海外の展示会は何から準備する?|持ち込みと現地の壁

海外の展示会は何から準備する?|持ち込みと現地の壁

「国内の展示会には何度も出ているので、同じ段取りで進むと考えていた」「着手して1か月たつのに、何も決まっていないことに気づいた」——はじめて海外に出展する部門でつまずく立ち上がりです。海外の展示会は、国内の段取りを翻訳すれば済む仕事ではありません。最初に決めるのは集客でも通訳でもなく、展示品を現地へ持ち込む方法です。この記事では、着手の順番と、日程を逆算するための確認項目を整理します。


カメ先生カメ先生

海外の展示会はね、国内の準備に言葉の対応を足せばよいと思われがちだが、着手する順番そのものが変わるんだ。


カメ子カメ子

順番が変わるというのは、何から始めることになるのでしょうか。


カメ先生カメ先生

展示する物をどうやって国境の向こうへ運ぶか、だ。売らずに見せるだけの物にも手続きが要る。書類の準備に数週間かかるから、ここが日程の起点になる。


カメ子カメ子

運ぶ手続きが日程を決めてしまうのですね。国内との違いから見ていきます。


この記事のポイント
  • 最初に決めるのは集客ではなく、展示品をどう持ち込むか
  • 一時輸入の手帳を使えば関税と輸入の際の税が免除され、現地の手続きも簡素になる
  • 配って持ち帰らない資料や記念品は、手帳の対象外。別の通関が要る

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目次

国内の展示会と何が違うのか

海外の展示会に出る理由は、会社によって違います。新しい市場を探すため、現地の代理店の候補に会うため、既存の海外の顧客との関係を深めるため。どれを狙うかで、準備の重点が変わります。まずは、そこを社内で言葉にしておいてください。

そのうえで、国内との違いを押さえます。違いは大きく2つです。物と人が国境を越えること。そして、時間と費用の単位が変わること。この2つを甘く見積もると、準備の途中で止まります

まず、違いの正体をはっきりさせます。企画、小間の設計、来場者への声かけ、名刺の回収。この部分は国内とほぼ同じです。つまり、これまでの経験がそのまま使えます。問題は、その前後に工程が増えることです。

増えるのは、物と人の移動に関する手続きです。展示する製品を国境を越えて動かす。そのために書類をそろえ、税関を通し、会期後に持ち帰る。この一連の流れが、国内にはまったく存在しない工程です

人の側も同じです。渡航の手配、言語、現地での動き方、緊急時の連絡。国内なら当日に何とかなることが、海外では前もって決めておく必要があります。

さらに、時間の単位が変わります。国内の展示会なら2か月前から動いても間に合いますが、海外は半年から1年の単位で考えます。出展の申し込み自体が1年前に締め切られる催しもあります。

費用の構造も違います。出展料に加えて、輸送、通関、通訳、渡航、宿泊が乗ります。国内の感覚で予算を組むと、後から追加の申請が必要になります。

以上を踏まえると、着手の順番が見えてきます。集客の設計より先に、物が運べるか、人が行けるか、費用が収まるか。この3つを確かめるところから始めます。

最初に決めるのは、展示品をどう持ち込むか

国内の展示会なら、展示品はトラックに積んで運べば終わりです。海外では、そこに国境が挟まります。国境を越える物には、税と手続きが伴います。この一点が、準備の順序を国内と変える理由です。

しかも、この工程は他の準備の前提になります。何を持ち込めるかが決まらないと、小間で何を見せるかが決まりません。見せるものが決まらなければ、小間の設計も、資料の内容も決まりません。だから、いちばん最初に着手します

海外の展示会で最初に検討すべきは、展示する物の持ち込み方です。ここで選択を誤ると、会期に間に合わない、あるいは想定外の税を払うことになります。

選択肢は大きく3つです。一時的に持ち込んで持ち帰る形。正式に輸入して現地で処分または販売する形。そして、現地で調達して展示する形です。

製品の実機を見せたいなら、ほぼ1つ目になります。会期が終われば持ち帰るためです。この場合に使えるのが、一時輸入のための通関の手帳という仕組みです。

正式な輸入の形を取ると、関税と輸入の際の税を払うことになります。持ち帰る予定の物にこれを払うのは、単純に損です。また、現地での通関の手続きも複雑になります。

現地で調達する形は、汎用の機材なら成り立ちます。画面や什器、机や椅子は、主催者や現地の業者から借りられます。自社でなければ見せられない物だけを持って行く、という切り分けが基本です

