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知財部が開発部門との月次の発明の発掘の会議(Teams)を Copilot でまとめ、発明の候補と届出の宿題の一覧を作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

開発グループと毎月開く発明の発掘の会議(Teams)の記録から、話に出た技術を Copilot で発明の候補ごとに分けます。発明候補台帳の既存の候補に結びつけ、発明届の宿題と、発表や出荷の予定より届出が遅れそうな候補を一覧にします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/製造
対象部門
知財/研究開発
対象業務
台帳・マスタ管理/記録・議事録作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
属人化解消/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
18h/月
AI導入後
7h/月
想定削減
61%
年間削減
132h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 会議の前に、台帳から「検討中」「届出待ち」の候補を抜き出して議題にする
  2. 会議に出て、知財部の担当者がメモを取る
  3. 会議のあと、メモと録画を見返し、話に出た技術を候補ごとに書き出す
  4. 書き出した候補を台帳と見比べ、既存の候補の続きか、新しい候補かを決める
  5. 発明届を書く人・持ってくる資料・期限を一覧にし、技術者に依頼のメールを送る
  6. 開発の予定表を開き、外に出る日が近い候補の届出が間に合うかを確かめる
  7. 台帳の状態と次の宿題を書き換える
導入後(After)
  1. 人知財部の担当者が会議を Teams の予定として立て、冒頭で告げてから文字起こしを始める
  2. 人会議のあと、会議の Copilot に指示を出し、候補ごとの表と宿題の表を出させる
  3. 人Copilot Chat で、その表と発明候補台帳・開発の予定表を「/」で参照させ、既存の候補との結びつけと、外に出る日との突き合わせをさせる
  4. 人担当者が、結びつけと宿題の担当を、根拠の発言で確かめて直す
  5. 人担当者が、外に出る日が近いのに届出が済んでいない候補を、開発グループの取りまとめ役と確かめる
  6. 人担当者が台帳を更新し、技術者に宿題の依頼を送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 会議の前に、台帳から「検討中」「届出待ち」の候補を抜き出して議題にする
  2. 会議に出て、知財部の担当者がメモを取る
  3. 会議のあと、メモと録画を見返し、話に出た技術を候補ごとに書き出す
  4. 書き出した候補を台帳と見比べ、既存の候補の続きか、新しい候補かを決める
  5. 発明届を書く人・持ってくる資料・期限を一覧にし、技術者に依頼のメールを送る
  6. 開発の予定表を開き、外に出る日が近い候補の届出が間に合うかを確かめる
  7. 台帳の状態と次の宿題を書き換える

(a)候補ごとの書き出しに時間がかかる。 技術者の話は1つの技術から別の技術へ移り、途中で「それは前に出したやつと同じ」と打ち消されます。どこからどこまでが1つの候補かを確かめるために、録画を何度も戻します。

(b)既存の候補と同じかどうかが、担当者の記憶頼み。 呼び方が毎月変わるので、台帳の仮の名前で検索しても見つかりません。担当者が替わった月に、同じ候補が新しい番号で登録され、前の番号の宿題が宙に浮きました。

(c)宿題があいまいなまま終わる。 会議の最後に「じゃあ、まとめておいてください」で終わり、誰が発明届を書くのか、図面と比較データのどちらを用意するのかが決まっていないことがあります。依頼のメールを書く段で、担当者が録画を見直して推し量ります。

(d)外に出る日との突き合わせが後回しになる。 予定表は開発グループごとに別のファイルで、会議の直後に6つを開いて見比べる時間がありません。学会の発表のあとに「あれは届出が出ていたか」と聞かれて、出ていなかったことがあります。

  1. 【人】 知財部の担当者が会議を Teams の予定として立て、冒頭で告げてから文字起こしを始める
  2. 【人】 会議のあと、会議の Copilot に指示を出し、候補ごとの表と宿題の表を出させる
  3. 【人】 Copilot Chat で、その表と発明候補台帳・開発の予定表を「/」で参照させ、既存の候補との結びつけと、外に出る日との突き合わせをさせる
  4. 【人】 担当者が、結びつけと宿題の担当を、根拠の発言で確かめて直す
  5. 【人】 担当者が、外に出る日が近いのに届出が済んでいない候補を、開発グループの取りまとめ役と確かめる
  6. 【人】 担当者が台帳を更新し、技術者に宿題の依頼を送る

