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採用担当が選考の辞退の連絡と候補者アンケートの自由記述を選考の段階ごとに要約し、選考の進め方の改善の論点を毎月作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

候補者からの選考の辞退の連絡と、選考後のアンケートの自由記述を、選考の段階と経路にひも付けて毎月要約します。理由を区分し、段階ごとに原文の引用つきの改善の論点にまとめ、採用の定例の資料にします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
IT・SaaS/人材/広告/金融
対象部門
人事/採用
対象業務
要約/集計・分析
主な課題
データ分析に時間がかかる/人手が足りない/属人化している
AIで行う処理
要約
主な効果
判断支援/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 辞退の連絡が届くたびに、採用の担当が採用管理システムの候補者の記録を「辞退」にし、理由の欄に一言を書く
  2. 月末に、人事の企画が採用管理システムから辞退の一覧を出す
  3. 理由の欄だけでは分からないものは、共有メールボックスで元のメールを探して読む
  4. アンケートのフォームから当月の回答を出し、自由記述を1件ずつ読む
  5. 理由を「条件」「他社決定」「選考の進め方」「仕事の内容」などに分け、集計表に書き写す
  6. 目についた記述を何件か選び、定例の資料に貼る
  7. 採用の定例で資料を説明し、改善の案を話し合う
導入後(After)
  1. 人辞退の連絡が届いたら、採用の担当が採用管理システムで候補者を「辞退」にする(理由の欄は空でもよい)
  2. 自動毎月の第1営業日に、前月の辞退の一覧、元のメール、アンケートの回答を集める
  3. 自動Python が辞退の連絡を候補者の記録にひも付け、選考の段階・経路・各段階の日付を付ける
  4. 自動氏名・メールアドレス・電話番号・現職の社名を記号に置き換える
  5. 自動Claude API が1件ずつ理由を要約し、区分と「誰の言葉か」を付けて、引用の候補を写す
  6. 自動Python が区分と段階ごとに件数を数え、前月・前々月と比べる
  7. 自動Claude API が段階ごとの要約と引用から、改善の論点の下書きを作る
  8. 人人事の企画が論点と引用を読み、元の文と件数を確かめて資料にする
  9. 人採用の定例で資料を説明し、改善の案を決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. 辞退の連絡が届くたびに、採用の担当が採用管理システムの候補者の記録を「辞退」にし、理由の欄に一言を書く
  2. 月末に、人事の企画が採用管理システムから辞退の一覧を出す
  3. 理由の欄だけでは分からないものは、共有メールボックスで元のメールを探して読む
  4. アンケートのフォームから当月の回答を出し、自由記述を1件ずつ読む
  5. 理由を「条件」「他社決定」「選考の進め方」「仕事の内容」などに分け、集計表に書き写す
  6. 目についた記述を何件か選び、定例の資料に貼る
  7. 採用の定例で資料を説明し、改善の案を話し合う

(a)理由の欄が担当によって違う。 ある担当は「他社決定」とだけ書き、別の担当は「年収面で他社に決定(紹介会社談)」と書きます。同じ辞退でも、書く人によって何が残るかが違います。 月末に一覧を出しても、それだけでは比べられません。

(b)元のメールを探す時間が大きい。 理由の欄が短いものは、共有メールボックスで候補者の名前を検索して元のメールを開くことになります。1件ごとに数分かかり、月末の数日に集中します。

(c)自由記述が件数の集計で終わる。 アンケートの自由記述は月に200件近く届きますが、読み切れずに5段階の評価の平均だけを定例に出す月があります。 「一次面接の日程の連絡が遅かった」のような具体的な記述ほど、平均には出てきません。

(d)定例の資料が担当の印象で作られる。 どの記述を貼るかは、資料を作る人の目に留まったもので決まります。印象に残った1件が、その月の傾向として話されることがあります。

