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半年以上注文のない取引先を販売管理のデータから拾い、過去の購入品と新商品の情報をもとに掘り起こしのメール文を担当者ごとに下書きする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

半年以上注文のない取引先を販売管理のデータから拾い、その取引先の過去の購入品と、新商品・後継品の一覧をもとに、掘り起こしのメール文の案を作ります。営業担当は案と確認表を見て直し、自分の名前で送ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
EC/商社/製造
対象部門
営業
対象業務
書類作成
主な課題
営業フォローが追いつかない/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
70%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 月初に営業事務が、販売管理のシステムから「最終受注日が6か月以上前」の取引先の一覧を出し、担当者ごとに分けて配る
  2. 営業担当が一覧から声をかける取引先を選ぶ
  3. 1社ずつ販売管理のシステムで購入履歴を開き、何をどれくらいの頻度で買っていたかを確かめる
  4. 商品部の新商品・後継品・廃番の一覧を開き、その取引先に合いそうなものを探す
  5. 以前に送ったメールを探して下敷きにし、文面を書く
  6. 送る
導入後(After)
  1. 人月初に営業事務が、販売管理のシステムから対象の取引先の一覧と、取引先ごとの購入履歴の集計を出す
  2. 人営業事務が、配信停止の申し出のある取引先と、与信や取引停止で声をかけない取引先を一覧から外す
  3. 人営業担当が ChatGPT のプロジェクトで取引先ごとに新しいチャットを開き、購入履歴の集計を貼る
  4. 【AI】 Sources の新商品・後継品・廃番の一覧と購入履歴を突き合わせ、触れてよい品目を選ぶ
  5. 【AI】 文例の形に沿って、件名と本文の案を作る
  6. 【AI】 使った購入履歴と品目、確かめるべき点(廃番の扱い、価格を書いていないことなど)の確認表を付ける
  7. 人営業担当が確認表と案を読み、直して自分のメールから送る
  8. 人返事が来たもの、来なかったものを販売管理のシステムの取引先の記録に残す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 月初に営業事務が、販売管理のシステムから「最終受注日が6か月以上前」の取引先の一覧を出し、担当者ごとに分けて配る
  2. 営業担当が一覧から声をかける取引先を選ぶ
  3. 1社ずつ販売管理のシステムで購入履歴を開き、何をどれくらいの頻度で買っていたかを確かめる
  4. 商品部の新商品・後継品・廃番の一覧を開き、その取引先に合いそうなものを探す
  5. 以前に送ったメールを探して下敷きにし、文面を書く
  6. 送る

(a)一覧が配られても、半分も連絡できない。 1人の担当者に月20社前後が配られますが、1社15分かかると、日々の注文対応と商談の合間には収まりません。 連絡できなかった取引先は翌月の一覧に残り、翌々月にはさらに後回しになります。

(b)購入履歴と新商品の一覧を見比べる手間が大きい。 購入履歴は品目コードで並び、新商品の一覧は商品名とメーカーで並んでいます。後継品の関係は一覧の備考欄に書かれていて、品目コードで引けません。 担当者は2つの画面を行き来して、合いそうなものを探しています。

(c)文面の質が担当者ごとに違う。 購入履歴に触れて具体的に書く担当者もいれば、「ご無沙汰しております。何かございましたら」で終える担当者もいます。後者のメールには、返事がほとんど来ません。 何を書けば返事が来るのかが、担当者の間で共有されていません。

(d)推し量った一文が混ざる。 「価格面でご不満があったのでしょうか」「他社様に切り替えられたかと存じますが」のような一文を書く担当者がいます。相手が気にしていなかったことを、こちらから持ち出すことになります。 読み直しで消すかどうかは、その担当者次第です。