この構成に自動で動く部分はありません。 台帳を書き換えるのも、依頼を送るのも担当者です。Copilot が作るのは表と下書きまでです。

4番目が、この設計の分かれ目です。 結びつけを誤ると、台帳の経緯が壊れます。Copilot が「既存の候補の続き」とした行は、理由の発言が候補を特定できる言葉になっているかを担当者が確かめます。 「例の件」だけで結びつけた行は、「結びつけ不明」に戻します。

5番目は、取り返しのつかない漏れを止める工程です。 宿題が1か月遅れるだけなら次の会議で取り戻せますが、発表のあとに出願しても、新規性の喪失の例外の手続きを踏まない限り、原則として特許を受けられません。 この一覧だけは、会議の当日に取りまとめ役と見ます。

02今回想定するシステム構成

構成図
発明の発掘の会議(知財部が主催する Teams 会議、開発グループは社内から参加)
   │  冒頭で告げて文字起こしを始める
   ▼【トリガー】会議の終了
会議の Copilot(会議のチャットの「まとめ」タブ)
   └──▶ 話に出た技術ごとの表(仮の名前・中身の要点・話した人・根拠の発言と時刻)
         宿題の表(担当・内容・期限の発言)
   ▼
Copilot Chat(「/」で 発明候補台帳/開発の予定表/呼び方の一覧 を参照)
   ├──▶ 既存の候補との結びつけ(候補番号・理由の発言)と、新しい候補
   ├──▶ 外に出る日が近いのに届出が済んでいない候補
   └──▶ 技術者への宿題の依頼の下書き
   ▼
【担当者が結びつけと宿題を確かめる】 → 【取りまとめ役と外に出る日の一覧を確かめる】
   ▼
台帳を更新する(人)/宿題を依頼する(人)
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot、Copilot Chat)ChatGPT Enterprise、Claude、Gemini
会議Microsoft Teams(知財部が主催する会議と文字起こし)会議の録画
台帳SharePoint リスト(発明候補台帳)知財管理の仕組み
保管SharePoint(開発の予定表と会議の記録のフォルダ)社内のファイルサーバー

新しく足すものはありません。 知財部の2名がすでに Copilot のライセンスを持っている前提です。会議の Copilot を使うのは知財部の担当者で、開発の技術者は会議に出るだけです。

会議は、予定を立てた Teams 会議にします。 公式のまとめ(recap)のページでは、その場で始めた会議では、まとめの通知・ノート・内容は今のところ使えないとされています。廊下での立ち話の延長で「今から Teams で」と始めた会議では、あとから Copilot に尋ねられません。

会議のあとに Copilot を使うには、文字起こしが要ります。 公式のページでは、会議のあとに Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしを有効にしている必要があるとされ、会議のあとは会議のチャットの「まとめ」タブから Copilot を開けるとされています。

文字起こしは、主催者の OneDrive に保存されます。 公式の文字起こしのページでは、文字起こしは主催者の OneDrive for Business に保存され、削除できるのは主催者と共同主催者だけとされています。会議を主催するのは知財部の担当者なので、出願前の技術の話は知財部の領域に残ります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

会議の終了をきっかけに、担当者がその日のうちに始めます。 技術者が話の中身を覚えているうちに宿題を届けたいからです。依頼が数日遅れると、技術者は次の開発の作業に移り、発明届は後回しになります。

文字起こしは、会議の冒頭で始めます。 知財部の担当者が「候補と宿題の一覧を作るために文字起こしを使います」と告げます。公式の文字起こしのページでは、文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されるとされています。開発の部門長には、最初の会議の前に目的と保存先を伝えておきます。

