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税理士事務所に届く新規顧問の申込フォームの内容を要約し、業種・規模・依頼範囲から担当チームと初回面談の準備物を決める

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

新規顧問の申込フォームの回答を1枚の受付メモに要約し、依頼の範囲を決まった区分に分けます。区分と業種から担当チームの候補と初回面談の準備物が決まり、所長が確かめてから申込者へ案内します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/士業
対象部門
営業/総務
対象業務
分類・仕分け/要約
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
対応スピード向上/属人化解消/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
70%
年間削減
168h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 申込フォームの回答が届いたことを、回答のスプレッドシートの通知で知る
  2. 所長か副所長が回答を読み、依頼の中身を確かめる
  3. 業種と依頼の内容から、担当チームと所長の同席の要否を決める
  4. 設立や不動産、財産の管理が絡む依頼かを見て、本人確認の書類の案内が要るかを考える
  5. 受付担当が、依頼の内容に合わせて準備物の案内を書く
  6. 申込者に、面談の候補日と準備物を返信する
  7. 新規受付台帳に、申込・担当・面談日を書く
導入後(After)
  1. 自動申込フォームに回答が届くと、Zapier の Zap が動く
  2. 自動AIが回答を受付メモに要約し、依頼の範囲を区分に分け、準備物の表から必要な資料を選ぶ
  3. 自動業種と主な依頼の区分から、担当チームの候補を表で引く
  4. 自動規模と依頼の区分から、所長の同席の印と、取引時確認の確認が要りうる印を規則で付ける
  5. 自動新規受付台帳に行を足し、所長に受付メモをメールで送り、申込者への返信の下書きを作る
  6. 人所長が受付メモを読み、担当チームと同席を決め、取引時確認の要否を判断する
  7. 人受付担当が下書きを直し、面談の候補日を入れて申込者へ送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 申込フォームの回答が届いたことを、回答のスプレッドシートの通知で知る
  2. 所長か副所長が回答を読み、依頼の中身を確かめる
  3. 業種と依頼の内容から、担当チームと所長の同席の要否を決める
  4. 設立や不動産、財産の管理が絡む依頼かを見て、本人確認の書類の案内が要るかを考える
  5. 受付担当が、依頼の内容に合わせて準備物の案内を書く
  6. 申込者に、面談の候補日と準備物を返信する
  7. 新規受付台帳に、申込・担当・面談日を書く

(a)振り分けが所長に集中する。 2番と3番は、事務所のやり方を知っている所長と副所長にしかできません。2人の予定が埋まっている日は、申込が翌日に回ります。 新規の申込は複数の事務所に同時に出されていることも多く、返事の遅れはそのまま他の事務所に流れる理由になります。

(b)自由記述が長くて読み解きにくい。 「依頼したいこと」の自由記述には、「いまの税理士と連絡が取れなくなった」「来年に法人化したい」「親の相続も相談したい」が1つの段落に並んでいることがあります。読み落とすと、資産税チームが会うべき申込に法人チームが会うことになります。

(c)準備物の案内が人によって違う。 受付担当が替わると、案内する資料の範囲が変わります。決算書を1期分しか頼まず、面談の場で前期と比べられないことがあります。

(d)本人確認の案内が漏れる。 設立の手続の代理を依頼される場合などは、取引時確認が要りえます。4番は所長の頭の中にある判断で、忙しい日ほど飛ばされます。

  1. 【自動】 申込フォームに回答が届くと、Zapier の Zap が動く
  2. 【自動】 AIが回答を受付メモに要約し、依頼の範囲を区分に分け、準備物の表から必要な資料を選ぶ
  3. 【自動】 業種と主な依頼の区分から、担当チームの候補を表で引く
  4. 【自動】 規模と依頼の区分から、所長の同席の印と、取引時確認の確認が要りうる印を規則で付ける
  5. 【自動】 新規受付台帳に行を足し、所長に受付メモをメールで送り、申込者への返信の下書きを作る
  6. 【人】 所長が受付メモを読み、担当チームと同席を決め、取引時確認の要否を判断する
  7. 【人】 受付担当が下書きを直し、面談の候補日を入れて申込者へ送る

