Media > AI活用ユースケース > 採用 > 建設会社が採用ページの職種の紹介と社員の1日の文を、取材のメモと求人票から ChatGPT で作り、求人票と食い違う記述と性別を限る言い方に印を付ける

建設会社が採用ページの職種の紹介と社員の1日の文を、取材のメモと求人票から ChatGPT で作り、求人票と食い違う記述と性別を限る言い方に印を付ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

建設会社の採用担当が、取材のメモと職種ごとの求人票を ChatGPT のプロジェクトに入れ、採用サイトに載せる職種の紹介と社員の1日の文の下書きを作ります。求人票と食い違う記述と、性別を限ると読める言い方には印を付けます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Microsoft Copilot
対象業界
不動産/建設/製造
対象部門
採用
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
最小構成
費用感
既存ツールのみ(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
24h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
67%
年間削減
192h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用担当が社員に取材し、メモと録音を取る。録音は文字起こしのテキストにする
  2. 文字起こしを読み、1日の流れ(出社、朝礼、現場の巡回、打ち合わせ、書類、退社)の時刻と出来事を拾う
  3. 記事の構成を決め、職種の紹介または社員の1日の文を書く
  4. 求人票と就業規則を開き、勤務時間・休日・手当・仕事の範囲が記事と合っているかを見る
  5. 本人に読んでもらい、事実と違うところを直す
  6. 上長(現場の所長や支店長)に読んでもらい、現場の事情で出せないことが無いかを見る
  7. 採用サイトの CMS に貼り、写真を付けて公開する
導入後(After)
  1. 人採用担当が社員に取材し、メモと録音を取る。録音は文字起こしのテキストにする
  2. 人ChatGPT の「採用サイトの記事」プロジェクトで新しいチャットを開き、取材のメモと文字起こしを貼る
  3. 【AI】 スキル「社員の1日の記事」に沿って、1日の流れを時刻と出来事の表にし、出どころ(文字起こしの段落の番号)を付ける
  4. 人採用担当が表を見て、取り違えている時刻や出来事を直す
  5. 【AI】 直した表と、プロジェクトの資料にあるその職種の求人票から、記事の下書きを作る
  6. 【AI】 求人票と食い違う記述、性別を限ると読める言い方、出どころの無い数字を一覧にする
  7. 人採用担当が一覧を見て直し、本人と上長に確認を頼む
  8. 人本人と上長の直しを入れ、CMS に貼って公開する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用担当が社員に取材し、メモと録音を取る。録音は文字起こしのテキストにする
  2. 文字起こしを読み、1日の流れ(出社、朝礼、現場の巡回、打ち合わせ、書類、退社)の時刻と出来事を拾う
  3. 記事の構成を決め、職種の紹介または社員の1日の文を書く
  4. 求人票と就業規則を開き、勤務時間・休日・手当・仕事の範囲が記事と合っているかを見る
  5. 本人に読んでもらい、事実と違うところを直す
  6. 上長(現場の所長や支店長)に読んでもらい、現場の事情で出せないことが無いかを見る
  7. 採用サイトの CMS に貼り、写真を付けて公開する

(a)2番と3番に時間がかかる。 1万字の文字起こしから1日の流れを拾い、記事の形にするのに1時間近くかかります。採用担当の2人は、説明会や面接の合間にこれを書いています。

(b)4番が省かれる。 求人票と就業規則を開いて照らすのは、記事を書き終えた後の、一番疲れている時間です。「17時には現場を出ます」「土日は休み」と書いた記事が、求人票の「残業月20時間程度」「週休2日(土曜は月2回出勤)」と食い違ったまま公開されたことがあります。

(c)言い回しが書き手で違う。 採用担当Aは「現場を引っ張るリーダー」と書き、採用担当Bは「縁の下の力持ち」と書く。同じ職種なのに、記事ごとに仕事の印象が違います。 建設の現場で昔から使われてきた言い方が、そのまま記事に入ることもあります。

(d)本人の確認で何往復もする。 本人は現場で忙しく、記事を読んで返事をくれるのに数日かかります。直しが入ると上長の確認もやり直しです。 本人の直しの多くは「その時刻にはまだ現場に着いていない」「その言い方はしていない」といった、取材の記録を見れば防げたものです。