  1. 【人】 辞退の連絡が届いたら、採用の担当が採用管理システムで候補者を「辞退」にする(理由の欄は空でもよい)
  2. 【自動】 毎月の第1営業日に、前月の辞退の一覧、元のメール、アンケートの回答を集める
  3. 【自動】 Python が辞退の連絡を候補者の記録にひも付け、選考の段階・経路・各段階の日付を付ける
  4. 【自動】 氏名・メールアドレス・電話番号・現職の社名を記号に置き換える
  5. 【自動】 Claude API が1件ずつ理由を要約し、区分と「誰の言葉か」を付けて、引用の候補を写す
  6. 【自動】 Python が区分と段階ごとに件数を数え、前月・前々月と比べる
  7. 【自動】 Claude API が段階ごとの要約と引用から、改善の論点の下書きを作る
  8. 【人】 人事の企画が論点と引用を読み、元の文と件数を確かめて資料にする
  9. 【人】 採用の定例で資料を説明し、改善の案を決める

8番目が、この設計の分かれ目です。 人事の企画は300件を読み直すのではなく、論点ごとに引用された原文と、その論点の件数を確かめます。 論点にならなかった区分は件数の表を流し見ます。全件を読み直す設計にすると、30.0時間はほとんど減りません。

1番目で理由の欄を空でもよいとしているのも、意図してのことです。 担当が一言で書くと、そこで理由が担当の言葉に置き換わります。元のメールから読むほうが、候補者の言葉が残ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
辞退の連絡(メール・採用管理システム・紹介会社経由)
アンケートの回答(5段階の評価・自由記述・段階・経路)
   │
   ▼【トリガー】毎月第1営業日の朝
Python ── 候補者の記録にひも付け、段階・経路・日付を付ける
   │        氏名・連絡先・現職の社名を記号に置き換える
   ▼
Claude API(Message Batches API)
   │   1件ずつ理由を要約、区分、誰の言葉か、引用の候補
   ▼
Python ── 区分と段階ごとの件数、前月との比較
   ▼
Claude API ── 段階ごとの改善の論点の下書き(引用つき)
   ▼
定例の資料の下書き
   ▼
【人】人事の企画が引用と件数を確かめ、定例へ
役割想定する製品代替候補
処理Claude API(Message Batches API で月次にまとめて要約)OpenAI API、Gemini API
集計Python(ひも付け、記号への置き換え、件数の集計)Google Apps Script
連携採用管理システムの書き出しと共有メールボックス(既存)社内の人事データベース
保管人事部の共有フォルダ(権限を絞ったもの)文書管理の仕組み

採用管理システムとアンケートのフォームは、新しく足すものではありません。 この構成は両方から書き出したデータを読むだけで、候補者の記録には書き込みません。

1件ずつの要約は、Message Batches API でまとめて送ります。 急ぎの処理ではないためです。Message Batches API は、多くのバッチが1時間以内に終わり、費用が通常の半分になるとされています。1つのバッチは10万件か256MBのどちらか先に達するところまでで、24時間以内に終わらなければ期限切れになります。

結果は、送った順に返ってくるとは限りません。 結果は順不同で返り、要求と結果の対応は custom_id で取るとされています。custom_id は1〜64文字の英数字・ハイフン・下線だけなので、候補者の記号をそのまま使い、氏名やメールアドレスを入れないでください。

データの保持の条件にも違いがあります。 Message Batches API は結果を作成から29日間取り出せるとされ、ゼロデータ保持の対象外と表示されています。候補者の個人情報を記号に置き換えてから送るのは、この条件を前提にしているためです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎月の第1営業日の朝に、前月の分をまとめて動かします。 辞退が届くたびに動かすことはしません。1件ずつの要約は、傾向として並べて初めて意味を持つからです。届くたびに動かすと、採用の担当がその1件の要約を読んで、候補者に何かをしたくなります。

対象は前月の1日から末日までに「辞退」になった候補者と、その期間に届いたアンケートの回答です。 前月の末日に届いた辞退の連絡が、採用管理システムで翌月の1日に「辞退」にされることがあります。辞退の日付は採用管理システムの状態の変更日ではなく、連絡が届いた日で取ります。

定例の1週間前までに論点の下書きが出るように、第1営業日に動かします。 人事の企画が引用を確かめる時間を、定例の前に取るためです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
辞退の一覧候補者の番号、辞退した段階、経路、辞退の連絡が届いた日、各段階の日付、理由の欄採用管理システムの書き出し
辞退の連絡の本文候補者または紹介会社の担当者からのメールの本文、採用管理システムの画面からの入力共有メールボックス、採用管理システム
アンケートの回答本人が選んだ段階と経路、5段階の評価、自由記述アンケートのフォームの書き出し
区分の一覧理由の区分(条件、他社決定、選考の速さ、面接の内容、仕事の内容、勤務地・働き方、その他)と、それぞれの定義人事部が決める一覧
前月・前々月の集計区分と段階ごとの件数前回の処理の記録