6番目が、この設計の分かれ目です。 担当チームの候補も印も、決めるのは所長です。 所長が使う時間は、回答を読み解く時間から、受付メモを確かめる時間に変わります。

4番目の印をAIに付けさせないのも、意図してのことです。 依頼の区分が決まれば、印は表と規則で機械的に付けられます。 AIに「この依頼は取引時確認が要るか」を判断させることはしません。

02今回想定するシステム構成

構成図
Google フォーム(新規顧問の申込フォーム)
   ▼【トリガー】New Form Response
Zapier の Zap
   ├──▶ AI by Zapier:Analyze and Return Data(Claude を自前のキーで接続)
   │      受付メモの要約・依頼の区分・準備物の番号・確認したい点
   ├──▶ Formatter:Lookup Table
   │      業種×主な依頼の区分 → 担当チームの候補
   │      準備物の番号 → 準備物の文面
   ├──▶ 規則:所長の同席の印・取引時確認の確認の印
   ├──▶ Google スプレッドシート:新規受付台帳に行を作る
   ├──▶ Gmail:Send Email(所長への受付メモ)
   └──▶ Gmail:Create Draft(申込者への返信の下書き)
   ▼【人】所長の確認・担当の決定・受付担当の返信
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapierMake、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(AI by Zapier の Bring Your Own Key)OpenAI API、Gemini API
連携Google フォーム(申込フォーム)Microsoft Forms
連携Gmail(所長への通知と返信の下書き)Outlook
連携Google スプレッドシート(新規受付台帳)Zapier Tables

新しく足すのは、Zapier の Zap 1本と、準備物の表・担当の表の2つだけです。 申込フォーム、新規受付台帳、メールはいまのものを使います。

入口は、Zapier の Google Forms の New Form Response です。 新しい回答が届いたときに即時に動くトリガーで、回答が編集されたときにも動かしたい場合は New or Updated Form Response を使います。 Zapier のヘルプでは、Google フォームの回答を Zapier で扱うには、回答を Google スプレッドシートに保存する設定が必要とされています。

AIは AI by Zapier の Analyze and Return Data で呼びます。 出力の項目を名前・型・説明付きで定義でき、Return a list of results を有効にすると、配列で返させることもできます。 Bring Your Own Key の階層では、Anthropic などの自社のアカウントのモデルを使えます。Zapier が提供するモデルでは新しいステップの既定が Premium(タスク5倍)なので、階層は作るときに確かめます。

担当の表は、Formatter の Lookup Table で引きます。 キーと値の表を Zap の中に書いておき、入ってきた値に合う行の値を次のステップに渡します。キーは大文字と小文字を区別し、合う行が無いときの既定値を決められます。 一方、キーの値が空のときは既定値も使われず、値が渡らないとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

申込フォームに新しい回答が届いたことを起点にします。 New Form Response は即時のトリガーなので、申込から数分で所長の受信箱に受付メモが届きます。 第3章の(a)の「翌日に回る」は、所長が受付メモを読む時間さえあれば起きません。

フォームの回答を後から直す運用はしません。 申込者から「書き間違えた」と連絡があった場合は、受付担当が新規受付台帳の行を直します。New or Updated Form Response にすると、直すたびに受付メモと下書きがもう一度作られます。

Zap を有効にする前に届いていた回答は、この Zap では処理されません。 切り替えの日に未処理の申込が残っていれば、これまでどおり手で処理します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
申込フォームの回答法人/個人、名称、業種、売上の規模、従業員数、決算月、会計ソフト、いまの税理士の有無、依頼したいこと(選択と自由記述)、困っていること、面談の希望Google フォーム
依頼の区分の表区分のコード、名前、含める依頼・含めない依頼の例依頼の区分の表
準備物の表準備物の番号、資料の名前、どの区分で要るか、何期分か準備物の表
担当の表業種の区分と主な依頼の区分の組み合わせごとの担当チームFormatter の Lookup Table
同席と確認の規則所長が同席する条件、取引時確認の確認の印を付ける区分Zap の中の規則

質を決めるのは、依頼の区分の表です。 区分の名前だけを渡すと、「法人化を考えている」を設立に入れるか個人の顧問に入れるかが揺れます。区分ごとに「含める依頼」「含めない依頼」の例を2〜3行ずつ書きます。