会議を、毎月の定期的な会議の1つの系列にしないでください。 公式のページでは、定期的な会議で後の回が文字起こしされると、それまでの回の Copilot とのやり取りの履歴は使えなくなるとされています。月ごとに別の会議として立て、Copilot の表は会議の当日に会議の記録のフォルダへ保存します。 公式のまとめのページでも、AI のノートとタスクは組織の方針に従って期限が来ると消えるとされています。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし会議の発言(話者の名前と時刻つき)Teams の会議
会議のチャット担当者が会議中に書いた候補番号と議題Teams の会議
発明候補台帳候補番号、仮の名前、開発グループ、状態、次の宿題、最初と最後に話に出た月、別名の列SharePoint リスト
開発の予定表発表・投稿・展示・試作品の提示・出荷の予定日と、対象の製品や技術開発グループごとの SharePoint のファイル
呼び方の一覧製品の型番、開発の符号、社内の略称と、それが指す製品担当者が作る一覧

質を決めるのは、台帳の「別名」の列と、呼び方の一覧です。 別名の列には、その候補が会議で呼ばれたことのある名前を、担当者が月ごとに書き足します。「放熱シートの貼り方」「熱の件」「B案の筐体」が同じ候補の別名として並んでいれば、Copilot が結びつけの手がかりにできます。

呼び方の一覧には、開発の符号を入れます。 技術者は「K7の基板」「次のPシリーズ」のように、製品を符号で呼びます。符号が何を指すかが分からないと、予定表の「K7 量産出荷」と、会議の「K7の基板の話」を並べられません。

開発の予定表は、外に出る日の列名だけをそろえてもらいます。 グループごとに様式が違っても、予定日・種類(発表/投稿/展示/提示/出荷)・対象の3つの列があれば並べられます。

Step3

データの取得方法を決める

会議の Copilot には、会議のチャットの「まとめ」タブから指示を出します。 ここで話に出た技術ごとの表と宿題の表を作らせ、その表を Copilot Chat に貼ってから、台帳と予定表に並べさせます。 公式のページでは、会議の Copilot は文字起こしの発言に加えて、会議の前24時間までのチャットも使うとされています。

取るものどこからどう渡すか
技術ごとの表と宿題の表会議の Copilot の回答会議の記録のフォルダに保存し、Copilot Chat に貼る
発明候補台帳SharePoint リストCopilot Chat の入力欄で「/」を入力して選ぶ
開発の予定表開発グループのフォルダ「/」で選ぶ
呼び方の一覧会議の記録のフォルダ「/」で選ぶ

公式のページでは、Copilot Chat で SharePoint のリストは一度に2万件までの項目を扱えるとされています。台帳の約200件は収まります。一方で、リストの添付の列と参照の列は参照できないとされています。台帳で開発グループを「参照」の列にしている場合は、グループの名前を文字の列として持たせます。 別名の列も文字の列にします。

1つの SharePoint のサイトから参照できるファイルやページは10件までとされています。開発の予定表が6つのグループで別のサイトにあると、1回の指示で全部を参照できないことがあります。会議の対象のグループの予定表だけを参照させます。 1回の会議は1つのグループなので、これで足ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 議題に候補番号を入れる … 台帳から「検討中」「届出待ち」の候補を抜き出し、候補番号つきで会議のチャットに先に書きます
  2. 呼び方の一覧を更新する … 新しい開発の符号が出てきたら、会議の前に足します
  3. 予定表の列名をそろえる … 予定日・種類・対象の3つの列
  4. 話に移るたびに番号を言う … 担当者が「次は C-0412、先月の放熱の件です」と言い、チャットにも書きます
  5. 新しい話には仮の名前を付ける … 台帳に無い話が出たら、担当者がその場で「仮に『端子の圧入』と呼びます」と言います
  6. 終わりに宿題を言い直す … 会議の最後の5分で、担当者が候補ごとに「C-0412 は田中さんが図面を、来週金曜までに」と担当・中身・期限を言い直します

4番目と6番目を軽く見ないでください。 番号の発言があるだけで、Copilot は結びつけの根拠を「例の件」ではなく候補番号の発言に置けます。宿題の言い直しがあれば、会議の途中の「誰かがやる」が、担当の名前のある宿題に変わります。 言い直しの無い会議では、宿題の表が「担当の発言なし」で埋まります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、話に出た技術を候補に分けること、台帳の既存の候補に結びつけること、宿題を担当と期限の発言で並べること、予定表の日付を写すことです。