(e)過去の記事が置き去りになる。 採用サイトには、数年前に取材した社員の1日の記事が残っています。求人票の休日の決まりが変わっても、過去の記事を全部読み直す時間はなく、古い働き方の記事が新しい求人票の横に並んだままになります。

  1. 【人】 採用担当が社員に取材し、メモと録音を取る。録音は文字起こしのテキストにする
  2. 【人】 ChatGPT の「採用サイトの記事」プロジェクトで新しいチャットを開き、取材のメモと文字起こしを貼る
  3. 【AI】 スキル「社員の1日の記事」に沿って、1日の流れを時刻と出来事の表にし、出どころ(文字起こしの段落の番号)を付ける
  4. 【人】 採用担当が表を見て、取り違えている時刻や出来事を直す
  5. 【AI】 直した表と、プロジェクトの資料にあるその職種の求人票から、記事の下書きを作る
  6. 【AI】 求人票と食い違う記述、性別を限ると読める言い方、出どころの無い数字を一覧にする
  7. 【人】 採用担当が一覧を見て直し、本人と上長に確認を頼む
  8. 【人】 本人と上長の直しを入れ、CMS に貼って公開する

3番と5番を分けているのが、この設計の要です。 いきなり記事を書かせると、取材のメモに無い時刻がもっともらしく埋まります。先に表にして人が直し、直した表だけから文を作らせます。

6番の一覧は、AIの「判断」ではなく「照らし合わせの結果」です。 求人票と違うことを書いているか、性別を限る言い方があるか、を機械的に拾います。直すかどうかは採用担当が決めます。

02今回想定するシステム構成

構成図
取材のメモ・文字起こしのテキスト
   ▼【トリガー】取材の後に採用担当がチャットを開く
ChatGPT(プロジェクト「採用サイトの記事」)
   │  資料:職種ごとの求人票、就業規則の要点、休日カレンダー、表現の決まり
   │  指示:プロジェクトの指示
   ├──▶ スキル「社員の1日の記事」── 1日の流れの表(出どころ付き)
   ├──▶ スキル「職種の紹介」────── 仕事の範囲・資格・1年の流れ
   ▼
下書き+照らし合わせの一覧(求人票との食い違い/性別を限る言い方/出どころの無い数字)
   ▼
【採用担当が直し、本人と上長が確かめ、CMS に貼る】
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(Business のプロジェクトとスキル)Claude(Team のプロジェクト)、Microsoft Copilot(Microsoft 365 Copilot Chat)
文字起こし取材に使う会議ツールの文字起こし、または手元の録音の文字起こし採用担当の手書きのメモ
資料の保管社内の共有フォルダ(求人票と就業規則の原本)採用サイトの CMS の下書き
掲載自社の採用サイトの CMS(人が貼る)求人媒体の企業ページ

求人票・就業規則・CMS は、いまあるものです。 足すのは、ChatGPT のプロジェクトと2つのスキル、そして表現の決まりの1枚です。最初の準備作業は、職種ごとの求人票の最新版をプロジェクトの資料に入れ、古い版を外すことです。

プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示・資料をまとめておく場所です。 公式のページでは、資料(Sources)に入れたファイルはプロジェクトのチャットのあいだで共有され、プロジェクトの指示はそのチャット全体に効くとされています。求人票を毎回貼る必要がなくなります。

スキルは、繰り返す仕事の手順をまとめたものです。 公式のページでは、スキルは特定の作業の指示と補助の資料(テンプレート、例、ブランドの指針など)をまとめたもので、依頼が目的に合うと ChatGPT が選ぶほか、@ で明示して呼べるとされています。ワークスペースの設定が許せば、同僚と共有できます。 2人の採用担当が同じ手順で書くために使います。

照らし合わせの物差しは、3つです。 1つ目は職業安定法第5条の4で、厚生労働省のページは、インターネットや SNS を含む広告等で労働者の募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないとしています。採用サイトの記事も、読む人にとっては募集の情報です。

2つ目は男女雇用機会均等法の指針です。募集又は採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用いること、「男性歓迎」「女性向きの職種」等の表示を行うことが、男女のいずれかを排除していると認められる例に挙がっています。