区分のコード名前主に会うチーム
monthly_corp法人の月次顧問法人チーム
annual_only決算・申告のみ法人または個人事業チーム
bookkeeping記帳の代行法人または個人事業チーム
payroll給与計算・年末調整法人チーム
incorporation会社の設立・法人化法人チーム(所長同席)
sole_prop個人事業の顧問・確定申告個人事業チーム
inheritance相続・贈与資産税チーム
real_estate不動産の売買・譲渡資産税チーム
otherどれにも当たらない所長が決める

準備物の表は、所長と各チームのリーダーが作ります。 「決算書と申告書(直近2期分)」「総勘定元帳(直近1期分)」「給与の台帳」「固定資産の台帳」「相続人の関係が分かる資料」のように、1行1資料で番号を付けます。 AIには番号で選ばせ、文面は表から引きます。

Step3

データの取得方法を決める

申込フォームの回答は、New Form Response のトリガーの出力として受け取ります。 設問ごとに項目が分かれて届くので、AIに渡す前に「設問:回答」の行に並べ直します。 空の回答は「回答なし」とします。

依頼の区分の表と準備物の表は、AI by Zapier のプロンプトに埋め込みます。 どちらも数十行の表で、月に何度も変わるものではありません。表を直したら、Zap のプロンプトも同じ日に直します。 直した日を新規受付台帳の備考の列に残しておきます。

担当チームは、Formatter の Lookup Table で引きます。 キーは「業種の区分+主な依頼の区分」をつなげた文字列(例:construction_monthly_corp)です。合う行が無いときの既定値は「所長が決める」にします。 キーの値が空のときは既定値が使われないので、AIの出力で主な依頼の区分が空にならないよう、other を必ず返させます。

準備物の文面も、Lookup Table で引きます。 AIが返した準備物の番号の配列を、1つずつ表で文面に直します。Lookup Table は、明細の形で届いたデータについて、1つずつ同じ処理をくり返せるとされています。

新規受付台帳は、Lookup Spreadsheet Row で申込者のメールアドレスを引き、行が無ければ作る設定にします。 同じ人が以前にも申し込んでいれば、その行に当たります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 設問と回答を並べ直す … 設問の文言と回答を1行ずつにし、AIに渡す形にそろえます
  2. AIに渡さない項目を外す … 電話番号と住所は、要約にも区分にも要りません。AIには渡さず、新規受付台帳には直接書きます
  3. 数字の項目を規則で区分する … 売上の規模と従業員数は、選択肢のまま Zap の規則で「小・中・大」に分けます。数字の比較はAIにさせません
  4. 重複を確かめる … 新規受付台帳に同じメールアドレスの行があれば、受付メモに「以前の申込あり」と書き添えます

3番目は、所長の同席の条件に使うためです。 「売上が一定以上なら同席」という規則は、フォームの選択肢の値で決めれば、AIの読み違いが入りません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、回答を受付メモに要約し、依頼を区分に分け、準備物を番号で選び、面談で確かめたい点を書き出すことだけです。

項目作り方判断できないときの扱い
受付メモ誰が、何を、なぜ、いつまでに依頼したいのかを5行以内にまとめる書かれていないことは「記載なし」
主な依頼の区分依頼の区分の表から1つ選ぶ決められなければ other
ほかの依頼の区分自由記述に別の依頼があれば、表から選んで並べる無ければ空
準備物準備物の表から、選んだ区分で要る番号を選ぶ表に無い資料は書かない
確かめたい点回答の中で食い違うこと、足りないこと無ければ空
根拠区分を選んだ根拠の回答の文をそのまま写す言い換えない

「ほかの依頼の区分」が、第3章の(b)への答えです。 「親の相続も相談したい」の一文があれば、主な依頼が法人の月次顧問でも、inheritance がほかの依頼の区分に入ります。所長は受付メモを開いた瞬間に、資産税チームを面談に呼ぶかを考えられます。

させないこと理由
受任するか、断るかを書く所長が初回面談の後に決める
報酬の見込みを書く事務所の報酬の規程と、面談の内容で決まる
取引時確認が要るかを判断する区分から規則で印を付け、所長が判断する
担当者を名指しする担当チームまで。誰が会うかはチームの空きで決まる
税務の助言を書く受付の段階で答えない。面談で扱う
いまの税理士への評価を書く申込者の書いたことを要約するだけ