質を決めるのは、区分の一覧の定義です。 「選考の速さ」と「面接の内容」の境目を決めておかないと、AIも人と同じように迷います。定義は「何が書かれていたらこの区分か」の形で書き、例文を2つずつ付けます。

各段階の日付を持たせるのは、選考の速さを件数で確かめるためです。 「連絡が遅かった」という記述が多い月に、一次面接から結果の連絡までの日数が実際に延びていたかを、Python が日付から出します。記述と日数を並べると、論点の重みが分かります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
辞退の一覧と各段階の日付採用管理システムの書き出し(CSV)段階・経路・日数
辞退の連絡のメール共有メールボックスから、候補者のメールアドレスか紹介会社の件名で探す理由の本文
紹介会社のメール共有メールボックスの紹介会社ごとのフォルダ候補者の言葉と担当者の見立て
アンケートの回答フォームの書き出し自由記述

メールは、候補者の記録とひも付けてから使います。 ひも付けの鍵は、候補者のメールアドレス、紹介会社のメールの件名にある候補者の番号の順です。どちらでもひも付かないメールは、要約に回さず人事の企画に一覧で返します。

アンケートの回答は、候補者にひも付けません。 匿名で答えてもらっているからです。本人が選んだ段階と経路だけで集計し、辞退の連絡とは別の束として扱います。 書き方や日付から誰の回答かを割り出すことはしません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. ひも付け … 辞退の連絡を候補者の記録に結び、段階・経路・日付を付けます
  2. 記号への置き換え … 候補者の氏名、メールアドレス、電話番号、現職と内定先の社名を、C-0412 や 社A のような記号に置き換えます
  3. 署名と引用の除去 … メールの署名、過去のやり取りの引用部分を外し、その回の本文だけにします
  4. 書き手の印付け … 本文の書き手が候補者本人か、紹介会社の担当者かを、送信元で印を付けます
  5. 紹介会社のメールの分割 … 「候補者からは〜と伺っています」の部分と、担当者の所感の部分が分けられるものは分けます
  6. 空の記述の除外 … アンケートで自由記述が空、または「特になし」だけのものは要約に回さず件数だけに入れます
  7. 区分の一覧の版の固定 … その月に使う区分の一覧の版を記録します

2番目を省かないでください。 内定先の社名は、候補者の転職先という個人の情報です。論点を作るのに、どの会社に決めたかは要りません。 「同業の他社」か「異業種」かが要るなら、置き換えの際に区分だけを残します。

4番目と5番目は、この構成の中心です。 送信元で書き手が分かっても、紹介会社のメールの中には候補者の言葉と担当者の見立てが混ざります。分けられないものは、全体を担当者の言葉として扱います。

Step5

AIに処理させる

AIの仕事は2回に分けます。 1回目は1件ずつの要約と区分、2回目は段階ごとの論点の下書きです。

1回目(1件ずつ)

させること中身
理由の要約書かれている理由を1〜2文で。書かれていない理由を足さない
区分区分の一覧から1つ。当てはまらなければ other
誰の言葉かcandidate(本人の言葉)/agent_view(紹介会社の担当者の見立て)/unclear
理由の明示の有無stated(理由が書かれている)/not_stated(「一身上の都合」「他社決定」だけ)
引用の候補区分の根拠にした文をそのまま1つ写す
選考への具体的な指摘日程、連絡、面接の質問、面接官の態度、説明の内容など、選考の進め方に関わる具体的な記述があれば写す

not_stated を付けられるようにしておくのが要です。 「他社で内定をいただいたため」には、なぜ他社にしたのかが書かれていません。これを「条件」や「選考の速さ」に推して入れると、件数が実際より多く出ます。 理由の書かれていない辞退は、書かれていないものとして数えます。

2回目(段階ごと)

Python が数えた区分と段階ごとの件数、前月との差、1回目の要約と引用の候補を渡し、段階ごとに改善の論点を3つまで書かせます。論点には、根拠にした件数(Python の値)と引用の記号を付けさせます。