させること中身判断できないときの扱い
候補の切り分け話に出た技術ごとに、仮の名前と中身の要点(話された範囲)1つか2つか分からなければ「切り分け不明」
既存の候補との結びつけ候補番号の発言、台帳の別名、開発の符号で結びつける決め手が無ければ「結びつけ不明」
状態の発言「すでに出願済み」「他社がやっている」「まだ試作前」などの発言発言が無ければ空欄
話した人その候補について説明した人の名前発明者かどうかは書かない
宿題担当、中身(発明届・図面・比較データ・試作の結果)、期限の発言担当が言われていなければ「担当の発言なし」
予定表との並べその候補の対象の製品や技術の、外に出る日と種類を写す予定表に無ければ「予定表に記載なし」
台帳の更新案最後に話に出た月、次の宿題、別名に足す呼び方状態は書き換えない

「既存の候補との結びつけ」が、この構成でいちばん大事なところです。 決め手にしてよいのは、候補番号の発言、台帳の別名との一致、開発の符号と対象の一致の3つだけにします。「例の件」「前に話したやつ」は決め手になりません。理由の発言を写させれば、担当者は数秒で結びつけを確かめられます。

させないこと理由
発明に当たるか、特許を受けられるかを書くこと判断は知財部と特許事務所が行う
誰が発明者かを書くこと説明した人が発明者とは限らない。職務発明の扱いにも関わる
話されていない構成や効果を補うこと台帳と発明届に、技術者が言っていない中身が入る
外に出る日から届出の期限を計算すること期限は知財部が決める。計算の誤りが漏れにつながる
台帳の状態を書き換えること状態は担当者が発明届を受け取ってから変える
技術者の発言の多さや熱心さを書くこと会議の記録は技術の記録

2行目が、いちばん起きやすい失敗です。 会議では、グループの代表が後輩の考えた仕組みを説明することがよくあります。話した人を発明者の欄に写すと、発明届の段で発明者の記載が実態とずれます。 特許法第35条は、職務発明について従業者が相当の利益を受ける権利を定めています。誰が発明者かは、発明届の段で本人たちに確かめる事項で、会議の話者から決めません。

Step6

指示内容を固定する

会議の Copilot への指示(「まとめ」タブで出す):

この会議は、当社の知財部と開発グループの発明の発掘の会議です。
次の3つの表を作ってください。

【表1 話に出た技術】
仮の名前/候補番号の発言(あれば)/中身の要点/状態の発言/
話した人/根拠の発言(話者・時刻)
【表2 宿題】
候補(番号か仮の名前)/担当/中身/期限の発言/根拠の発言(話者・時刻)
【表3 切り分けに迷った話】
発言の範囲(時刻)/迷った理由

【厳守事項】
- 中身の要点には、会議で話された構成と効果だけを書いてください。
  話されていない構成や効果を補わないでください。
- 「それは前に出したやつと同じ」と打ち消された話は、表1に載せず、
  表3に「打ち消しあり」として載せてください。
- 話した人の欄には、その技術を説明した人の名前だけを書いてください。
  発明者かどうか、誰の考えかを書かないでください。
- 担当が名前で言われていない宿題は、担当を「担当の発言なし」としてください。
- 期限は話されたとおりに写してください。日付を計算しないでください。
- 根拠の発言は、文字起こしの文をそのまま写してください。要約しないでください。
- 発明に当たるか、特許を受けられるかを書かないでください。
- 出席者の話し方や熱心さを書かないでください。

Copilot Chat への指示(表を貼ってから出す):