5行目は、困りごとの欄に質問が書かれていることが多いからです。 「消費税の届出を出し忘れたかもしれない」と書かれていると、AIはそれに答えようとします。 受付メモは、その質問が書かれていたことを伝えるだけにします。

Step6

指示内容を固定する

あなたは税理士事務所の受付担当です。新規の顧問の申込フォームの回答を
読み、所長が初回面談の段取りを決めるための受付メモを作ってください。
回答に書かれていることだけを使ってください。推測で補わないでください。

【手順】
1. 誰が、何を、なぜ、いつまでに依頼したいのかを、5行以内の
   受付メモにまとめてください。書かれていないことは
   「記載なし」と書いてください。
2. 依頼の区分の表から、主な依頼の区分を1つ選んでください。
   決められないときは other を選んでください。
3. 自由記述に別の依頼が書かれていれば、その区分を
   other_services に並べてください。
4. 選んだ区分について、準備物の表から必要な資料の番号を
   選んでください。表に無い資料は書かないでください。
5. 回答の中で食い違うこと、面談の前に確かめたいことを
   書き出してください。
6. 区分を選んだ根拠の回答の文を、そのまま写してください。

【厳守事項】
- 受任するか、断るかを書かないでください。
- 報酬の見込みを書かないでください。
- 税務の質問に答えないでください。質問が書かれていたことだけを
  受付メモに書いてください。
- 犯罪収益移転防止法の取引時確認が要るかを書かないでください。
- いまの税理士について、評価を書かないでください。
- 売上や従業員の数から、規模を判断しないでください。

【依頼の区分の表】{service_categories}
【準備物の表】{document_list}
【申込フォームの回答】{answers}

「税務の質問に答えない」を明記しないと、受付メモに回答が混ざります。 申込者の質問への答えが受付メモに書かれていると、受付担当がそれを返信に写してしまうおそれがあります。 税務の助言は、税理士が面談で行うものです。

「取引時確認が要るかを書かない」を入れるのは、AIがもっともらしく書くからです。 書かせれば、AIは「設立の依頼のため取引時確認が必要です」と書きます。当たっていても外れていても、判断の出どころがAIになります。 印は区分から規則で付けます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目として、次のものを定義します。

{
  "summary": "",
  "main_service": "monthly_corp | annual_only | bookkeeping | payroll | incorporation | sole_prop | inheritance | real_estate | other",
  "other_services": ["inheritance"],
  "document_ids": ["D01", "D02"],
  "questions_to_confirm": [""],
  "evidence": "",
  "needs_review": false
}

1つ目の理由は、main_service を決まった値に絞れることです。 担当の表のキーに、そのまま使えます。表に無い値が返ると Lookup Table が当たらないので、値の一覧を出力の項目の説明に書いておきます。

2つ目は、document_ids を番号で受け取れることです。 準備物の文面をAIに書かせると、表に無い資料が混ざったり、「直近2期分」が「直近の分」に変わったりします。番号で受け取り、文面は表から引けば、案内の中身は事務所が決めたとおりになります。 第3章の(c)の「人によって違う」は、ここで止めます。

3つ目は、evidence で所長の確認が速くなることです。 区分を選んだ根拠の文が並んでいれば、回答の全文を開かずに区分の当否を確かめられます。

Zap の側では、受け取った後に次の印を規則で付けます。

印付ける条件受付メモでの扱い
所長の同席規模が「大」、または区分が incorporation・inheritance・real_estate件名に【所長同席】
取引時確認の確認主な依頼かほかの依頼に incorporation・real_estate・inheritance を含む件名に【取引時確認の確認】
要確認main_service が other、または questions_to_confirm が空でない件名に【要確認】

2行目の印は「取引時確認が要る」という意味ではありません。 所長が要否を判断すべき依頼であるという印です。

所長に届く受付メモのメールは、次の形にそろえます。

件名:【新規申込】【所長同席】【取引時確認の確認】株式会社〇〇(建設業)