させないこと理由
件数・割合の計算Python が数える。生成AIの数字を資料に載せない
理由の推測書かれていない理由を足すと、not_stated が消える
担当者の見立てを本人の声として扱うこと第三者の推測が候補者の声として定例に出る
個々の候補者・面接官の評価この構成の目的ではない。誰かを責める資料にしない
匿名の回答の書き手の推定匿名で答えてもらっている前提が崩れる
改善の案の決定定例で決める

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 「他社決定」とだけ書かれた辞退を渡すと、何も言わなければ「選考期間が長く、他社が先に内定を出したと考えられる」と書いてきます。もっともらしいほど、定例でそのまま話されます。

Step6

指示内容を固定する

1回目の指示の例です。

あなたは人事部の採用グループで、選考の辞退の連絡とアンケートの
自由記述を読み、理由を整理する立場です。渡された本文に書かれて
いることだけをもとに答えてください。推測で補わないでください。

【区分の一覧(版 {category_version})】{categories}

【答えること】
1. summary ........ 書かれている理由を1〜2文で
2. category ....... 区分の一覧から1つ。当てはまらなければ other
3. speaker ........ candidate/agent_view/unclear
4. reason_stated .. stated/not_stated
5. quote .......... category の根拠にした文をそのまま1つ
6. process_remarks  選考の進め方に関わる具体的な記述(無ければ空)

【厳守事項】
- 理由が書かれていない場合(「一身上の都合」「他社に決めた」だけ
  など)は reason_stated を not_stated にし、category は other に
  してください。なぜそうしたのかを推測しないでください。
- 「〜と伺っています」「〜のようです」など、紹介会社の担当者が
  候補者について述べている文は speaker を agent_view にしてください。
  候補者本人の言葉として扱わないでください。
- 書き手が本人か担当者か分からない場合は unclear にしてください。
- quote と process_remarks は本文をそのまま写してください。
  言い換えたり要約したりしないでください。
- 候補者・面接官・担当者の人柄や能力を評価しないでください。
- 記号(C-0412、社A など)を元の名前に戻そうとしないでください。
- アンケートの回答(source が survey のもの)について、誰が書いた
  かを推測しないでください。

【この記録の情報】段階: {stage} 経路: {channel} 種類: {source}
【本文】{text}

「なぜそうしたのかを推測しない」を明記しないと、not_stated は付きません。 理由の書かれていない文を渡すと、選考の段階と日付の情報から理由を組み立てようとします。段階と経路を渡しているのは集計のためで、理由を推すためではないことを、指示の側で止めます。

「〜と伺っています」を例に挙げているのは、紹介会社のメールの典型の言い回しだからです。 何も言わなければ、担当者の文も候補者の言葉として candidate が付きます。

Step7

出力形式を固定する

1回目は次の形の JSON で受け取ります。

{
  "record_id": "C-0412",
  "source": "decline_mail | ats_form | agent_mail | survey",
  "stage": "first | second | final | offer",
  "channel": "own_site | job_board | agent | referral",
  "summary": "",
  "category": "",
  "speaker": "candidate | agent_view | unclear",
  "reason_stated": "stated | not_stated",
  "quote": "",
  "process_remarks": ""
}

2回目は、段階ごとの論点を次の形で受け取ります。

{
  "month": "2026-10",
  "stage": "first",
  "points": [
    { "title": "", "basis_count_ref": "", "quote_refs": ["C-0412", "S-0087"],
      "speaker_mix": "candidate_only | includes_agent_view", "note": "" }
  ]
}

1つ目の理由は、speaker と reason_stated で件数を分けて数えられることです。 Python が区分ごとに「本人の言葉」「担当者の見立て」「理由の記載なし」に分けて数えると、定例の資料で「条件」の辞退のうち何件が本人の言葉かを示せます。

2つ目は、論点の根拠に戻れることです。 quote_refs から1回目の quote を引き、資料の論点の下に原文を並べます。引用は記号で持ち、資料に載せるときに人事の企画が確かめます。

3つ目は、speaker_mix で論点の重みが分かることです。 担当者の見立てだけでできた論点は、紹介会社との打ち合わせで確かめる論点として資料に分けて載せます。

