AIを配る前の端末準備で決める項目一覧|配ってから直さない

「AIを配ると聞いて、利用者の枠を用意して案内を送ることだと思っていました」「端末はいま使っているものをそのまま使えばよいと考えていました」——AIを全社へ広げる相談で、最初にほどく必要のある思い違いです。配るのは使用の許可ではありません。本当は、端末を初日から使える状態に作り直す作業です。この記事では、配る前に端末の側で決めておく項目を7つに整理し、決める順番と、発注のときに確かめることまで並べます。
カメ先生AIを配る作業は、席を用意することだと思われがちなんだけど、本当は端末を作り直すことなんだ。
カメ子使う許可を出すだけなら、端末はそのままでもよさそうに見えます。
カメ先生そこが落とし穴でね。どの機能を開けるか、どこに保存させるかは端末の側にある。後から直すと、台数の分だけ人が触ることになる。
カメ子配る前と後で、同じ作業の重さが変わるということですね。
- 端末の側で決める項目は7つ。順番を外すと、配った後に全台へ触り直しになる
- 手作業で1台45分なら300台で225時間。触り直しは費用より先に日程を壊す
- 発注は呼び名ではなく要件で書く。受け入れ検査の項目も配る前に決める
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場面:200台を配った3か月後に、全台へ触り直しになった
具体的な場面を1つ置いて、最後まで同じ題材で追います。従業員600人の設備メーカーで、AIを全社で使うことが決まり、営業と技術に200台の端末を新しく配りました。端末の準備は情報システム部門が引き受け、業務ソフトの入れ方は3年前の入れ替えのときの手順書をそのまま使いました。
3か月後、2つの直しが必要になりました。1つは、下書きを作る機能の保存先が個人の同期先のまま配られていて、社外に出せない資料の下書きがそこに残っていたこと。もう1つは、退職した2人の端末が回収されないまま部署の棚に置かれ、台帳の利用者欄が前の担当者のままだったことです。
どちらも、設定を1か所直すだけの作業です。ところが対象は200台ありました。1台ずつ人が触る作業になり、予定していた別の案件が3週間押しました。配る前なら1回の設計で済んだ判断が、配った後は台数の分だけ作業になります
この記事では、この種の触り直しを起こさないために、端末の側で先に決めておく項目を7つに整理します。なお、利用者の枠をいくつ買うか、管理者を誰にするか、履歴を何日残すかといった契約と管理画面の側の設定は扱いません。端末の側だけに絞ります。
「AIを配る」は、席を用意することだと思われている
最初にほどく必要があるのは、配るとは何を配ることなのかという理解です。利用者の枠を買って案内のメールを送れば配り終わった、という受け取り方が実際にとても多く見られます。
配られるものは3つあります。使う許可、使う入口、そしてその入口が置かれている端末です。前の2つは管理画面で数分あれば変えられますが、端末は人の手が要ります。直す費用が違うのではなく、直し方そのものが違う
端末の側にしか無い決めごとを並べると、区別がはっきりします。どの端末が誰のものかの対応、どの機能を開けるか、どこに保存させるか、変更をどう届けるか、返ってきたときにどう消すか。どれも管理画面の設定では決まりません。
だから順番はこうなります。使い方の方針を決め、それを端末の構成に落とし、それから配る。方針が決まる前に端末を発注すると、発注の仕様が「前回と同じ」になります。前回はAIを前提にしていないので、そこで差が生まれます。
冒頭の場面も、まさにこの形でした。3年前の手順書には、下書きを作る機能や画面の内容を読む機能の扱いが書かれていません。書かれていない項目は、既定のまま配られます。既定が自社の方針と一致している保証はどこにもありません。
そもそも端末の準備は、1台を動かす作業ではありません。端末の管理を扱う事業者の解説では、複数台に同じ方針を統一して適用し、法人の端末を後から確かめられる状態にする工程だと定義されています。同じ状態に揃えることと、揃っていることを確かめられること。この2つが目的だと分かると、台帳の整備と受け入れ検査が作業の一部である理由も見えてきます。