次の表と、/発明候補台帳 /開発の予定表(このグループ分) /呼び方の一覧 を参照してください。

1. 表1の各行を、台帳の候補に結びつけてください。
   決め手にしてよいのは、候補番号の発言、台帳の別名の列との一致、
   呼び方の一覧で同じ製品を指す開発の符号の3つだけです。
   結びつけた行には候補番号と決め手の種類と決め手の発言を、
   決め手が無い行は「結びつけ不明」としてください。
2. 台帳に無い行は「新しい候補」として、仮の名前を並べてください。
3. 各行の対象の製品や技術について、予定表から外に出る日と種類を写してください。
   予定表に無いものは「予定表に記載なし」とし、日付を計算しないでください。
4. 外に出る日が予定表にある候補のうち、表2に発明届の宿題が無いか、
   担当が「担当の発言なし」の候補を、外に出る日の近い順に並べてください。
5. 台帳の更新案を、候補番号/最後に話に出た月/次の宿題/別名に足す呼び方 の列で作ってください。
   状態の列は書き換えないでください。
6. 担当ごとに宿題をまとめ、依頼の下書きを作ってください。

決め手を3つに限るのは、 Copilot が中身の似ている候補を結びつけがちだからです。放熱の話は台帳に何件もあり、中身が似ているだけで結びつけると、別の候補の宿題が消えます。 決め手の種類を書かせておけば、「中身が似ている」で結びついた行は出てきません。

5番で状態を書き換えさせないのも同じ理由です。 会議で「もう届出を書き始めました」と言われても、届出が知財部に届くまでは「届出待ち」です。 状態を発言で動かすと、届いていない届出が届いたことになります。

Step7

出力形式を固定する

台帳と結びつけた一覧は、次の列で受け取ります。

仮の名前 | 候補番号 | 決め手 | 宿題の担当 | 宿題の中身 | 期限の発言 | 外に出る日 | 根拠の時刻
放熱シートの貼り方 | C-0412 | 番号の発言 | 田中 | 図面 | 来週金曜 | 2026/12/03 学会発表 | 00:08「次はC-0412、先月の放熱の件」
B案の筐体 | 結びつけ不明 | - | 担当の発言なし | 比較データ | - | 予定表に記載なし | 00:21「B案の筐体の件ですけど」
端子の圧入 | 新しい候補 | - | 佐藤 | 発明届 | 月末 | 2027/01/20 K7量産出荷 | 00:34「仮に『端子の圧入』と呼びます」

外に出る日が近いのに届出の宿題が無い候補は、別の表で受け取ります。

【外に出る日が近いのに届出の宿題なし】
C-0398 | 2026/11/18 展示会 | 表2に宿題なし | 00:41「展示会には試作機を持っていく」
C-0405 | 2026/12/03 学会発表 | 担当の発言なし | 00:15「論文は誰かがまとめて」
【台帳の更新案】
C-0412 | 2026年10月 | 図面(田中・来週金曜) | 別名に「B案の放熱」を足す

1つ目の理由は、結びつけを決め手の種類で確かめられることです。 「B案の筐体」は決め手が無いので「結びつけ不明」で残り、担当者が台帳を見て決めます。 第3章の(b)の「同じ候補が新しい番号で登録される」が、ここで止まります。

2つ目は、外に出る日の順に並ぶことです。 C-0398 は展示会に試作機を持っていく話が出ているのに、宿題がありません。知財部の担当者は、この表をその日のうちに取りまとめ役と見ます。 第3章の(d)を、この表で防ぎます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams の会議知財部が予定を立てて主催し、文字起こしを始める文字起こしと会議の Copilot
発明候補台帳(SharePoint リスト)Copilot Chat から「/」で参照既存の候補と別名の読み取り
開発の予定表(SharePoint)Copilot Chat から「/」で参照外に出る日の読み取り
技術者担当者がメールか Teams のチャットで依頼宿題の依頼
取りまとめ役担当者が当日に相談外に出る日が近い候補

台帳への書き込みは、担当者が行います。 Copilot の更新案を見ながら、結びつけを確かめた行だけを書き写します。 「結びつけ不明」の行は、台帳を見て担当者が決めてから書きます。