この切り分けを最初に行うと、運ぶ量が減り、費用も手続きも軽くなります。小間の設計を始める前に、持って行く物の一覧を作ってください。

一時輸入の手帳という仕組み

持ち帰る前提の展示品には、専用の仕組みが用意されています。各国が条約を結んで運用しているもので、展示会や商談のための一時的な持ち込みを想定しています。知らずに通常の輸入で手続きしている会社は、いまも少なくありません

名前は堅いのですが、使い方は難しくありません。国内の発給の団体に申請し、書類を受け取って持って行く。現地の税関で提示し、帰りにも提示する。この流れだけです。

一時的に持ち込んで持ち帰る場合に使えるのが、物品の一時輸入のための通関の手帳に関する条約に基づく書類です。日本での発給は、一般社団法人日本商事仲裁協会が行っています。

この書類を使う利点は2つあります。ひとつは、関税と輸入の際の税が免除されること。もうひとつは、現地での通関の手続きが簡素になり、税関で速やかに処理が終わることです。

担保を差し入れる必要がない点も大きな利点です。通常の一時輸入では、現地で担保を積む手続きが発生します。この書類があれば、その作業が不要になります。

有効期間は、発給の日から原則として1年です。期間内であれば、複数の国で使えます。最大で4か国まで対象にできるとされているため、同じ製品で複数の展示会を回る場合に効率がよくなります。

費用の目安も押さえておきます。手数料は18,000円からで、物品の価格や重量によって変わります。加えて担保の手数料がかかり、これは貨物の価格のおおむね半分を基準に、その数パーセントという水準です。

申請には、所定の申請書と担保の書類が要ります。書類の準備と発給には日数がかかるため、出展が決まった時点で発給団体に相談しておくのが確実です。

手帳の対象になる物、ならない物

便利な仕組みですが、何でも対象になるわけではありません。対象は、持ち帰ることが前提の物に限られます。現地に残る物は、別の扱いになります。ここを取り違えると、通関で荷物が止まります。

荷造りをする社員が、この区別を知らないまま作業すると事故が起きます。「同じ展示会に持って行くのだから一緒でいいだろう」と考えて、カタログの箱を展示品と同じ便に入れてしまう。梱包の前に、区別を現場に伝えてください

物の種類手帳の対象扱い方
展示する製品の実機対象になる会期後に持ち帰る前提で申告する
デモに使う職業用の道具対象になる工具や測定の機器なども含められる
取引先に見せる商業の見本対象になる持ち帰る前提であることが条件
配布するカタログや資料対象外別の通関が必要。現地で印刷する選択もある
来場者に渡す記念品や試供品対象外消耗品の扱い。別途の手続きになる

この表の下2行が、実務でいちばん多い落とし穴です。展示品と一緒に資料や記念品を送ってしまい、現地で別の手続きが必要だと言われる。

配って持ち帰らないものは、一時輸入ではありません。現地に残る物なので、通常の輸入として扱われます。関税や税がかかる場合もあります。

対策は2つです。ひとつは、資料や記念品だけを別の便で送り、通常の輸入として手続きを分けること。もうひとつは、現地で調達することです。

後者のほうが手間は少なくなります。カタログは現地の印刷業者に頼み、記念品も現地で買う。輸送費と手続きの手間を考えると、割高に見えても総額では安く済むことがあります。

なお、持ち帰る前提の物が現地で売却されたと見なされると、高額な関税と輸入の際の税を請求されることになります。「展示品をその場で売ってしまう」という判断は、事前に手続きを確かめずに行わないでください。