触り直しの重さは、台数で決まる
重さを数字で押さえます。端末の管理を扱う事業者が2026年7月15日に更新した解説では、手作業で1台45分かかる場合、300台では225時間になると計算しています。1人で当たれば、1か月を超える作業量です。
外注の相場も同じ解説に出ています。基本的な設定なら1台3,000円から5,000円、業務ソフトの追加や個別の要件が入る標準的な内容で7,000円から1万2,000円、要件の多い高度な内容で1万5,000円から2万5,000円。加えて、初期の設計と検証に一式5万円から20万円です。
ここで読むべきは金額そのものではありません。初期の設計と検証が、台数とは別立てで載っていることです。何を作るかを決める作業は台数と無関係にかかり、決まっていない分だけ台数側の作業に化けます
触り直しの側も、同じ計算で出ます。1台15分で済む直しでも200台なら50時間。しかも配った後は端末が社内に集まっていないので、回収と返却の手間が上に乗ります。配る前の1回と、配った後の200回の差が、この記事の全部の項目に共通する理由です。
端末を作り直す機会そのものは増えています。調査会社の集計として2025年4月に報じられた数字では、国内のパソコン出荷のうちAI向けの機能を備えた区分が2024年に25%、2025年1月から2月には27%を占め、より高い要件を満たす上位の区分は数量で約1%とされていました。買い替えの波に乗せて配るなら、決める時間は端末が届く前にしかありません。
見積りで抜けやすい費用もあります。配送費と、不要になった端末の廃棄やデータの消去にかかる費用は別立てだと公表されています。携帯端末の準備は1台2,000円から3,000円、原本を複製する方式は1台5,500円から8,000円が目安です。パソコンだけで見積もり、同じ日に配る携帯端末の分が抜けている例は珍しくありません。
決める項目の全体像と、決める順番
項目は7つですが、その前に順番を置きます。順番を外すと、後ろの項目が前の項目の決め直しを呼びます。
誰にどの仕事をさせるか、人が確かめる範囲はどこかを先に決めます。ここが決まらないと、どの機能を開けるかが決まりません。
方針を、配る端末の型に翻訳します。型は3つまでに抑えます。ここで7つの項目を紙の上で全部決めます。
端末を買う相手にも、準備を任せる外注先にも、同じ文書を渡せる形にします。検査の項目もここで書きます。
配った後に変更を届ける経路が無いまま配ると、次の変更が全台の手作業になります。配布日と同時に決めます。
7つの項目は、この工程の2に集まります。並べておきます。
- 誰に、どの構成を配るか(型の数)
- 身元と入口。端末と人の対応、入社と異動と退職での止め方
- 開けてよい機能と、切っておく機能
- 社外に出させないための設定
- 資産としての記録。台帳に何を書くか
- 配った後、変更をどう届けるか
- 初日に使える状態にするための持ち物
7つとも、端末が届く前に紙の上で決められます。逆に言えば、端末が届いてから決め始めた項目は、その時点で全台の作業として跳ね返ります。
順番を外したときに何が起きるかも具体的です。開ける機能を決める前に構成を作ると、機能の議論が終わった時点で構成をもう一度作ることになります。原本を作る作業は初期費用の側に載っているので、台数が少なくても金額として跳ね返ります。決める会議を1回増やすほうが、作り直しより軽く済みます。
項目1:誰に、どの構成を配るか
1つ目は構成の型です。ここで決めるのは人の名前ではなく、型をいくつ作るかという数のほうです。
分ける基準は2つに絞れます。触る情報の重さと、社外へ持ち出すかどうか。この2つで切ると、多くの会社は3つの型に収まります。社内だけで使う型、持ち出す型、取引先から預かった情報を扱う型です。
型を増やしたくなるのは、部署ごとの要望が来るときです。ここで型を足すと、以降の更新のたびに型の数だけ検証が必要になります。型が1つ増えるごとに、更新の確認も検証も同じ数だけ増えます