3つ目は、建設業の時間外労働の上限規制です。厚生労働省のページは、工作物の建設の事業にも令和6(2024)年4月から上限規制が適用されている(一部特例あり)としています。社員の1日の記事で、遅くまで現場にいることを頑張りの話として書くと、いまの働き方と食い違う印象を与えます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

取材が終わり、文字起こしのテキストができたことを起点にします。 採用担当がプロジェクトで新しいチャットを開き、記事の種類(社員の1日/職種の紹介)を選んでスキルを呼びます。自動で起動する仕組みは作りません。

職種の紹介は、求人票が直ったときにも動かします。 人事部で求人票を改訂したら、採用担当がプロジェクトの資料の求人票を差し替え、その職種の紹介のページの今の文を貼って「新しい求人票と食い違う箇所を挙げてください」と頼みます。求人票の改訂と職種の紹介の改訂を、同じ日に行う決まりにします。

毎月の初めに、資料の版を確かめます。 プロジェクトの資料に入っている求人票の版の日付を一覧にし、人事部の最新版と照らします。古い版が残っていると、照らし合わせそのものが古い基準で行われます。

Step2

入力データを集める

データ中身置き場所
取材のメモ採用担当の手書きのメモを打ち直したもの。聞いた順の箇条書きチャットに貼る
文字起こし取材の録音の文字起こしのテキスト。段落ごとに番号を振ったものチャットに貼る
求人票職種ごとの仕事の内容、勤務時間、休日、賃金と手当、必要な資格、就業場所プロジェクトの資料
就業規則の要点所定の労働時間、休日の決まり、休日出勤と代休の扱いプロジェクトの資料
年間の休日カレンダー土曜の出勤日、夏季・年末年始の休みプロジェクトの資料
表現の決まり使わない言い方、言い換えの例、記事の長さ、見出しの立て方プロジェクトの資料とスキル

質を決めるのは、求人票の版と表現の決まりです。 求人票が古ければ、食い違いの一覧が古い基準で出ます。表現の決まりが無ければ、AIの言い回しは毎回違い、2人の採用担当の書き分けもそろいません。

就業規則は、全文ではなく要点だけを入れます。 照らし合わせに使うのは、労働時間・休日・休日出勤の扱いの数か条です。全文を入れると、記事に関係のない条まで照らし合わせの対象になります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
取材のメモ採用担当のノート取材の当日に打ち直す
文字起こし会議ツールまたは録音の文字起こしテキストに書き出し、段落の頭に番号を振る
求人票人事部の共有フォルダ最新版を PDF か Word のままプロジェクトの資料に入れる
就業規則の要点・休日カレンダー総務部採用担当が要点を1枚にまとめて資料に入れる

文字起こしの段落に番号を振るのは、出どころを示させるためです。 「⑫ 7時半に現場事務所に着いて…」のように番号があれば、表の各行に「⑫」と付けさせられます。番号が無いと、AIは出どころを「取材より」としか書けず、確かめられません。

取材のメモは、文字起こしと別に貼ります。 メモには、採用担当が取材の場で大事だと感じたこと(「本人は資格の勉強の話をしたがっていた」など)が書かれています。記事の重心を決めるのはメモで、時刻と出来事の根拠は文字起こしです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 段落の番号を振る … 文字起こしの段落の頭に ①②③…(または p01)を振ります
  2. 話し手を分ける … 取材する側と社員の発言を「Q:」「A:」で分けます。取材する側の言葉を、本人の言葉として記事に入れさせないためです
  3. 同席した人の発言に印を付ける … 上長が同席していたら、その発言に「上長:」と付けます
  4. 聞き取れなかった箇所を残す … 文字起こしの「(聞き取れず)」は消さずに残します。消すと、AIが前後から推して埋めます
  5. 他の社員や現場の名前を確かめる … 取材の中で出てきた同僚の名前、施主の名前、現場の所在地は、記事に出すかを先に決め、出さないものは「同僚A」「○○市の現場」に置き換えます

2番を省くと、質問の言葉が本人の言葉になります。 「やりがいは、やっぱり完成したときですか?」と聞いて「そうですね」と答えた場面が、記事では「完成したときが一番のやりがいです」と本人が語ったことになります。 本人が言っていない言葉です。