輸送の手配と日程の逆算

何を持ち込むかが決まったら、どう運ぶかを決めます。ここで日程の全体が決まるため、他の準備よりも先に着手する必要があります。輸送の日数が、逆算の起点になるからです。

見積りは複数の業者から取ってください。展示会の輸送を専門に扱う業者と、一般の国際輸送の業者では、含まれる範囲が違います。会場までの搬入と会期後の搬出が含まれるかを、必ず確かめます

持ち込む物が決まったら、輸送の方法を決めます。海路と空路で、費用も日数もまったく違います。

海路は費用が安く済みますが、日数がかかります。行き先によっては1か月以上を見込む必要があります。重量のある製品を運ぶ場合は、この選択になることが多くなります。

空路は速いぶん高くつきます。小型の製品や、日程が押している場合の選択です。重量が増えるほど費用の差が開くので、運ぶ量を減らす工夫が効きます

主催者が指定する搬入の業者を使う形もあります。会場までの搬入と、会期後の搬出をまとめて任せられるため、初めての出展では現実的な選択肢です。

日程は、会期から逆算して組みます。会場への搬入の期限、現地での通関の日数、輸送の日数、書類の発給に要する日数。この4つを足して、着手の日を決めます。

余裕は多めに取ってください。税関で書類の不備が見つかると、その場で止まります。会期に間に合わなければ、出展そのものが成り立ちません。

会場の設備と規格の違い

物が届いても、動かなければ意味がありません。現地の会場は、国内の会場と前提が違います。とくに、電気に関する条件は国ごとに異なります。製品が動くかどうかは、渡航前に確かめる項目です

可能であれば、事前に同じ条件で試験をします。現地と同じ電圧の環境を社内に作り、実際に動かして問題がないかを見る。現地で初めて電源を入れて動かない、という事態は避けられます。

  • 会場の規約は、原文と翻訳の両方を保管する。解釈が分かれたときに参照できる
  • 電源と通信の申請には期限がある。会期の直前では受け付けられない
  • 什器の高さや装飾の材質に、国内より厳しい規定を持つ会場がある

現地の会場は、国内と設備の前提が違います。いちばん多い問題は電源です。電圧も、差し込み口の形も、周波数も国によって違います。

製品を動かして見せる場合、この確認は必須です。変換の器具でつながるのか、変圧が要るのか。機器によっては、変圧しても正常に動かないことがあります。

会場の電源の容量も確かめます。小間ごとに使える容量が決まっていて、超える場合は追加の申請と費用が発生します。この申請には期限があり、当日の追加は受け付けられないのが普通です。

通信も同様です。無線の接続が主催者から提供される場合と、有料の場合があります。画面を使ったデモが通信に依存するなら、通信が切れたときの代替を用意します

会場の規約は、必ず原文で確かめてください。翻訳された案内だけを見ていると、什器の高さの制限や、装飾の材質の規定を見落とします。国内より厳しい消防の規定を持つ会場もあります。

通訳をどう手配するか

ここから人の準備に移ります。物が届いて動いても、話が通じなければ商談になりません。そして、言葉の壁は費用で解決できる部分と、事前の準備でしか解決できない部分に分かれます。

費用で解決できるのは、話す力の部分です。事前の準備でしか解決できないのは、自社の製品を正確に伝えるための語彙です。後者を用意せずに前者だけを買っても、成果は出ません

人の側の準備で、いちばん判断が難しいのが通訳です。必要かどうか、何人必要か、どの水準が要るかで費用が大きく変わります。

判断の目安は、話す内容の専門性です。会社の概要や製品の一般的な説明までなら、現地で手配する通訳で足ります。技術的な仕様や、契約に関わる話をするなら、その分野の知識がある人が要ります。

人数は、小間の広さと来場者の見込みで決めます。1人だと、その人が対応している間は他の来場者を待たせることになります。成果を狙うなら、常時2人が話せる体制を目安にします

事前の準備が、通訳の質を大きく左右します。製品の資料、専門の用語の対訳、想定される質問と回答。これらを会期の前に渡しておくと、当日の精度が変わります。

社員が語学に対応できる場合でも、通訳を入れる価値はあります。説明しながら相手の反応を見るのは、母語であっても負荷の高い作業です。話すことに集中できる体制のほうが、結果として成果が出ます。