例外は、端末の型ではなく権限で吸収します。特定の業務ソフトが要る人には、同じ型の端末に後から足す。端末の型は少なくして、上に載せるものを可変にするのが、触り直しを減らす形です。
決めた型は台帳に残します。どの端末がどの型で、いつ配られたか。ここが記録されていないと、後で1つの型だけを直したいときに対象を選べません。
持ち出す型には、追加で決めることが2つあります。社外の回線につないだときの扱いと、紛失したときに何を止めるかです。この2つは型ごとに答えが変わるので、型を分けた意味がここで出ます。逆に、持ち出す前提を全台に当てると、社内だけで使う端末にも重い設定が入り、使いにくいという声が返ってきます。
項目2:身元と入口。端末と人の対応を先に決める
2つ目は、端末と人の対応です。誰の端末かが決まっていないと、後ろの項目が全部あいまいになります。
原則は1対1です。共用の端末を残すと、誰が入力したのかが記録から消えます。AIの入口を載せる端末では、この点が特に重くなります。出力の根拠をたどるとき、入力した人が分からないと確かめようがありません。
次に、止める段取りを書きます。入社、異動、退職の3つで、何を止め、何を消し、何を回収するか。止めるのは入口、消すのは端末に残った中身、回収するのは端末そのもの。この3つは別の作業で、担当も別になりがちです。
冒頭の場面で起きた2件目は、この段取りが無いまま配ったことが原因でした。退職の連絡は人事から入口の管理者へ届いていて、端末の回収だけが誰の仕事でもなかったのです。3つを1枚に書いておけば起きません。
貸し出しの端末は、返却時の消去まで手順に含めます。短期の貸し出しほど手順が省かれ、次に借りた人の手元に前の人の中身が残ります。
異動は、入社と退職の間で最も抜けます。端末はそのまま持っていくのに、触る情報の重さが変わるからです。決めるのは1つで、異動のときに端末の型を変えるのか、上に載せる権限だけを変えるのかを先に書いておく。書いていないと、異動した本人の申し出だけが手掛かりになります。
項目3:開けてよい機能と、切っておく機能
3つ目は、端末の側で開けてよい機能と切っておく機能です。今回いちばん新しく増えた項目で、前回の手順書には書かれていません。
端末に載るAIの機能は増えています。画面に映っているものを読んで説明する、会話をその場で文字にする、書きかけの文章の続きを出す。どれも便利ですが、既定で有効か無効かは製品と版によって違います。
決め方は1つです。既定で切っておき、業務で要ると分かったものだけ開ける。既定のまま配ると、自社の方針ではなく製品の初期値が社内の基準になります
会話を文字にする機能は、相手の同意の取り方とセットでないと使わせない、という判断が要ります。社外との打ち合わせで自動的に動く設定のまま配ると、担当者が知らないうちに相手の発言を記録している状態になります。
そして、機能を開けるときに人が確かめる範囲を決めます。下書きはそのまま社外に出さない、数字が入った出力は元の資料と突き合わせる、誰が確かめるかを配る前に書く。AIに判断させない範囲は、端末を渡す前に決めるほうが守られます。渡した後に足した決まりは、渡した時点の使い方に負けます。
開ける判断そのものも記録に残します。どの機能を、誰の求めで、いつ開けたか。開けた記録が無いと、半年後に「なぜこれが有効なのか」を誰も答えられません。記録があれば、要らなくなった機能を閉じる判断もできます。開ける側の手順だけを作り、閉じる側の手順を作っていない会社が多いところです。
項目4:社外に出させないための設定
4つ目は、社外に出させないための設定です。ここは端末の側でしか決められない項目が集まります。
見るのは3か所です。既定の保存先が個人の同期先になっていないか、社外の入口に貼り付けられる範囲がどこまでか、外部の記憶装置と印刷をどう扱うか。冒頭の場面の1件目は、1か所目の見落としでした。
保存先は特に見落とされます。下書きを作る機能は、作った中身をどこかに置きます。置き場所の既定が個人の同期先だった場合、本人に持ち出す意図がなくても、社外に出たのと同じ状態になります。