5番は、施主の名前が記事に出ないようにするためです。 現場の話をすると、施主や現場の名前が自然に出ます。記事に出してよいかは、営業と上長が決めることです。

Step5

AIに処理させる

させるのは、2段階です。

段階させること返すもの
1段階目文字起こしから1日の流れを拾う時刻・出来事・本人の言葉・出どころの番号の表
2段階目直した表と求人票から記事の下書きを作る見出しと本文の下書き
2段階目求人票と照らし合わせる食い違う記述の一覧
2段階目表現の決まりと照らし合わせる性別を限ると読める言い方、使わない言い方の一覧
2段階目数字の出どころを確かめる出どころの番号の無い数字の一覧

1段階目で表にさせ、人が直してから2段階目に進みます。 表の段階なら、取り違えた時刻を1行直すだけで済みます。記事になってからだと、どの文が取り違いから来たのかを探すことになります。

させないこと理由
取材に無い時刻・出来事の補完本人が読んで事実と違う記事になる
本人が言っていない言葉を「」で書く質問の言葉を本人の言葉にしない
求人票に無い条件の記述手当や休日を足すと、誤解を生じさせる表示になりうる
食い違いを「どちらが正しいか」決める記事と求人票のどちらを直すかは採用担当と人事部が決める
性別・年齢を限る言い方の言い換えを勝手に採る一覧に挙げ、言い換えの案を添えるまで

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 「資格の取得を会社が応援してくれます」という本人の言葉から、AIが「資格手当・受験費用の全額補助あり」と書き足すことがあります。求人票に書かれていない条件を記事に書くと、読んだ人は条件として受け取ります。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示(全チャットに効く部分):

あなたは建設会社の採用担当の手伝いです。採用サイトに載せる記事の下書きを作ります。

【資料の使い方】
- 勤務時間・休日・賃金・手当・必要な資格・仕事の範囲は、資料の求人票だけを根拠にしてください
- 求人票に書いていない条件を、記事に書き足さないでください
- 資料に複数の版の求人票があるときは、版の日付が新しいものを使い、そのことを書いてください

【表現の決まり】
- 資料の「表現の決まり」に従ってください
- 男女のいずれかを表す職種の名前や、「男性が活躍」「女性向き」のような言い方は使わないでください
- 遅くまで働くことを、頑張りや美談として書かないでください

スキル「社員の1日の記事」の1段階目:

貼られた文字起こし(段落に番号付き)と取材のメモから、
この社員の1日の流れを表にしてください。

【表の列】時刻|出来事|本人の言葉(あれば)|出どころの番号
【決まり】
- 時刻と出来事は、文字起こしに書いてあることだけにしてください
- 文字起こしに時刻が無い出来事は、時刻の欄を「不明」にしてください
- 「Q:」の発言を本人の言葉にしないでください
- 「(聞き取れず)」の前後から、内容を推して埋めないでください
- 出どころの番号は必ず付けてください。付けられない行は作らないでください
最後に、記事に使えそうな本人の言葉を3つまで挙げ、それぞれの番号を付けてください。

スキル「社員の1日の記事」の2段階目:

直した表と、資料の求人票({職種})から、記事の下書きを作ってください。
見出しは【】で書いてください。

【下書きの決まり】
- 表に無い時刻・出来事を足さないでください
- 本人の言葉は、表の「本人の言葉」の列にあるものだけを「」で書いてください
- 長さは本文で1,500字前後にしてください

【下書きの後に、次の3つの一覧を付けてください】
1. 求人票と食い違う記述:記事の文|求人票の項目と記載|どう食い違うか
2. 表現の決まりに当たる言い方:記事の文|当たる決まり|言い換えの案
3. 出どころの無い数字:記事の文|数字
どれも無いときは「なし」と書いてください。どちらを直すべきかは書かないでください。

スキル「職種の紹介」(求人票を改訂したとき):

資料の求人票({職種}、最新の版)と、いま公開している職種の紹介の文を比べてください。

【やること】
1. 公開中の文のうち、最新の求人票と食い違う記述を挙げる
   (仕事の範囲、必要な資格、勤務時間、休日、就業場所、手当)
2. 最新の求人票にあって、公開中の文に無い項目を挙げる
3. 1と2を直した文の案を作る。見出しは【】で書く