  1. 【人】 月初に営業事務が、販売管理のシステムから対象の取引先の一覧と、取引先ごとの購入履歴の集計を出す
  2. 【人】 営業事務が、配信停止の申し出のある取引先と、与信や取引停止で声をかけない取引先を一覧から外す
  3. 【人】 営業担当が ChatGPT のプロジェクトで取引先ごとに新しいチャットを開き、購入履歴の集計を貼る
  4. 【AI】 Sources の新商品・後継品・廃番の一覧と購入履歴を突き合わせ、触れてよい品目を選ぶ
  5. 【AI】 文例の形に沿って、件名と本文の案を作る
  6. 【AI】 使った購入履歴と品目、確かめるべき点(廃番の扱い、価格を書いていないことなど)の確認表を付ける
  7. 【人】 営業担当が確認表と案を読み、直して自分のメールから送る
  8. 【人】 返事が来たもの、来なかったものを販売管理のシステムの取引先の記録に残す

2番目が、この設計の分かれ目です。 声をかけない取引先を、AIに渡す前に人が外します。配信停止を申し出た取引先にメールを送ることは、メールの出来とは関係なく避けなければなりません。 AIに「この取引先に送ってよいか」を判断させず、一覧の段階で外します。

4番目は、2つの一覧を突き合わせる作業です。 第3章の(b)で担当者が画面を行き来していた部分を、AIに任せます。ただし、突き合わせの根拠は確認表に書かせます。 どの購入履歴の行と、新商品の一覧のどの行を結びつけたのかが分からない案は、担当者が確かめられません。

02今回想定するシステム構成

構成図
販売管理のシステム(取引先・受注・品目ごとの売上)
   │  営業事務が月初に対象の一覧と購入履歴の集計を出す
   │  配信停止・取引停止の取引先を外す
   ▼【トリガー】月初の対象一覧の配布
ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト)
   │  プロジェクトの指示:文面の作り方、確認表の形、してはいけないこと
   │  Sources:新商品・後継品・廃番の一覧、文例、
   │           メールの末尾の定型(送信者・配信停止の案内)
   ▼
【件名と本文の案】【確認表】
   ▼
【営業担当が確かめて直す】→ 自分のメールから送る
   └──▶ 結果を販売管理のシステムの取引先の記録へ
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能)Claude、Gemini、Microsoft Copilot
抽出販売管理のシステムの検索と集計の出力-
送信営業担当のメール-

新しく足すのは、ChatGPT の業務用ワークスペースと、そのプロジェクトだけです。 販売管理のシステムには手を入れず、営業事務がふだん使っている検索と出力の機能で対象の一覧を作ります。メールの送信も、営業担当がいつものメールから行います。

プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示をまとめておく機能です。 公式の案内では、プロジェクトの指示はそのプロジェクトのチャット全体に適用され、アップロードしたファイルと接続した情報は Sources の欄に置かれます。 新商品・後継品・廃番の一覧と文例を Sources に一度置けば、取引先ごとのチャットでは購入履歴を貼るだけで済みます。

ChatGPT のプロジェクトは、販売管理のシステムを見に行きません。 公式の案内でも、ChatGPT のプロジェクトはパソコン上のフォルダへの直接のアクセスを持たないとされています。購入履歴の集計は、毎回チャットに貼ります。

業務用のワークスペースを使うのは、取引先の購入履歴を扱うためです。 公式の案内では、Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータは既定でモデルの学習に使われないとされ、会話の保持はワークスペースの設定に従うとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

月初に営業事務が配る対象の一覧を起点にします。 販売管理のシステムで「最終受注日が6か月以上前、かつ過去2年の間に3回以上の注文がある」取引先を引きます。注文が1回だけの取引先は、別の扱いにします。 スポットで1度買っただけの取引先と、継続して買っていて止まった取引先では、声のかけ方が違います。