漏れたときの報告は制度になっていて、規模も公表されています。個人情報保護委員会が2025年12月10日に公表した四半期の集計では、個人情報の漏えい等報告として処理された件数は4,533件でした。報告が必要な事態は例外ではなく、四半期で数千件の規模で起きています
この項目は、禁止を増やす話ではありません。業務で必要な経路を1つ用意して、それ以外を閉じるのが実務の形です。出す経路が無いと、担当者は自分の手元にある経路を使います。
報告の内訳も見ておく価値があります。同じ集計では、要配慮個人情報を含む事態が63.1%を占め、財産的被害のおそれが21.2%、不正の目的が19.3%でした(複数の要件に該当する事案があるため合計は100%を超えます)。前の年度の四半期換算は5,252件で、件数の水準そのものは大きく動いていません。端末に置かれる資料の種類を先に決めておく理由がここにあります。
項目5:資産としての記録。台帳に何を書くか
5つ目は、資産としての記録です。台帳が古い会社では、触り直しの対象を選ぶことすらできません。
台帳に書く項目は、事業者の解説でも3つが基本として挙がっています。シリアル番号、利用者、管理番号。AIを配る場合は、ここに3つ足します。構成の型、その型の版、配布日です。
版を持たせる理由は、後から「どの端末に何が入っているか」を型の名前だけでは特定できなくなるからです。同じ型のはずの端末が、配った時期によって別の設定になっているのが実際に起きること
台帳は1つにまとめます。端末の台帳と、入口の利用者の一覧と、契約の一覧が別々にあると、退職者の端末が残っていることに気づけません。3つを突き合わせる日を、月に1度決めておくだけで足ります。
記録の目的は、監査に答えるためだけではありません。次に配るときの見積りに使います。前回どの型を何台配り、どこで手戻りが出たか。次の発注の仕様書は、前回の台帳から書けるのが理想の形です。
台帳を更新する時点も決めておきます。配ったとき、返ってきたとき、型を変えたときの3つです。この3つ以外では更新しないと決めておかないと、更新のきっかけが人の記憶になります。返却のときの更新がいちばん抜けやすく、抜けた分がそのまま行方の分からない端末として残ります。
項目6:配った後、変更をどう届けるか
6つ目は、配った後の変更をどう届けるかです。ここを決めていないと、以降の全部の変更が手作業になります。
決めるのは3点です。誰が変更を出すか、どの経路で届けるか、届いたことをどう確かめるか。3点目が抜けている会社が多いのですが、届かなかった端末を数えられないと、直したつもりの状態が続きます。
届かない端末は必ず出ます。長い休みで電源が入っていない、持ち出したまま社内の経路につないでいない、型が古くて対象から外れている。直した割合ではなく、直っていない台数を数えるのが確かめ方になります。
変更の頻度も先に決めます。毎週出すのか、月に1度まとめるのか。頻度が決まっていないと、変更は「気づいた人が思い出したときに出すもの」になります。
そして、変更を出す前に試す端末を1台決めておきます。全台へ配る前に1台で確かめる手順があるかどうかで、事故の大きさが変わります。手元に1台を残しておくのは、費用ではなく保険の扱いです。
項目7:初日に使える状態にするための持ち物
7つ目は、初日に使える状態にするための持ち物です。端末が動くことと、初日に仕事が進むことは別です。
同送するものは4つで足ります。端末、入口への入り方を書いた1枚、確かめる範囲を書いた1枚、困ったときの連絡先。紙にするのは2枚までに抑え、それ以上の内容は業務の手順書の中に置きます。
初日に本人にやらせない作業も決めます。自分で道具を追加する、設定を変える、といった作業を残すと、配った型が初日で崩れます。初日に本人が触った設定は、台帳のどこにも残りません
使えない状態で渡した場合に何が起きるかは、だいたい決まっています。担当者は自分で使える方法を探します。初日に動かない端末は、個人の契約へ流れる入口を作ります。
逆に、初日から動く状態で渡せば、質問の中身が「使えません」から「この仕事はどう頼めばよいか」に変わります。問い合わせの中身が変わったかどうかは、準備の出来を測る目安になります。