【決まり】
- 直した文の案は、求人票に書いてあることだけで作ってください
- 公開中の文にある社員の声や現場の写真の説明は、そのまま残してください
- 求人票に無い仕事のやりがいや成長の話を、新しく足さないでください

職種の紹介では、社員の声を残させます。 求人票の改訂で直したいのは条件の記述だけで、取材で集めた本人の言葉まで書き換えると、本人の確認をやり直すことになります。

「付けられない行は作らない」を書かないと、もっともらしい1日ができます。 建設の施工管理の1日は、AIもおおよその流れを知っています。知っている流れで空白を埋めると、その会社のその人の1日ではなくなります。

「どちらを直すべきかは書かない」は、求人票の側が古い場合があるからです。 記事の「土曜は休み」が正しく、求人票の「土曜は月2回出勤」が改訂漏れ、ということもあります。決めるのは人事部です。

Step7

出力形式を固定する

記事の下書きは、CMS に貼りやすい形で返させます。 見出しは【】で、本文は段落ごとに空行を入れます。見出しを記号にそろえておくと、CMS の見出しの書式に置き換えるのが機械的になります。

1段階目の表の例:

時刻出来事本人の言葉出どころ
7:30現場事務所に着き、その日の作業の段取りを確かめる「朝の30分で一日が決まります」③
8:00朝礼。協力会社の職長と作業の範囲と危険な箇所を確かめる-④⑤
不明現場を巡回し、配筋の写真を撮る-⑦
17:30現場事務所を出る-⑫

照らし合わせの一覧の例:

【求人票と食い違う記述】
- 記事「土日はしっかり休めます」|求人票「休日:日曜・祝日、土曜は月2回出勤」
  |土曜の出勤の記載と食い違う
【表現の決まりに当たる言い方】
- 記事「現場を支える頼れる男たち」|決まり3(性別を限る言い方)
  |言い換えの案「現場を支える頼れる仲間」
【出どころの無い数字】
- 記事「入社3年で1級を取得」|「3年」の出どころが表に無い

一覧を3つに分ける理由は、直す人が違うからです。 求人票との食い違いは人事部と相談し、表現の決まりは採用担当が直し、出どころの無い数字は本人に確かめます。一覧を見た時点で、誰に聞くかが決まります。

一覧誰が見るか直し方
求人票と食い違う記述採用担当と人事部記事か求人票のどちらかを直す
表現の決まりに当たる言い方採用担当言い換えの案を見て直す
出どころの無い数字本人確かめて直すか、数字を消す

記事の見出しの並びも、スキルの中で固定します。 毎回同じ並びにしておくと、読む人は職種どうしを比べやすくなり、採用担当は CMS に貼るときに迷いません。

記事の種類見出しの並び
社員の1日【この人の仕事】【ある日の流れ】【この仕事で大事にしていること】【これから挑戦したいこと】
職種の紹介【仕事の内容】【1年の流れ】【必要な資格と取れる資格】【働く場所と時間】【社員の声】

職種の紹介の【働く場所と時間】は、求人票の文をほぼそのまま使います。 言い換えるほど、求人票との食い違いが生まれやすくなるからです。

Step8

システムへ連携する

システム同士はつなぎません。 下書きは採用担当が CMS に貼ります。CMS に自動で投稿する仕組みは作りません。 本人と上長の確認の前に公開される経路を作らないためです。

つなぎ先方式内容
文字起こしテキストをチャットに貼る段落の番号を振ってから貼る
求人票・就業規則の要点プロジェクトの資料にファイルを入れる版が変わったら差し替える
本人と上長社内のチャットかメールで下書きを送る確認の結果を採用担当が記事に入れる
採用サイトの CMS採用担当が貼る見出しの【】を CMS の見出しに置き換える