営業担当は、配られた一覧のうちその月の前半に連絡する取引先を決め、1日に数社ずつ案を作ります。 1日にまとめて20社分を作ると、確かめる側の集中が続きません。

取引先1社につき、チャットを1つにします。 同じチャットで次の取引先の案を作ると、前の取引先の品目が混ざります。チャットの名前は「取引先コード+年月」にします。

同じ取引先に、前回の掘り起こしのメールから3か月たたないうちは送りません。 一覧に毎月残る取引先に毎月同じようなメールが届くと、読まれなくなるうえ、配信停止の申し出につながります。前回送った日は、販売管理のシステムの取引先の記録で見ます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
取引先の情報取引先コード、業種、地域、受け持ちの担当者販売管理のシステム
購入履歴の集計過去2年の品目コード・品名・注文の回数・最後に注文した月・月あたりの数量の目安販売管理のシステムの集計の出力
前回の連絡前回の掘り起こしのメールを送った月と、返事の有無販売管理のシステムの取引先の記録
新商品・後継品・廃番の一覧品目コード、品名、区分(新商品/後継品/廃番)、後継の関係、特長の一行Sources(商品部が毎月更新)
文例件名の型、書き出し、購入履歴に触れる一文の型、結びSources
メールの末尾の定型会社名・担当者名・連絡先、配信停止の受け付けの案内Sources

質を決めるのは、新商品・後継品・廃番の一覧の「後継の関係」の列です。 備考欄に「〇〇の後継」と文で書かれていると、AIは読み取れても、担当者が確かめにくくなります。後継品の行に、元の品目コードを列として持たせます。 この列があれば、購入履歴の品目コードとそのまま結びつきます。

購入履歴は、明細ではなく集計で渡します。 注文1件ずつの明細を貼ると、単価や値引きの記録まで入ります。メールの材料に要るのは、何を、どのくらいの頻度で、いつまで買っていたかだけです。 単価を渡さないことで、案に価格が入る経路を最初から断ちます。

メールの末尾の定型は、AIに書かせずに文例の文をそのまま使わせます。 総務省のパンフレットでは、広告宣伝メールには送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURLの表示が義務づけられているとされています。この部分を丁寧に言い換えさせると、必要な表示が抜けることがあります。

Step3

データの取得方法を決める

購入履歴の集計は、販売管理のシステムの集計の機能で出します。 取引先コードを条件に、品目ごとの注文の回数と最後に注文した月を出す形を、営業事務が1つ作っておきます。

取るものどこから何に使うか
対象の取引先の一覧販売管理のシステムの取引先の検索その月に声をかける先
品目ごとの購入履歴販売管理のシステムの集計触れる品目を選ぶ
前回の連絡と返事販売管理のシステムの取引先の記録送る間隔と書き出しを決める
配信停止の申し出営業事務が持つ配信停止の一覧一覧から外す
新商品・後継品・廃番商品部の一覧(Sources に置く)購入履歴と突き合わせる

取引先の担当者の氏名は、チャットに貼りません。 宛名は「{ご担当者}様」のまま残させ、送るときに営業担当が入れます。メールの材料に、個人の氏名は要りません。

商品部の一覧は、更新されたら Sources の古い版を消してから新しい版を置きます。 古い版が残っていると、すでに廃番になった品目を新商品として案内する案が出ます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 配信停止の申し出のある取引先を外す … 営業事務が持つ一覧と取引先コードで突き合わせます
  2. 声をかけない取引先を外す … 与信の問題で取引を止めている取引先、倒産・廃業の情報がある取引先を外します
  3. 前回の連絡から3か月たっていない取引先を外す … 取引先の記録の日付で見ます
  4. 購入履歴を集計の形にそろえる … 品目コード・品名・回数・最後に注文した月・数量の目安の5列にし、単価と金額の列を消します
  5. 取引先の担当者の氏名と連絡先を消す … 集計に入っていれば消してから貼ります
  6. 広告宣伝メールとして送ってよい相手かを確かめる … 自社で決めた基準で、取引関係にある取引先か、送信の同意があるかを見ます

1番目は、送る直前にもう一度見ます。 月初に一覧を作った後で配信停止の申し出が届くことがあります。総務省のパンフレットでは、送信に同意した相手であっても、受信拒否の通知を受けた場合には以後の送信が禁止されるとされています。

6番目は、法務と一度決めておく項目です。 総務省のパンフレットでは、広告宣伝メールは原則としてあらかじめ同意した者にだけ送ることができ、例外として取引関係にある者に送信する場合や、名刺などの書面で電子メールアドレスを通知した者に送信する場合が挙げられています。半年以上注文のない取引先をどこまで「取引関係にある者」として扱うかは、自社の法務と決めてください。 この構成は、その判断をAIにさせません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、購入履歴と商品の一覧を突き合わせて触れる品目を選ぶことと、文面の案と確認表を作ることです。