資料と表示の準備

通訳が話す内容を支えるのが、資料です。口頭の説明は消えますが、資料は持ち帰られます。会期のあとに検討する材料になるのは、渡した資料のほうです。だからこそ、翻訳の質と内容の作り込みが効きます。

翻訳を外部に頼む場合も、用語の一覧は自社で作ります。製品の名称、機能の呼び方、業界の用語。ここを揃えておかないと、資料と通訳の言葉が食い違います

配る資料は、翻訳するだけでは足りません。国内向けの資料をそのまま訳すと、前提となる商習慣や規格が伝わらないためです。

特に注意するのは単位と規格です。寸法、重量、電圧、温度。現地で使われている単位に直しておかないと、その場で計算してもらうことになります。

認証や規格の表示も確かめます。国内の認証は、そのままでは現地で意味を持ちません。その市場で必要な認証を取得しているかどうかは、商談の初期に必ず聞かれる項目です。

連絡先の書き方も見直します。電話番号は国番号を付ける。住所は現地の順序で書く。受け取った人がそのまま連絡できる形になっているかを確かめます

紙の量は、国内より控えめに用意します。持ち帰る手間を嫌う来場者が多く、二次元の記号から見られる形にしておくほうが受け取られます。残った資料を持ち帰る費用も無視できません。

費用の内訳を先に洗い出す

ここまでの項目を、費用の面から並べ直します。稟議を通す段階で総額が見えていないと、途中で追加の申請を繰り返すことになります。社内の信頼を失う原因にもなります。

洗い出しの単位は、出展1回あたりです。年間の予算ではなく、この催しにいくらかかるかを出します。そのうえで、獲得したい名刺の枚数で割ると、1件あたりの単価が出ます。国内の展示会と比べる材料になります。

  • 出展料と小間の基本の費用
  • 小間の設計と施工、または主催者の標準の仕様の費用
  • 展示品の輸送費と、往復の通関の費用
  • 一時輸入の手帳の手数料と担保の手数料
  • 通訳の費用(日数かける人数)
  • 渡航と宿泊、現地の移動の費用
  • 資料の翻訳と印刷の費用
  • 保険の費用(貨物と渡航の両方)

この一覧を、出展を検討する最初の段階で作ります。出展料だけを見て判断すると、実際の総額が2倍から3倍になって驚くことになります。

いちばん見落とされるのが、往復の通関と輸送の費用です。行きだけを見積もって、帰りを忘れる。持ち帰る前提の展示なので、帰りの費用も必ず発生します。

為替の変動も考慮に入れます。見積もった時点と支払いの時点で相場が動くと、円建ての金額が変わります。余裕を持った予算を組んでおいてください。

着手から会期までの5工程

ここまでの内容を、時間の順に並べます。個々の作業は難しくありませんが、並行して進める必要があるため、抜けが出やすくなります。この5工程を一覧にして、担当と期限を割り振ってください。

全体で半年から1年を見込みます。国内の感覚で2か月前から動くと、申し込みの締め切りにも書類の発給にも間に合いません。

STEP1
出展の目的と持ち込む物を決める

何を見せて何を得るかを決め、持って行く物と現地で調達する物を分けます。ここが後の工程を決めます。

STEP2
出展を申し込み、小間の位置と広さを確定する

人気の催しは1年前に締め切られます。申し込みの期限と、小間の割り当ての時期を確かめます。

STEP3
輸送と通関の方法を決め、書類の準備を始める

一時輸入の手帳を使うなら、発給の団体に相談します。書類の準備と発給には日数がかかります。

STEP4
会場の規約を原文で確認し、電源と通信を申請する

電圧、差し込み口、容量、通信。追加の申請には期限があり、当日の対応はできません。

STEP5
通訳と資料を準備し、想定問答を共有する

専門の用語の対訳と想定される質問を、会期の前に通訳と出展する社員の全員で共有します。

3番目を早めに始めることが、全体の成否を分けます。書類の準備は、社内の調整も含めて時間がかかります。出展が決まった週に、輸送の業者と発給の団体に連絡してください。