スキルは、2人の採用担当で共有します。 ワークスペースの設定が許せば共有できるので、書き方を直すときはスキルを直し、2人とも次の記事から同じ書き方になります。

Step9

人が確認する

  1. 採用担当が1段階目の表を直す … 時刻と出来事が取材と合っているか。ここで直すと、記事での直しが減ります
  2. 採用担当が3つの一覧を見る … 求人票との食い違いは人事部に確かめ、言い方は直し、数字は本人に聞く項目に回します
  3. 本人が記事を読む … 事実と違うところ、言っていない言葉、出してほしくないことを直します
  4. 上長が記事を読む … 現場の事情(施主の名前、工事中の建物の写真の扱い)を確かめます
  5. 人事部が求人票との食い違いを決める … 記事を直すか、求人票を直すか

3番の本人の確認は、省かないでください。 AIが取材のメモから作った文でも、本人が自分の言葉として読めるかは、本人にしか分かりません。

5番で求人票を直すと決めたら、職種の紹介のページも同じ日に直します。 求人票を直したことが、職種の紹介に伝わらないのがいまの困りごとです。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしに時刻がほとんど無い1段階目の表の時刻が「不明」ばかりになる。本人に時刻だけ追加で聞く
取材の録音が取れていない取材のメモだけで1段階目の表を作り、出どころを「メモ」とする。本人の言葉は使わない
プロジェクトに同じ職種の求人票が2つの版ある新しい版を使った旨が出る。古い版を資料から外す
本人が記事に名前や写真を出したくないと言う名前はイニシャルか職種と入社年だけにし、写真は後ろ姿か現場の写真にする
一覧に「なし」ばかり出る照らし合わせが効いていない可能性がある。わざと食い違いを入れた記事で試す
求人票に無い制度を本人が話した記事に書く前に人事部に確かめる。制度が無ければ書かない
取材の中で長時間の勤務の話が出た記事に書くかを上長と人事部で決める。上限規制のもとでの今の働き方と合っているかを確かめる
文字起こしが長すぎて一度に貼れない段落の番号を保ったまま前半と後半に分けて貼り、表は後半の後にまとめて作らせる
取材した社員が記事の公開前に異動した記事の職種・就業場所が今と違ってよいかを本人と人事部に確かめ、「取材時点」と書き添える

5行目は、運用の初めに必ず試します。 「土日は休み」と書いた記事を、土曜出勤のある求人票と一緒に渡して、一覧に出るかを見ます。出なければ、資料の求人票が読めていないか、指示が効いていません。

7行目は、記事の書き方だけの問題ではないことがあります。 取材で話された働き方が、いまの労働時間の決まりと合わない場合は、記事を直す前に、人事部と現場で確かめることがあります。

Step11

記録を残す

  • 取材のメモと文字起こし(段落の番号付き)
  • 1段階目の表と、採用担当が直した後の表
  • 記事の下書きと、3つの一覧
  • そのとき使った求人票の版の日付
  • 本人と上長の直しと、公開した記事
  • 人事部が「求人票を直す」と決めた記録

4つ目の求人票の版を残すのは、記事と求人票が後で食い違ったときのためです。 公開した時点では合っていて、後で求人票が変わった、ということが起きます。どの版に合わせて書いたかが分かれば、直す記事を探せます。

チャットの履歴は、プロジェクトの中に残ります。 ただし、記事の正本は CMS とここに挙げた記録の側に置き、チャットの履歴を記録の代わりにしないでください。

04実装レベルの3段階

最小構成:ChatGPT のプロジェクトに求人票と決まりを入れ、スキルで表と下書きと一覧を作る / 表づくり、下書き、3つの照らし合わせ
半自動化:上記+求人票の改訂のたびに、その職種の公開中の記事をまとめて照らし合わせる / 求人票の改訂に合わせた既存の記事の点検
本格構成:上記+求人票の管理と CMS をつなぎ、改訂のたびに対象の記事の一覧と点検の結果を自動で出す / 改訂から点検の一覧までの全体