見るものさせること判断できないときの扱い
購入履歴の品目コード新商品・後継品・廃番の一覧と突き合わせる一覧に関係のある品目が無ければ、品目の提案を書かない
後継の関係買っていた品目が廃番なら、後継品を案内する一文にする後継が一覧に無ければ、廃番になった事実だけを書き、代わりの品目を作らない
新商品買っていた品目と同じ区分の新商品を1つまで挙げる同じ区分が分からなければ挙げない
前回の連絡前回送っていれば、その続きとしての書き出しにする前回の有無が分からなければ、初めての書き出しにする
文例件名・書き出し・結びの型に沿う型に無い構成にしない

右端の列は、どれも「書かない」の側に倒しています。 掘り起こしのメールは、具体的に書けば返事が来やすくなりますが、事実と違うことを1つ書けば、その取引先との信頼が戻らなくなります。 結びつきが分からない品目は、案内しないほうが安全です。

させないこと理由
注文が止まった理由を推し量る相手が気にしていないことを持ち出すことになる
価格・値引き・送料・納期の約束条件は営業担当が決める。単価も渡していない
一覧に無い品目の案内取り扱いの無い品目を案内することになる
廃番の品目の在庫があるかのような書き方在庫は日々変わる。確かめるのは営業担当
末尾の定型の書き換え法律で表示が求められる事項が抜けるおそれがある
送る相手として適切かの判断前処理で人が決めている

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「半年ぶりのご連絡」と書かせると、AIは丁寧さのつもりで「何かご不便をおかけしていたのではと案じております」と続けます。注文が止まったのが工場の移転のためなら、この一文は的外れなうえに、不満があったかのような印象を残します。 理由に触れない書き出しを、文例の側で用意しておきます。

2行目も、指示で強く止めます。 「ぜひこの機会に」と書かせると、AIは「お得な価格でご案内できます」のような、決めていない条件を書き足すことがあります。単価を渡していなくても、価格に触れる言葉は出てきます。

Step6

指示内容を固定する

次の文をプロジェクトの指示に置きます。 取引先ごとのチャットでは、取引先の情報と購入履歴の集計と前回の連絡を貼るだけにします。

あなたは包装資材の商社の営業担当として、半年以上ご注文のない取引先に送る
メールの案を作る立場です。Sources の「新商品・後継品・廃番の一覧」
「文例」「メールの末尾の定型」に従ってください。

【やること】
1. 購入履歴の品目コードを、新商品・後継品・廃番の一覧の「元の品目コード」
   の列と突き合わせてください。
2. 買っていた品目が廃番で後継品があれば、後継品の案内を1つ書いてください。
   後継品が一覧に無ければ、廃番になった事実だけを書いてください。
3. 買っていた品目と同じ区分の新商品が一覧にあれば、1つまで挙げてください。
4. 件名と本文を、文例の型に沿って作ってください。
   宛名は「{ご担当者}様」のまま残してください。
5. 本文の最後に、「メールの末尾の定型」をそのまま付けてください。
   一字も変えないでください。
6. 案の後に確認表を付けてください(列:確認の項目/内容/根拠にした行)。
   確認の項目は、触れた購入履歴、案内した品目、前回の連絡、
   営業担当が確かめること、です。

【厳守事項】
- ご注文が止まった理由を推し量る文を書かないでください。
  「ご不便」「ご不満」「他社様」に当たる言葉を使わないでください。
- 価格、値引き、送料、納期、在庫について書かないでください。
- 一覧に無い品目を案内しないでください。品目名を作らないでください。
- 購入履歴に無い品目を「以前ご注文いただいた」と書かないでください。
- 突き合わせの根拠が無い品目は、案内しないでください。
- 取引先の情報が足りず案が作れないときは、作らずに足りない項目を書いてください。

【取引先の情報】{取引先コード/業種/地域}
【購入履歴の集計】{品目コード/品名/注文の回数/最後に注文した月/数量の目安}
【前回の連絡】{前回送った月と返事の有無。無ければ「なし」}