4番目の会場の規約は、翻訳を待たずに原文を読みます。翻訳が出るのが遅い場合があり、その間に申請の期限が過ぎてしまうことがあります。

現地での動き方を決めておく

準備が整ったら、当日の動きを設計します。国内の展示会では、その場の判断で回せる部分が多くあります。海外では、判断できる人がその場にいないことがあります。だから、事前に決めておく範囲が広くなります。

決めるのは、想定できる場面だけで構いません。想定外のことは必ず起きますが、想定できることを決めておけば、想定外に使える余力が残ります

当日の動きは、国内よりも細かく決めておく必要があります。その場で相談して決める、という進め方が通用しないためです。

決めておくのは、役割の分担、休憩の回し方、商談が発生したときの対応、そして緊急時の連絡先です。特に休憩は、国内より意識して組む必要があります。時差と移動の疲れが、判断の質を下げるためです。

商談の記録の取り方も、事前に統一します。名刺を受け取って終わりにせず、その場で聞いた内容を決まった様式に書き留める。帰国後に思い出せない情報が、いちばん多く失われるものです。

時差を踏まえた本社との連絡の時間帯も決めます。現地で判断できない事項が出たとき、何時に誰へ連絡すれば返事が来るのかを共有しておきます。

会場の外での動きも計画に入れます。現地の代理店の候補を訪問する、既存の取引先に会う。せっかく渡航するので、会期の前後に予定を入れると費用の効率が上がります。

保険の考え方

現地での動きを決めたら、万一への備えを確かめます。海外では、事故が起きたときの対応が国内より難しくなります。言語も、制度も、連絡の手段も違うためです。備えの有無が、そのまま被害の大きさに直結します。

海外の展示会では、2種類の保険を検討します。貨物に対するものと、渡航する社員に対するものです。

貨物の保険は、輸送中の破損や紛失に備えるものです。展示品が高額な製品であれば、補償の上限が実際の価格を下回っていないかを確かめます。

渡航の保険は、けがや病気に加えて、携行品の損害や賠償の責任も対象になるものを選びます。医療費の水準が国内と大きく異なる国もあるためです。

会場での事故に備える賠償の保険も確かめます。主催者が加入を義務づけている場合があり、証明の書類の提出を求められることがあります。

保険の手配は、渡航の直前では間に合わないことがあります。特に貨物の保険は、輸送の手配と同時に進めてください。

会期後に必ずやること

会期が終わると、達成感で気が緩みます。しかし、海外の展示会は帰ってからの作業が残っています。国内なら片づけて終わりですが、持ち込んだ物を持ち帰る手続きが控えているためです。

加えて、時差と移動の疲れがあります。帰国後の数日は、判断の質が落ちる時期です。だからこそ、やることを事前に決めておく価値があります

  1. 展示品を期限内に持ち帰り、通関の手続きを完了させる
  2. 一時輸入の手帳に、再輸出の証明が押されているかを確かめる
  3. 回収した名刺と商談の記録を、帰国後3日以内に整理する
  4. 現地で発生した費用の領収を集め、精算の書類を作る
  5. 次回の出展の可否を判断するための記録をまとめる

2番目が、意外と重要です。持ち帰ったつもりでも、書類の上で再輸出が確認されていないと、現地で売却されたと見なされる可能性があります。その場合、関税と税を請求されます。

3番目の期限を切る理由は、記憶の鮮度です。誰と何を話したかは、1週間たつとほとんど思い出せません。帰国直後の疲れているときこそ、記録の整理を優先してください。

5番目の記録は、翌年の判断のためです。獲得した名刺の数、商談につながった件数、実際にかかった総額。この3つがそろっていれば、翌年の出展を続けるかどうかを数字で判断できます。