同送する1枚に書く内容も決めます。入口への入り方、開いている機能とその使いどころ、確かめる範囲、連絡先の4点です。ここに社内の方針を全部写すと読まれません。1枚に載らない内容は、1枚に載せないと決めるほうが読まれます。残りは業務の手順書の側に置きます。
買うときは、呼び名ではなく要件で書く
ここから発注の話に移ります。端末を買うときの仕様は、製品の呼び名ではなく要件で書きます。
呼び名で書くと2つ困ります。呼び名の中身が改定されること、そして呼び名に含まれない機種が候補から落ちること。要件で書けば、機種が変わっても仕様書は生き残ります。
事業者が公開している提案依頼書の項目には、対象端末の基本ソフトの版、台数(年間と月間の想定)、メーカー、必要な要件(社内の仕組みへの参加、業務ソフト、端末管理の仕組みへの登録、資産ラベルの貼り付け)、配送の経路(本社へ一括か従業員の自宅へ個別か)、不要になった端末の処理、求めるセキュリティの基準が並びます。
この中で見落とされやすいのは配送の経路です。自宅へ個別に送る場合、受け取ったことの確認と、初期の作業を本人にどこまでさせるかが変わります。台数が同じでも作業の量が変わる項目なので、見積りを取る前に決めておきます。
納期の目安も押さえます。標準は5営業日から10営業日ですが、繁忙期にあたる3月から4月は3週間以上に伸びることがあり、特急の扱いは通常の1.5倍から2倍の費用がかかると公表されています。決める時間を削るより、発注を早めるほうが安く済みます
外注に出すときの取り決めと、受け入れ検査
準備を外に出す場合は、取り決めと受け入れ検査を先に書きます。書かずに出すと、検品の基準が納品後の交渉になります。
費用の目安として、1台3,000円から6,000円が基本の相場とされ、原本となる端末の作成には初期費用として15万円から17万6,000円が示されています。台数では、50台未満は初期費用が重く、50台から200台が標準の価格帯、200台以上で15%から30%の割引が付くとされています。
納品物は3つを求めます。作業の記録、更新された台帳、そして検査の結果です。初期不良率の目標として0.5%以下という数字が示されており、目標値があるということは、不良が出る前提だという意味です。
受け入れ検査は、抜き取る台数と見る項目を先に決めます。見るのは「入っているか」よりも「切ってあるはずのものが切れているか」です。入っているものは使えば分かりますが、切れていないものは事故になって分かります
継続して出す場合は、月ごとの報告も取り決めます。保管中の在庫数、実施した件数、稼働の状況。在庫数が分かっていれば、急な増員に何日で応えられるかが読めます。
廃棄と消去の取り決めも、同じ契約の中に入れておきます。返ってきた端末をどう消し、消したことを何で示すかです。ここが決まっていないと、返却された端末が棚に積まれ、消さないまま次の人へ回ります。冒頭の場面で回収されなかった2台も、消す手順の担当が決まっていませんでした。
- この記事では、特定の管理製品の設定手順は扱いません。製品と版で画面も名称も変わりますが、決める項目と順番のほうは変わりません
- 利用者の枠の数、管理者の持たせ方、履歴を何日残すかは、端末ではなく契約と管理画面の側の項目です。端末の準備とは別に決めてください
実務仕様:配布日までに確定させる項目の一覧
7つの項目を、期限と、決まっていないと何が起きるかで並べ直します。期限の欄は、この日を過ぎると触り直しが台数分になる境目を書いています。
| 決める項目 | 決める期限 | 決まっていないと起きること |
|---|---|---|
| 配る構成の型(3つまで) | 発注の前 | 部署ごとに型が増え、更新の検証が型の数だけ増える |
| 端末と人の対応、止める段取り | 発注の前 | 退職者の端末が回収されず、台帳の利用者が古くなる |
| 開ける機能と切る機能 | 構成を作る前 | 製品の初期値が、そのまま社内の基準になる |
| 保存先と持ち出しの範囲 | 構成を作る前 | 意図しないまま社外の保存先に中身が残る |