スキーマの制約は Python で確かめます。 構造化出力のスキーマには文字列の長さの制約を書けないため、summary が長すぎないか、points が3つ以内かは受け取った後に調べます。quote が本文に含まれているかも、文字列の一致で確かめます。 含まれていなければ、その引用は資料に使いません。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
採用管理システムCSV の書き出しを読む辞退の一覧と段階・経路・日付
共有メールボックスメールの書き出しを読む辞退の連絡の本文
アンケートのフォーム回答の書き出しを読む自由記述と本人が選んだ段階・経路
Claude APIMessage Batches API と通常の呼び出し1件ずつの要約と、段階ごとの論点
人事部の共有フォルダPython が書き出す集計表と定例の資料の下書き

採用管理システムには書き戻しません。 1件ずつの要約を候補者の記録の理由の欄に入れると、採用の担当が次の選考でその候補者を見るときに、AIの要約が目に入ります。 再応募の候補者の選考に、前回の辞退の要約が影響しないようにします。

1回目は Message Batches API、2回目は通常の呼び出しにします。 2回目は段階の数(4つ)しかなく、結果をすぐに見て直したいからです。

Step9

人が確認する

人が確かめるのは、論点と、論点に使う引用です。

  1. 論点ごとに引用を開く … quote_refs の原文を読み、論点の言い方が原文から離れていないかを確かめます
  2. 件数を確かめる … 論点の根拠の件数が、Python の集計表の値と同じかを見ます
  3. agent_view を含む論点を分ける … 担当者の見立てを含む論点は、紹介会社と確かめる論点として載せます
  4. 引用の言い回しを確かめる … 引用から候補者が分かるおそれがあれば、資料に載せる前に言い換えるか外します
  5. 区分を直したら記録する … 1回目の区分を人が直したものは、どの区分からどの区分へ変えたかを残します

4番目を省かないでください。 「最終面接で〇〇部長に言われた一言」のような引用は、面接官と候補者の両方が分かります。定例には採用に関わる多くの社員が出るので、引用はそのまま貼りません。

1回目の要約は、全件は読みません。 区分ごとに数件ずつを抜き出して読み、区分の付き方がずれていないかを見ます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
辞退の連絡が候補者にひも付かない要約に回さず、人事の企画に一覧で返す
理由が書かれていないnot_stated として数える。理由を推さない
本人の言葉と担当者の見立てが分けられない全体を agent_view として扱う
1通に複数の候補者の辞退が書かれている紹介会社のメールに多い。候補者ごとに分けてから回す。分けられなければ人へ
quote が本文に含まれていないその引用を資料に使わない
バッチの一部が errored・expiredその記録だけを次のバッチで送り直す。期限切れと失敗には課金されないとされる
自由記述に強い苦情や個人への非難がある要約はするが、資料には件数だけを載せ、原文は人事の責任者が読む
自由記述にハラスメントの申告に当たる内容がある要約の流れから外し、社内の相談窓口の手順に回す
区分の一覧に当てはまらない理由が増えるother の件数が多い月は、区分の一覧の見直しを議題にする

上から3行目までが大半を占めます。 どれもAIの問題ではなく、辞退の連絡の受け方と紹介会社とのやり取りの書き方の問題です。 紹介会社に「候補者の言葉はかぎかっこで書いてほしい」と頼むと、分けられる割合が上がります。

8行目は、要約の流れに乗せないでください。 面接での不適切な言動の申告は、傾向として数える話ではなく、1件ずつ事実を確かめる話です。

Step11

記録を残す

  • 書き出した辞退の一覧とアンケートの回答(記号に置き換える前の元のもの。権限を絞った場所に)
  • 記号と候補者の対応表(人事部の採用グループだけが見られる場所に)
  • 1回目の JSON と、2回目の JSON
  • Python の集計表(区分・段階・経路・speaker・reason_stated ごとの件数)
  • 区分の一覧の版
  • 人が区分を直した記録と、資料に載せなかった引用とその理由
  • 定例で決めた改善の案と、その後の月の件数の変化

2つ目を分けて持つのは、要約の側に個人の情報を持ち込まないためです。 1回目と2回目の JSON には記号しか入らず、記号を戻せるのは対応表を見られる人だけになります。