【受付メモ】
・建設業の法人。いまの税理士と連絡が取りにくく、決算前に替えたい
・月次の顧問を希望。来年に子会社の設立も考えている
・決算月は3月。会計ソフトは記載なし
【主な依頼】法人の月次顧問(monthly_corp)
【ほかの依頼】会社の設立・法人化(incorporation)
【担当チームの候補】法人チーム
【確かめたい点】会計ソフトの記載なし/従業員数と売上の規模の選択が食い違う
【根拠】「来年には子会社を作ることも考えています」
【準備物】決算書と申告書(直近2期分)/総勘定元帳(直近1期分)/給与の台帳

件名に印を並べるのは、所長が受信箱の一覧だけで優先順を決められるようにするためです。 本文は、区分・候補・確かめたい点・根拠の順に、毎回同じ並びにします。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Google フォームNew Form Response申込の回答を受け取る
AI by ZapierAnalyze and Return Data受付メモ、区分、準備物の番号
FormatterLookup Table担当チームの候補と準備物の文面を引く
Google スプレッドシートLookup Spreadsheet Row(行が無ければ作る)新規受付台帳に記入する
GmailSend Email所長と副所長に受付メモを送る
GmailCreate Draft受付担当の受信箱に、申込者への返信の下書きを作る

所長への受付メモは事務所の中のメールなので、送ります。 申込者への返信は、下書きまでにします。 面談の候補日は所長と担当チームの予定で決まるので、受付担当が入れてから送ります。

下書きには、準備物の一覧と「面談の候補日」の空欄を入れておきます。 取引時確認の確認の印が付いたものは、所長が要と判断した場合だけ、本人確認の書類の案内の段落を受付担当が足します。

Step9

人が確認する

  1. 所長が【要確認】から読む … 区分が other のもの、確かめたい点があるものです
  2. 担当チームと同席を決める … 担当チームの候補と other_services を見て、どのチームが会うかを決めます
  3. 取引時確認の要否を判断する … 【取引時確認の確認】の印が付いたものについて、依頼の内容から要否を決め、新規受付台帳に記録します
  4. 受付担当が返信を送る … 下書きに候補日を入れ、必要なら本人確認の書類の案内を足して送ります

2番目では、other_services を読み飛ばさないでください。 主な依頼が法人の月次顧問でも、ほかの依頼に相続や設立が入っていれば、初回面談に資産税チームや所長が加わるかで、面談で話せることが変わります。

3番目は、印が付いていても要とは限りません。 国税庁の資料では、税務相談のみを行う場合のように顧客の代理や代行ではない業務は、特定受任行為の代理等に当たらない例として挙げられています。相続の依頼でも、申告だけなのか、相続財産の管理まで頼まれるのかで変わります。

目標は、40件をならして1件9分です。 所長の時間は、受付メモを読み、決める時間だけになります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
主な依頼の区分が other担当の表の既定値で「所長が決める」になる
自由記述が空で、選択だけの回答受付メモは選択の内容だけで作る。questions_to_confirm に「依頼の詳細」を入れる
同じ人からの2回目の申込新規受付台帳の行に当たる。受付メモに「以前の申込あり」
すでに顧問先の人からの申込新規受付台帳ではなく、顧問先の担当者へ回す
営業や勧誘のメッセージ区分を other にし、所長が見て捨てる
AI の呼び出しが失敗する受付メモが届かない。回答のスプレッドシートを受付担当が毎夕見て、台帳に無い行を手で処理する
準備物の番号が表に無いLookup Table が当たらない。下書きの一覧から外し、【要確認】を付ける
個人と法人の両方の依頼が1つの申込にある主な依頼を法人側にし、個人の依頼を other_services に入れる。担当は所長が決める

下から3行目の「毎夕見る」は、Zap が止まっていても申込を落とさないための決まりです。 回答のスプレッドシートと新規受付台帳の行数が合っていれば、取りこぼしはありません。

Step11

記録を残す

  • 申込フォームの回答(回答のスプレッドシートに残る)
  • AIが返した項目(summary・main_service・other_services・document_ids・evidence)
  • 規則で付けた印(同席・取引時確認の確認・要確認)と、そのときの表の版
  • 所長が決めた担当チーム・同席・取引時確認の要否と、AIの区分を直した場合の元の値
  • 申込者へ返信した日時と、初回面談の日
  • 初回面談の後の結果(受任・見送り)