本記事の想定は最小構成です。 月16件なら、採用担当が ChatGPT の画面で回せる量です。半自動化以上は、公開中の記事が数百本になったときに考えます。 半自動化の価値は、過去の記事の点検です。 求人票を直したとき、その職種の過去の社員の1日の記事が10本あれば、10本とも照らす必要があります。手で開いて読むと、ここが一番抜けます。 本格構成は、求人票を管理する仕組みがあるときだけです。 求人票が職種ごとの Word のままなら、つなぐ先がありません。 半自動化に進むときの準備は、公開中の記事の台帳です。 記事ごとに、職種、取材した日、合わせた求人票の版、本人の在籍の有無を1行にまとめておきます。この台帳があれば、求人票を直した日に「どの記事を照らすか」がすぐ決まり、照らし合わせはプロジェクトにその記事を貼るだけで済みます。 台帳が無いまま進めると、点検の対象を探すところで手が止まります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
16 件
1件あたり現在時間
90 分
1件あたり導入後時間
30 分
現在  16件 × 90分 ÷ 60 = 24 時間/月
導入後 16件 × 30分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
16h
削減率
67%
年間削減時間
192h
年間金額換算(時間単価3,000円)
58万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 施工管理・設計・積算・工務・技能職などの職種を通年で募集し、自社の採用サイトに職種の紹介と社員の1日の記事を毎月足している中堅の建設会社。採用担当が2〜3名で、取材から記事の公開までを兼務している場合。社員の1日の記事で、求人票の勤務時間や休日と違う書き方をしてしまったことがある場合。ChatGPT の Business などの法人向けのプランをすでに使っている場合。
向いていない
  1. 採用サイトの記事を制作会社にすべて任せていて、社内で文を書かない場合。募集する職種が1つで、記事を年に数本しか足さない場合。取材をせずに、AIに社員の1日の様子を作らせたい場合(この構成は取材のメモと求人票に書いてあることから文を組み立てるもので、書いていない一日の流れを作ることはしません)。

07最小構成で試す方法

  1. 過去に公開した社員の1日の記事から3本を選び、そのときの取材の文字起こしを用意する
  2. ChatGPT でプロジェクトを1つ作り、その職種の求人票と表現の決まりの1枚を資料に入れる
  3. 第7章の1段階目の指示で、文字起こしから1日の流れの表を作らせる
  4. 表を、公開した記事の1日の流れと突き合わせる
  5. 2段階目の指示で下書きと3つの一覧を作らせ、公開した記事と比べる

3本は必ずやってください。 確かめたいのは、表の時刻と出来事が、公開した記事(本人が確かめたもの)と合うかです。

出てきた内容判断
表が公開した記事の流れとほぼ合ったスキルにまとめて2人で使う
文字起こしに無い時刻が入った指示の書き方で直る。構成は有効
公開した記事と求人票の食い違いが一覧に出た過去の記事の見直しが要る

3行目が出ることは珍しくないはずです。 失敗ではなく、公開している記事のどこかに、求人票と食い違う記述が残っているということです。 その職種のほかの記事も、同じ方法で照らしてください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
文字起こしに無い時刻が埋まる1段階目で表にさせ、出どころの番号の無い行を作らせない
質問の言葉が本人の言葉になる前処理で Q と A を分け、Q の発言を本人の言葉にしないと指示する
求人票に無い手当や制度が書き足されるプロジェクトの指示で、条件は求人票だけを根拠にすると明記する
古い版の求人票で照らし合わせる毎月の初めに資料の版を確かめ、古い版を外す
一覧が「なし」ばかりで効いているか分からないわざと食い違いを入れた記事で試す
性別を限る言い方が残る表現の決まりに例を並べる。建設の現場で使われてきた言い方ほど見落とす
遅くまで働く話が美談になる指示で禁じ、取材でその話が出たら上長と人事部に確かめる
施主や現場の名前が記事に出る前処理で置き換え、上長の確認で見る
2人の書き方がそろわない書き方はスキルにまとめ、直すときはスキルを直す
求人票を直したのに記事が古い求人票の改訂と職種の紹介の改訂を同じ日に行う決まりにする
下書きの言い回しが毎回同じになる表現の決まりに「言い換えの例」を足し、本人の言葉を見出しの近くに置く
本人の確認が戻ってこない確認を頼むときに、直してほしい箇所(出どころの無い数字など)を先に挙げて渡す

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AIが記事を良く見せようとして起きます。時刻を埋めるのも、本人の言葉を整えるのも、制度を足すのも、記事としては読みやすくなる方向です。読みやすさより、本人と求人票に合っていることを優先させます。