「一字も変えないでください」を明記しないと、末尾の定型が整えられます。 「配信停止をご希望の場合は」の一文が、AIの手で「今後のご案内が不要な場合は、お気軽にお申し付けください」に変わると、受信拒否の通知先のアドレスやURLが落ちることがあります。

「ご不便」「ご不満」「他社様」と言葉を挙げているのは、禁止の範囲を具体的にするためです。 「推し量らないでください」だけだと、AIは推し量っていないつもりで「状況が変わられたかと存じます」と書きます。言葉を挙げると、その周りの言い回しも避けるようになります。

Step7

出力形式を固定する

チャットには、2つの部分で返させます。

【件名】
以前ご注文いただいていたストレッチフィルムの後継品のご案内

【本文】
{ご担当者}様

いつもお世話になっております。〇〇商事の営業部でございます。
以前、手巻き用のストレッチフィルム(品目 SF-2015)を
継続してご注文いただいておりました。
この品目はメーカーの仕様変更により廃番となり、
後継品として SF-2015N を取り扱っております。
同じ幅・同じ長さで、芯の材質が変わったものです。
お使いの状況に変わりがなければ、サンプルをお送りすることもできますので、
ご入用の際はこのメールにご返信ください。
(以下、メールの末尾の定型)

【確認表】
| 確認の項目 | 内容 | 根拠にした行 |
| 触れた購入履歴 | SF-2015(注文12回、最後は3月) | 購入履歴の1行目 |
| 案内した品目 | SF-2015N(後継品) | 一覧の後継品の行(元の品目 SF-2015) |
| 前回の連絡 | なし | - |
| 営業担当が確かめること | サンプルを送れるか、後継品の在庫 | - |

2つに分ける理由の1つ目は、確認の順番が決まることです。 営業担当は確認表を先に読み、触れた購入履歴と案内した品目が、根拠の行と合っているかを見てから本文を読みます。 本文を先に読むと、文面の自然さに気を取られて、品目の取り違えを見落とします。

2つ目は、「営業担当が確かめること」が表に残ることです。 本文に「サンプルをお送りすることもできます」と書いたなら、本当に送れるかを確かめるのは営業担当の仕事です。 確認表にその行があれば、送る前に在庫を見る手順が抜けません。

3つ目は、送った後の記録に使えることです。 確認表を販売管理のシステムの取引先の記録に貼っておけば、次に連絡するときに、前回どの品目を案内したかが分かります。 同じ後継品を3か月後にもう一度案内する、という重なりを避けられます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
販売管理のシステム営業事務が集計を出し、営業担当が貼る取引先の情報・購入履歴・前回の連絡
ChatGPT のプロジェクトチャットに貼る件名と本文の案・確認表
営業担当のメール営業担当が案を直して送る送ったメール
販売管理のシステム営業担当が取引先の記録に書く送った日、案内した品目、返事の有無

ChatGPT と販売管理のシステムは、つなぎません。 月160件なら、営業担当が集計を貼る手間は1件1分ほどです。自動でつなぐ仕組みを作るより、集計の形を1つに決めることのほうが効きます。

メールの一斉配信の仕組みも使いません。 掘り起こしのメールは、受け持ちの営業担当の名前で1通ずつ届くことに意味があります。返事は担当者に直接来て、そのまま商談になります。 一斉配信にすると、返事の受け手が分からなくなります。

Step9

人が確認する

営業担当は、すべての案を確かめてから送ります。

  1. 確認表を先に読む … 触れた購入履歴と案内した品目が、根拠の行と合っているかを見ます
  2. 案内した品目の在庫と扱いを確かめる … 後継品が本当に手配できるか、サンプルを送れるかを見ます
  3. 本文を読む … 推し量った一文、価格や納期に触れる言葉が無いかを見ます。末尾の定型がそのまま付いているかを最後に見ます
  4. 自分の言葉を一文足す … 取引先との過去のやり取りで覚えていることがあれば、担当者が書き足します
  5. 宛名を入れて送る