最後の行が、この構成の本当の成果物です。 改善の案を決めた後に、その段階の辞退の区分がどう変わったかを毎月並べると、直したことが効いたかが分かります。

04実装レベルの3段階

最小構成:記号に置き換えた本文を手で Claude の画面に貼り、区分と書き手を付けさせる / 1件ごとの要約と区分
半自動化:上記+Python でひも付けと置き換えを行い、Message Batches API でまとめて要約し、件数の集計表を出す / ひも付け・要約・区分・集計
本格構成:上記+毎月の定時に動かし、段階ごとの改善の論点の下書きと、前月との比較まで出す / 月次の資料の下書きの全体

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼るので、月300件には使えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件6分が3分程度になります。 要約と区分と集計は自動になりますが、定例の論点は人事の企画が書きます。本格構成で2分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、集計表を読んで論点を起こし、引用を探す作業が、毎月の手作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の集計表を2か月分見ると、other の多い区分と、agent_view の多い紹介会社が先に分かります。区分の一覧と紹介会社への頼み方を直してから本格構成に進むほうが、論点のぶれが減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
6 分
1件あたり導入後時間
2 分
現在  300件 × 6分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 300件 × 2分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価4,000円)
96万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 中途採用で毎月数百人の候補者が選考に入り、辞退の連絡がメール・採用管理システム・人材紹介会社の担当者経由とばらばらに届く会社。選考後のアンケートを取っているが、自由記述を読み切れずに件数の集計だけで終わっている場合。辞退の理由を採用の定例で話したいが、資料を作る時間が取れていない場合。
向いていない
  1. 辞退とアンケートの回答が月に数十件で、採用担当が全件を読める場合。選考の段階が採用管理システムで記録されておらず、どの段階の辞退かが分からない場合。なお、個々の候補者の合否、辞退した候補者への再アプローチの判断、面接官の評価は、この構成では行いません。

07最小構成で試す方法

  1. 前月の辞退の連絡から30件、アンケートの自由記述から30件を選ぶ(紹介会社経由のものを必ず含める)
  2. 氏名・連絡先・社名を手で記号に置き換える
  3. 区分の一覧を、定義と例文つきで用意する
  4. 1件ずつ手元の Claude の画面に貼り、「区分の一覧から1つ選び、本人の言葉か担当者の見立てかを分け、理由が書かれていなければ not_stated にしてください。理由を推測しないでください」と指示する
  5. 出てきた区分を、採用の担当2名が付けた区分と突き合わせる

60件は必ずやってください。 集計と論点の作成をつなぐ前に、区分がぶれずに付くかを確かめます。

出てきた内容判断
担当2名とほぼ同じ区分が付いた集計と論点の作成をつなぐ段階に進む
理由の書かれていない辞退に理由を推して付けた指示の書き方で直る。構成は有効
担当2名の区分どうしも合っていない区分の定義を先に直す。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 失敗ではなく、これまで定例の資料が担当の印象で作られていた理由が1つ分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「他社決定」だけの辞退に理由を推して付けるnot_stated を用意し、推測を禁じる
紹介会社の担当者の見立てが本人の声になる書き手の印を付け、agent_view を分けて数える
件数を生成AIに数えさせるPython が数える。 資料の数字は集計表からだけ取る
引用が原文から言い換わる本文との文字列の一致で確かめ、合わなければ使わない
内定先の社名がそのまま残る置き換えの段階で記号にする。区分が要るなら区分だけ残す
アンケートの書き手を割り出してしまう候補者にひも付けない。指示でも推測を禁じる
custom_id に氏名を入れる記号だけを使う。英数字・ハイフン・下線の1〜64文字
結果の順で候補者と対応させる結果は順不同。 custom_id で対応させる
要約を採用管理システムに書き戻す書き戻さない。再応募の選考に影響させない
区分の定義が無いまま始める定義と例文を先に作る
論点が特定の面接官への非難になる個人の評価を禁じ、引用は載せる前に人が確かめる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「書かれていない理由」や「本人でない人の言葉」が、候補者の声として件数に入るところから起きます。not_stated と agent_view を最初から用意するかどうかで、資料が信じられるかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 候補者の氏名と連絡先、現職と内定先、辞退の理由、選考への意見です。転職活動をしていること自体が、本人にとって知られたくない情報です。