6行目は、表現の決まりに具体例を並べるほど効きます。 指針が挙げている「男性歓迎」「女性向きの職種」のほか、自社の現場で使われてきた言い方を、採用担当が思い出して足していきます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 社員への取材の内容(氏名、入社年、経歴、家族の話が出ることもある)、求人票、就業規則の要点、現場や施主の名前です。

  1. 法人向けのプランで使う … 公式のページは、OpenAI は既定ではビジネスのデータをモデルの学習に使わないとしています。個人のアカウントで取材の文字起こしを扱わないでください
  2. 取材の中の家族や健康の話を記事に入れるかは、本人が決める … 取材では、子育てや介護の話が自然に出ます。記事に入れてよいかを、本人の確認の段階で必ず聞きます
  3. 他の社員や施主の名前は、前処理で置き換える … 記事に出す前提でない名前を、資料やチャットに残さないようにします
  4. 社員の名前と写真を出すことに同意を取る … 退職した後の扱い(記事を下げるか、名前を外すか)も、取材の前に決めておきます
  5. 記事を募集の情報として扱う … 職業安定法は、広告等で募集の情報を出すときに虚偽や誤解を生じさせる表示をしてはならないとしています。読み物の記事でも、読む人は条件として受け取ります
  6. AIの一覧を、労務の判断として扱わない … 求人票と食い違う記述の一覧は、照らし合わせの結果です。どちらを直すか、働き方として問題が無いかは、人事部が決めます

誤りが起きた場合のリスクは、本人が言っていないことを書いて出すことと、求人票と食い違う条件を書いて出すことの2つです。 前者は出どころの番号と本人の確認で、後者は求人票だけを根拠にする指示と一覧で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:求人票の版をそろえる

職種ごとの求人票の最新版を人事部から集め、版の日付を付けます。古い版は、プロジェクトに入れる前に外します。 あわせて、就業規則のうち労働時間・休日・休日出勤の扱いを1枚にまとめます。

2週目:表現の決まりを作る

使わない言い方、言い換えの例、記事の長さ、見出しの立て方を1枚にします。性別を限る言い方は、自社の過去の記事から実際に使っていた例を拾います。

3週目:過去の記事3本で試す

プロジェクトを作り、過去の社員の1日の記事3本の取材の文字起こしで、1段階目の表と2段階目の下書きと一覧を作らせます。公開した記事と求人票の食い違いが一覧に出るかを、最優先で見ます。

4週目:スキルにまとめる

1段階目と2段階目の指示をスキル「社員の1日の記事」にまとめ、職種の紹介も同じようにスキルにします。2人の採用担当が、次の取材から同じスキルで書きます。

2か月目: 新しい取材の記事をこの手順で書き、1本あたりの時間を測ります。3か月目以降: 求人票を直した職種について、公開中の記事をまとめて照らし合わせます。求人票を直した日に、関係する記事の点検まで終わるようになれば、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-29/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
職業安定法第5条の4で、インターネットや SNS を含む広告等により労働者の募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないとされていること厚生労働省: 労働者の募集広告の表示について2026-10-29
募集又は採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用いること、「男性歓迎」「女性向きの職種」等の表示を行うことが、男女のいずれかを排除していると認められる例とされていること厚生労働省: 性別を理由とする差別の禁止等に関する指針(平成18年厚生労働省告示第614号)2026-10-29
工作物の建設の事業に、時間外労働の上限規制が令和6(2024)年4月から適用されていること(一部特例あり)厚生労働省: 建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制2026-10-29
プロジェクトが関連するチャット・ファイル・指示・資料をまとめ、資料がチャットのあいだで共有され、プロジェクトの指示がチャット全体に効くことChatGPT: Projects2026-10-29
スキルが特定の作業の指示と補助の資料をまとめたもので、依頼に合うと選ばれるか @ で呼べ、ワークスペースの設定が許せば共有できることChatGPT: Skills and plugins2026-10-29
OpenAI が既定ではビジネスのデータをモデルの学習に使わないことChatGPT: Work Cloud security2026-10-29

記事と求人票のどちらを直すか、働き方として問題が無いかは、人事部が決めてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

自社の業務に使えるAI活用候補を整理します

このユースケース(UC-2260)についてのご相談はこちらから。

AI活用について相談する
目次