4番目は、AIにはできない部分です。 「昨年の展示会でお会いした際に」「新しい倉庫の立ち上げの時期と伺っていました」のような一文は、担当者の記憶にしかありません。AIの案は下地で、取引先との関係を持っているのは担当者です。

取引額の大きかった上位の取引先は、メールの前に電話を入れます。 年間の取引額で上位の1割に入る取引先は、メールだけで済ませず、担当者が電話をかけてから案内のメールを送ります。その場合は、電話で話した内容をチャットに書き添え、メールが電話の内容と食い違わないようにします。

目標は、1件4.5分です。 集計を貼るのに1分、確認表と在庫を確かめるのに2分、本文を読んで一文足して送るのに1.5分の想定です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
購入履歴の品目が一覧のどれとも結びつかない品目の案内を省いた案にする。近況を尋ねる短い文面だけにする
後継品が一覧に無い廃番の品目廃番の事実だけを書かせる。代わりの品目は営業担当が商品部に確かめる
案に価格や納期の言葉が入るその部分を消す。繰り返すなら指示の厳守事項に言葉を足す
案に推し量った一文が入る消して作り直させる。文例の書き出しの型を増やす
末尾の定型が変わっている案を使わず作り直させる。送る前に必ず見る
送った後に配信停止の申し出が来る営業事務の配信停止の一覧に入れ、以後は送らない
返事で「担当が替わった」と知らされる新しい担当者の情報を取引先の記録に入れ、次回からそちらへ
返事で倒産・廃業・移転を知る取引先の記録を更新し、対象の一覧から外す
取引先の情報が足りず案が作れない足りない項目を営業事務に頼み、集計を出し直す

3行目から5行目までは、送る前に見つけるものです。 どれもAIの案の問題ですが、送ってしまえば取り消せません。 人間の確認の3番目で、この3つを最後に見る手順にしています。

6行目は、送った後にも続く仕事です。 配信停止の申し出は、営業担当への返事として届くことが多く、担当者が営業事務に伝え忘れると、翌月の一覧に残ります。 受け取ったらその日のうちに一覧に入れる決まりにします。

Step11

記録を残す

  • 送ったメールと、送った日・取引先コード(営業担当のメールと販売管理のシステムの取引先の記録に残る)
  • 確認表(取引先の記録に貼る)
  • 返事の有無と中身の要点(注文の再開、担当の変更、移転、配信停止など)
  • そのとき使った新商品・後継品・廃番の一覧の版
  • 配信停止の一覧と、申し出を受けた日
  • 営業担当が案から直した箇所(文例と指示に戻すため)

ChatGPT のチャットは、送った後に消します。 案と確認表は取引先の記録に残っているので、チャットを残す理由はありません。取引先の購入履歴を置く場所を、販売管理のシステムの1か所に保ちます。

3つ目の返事の中身は、毎月まとめて数えます。 注文が止まった理由が「担当の変更」に偏っているなら、取引先の担当者が替わったときに連絡が途切れていることになります。掘り起こしのメールより先に、担当者の交代を知る仕組みを考える材料になります。

04実装レベルの3段階

最小構成:チャットに一覧と文例と定型を毎回添付し、案を作らせる / 1社ずつの案と確認表
半自動化:上記+プロジェクトに指示と Sources を置き、集計を貼るだけで案が返る / 案と確認表の形の統一
本格構成:上記+販売管理のシステムの出力を起点に API で案を作り、営業担当ごとに下書きとして置く / 案の作成の起動までの全体