  1. 集めた目的の範囲で使う … 職業安定法は、求人者が求職者の個人情報を、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その目的の範囲内で保管・使用しなければならないとしています。辞退の理由を選考の改善に使うことを、応募の際の個人情報の扱いの説明とアンケートの案内に書いておいてください
  2. 記号に置き換えてから外部に送る … Message Batches API は結果を29日間取り出せ、ゼロデータ保持の対象外とされています。氏名・連絡先・社名を外してから送ります
  3. 匿名の回答の書き手を探さない … Anthropic の利用ポリシー(ページに 2026-11-12 発効と表示)は、匿名・仮名の活動から人物を特定する使い方を禁じる項目を置いています。アンケートは匿名で答えてもらっている前提を崩さないでください
  4. 個々の候補者についての判断に使わない … 同じポリシーは、候補者の選別・順位付け・不採用などの採用の判断を高リスクの用途に挙げ、資格のある人の実質的な確認と、AIを使ったことの本人への開示を求めています。この構成は傾向を見るためのもので、辞退した候補者の再応募の扱いや、面接官の評価には使いません
  5. 引用から人が分からないようにする … 定例には多くの社員が出ます。面接官や候補者が分かる引用は、載せる前に言い換えるか外します
  6. ハラスメントの申告を要約の流れから外す … 1件ずつ事実を確かめる話です。社内の相談窓口の手順に回します

誤りが起きた場合のリスクは、推測が候補者の声として定例で話されることと、候補者や面接官が特定されることの2つです。 前者は not_stated と agent_view を混ぜると起き、後者は記号への置き換えと引用の確認を省くと起きます。

10まず何から始めるか

1週目:区分の一覧を作る

採用の担当2名と人事の企画で、理由の区分を7つ前後に決め、「何が書かれていたらこの区分か」の定義と例文を2つずつ付けます。理由の書かれていない辞退を数える区分も、ここで決めます。

2週目:60件で試す

前月の辞退の連絡とアンケートの自由記述から60件を選び、記号に置き換えて手元の Claude の画面で区分を付けさせます。担当2名の区分と突き合わせ、理由を推していないか、担当者の見立てを本人の言葉にしていないかを最優先で見ます。

3週目:個人情報の扱いを確かめる

応募の際の個人情報の扱いの説明と、アンケートの案内の文を読み、選考の改善に使うことが書かれているかを確かめます。書かれていなければ、法務と相談して書き足します。記号と候補者の対応表を置く場所も決めます。

4週目:ひも付けから集計表までをつなぐ

採用管理システムの書き出しとメールをひも付け、記号に置き換え、Message Batches API で要約して、件数の集計表を出すところまで作ります。この時点では論点の下書きを出さず、集計表だけを定例に出します。

2か月目: 段階ごとの論点の下書きを足し、引用の確認の手順を決めます。3か月目以降: 前月との比較を足し、1件6分が何分になったかを実測します。定例で決めた改善の案ごとに、その段階の辞退の区分の件数を並べて見られるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
求人者等が、求職者等の個人情報を収集・保管・使用するに当たっては、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、収集の目的の範囲内で保管・使用しなければならないこと。適正に管理するために必要な措置を講じなければならないこと(第5条の5)e-Gov 法令API: 職業安定法2026-10-29
多くのバッチが1時間以内に終わり費用が50%下がること。1バッチが10万件か256MBまでであること。24時間以内に終わらなければ期限切れになること。結果が作成から29日間取り出せること。ゼロデータ保持の対象外と表示されていること。custom_id が1〜64文字の英数字・ハイフン・下線であること。結果が順不同で返り custom_id で対応させること。errored・expired の要求は課金されないことClaude Docs: Batch processing2026-10-29
構造化出力を output_config.format で指定すること。文字列の minLength・maxLength と数値の範囲の制約に対応しないことClaude Docs: Structured outputs2026-10-29
匿名・仮名の活動から人物を特定する使い方を禁じる項目があること。候補者の選別・順位付け・不採用などの採用を高リスクの用途に挙げ、資格のある人の実質的な確認と、AIを使ったことの本人への開示を求めること。発効日の表示が 2026-11-12 であることAnthropic: Usage Policy2026-10-29

個人情報の扱いの説明に何を書くかは、法務と相談して決めてください。 本記事は法令と公式の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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