やってはいけない進め方

最後に、実際に起きた失敗を並べます。どれも、国内の展示会の感覚をそのまま持ち込んだ結果です。初めて海外に出る担当者に、この一覧をそのまま渡してください。

  • 集客の設計から着手し、輸送と通関を後回しにする
  • 展示品と配布物を同じ便でまとめて送る
  • 会場の規約を翻訳が出るまで読まない
  • 電源の容量を確かめずに、デモの機器を持ち込む
  • 通訳に資料を渡さず、当日にその場で説明する
  • 展示品を現地で売却してしまう

2番目は、初めての出展でほぼ必ず起きます。展示品は一時輸入、配布物は通常の輸入。扱いが違うものを同じ便に混ぜると、通関で止まります。

6番目は、その場では良い判断に見えるので危険です。興味を持った来場者に「これを買いたい」と言われ、持ち帰る手間も省けると考えて渡してしまう。手続きを確かめずに行うと、後で高額の請求を受けます。

5番目も成果に直結します。通訳は言葉を置き換える専門家であって、自社の製品の専門家ではありません。資料と想定問答を渡さなければ、精度は上がりません。

初めての出展を軽くする方法

ここまで読んで、負担が大きいと感じたかもしれません。実際、単独での出展は工程が多く、初回から完璧に回すのは難しい種類の施策です。そこで、負担を減らす選択肢を紹介します。

重要なのは、初回で完成させようとしないことです。1回目は学ぶ回、2回目から成果を狙う回。そう割り切ると、初回の設計が現実的になります

いきなり単独で出展するのが不安な場合、選択肢があります。公的な機関や業界の団体がまとめる区画に参加する形です。

この形の利点は、手続きの多くが共同で処理されることです。輸送も、通関も、通訳の手配も、まとめて行われることがあります。初めての出展で、何が必要かを学ぶ場としても有効です。

費用の面でも軽くなります。共同の区画は、単独の小間より出展料が抑えられることが多く、補助の制度が適用される場合もあります。

制約もあります。小間の位置や広さを自由に選べない。装飾の自由度が低い。同じ区画に同業が並ぶこともあります。

初回は共同の区画で経験を積み、2回目以降に単独へ切り替える。この進め方であれば、失敗の規模を抑えながら学べます。

よくある質問

初めて海外の展示会を検討する会社から、実際に受ける質問をまとめます。判断が分かれる部分なので、社内で議論になったときの材料としても使えます。

一時輸入の手帳は、どの国でも使えますか

条約に加盟している国と地域で使えます。加盟していない国では使えないため、出展先が対象かどうかを、発給の団体に確かめてください。対象外の場合は、通常の一時輸入の手続きを現地で行うことになります。

展示品を壊してしまった場合はどうなりますか

持ち帰るはずの物が持ち帰れないため、現地の税関に事情を説明する手続きが必要になります。破損の証明が求められることもあります。発給の団体や輸送の業者に、その場で相談してください。

カタログは現地で印刷したほうがよいですか

量が多いなら、そのほうが手間も費用も抑えられることがあります。配布物は一時輸入の対象外で、別の通関が必要なためです。ただし印刷の品質や納期は現地の事情に左右されるので、見本を先に取り寄せて確かめてください。

出展の判断は、何を見て決めればよいですか

来場者の属性と、そこに自社の顧客がいるかどうかです。規模の大きさよりも、その催しに来る人が意思決定に関われる立場かを確かめます。可能であれば、出展の前年に来場者として下見をするのが確実です。

まとめ

海外の展示会は、国内の経験がそのまま使える部分と、まったく新しい工程が必要な部分に分かれます。新しいのは、物と人を国境を越えて動かす手続きです。ここから着手すれば、あとの工程は国内の要領で組めます。

展示品を持ち帰る前提なら、一時輸入の手帳が使えます。関税と輸入の際の税が免除され、現地の手続きも簡素になります。有効期間は原則1年で、複数の国で使えます。手数料は18,000円からで、担保の手数料が別に必要です。

見落としやすいのは、配って持ち帰らない資料や記念品です。これらは手帳の対象外で、別の通関が要ります。混ぜて送ると通関で止まるため、便を分けるか現地で調達してください。初回は公的な機関や業界の団体の区画から始めると、失敗の規模を抑えられます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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