4つ目の「AIの区分を直した場合の元の値」が、依頼の区分の表を直す材料になります。 同じ種類の直しが続けば、表の「含める依頼」「含めない依頼」の例が足りていません。

04実装レベルの3段階

最小構成:回答を手でAIの画面に貼り、受付メモと区分を作らせる / 1件ごとの要約と区分
半自動化:上記+Zapier で申込から受付メモ・担当チームの候補・印・返信の下書きまでを作る / 受付から返信の下書きまで
本格構成:上記+担当チームの予定から面談の候補日を出し、初回面談の後の受任・見送りを台帳に戻す / 面談の段取りから結果の記録まで

半自動化で、1件30分が9分になり、この段階が本記事の想定です。 読み解き、振り分けの下ごしらえ、準備物の案内がまとめて短くなります。残るのは、所長が決める時間と、受付担当が候補日を入れて送る時間です。 本格構成に進むかは、受任・見送りの記録が3か月分たまってから決めます。 どの区分の申込が受任につながりやすいかが分かれば、面談の候補日を出す順番に使えます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
30 分
1件あたり導入後時間
9 分
現在  40件 × 30分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 40件 × 9分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
14h
削減率
70%
年間削減時間
168h
年間金額換算(時間単価3,500円)
59万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. Webサイトの申込フォームで新規の顧問の相談を受けている税理士事務所で、申込が月に数十件ある場合。業種や依頼の内容によって担当するチームを分けているが、その振り分けと初回面談の準備を所長や特定の職員が1件ずつ行っている場合。面談の当日に必要な資料がそろわず、2回目の面談が必要になることが多い場合。
向いていない
  1. 新規の申込が月に数件で、所長が自分で読めば足りる場合。申込を紹介や電話でしか受けておらず、フォームの回答のような決まった形の情報が無い場合。担当の決め方が職員の空き具合だけで、業種や依頼の内容で分けていない場合。なお、受任するかどうかの判断と、犯罪収益移転防止法の取引時確認が要るかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月の申込から20件を選ぶ(自由記述に複数の依頼が書かれたものを必ず入れる)
  2. その20件について、当時どのチームが会い、どの資料を頼み、面談で足りなかった資料があったかを書き出す
  3. 手元のAIサービスの画面に、依頼の区分の表と準備物の表、申込の回答を貼り付ける
  4. 「この申込を5行以内の受付メモにまとめ、依頼の区分を表から選び、準備物を表の番号で選んでください。税務の質問に答えないでください。取引時確認が要るかを書かないでください」と指示する
  5. 出てきた結果を、当時の振り分けと準備物と比べる

20件で十分です。 ここで確かめたいのは、「依頼の区分の表があれば、所長の振り分けと同じ区分になるか」です。

出てきた内容判断
当時の振り分けと同じ区分が出たZapier の Zap に進む
税務の質問に答えた、取引時確認を書いた指示の書き方で直る。構成は有効
区分が当時と違うものが多い依頼の区分の表の例を足すことが先

3行目が出たら、どちらが正しいかを所長と確かめます。 当時の振り分けのほうが誤っていた、ということもあります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
受付メモに税務の質問への答えが混ざる指示で禁じ、受付メモは質問があったことだけを書く
取引時確認の要否をAIが書く指示で禁じ、印は区分から規則で付ける
準備物に表に無い資料が混ざる番号で選ばせ、文面は表から引く
Lookup Table が当たらないキーは大文字と小文字を区別する。other を必ず返させ、空のキーを作らない
フォームの回答が Zapier に届かない回答を Google スプレッドシートに保存する設定にする
表を直したのにプロンプトが古い表を直した日にプロンプトも直し、台帳に版を残す
回答が編集されるたびに受付メモが届くNew Form Response を使い、直しは台帳で行う
Zap が止まって申込を落とす回答のスプレッドシートと台帳の行数を毎夕比べる

上の2行が、この構成でいちばん気をつけることです。 どちらも、税理士が判断すべきことがAIの文として外に出る失敗です。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 申込者の氏名・会社名・連絡先、売上の規模と従業員数、いまの税理士との関係、相続や不動産の事情などの自由記述です。まだ顧問契約を結んでいない人の情報であることに注意します。