状態の列は、発明届が届いてから変えます。 会議で「書き始めた」と言われた候補も、届くまでは「届出待ち」のままにします。

Step9

人が確認する

  1. 「結びつけ不明」と「新しい候補」の行を確かめる … 台帳を検索し、既存の候補の続きでないかを見ます
  2. 決め手が「別名」の行を確かめる … 別名が別の候補にも付いていないかを見ます
  3. 宿題の担当を確かめる … 「担当の発言なし」の宿題は、取りまとめ役に誰が持つかを聞きます
  4. 外に出る日の一覧を取りまとめ役と見る … 届出を先に出すか、発表の中身を変えるかを、その日のうちに相談します
  5. 台帳を更新し、依頼を送る

1番目と4番目を省かないでください。 1番目を省くと、台帳に同じ候補が2行できます。4番目を省くと、この構成で最も防ぎたい、公開のあとの届出が残ります。

目標は、1件あたり70分です。 内訳は第10章に示します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしを始め忘れた会議の Copilot は会議のあとに使えない。これまでどおりメモと録画で書く
その場で始めた会議だったまとめの内容が使えない。次回から予定を立てた会議にする
開発の側の取引先が会議に加わった社外の人の前で出願前の話をしない。その回は Copilot の表を作らず、知財部で扱いを決める
1つの話を2つの候補に分けてしまった担当者が台帳を見て1つにまとめ、別名を足す
予定表に対象の符号が無い「予定表に記載なし」の行を取りまとめ役に聞き、予定表に足してもらう
話者の名前が表示名と違う会議室の端末から複数人が出ると話者が分かれない。宿題の担当は言い直しで確かめる
書き出しが止められていて表を移せない会議のオプションと秘密度ラベルを確かめ、知財部が書き出せる設定にする
Copilot が使えない(障害・ライセンス)これまでどおり録画とメモで書く

3行目は、例外の中でいちばん重い行です。 共同開発の相手や部品の仕入先が、開発の会議に出ることがあります。秘密を守る取り決めのない相手の前で話した技術は、それ自体が公知の問題になりえます。 知財部の担当者は、会議の冒頭で出席者を確かめます。

7行目は、設定の問題です。 公式のページでは、会議のチャット・字幕・文字起こしのコピーと転送をオフにする設定や、書き出しを禁じる秘密度ラベルがあると、Copilot の回答を Word や Excel に書き出せないとされています。

Step11

記録を残す

  • 会議の Copilot の表と、Copilot Chat の一覧(会議の記録のフォルダ)
  • 台帳を更新した日時と、更新した行、結びつけを直した行と直す前の内容
  • 技術者に送った宿題の依頼と、送った日時
  • 外に出る日が近い候補について、取りまとめ役と決めた扱いと日時
  • 打ち消された話と、切り分けに迷った話の一覧

2つ目が、台帳の経緯の記録になります。 後から「この候補はいつ最初に話に出たか」を確かめるとき、結びつけを直した記録があれば、別の番号に付いていた月までさかのぼれます。 最初に話に出た月は、発明の経緯の手がかりになります。

4つ目は、届出が間に合わなかったときの振り返りの材料です。 どの会議で予定が分かり、誰と何を決めたかが残っていれば、次に同じ形の漏れを防ぐ手順を決められます。

04実装レベルの3段階

最小構成:1つのグループの会議で文字起こしし、会議の Copilot で3つの表を作る / 候補の切り分けと宿題の表
半自動化:上記+6つのグループで使い、Copilot Chat で台帳と予定表に並べる / 既存の候補との結びつけと、外に出る日との突き合わせ
本格構成:上記+担当者が確かめた宿題を、ワークフローで技術者のタスクに登録し、期限の前に知らせる / 宿題の依頼と催促