| 台帳の項目(型・版・配布日を追加) | 構成を作る前 | 触り直しの対象を選べず、全台に当たることになる |
| 変更の届け方と、届いたかの数え方 | 配布の前 | 直したつもりの端末が、直らないまま残り続ける |
| 初日の持ち物と、やらせない作業 | 配布の前 | 初日で型が崩れ、個人の契約へ流れる |
この表の使い方は1つです。会議の場で、決まっていない行を指して「これは誰がいつまでに決めるか」だけを詰める。中身の議論を始めると、その日は1行も埋まりません。
なお、期限の欄が「発注の前」になっている2行は、後から変えると端末の仕様そのものが変わります。ここだけは、方針の議論が終わっていなくても仮の答えを置いて進めるほうが被害が小さくなります。
端末準備でやりがちな失敗
最後に、相談の場で実際に見かける失敗を並べます。どれも製品の選び方ではなく、決める順番の問題です。
- 前回の入れ替えの手順書をそのまま使い、AIの機能の扱いを追記していない
- 部署ごとの要望を全部のみ込んで、構成の型が5つ以上になっている
- 配った後に変更を届ける経路を決めておらず、次の変更が全台の手作業になる
- 台帳に型と版を書いていないため、直す対象の端末を選べない
- 受け入れ検査の項目を決めずに外注へ出し、納品後に基準を交渉している
特に多いのは1つ目です。手順書は前回動いた証拠があるので、そのまま使うことに疑いが向きません。前回の手順書は、前回の方針の写しでしかありません。差分だけを見る会議を1回入れれば防げます。
よくある質問
いま使っている端末をそのまま使う場合、どこから手を付けますか
2つの項目から始めてください。開ける機能と切る機能、そして保存先と持ち出しの範囲です。この2つは、端末を替えなくても既定のままになっている可能性が高い項目です。台帳の整備は同時に進められますが、先に手を付けると時間だけがかかります。まず1台で確かめ、次に1部署で試し、それから全台へ広げる順番が安全です。
何台から外注に出したほうがよいですか
台数だけでは決まりません。公表されている相場では、50台未満は初期費用の比重が重く、50台から200台が標準の価格帯とされています。判断の材料になるのは、今後1年で何台を何回に分けて配るかです。回数が多いなら、原本となる端末の作成に費用を払っても回収できます。1回で終わるなら、社内で当たるほうが安く済むこともあります。
端末の型は本当に3つで足りますか
足りない場合もありますが、足りない理由の多くは業務ソフトの違いです。それは端末の型ではなく、後から載せるものと権限で吸収できます。型を分けるべきなのは、触る情報の重さか、持ち出すかどうかが違うときだけです。型が4つ以上になったときは、更新のたびに検証が4通り必要になることを見積りに入れてください。
配った後に決め直したくなったら、どうしますか
まず、直す対象を台帳から選べるかを確かめます。選べないなら、全台に当たるしかありません。選べるなら、変更を届ける経路で出し、届かなかった台数を数えて残りを追う形にします。そして次の配布に向けて、なぜ決め直しになったかを1行だけ記録に残してください。同じ項目で2回決め直す会社が実際にあります。
まとめ
AIを配る作業は、席を用意することではなく端末を作り直すことです。端末の側で決める項目は7つ。構成の型、身元と入口、開ける機能と切る機能、社外に出させない設定、台帳の項目、変更の届け方、初日の持ち物。7つとも、端末が届く前に紙の上で決められます。
順番を守る理由は費用ではなく、直し方が変わることです。手作業で1台45分なら300台で225時間。配る前の1回の設計で済んだ判断が、配った後は台数の分の作業になります。発注は呼び名ではなく要件で書き、受け入れ検査の項目も配る前に決めておきます。
そして、機能を開ける前に決めておくものがあります。AIに判断させない範囲と、誰が何を確かめるかです。端末を渡した後に足した決まりは、渡した時点の使い方に負けます。配ってから直さないための準備は、設定の技術ではなく、決める順番の話だと考えてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
