ち」の仕組みで、後者は合計を式で出すことで守ります。

10まず何から始めるか

1週目:フォームを直す

Web 招待状のフォームに、招待コードの欄と、特定原材料9品目の選択肢を足します。あわせて、アレルギーや介助の要望を料理と当日の準備に使うことを、フォームの冒頭に書きます。

2週目:50件で試す

先月の返信から50件を選び、手元の Claude の画面で自由記入の欄を抜き出させます。当時厨房に回した連絡の紙と並べ、メッセージの欄の申告を拾えているか、程度を言い換えていないかを最優先で見ます。

3週目:料理の区分の決まりと厨房の一覧を作る

お子様の年齢ごとの料理の区分を厨房と決めて表にし、「確認待ち」「確定」「取り下げ」の状態を持つ厨房の一覧を作ります。厨房と、確定の行だけを見て対応を決める約束をします。

4週目:返信から招待客の一覧までをつなぐ

Make で Google Forms の Watch Responses から、招待コードで招待客の一覧を引き、出欠と同伴者を書き込むところまで作ります。この時点では AIを呼ばず、表計算の式の料理と引出物の数が、プランナーの数えた数と合うかだけを見ます。

2か月目: Claude の抜き出しと、厨房の一覧への受け渡しを足します。「確認待ち」から「確定」になるまでの日数を毎週見ます。3か月目以降: 毎朝の見回りを足し、1件4分が何分になったかを実測します。厨房から「アレルギーの連絡が直前に来た」という声が出なくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-26/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
Google Forms のアプリに Watch Responses・List Responses・Get a Response などがあること。接続に Google のアカウントと Google Resource Manager API・Google Drive API が必要なこと。公開の状態が「テスト中」の接続は毎週の再認証が必要なことMake: Google Forms2026-10-26
Google Sheets のアプリに Search Rows・Add a Row・Update a Row などがあり、Search Rows の条件を AND/OR で組み合わせられることMake: Google Sheets modules2026-10-26
Gmail のアプリに Send an email などがあることMake: Gmail modules2026-10-26
Anthropic Claude のアプリに Create a Prompt と Make an API Call などがあり、公式のページに構造化出力の記載が無いことMake: Anthropic Claude2026-10-26
シナリオが既定で15分ごとに動き、最短の間隔がプランによること。毎日などのスケジュールを選べることMake: Schedule a scenario2026-10-26
構造化出力が output_config.format(type: "json_schema")で使え、オブジェクトに additionalProperties: false が必要なこと。stop_reason が max_tokens・refusal のときに出力がスキーマに合わないことがあることClaude: Structured outputs2026-10-26
食品表示基準の改正(令和8年4月1日施行)で、特定原材料がえび・カシューナッツ・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の9品目になったこと。カシューナッツの経過措置が令和10年3月31日までであること大阪府: 食品表示について2026-10-26

アレルギーの申告にどう対応するか、料理を出してよいかは、ゲストに確かめた内容をもとに厨房の責任者が決めてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-1881)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次