最小構成では、台帳との結びつけはまだ手で行います。 確かめたいのは、候補の切り分けと宿題の拾い方です。 半自動化で、1件180分が70分程度になります。 録画の見返しが無くなり、台帳と予定表との突き合わせが Copilot の下書きから始まります。この段階が本記事の想定です。 本格構成は、別名の列が台帳に十分たまってから進みます。 確かめた宿題だけをワークフロー(Power Automate など)でタスクに登録すると、③の時間がさらに短くなります。台帳の状態の書き換えは、本格構成でも人が行います。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
6 件
1件あたり現在時間
180 分
1件あたり導入後時間
70 分
現在  6件 × 180分 ÷ 60 = 18 時間/月
導入後 6件 × 70分 ÷ 60 = 7 時間/月
月間削減時間
11h
削減率
61%
年間削減時間
132h
年間金額換算(時間単価4,500円)
59万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 開発のグループが複数あり、知財部の担当者がグループごとに月1回の発明の発掘の会議を Teams で開いているメーカー。会議のあとに録画を見返して候補を書き出し、前の月までの候補と同じものかどうかを担当者の記憶で判断していて、担当者が替わると候補の経緯が分からなくなる場合。学会の発表や製品の出荷のあとに、発明届が出ていなかったことに気づいたことがある場合。知財部と開発の担当者に Microsoft Copilot のライセンスがすでにある場合。
向いていない
  1. 開発のグループが1つで、発明の候補が年に数件しか出ない場合。発明の発掘を会議ではなく、発明届の受付だけで行っている場合。会議で文字起こしを使うことに、開発の側の了承が得られない場合。なお、発明に当たるかどうか、特許を受けられるかどうか、誰が発明者かの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 次の発明の発掘の会議を、知財部が予定を立てた Teams 会議で開き、文字起こしする
  2. 担当者が、話に移るたびに候補番号を言い、最後の5分で宿題を言い直す
  3. 会議の Copilot に第7章の指示を出し、3つの表を作らせる
  4. これまでどおり手で書き出した候補と宿題の一覧と、表を並べる
  5. 候補の切り分けと宿題の担当が、手の一覧と合っているかを見る

2つのグループで、それぞれ1回は必ずやってください。 ここで確かめるのは、話した人が発明者のように書かれていないか、話されていない中身が補われていないかです。

出てきた内容判断
切り分けと宿題が手の一覧とほぼ同じだったCopilot Chat で台帳と予定表に並べる段階に進む
話されていない構成が要点に入った指示の厳守事項を足す。構成は有効
宿題の担当がほとんど「担当の発言なし」だった言い直しの運用が先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 会議の最後に宿題を言い直す習慣がないと、文字起こしにも担当の名前が残りません。Copilot で困っている時間の多くは、会議の進め方の問題です。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
中身が似ているだけで既存の候補に結びつく決め手を3つに限り、決め手の種類を書かせる
話した人が発明者のように書かれる話した人の欄に限り、発明者かどうかを書かないと指示する
話されていない構成や効果が補われる要点は話された範囲だけと指示する
打ち消された話が候補に残る打ち消しは表3に回させる
会議で「書き始めた」と言われた候補が届出済みになる状態は書き換えさせず、届出が届いてから人が変える
外に出る日から期限を計算して誤る予定表の日付を写すだけと指示する
定例の系列で前回の履歴が消える月ごとに別の会議として立て、表はその日のうちに保存する
その場で始めた会議でまとめが使えない予定を立てた会議にする
台帳の参照の列が読めないグループの名前と別名を文字の列で持たせる
宿題の担当が決まらない会議の最後に担当者が言い直す

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、台帳と発明届に、会議で起きていないことが入る失敗です。決め手の種類と根拠の発言で見つけます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 出願前の技術の内容、開発の符号と製品の予定、発表や出荷の日付、技術者の名前と宿題です。どの技術を出願するかは、事業の先行きを表す情報です。

  1. 台帳と予定表の権限を絞る … Copilot は利用者が閲覧の権限を持つデータだけを示すとされています。知財部と取りまとめ役以外が台帳を開けないようにします
  2. 出席者を会議の冒頭で確かめる … 社外の人が加わった回は、出願前の話をしません。秘密を守る取り決めのない相手の前の話は、公知の問題になりえます
  3. 学習への利用と処理の地域について … 公式のページでは、指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータは基盤モデルの学習に使われないとされています。一方で、EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうるとされています。出願前の技術の扱いについて社内の規程に決まりがあるかを確かめます
  4. やり取りの保存 … Copilot とのやり取りは利用履歴として保存され、管理者は Microsoft Purview で保持の方針を決められるとされています
  5. 新規性の喪失の例外に頼らない … 特許法第30条は、公知になった日から1年以内の出願に例外を認めていますが、出願と同時に書面を出し、出願から30日以内に証明書を出す手続きが要ります。 外に出る日の一覧は、例外を使わずに済むように先に出願するための材料です
  6. 技術者の評価に使わない … 公式のページは、職場のやり取りから社員の業績・態度・人柄を推し量る用途を制限しているとしています。会議の記録を、技術者の発明の多さや貢献の評価に使いません。 相当の利益の扱いは、職務発明の規程に従います