本記事の想定は、半自動化です。 月160件を8名で分けると1人20件で、集計を貼る手間は仕組みを作る費用に見合いません。 商品の一覧と文例と定型がプロジェクトにまとまっていることのほうが効きます。 最小構成との差は、商品の一覧が1か所で管理されることです。 毎回添付する形だと、古い一覧を添付した担当者の案だけ、廃番の品目が新商品として出ます。プロジェクトなら、一覧を替えるのは1か所です。 本格構成に進んでも、送信は人が行います。 下書きとして置くところまでを自動にし、送るボタンは営業担当が押す形を変えません。 掘り起こしのメールは、担当者の名前で届くことに意味があるからです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
8 名
月間件数
160 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
4.5 分
現在  160件 × 15分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 160件 × 4.5分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
70%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価4,000円)
134万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 取引先が千社を超え、注文が止まった取引先に営業が声をかけきれていない専門商社・卸・部品メーカー。販売管理のシステムで最終受注日と品目ごとの購入履歴を取り出せる場合。新商品・後継品・廃番の情報が一覧になっていて、営業が毎月それを見て提案先を探している場合。掘り起こしのメールを担当者の手書きで送っていて、文面の質が担当者ごとに違う場合。
向いていない
  1. 取引先が数十社で、営業が全社の状況を頭に入れている場合。注文が止まった理由の大半が倒産・廃業・与信の問題で、声をかける先がほとんど残らない場合。業務用の生成AIのワークスペースを契約できず、取引先の購入履歴を個人のアカウントに貼ることになる場合。なお、どの取引先に声をかけるか、価格や条件をどこまで示すか、広告宣伝のメールとして送ってよい相手かの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の対象の一覧から、1人の営業担当が受け持つ10社を選ぶ(後継品のある取引先と、関係する新商品の無い取引先を混ぜる)
  2. その10社の購入履歴の集計を、単価と氏名を消して用意する
  3. 新商品・後継品・廃番の一覧と文例と末尾の定型をチャットに添付する
  4. 第7章の指示を貼り、10社の案を1社ずつ作らせる
  5. 出てきた案を、その営業担当が自分で書いた場合の文面と比べる

10社の目的は、「購入履歴と一覧の突き合わせが正しくできるか」を確かめることです。 プロジェクトを作る前に、ここを見ます。

出てきた内容判断
品目の結びつきが正しく、推し量った文も無いプロジェクトを作って運用に進む
後継品の結びつきを取り違える一覧の後継の関係が文で書かれている。元の品目コードの列を足す
推し量った一文や価格の言葉が入る指示の厳守事項に言葉を足す。文例の書き出しを増やす

2行目が出ることは珍しくありません。 商品部の一覧が、人が読むための形で作られているためです。AIのためというより、営業担当が自分で探すときにも役に立つ直し方です。 一覧に元の品目コードの列を足すのは、商品部と半日で済む作業です。

10社のうち2社は、関係する新商品の無い取引先にしてください。 案内できる品目が無いときに、AIが一覧から関係の薄い品目を無理に選ばないか、近況を尋ねる短い文面にとどめられるかを確かめます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
注文が止まった理由を推し量る一文が入る言葉を挙げて禁じ、文例の書き出しを用意する
価格や値引きに触れる言葉が入る単価を渡さず、価格の言葉を厳守事項に挙げる
後継品の結びつきを取り違える一覧に元の品目コードの列を持たせる
末尾の定型が言い換えられる「一字も変えない」を指示に書き、送る前に見る
配信停止の取引先に送ってしまう一覧の段階で外し、送る直前にもう一度見る
古い商品の一覧が Sources に残る版を替えるときは古い版を消してから置く
複数の取引先をまとめて頼んで取り違える1社1チャットにする
毎月同じ取引先に似たメールが届く前回の連絡から3か月たつまで送らない
返事の中身が記録されない返事の要点を取引先の記録に書く決まりにする
一斉配信の仕組みで送ろうとする担当者の名前で1通ずつ送る

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIが丁寧に書こうとした結果として、決めていないことが文面に入るという同じ型です。推し量りも価格も、相手の気を引くための言葉として出てきます。

下から2行目は、運用が始まってから効いてきます。 返事の中身が記録されないと、3か月後に同じ取引先へ、事情を知らないまま同じ後継品を案内することになります。 返事を受けた担当者が記録に書くまでを、この業務の一部にします。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 取引先コード、業種、地域、そして品目ごとの購入履歴の集計です。単価・金額と取引先の担当者の氏名は渡しません。