  1. 取引時確認の判断をAIに任せない … 国税庁の資料では、犯罪収益移転防止法により、税理士には税理士として行う特定の業務について、顧客の本人確認、記録の作成・保存、疑わしい取引の届出の義務があるとされています。対象は、宅地または建物の売買、会社の設立または合併、現金・預金・有価証券その他の財産の管理または処分の代理または代行です。要否を判断するのは所長で、この構成は所長に判断を促す印を付けるだけです
  2. 確認事項を案内の段階で集めない … 取引時確認の確認事項は、法人なら名称・所在地・取引を行う目的・事業内容・実質的支配者とされています。申込フォームでこれらを先に集めるのではなく、要と判断した場合に、面談で所定の方法で確認します
  3. AIに渡す情報を絞る … 電話番号と住所はAIに渡しません。自由記述に家族の事情が書かれていても、要約には依頼に関係する範囲だけを残すよう指示します
  4. 返信を人に残す … 申込者へのメールは下書きまでにし、税務の助言や受任の約束が書かれていないかを受付担当が確かめて送ります
  5. 見送った申込の情報を残しすぎない … 受任しなかった申込の回答と受付メモをいつまで残すかを、事務所の規程で決めておきます

誤りが起きた場合のリスクは、受付の段階で税務の助言や受任の約束をしてしまうことと、取引時確認が要る依頼を見落とすことの2つです。 前者は指示と下書きで、後者は規則の印と所長の判断で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:表を2つ作る

所長と各チームのリーダーで、依頼の区分の表(区分ごとに含める依頼・含めない依頼の例)と、準備物の表(1行1資料、番号付き)を作ります。過去の申込を20件読み返しながら作ると、例が具体的になります。

2週目:20件で試す

過去の申込から20件を選び、手元のAIサービスで受付メモと区分を作らせます。税務の質問への答えと、取引時確認の要否が書かれていないかを最優先で見ます。

3週目:Zap を組む

New Form Response から AI by Zapier、Formatter の Lookup Table、新規受付台帳までをつなぎ、所長に受付メモが届くところまで作ります。この時点では返信の下書きを作らず、受付メモだけを1週間見ます。

4週目:印と下書きを足す

所長の同席・取引時確認の確認・要確認の印と、申込者への返信の下書きを足します。

2か月目: 所長が区分を直した記録から、依頼の区分の表を見直します。3か月目以降: 初回面談の後の受任・見送りを台帳に戻し、区分ごとの結果を見ます。申込が届いたその日のうちに、準備物まで書いた返信が送られている状態になった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
犯罪収益移転防止法により、税理士には税理士として行う特定の業務について顧客の本人確認、記録の作成・保存、疑わしい取引の届出の義務があること。対象が宅地又は建物の売買、会社の設立又は合併、現金・預金・有価証券その他の財産の管理又は処分の代理又は代行(特定受任行為の代理等)であること。税務相談のみのように代理・代行でない業務は該当しない例とされること。取引時の確認事項が、法人は名称・所在地・取引を行う目的・事業内容・実質的支配者、自然人は氏名・住居・生年月日・取引を行う目的・職業であること国税庁: 犯罪収益移転防止法における税理士の責務2026-10-08
Google Forms のトリガーに New Form Response と New or Updated Form Response があり、どちらも即時であること。回答を Google スプレッドシートに保存する必要があることZapier Help: How to get started with Google Forms on Zapier2026-10-08
Analyze and Return Data で出力の項目を定義でき、Return a list of results で配列を返せること。Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍、新しいステップの既定)の階層と、Bring Your Own Key で Anthropic などのアカウントを使えることZapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-08
Formatter の Lookup Table でキーと値の表を引けること。キーは大文字と小文字を区別し、合う行が無いときの既定値を決められるが、キーが空のときは既定値も使われないこと。明細の形のデータを1つずつ処理できること。Professional 以上のプランが必要なことZapier Help: Create lookup tables in Zaps2026-10-08
Gmail のアクションに Send Email、Create Draft などがあることZapier Help: How to get started with Gmail on Zapier2026-10-08
Lookup Spreadsheet Row で検索の列と値で行を探し、行が無ければ作れることZapier Help: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets2026-10-08

取引時確認の要否と、その確認の方法は、所長と日本税理士会連合会の資料で確かめてください。 本記事は上記の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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