誤りが起きた場合のリスクは、同じ候補を別の番号にして経緯を壊すことと、外に出る日の前に届出が間に合わないことの2つです。 前者は決め手の種類で確かめ、後者は外に出る日の一覧を会議の当日に取りまとめ役と見ることで防ぎます。後者のほうが重く、取り返しがつかないことがあります。

10まず何から始めるか

1週目:台帳と一覧を整える

発明候補台帳に別名の列を足し、検討中と届出待ちの候補から、これまでの呼び方を書き込みます。開発の符号と製品の対応を、呼び方の一覧にします。

2週目:開発グループに頼む

6つのグループの取りまとめ役に、文字起こしを使うこと、予定表の列名をそろえてもらうことを伝え、了承を得ます。 会議を月ごとに別の予定として立て直します。

3週目:1つのグループの会議で試す

次の会議を文字起こしし、担当者が番号を言い、最後に宿題を言い直します。会議の Copilot で3つの表を作り、手の一覧と並べ、話した人が発明者のように書かれていないかを最優先で見ます。

4週目:台帳と予定表に並べる

Copilot Chat で既存の候補との結びつけと、外に出る日との突き合わせをさせます。外に出る日が近い候補を、その日のうちに取りまとめ役と見る流れを試します。

2か月目: 6つのグループの会議で使い、宿題の依頼を下書きから送る運用を始めます。3か月目以降: 1件180分が何分になったかを実測し、宿題をタスクに登録するワークフローを検討します。「結びつけ不明」の行が毎月数件まで減り、外に出る日が近い候補が会議の当日に必ず見つかるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
会議のあとに Copilot に尋ねるには会議中に文字起こしが必要なこと。「まとめ」タブから開けること。定期的な会議で後の回が文字起こしされると前の回の履歴が使えなくなること。会議の前24時間までのチャットを文字起こしと一緒に使うこと。コピーと転送をオフにする設定や書き出しを禁じる秘密度ラベルで回答を Word や Excel に書き出せないことMicrosoft Support: Use Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-29
文字起こしが始まると参加者全員に通知が表示されること。文字起こしが主催者の OneDrive for Business に保存され、削除できるのが主催者と共同主催者であることMicrosoft Support: View live transcription in Microsoft Teams meetings2026-10-29
その場で始めた会議ではまとめの通知・ノート・内容が今のところ使えないこと。AI のノートとタスクが組織の方針に従って期限が来ると消えることMicrosoft Support: Meeting recap in Microsoft Teams2026-10-29
Copilot Chat で SharePoint のリストを一度に2万件まで参照でき、添付の列と参照の列は参照できないこと。1つの SharePoint のサイトから参照できるファイルやページが10件までであることMicrosoft Support: Refer to specific files and more in Microsoft 365 Copilot2026-10-29
利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すこと。指示・応答・Microsoft Graph から取ったデータが基盤モデルの学習に使われないこと。管理者が Microsoft Purview で保持の方針を決められること。EU 以外の顧客の問い合わせは米国、EU、その他の地域で処理されうること。職場のやり取りから社員の業績・態度・人柄を推し量る用途を制限していることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-29
第30条(発明の新規性の喪失の例外)で、公知になった日から1年以内の出願に例外が認められ、出願と同時に書面を、出願から30日以内に証明書を出す必要があること。第35条(職務発明)で、従業者が相当の利益を受ける権利を有することe-Gov 法令API: 特許法2026-10-29

発明に当たるか、誰が発明者か、いつまでに出願するかは、知財部の規程と特許事務所の助言に基づいて判断してください。 本記事は、上記の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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