  1. 単価と金額を消してから貼る … メールの材料に要るのは品目と頻度だけです。価格の情報をチャットに置かないことで、案に価格が入る経路も断てます
  2. 取引先の担当者の氏名を貼らない … 宛名は「{ご担当者}様」のまま残させ、送るときに営業担当が入れます
  3. 業務用のワークスペースを使う … 個人のアカウントに購入履歴を貼らないでください。業務用のワークスペースのデータは既定で学習に使われないとされ、会話の保持はワークスペースの設定に従います。削除したチャットは、一般に30日以内に完全削除の予定に入るとされています
  4. 広告宣伝メールとしての扱いを法務と決めておく … 総務省のパンフレットでは、広告宣伝メールは原則としてあらかじめ同意した者にだけ送ることができ、取引関係にある者などが例外とされています。どの取引先を例外として扱うか、送信者の表示と受信拒否の案内をどう書くかは、自社の法務と決めてください
  5. 配信停止の申し出を最優先で扱う … 受信拒否の通知を受けた場合は以後の送信が禁止されるとされています。申し出を受けた担当者が、その日のうちに一覧に入れる決まりにします
  6. 送信は人が行う … 掘り起こしのメールは取引先に直接届きます。自動で送る経路を作りません

誤りが起きた場合のリスクは、事実と違う品目や決めていない条件が取引先に届くことと、送ってはいけない相手に送ることの2つです。 前者は確認表と人の確認で、後者は一覧の段階で外す手順と配信停止の一覧で防ぎます。後者はAIの出来とは関係なく起きるので、AIの前の手順で止めます。

10まず何から始めるか

1週目:商品の一覧と集計の形を整える

商品部と、新商品・後継品・廃番の一覧に「元の品目コード」の列を足します。営業事務と、購入履歴の集計の形を決めます。品目コード・品名・回数・最後に注文した月・数量の目安の5列です。

2週目:末尾の定型と配信停止の一覧を決める

法務と、メールの末尾の定型を決めます。送信者の名称、受信拒否の通知ができる旨、通知先のアドレスまたはURLが入っているかを確かめます。 あわせて、どの取引先を対象にするかの基準と、配信停止の一覧の置き場所を決めます。

3週目:10社で試す

1人の営業担当の受け持ちから10社を選び、案を作らせます。品目の結びつきが正しいか、推し量った一文や価格の言葉が無いかを最優先で見ます。

4週目:プロジェクトを作って回す

ワークスペースにプロジェクトを作り、指示と Sources を置きます。その月の対象の一覧のうち、2名の営業担当の受け持ちから始めます。 1件にかかった時間と、返事の有無を記録します。

2か月目: 8名全員に広げ、営業担当がよく直す箇所を文例と指示に戻します。返事の中身を数え、注文が止まった理由の傾向を営業会議で共有します。3か月目以降: 1件15分が何分になったかを実測します。毎月の対象の一覧のすべてに、担当者の名前で具体的な連絡が届くようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
広告・宣伝メールを送信する場合、原則として特定電子メール法の規制対象となること。総務省が「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」を策定し運用していること総務省: 迷惑メール対策2026-10-08
広告宣伝メールは原則としてあらかじめ同意した者にだけ送信できること(オプトイン方式)。例外として、取引関係にある者に送信する場合、名刺などの書面で電子メールアドレスを通知した者に送信する場合などがあること。送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURLの表示が義務づけられていること。同意した場合でも受信拒否の通知を受けたら以後の送信が禁止されること総務省: 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント(PDF)2026-10-08
プロジェクトの指示がそのプロジェクトのチャット全体に適用されること。アップロードしたファイルと接続した情報が Sources に置かれること。ChatGPT のプロジェクトがパソコン上のフォルダへの直接のアクセスを持たないことChatGPT ドキュメント: Projects2026-10-08
Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータが既定で学習に使われないこと。会話の保持がワークスペースの設定に従い、削除したチャットが一般に30日以内に完全削除の予定に入ることChatGPT ドキュメント: Work cloud security2026-10-08

どの取引先に広告宣伝のメールを送ってよいか、送信者の表示と受信拒否の案内をどう書くかは、自社の法務と確かめてください。 本記事は総務省のページとパンフレットで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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